Ellen Foley - Spirit of St.Louis



 エレン・フォーリーという女性アーティストをご存じだろうか?

 経歴をざっと書いておくと今ココで登場する理由を納得してもらえるんじゃないかな、っていうことなんだが(笑)。最初はミート・ローフの例の「地獄のロックライダー」で向こうを張り合う女性歌手として登場して、その線では当然ジム・スタインマンとも絡んでいて、っつうかそっちが先なのかもしれないけど、彼のソロ作品「Bad for Good」やバンド作品「Original Sin - Pandra's Box」でも当然歌手として参加してるし、ミートローフの「地獄のロックライダー2」でも参加してる。その間なんと15年くらいに渡ってそういったことがあるんだよね。

 で、その間が重要で、歌手としての部分で云えばミートローフとの仕事の次にはなんとイアン・ハンターの名作「You're Never Alone With a Schizophrenic」に参加、ついでにかどうか知らないけど、ミック・ロンソンとイアン・ハンターのプロデュースによる彼女のファーストソロアルバム「Night Out」が同時期にリリースされているわけだ。う~む、何か凄いぞ。で、その後のセッションっつうとブルー・オイスター・カルトなワケで、一体何事?って思うんだけどさ。で、その後、そう、ザ・クラッシュとの出会い…これはヨーロッパでの出会いらしいけど、そのおかげでミック・ジョーンズと恋仲になり、クラッシュのアルバム「サンディニスタ!」でも実は参加しているし、彼女のセカンドアルバム「悲しみシアター」はクラッシュファミリー全員参加のクラッシュ作品みたいなもんだ。

 ホントはこいつが書きたいワケよ。凄くほっとするアルバムで、アメリカ人らしさが全然出てこないのは当然で、凄くマルチな才能を出しているミック・ジョーンズの裏名仕事。アルバムのクレジットには「Produced by My Boyfriend」って書いてあるしさ(笑)。ジャケ写はクラッシュの「ロンドン・コーリング」を撮ったペニー・スミスを配しているんだよね。素晴らしい♪ ソフトになったクラッシュサウンドってこんなに聴きやすいし面白いモノなのかと思う。

 で、彼女はその後もちろんミックと別れるワケだが、どうしたかと云うと…、何とハリウッド女優になってしまったのだ。しかも有名な作品ばかり。「カクテル」「トッツィー」「危険な情事」などなど…。その合間には「フットルース」のサントラに収録されて大ヒットとなったボニー・タイラーの「Bonnie Tyler - Bonnie Tyler Live - Holding Out for a Hero Hero」にも参加してたり、「ストリート・オブ・ファイアー」収録のこちらもヒット作となったダン・ハートマンの「夢を見ただけ」にも参加していたっつう…。

 実はアメリカンレディーの素晴らしい成功者なのだが、その実あまり表立って知られていないという彼女の真髄がミートローフとクラッシュあたりにあると云うのは面白い。

 しかしこの「悲しみシアター」はホントに色々な曲が詰め込まれていて飽きない…。歌的にはそんなに上手いとか熱唱するというタイプではないんだけど、何かこう迫ってくるものがあるからかな。技術的なトコはもちろんクリアしてるけどさ。だからだろうな…、あと多分性格が男勝りなんだと思う。だから好きなんだよ、多分(笑)。

Top Gun - Original Soundtrack


 80年代サウンドトラック盤の傑作と言えばもう一枚、決定的に今後のサントラ盤の方向性を形づけたとも云えるものが「トップガン」。

 これもまたタイトル曲はケニー・ロギンスの爽快な「Danger Zone」っつうハードロックで気持ちの良い音だったんだけど、この中から今でも名作として語り継がれているのがベルリンの「ベルリン - Metro: Greatest Hits Take My Breath Away」だな。何だっけ?女の子の歌姫が歌うこの曲、邦題が「愛は吐息のように」っつうのでテーマ曲になっててさ、ちょっとセンチ過ぎるので個人的にはそんなに好きではないが…、まぁ、ウケるだろうな、こういうのは。これも映画のシーンと絡むと実に効果的な叙情を与えてくれるのでその効果は凄く大きかったはず。

 そう言った新生アーティスト群に混じって往年の名曲、オーティスの「Dock of the Bay」や「Jerry Lee Lewis - Jerry Lee Lewis: The Hits 火の玉ロック」、「ふられた気持ち」ってのも入っててさ、確かに映画の中でも使われてるからなんだけど、アルバムとして聴くととんでもなく豪華なアルバムで新旧ヒット曲が聴けてしまうっつう代物。で、当時は15曲入りだったものが、今やCDで豪華版と称してトップガン(デラックス・エディション)っつう20曲入りのバージョンがリリースされている程にメジャーなサントラなわけだ。やっぱり80年代を代表するサントラなんだな、と。何故かヨーロッパの「The Final Countdown」やヒューイ・ルイスの「Huey Lewis & The News - Greatest Hits: Huey Lewis & the News Power of Love」、REOスピードワゴンの「涙のフィーリング」、スターシップの「愛は止まらない」って感じで、映画と関係あるのかないのか記憶にないけど、まぁ、いいじゃないの、それで時代を感じてくれればってことかな。

 ま、そんなことで、映画のサントラにしては出来すぎているくらいのものだけど映画そのものも大ヒット。アメリカ人でこれ嫌いな人も多分いないだろうし日本でもヒットしたからなぁ。それもハリウッド映画の実力か。

 ついでにもう一枚、ちょっと格が落ちるけど、ダンサーものの映画で同じくサントラから何枚もヒット作を出したのが「フラッシュダンス」。主題歌を歌っていたアイリーン・キャラってこれ以外は全く知らないけど、この一曲で全米制覇しちゃったんじゃない?黒人女性なんだよね。そう知られていたらあんまり売れなかったのかもしれないけど、サントラから売れるとそういう容姿とか関係なくなるのがメリット高いね。それとアルバム最後に収録されている「Michael Sembello - Flashdance マニアック」。こっちもヒットしたんだけど、かなりノリが良い曲で、映画の激しいシーンにぴったりだね。しかしまぁ、今改めて聴くと音が古くさい(笑)。時代ってのは恐いものだとつくづく思うね。70年代のロックの音はポリシー入ってるからいいけど、80年代のポップスなんてコロコロ変わっていくからさ。

Footloose - Original Soundtrack

フットルース フットルース
 70年代後期から80年代にかけてロック映画…っつうか音楽映画みたいなのが結構作られたような気がするんだが、まぁ、どれもアメリカ映画なので今見ると概ねくだらないなぁっつうのばっかりなんだが(笑)、それでも売れまくってひとつの時代を成していたのは事実…、多分、その世代には(笑)。

 「フットルース

 だめ?そうだな、もちろん単なるサントラっていう言い方もできるんだけど、凄いのはこのサントラからのシングルカットが何曲もチャートを占めたくらいに売れまくってて、妙なベスト盤みたいになってたおかげで更にアルバムが売れるっつう感じ。中でもダントツだったのはテーマ曲「Foot Loose」を歌っていたケニー・ロギンスだね。髭面のいかにもアメリカ人っつう親父が白熱して歌っているんだが、当時流行まくってたMTVでは当然映画のシーンからのPVだったのでイメージ先行だけで売れたっつうワケだな。ま、でも曲は軽快なギターリフから始まるわけで、ポップスとして聴いていた頃は何とも思わなかったけどギター弾くようになってからふとしたことでギターで遊んでたらこのリフがえらく簡単に弾けてさ(笑)、なんだ、こんなもんか、なんて思った(笑)。それからね、クサいけど良い曲だなっつうのがアン・ウィルソンとマイク・レノの「愛のパラダイス」。この頃ってまだHeartバリバリの頃だから艶がある声で、しかも曲が良かったな。映画で使われたシーンも良かったんだけど、そういう歌ができた、ってことでやっぱ○なわけだ。それから「Hero」。荻野目洋子で売れたヤツ(笑)。いや、それはともかくボニー・タイラーの派手な髪型が印象的だったんだが、かっこいい曲だよね。デジタルドラム「シモンズ」のおかずが宙を舞っててさ、もちろん松村雄基と伊藤かずえも目に浮かぶンだが(笑)、聴いていてこれだけ思い切り歌っていてくれると気持ち良いもんだ。似たような意味では「Never」もあるね。

 そしていくつかのハードロック路線も入ってて、ひとつはアメリカンボイスとして名を馳せる当時無職のサミー・ヘイガー。爽快で抜けの良いサウンドはやっぱりこの人のもつ個性の成せる業。まさか数年後にヴァン・ヘイレン入るなんて誰も予測できなかった時代だな。もう一つはクワイエット・ライオットの「Quiet Riot - Alive And Well Bang Your Head」も入ってるんだよな。うん、こうなるとサントラっつうよりも個性が飛び出てしまうんだけど、それをも網羅してしまうこのサントラは凄い。ふぉりなーもあるしジョン・メレンキャップなんてのも吸収しちゃってるワケだしな。

 んなことで、映画はともかくサントラの楽しみを十分に味わせてくれる作品っつう意味で○。CDよりもDVDの方が安いっつうのも何だかな…。

Streets of Fire - Original Soundtrack


 う~ん、いつの間にか役者が出揃ってきた…。何がって、ダン・ハートマン、ジム・スタインマン…、そう来たらやっぱり80年代ロック映画の名作っつうかあり得ないだろ~ってくらいのクサさで世界中のファンを虜にしてしまった映画のサントラだね。

 「ストリート・オブ・ファイア」= 原題「Streets of Fire」

なんで「s」が抜けるんだろう?一本道にしたいんだろうか?まぁ、いいや、それが邦題っつうもんだよな(笑)。んで、昔この映画を初めて見た時滅茶苦茶かっこよくってね、ダイアン・レインの女帝ぶりとマイケル・ペレのニヒルさと、ウイリアム・デフォーのワルっぽさがハマってさ、そして最後に歌われる「今夜は青春」が最高にかっこいい楽曲で、例えダイアン・レインが歌っていないて知ってても曲のドラマティックさが素晴らしくてかなり愛聴盤だったなぁ。ダン・ハートマンの「あなたを夢見て」もいいねぇ~って感じで。んでもってその「今夜は青春」ってのがFire Inc,っつう架空のバンドでさ、これが当時は誰がやってるかなんて全然気にしなくて知らなくて、こないだたまたまあれこれ見てたら、Face To Faceが演奏してるんだね。で、未だに知らないのが誰が歌っているか、なんだけど…まさかエレン・フォーリーではあるまいが…。いや、何故って、この素晴らしくもドラマティックな曲ってのがミートローフの「地獄のロックライダー」の立役者でもあるジム・スタインマンのペンによるものだから。いや~、納得だよ。昔から好きだったんだ、こういうの。感動的なくらいの曲で素晴らしいもん。

