U2 - The Joshua Tree

U2 魂の叫び
 イーノがプロデュースした作品の中で最も世界的に評価されたアルバムと云えばU2を於いて他にないだろう。ボウイのはトニー・ヴィスコンティがプロデュースしていてイーノはプロデューサーではないらしいので(笑)。ま、そんな戯言はヨシとして、ある意味もっともイーノらしくないプロデュース作品とも云えるかもしれないな。

U2 - The Joshua Tree

 だがしかし、確実に以前までのU2+スティーヴ・リリーホワイト達だけでは出せないサウンドの重さと価値がにじみ出ているのはイーノの見事な触媒技の成せる仕事ぶりとしか思えない。U2の限界を遙かに超えた最初の作品で、その導きは絶対にイーノなしではあり得なかった。それが故に本アルバムと前作「The Unforgettable Fire」でのイーノとのコラボレーションはロック史上に於いてもこれほど成功した例はあまりないんじゃないかと思うくらいに独自の、そしてU2の世界を築き上げている。

 オープニングからイーノの世界が創られていて、ここだけを聴いていたら果たしてどうなるのか、何が始まり何が終わりなのかわからくても不思議はないサウンド…期待されるサウンドから始まる。そして静かにエッジの独特のギターサウンドが刻まれてからバンドの音が奏でられ、期待感たっぷりのところでエコーたっぷりのボノの十分に説得力のある歌声が聞こえてくる…、これほど地に着いたサウンドを奏でていたアルバムはここまでのU2にはなかった。そしてこの名曲「U2 - The Joshua Tree - Where the Streets Have No Name 約束の地」も素晴らしい…。腹の底からエネルギーをもらうような、絶対的に自分を信じるようなこの曲の持つパワーは他にはまず見当たらない。そして「U2 - The Joshua Tree - I Still Haven't Found What I'm Looking For I Still Haven't Found...」も同様に寒いU2サウンドを奏でてくれる。こちらはボノの叫びが中心になり愛を感じさせてくれる名曲。う~む、全くこのあたりだけを聴いていればイーノの影など感じることはほとんどなく、これこそがU2だ、とリスナーに思わせてしまうあたりがイーノの才能の凄い所なんだろうなぁ、とひねくれ者的解釈(笑)。が、やっぱり素晴らしい曲なのだ。でもね、途中途中でジャカジャンッとアコギが入ったり、やっぱエコー類の入れ方が全然気合い入ってて他にはない残響感だもん。ただでさえエッジのギターってのはそういう音なのにそれが実に美しくバンド全体に用いられている、だからU2サウンドの核が出来上がった作品なんだね。

 んでさ、「U2 - The Joshua Tree - With or Without You With Or Without You」…、コレ、初っ端のベースの音から最高にかっこいいよ。隙が見当たらないくらいにかっこ良い曲でボノの歌い方も全てを振り絞ってるし、全体の雰囲気やエッジのサウンドドラムのひとつひとつが重さを感じられる素晴らしい楽曲。U2の中でもロックの中でもかなり好き度が高い曲だなぁ。言葉で語れません、これは。終盤のボノの叫び声なんてもう最高。ポリシーと意思をはっきりと力強く感じるね。次の「U2 - The Joshua Tree - Bullet the Blue Sky Bullet The Blue Sky」はがらりと変わって昔のU2的なラフなドラムサウンドから始まるんだけど、これも凄いポリシーを感じるよ…、そういう姿勢を思い切り音で示すことになった必聴のA面だね。うん。

 B面もね、その重さとかは変わらないんだけど初っ端の作りとはちょっと違う。多分楽曲の練り具合だと思う。バンドのテンションやボノの叫びはそのままだからさ。でも全部が全部名曲にはできなかったんだな、この頃は。そもそもがこのアルバムはU2がアメリカで感じたことを元に作っている面もあるのでブルースやゴスペルに忠実なものもあったりするんだけど、それがアイルランドのパンクス風にアレンジされちゃうんだから面白い。だからやっぱ独自のものに仕上がっているって意味ではU2らしいね。ただその分悲愴感みたいなのが消えちゃってるのが勿体ない。ま、いいさ。そういうものも含めて2000年に再帰アルバム「All That You Can't Leave Behind」っつうのが出てくれたからね。

 そうそうこの「The Joshua Tree」ってアルバムは本人達もターニングポイントとしてしっかりと捉えていたためか、「魂の叫び」という映画にその想いを込めてあったり、制作秘話暴露番組のDVD「ヨシュア・トゥリー」なんてのもあったりするので多方面から分析できるのも今の楽しみになるだろうね。いや、それくらいやる価値十分にあるくらいの名作。もうちょっと寒くなった季節には丁度良いね♪ あ、来日するんだよね? 見に行きたいけどなぁ…検討中♪

U2 - The Joshua Tree The Joshua Tree
U2 - The Unforgettable Fire The Unforgettable Fire
U2 - All That You Can't Leave Behind All That You Can't Leave Behind

Talking Heads - Remain In Light


 時代はパンクムーヴメントも去りゆく中、新たな波=ニューウェイヴが台頭してきた頃、ボウイとのコラボレーションに一区切り付けた変人ブライアン・イーノはプロデュース業に精を出しており、何をしても良い時代が到来するや否や新たなる領域へ手を付け始めた。それがトーキング・ヘッズのプロデュースとなるワケだ。

 …とは言えどもバンドの方もパンク全盛時代に出てきたものはいいけれど、全くうだつの上がらない状態でアルバムを数枚リリースしていたが、そんな状態のバンドに守護天使のように(…かどうかは知らないが、もしかしたら凄い邪魔者だったかもしれないけれど)現れたイーノは彼等のサウンドと姿勢を気に入り、アルバムのプロデュースを買って出たようだ。それがトーキング・ヘッズ史上最も有名なアルバム「Remain in Light」だ。そうだね、大体のロック本には名作アルバムとして書かれているし、トーキング・ヘッズの最高傑作とも言われている。

 うん、まぁ、そうだろうなぁ。でもさ、コレ、イーノのプロデュース…、ま、そこはバンドの才能を引っ張り上げたっつうトコでさすがなものなんだけど、そこにさ、エイドリアン・ブリューを入れてしまうところがミソ。おかげでバンドがもの凄いことになってしまったのだ(笑)。全体的にはイーノがやりたかったことなのかな…、呪術的とも言えるアフロリズムにデジタルチックなビートっつうかサウンド。で、ブリューのギター…効果音ギター…、そしてデヴィード・バーンが曲とは無関係に書き溜めていたメロディをぶち込んだとんでもなくパンク…と言うのかニューウエイヴというのか、滅茶苦茶実験的な作品なわけで、背景と歴史的には名盤として語られるべきだが、普通に聴いていた時には全く興味のもてないバンドで拒絶反応だったね。ま、今でも好きじゃないけど、やってるコトってのはイーノという人が見えてくると納得できるものなので、まぁ、アリかな、とは思う。う~ん、まだまだまともに聴くには時間かかるかな。ブリューっつうのもねぇ、あまり好みではないギタリストなのだが、凄い才能はある人だし、やっぱりとんでもないギタリスト。この後ブリューってさ、ソロアルバムとかクリムゾンとかで歌うんだけどデヴィッド・バーンなんだよな…、この頃の影響はもの凄いんだろうな。

