Archive2006年11月 1/1

Vandenverg - Heading for a Storm

 オランダのバンドながらも世界にブレイクした第二のヴァン・ヘイレンとも呼ばれる筋も持っていたヴァンデンバーグ。ギタリストのエイドリアン・ヴァンデンバーグの名前から付けられたこのバンドはもう正にその人のギターワークに全てが詰め込まれていると云っても良い。もちろんバンドの方もかなりのテクニシャンを揃えていたコトは云うまでもないが…。 レスポールにマーシャル直結という元祖ハードロックの分厚いサウンドはこ...

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Dio - The Last In Line

 目立ちたがり屋さんではないギタリストの一人にヴィヴィアン・キャンベルという器用貧乏な人がいる。テクニックはバツグンだったし、それ故にメジャー所の人間と組むことで世に出たがっていたというのは若さゆえの野望だったのかもしれない。今となっては妙に冷静に見てしまうのだが、彼の渡り鳥的バンド人生を見るとそういう面が顕著に表れているように感じる。で、運が良かったのか、狙っていたのか知らないけど、見事にその野...

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Dokken - Tooth And Nail

 ラットのウォーレンと仲の良かったギタリストに今でもまぁ有名なのかな…、ジョージ・リンチという派手好きなギタリストがいてね、もちろんギタリストだからソロで出てくるワケじゃないが、売れるためにはって事もあって元々相性の悪いボーカリストであるドン・ドッケンと組んでシーンに出てきた。そのバンド名もドッケンっつう事で、よく調べてないけどメンバーをかき集めていたトコロへの参加だったんだろう。最初は何でも良い...

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Ratt - Out Of The Celler

 80年代に入り、新たな時代(…と思われた)を担うギターヒーローが何人も誕生したが今から考えればほとんど誰もきちんとした成功を成し遂げていないのも事実か。しかし一時代を築き上げたことは注目に値するし、素直にそのシーンを間近に見ていた自分たちの世代にとっては華やかな世界に見えたものだ。 ウォーレン・デ・マルティーニ=ラットのリードギタリストもその中の一人で、今でも活動をしているようだしやはり地力は持っ...

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Yngwie Malmsteen - Chashing Tokyo 1985

 孤高のギターヒーローとして難しい性格とワガママ奔放と言う点も共通している天才のひとりにイングヴェイ・マルムスティーンというスウェーデン人がいる。ギター小僧的に書くと、ヴァン・ヘイレンが築いた速弾き奏法が80年代のハードロック・ヘヴィメタルシーンを支えたとするならば、80年代にアルカトラズで世界に打って出たインギーはそれ以降のHR/HMのギタリスト全てに影響を及ぼしたとも言える。どちらも共通するのは全ての...

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Van Halen - Van Halen

 オランダが生んだ世界最大のギターヒーローとも言えるエディ・ヴァン・ヘイレン率いるヴァン・ヘイレン、衝撃のデビュー作から今に至るまでもう30年近く活動していることになる。しかしまぁ、やっぱりヴァン・ヘイレンって言ったら今でもデイヴ・リー・ロスがいた頃のバンドというのがやっぱり人気が高いんじゃないかな。少なくとも自分的にはそうだな。アルバムで言えば「1984」が何と言っても最高作品だと思うけど、それは以前...

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The Micheal Schenker Group - Live In Japan

 先週の11月16日木曜日、初めて音を聴いてから二十数年間見たことのないマイケル・シェンカーの生プレイを見るチャンスに恵まれた…って書くとおかしいのだが、前売りチケットも買ってなくて、しかも気付いた時には既にチケット完売ということでなんだかなぁ…と思っていたのだ。が、予定的にはなんとかなりそうだったので当日19時ギリギリで会場の中野サンプラザに到着してみるとなんとダフ屋がいない…。ダフ屋が頼りだったのにな...