 しかし改めて曲を見ると売れる前のマリア・マッキーとかライ・クーダーとか良い面子揃えてるよなぁ、と。映画ももちろんなんだけど、サントラだけでも十分に楽しめる作品で相当好き。今手元にないのが悔やまれる…、ああ、DVD買ってこようかな(笑)。ダイアン・レインみたいなああいうキツイ女って好きでねぇ(笑)。でも実は弱くてポロリってなっちゃう可愛さが良いんだよ。ま、そんなことは置いといて(笑)。しかしウォルター・ヒル監督ってのはこういうニヒルなツボをよく捉えてる人だよねぇ。ま、映画ブログじゃないからあまり書かないけど、実は結構好き♪

 今見たら凄くくだらないのかもしれないけど、演出も架空のロックバンドも納得できるかっこよさで、でもあり得ね~ってのはあるが、良いのだ。アナログ時代とサントラのジャケが変わってるのはちょっと頂けないんけどな。しかしこんな素晴らしいサントラがiTunes Storeにないとは…。まだまだ子供だな(笑)。

Edgar Winter & Rick Derringer - Roadwork


 ギタリストと云えば、ホントにギター一本で未だに生き延びているっつうのは失礼なんだけど、バンドっていうよりも独自のギタリストイズムでアメリカを制覇はしてないけどみんな知ってるよな、っていう珍しい人がいる。リック・デリンジャーですな。単体だと記事にならないのでジョニー・ウィンターの名盤「Live Johnny Winter And」で冒頭からジョニー・ウィンターとギターを弾きまくっているところから始めよう♪

 その流れからジョニーさんのお兄さんである鍵盤奏者エドガーさんに紹介が回って、エドガー・ウインター&リック・デリンジャーってのがひとつのユニットみたいになってメジャーになったワケだな。で、まぁ、今や廃盤でプレミアまで付いている名盤と呼ばれる「Shock Treatment」っつうのでバンドの一員となって参加…っつうかリック・デリンジャーやダン・ハートマン作曲のものが多かったおかげで割とメジャーな才能が認められてきたってのがキャリア構築の最初期になる。うん、これはなかなかクールな、っていう言い方が良いのかもしれないけど、多様な曲が詰め込まれているね。基本ハードロックだけど偉くファンキーな面と美しき曲、みたいな感じ。

 でもって、やっぱこの人達のオススメは「Roadwork」だろうなぁと思うのだ。えらくソウルフルでファンキーなサウンドをこの時代にアメリカの白人が模倣していたという手法はエルヴィスがブルースメンをパクってロカビリーを作ったのと同じやり方で、ある種一世を風靡した傑作ライブ盤♪もちろん弟名手ジョニーも参加したファミリー作品なので記念碑的にもよろしい作品。

 そんな経緯の途中にソロ作品でえらい傑作を生み出してしまったのが「All American Boy」っつう何とも人を喰ったアルバムジャケが有名な作品で、まぁ、なんつっても先のライブ盤でも大盛り上がりを見せる「Rick Derringer - The Best Of - Rock N' Roll Hoochie Coo - Rock And Roll Hoochie Koo Rockn' Roll Hoochie Coo」が初っ端に収録されているワケで、この人この一曲で一生喰っていきますみたいな感じになっちゃったけど、アルバム全体もかなりポップなロックで才能あるかもしれないって思わせる作品に仕上がってる。この世界はある種独特だな。

 アメリカでは今でも人気があるのかな、リマスターシリーズも出ているみたいなので多分ドサ回りでも結構イケてるのかもしれない。日本じゃ…全く相手にされてないような気もするが。あ、昔子供ばんどがカバーしたりプロデューサーに迎えたりして話題になったね。

Rick Derringer - The Best Of - Rock N' Roll Hoochie Coo The Best Of - Rock'n Roll Hoochie Coo
Edgar Winter - Not a Kid Anymore Edgar Winter - Not a Kid Anymore



Ted Nugent - Double Live Gonzo!


 アメリカンワイルドロッカーとして思い描く人って実はそうそういない。ワイルドなフリしてるけど、ってのはいくつも思い付くけど(笑)。特に70年代っていう混沌とした時代に地でそれをやってて成功した人ってホントに数少ないんじゃないかなぁ、と。いや、メジャーになるとね。元々はステッペンウルフなんかが代表格になるんだろうけど、そこから先って思い付かないね。で、その中でも飛びきりワイルドだったからこそある種アメリカの雄みたいなイメージ=アメリカ人って野蛮~って思ってしまうほどの人と云えばテッド・ニュージェント。

 単独では未だに日本でライブをやったことがない人なんだよね。90年代にダム・ヤンキースの一員として来日公演はやったみたいだけど、やっぱソロで豪快なライブを見せてもらいたい人の一人。そんなワケで、未だ見ぬ英雄、そしてアメリカ国内では絶大なカリスマ性を誇っていると云われるゴンゾーの傑作と云えば、やはり「Double Live Gonzo!」なんじゃないかな。

 大体がギブソンのセミアコを持ってバリバリに歪ませてハードロックやっちゃうあたりからスケール外れてるし、しかもそれを持った姿が全然セミアコ持っているように見えないっつうガタイのでかさがワイルドだよな。ちなみにレスポールとかっつうのはミディアムスケールって云われているようにちょっとガタイの小さい人向け、手の小さい人向けにできているワケで、それでもギターがでかく見える人がいるんだけど、この人がレスポールとか持ったらホントに象さんギターを持った日本人みたいに見えてしまうんじゃないだろうか?それくらい違和感のないスケール。

 で、ライブ盤だが…、ワイルドそのもの(笑)。多分走り回ってギター弾いてるんだろうなぁって感じだけど、ライブのエネルギーがしっかり収録されているのでその空気感は面白い。まぁ、逆に言えばスタジオ盤はどれもこれも同系統の作品なのでどれを聴いてもテッド・ニュージェントっていう人がよくわかってしまうんだけど、そういう意味では「Cat Scratch Fever」なんかが好きかな。何がベストヒットなのかよくわからないけど、ベスト盤「グレイト・ゴンゾ ベスト・オブ・テッド・ニュージェント」も出ていて、今から聞く人はライブ盤かベスト盤が良いと思う。すっきりとした気分になりたかったら是非お試しあれって感じ(笑)。

 しかし日本のiTunes Storeはアンボイ・デュークスはあるけどテッドはないんだなぁ…。

Ted Nugent & The Amboy Dukes - The Amboy Dukes The Amboy Dukes
The Amboy Dukes featuring Ted Nugent - Journey to the Center of Your Mind The Amboy Dukes featuring Ted Nugent - Journey to the Center of Your Mind

Grand Funk - Caught In The Act


 「We're an American Band」、そう自称して実際にアメリカンハードロックの火を灯し続けたバンド、グランド・ファンク。とにかく誇張された宣伝文句が多く、それはアメリカでも日本でも彼等のために打ち出された戦略のひとつで、それが故に今でも神話が残っているのだろう。そもそもアメリカンハードロックと書いている時点でその神話が残っている証拠だよな(笑)。

 グランドファンクというバンド、鍵盤奏者が入る前はグランド・ファンク・レイルロードと名乗っており、最後の最後はまたグランド・ファンク・レイルロードとしてアルバムをリリースしているが、その間はグランド・ファンクというバンド名になっていて、実はその時期が一番熱かった頃なのだ。で、昔からなんでこんなにアルバムがいっぱい出ているんだろう?って疑問に思っていたので、いや、だからそれで集めて聴かなかったってのはあるんで、せっかくだからちょこちょこって調べてみたら、何とまぁ、驚くことに1969年にアルバムデビューして70年に三枚71年に二枚以降毎年アルバムをリリースしていて、75年76年はまた二枚ずつリリースしている…。なるほど、ワケがわからないはずだ。短期間にここぞとばかりにアルバムを投下し続けていたワケだが、それで名前が売れまくったって感じかな。凄いわ。

 で、もちろん全部聴いてないけど、やっぱり1971年豪雨の後楽園球場での来日公演という強烈なインパクトがあったため、やっぱりライブ盤だったら凄いんだろうなぁ、と期待して1975年リリースの「Caught In The Act」という2枚組ライブアルバムを入手して聴いたのが最初。

 「凄ぇ…。」

 うん、ハードロックバンドって思ってたけど今聴き直してみると結構南部っぽいところもあったり名前の通り、しっかりとファンク調のリズム感覚を持っていたり、もちろん英国的な感覚もどこかに持ち合わせている感じで単純にアメリカンロックバンドっていうのではなかった(笑)。ま、そりゃそうだろうけどさ。この時点で今と同じアメリカンロックだったら怖いもんな。でさ、やっぱねぇ、ベタだけど「Grand Funk Railroad - Grand Funk Railroad: Greatest Hits - Heartbreaker Heartbreaker」のネチっこさが好きでねぇ(笑)。もちろん「Grand Funk Railroad - Capitol Collectors Series - We're an American Band We're An American Band」も定番曲として良いんだけどさ。そうそう、それでこのライブって「Grand Funk - Grand Funk Railroad: Greatest Hits - The Loco-Motion The Locomotion」ももちろんやってて気持ち良いんだけど、それよりもライブの最後に演奏されている「Grand Funk Railroad - Capitol Collectors Series - Gimme Shelter Gimmie Shelter」が良くって。ストーンズのとはちょっと違うんだけど、結構暗っぽく熱くプレイされていてかなり良い。全体的に熱いライブをそのまま録音できている正にグランドファンクのライブはこうなんだ、って云っている感じのライブ盤なんじゃないかな。もちろん豪雨の後楽園を体験した人達には敵わないんだが、こうして疑似体験出来るライブ盤ってのはやっぱロックの真骨頂。

 そういえば、76年の最後のスタジオアルバム「Good Singin', Good Playin'」ってザッパがプロデュースしてるんだね。その前はトッド・ラングレンもやってたりしてその筋には結構恵まれた環境だったんだろう。うん、その辺知らなかったのでまたちょっと興味が出てきたな。

Grand Funk Railroad - Caught In the Act Caught In the Act
Grand Funk - Grand Funk Railroad: Greatest Hits Greatest Hits
Grand Funk Railroad - Capitol Collectors Series Capitol Collectors Series

Mountain - Flowers Of Evil


 アメリカを代表する巨漢ギタリストと云えば、そう、マウンテンのレズリー・ウェストだな。大体がロックミュージシャンってのはやせ細った不健康な格好で人前に出てくるってのが常だった時代にそんな健康そうなでぶっちょなガタイで出てくるってのが既にインパクトで、ルックスだけだったら絶対にダメだったんだろうけど、そこはフェリックス・パパラルディの才覚なのか、レスリー・ウェストのギターの才能のおかげか、多分どちらもあったと思うんだけど、マウンテンというバンドは1970年代を迎えたアメリカンハードロックの雄として世界中で君臨していたのだ。