 …ってなことで、あまりにも若かりし頃に聴いたが故に全く理解できずに十数年以上経ってしまったこの作品にこんな形で再会するのも何だが(笑)、80年代以降の英国ロック界に与えた影響はとてつもなく大きいことは事実。

Talking Heads - True Stories True Stories
Eno/Byrne - My Life In the Bush of Ghosts My Life In the Bush of Ghosts by Eno & Byrne

David Bowie - Heroes


 フリップイーノの合体劇の究極の形のひとつにボウイを交えた傑作「Heroes」がある。こういうのってのは時代の産物っつうのか奇跡の遭遇というのか…。ボウイがベルリンに籠もり、イーノと実験的なサウンドを繰り返していた時、イーノが共感した友人フリップを呼び寄せてこの奇跡のコラボレーションが実現したという。そしてボウイはベルリンの壁で抱き合う恋人を見て「David Bowie - Heroes - Heroes Heroes」という名曲を創り上げた逸話は有名な話。

 何と言ってもあのフリップ卿が全編独特のトーンでギターを弾いているにもかかわらず、そしてイーノが効果的なサウンドをあちこちに入れているにもかかわらず、そのどちらも見事にひとつの味付けとして操ってしまっているボウイの才覚の凄さを改めて実感するという聴き方もあり、そうやって聴くとこの作品の凄さに気が付くのだ。前作「Low」では正に研ぎ澄まされた感性を最大限に生かしたイーノとのコラボだったが、この「Heroes」はどちらかと言うと深みを増した作品で、研ぎ澄まされたという感じではなくってね、もうちょっと歌に力を入れているかな。しかしまぁどれもこれもが素晴らしい曲ばかりで何度聴いても絶対に飽きない深さはやはり名作と呼ばれるだけのことはある。

 この作品では実はもう一人の立役者がいることはかなり見過ごされているのも面白い。10年以上もボウイのパートナーをやっていた黒人ギタリスト、カルロス・アロマーだ。ボウイがジギーを捨ててファンキーなサウンドに走った頃からバックで弾くようになり、そしてまたボウイが「Let's Dance」でスーパースターになった頃も一緒にやっていた人なのだが、その間の通称ベルリン三部作を含むボウイのアルバムには全部参加しているのがこの人。で、「Low」でも「Heroes」でもボウイやイーノ達と共にコラージュサウンドを試したり、実に見事にアルバム作りの要素に関わっていたのだ。そのセンスも結構凄いよな。

 「David Bowie - Heroes - Heroes Heroes」という名曲については今更語るまでもなく、あのロングトーンが印象的なのだが、近年クリムゾンがライブのアンコールでこの曲をラストに持ってきていたようで、そこでは正にオリジナルのギターを聴かせてくれるという贅沢。クリムゾンファンが感動するよりもボウイファンがそのオリジナルのプレイを満喫する必要があったのかもしれない。まぁ、何かのイベントででも二人が共演してくれれば良いんだけどね。

 今年の5月末日、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアがソロライブを行った際に、スペシャルゲストとしてボウイが登場して「Pink Floyd - Relics - See Emily Play See Emily Play」と「Comfortably Numb」を歌っていた。後者はさすがにボウイ独自の解釈だなぁと痛感したが、もっともこの人は他人の曲も平気でカバーするので、結構独自解釈が面白かったりするね。

 んなことで、偉大な三人が出会って制作された奇跡の一枚とも云える「Heroes」。秋の夜長に相応しいねぇ…。

David Bowie - Heroes Heroes
David Bowie - Low Low
David Bowie - Let's Dance Let's Dance

Peter Hammill - Fool's Mate


 ロバート・フリップという人は生真面目で実に多彩な人とも云える。ちょこっとネットで彼の参加した作品を調べてみたんだけど、まぁ、驚くことにホントに色々な人のアルバムに参加していて、それぞれ多分、あの個性的な破壊的なギターを披露しているのかと思うとフリップを使う側も凄くないと無理だろうなぁと同情までしてしまうのだが(笑)。ちなみに驚いた作品ってのはブロンディとか、ホール&オーツのアルバムで、そんなのに参加してるとは思わなかった…。ボウイとの作品やアンディ・サマーズピーター・ガブリエルってのはまぁメジャーどころだからともかくとしてもさ。

 で、今回はフリップ卿のセッションの中でも初期にこなしたもののひとつでもあるヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター…じゃなくて、ピーター・ハミルのファーストソロアルバム「フールズ・メイト」ってトコで進めよう♪ いや、これも全曲参加ではないんだけどハミルの気合い満点のファーストアルバムで、VDGGとは違った側面を見せた傑作…そうだね、裸の作品とでも云えるくらい生身のハミルの繊細さを前面に出した作品で優しい曲が多い。その中でフリップ卿のギターが鳴っているワケだが、クリムゾンのそれとは異なり、レスポールの独特のトーンを中域に絞って曲に溶け込むかのようなフレーズというのかソロというのかミニマル的な音と言うのか…それだけを聴けばフリップだとわかるんだけど、曲にしっかり馴染んでいるので意識しないと妙に綺麗な音に落ち着いてしまうんだな。もちろんそれよりもハミルの歌に惚れ込む人の方が多いので、あくまでもバックに徹しているってのは当然なんだけどね。ちなみにこのアルバムがリリースされたのは1972年なのでバリバリにクリムゾンで弾いていた全盛期でもある。この作品の冒頭を飾る「Imperial Zeppein」の最初の幻想的なブザーのような音もフリップだ。

 ピーター・ハミルという人も本当に孤独な詩人というのかパフォーマーというのか…、このファーストアルバムからソロ活動に目覚めてしまい、いずれはVDGGは発散するバンド、ソロでは物静かに自分の世界に入り込む、みたいな構図を作っていたようで、アコースティックな作品ほど心に染み入るね。

 ん~っと、そっか、フリップとのジョイントではVDGGのセカンド「天地創造」(昔は「核融合」だったけどな…。)で組曲「The Emperor In His War Room」に参加していて、サードの「ポーン・ハーツ」にも参加しているみたいだけどあんまりよくわからん(笑)。後は知らなかったけどストラングラーズの「Live in Concert」ってライブアルバムのゲストの一員としてピーター・ハミルとフリップが参加しているみたい。1980年のライブっつうからこの人達も結構長く付き合ってるんだね。

Peter Hammill - Fool's Mate Peter Hammill - Fool's Mate
Van Der Graaf Generator - H to He Who, Am the Only One - EP H to He Who, Am the Only One
Van Der Graaf Generator - Pawn Hearts Pawn Hearts

Fripp & Eno - No Pussyfooting


 キング・クリムゾンの要であるロバート・フリップ卿はその人の独特な性格と独自の楽曲センスによりクリムゾンというバンドをひとつの表現方法として使っているようだが、一方では個人の特徴的なギターを生かすためかかなり様々なセッションに参加していたりする。その発端となった作品とも云えるのがロキシー・ミュージックを脱退したばかりのブライアン・イーノとのコラボレーションアルバムだ。