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Gary Moore - Rockin' Every Night In Japan

 シン・リジィ離脱後英国のハードロック勢と合流しており、例えばコージー・パウエルやホワイトスネイク、更にはグレッグ・レイクなどなど、それからアメリカの連中とも交流がありテッド・ニュージェント関連あたりも出てくる。そんな中ようやく待望のソロアルバム「大いなる野望」が完成してリリース、それがどういうワケか日本で大反響を呼ぶことになり急遽来日公演決定、1982年の事ですな。その来日公演から日本限定のライブア...

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Thin Lizzy - Black Rose: A Rock Legend

 アイルランド産ロックバンドと云えば、あまり知らないのでやっぱシン・リジィになっちゃうし、中でもケルト風味と云えば初期三部作が挙げられるけど、ここはやっぱり永遠の名作「Black Rose: A Rock Legend」だ。 1974年にシン・リジィに参加したことのあるゲイリー・ムーアが数々のプロジェクトに尽く失敗した後、再度とばかりにシン・リジィに参加して創り上げた気合い満点の傑作となった「Black Rose: A Rock Legend」。誰が...

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U2 - Boy

 今月末から待望の日本公演が行われるU2の1980年のデビュー作品ではアイルランド出身のバンドという枠組みから大きく逸脱した世界的にも独特のサウンドを武器に、ケルトをほぼ排除したサウンドで、その寒々しい空気感だけをパッケージして、エッジの透明感溢れるサウンドとエフェクト、そしてシンプルでラフなリズム隊、何と言っても圧倒的な存在感を示すこととなるボノの今や世界最強のオリジナルメンバー歴を誇るバンドにまでの...

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The Cranberries - Wake Up and Smell the Coffee

 90年代の音楽界では割と多国籍サウンドが賑やかになってきた頃で、アイルランド産はもちろんのことスウェーデンポップなんてのももてはやされたりしていて、結構国の文化が垣間見れる時代になってきていたのも事実。まぁ、ロック界の中ではあんまり変わらなくってどんどん衰退していった気がするが…。 そんな中でアイルランドから元気の良い、と云うか昔のU2のようなサウンドっつうか雰囲気で出てきたのがクランベリーズ。初期...

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Sinead O'conner - Sean Nos Nva

 80年代末にシーンに登場して瞬く間にアイルランドの歌姫と世界中で呼ばれるようになった人にシニード・オコナーという実に個性的な女性がいる。そう、スキンヘッドで確固たる意思を持った瞳が印象的な彼女だ。昔から知ってはいたけどあんまり音楽的に好みではなくってもちろんもっともっとハードな音を求めて別に聴かなかった人の一人なんだけど、アイルランド音楽あたりに興味を持つと必ず出てくるし、それがそんじょそこらのも...

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The Corrs - Unplugged

 90年代以降のいわゆるニューケルトサウンドのひとつの究極の姿を世界に示したとは言い過ぎだが、それでもそれほどの功績を残したバンドがザ・コアーズだと思う。単なるポップバンドとして捉えられている面もあるとは思うんだけど、もの凄くケルティックなサウンドが散りばめられていて、それがここぞという時の必殺フレーズみたいに使われるのが堪らない。多分地元アイルランドでもこれだけケルティックなアイルランド精神を打ち...

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Altan - Blackwater

 再びアイルランドに戻り今や大御所となったアルタンを取り上げてみよう。この人達、即ちマレードの人生なんだけどパッと経歴を見るだけでも既にドラマティックというのか、感情移入してしまう。もちろんそこから紡ぎ出される音楽が繊細で美しいからこそ納得感があるんだけどさ。だから今回は彼女たちの「Blackwater」を取り上げておきたい。 1970年代後半マレードと当時はまだ結婚していなかった後の夫となるフランキーは二人と...