 アルバム的には「悪の華」あたりが名盤として語られているかな。それはマウンテンの真骨頂でもあるライブ演奏がB面全てに渡って長々と収録されていることが大きいんだと思う。1971年にそのようなライブアルバムは正しくクリームでしか聴かれることはなかったようで、まだまだ珍しいものだっただろうからね。それももちろんフェリックスの仕掛けだったと考えればやっぱりマウンテンはアメリカのクリームを狙っていて、しかもその上を行くバンドにしたかったんだという意思を感じさせるね。ま、そういう点は全然問題なくてさ、やっぱサウンド面ではブルース+ロックみたいなところにあって、鍵盤いるからもうちょっと幅が広がってるけど、基本的にはそのままでアメリカ人的な面が出ているかな。ま、でも英国よりなサウンドではあるが。前作「ナンタケット・スレイライド」では楽曲レベルがグンと上がっていてある意味プログレッシブな領域にも突入しているけどその反面でこんなライブをリスナーに聴かせることでファンの手元にいるバンドだと認識させたのかな。なんかね、そういった戦略的なところが見えてしまうんだよな(笑)。

 それはともかく、レスリー・ウェストのギタープレイだが、実にユニーク。フェリックスがわざわざ引っ張ってきたのも納得できるくらいの個性的なサウンドを奏でるギタリストで、ブルージーなフレーズはもちろんなんだけど、ワイルドであのピッキングハーモニクスが実に気持ち良く決まるので心地良いんだよ。それもセンス良いところできっちりと入ってくるから上手いなぁ、と。全体的には滅茶苦茶アバウトなプレイなのでとてもクリームの二番煎じはできるっていうんじゃないけど、個性的サウンドって意味ではばっちり。今でも色々な人と演奏しているみたいで、あのままやってるんだとしたら結構凄い(笑)。やっぱり音のぶつかり合いが聴けるバンドはライブが楽しいね。

Cheap Trick - At Budokan


 アメリカンハードロックの灯火は70年代初頭より着実に育ちつつあり、キッス、エアロという次世代を担う代表的なバンドも着実に実力を付けつつ、往年のグランド・ファンクも頑張りつつと云った状況で75年を超える頃になると多種多数のアメリカンハードロックバンドがシーンに存在するようになってきた。当然ながら英国ではその波に陰りが見え始め、プログレッシヴロックの衰退=ハードロックの衰退とも連動し、「ロックは死んだ」と叫んだパンクが奇しくもロックを救ったという状況だったが、アメリカではハードロック復興、そしてサザンロックも定着し、70年代中盤からはブラコンからディスコ全盛時代へと進むワケで、パンクの遠吠えどこ吹く風と云った煌びやかな世界が蔓延するワケだ。

 そんな中、第二世代…とまでは云わないけどシーンにちょっと遅れて登場してきたのがチープ・トリック。四人バンドで二人が超美形のルックスで、残り二人はコメディアンみたいなアンバランスなバンドで、あのジャック・ダグラスに見い出されて1976年にアルバムデビューしたのだが、これがまたアメリカ国内ではさっきのようなシーンの状況だったため全く相手にもされず、思い切りハズしたバンドだった…、が、そこが運と実力なんだろうなぁ、我が国日本の女性ってのは本当に世界のかっこいいミュージシャンに対して素晴らしい審美眼を持っているらしく、チープ・トリックはデビューしてすぐ後くらいには日本で凄い人気を誇っていたのだ。そこで彼等は本国ではやったことのないような大きな会場=日本武道館でライブを行うこととなり、それは、ってことでレコーディングを行って日本のファンにはライブアルバムとしてお返ししようってな段取りになったワケだ。で、リリース後にそのライブアルバムから「甘い罠」がラジオで流されて、全米で一気に火がついたっつうオチがついて今の彼等があるんだな。

 う~ん、「at 武道館」って凄い有名だもんな。彼等の作品があったからこそ有名になった武道館ってのもあって、そのアルバムもやっぱりコンパクトによくまとめられているよね。今では二枚組のデラックスエディション的なのもリリースされているみたいだけど、やっぱオリジナルのジャケットのヤツでしょ。滅茶苦茶ポップなロックバンドっていう位置付けで、全然ハードじゃないのがウケたのかもしれないね。オリジナルアルバムではセカンドの「蒼ざめたハイウェイ」が一番好きかな。キャッチーでポップな中に適度にハードな路線が入っているからね。次の「天国の罠」になるともっと甘ったるくなっちゃうからさ。

 ま、そんなことで、エアロスミスと似たようにメンバーの脱退から再生失敗、そして解散、更にオリジナルメンバーでの再結成により今に至る、みたいなことをしているバンドでそれでもヒット作をまた出して今のファンにもしっかりと根付かせているっていうのは凄い技。70年代の王道バンドはみなそうやって生き延びていることを考えると、このバンドも十分にその機能を果たしているワケだな。

Meat Loaf - Bat Out Of Hell


 1977年全米ナンバーワンを獲得したアルバムのひとつに「地獄のロックライダー」というものがある。そう、巨漢ミート・ローフの最高傑作として今でも名高い作品だ。まぁ、悪魔とか地獄とかっていうのを何となく茶化して使っているからそんなにマジになることはないんだけど、それでもそういうイメージの作品がナンバーワンを獲得っつうのは面白いなぁと思う。もちろん作品の素晴らしさがそういったことの全てを不要のものにしてしまうだけの説得力を持っているワケだが。

 ミート・ローフ「地獄のロックライダー:Songs By Jim Steinman

 このねぇ、「Songs by」ってのが曲者なワケよ。いや、ミート・ローフの実力がなければこの大成功はなかったんだけど、全てを仕切ったジム・スタインマンの功績がやたらとクローズアップされてくるし、プロデュース業を行ったトッド・ラングレンの実力もあったワケで、いずれにしても幸運と奇跡の一枚みたいな出来事。聴いたことない人いたら聴いてみて欲しいなと思う、割とロック好き万人にウケる普通の、というかドラマティックな楽曲が組み合わさったオペラ形式を取った素晴らしい作品で、熱い。熱っ苦しいくらい熱い。ガタイを見ると余計にそう思うけど、しっかりとピアノやストリングスも入れられた完全にドラマティックな世界をアルバムという長さを感じさせずに聴かせてくれるし、それぞれが非常に聴きやすいメロディーを持っているので聴きやすいしね。英国的なロックオペラとは全然違って、そこはアメリカ的なコミカルで喜劇的っつうかさらりと聴けるところが面白いよな。ユニーク。コーラスひとつ取っても楽しいコーラスワークで荘厳さとかではないんだよ。まぁ、細かいことはいいんだけどさ。

 で、このジム・スタインマンって凄く才能のあるソングライターで、ミートローフとのタッグはともかく、これ以降はボニー・タイラーセリーヌ・ディオンのヒット曲作ってるし、エア・サプライにも提供しているし、映画「ストリート・オブ・ファイヤー」のテーマ曲(あのダイアン・レインが劇中で歌うかっこいい曲ね)や「フットルース」にも楽曲提供していて、裏の実力者でこの人の作品は結構好き。この「地獄のロックライダー」も続編「Bat out of Hell II: Back into Hell」が1993年に同じ布陣でリリースされていて、これも滅茶苦茶売れたみたい。で、今年、もうすぐかな、デズモンド・チャイルドやニッキー・シックスを迎えて「Bat out of Hell III: The Monster Is Loose」を制作したらしくてリリースされたばかり。う~ん、これで一生食っていきますって感じだろうか、楽しみではある。

 それと驚くことにこの「地獄のロックライダー」の6曲目でのハジけたお姉ちゃんの歌声なのだが、この後クラッシュのミック・ジョーンズと恋に落ちるエレン・フォーリーがやってるんだよな。ヘンなトコロで繋がってくる英米音楽(笑)。そんなことでこの一大絵巻物語とも呼べる「地獄のロックライダー」シリーズ、まずは最初の一発目をお楽しみあれ♪

Meat Loaf - Heaven Can Wait: The Best Of Heaven Can Wait: The Best Of
Meat Loaf - Welcome to the Neighbourhood Welcome to the Neighbourhood

The Runaways - The Runaways


 セクシー悩殺軍団として一世を風靡した少女バンド、ランナウェイズ。時代的にはスージー・クアトロとダブル感覚があるのだが、実際は少々ランナウェイズの方が遅く出てきたはず。何でって云えばジョーン・ジェットがスージー・クアトロを見てバンドを結成しているのだから。しかし、それから1年経たないウチにデビューしちゃっているんだから凄い。

 1976年アルバムデビュー、邦題「悩殺爆弾~禁断のロックン・ロール・クイーン」っつうワケのわからんタイトルでリリースされたのだが、もちろんそれよりも何よりも16歳の女の子がセクシー下着姿で悩殺ライブを見せてくれるバンドっつうイメージだけが先行していて、音楽性云々なんてのがマジメに語られることなど大してなかったらしい。リアルタイムで見て聴いてないので知らないのだが、それはそれは話題になったことだと伝え聞く。確かに音的にマジメに語るほどのものは今CDを聴いてもあまりなくって、ヒットした「Cherry Bomb」くらいはたまに聴くことがあるけどアルバム単位でマジメに聴くことはないなぁ。しかし、映像の方では割と流れることもあって目にするんだけど、これはやっぱ凄い。恥ずかしいだろっていうか、なんだその格好は、って云いたくなるくらいに見ていて恥ずかしいんだけど、ステージ上だから衣装って思えばそんなもんか。マドンナの下着姿が完成されたそれなら、ランナウェイズのはやっぱりロリータ入ってるよ(笑)。そんなことで売れた理由はただひとつ、時代的に話題的に必要だったから売れた。

 が、そこからソロでのキャリアを築いたホンモノのロックギャルってのもいて、ジョーン・ジェットの成功談は「アイ・ラヴ・ロックン・ロール」で証明済みだし、メタル路線に走ったリタ・フォードも一躍その世界ではヒロインになっていた。最もセクシーな下着姿で観客を悩殺していたボーカルのチェリーは今や大女優になっているらしいが、写真を見てもとても同一人物とは思えないくらい洗練されている(笑)。

 驚くことにのんなものまで紙ジャケでリリースされているこの日本ってのは凄いなぁと。完全にターゲットが見えているよ(笑)。

Joan Jett And The Blackhearts - Fetish Joan Jett And The Blackhearts - Fetish
Lita Ford - Greatest Hits Live! Lita Ford - Greatest Hits Live!