 アルバムリリースは1973年なので丁度クリムゾンが「太陽と戦慄」を炸裂させていく時期に発表されたみたいだね。しかしフリップ卿も72年までは今は亡きボズ・バレル達と共に組んでいたクリムゾンでのツアーを行っていて、73年の秋には「太陽と戦慄」がリリースされていたので、このコラボレーションはごく短期間で制作されたものだと推測される。故に多分イーノがソロアルバム的にアンビエントな方向を打ち出した作品を制作していた中にフリップが合流したような感じなんじゃないかな、と推測してみる♪

 で、その作品「No Pussyfooting」だがまずジャケットが良い。音の方は滅茶苦茶アンビエントな音で、どうしてこういうのがロックのカテゴリーに括られるのかよくわからないんだけど、ロックなんだな(笑)。で、その音の中身をしっかりとこのジャケットで表しているみたいでね。透明感があって果てしなく続く二人の想い…みたいな。BGM的に聴くのもよいし、マジメにじっくり聴くのも面白くて、マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」みたいなミニマルミュージッックとはまた異なった効果的に緊張感を煽るサウンドは当時としては圧倒的に際立っていた、はず。当時を知らないからどれだけの興味を持って迎え入れられたのかわかんないんだよね。滅茶苦茶マイナーな扱いだったのかもしれないけど…、でも今でもしっかりとこんなサウンドでもロックの名盤として残されているんだから、それなりだったんだろうと解釈してる。

 1973年74年のキング・クリムゾンのライブの幕開けには「No Pussyfooting」というインストが流されていて、まあ、実態はこのアルバムからの抜粋なんだけど、それって宣伝も兼ねてたのかな。ある意味クリムゾンのフリップ卿をイメージする音楽とは全く違うイーノの世界で、それでも違和感がないっつうのが面白い。音楽家なんだろうね、二人とも。

David Sylvian & Robert Fripp - The First Day


 ひとつのバンドが解体するとまた新しいバンドやソロアーティストが誕生する。中にはとんでもない面々がタイミングの運命によってひとつのバンドを結成することもあり、時にスーパーバンドとして迎えられることもあるが往々にして長続きはしないし、また成功もあまりしないということが多い。そうしていくと多くはソロアーティストとしてポツポツとアルバムをリリースしていき、往々にしてバンド解体後はバンド時代の曲をあまりプレイしないで、ソロキャリアを築き上げようとする。ここでファンの求めるものとのギャップが生じることとなり、大体がソロキャリアっつうのはセカンド辺りまでで終わってしまうケースが多いのだ。

 デヴィッド・シルヴィアンの場合もそれほど例に漏れるものでもなく、そういった傾向がファン側的にはあったのだと思う。もちろんソロキャリア時代の音をまともに聴いたことはないのでジャパンの音楽性とどういう風に変化していったのか、よく知らないので多くは語れません~。で、何故ここで登場か?うん、ヨーロッパの耽美的サウンドを醸し出していたデヴィッド・シルヴィアンと70年代プログレッシヴロックを代表するキング・クリムゾンのロバート・フリップ卿とがユニットでリリースしたアルバムが実はかなりの傑作だと言うことを書いておきたかったから。

 もちろん80年代のミニマルビートクリムゾンを得た後、90年代に入ってからクリムゾン再結成がまことしやかにウワサされてきた頃、ボーカルにはこのデヴィッド・シルヴィアンを迎え入れるというウワサも立ったのだが、決してそうはならず二人のユニットという形で世にリリースされたのが唯一のスタジオアルバム「The First Day」だ。紐解いてみるとデヴィッド・シルヴィアンのソロ作三枚目となる、そして一番売れたんじゃないかと思う(自分もこのアルバムのこと知ってるくらいだから(笑))1986年の「Gone to Earth」にもフリップ卿は参加しているので、同じヴァージンレコード絡みでの繋がりなんだろうけど、この時点で既に種は蒔かれていたのだ。

 で、その「The First Day」だが…、いや、曲を聴いていくとどっちが主体となって作った曲かというのはわかってしまうのだが、見事にユニットとして機能していて、どちらも上手い具合に絡み合っている。で、総じてこのご復帰したクリムゾンの雰囲気を多分に持っているのは当然の結果だろう。しかし、デヴィッド・シルヴィアンの決してボーカリストらしくない歌が流れてくるとしっかいと存在感を主張してくれるのは面白いな。きっと歌詞にもかなり気を配っているんだと思う。

 このユニット、何と来日公演ライブやってるんだよね。で、そのツアーでのライブ盤「Damage」までリリースされているので、この超短期で終わったプロジェクトの全貌はしっかりと形に残されて聴けるのは嬉しい。こうした機会でもなけりゃこのアルバムをまた聴くなんてこともなかっただろうからな…。よかったよかった。そしてやっぱりフリップ卿のギターは独自の世界観を持っていることを再確認♪

David Sylvian - The First Day The First Day by David Sylvian & Robert Fripp
David Sylvian - Gone to Earth Gone to Earth by David Sylvian

Japan - Tin Drum


 坂本龍一とコラボレーションした英国アーティストは数多くいるようだが、結構古くから今に至るまで長々と友情を保ちながら作品も出しているのはDavid Sylvianデヴィッド・シルヴィアンくらいではないかな。そもそもの出会いはジャパンの四枚目となる「孤独な影」に収録されている「Japan - Gentlemen Take Polaroids - Taking Islands In AfricaTaking Islands in Africa」という曲でのセッションから。話によれば坂本龍一がアルバム録音のためにロンドンに渡っていた時に隣のスタジオで録音していたのがジャパンで、そこからのつきあいらしい。

 …てなことでYMO→坂本龍一→デヴィッド・シルヴィアン→ジャパンという系譜がなんとなく繋がっていくのであった。YMOとジャパンを切り取ると、音楽的にはそんなに共通項があるようには思えないのだが坂本龍一の作品とデヴィッド・シルヴィアンの作品となるとえらく共通項があるのは不思議なところ。

 そう、超美形のデヴィッド・シルヴィアン率いる英国のバンドながらもジャパンという名を付けた日本人的には結構嬉しいバンドで、英国では全く売れなかった初期に彼等を熱狂的に待ち受けていたのはもちろん我が国の女性陣。まぁ、化粧した美形に弱いのは今に始まったことではないが、常に日本の女性が待ち受ける程の人気を誇るバンドは世界的に成功する例が多いので侮れない。ジャパンも初来日からいきなり武道館満員での公演ってことで本人達もそんなに大きなトコロで演奏したことないってくらいだと云っていたらしいので、日本での極端な人気ぶりが伺える。

 そんな初期の作品は確かにちょっとファンク的要素も含まれているけどなんか暗い、みたいな感じで英国でもウケなかった。まぁ、中途半端にバンドやってるって感じだったんだね。今聴けばそれなりに面白いけど。ま、それはともかく、個人的にはやっぱり三枚目「Quiet Life」以降かな。中でも最高に暗い…っつうかヨーロッパ的な耽美さを前面に出しながら東洋チックな雰囲気を織り交ぜた「ブリキの太鼓」がやっぱりそれらしくて良い。四枚目とどっこいどっこいの出来だと思うが、そっちはまた今度にしよう。