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Capercaillie - Sidewaulk

 ちょっと島を離れたスコットランドでも同じように伝統音楽はもちろん存在しており、それは距離的な近さからどうしたってアイルランドあたりとは似てくるものだが、スコットランド伝統音楽からアイルランド(ケルト音楽)に近づいてきたことで洗練されたサウンドを生み出し、そしてスコットランドの旗手にまでなってしまったバンドがカパーケリーというこちらも紅一点ボーカルのカレンを配した素晴らしい音楽集団だ。 デビューは...

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Clannad - Macalla

 アイルランド=音楽の国と昔から言われているように、シーンに登場するアイルランド出身の歌手やアーティストを見ているだけでもそんな感じがヒシヒシと伝わってくる。先のエンヤにしても兄弟姉妹が多い中でシーンに躍り出てきたワケで、元々はクラナドというグループを兄弟姉妹で結成していて、その環境の中で育っている関係上彼女もクラナドで歌を歌っているアルバムがある。しかしクラナドと言うグループも結成が古く、そして...

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Enya - The Memory Of Trees

 ヒーリングミュージックと呼ばれるジャンルの筆頭というかポピュラリティを最も博している人と言えばやっぱりエンヤ嬢、意外とキャリアは深くて古くから活動している人なんだけど、世に知られ始めたのは1990年代前後、歌声の美しさもともかくながらもの凄くゆったりとしたリズムのない環境的サウンドの中で紡ぎ出される空気感が好かれたようだが、恐らくどのアルバムも似たような傾向になることを警戒してアルバムリリース間隔が...

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Lesley Garrett - A Soprano At The Movie

 映画を見ていて印象の残る音楽というものは実に機会が多くて、それぞれがひとつのページとして記憶に残るシーンとなるが、例えば映画「ディーバ -ニューマスター版-」というものもそのひとつ。映画そのものも非常に美しいトーンとテンポで撮られているし、そもそもフランス映画だからのほほ~んとした雰囲気はもちろんあるんだけど、その中でもオペラ歌手と青年、そしてミステリーと多重にも渡るストーリーが展開されている実に...

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Flairck - Alive

 室内楽という括られ方をされることの多い芸術的な音楽の世界、中でもオランダのフレアークというユニットというかバンドは女性二人と男性三人による室内楽奏のような、あくまでもそのような、という意味でだが、世界のマニアへの関心度は非常に高く、その音楽も実に多様化した素晴らしく美しいもので今の季節にピッタリな穏やかさを聴くことが出来るのだ。 そもそもはpapini嬢のトコロで紹介されていて絶対凄く熱くてかっちょい...

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John Mc Laughlin, Paco De Lucia, Al Di Meola - Friday Night In San Francisco

 世の中には全くジャンルというモノに属さない音楽もある。ロックでもあるけどジャズでもある、そして高尚な音楽でもあるし技術的にも素晴らしい音楽というものに出会った時、果たしてどういう反応をしたら良いだろうか?そんなことを考えさせる作品もこの際だから取り上げてみようかな、と。 「フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ/スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!」ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシア, アル・...

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Joan Gilberto & Stan Getz - Getz / Gilberto

 ジャズという音楽の領域はロックのそれに勝るとも劣らないくらいに幅広く吸収している。それこそプログレッシヴなジャズもあればシンプルなジャズボーカル…、ジャズボーカルかぁ、それも良いなぁ…書いてるそばから聴きたくなってきた(笑)。いや、今回はそうじゃなくって、音楽の幅が広いってことから始めたかったんだが…。うん、気を取り直して…、そう、だかフリージャズもあればビッグバンドもあるし、ピアノもあるし本当に幅...

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Sonny Criss - Go Man!

 50年代末期のジャズ界と云えば60年代末期から70年代にかけてのロック界と同じく、多種多様のアーティストがこぞって作品を世に出してしのぎを削り合っていた熱い時代で、その分当然ながら名作名盤、そして名レーベルなど多数生まれているのだが、中でもブルーノートと云うレーベルは独特の文化が創られており今でも数多くのファンが存在する。もちろん他にも幾つかあったが、今回は超マイナーなインペリアルレーベルからの傑作を...