Suzi Quatro - Quatro


 アメリカはデトロイト出身の女性ロッカー、スージー・クアトロ。1970年代半ばに人気を博して今でも現役活動中だが、その実英国に渡ってデビューを果たしたという経緯があり、本国アメリカからすると彼女は逆輸入ということになる。が、まぁ、使えるものは使えってことでそれが我々リスナーにとってはなんの影響も及ぼさない事実というだけだ。

 かっこいいんだよな。ベースを持って革のジャンプスーツに身をまとってごつくてムサい男連中をバックに従えてハードなロックを歌い上げるっつうスタイルが、ある種一世を風靡したのだ。アルバムジャケット見ててもかっこいいし、女性ロッカーでここまでかっこよさが出せる人ってのはそうそういない。せいぜい後のクリッシー・ハインドくらいでしょ。クアトロの前だとジャニスとかが云われるけど、ロッカーっつうよりもブルースなわけで、ロックンロールを歌い奏でるって意味では実はメジャー路線では一番早いのかもしれない。

 で、アルバムを何枚か出しているワケだが、セカンドアルバム「陶酔のアイドル」が一番聴いたかな。全部のアルバムを聴いた訳じゃないのでアルバム毎の比較はそれほどできないんだけど、元々モータウンとかが好きな人らしくて、だからこそベース弾いてるんだろうけど、そこにポップでキャッチーなロックを入れ込んできたっていうトコでしょ。やっぱねぇ、最初の歓声から「Suzi Quatro - Suzi Quatro - The Wild One Wild One」っつう脳天気なロックンロールで始まるこのアルバムはもちろん捨て曲もあるが(笑)、良い曲揃ってる。最初の「Wild One」と最後の「悪魔とドライブ」がメチャ有名なんじゃない?「Suzi Quatro - The Wild One - The Greatest Hits - Devil Gate Drive 悪魔とドライブ」なんて軽快なシャッフル調のロックンロールで、みんなで「Yeah!」と叫べるところまで曲に入ってるあたりがウケ狙いでよくできてるもん。全く悪魔チックな感じはしない曲なんだけど、まぁ、悪魔繋がりってことで取り上げてみました♪

 2003年のライブの模様を収録したDVDが出ているらしいので見てみたい気もするけど、多分格好悪いだろうから見ないでおくのも手かなぁ…。そういえば日本のボウイがクアトロとセッションで「Wild One」やってシングルB面に収録したってのもあったな…。う~ん、姉御、黄金期のライブDVD出してくれ~。

Suzi Quatro - Suzi Quatro Suzi Quatro
Suzi Quatro - The Wild One - The Greatest Hits The Wild One - The Greatest Hits

Marilyn Manson - Holy Wood


 現代に於けるゴシック系バンドの最高峰というかもっとも有名なバンドにマリリン・マンソンっつうのがある。誰が見ても気持ち悪い~っていうのを売りにしていて、実際にその格好を見ると決してかっこよくないし気持ち悪い感じなんだけど、病んだ国アメリカではそれがウケに受けているのだ。その余波でなのか、日本はおろか世界中で売れているっていうから不思議。どこの国も刺激を求めているっつうか病んでるっつうか、まぁ、今まで隠されていた部分がクローズアップされたら人気が出たってことなのかもしれないけどさ。

 で、そのマリリン・マンソン、アリス・クーパーを100倍くらい気色悪くしたショウパフォーマーだね。サウンドはノイジーでヘヴィーなサウンドにダミ声で響き渡らせるというラウドロック系で、パワーはかなりある。そんな中でも最高傑作って云われているらしい「Holy Wood」ってので行ってみよう~♪

 まぁ、なんというか「Marilyn Manson - Supercharged (Wired Up) - The Fight Song The Fight Song」のノリの良さからこのアルバムにしたんだけど、この前の「メカニカル・アニマルズ」あたりも割と印象深い作品だったかな。不気味さってう意味ではそっちだね。怖さってのはコッチのアルバムになるのかな。…つっつてもそこはアメリカの音だから垢抜けているので、湿っぽい暗さはない。しかしここまで完全にダークサイドを打ち出されるとなぁ、喜劇になっちゃうんだけどな。だからアリス・クーパーってそうなんだよな。でもここまで徹底していると面白い。バックバンドの面々っつうかバンドメンバーもこのコンセプトを理解した上で一緒に演奏しているのだろうから大したものだ。で、この「Holy Wood」っつうかマリリン・マンソンの詞世界ってのはシニカルな皮肉が多く用いられているようでその辺も共感されているところなのだ。そういえばMTVでここのギターのツィギーの自宅訪問みたいなのやってて、まぁ、オカルト趣味なんだなぁとは思ったんだけど、そこに近所のマンソンがGパンにカウボーイハットで普通に登場したんだが、実に普通のアメリカ人だったことに驚いた。やっぱ虚構の世界なんだなぁと当たり前ながら思ったもんな。ギターのヤツの方がよっぽど変態チックで面白い(笑)。

Marilyn Manson - Holy Wood (In The Shadow Of The Valley Of Death) Holy Wood (In The Shadow Of The Valley Of Death)
Marilyn Manson - Mechanical Animals Mechanical Animals
Marilyn Manson - Antichrist Superstar Antichrist Superstar

Alice Cooper - Welcome To My Nightmare


 悪魔的なものから派生して独自の解釈でステージ演出やサウンド、イメージを構築したもう一人のアメリカのアーティストと云うことでアリス・クーパーという人がいる。日本ではそんなに人気ない部類に入ると思うけど、どうなんだろ?自分自身初期から4~5枚くらいしか聴いてないからあまりハマり込むアーティストじゃなかったんだろうけど、それでも中期くらいのは結構聴いたな。

 んなことで、ショックホラーというサウンドジャンルを築き上げた時代のアルバム「Welcome to My Nightmare」ってのを取り上げておこうっと♪ オリジナルリリースは1975年だから、まぁ、アメリカでキッスが出てきてああいうのが受け入れられるようになってきた時代なんだな。で、英国ではボウイを筆頭としたグラムロック勢が出てきて終焉を迎えた頃、一応アメリカでのグラムロックっつう見方もできるのがアリス・クーパーとかチューブスとかなんかな。まぁ、どっちかっつうと喜劇集団に近いのでグラムってのとは違うが(笑)。ま、初期の頃からなんとなくショックホラー的な演出はあったものの、この「Welcome to My Nightmare」の当たりでそれは一気に開眼して、ステージにギロチンを持ち込んだりするパフォーマンスとの連動へと走ることとなったのだ。その辺って映像出てるのかな…?何かで一度見た記憶があって、すごくバカバカしかったんだけどよくやるなぁと感心したのを覚えているんだ。

 で、音の方だが、これがアメリカの音楽にしてはよく出来てる。単純なものではなくってトータルコンセプト的に「悪夢」を表現しているのもわかるし、それらしい雰囲気の曲がきちんと作り込まれていて起承転結しているもん。最初知らないで聴いたら英国モノかと思ってしまうくらいの完成度を持っているってのは言い過ぎかな。でも、それくらいしっかりしてるね。タイトル曲は些か控えめなスタートだけどしっかり「悪夢へようこそ」と囁きかけてくれるオープニング。3曲目には「The Black Widow」って生け贄の歌かなぁ…。そこからアコースティック的な恐怖へ展開していくという感じ。改めて聴くと全然ハードロックな音じゃないんだな。結構アコースティック系が中心でアルバムを創り上げてる感じで、もちろん歪んだギターは入ってるけど、わりと控えめ。驚いた。そのせいか「Years Ago」とか「Steven」っつう静かながらアリス・クーパーの歌で持っていく曲がたまらなく美しい世界に聞こえてくるし、実際美しい。でもそれは悪夢の中のオハナシっつう雰囲気がよく出てるんだ。

 まだまだ現役の人で、悪魔チックな印象で売っていたもののあまりそういうインパクトではないのは凄く正直な生活習慣のせいかもしれない。ステージとは裏腹な人らしい。とてもヘビと戯れている人っていうのとは思えないと聞いたことがある。ま、いいんだが(笑)。

Kiss - Kiss

地獄からの使者~キッス・ファースト(紙ジャケット仕様)
 とある先輩が中学生の頃、キッスファーストアルバムを学校に持っていってクラスの女の子に見せたら「怖い~」って云われたのを聞いて驚いたらしい。「どこが怖いんだ?かっこいいじゃねぇか…」と。まぁ、捉える人によって違うんだろうけど、アルバムジャケットで怖いって云うのならば、ライブステージでは一体どうなってしまうんだ…。

 なんて可愛い話から始まることもあるのだ♪ ま、それはともかくキッスの場合はサウンドは滅茶苦茶ポップなハードロックなのでおどろおどろしいっていうのはないんだけど、あのメイクとあのステージなので悪魔的…ってのは当時はあったらしい。そりゃそうだけどさ(笑)。70年代初頭にあんなのが世に出てきたら騒がれるよな。で、興味本位で音を聴いたらなかなかキャッチーでかっこいいワケだから。その辺がユダヤ人ジーン・シモンズの商売の上手いところなんだよね。悪魔的イメージも見事な戦略だしサウンドもよく出来ている。即ち多才だったワケだ。

 そんなキッスファーストアルバムは確かに名曲ばかり入っていて、初っ端の「Strutter」を聞くだけでアルバム全編聞きたくなる軽快なハードロックの音、ま、今ではそう聞こえるんだけど、が響いてくるし、「Nothing To Lose」だって凄くキャッチーでさ、一番怖いメイクをしている人が歌っているとは思えないよな。おぉ、それから「Firehouse」だ…。ライブでの演出が盛り上がるんだな、これも。で「Cold Gin」?何かベスト盤聴いてるみたいだな…、それくらい傑作が揃ってる。いいよねぇ、「Cold Gin」♪ エースのギターも軽快でねぇ。んで「Kissin' Time」とか「Deuce」でしょ…、やっぱベスト盤だよ、こいつは。あ~、もうやっぱ最後の「Black Diamond」でダメ押し。コーラスワークもアルペジオも素晴らしくって、なんかクサイ感じのする盛り上がり方もツボにハマるんで名曲なんだ、これが。終盤がささやかだけど絶大な効果を持ってるんだ。

 すごいな、改めて聞くとこれ、ベスト盤だよ(笑)。今でもライブでやってる曲ばっかりだしさ。こないだウドー・フェスのトリで出てたキッスを見てたけどこんなのばっかだったもん。お決まりの演出は必ずやってくれるしやっぱプロ中のプロ♪ ちなみにキッスのステージコーディネーターがラムシュタインのステージコーディネイトをしていた時期もあって、火を使う演出なんかでは慣れたものなんだろうね。キッスのパイロも凄いもんな…。最近またDVDとか出たらしいので面白いかな。

Kiss - Kiss Kiss
Kiss - Hotter Than Hell Hotter Than Hell
Kiss - Dressed to Kill Dressed to Kill

Black Sabbath - Vol.4


 ゴシック系、悪魔的呪術的サウンド、オカルトの教祖みたいな印象を世の中に売りとして知らしめた第一人者と云えばブラック・サバスという答えに誰もが納得するだろう。今聴いてみてもやっぱり不気味な進行の曲ってのが多くを占めていてソレが故に重いと評されるところで、またとっても聴きにくいという側面も出てしまうのだが、それでもこういうのが好きなのはヨーロッパ人。今やお茶の間を騒がせるほどの人気者になったオジーがおどろおどろしいサウンドのボーカリストだったとは…、どれだけ知られているのか(笑)。