 ジャケットはちょっとなぁ、という気がするけどデヴィッド・シルヴィアンの美しさは相変わらず。まぁ、それはヨシとして中身だが…、やっぱり暗いのだ。いや、リズムとかベースライン、特にベースラインはものすごく面白いので聴いてみるとそういう楽しみ方はできるのだが、アルバム全体を覆い尽くす雰囲気は80年代のニューウェイヴのそれと同じく落ち着いたデカダンな雰囲気がたっぷりと出ている。そこにアジアンチックな旋律なのだから摩訶不思議なサウンドに仕上がるハズだ。シングル「Japan - Tin Drum - GhostsGhosts」が英国でバカ売れしたってのはよくわかんないんだけど、結局最後の悪あがきになっちゃったんだよな、これ。

 あぁ、言い方変えるとものすごく「オシャレなサウンド」に仕上がっているんだよね。大人の音。自分的には絶対できないし好んで聴く音でもないけど、でもこういう音って惹かれるものがあるな。多分その音の奥に秘められている人間性が惹き付けるんだと思うし、こういう表現もあるんだ…みたいな。そして80年代のダークなニューウェーヴサウンドに繋がっていくのだ…。

Yellow Magic Orchestra - Solid State Surviver


 日本が世界に誇る最もメジャーなバンドと言えばやはりイエロー・マジック・オーケストラ=YMOではないだろうか。まぁ、いまではパフィー・アミユミと言うアメリカのコミックにもなってしまうアメリカでのメジャーさは負けるのかも知れないが(笑)、ヨーロッパからも絶賛される、正に世界中に衝撃を与えたバンドであることに変わりはない。それは多分世界的に類を見ない革新的なサウンドとファッション、完璧に独自のポリシーに従った音に尽きる。類似品としてはよくクラフトワークやディーヴォが挙げられるが、なまじ日本のポップスという側面に対するサウンドの作り込みというのも仕掛けられているためか聴きやすさと云うポイントが高かったんじゃないかな。

 中学生くらいの時にすごくYMOが流行していて、子供だったので何それ?って感じで、音を聴いても全然ピンとこなくて興味もなくて、でも周りのほとんどは聴いていて会話してるんだよ。まだその頃なんて他にもいっぱいロック的なものに出会うことが多いからそんな軽いインストもののBGMよりももっとハードでアクの強い音楽を求めてたんだよね。だからリアルタイムでも結構聴いたんだけど別に好きで聴いてたワケじゃない。そう言う意味では新しいモノに鈍感だったという言い方もできるのか…。ま、でもさすがにアルバム「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」に入っていた「テクノポリス」とか「ライディーン」ってのはあちこちで耳にしたこともあって面白いなぁとは思っていたけどね。その前の「イエロー・マジック・オーケストラ」に入ってた「東風」も良かった。他にもいろいろあるんだろうけど、アルバム的にはやっぱ「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」が一番耳にしたのかなぁ。あ、それよりももっと単純にわかりやすかったのがスネークマンショーだよ(笑)。YMO的には「増殖」の曲間に入っててさ、やっぱこれも友達のところで聴いたりして…、結局スネークマンショーのテープをあちこちで聴いてたような感じ。この頃こういうユーモアがあって面白かったな。「8ビートギャグ」とかさ…。

 …本題に戻ろう(笑)。いや、ま、本題って程でもないからいいんだが(笑)。そういうことでつかず離れずの状態で聴いていたYMOだったけど、「君に、胸キュン。」のポップさと忌野清志朗と坂本龍一の「い・け・な・い ルージュマジック」でのインパクトは相当なものだった。特に後者がなかったらYMOなんて無視してたかもしれない。でもあんだけ変態を見せられるとどんなん?って思うじゃん。全国放送のテレビで男同士のキスなんだもん。メディアを逆手に取るロック的アジテーションが刺激されたんだろうなぁ…。そしたら散開ライブ~ってなって、アララ、早いなぁ~って感じ。その時の刺激はドラムだね。シモンズっつうメーカーのエレクトリックドラム…今ならパソコンですぐに出てくる音なんだけど、あの六角形のプラスティックのドラムよ。これがなんか新鮮でねぇ、そういう意味でこの人達は音楽はともかく機材の新鮮さを前に出してきてたね。シンセサイザーによるサウンドも含めてさ。無機的な音の中にどこかユーモアが取り混ぜられたサウンドで世界中を唸らせたテクノの元祖。今やテクノも多岐に渡る展開になってるけど、こういうオーソドックスなものはいつの時代にもまた取り上げられるんだろうなぁ。ヨーロッパ行った時に見知らぬ外人と話してる時にYMOはいいよな、って自然に話が出てくるところが凄いと思った。

東京スカパラダイスオーケストラ - ライブ


 既に秋の様相を帯びたここ最近、肌寒い夜に聴くにはジャズが一番なのだが…なんて言いながら、真夏向けのオーケストラバンドを取り上げてみよう(笑)。いや、単にオーケストラという名の付くバンドがあまり見当たらなかったのでこれもいいなぁ、なんて思って久々に取り出して聴いてみただけなんだが…。

 東京スカパラダイスオーケストラ
 東京スカパラダイスオーケストラ


 日本のバンドだよなぁ…、でも凄く世界的なレベルでのバンドに聞こえるし、実際世界的にも結構メジャーな存在らしい。自分がこのバンドを聴いていたのは彼等がデビューしてから数年くらいの間までだね。だから初期のCDしか持ってないんだが、今ちょこっと調べてみると結構メンバーが亡くなったり入れ替わったり、リーダーも脱退してしまったりしているみたいなので実態がどうなっているのかよくわかんない。でも音楽的にはそんなに変化してないんじゃないかなとは思うんだけどさ…っつうか変化しようがないでしょ。

 で、ある意味最初から見事に「スカ」という当時は珍しい切り口を大胆に採り入れて、そしてエンターティンメント性をたっぷりと持ち込んでとにかくお客を楽しませるというテーマに従事したバンドのひとつ。ホーンセクションによる脳天気なサウンドと軽快なリズム、そしてこの手のバンドに重要なMC。美味しいところを全て持ち込みながら音の方もインストものばかりのくせに妙に聴きやすいということで、ポップスシーンに乗り込みながらロックやジャズシーンでも話題になるくらいのバンド。ファーストアルバムからド派手なジャケットとサウンドでインパクトを見せてくれたんだけど、やっぱり好きなのはライブ盤だなぁ。JBのライブみたいに聴いていて楽しいんだよ。元来音楽の持つべき役割ってこういうもんかな、って思うもん。単に気持ち良く楽しむ、っていうのがこのバンド。音を聴いてるだけで凄く楽しい。気分も明るくなるよ。で、このライブ盤では有名どころとしてはあの「Summertime」なんてのもしっかりとやっているし、オマケ的に日本人ならではの楽しみとして「TV Jazz - TV Jazz (昭和40年代篇) - 妖怪人間ベム妖怪人間ベム」のテーマ曲をあの調子でやっていて面白いんだな。もっとも曲を知ってるかどうかなんてことはあまり問題じゃなくって、知らなくてもたっぷり楽しめるから良いのだ。だから今のアルバムでも聴いてみたらそれなりに楽しめちゃう。デビューが1989年っつうからもう17年選手?凄いな。