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Phil Woods & The European Rythm Machine - Alive and Well in Paris

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Sonny Rollins - Saxophone Colossus

 ジャズにも色々と系譜があって、詳しく語れる人なら知ってるんだろうけどそこまで追求したことないから自信はない(笑)。うん、結構手当たり次第聴いているんだけど、一番ジャズの熱気を素直に伝えてくれるのってやっぱバップ系でしょ。んで、バップ系ってどんなん?って訊いたらそれならばとりあえずコレを聴けってことで薦められたのが恒例のソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」=通称「サキコロ」でした。 しか...

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John Coltrane - Blue Trane

 マイルス門下生の中で一番ジャズの重鎮へと成長した人の中にはジョン・コルトレーンの名を挙げる人が多いのではないだろうか。それほどに彼のキャリアはジャズ界に浸透し、そして名盤と呼ばれる作品をいくつも創り上げた人物となったのである。 な~んてかっこよく書いてみたけど、そんなに詳しくは知りません。ただ、やっぱり「ブルー・トレイン」や「ソウルトレーン」、そして「Ballads」「至上の愛」なんていう作品群は好き...

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Miles Davis - Round 'bout Midnight

 マイルス・デイヴィスほどのキャリアを持っていると人によって好きな年代はまちまちだと思うが、個人的にはやっぱり50年~60年代。う~ん、でも70年代のエレクトリック時代もスリリングで嫌いではないので音楽的にはやっぱりずっと進化していく人ってのは面白いもんなんだな。 ジャズへの入り方って色々あるんだろうけど、やっぱりマイルス・デイヴィス人脈周辺から入るのが一番スタンダードなんだろうな、と思う。特に名の知れ...

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死刑台のエレベーター - Original Soundtrack

 映画とジャズと云えば、マイルス・デイヴィスと「死刑台のエレベーター」が今でも最高の組み合わせだと断言してしまう。それくらいにインパクトが強く、また絶妙なコラボレーションを知らしめた作品なのだ。時代は1957年、マイルスが新天地ヨーロッパに新しい物を見つけて旅に出た頃、フランス映画の天才ルイ・マルはヌーベルヴァーグ時代に新たなる息吹を与えるためにも緊張感漂うサスペンス映画を制作したところだった。この「...

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Bird - Original Soundtrack

 全く娯楽に於いてのアメリカ文化の幅の広さには脱帽するばかりで、垂れ流しの文化とも云う面も多いがしっかりと楽しませてくれるモノも多い。中でも音楽物に関しては感動しっぱなしというものもあり、映画を見てついぞ涙したくなるものもあるのだ。80年代初頭にはミーハーな音楽物が多数制作され先だって取り上げたものもあり、80年代という世代を築き上げた部分も大きかったが今回は1988年制作となった快心の作品を取り上げてみ...

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Madonna - I'm Breathless

 デビュー当初から映画出演とポップスターの両方を狙っていた80年代の大スターと云えば、今でも燦然とトップに君臨するマドンナが思い浮かぶ。野心と野望に満ち溢れた彼女の世間に打って出る姿勢は自身の成長と共になるほどと頷けることが多く、どっちかと云うと音楽的と言うよりもマドンナという人生を見て楽しんでいるという向きが強いかな。一応本筋に沿っていけば、やはり映画出演というサントラ…で行きたいんだけど、「マド...

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Olivia Newton John - Two Of A Kind

 歌手業と女優業の両立、しかもどちらもある程度の成功をとなるとなかなか難しい。マドンナはそれがやりたくて何度も何度も映画に挑戦したが今でも女優マドンナという印象はない。それは歌手業があまりにも彼女のシンボルになりすぎたためでもあるが。ベット・ミドラーはどうだろう?どちらかというと今では女優さんって感じだけど、やっぱ歌も歌えば上手いのでどちらも認められているタイプで珍しい成功だね。で、そこまではいか...

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