 ブラック・サバスの代表作は聞く人によってマチマチな答えが返ってくる。多くはファーストから4枚目辺りまでなんだけど、それでもバラバラだよね。まぁ、他にもロニー・ジェイムズ・ディオ時代だったりイアン・ギランやグレン・ヒューズが歌っていた頃とか色々とあるんだが…しかしどれもパープル関連の人脈ばかりっつうのは何なんだろうね?トニー・アイオミがその辺のキーだったんだろうけど、面白いことだ。オジーがパープルに入るとかあったら更に面白かったのにな(笑)。

 それはそれとして今回はサバスの中でもとりわけアレンジに凝っている、そしてヨーロッパ的な美しさもふんだんに採り入れた「Black Sabbath, Vol. 4」で書いてみよう。うん、最初から8分強に渡るヘヴィーなギターサウンドで迫ってくるやっぱり重いリフなので、凄く期待させてくれるし、そこからの目まぐるしい曲展開はこの手のバンドとして語られる上ではあまり元祖として云われないけど、メタリカにしてもこういうのってあるわけで、やっぱサバスが元なのかもしれんなぁと思うくらいにプログレッシヴな展開で…、ま、繋ぎが上手いとは思えないけどアレンジ力は見事だなぁと感動する。最後のアイオミのギターソロ…いいねぇ~、こういうサウンドでトリル全開でエグってくるような音っつうのは正しく英国産ロック。うん。次の「Tomorrow's Dream」だってタイトルからは想像できないくらい重いヘヴィーなリフで迫ってくるし、オジーもハイトーンがよく出てるよ。で、意表を突いた美しきヨーロッパ的ピアノバラードの名曲「Changes」なワケで、オジーが歌うのに綺麗な曲だ、って思える傑作。こういうのができるってのはバンドとして充実してるんだろうなぁ。で、プログレッシブな効果音的曲「FX」。やっぱ意味あるんだろう、ここでこういう単なる効果音曲が入るってのは…、やっぱバラードの後の余韻を少しでも損なわないようにするための配慮かな。だからこのアルバムはトータル的に良くできているっていう所以。だって、次が「Supemaut」だけど、パープルらしいっちゃパープルらしいリフ一発で曲を持ってってしまうんだけど、ドラムもワイルドに鳴っていてうるさいだろうなぁ~って感じの曲だね。それでいてオジーもハイトーンが空間を舞っているし…。ギーザーのベースもこのアルバムにかなり貢献しているのは聴いてればわかるよな。

 で、またパンチのあるサバスらしいリフとアルペジオを織り交ぜた「Snowblind」…、B面もしっかりと英国産ロックしてて好みだね。結構好きなのが次の「Cornucopia」。なんかヘンなリフで、またおどろおどろしいサウンドと気持ち悪いオープニングが良いんだな(笑)。曲自体もかなりヘンでなかなかの展開を見せてくれるのだ。そっからアコースティックギターの粗暴なサウンドを打ち出した「Laguna Sunrise」へ進むのだが、こんなにラフな音で録音されるアコースティックの曲も多くないよな…。アコギなのにパンチがある(笑)。トニー・アイオミさんって多分ピッキング強いんだろうな。いやこれは指弾きだと思うけどさ。で…「St.Vitus Dance」か…、ホントに多彩な人達で面白い曲ばっかり入ってるアルバムだ…。トニーさん得意のリフ展開でどったんばったんの曲構成はお手の物、これもサバスらしい一曲♪ で、最後はやっぱり暗くて重いリフで締めるという実に良くできたアルバムで一回通して聴くとかなり疲れるものなんだけど、何回も聴けるのはアレンジや音作りがしっかりしてるからだろうな。

Rammstein - Sehnsucht


 悪魔的なものやゴシック的なものってのは結構ロックと結びつくことも多く、古くはブラック・サバスあたりからブラック・ウィドウなんてのが悪魔主義として世間から敬遠される筆頭格になり、以降ユーライア・ヒープやもしかしたらパープルなんてのもその片棒を担いでいたりジミー・ペイジの神秘主義っつうのも黒魔術的な面で囁かれたりそういうのが英国ロックでは多くて、マンディ・モートン率いるスプリガンスとかもあるし…、あぁ、ロニー・ジェイムズ・ディオの率いるディオも結構その系統だったな。ゴシックっつうのはもうちょっと新しめのような気がするんだけど、耽美系の4ADあたりから美しきゴシックってのはもちろんヨーロッパ的なところであったんだろうな。で、今はアメリカで…やっぱアメリカで、っていうトコロがアメリカ的で、決しておどろおどろしくならないっつう不思議さというか当然さがあってさ、ま、それでもサウンド的に面白ければ良くて、それがエヴァネッセンスだったりする。

 そして一方では思い切りゴツゴツの、そして本人達は単なる演出、エンターティナーなとしか思っていないけど、超プロフェッショナルな演出をカラダを張ってやるので思い切りウケるのがラムシュタイン。東ドイツ出身のバンドなのでサウンドはもちろんヨーロッパ的な荘厳さを持ち合わせているのでゴシック調と云えばゴシック調の曲も多いし、三枚目のアルバム「Mutter」はアルコール漬けされた死亡した新生児の顔面アップでヨーロッパでは相当叩かれたらしい…その辺から結構異端扱い。さらにはメタリカと同様、とある殺人犯やいかれた犯罪者なんかもラムシュタインを聴いていたってことで悪魔的なカリスマとも思われている節があるらしい。

 そんなラムシュタインの正にSM的なアルバムでもあるセカンド「渇望」を取り上げてみよう♪ アマゾンあたりでジャケットを探すと何種類もあって、どれも痛々しい有刺鉄線が顔面に刺さっているっつう(笑)。いや、あれはCDインナーがダラダラッと横長に開いてメンバー全員のあの写真が並んでいるので誰を表ジャケットにしているかっつう違いなんだが…、ま、どれでもいいけど彼等が一番ハードにエッジの立った音を出していた頃の作品で、名曲多し。そのツアーの集大成を収録したDVD「ベルリン・ライヴ」も併せて必見のライブで当然ながら炎を使った演出にたっぷりと楽しませてもらえるし、プロレスラー並みに自分で流血を楽しんでしまうところも見れるのだ。そして最後はゾロアスター教信者のように火炎放射器から放出される炎にうっとりとしてしまうのも楽しめるところだ。

 セカンドアルバムの中身ね、書いてるとキリがないんだけどさ、初っ端からエッジの立ったギターリフで心地良いし、二曲目の「Rammstein - Sehnsucht - Engel Engel」はもう素晴らしい曲で、ラムシュタイン史上で上位3曲に入るだろう名曲。ちなみにドイツ語では「Engel」で英語だともちろん「Angel」の意味♪ そうだなぁ、後は…っつうかどれも気持ち良いくらいにエッジの立ったギターが中心でわかりやすいんだよな。歌も上手いし。で、メロディはしっかりとヨーロッパ的荘厳さを持っているので美しい。ちなみにプロモビデオも何を見ても美しいストーリーできちんと描かれていて、手抜きがない緻密さもヨーロッパ的。多分一生追いかけるバンドのひとつだろうなぁ、こいつらは。まだこういう面白いのに出会えて嬉しいね♪

Rammstein - Sehnsucht Sehnsucht
Rammstein - Mutter Mutter
Rammstein - Live aus Berlin Live aus Berlin

Evanescence - The Open Door


 2003年にデビューしてアルバム一枚で世界中を制覇してしまったエヴァネッセンスだが、メンバーの脱退やら失踪やら色々とトラブルに見舞われていたようで二枚目のアルバムが出るまでに3年もかかるという新人バンドとは思えない期間の長さにはこの時代にして驚くモノだが、まぁ、メンバーの問題ならばしょうがないか。ファーストアルバム「フォールン」が凄くよかったので結構期待していた二枚目のアルバム「ザ・オープン・ドア」がようやくリリース♪ 実は音源自体はちょっとマニアックなところで入手したので9月上旬には聴いていたんだけど(笑)、うん、メンバーが替わっていても全然問題ないね。

 ボーカルを担うエイミーの歌声は相変わらず…どころか更に伸びやかな艶のある声になっているかもしれん。サウンド的にも前作のエヴァネッセンスというバンドのもつ形態と同じ路線で作られているのですんなりと聴けるのが面白い。こういうサウンドの作りっつうのはエイミーが全編握っているからなのか、プロデュース的にそうしているのか、後任メンバーがエヴァネッセンスの香りをしっかりと吸収してから参加しているのか、もともと誰でも出来上がる曲なのか(笑)…、いや、それくらいにファーストとの差が出てこないので不思議。

 相変わらずのゴシック調の曲のイメージとエイミーの引き込まれるような歌唱力に、ラウドなノイズギターと強烈なグルーブ…、その中にしっかりとストリングスで美しい音が奏でられていたり、アコースティックギターが部分的に使われていたり、もちろんピアノも自然なモノとして使われているので、そこだけ聴くとどこがゴシック調なのかとも思うが、そういったごった煮のサウンドが流れる中でメロディがしっかりと作り込まれているところがなんかかっこいいんだろうな。最初はファーストの方が全然良かったなぁと思ってたけど、聴いているウチにこっちもかなりの出来映えで今後も期待しちゃうバンドだよね。何か一時限りのバンドかと思ったけど意外と息の長いバンドになるのかもしれない。

 ジャケットもバンドのイメージを裏切らない印象で、コンセプトがしっかりしていて良いね。期待しちゃうジャケットだもん。唐突に本ブログに登場した何の脈絡もない取り上げ方しちゃったけど、やっぱかっこいいのでいいでしょ♪

Indian Summer - Indian Summer

Indian Summer
 1971年英国RCA傘下のネオンレーベルからのリリースで、ジャケットがキーフの作品ということで共通項のあるバンドがIndian Summerっつうマイナーなバンド♪ ジャケットのモチーフが違うけどなんとなく構図が似ているというのも面白いね。肝心の中の音に関して云えば、そうだな、決定的に違うとまでは云わないけど、かなり違う志向のバンドではある。

 いわゆる4人編成のバンドでキーボード兼リード・ボーカルってことなのでライブ映えは良くなかっただろうなぁと勝手に想像しちゃうし、もちろんそんなの見たことないんで中ジャケットの写真に頼るしかないんだけど、うん、英国のB級路線のいかがわしい風貌がなかなか良い。サウンドは取り立てて書くほどのモノではないのだが(笑)、結構ツボにハマルな、こういうの好きだもん。ボーカルは熱唱するんだけどかなり線が細くて無理があるし、ギターもなよなよしい音で頑張って弾いていて、よろしいんだよ、ほんと。ドラムはかなりユニークな…というかこの時代のこの手のバンドってこういうドラマーが多くてさ、音とかも似てる作りってのあるけど、手数が多くて普通のドラムパターンではないのだな。だからプログレ的扱いをされるバンドなのかもしれない。で、鍵盤。これがさすがにキーになるのは一目瞭然で、完璧に楽曲全てを担っている。そうだなぁ、弱々しい初期のパープル的っていうサウンドになるのかな(笑)。なんつうのかさ、髪を振り乱して一心不乱にハマり込んでアタマ振ってるみたいな感じのサウンドで、正に英国的。ハードロックバンドって云ってもいいかな。