 そんなことで秋の夜長には全然合わない東京スカパラダイスオーケストラの脳天気なサウンド、かな~り心地良い♪

Mahavishnu Orchestra - The Birds of Fire


 さてオーケストラシリーズ、続いてはジャズ畑からロックへとアプローチをかけてきて、それがそのまま英国的プログレッシヴロックの一環に組み込まれてしまうものになったという珍しい…と云うか、正にボーダーレスな時代を象徴するかのような傑作を生み出したマハビシュヌ・オーケストラだ。あのジョン・マクラフリンが在籍した、そしてそのテクニックを存分に見せつけた作品という意味でも重要なアルバムらしいけど、かっこいいんだよ、これ。

 アルバム的には「火の鳥」くらいしか持ってないんだけど、コレ聴いてるだけでも鳥肌モンだし、タイトル曲「火の鳥」でのアグレッシブなプレイは素晴らしい。で、そこで素晴らしいのはギターもさることながらやっぱりバイオリン。いかにもって感じのハードなプレイは絶対に英国ロックファンを唸らせるものがあるね。ヤン・ハマーの鍵盤もそういうトコあるんだろうな。自分的にはあんまり耳に入ってこないけど(笑)。他の曲にしてもやっぱりバイオリンの音色は凄く新鮮に響き渡っていて、そういえばインスト作品だってことを忘れさせてしまうくらいのバンドの演奏力の高さに驚く。もちろん楽曲のレベルの高さも相当なもので、じっくりと聞き込んでしまうくらいの高尚な作品に仕上がっていて、ああ、完全にこの時代のプログレバンドだ…って思う。そうだね、クリムゾンの「太陽と戦慄」以降と似ているかもしれない。

 このクロスオーバーな風潮からヤン・ハマーとジェフ・ベックが一緒にやるってのがしごく当然のことだったんだろうし、マクラフリンは全く器用な人で、ジャズの巨匠マイルス・デイヴィスが実験的サウンドに進んだ頃の片腕を担ぎ、以降は自分も大好きな、というかとんでもないギタートリオを組んでこれまたとんでもないフライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ?スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!っつう世界を見せてくれるんだな。ちなみにこれはアル・ディ・メオラとパコ・デ・ルシアと三人で本当に弾きまくりの「地中海の舞踏」を聴いてみてもらいたい。ギター弾く気無くすから(笑)。いや、もちろんマハビシュヌ・オーケストラ「火の鳥」」アルバムの中にもマクラフリンの多彩を示すスパニッシュ調の雰囲気の良い「Thousand Island Park」っつう曲もあったりするので、こういう方向もおかしくはないんだけどね。

 まぁ、マクラフリンの才能はギターに限らず、このバンドでは多彩な音楽性と時代がマッチしてロック側からの名作に挙げられる一枚になったワケだな。美しいし激しいし、巧い。いいねぇ…。

Electric Light Orchestra - No Answer


 60年代のカラフルなサイケデリックポップ感覚に育てられたとしか思えないジェフ・リンロイ・ウッドによるウルトラカラフルなポップバンド、ELO。正式名称エレクトリック・ライト・オーケストラ。うん、オーケストラなんだよな。でもってこんなにカラフルなオーケストラってのもそうそうないワケで、実はあまり通っていない英国メジャーバンドのひとつ。そろそろ本格的に手を出しても良いかな、と思ってはいるんだけどポップすぎてあまりマジメに聴けないのかもしれない。

 …とは言ってもさすがにファーストアルバムあたりはちょこちょこと聴いていて、完全にビートルズ的…、もっと言うならば全部「エリナー・リグビー」みたいな曲で占められているっていう印象なんだな。でもしっかりと効果音やストリングスなんかのカラフルな楽器が散りばめられていて、えらく聴きやすい。それでも中後期になってくると更にポップさをましてチャートの一位とか獲得していたんだから凄いよな。これ以上ポップって一体どんなん?って思うんだけど(笑)。

 でもジェフ・リンと云う人の才能はアチコチで聴くことが出来て、個人的にはトラベリング・ウィルベリーズでのポップ具合が一番好きだけど、その甲斐あってビートルズのアンソロジーシリーズでのプロデュースなどという名誉に肖るような仕事まで行っちゃうんだから好きこそモノの上手なれ、ってもんだ。はっきり云って天才。ま、そんなジェフ・リンの前身バンドはザ・ムーブだったりするんだけど、それはまぁともかく、このファーストアルバム、ジャケットは凄く良い。何だか意味わかんないけどインパクトある。で、中身がこれまたホントに誰でも聴ける聴きやすいポップス。でもヒネてるから脳天気ではないな。あ、もう一人の主要人物ロイ・ウッド…、この人も後にウィザードっつうバンドでそれなりに出てくるんだけど、これもまた変人でねぇ…。よくわからんけど、奇才変人ってのがこのバンドを物語っている話はよく聞く。音的にそういうのも確かに感じるトコあるけど、英国的と云えば英国的で、それが面白い。

Fusion Orchestra - Skeleton in Armour


 英国のゴッタ煮ロックが多発した1970年代初頭、プログレともジャズともブルースともフォークともつかないバンドはそれこそ数多く存在しており、それらを売っていくレコード会社も独自のレーベルを立ち上げたり、プロデュースしたりしながら試行錯誤し、物珍しいバンドと契約をいくつも交わしたりしていた時代だ。それこそが今の英国B級ロックマニアを生み出す背景だったり、レーベル毎によるマニア度を高めたり、そのおかげでひとつの珍しいジャンルが確立されたりと言うことで、だからこそこの時代の英国ロックには面白く奥の深いバンドが多く存在するのだろう。商業ベースに乗らないだろう、ってのも今はわかるけど当時はどれが商業ベースかわからない時代なので許された、みたいな(笑)。

 そんな中、女性ボーカル…しかもエロティックな香りがするバンドってのが結構いっぱいあってさ、ジャケ見て「いいなぁ~」と思うモノが多くって…。ま、ルネッサンスカーヴド・エアージュリー・ドリスコールもちょっと離れてダンド・シャフトとかも何となくそんな感じで、それ以外の情報がないからジャケットに写る写真が全て、みたいな感じでね、面白かった。…で、そんなマニア向けのバンドの中のひとつにフュージョン・オーケストラっつうのがあってさ、まぁ、聴いてみるとわかるんだけどアルバム「Skeleton in Armour」一枚しかないのでそれが全てだが、初っ端のチープな正にオーケストラ的なサウンドを聴くと、ああ、オーケストラね(笑)、と苦笑い。でもってつづくサウンドは正しく英国のこの時代のスネアサウンドと妙なギターサウンドで慣れ親しんだ耳にはえらく心地良い響きでね。ま、なんつうのかホントにオーケストラからジャズのリズムとピアノのセッションからヒステリックなジル・サワードっつう色っぽいお姉ちゃんの歌声が入り交じってきて、その瞬間からロックになるんだよ。これがハジけてて凄く気持ち良いんだよ、ホント。ギターもさ、この時代ならではの弾きまくりで、エグイ音してるし、更に、更に、だ、ジェスロ・タル顔負けのフルートまで入ってくるっつうワケのわからない展開。ま、二曲目の「Sonata In "Z"」がこのバンドの全てを物語っているんだな。