 そのジャケットとネオンレーベルっつう希少価値から人気が高くて、CDでも何回か再発されているという有様。ま、嬉しいことではあるけど、それだけでなくきちんと中の音を聴くと頑張ってるのがよくわかってくる。こういうのにハマると英国B級バンドに楽しみを覚えてくるんだろうな。売れる売れないってのはどーでも良い世界。うん、いいな、心地良い。

Tonton Macoute - Tonton Macoute


 英国的なクールなと云うべきか物静かなと云う独特のしっとりさがモロに出ており、それがバンドとしてのサウンドの特徴にもなっているという例はよくあるのだが、そういった傾向はB級バンドには更に顕著に表れてくる傾向があり、多分滅茶苦茶マイナーな存在だと思われる一例をピックアップしてみたい。まぁ、なんだ、サウンド的にはファンタジー的傾向のあるジャズっぽいロック、みたいなところで漁っていたらこいつがあったなぁと久々に、実に二十年近くぶりに引っ張り出しただけなのだが(笑)。

 Tonton Macoute - 「Tonton Macoute

 1971年のリリースで多分唯一の作品のハズ。レーベルはネオンレーベルなのでこれまた貴重だったんだ…。ネオンってさ、11枚くらいしかリリースしてないんだけどレーベル面の美しさと残されたバンドの面白さから凄くレアなレコードになってるケースが多くて、これもアナログ時代にはまず見つからなかった。CDになったものを見て速攻で手に入れたパターンで、なるほどこういう音か…ってのが二十年近く前の話。

 まず、バンド構成がサックスやフルートをメインとする人間と、鍵盤系、それにベースとドラムという編成なので必然的にロックバンドにはならないワケだ。かと云ってソフトマシーンみたいに緻密なアンサンブルによって展開される構築美というものでもないので、果たしてどういうもんかと云うとだ…、やっぱプログレ、ってなるのかな(笑)。歌もあることはあるんだけど全く記憶に残らない程度のものでほとんどが延々と垂れ流されるジャズチックなサウンド、しかも管楽器によるものが多くなるのは当然で…、あ、そういえば不思議なことに歌は大して目立たないんだけど、コーラスワークみたいなのがあったりして面白い。やっぱロックだなぁ、こういうの聴いてると。で、やっぱね、静かなトコロでじっくりと聞き込まないと聞こえてこない緻密な音があったりするっつうのも英国的な面白さで、特に「Dreams」っつう曲の頭なんて普通に聴いてたら聞き逃しちゃうくらいの緻密さがあったりするんだよ。曲に入ってからは普通のプログレ的で、そうだな、キャメルみたいな部分もあるかな、これ良い曲かもしれん。

 うん、綺麗なバンドだよ。ジャケットが一目瞭然のキーフ作品で、中身をよく表してるね。あぁ、アナログジャケットで飾ってみたかったなぁ(笑)。B級呼ばわりされてるけど、今聴けばかなりしっかりした音で好まれるかもしれないな。うん、いいよ、これ。

Camel - The Snow Goose


 英国らしさを奏でるバンドは数多くあるんだけど、キャメルもその中ではかなり英国的なバンドと云える。アンディ・ラティマーの美しくメロディアスなギターは同じギターでもこのような旋律をこれほど綺麗に奏でることができるのかと思うくらいに素晴らしいラインを聴かせてくれるのだ。そして今は亡き鍵盤奏者ピーター・バーデンスの鍵盤もその美しさを補って余りあるドラマティックな音を奏でている。これだけでキャメルの骨格が出来上がってしまうトコロが素晴らしい。そしてそのキャリアの中で最も美しくそして幻想的な空間を聴かせてくれるのが最高傑作として誉れ高い「The Snow Goose」だ。

 同名小説の音源化ということで、まぁ、小説の世界を音で表すってのはなかなか大変だと思うのだが、そして自分的にはその小説を読んだことがないので主人公やストーリーを意識してこの作品を聴いたことがない。故にあまりまともに書いてはいけないのかもしれないのだが(笑)、アマゾンにあるらしいので今度入手してみる?しかしあまり大人向けって感じでもないな(笑)。

 「白雁物語

 それはそれとして、この作品の素晴らしさってのはみっちり45分、インストだけで物語を意識した展開を聴かせてくれるんだけど、飽きない。テーマソングの旋律が綺麗でねぇ…、これがアチコチに出てくるから飽きないんだろうけど、よく出来てるんだよ。全編に渡って作り込まれているし、オーケストラも隠し味で使われていたり、決してギターだけでのインストものじゃなくてさ。基本的にギターインストモノって飽きるんだけど、これはそういう感じではなくってしっかりとキャメルってプログレバンドのひとつの作品として君臨しているアルバム。美しいという形容詞以外に表しようがないのも哀しいけれど、聴いてみてっ♪

 キャメルっていうバンドには名曲がいくつもあって、もちろんアルバム毎に色々と特性はあるんだけど、個人的にはファーストアルバムに収録されている「Camel - A Live Record - Never Let Go Never Let Go」はハズせないねぇ。これぞ叙情的なプログレサウンド、キャメルの代名詞、って思ってるくらいに好きだな。それとセカンドの「Mirage」での大曲「Camel - A Live Record - Lady Fantasy Lady Fantasy」ね。これもやっぱ好きだなぁ。ま、ポップっちゃポップだけどさ(笑)。1994年にキャメル組とキャラバン組が一緒になってライブをやったんだけど、それがミラージュっつうバンドで二枚組CDが出てるんだけど、代表作ばっかりの再演で嬉しかったな。当時よく聴いた。ちなみにキャラバンのリチャード・シンクレアはキャメルにも参加しているのだ。う~ん、深い世界だ。

Camel - The Snow Goose The Snow Goose
Camel - A Live Record A Live Record
Camel - Rain Dances Rain Dances

Caravan - Cunning Stunts


 ソフト・マシーンと同じ根幹を持つキャラバン、両者とも元々はワイルド・フラワーズというバンドから派生して進化したバンドなのだが70年代に入ってからは全く異なる音楽を奏でるバンドに進化していったというのも面白いところ。カンタベリーサウンドと云う広義の捉え方では両者ともしっかりカンタベリーサウンドを聴かせてくれるんだけど、表現が全く違っていてソフト・マシーンの進化具合は恐ろしいまでの変化でもあり、一方のキャラバンも別の意味で変化に富んだ過程を辿っている。そんなキャラバンの中でも最高傑作と名高い邦題「ロッキン・コンチェルト」にスポットを当ててみた。

 Caravan - 「Cunning Stunts

 うん、はっきり云って滅茶苦茶ポップ。だから聴きやすいハズ。しかし、しかし、だ。18分にも及ぶ組曲「The Dubsong Conshirtoe」で表されるキャラバンの新世界を聴けばよくわかるが、ポップなメロディとハードなギターサウンドや鍵盤で表されるサウンドから展開されるアドリブパートは見事に英国的ジャズフレーズに変わっていくという面白さ。この辺だけを切り離して聴くとソフトマシーンとの差もそれほどないのかなぁという気もするが、それも一瞬の話なのでやっぱり独自サウンドを築き上げた名盤♪ 単に長いだけの曲ではなくっていくつかのメロディやリフによって構成されている組曲なので何度聴いても面白くって楽しめる。コンガみたいなもんまで入ってくるっつうのもなかなか凄いよな(笑)。そして最後は狂気を演出するかのような盛り上がりに歌メロの中で印象に残るメロディーが刻まれて終演を迎えるのだが、これがまた荘厳という言葉が当てはまるのだ。うん、キャラバン史上最高の曲のひとつだろうなぁ。その余韻を和ませるのが次曲「The Fear And...」というカントリータッチのアコースティックギターで始まる牧歌的なサウンドなのだが、これがまたこの位置にしか置けないくらいにぴったりとした軽快な曲で素晴らしい余韻。

 話は逆になってしまったがA面の世界ももちろん名曲のオンパレードで決してハードにとかシンフォニックにとか云う展開でもないけれど、ピアノやベースというスタンダードな音から美しくそしてキャッチーに迫ってくる「The Show Of Our Live」から始まり、大好きな二曲目、パイ・ヘイスティングの絶妙なギターから始まる「Stuck In A Hole」。ギターリフも軽快でかっちょいいし、歌メロもキャッチーで凄く良いのだ♪ でも、しっかりプログレっつうのはなんでだろ?楽器の使い方の問題だろうな(笑)。そして名バラード「Lover」。まるでジョン・レノンを聴いているかのような曲作りでしっとりと聴かせてくれるんだけど、まぁ、好みで云えばちょっと違う(笑)でも、曲は凄く良いよ。そして実に英国的なメロディでこれもどこかしっとりとした「No Backstage Pass」…、こういう曲が歌メロ付きで迫ってくるからこのアルバムは売れたんだろうな。んで、まったく異色な「Welcome The Day」…、アメリカでもウケた理由ってのはこういう曲のおかげだと思うけど、線の細さが英国的って感じかな。あぁ、ちょっとブラコン的な音だからさ。

 そ~んな感じでこのアルバム、前作「夜ごとに太る女たちのために」に続いてリリースされているんだけど、こっちの方が売れたようで、人気あるみたいだね。ジャケットもヒプノシスの透明人間…でもカガミを見れば?みたいな感じでユニーク。アルバム的にはライターが分散しているからまとまりっていう感じはないけどその分楽曲レベルの高い曲ばかりが収録されているので結果としては名作に仕上がってるね。あ~、やっぱ気持ち良い作品は気持ち良い♪ この辺のBBCライブ盤もいくつか出ていて「Ether Way: BBC Sessions 1975-77」っつうのだと丁度大曲「The Dubsong Conshirtoe」のライブが聴ける♪

Caravan - For Girls Who Grow Plump In the Night 夜ごとに太る女たちのために

Soft Machine - Six


 英国音楽というのは実に奥深いものだと言うことをつくづく感じさせられるバンドのひとつには‥ってか、そういうのばっかりなんだけどさ…。ホント英国って凄いよなぁと思うこと多いんだけど、中でもあまり一般的ではないけどとんでもなく凄いバンドという位置付けで聴いているのがソフトマシーン。アルバム毎にメンバーは違うし内容も結構異なるので実態が掴みにくいバンドのハズで、自分でも最初はなんじゃこりゃ?っていう方が多かったからねぇ。簡単明瞭に言えば初期はサイケ、中期がジャズロック、それからフュージョンバンド。で、今回はその狭間、中期から末期の間にリリースされて究極の美しさを保っているアルバムだ。