 他の曲聴いてもやっぱり古き良き英国B級サウンドをしっかり形作っていて、これがまたツボにハマるので大音量で聴いていると気持ち良いんだ、ってホントに。それでいてかなりリズム隊とかがしっかりしてるので、実力は十分にあるバンドだね。コレ一枚っつうのが勿体なくってね。昔はアナログなんて絶対お目にかかれないアイテムで、90年代初頭にCD化された時にいの一番で買ったもん。アナログジャケットだったらかっこいいんだろうなぁ~って。裏ジャケに移るジルの写真の写り具合がそそられるんだ(笑)。いや、サウンドも絶対普通のバンドよりは面白いね♪

Renaissance - Illusion


 ヤードバーズで荒々しいビートロックを歌っていたキース・レルフヤードバーズ解体後に選んだ道はトゥゲザーというフォークデュオバンドで、シングル一枚しかリリースされなかったようなので永らく聴けない状態の続いた幻のバンドだったが、ヤードバーズの「Little Games」の二枚組拡張版「Little Games Sessions & More」がリリースされた際に残された3曲の作品が収録されていたのでようやくその幻の作品を耳にすることができたのだ。もちろん聴いてしまったらこんなもんか…って思うのはいつものことで(笑)、いや、しっかりとその後の彼の音楽人生を予期させる代物に仕上がっていたことは云うまでもない…。逆に言えば、当時は全く別の路線に進んでいったってことですな。

 で、その先鋭バンドとなったのが1969年11月結成のルネッサンス。ボーカルには妹のジェーン・レルフを従え、盟友ジム・マッカーティと共に結成したバンドだったが、その音楽性はそうだなぁ、トラッドフォークとも云えるアコースティック調の正に英国的な調べを中心とした美しく繊細なサウンドと云えばいいのかな。もちろんピアノによる叙情性が凄く綺麗だったりするので、プログレとも言われるし、それは以降の別バンドともなっているルネッサンスに依るところが一番大きいんだろうけど、キース・レルフ時代のルネッサンスだけを切り取って聴くと、決してプログレッシブバンドってワケではなくて、美しくて叙情的な英国然としたバンド…だな。アルバム的にそれが顕著になってきたのがセカンドアルバム「イリュージョン」で、これがまた綺麗なんだな。ファーストアルバムではまだまだ未開だった方向性が明確に打ち出されている。…と言っても既にこのオリジナルルネッサンスを解散するという前提の元にこのアルバムが出来上がっているワケだから、その音楽的才能には感嘆するものがある。ややこしいんだよ、このバンドはホントに。このセカンドアルバムの4曲目に入ってる「Mr.Pine」って曲だけが以降に引き継がれていくルネッサンスのメンバーの中心人物ともなるマイケル・ダンフォードによるもので、聴いていればわかるんだけど新ルネッサンスで有名になる「Runnning Hard」で聴けるあの印象的なフレーズが既に使用されているってのがその布石。だからこの曲だけは新ルネッサンスに通じる曲なワケだ。

 しかしそれ以外の曲の美しさは正にこのオリジナルルネッサンスならではの独特の英国的サウンドで、やっぱねぇ5曲目の「Face of Yesterday」が何と言っても一番綺麗なんじゃない?凄いんだよなぁ…。ジェーンの声はクリスタルボイスっつうのとはちょっと違って、もうちっと繊細ってとこかな。弱々しさが男心をくすぐるんだよ、多分。あ、最後の曲はちょっとオチャメな冗談みたいで、実験的要素が強いのかな、プログレじゃないけど多様な展開に挑戦って感じだね。

 ってなことで、あまり語られないオリジナル・ルネッサンスのそれ自体を切り出した音楽性ってのはやっぱピアノとフォークによる叙情性なんじゃないかな、と。決してプログレの範疇に括ってはいけないバンドで、どっちかっつうとトラッド…?う~ん、わからんが、とにかく綺麗なサウンドなのでヤードバーズの頃からほんの1~2年でこうまで進化するキース・レルフの才能ってのは結構凄いんじゃない?ってのを聴けてよかったな。

The Yardbirds - Five Live Yardbirds


 ロックの歴史の中に於いてもファーストアルバムがライブ盤と云うのは相当珍しいことだが、それを実践してしまったのがヤードバーズで、時代は1965年のお話。デビューアルバムがライブということは即ちデビュー前のライブが収録されているわけで、それ自体凄いことなんだけど、ライブの中味もどこまでやらせなのか知らないが、その効果は十分に発揮されており、一般のロック評では「さすがにクラプトンの人気は当時から高く、冒頭のメンバー紹介のところでの一際大きな歓声がそれを表している」という文面をよく見かける。後から被せてたらそんなの意味ないじゃねぇか、と突っ込みを入れたくなるが、まぁ、それは置いとくか(笑)。

 とは言え、やっぱりライブで鍛え上げられたバンドなだけあってもの凄い熱気が収録されていることに変わりはなく、1964年ロンドンのマーキーに出演していたバンドってのは本当に凄いのばかりだなぁといつも思う。何かが生まれていく渦中にあったことを実感していたのかどうかわからないけど、この異常な熱気はやっぱりすごい。クラプトンのトーンにしてもギターにしても単なる若造にしてはやっぱり恐ろしいほどに上手いのが、このうるさい歓声と時代を物語る音質の中でよくわかるということは、本当に凄かったんだろう。

 そうだねぇ、自分的には結構キース・レルフって好きなんだよね。別に取り立てて才能が凄いってワケでもないんだろうけど、がむしゃらに歌っている姿とか、クールなスタイルとか、英国で一番になるぜ、みたいな青白い炎が見えてていいんだよ。だからヤードバーズは好きだな。高校生くらいの頃にこの辺のロックを聴き漁っていって、ヤードバーズはやっぱこのアルバムから、ってことでレコード買って聴いてたんだけど、なんかうるせぇな、これ、っていう印象(笑)。今冷静に聴いてみると、全編カバー作だったんだな。初っ端から飛ばしてるし、それがカバーとかなんとかって気にしなくてバンドのパワーを聴いてたような気がするからだけど、ストーンズあたりとは完全に被ってるよな。その辺はやっぱストーンズの方が、ってのあるけど、ヤードバーズも悪くない。っつうかそんなに差があるとは思えない(笑)。この辺だと「Smokestack Lightning」The Yardbirds - Five Live Yardbirds - Smokestack Lightning (Live)のリフって好きだね。凄くロック的で…、で、「I'm A Man」とかもあるわけで、やっぱクラプトンの選曲なのかな。

 昔のレコード聴いてると10曲しか入ってないんだけど、最近(?)のCDは20曲近く入ってるの?凄いな。しかもCDの前半にボーナストラックが入っていてもう滅茶苦茶だな…、昔からヤードバーズのアルバムってのはワケわからなかったんだけど、今でもやっぱりワケわからんリリースだな(笑)。でも何でも聴けるようになったってのはやっぱいいよ。自分の時なんて探してもまともになかったもん。「Five Live Yardbirds」と「Roger the Engineer」くらいしか見当たらなかった。EDSELの再発ね。

The Kinks - Live At Kelvin Hall


 50年代に登場したロックンロールは当時10代だった英国の若者を刺激するには十分だったようで、併せて英国ツアーを行っていた往年のロックンローラー達を生で見れたりテレビで見たりという数少ない情報の中から自らもギターを持って何かをやろうという連中がたくさん出てきたのが1960年代。もちろんストーンズってのが筆頭になるんだろうけど、そこまでモロの影響下ではなくて独自性を持って出てきたのがフーとかキンクスとかで、ロックンロールの影響は感じられるものの、それを消化して自信の音楽センスを磨いてきた連中なのだ。ビートルズもそうだけどね。

 …てなことで、オリジナルアルバムではあまりロカビリー系統の影響を受けているようには思えない、あったとしてもせいぜいファーストアルバム程度で、どちらかと言うと個性的なソングライターとして確立してきていたキンクスの「Live at Kelvin Hall」に注目♪ 1967年4月1日グラスゴーにあるケルヴィンホールでのライブが記録されている作品なので、それまでに売れた曲なんかはもちろんいっぱい演奏されているんだけど、最後にさ、メドレー形式で「Milk Cow Blues - Batman Theme - Tired of Waiting - Milk Cow Blues」ってのが入ってて、これ以降もキンクスはライブではこういう感じでロックンロールと自分たちの曲とを混ぜ合わせたメドレーやひたすらロックンロールを繋げたものなんかもやっていて、それはそれは楽しそうにやっているものなんだな。シニカルなレイでもやっぱり好きで、いきなり始まることも多かったらしい。デイヴはどうなんだろう?やっぱり影響受けてたんだろうな。じゃなきゃ「You Really Got Me」でのあの歪んだ音は出てこないだろう(笑)。

 う~ん、久々にコレ聴いたけど、昔は音が悪いライブアルバムベスト3に挙げられていたんだけど、リマスター盤CD聴いていると全然そんなことないね。このリマスター盤って面白くて、モノバージョンとステレオバージョンが1枚のCDに収められているという代物で一枚で二度美味しい…、いや、それはマニアだけだろう(笑)。でもね、やっぱりどっちが好みかと言われると、このアルバムの場合はモノバージョン。ステレオバージョンは楽器の分離は良いけど、歌がかなり引っ込んでしまった感じになってるからね、あと全体の空気感がやっぱりまだまだ分散しちゃってるから。モノバージョンはやっぱり音がど真ん中に集まってるだけあって凄い迫力。歌も一番前面に出てくるし、いかにも60年代のライブアルバムって感じのやらせありの作り方が好き(笑)。しかしまぁ、総じてものバージョンの方が歓声とかMCとか短めに編集されていたりして面白いね。

 実際にこの頃のキンクスってのはこんなライブだったのかと言われると結構疑問だよなぁ。もっとデイブとかアドリブかましまくって弾いていたような気もするんだよね。このアルバムって歌モノ中心だからそういうのがあんまり出ていなくてさ、だから最後のロックンロールメドレーが多分ライブに於けるキンクスの一番それらしい姿なんだと思う。レイの作る曲の完成度は既に認知されていたワケだから、それ以上にライブで求められるのはこういうトコだったんだろうね。ま、デイブの出番っつうのはよくわかる(笑)。この頃のキンクスのライブ盤発掘してリリースされないかなぁ…。滅茶苦茶熱くてかっこいいんだよ。ストーンズと比べてもヒケを取らないもんな。

Chuck Berry - Johnny B Goode


 白人ロックンローラーがいくら登場しようとも、やはり50sロックンロールのイメージと言えばチャックベリーに尽きる。エルヴィスがわかりやすく家庭に持ち込んだサウンドなんだけど、玄人受けするのはチャックベリーロックンロール。ま、玄人っつってもギタリスト的に、ってことなんだけどさ。

 その辺で有名なのは映画「Hail Hail Rock N' Roll」というドキュメント作品。当然50年代の頃の映画じゃないのでチャックもいい年なんだろうけど、相当偏屈なオヤジらしくてキースも扱いに困って持て余しているのが面白い(笑)。コレ見てて思ったのは、ま、チャックベリーだからかもしれないんだけど、ストーンズキースなんててんでガキ扱いにしていて、やっぱりオリジナリティのある人は強いんだなぁ、と感じたね。いくらキースがR&Rのリフをモノにして引いていたとしてもそれはキース流のもので、チャックからしたら全然違う、ってことになるみたいで、映画見てるとハラハラするシーンが多い。金払って見ている側がそんな心配をしなきゃいけないというのもヘンな話だけど、その分緊張感あって、結果としては面白いモノができてるからナマナマしくて面白かった。アマゾン見たらこれってまだ国内版DVDになってないのかな?アマゾンにないだけなのかな?もったいない…。

 そんなチャックの等身大の姿は見れるんだけど、もちろん50年代当時、白人がもてはやされていた頃に強烈なビートとリフを作りだしたパイオニアで、「Johnny B Goode」に代表されるあのイントロとリフが代名詞。「Maybellene」あたりにしても他の曲にしてもほぼ全部同じパターンで作られているのでベスト盤聴いてても飽きるといえば飽きるんだけど、研究するにはかなり豊富な、そしてそのリフやフレージングの使い方が勉強できるパターンが押し込まれているので面白い。それから歌詞にしてもやっぱり若者を惹き付けるもの、「車」「女」みたいなのが中心であまり解読したことないけど結構良い歌詞みたいね。

 しかしまぁ、ありとあらゆる曲が英国ビートバンドにカバーされているものだと思うくらいにメジャーな曲が多い。ざっと挙げると「Too Much Monkey Business」はヤードバーズやテン・イヤーズ・アフターなんかもやってたかな。「Roll Over Beethoven」はビートルズが有名だし、「Beautiful Delilah」や「Little Queenie」なんてのはキンクスやその他諸々、「Come On」やら「Carol」、「Sweet Little Sixteen」なんてのはもちろんストーンズだったりね…、もう数え切れないくらいに歌われている。やはりこの時代には相当インパクトを放ったみたいで、人種差別の問題に真正面からぶつかってしまった関係上アメリカではなかなかうまくいかなかったみたいだけど、その後英国ビート勢によって再発掘された面が大きいんじゃないかな。うん、飽きる部分もあるけど、やっぱり英国勢が夢中になったサウンドなんだから気に入らないワケがない。原点だね♪

Buddy Holly - That'll Be The Day


 もう一人の悲劇の主人公と言えばやっぱりバディホリーだろうなぁ。1959年のツアー中に於ける飛行機事故により22際で人気絶頂の中で他界してしまったおおよそロックンローラーのイメージからかけ離れたイメージが売りになっていた中流階級のおぼっちゃま…かどうかは知らないが、そんなキャラでもしっかりと売れていた。ロックンロールは不良のものというPTAの概念をこの人なら崩せたであろうルックスが個人的にはダメなんだけど、まぁ、流れとしては必然なので一応(笑)。