ソフト・マシーン「6

 やっぱねぇ、全ソフツのアルバムの中で「6」が一番好き。ちょっと前までは全く聴くことも出来ずに探すのも精一杯のソフツのアルバムでさ、もちろんCDにはなってないしアナログっつっても全然見つからなくて、あるのはいつも「Bundles」とか「Softs」とかでまともな数字アルバムは全然見当たらなかったので探すの苦労したんだよ。だから順番に見つけていけることもなくって見たら買い、みたいな感じだね。で、売れたであろう初期から三枚くらいはまだそれなりだった。が、4枚目から7枚目まではほんとに見つけるの大変だったんだよ。あってもメチャ高いしさ。そんな苦労があって、最後の最後まで手に入らなかったのが6枚目。二枚組だったからレアもんで見つけると相当高くてさ…配給は確かCBSだから決して珍しいもんじゃないはずなのに絶対数の問題なんだろうな…。で、ようやく見つけて買ってターンテーブルに乗せて聴いたさ。

 一枚目はライブが収録されているみたいで(いや、当時はそんなこと知らなかったのでちょっと驚いた)、何が一番驚いたかって言うと、最後に歓声が入ってるんだけど、それが凄く大きな会場で大歓声みたいに収録されてるのだよ。この音楽でこんなに絶賛されてしまうのか?ってのが驚いた。まぁ、だからメジャーなバンドなんだろうけど、それでもそんなに…ってくらいだったね(笑)。で、一番好きなのは二枚目のスタジオ録音の方♪ 「Soft Weed Factor」から始まるミニマル的な反復サウンドを繰り返す中で広がっていく心地良い展開がたまらなく良くってさ、うわぁ~、こんなの聴いたことない、っていう衝撃で、静かに一人でハマって聴く音楽なのはもちろんなんだけど、浮遊感っつうのかね、電子ピアノの音色と管楽器の融合に重いベースが絡んでいて…凄いバランスで成り立っている作品だなぁと感動。次のアルバム「7」も同じ路線だけどやっぱ「6」の美しさに圧倒的軍配が上がる。多分「6」でヒュー・ホッパーが脱退してしまったことでちょっと変わったんだろうなぁと。そして新加入のカール・ジェンキンスが最初から主導権を握って新たな展開を進めていったっつうのも微妙なバランスで良かったんだろう。ニュークリアス組とソフツ組のバランスがよかったんだよな。

 しかしこの作品は本当に気持ち良い。今やカール・ジェンキンスはアディエマスでヒーリングミュージックの大御所になってしまっているが、その源流はもうちょっと前にニュークリアスにあるとしても確実にこの「6」にも源流が脈々と流れていて、そうやって聴くとなるほど、ヒーリングだ、と思えてしまうのだ。気持ち悪くならないプログレサウンド。プログレっつうのも狭い世界に感じてしまうけどね。

Nucleus Nucleus
Adiemus & Karl Jenkins Adiemus
Karl Jenkins Karl Jenkins

England - Garden Shed


 時は1977年、英国では既にパンクムーヴメント真っ只中という時期になぜか超メジャーなアリスタレーベルからズバリその名もイングランドという実力派プログレッシヴバンドがデビューアルバムをリリースし、当時はよく知らないけど今でも名前が残るくらいの名盤が残されている。しかも今年30年近くぶりに再結成して来日公演を行ったらしい。そしてこの唯一のアルバム全編を演奏していったようだが…。

England - 「Garden Shed

 まず、ジャケットが良い。英国のシンボルとも云える赤を基調とした荘厳とまではいかないけど格調を保った落ち着いた雰囲気のシンプルなジャケットで、それだけで目を引く。そして中身。うん、一般的にはジェネシスイエスを足して2で割ったような、と言われるんだけど、まぁ、実際その通りかなぁとも思う。そういう形容詞がわかりやすいことは認めるが…、イングランドというバンドの音楽ってのはホントに英国のプログレッシヴロックというものの代表的なサウンドを体現しているんだと思う。それが多分ジェネシスイエスのような音なのだろう。もちろん鍵盤楽器中心にドラマティックに曲を盛り上げていくという姿勢は十分に聴かれるし、オシャレなアコースティック調のサウンドもしっかりと持っている…、こういうところが英国音楽の深みで、ほとんどのバンドがこういう牧歌的なアコースティック的感覚を持っているんだよね。そしてメロトロンで叙情的に盛り上げていく、みたいなさ。最後がねぇ、これがまたいかにも終わりっていう感じの終わり方で、最初から最後までゆったりと堪能できるアルバムっていうに相応しい作品なんだよ。

 1977年にアリスタがこんなバンドを出してきたってのは一体どういうつもりだったのか…、もちろんそんな時代に出てくるくらいだから演奏はかなり巧いし楽曲センスもかなり高いし、しっかりと王道プログレバンドと渡り合えるくらいの実力も持っていたからという当たり前のこともあるし、パンクやディスコ路線とは異なる本格派として存在させるという狙いもあったのかもしれないね。まぁ、どっちにしてもアルバム一枚で終わってしまったので成功とも云えないだろうけど、こういう音が好きな人達には結構な宝物として残されていることに感謝だね。聴いてるとホント気持ち良くって嬉しいモン。

Druid - Toward The Sun


 70年代の英国にはB級ロックというものが多数存在している。何が売れるかわからなかった70年代のロック産業というのもあって、多数のレコード会社が何でもかんでもとにかくレコードを出させて様子を見るという試みが中心だったがもちろん中には意欲的にマイナーなバンドを世に出していったレーベルもある。そんなわけで70年代初期には実に興味深いバンドのレコードが多々残されていてマニアを楽しませてくれるワケだが、中には単なるフォロワーじゃねぇかっつうバンドもあって、それはそれでまた面白いものなのだ。

Druid - Toward The Sun

 一般的にイエス的なバンド…っつうかイエスそのままのB級ってことで語られることが多いんだよな。まぁ、否定はしないけどそう言われると聴きたくなくなるので、前評なしに買って聴いていたことはよかった。歌がジョン・アンダーソンに似た性質の声で迫ってくるのでイエス的と言われるし、曲の構成やコーラスの作り方なんてのももちろんイエスを意識したものになっているのか、本人達の才能なのかわからないけど、1970年結成、1975年にようやくアルバムリリースに至ったバンドっつうことを考えてみるとやっぱイエス的なサウンドで二番煎じのポジション確保のために出されてきたっつうトコかな。それとも元々こういう音楽やってたけどイエスが同じようなことやってたおかげで5年間メジャーになれなかったとか(笑)。まぁ、やったもん勝ちだからその辺はわからんが…。

 いや、でもね、音的には悪くないのだ。B級だし、妙に凝りまくってるところもなかなかよく出来ていて、それなりにシンフォニックに起承転結があるので、美しいしね。メロトロンのおかげっつうのも大きいんだけど、ギターがさ、もちろん普通レベルなんだが、線が細くて一生懸命メロディを紡ぎ上げている音でさ、妙に耳に引っ掛かるんだよ。もうちょっと激しさがあったら面白かったんだけど、アルバムとしては実によく作り込まれているので別に毎日聴きたいアルバムにはならないけど、たまにプログレッシブな気分の時に取り出して聴いてみる分には快適な作品。

 ジャケットが好きなんだよね。なんか大英博物館に飾ってある絵をモチーフにしているらしいんだけど、色合いとかわけのわからない象徴っていうのが雰囲気出てて良い。アナログ時代には全く見かけることがなくって、初めてCD化された時にとっとと買った作品だな。セカンドアルバムも出ているらしいが聴いたことない。まぁ、そうやっていなくなってしまったバンドのひとつだが、だからこそ面白さがある♪

Yes - Relayer


 70年代に一世を風靡したプログレバンドの代名詞でもあるイエス。一般的に名作と云われるアルバムには「こわれもの」や「危機」ってのがあって、もちろん確かに名作でイエスの代名詞的アルバムに間違いないんだけど、自分的に一番かっこいいなぁと思えるアルバムってもしかしたら「リレイヤー」かもしれない。

 このアルバムってブラッフォードもいないし、何といってもリック・ウェイクマンがいないのだからそれはどうかと言うのもあるんだけど、「リレイヤー」期のイエスが一番しっくり来るのだ。個人的には何度も書いてるけどダメなバンドのひとつで…何がって言うとまずジョン・アンダーソンの声がダメ。おかげで全ての楽曲を聴く気にならなくて(笑)、曲構成はさすがに超メジャーなバンドなだけあって、凄く面白くて展開も素晴らしいんで嫌いではない。シンフォニック系は基本的に好きなので大丈夫なんだけどあの声で全てが崩壊してしまう、みたいな(笑)。まぁ、好みだからしょうがない。あとはライブに於けるあまりにも完璧な姿。よく知らないけどライブでもスタジオでも全く同じ演奏ができてしまうし、もっとも複雑な曲ばかりなのでそこに遊び心が出てこなくってね、どれ聴いても一緒なんだよ。もちろんプロとしては当たり前で良いことなんだけど…、あとはリック・ウェイクマンの鍵盤ってのもあまり得意ではないかな。クリス・スクワイアのベースやスティーブ・ハウのギターは好き。ま、いっか(笑)。

 で、その「リレイヤー」、なんつっても三曲しか入ってない。A面一曲B面二曲。大体長い曲ってのは色々なことをめまぐるしく展開しているので聴いていて面白いハズでこの場合もご多分に漏れず面白いのだ。過去のイエスってわりと綺麗にまとまっていてクラシカルな特徴があったんだけど、このアルバムの場合はもちろんパトリック・モラツ加入ってこともあってプログレの根幹を成す鍵盤の音が変わっていることで曲の持つ雰囲気がガラリと変わったみたい。鍵盤奏者の威力がこんなに顕著に出るのも珍しい…っつうかいかに鍵盤に頼っていたバンドかってことだけどね。んで、結局どうなったのかっつうと濃密になった。そんな気がする。なんかねぇ、音が詰まって聞く側に迫ってくるっていうの結構好きなんだよ(笑)。で、多分諸説を見るとジャズ的フレーズとクラシカルなフレーズが織り交ぜられて出てくるのでモラツの鍵盤は面白いって言われててね、ああ、多分そういうことなんだ、って思った。モラツが昔やってたバンドのレフュジーってトリオ…元ナイスのバックの面々と組んだバンドがあったんだけど、これはまたこれで面白いバンドでね、アルバム一枚出てるんだけど、なかなかB級(笑)。いや、結構かっこいいし、パワーはあるので試しにっていうのは良いんだよ。

 結局このアルバムだけで脱退してしまってまたウェイクマン復活ってなるんだけど勿体ないなぁ。結構秀作だと思うよ、「リレイヤー」はさ。ジャケもシックな見開きで、もちろんロジャー・ディーンで良いし♪パトリック・モラツは自信のソロアルバム「i~ザ・ストーリー・オブ・アイ」っていうこれまたプロフェッショナルなアルバムをリリースして、ソロミュージシャンとして活動を始めている。ま、これがあったから簡単にイエスを脱退できちゃったんだろうな。

Atoll - Musiciens Magiciens


 フランスの誇るプログレッシブバンドのひとつが破壊的且つ変態的なマグマであるならば、双璧をなるもう一つのバンドがアトールと云える。一般的にはフランスイエスと形容されることが多くて、だから故にあまり聴こうと云う気がしなかったバンドなのでそういうキャッチコピーの善し悪しってのは凄く重要だよな、と思う。だから実際自分で聴いてみるまではあまり形容詞ってのは信用しない方が良いんだよな。それで聴くの遅れたんだもん。もったいない…。

 「ミュージシャンズ・マジシャン

 1974年にリリースされた彼等のファーストアルバムだが、ファーストでこのクォリティの高さってもの凄いモノがある。おかげでこの後にリリースされたもう一つの有名なアルバム「組曲「夢魔」」とこのファーストアルバム「ミュージシャンズ・マジシャン」だけでアトールが語られてしまうことが多く、もちろん自分もそのクチなので偉そうに語れないんだけど、ホント、これは凄い完成度。そして大きな声で言っておかないといけないのが、フランスイエスという形容詞はよろしくない。キャッチコピー的に言いたいことはわかるんだが…、いや、シンフォニックな演奏と美しいコーラスにハイトーンの歌声と優れた演奏テクニック…、確かにそうやって書くとイエス的なんだけど、聴いてみるとね、全然そういうイメージじゃなくって、もっと普通にプログレ的に聴けるロックバンドで…、あぁ、俺イエスのダメなところがよくわかっちゃった、みたいな感じで、このバンドは全然かっこいいって思えるもん。キメやら変拍子やらバイオリンの音色やら心地良くってさ、頑張って曲作ってるなぁ~っていう凄さと完全にそれをモノにしている気持ちよさ。プログレいいなぁって思う人は多分好き。

 ホントはクリムゾン的破壊力というシリーズに準えて「組曲「夢魔」」を取り上げたかったんだけど、CDが見つからなかったのでファーストで我慢♪ ジャケットはこっちの方が好きなので、まぁ、いいでしょ(笑)。フランス語によるプログレッシブロックはなかなか響きとしても面白いし、サウンド的にも息詰まるものとフランス語の特性というのか息が抜ける発音っつうのも笑えてよろしい。美しいのは確かだが、涙涙の叙情さってのはイタリアには負ける(笑)。シンフォニックさならっだんぜんこっちだが…、その中にも粗野なロック的ナンバーもあったりするので面白い。ベースサウンドがなかなか聴きモノよ♪

Magma - Mekanik Destruktiw Kommandoh


 超絶テクニカルプログレバンドと言えば、と言うかもっと更なる変態的な集団という印象の方が強いのだが…、何せ自分たちで言語まで作ってしまうワケだから、そういう変人はまずいないワケで、彼等しかそんなのは聞いたことないし、そもそも言語を作ってそれを歌うなんてアリか?超オタク的な発想…いや、独創的な発想なのだが、これがまた凄い。

 うん、マグマだ。

 コバイア語なる言語を開発し、コバイア星人になって地球を制圧するのだ~とばかりに攻め立ててくる「Mekanik Destruktiw Kommandoh」ってのはどんなんだ?とばかりに興味をそそるフランスの変態バンド。それがだな、実に破壊的且つアグレッシブなプログレッシブバンド…っつうか、ジャズ、が元なのかな?でも多分クラシック的な美しい展開を持っているあたりがヨーロッパなんだけど、まぁ、アメリカからは絶対に出てこないバンドっつうのは誰もが納得してくれるだろう。その「Mekanik Destruktiw Kommandoh」=通称「.M.D.K」なのだが、はっきり言ってとんでもない。一曲40分なのだが(笑)、なんつうのかなコレ、いわゆるプログレの情緒ある展開ではなくってひたすら声楽隊と強烈な音圧で迫ってくるベースとドラムが強烈な…、もうごめんなさい、僕が悪いです、とでも言いたくなるくらいに執拗に迫ってくる音なんだよ。聴かないとわからないよ、これは絶対。

 …とあまりにも抽象的に書いているのだが、全盛期クリムゾンよりも破壊的なんだけど、う~ん、なんだろ?そこにはメロディーもリフによる曲らしい骨格も存在していなくて…こうやって書くと一体どんな曲なんだって思われるだろうけど、ただ単に楽器が鳴ってて歌が鳴ってる、でもなんか凄いパワーっつうとこ。

 このバンド、メジャーなところでは「Magma Live! (Hhai)」ってのが入門どころらしくて、この「.M.D.K」の終盤も収録されているのだが、全編収録しなかったのも納得できる名盤…、か?まぁ、これダメならマグマだめでしょ。だが、ひねくれ者の自分的にはベースがヤニック・トップではないのだが、「Theatre du Taur - Toulouse 1975」と言うライブ盤が好きだ。二枚組でしっかりと「.M.D.K」もフルで収録されているのでその破壊力の凄まじさをライブで聴けるというナイスなライブ盤。いわゆるライブアルバムと比べると音はかなり悪いのだが、何の、クリムゾンの「Earthbound」に比べれば全然大丈夫なので問題ない。こいつがとんでもなく凄いのでオススメだね。スタジオ盤での精密さも楽しいけどやっぱブリ切れてるライブの凄さはロックバンドだよ。アマゾンにもiTunesにもないのが残念だが…。

Magma - Magma Live Magma Live! (Hhai)
Magma - Udu Wudu Udu Wudu
Magma - Attahk Attahk

Gentle Giant - In A Glass House


 英国プログレッシブロックの中で最も高度な技術を持つバンドの類に入ること間違いなしのバンド、ジェントル・ジャイアント。確かクリムゾンとかイエスとか、その辺のプログレバンドにハマり始めた頃にバンド名を耳にして買いに行ったのが多分「Octopus」だったと思う。その後たまたまレコード屋で「Playing the Fool」っつう二枚組ライブアルバムを見つけて聴いたのがこのバンドとの出会い。

 「・・・。」

若かりしハードロックギター小僧&マニアになりかけの人間にとってこのバンドは全くもって難解この上なく、聴いていて辛いだけのバンドという烙印が押されたのであった(笑)。う~む、若かったなぁ(笑)。…が、歳と共に色々なサウンドに馴染んでいって、まぁ、あちこちでジェントル・ジャイアントの名前は見かけることもあり、またレコード屋に行くとこれが中古で安く出てるんだよな。売れたんだろうなぁ…。なので結局あれこれと買って一回くらいは聴くんだけど、毎回やっぱだめだ~って挫折してたバンド(笑)。でも、そうやって聴いていたのでなんとなくバンドの音楽ってのはわかってたりするので、もう一度ちゃんと聴いてみよう~って感じで聴いてみると…、ん?「かっこいいじゃん」ってなったワケだ。

 もちろん初期~中期のアルバムがいいんだけど、そうだねぇ…、まぁ、全部を語れるほど知ってるワケじゃないので気に入った作品っつうと「In a Glass House」かな…、それか「Free Hand」あたり。ジャケが有名な「Octopus」はあんまり聴いてないかな。それぞれ特性はあるんだけど、全般的に冷たくて異常にテクニカルな集団という印象。もの凄い変拍子を簡単に展開していくしミニマル的なサウンドもあったりして、正直どれがギターの音なの?ってくらい音がギターらしくなかったりピアノもピアノらしくなかったり…、そんな印象で、歌もさ、感情的なものじゃなくって単なる音のひとつみたいな感じなんだよね。でも再度聴いた時からは結構英国なプログレバンドってこういうのを言うんじゃないかなって思うようになる音ではある。うん、実に英国的な音ってことは最初からあったな。

 映像ってみたことないのでどんな面々なのかよくわからないけどルックスは良くないよな(笑)。ま、そういうのもあってか結構地味な印象しかないバンドではあるけれど、恐ろしいほど練り込まれた楽曲群とテクニックは聴いてみる価値あったなぁと。ソフト・マシーン的なトコもあるし、ポップ的なトコもあるし、破壊的なトコもあるし、正にプログレ♪

 しかし各アルバムとも35周年記念CDがリリースされていたとは知らなかった。ちょっと前から結構発掘音源が出てきていたのはチラホラ見てたけどね。

Gentle Giant - Gentle Giant Gentle Giant
Gentle Giant - Octopus Octopus

Anekdoten - Vemod


 1990年代半ば、丁度キング・クリムゾンが復活したぞ~ってな頃に、タイミング良く、というのか偶然ではあるんだろうけどプログレマニアを喜ばせていたバンドがスウェーデンから出現してきたのだ。元々がクリムゾンのコピーバンドから始まったバンドなので当然の如くクリムゾンフォロワーとして語られるのだが、もちろん否定しない♪ そのまんまクリムゾンの音に相当近いもので、この頃本家もメタリックなサウンドでシーンに復帰してきたその音と比較すると、さすがに本家は進化しているなぁと感じる面が多いのでやっぱりフォロワーはフォロワーという位置付けになっちゃったんだけど、それでもかなりそそられる音だったことに間違いはないな。

 Anekdoten - Vemod

 なんつうかさ、ギターの音が多分フリップ的でフレーズもそれらしいし…、ドラムもブラッフォード的だしさ、メロトロンやピアノも鳴ってるし、弦楽器もあるし…、いや、もの凄く楽曲レベル高いのでクリムゾン云々ってのを知らなくても十二分に楽しめる音ってことは確かだね。「暗鬱」ってのがファーストアルバムだと思うけど、このジャケットも良いでしょ?キーフ的っつかさ、CDから飛び出てくる音も丁度73-74年のクリムゾン的で、彼等はそれを料理して出てきてるんだろうけど、結果としてスラッククリムゾンに近いものになってるってトコが面白い。ここまで理解してるのもそうはいないね。うん、良いよ。でもってこれが日本で火がついたっていうか、日本では異常に人気が高いってのも面白くて、プログレ好きが多い国なんだな、日本ってのは。おかげで早い時期から来日公演なんてのもやってて、ライブ盤も日本のライブ「ライヴ・イン・ジャパン」がリリースされている。しばらくしたらセカンドアルバム「Nucleus」が出て、もうオリジナリティを出してきたって感じだったんだけど、やっぱファーストの方が好きだな。激しいのからちょっとポップなメロディのもの、そして「風に語りて」のような味のあるバラード「Thought In Absence」なんてのがホッと心を和ませてくれるね。

 その後はあまり名前を聞かなくなってしまって、そのまま忘れ去ってしまったけどポツポツとアルバムリリースしてるみたいね。多分多くのファンがそんな状態なんだろうなと思うので、やっぱバンドってのは一気に集中して仕事してくれないとダメなんだなぁとつくづく思う。すぐ聴かなくなっちゃうもんなぁ、リスナーってのは薄情(笑)。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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