 メジャー曲としては「That'll Be The Day」が今でも根強く残る作品で、それこそ何百というバンドがカバーしているんじゃないかな。Zepのライブなんかでもちょこちょこと出てくるらしいし、ビートルズは、「Peggie Sue」なんてのをやっていたりと良くも悪くもこの人のルックスによるインパクトは大きいと思う。それを言ったら大きな影響を受けているのがエルヴィス・コステロなんだろうけど。これもまぁ、個人的には好みではないんだけど、ま、それは置いといて(笑)。うん、大体さ、リーゼントに革ジャンで突っ張って気取ってってのが通説だった時にメガネでセーターを着て、それでストラトを鳴らしてロカビリーだぜ、なんて通じないだろ(笑)。ところがさ、それって後で写真とかを見たから思うだけで、恐らく当時は音が先行していたのでかっこいい、って思ったらそんなスタイルだった、っていう方が多いんじゃないかな。まぁ、それでも他の曲とか聴いているとやっぱり良いんだよね…。音楽的なところで凄くしっかりしているってのがわかるもんな…。ストーンズなんかもさ、影響受けている面あるし…。

 この人ももちろんベスト盤くらいでしか聴けないけど、この辺ってのは気軽にBGM的に聴けるので良いかもね。英国モノだとしっかりと聴かないといけないって感じだけど、やっぱ根本的に軽快なロックンロールなので心地良い♪

Ritchie Valens - La Bamba


 悲劇のロックンローラーとして取り上げられるのはどうしてもエディコクランバディホリーが挙げられるのだが、それ以外にもまだいたんだよ、っていうのがメジャーになったのは映画「ラ★バンバ」というもので世間に広く伝えられた感があり、この映画の功績は実に大きなモノではないだろうか。云わずと知れたリッチーヴァレンスという若者のことだ。

 映画のタイトルにもなった「La Bamba」が彼の最大のヒット曲で、今となってはこの曲とこの映画意外に彼の名前を聞くことはあまりなくなってしまったが、やっぱりベスト盤なんかを聴くと結構イカしたロックンロールをやっていて、かなり熱い。もちろん「La Bamba」の独特のメロディーが一番なのだが、「Bonie Moronie」とか、「Summertime Blues」なんてのもやっていて、それも結構強烈に軽快(笑)にやってるので、個性的は個性的。彼女に捧げた「Dona」みたいに素直な曲もあるしね。当時はよくわからんけど、多分思い切りメジャーではなかった分一生懸命さがあるっつか…、うん、実はこの辺の方が面白いのかもな、と思う。自分ももちろん映画でこの人を知ったクチなのであまり知ったかぶりもできないんだけど、今も昔も多分ロックに書ける意気込みっつうのがないと決してメジャーになれないんだろうな、と。で、ショウマンシップも必要でさ、でも自分のポリシーとかあってぶつかって…、素直な白人の若者の方がよっぽどロックンロールしていて、ヒスパニック系のリッチーヴァレンスは、なまじ気の強さが出てきたので難しい…ま、マネージメントとの問題もあるだろうし、とか色々わかっちゃったから素直に見れないんだけど、彼はそんなタイプに見える。顔もさ、まっすぐじゃないじゃん(笑)。

 まぁ、一発屋なのかもしれないけど、少なくともバディホリー達と一緒にツアーをして風の強い日の中、移動を強いられて飛行機に乗り、離陸してすぐに墜落してしまい、搭乗者4人とも他界。バディホリーの死は随分と取り沙汰され、またその遺体が写真に収められていたこともあり、有名になっているが、その陰でのリッチーヴァレンスの死については時代と共に風化していたものだ。それが故に「La Bamba」の再ヒットと映画のヒットがスポットとなり、ロックンロールの歴史をおさらいしてくれたのかな。聴いていて気持ち良いからねぇ、この人のは。

Gene Vincent - Be Bop A Lula


 エディコクランと同じく一世を風靡したいかにも、という感じのロックンローラージーンヴィンセント。この人をモデルに考えるとツッパリ君のリーゼントや革ジャンというのがよくわかるのだが(笑)。多分エルヴィスあたりとは好対照の意味でPTAから嫌われたであろう格好はやっぱりロックンローラーとしては憧れるスタイルだろうな。

 時代と共に風化する音楽の中で今でも相変わらずの輝きを放っているのが「Be Bop A Lula」という、まあ、タイトルを聞けばああ、あれかと思い浮かべることの出来るあの曲♪もちろんビートルズ…否、ジョン・レノンが演奏しているので更に一層時代を超えて残る楽曲になっているのもあるだろうけど、やっぱり当時から注目されて皆が皆コピーした曲なんだろうな。ことあるごとに色々なバンドがライブでカバーしていたりするので、いつの間にか記憶に刷り込まれているもん。で、まあ、ベスト盤くらいでしか聴くこともないし、そもそもオリジナルアルバムがあるのかどうかも知らないんだけど、結構面白い曲…そうだな、いかにもコピーしたくなるような曲はいくつもあってさ、何がメジャーなんだろ?「Blue Jean Bop」なんてのは甘いメロディーで始まってバラードか?なんて思ってたら途中から思い切りエロティックなロックンロールになっていって、えらくかっこいい…、予想できる展開のくせに思わずリズムを取りたくなってしまうあたりがなぁ、さすがだよ。それから「Race With The Devil」っつうのもイントロからしていやらしくて(笑)、なんだろね、これは。エコーのかかり具合がそういう雰囲気なんだろうか、エルヴィスよりもエロティックだと思うけどなぁ。

 まぁ、そんなことでエディコクランと一緒に英国ツアーに出て、コクランの彼女達と共に4人でドライブに出掛けたところで衝突事故…で、エディコクランはそのまま他界してしまって、ジーンヴィンセントは重傷を煩ってしまいシーンから離れることとなる。50年代の車ってのはかっこいいけど安全面は全くダメだったからね、ま、でもそれこそがロックンロールみたいなイメージがあるのも事実。そしてロカビリーブームが一段落してしまったってのもあるか。で、英国のビート系の若者達に語り継がれていくワケだな。

Jerry Lee Lewis - The Great Balls of Fire


 50年代にエルヴィスと人気を一瞬だけ二分したとも言われるピアノロックンローラーのジェリーリールイス。この人の場合は生き方がロックンロールだったよな。どこ見ても13歳だか14歳の従姉妹を嫁にもらったことが英国ツアー中にバレて大騒ぎになって、その後はロリコン呼ばわりされて業界から抹殺されてしまうという不遇を受けて、当時「ザ・キラー」とまで呼ばれた異名を持つジェリーリーだったが、さすがに格下げされてからは這い出て来れなかったようだ。

 しかし、50年代当時、もちろんピアノという楽器を弾ける以上、当然ながら音楽センスもあり、教育も受けているワケで、しかも貧乏暮らしから出てきたわけではなく、中流家庭から出てきたピアノ弾きによる反逆のスタイルとしてのロックンロールだったワケでそりゃ、若者はみんななびくだろうな、と。そして今でも有名なロックンロールの名曲が二つ、燦然と輝いている。「The Great Balls of Fire(火の玉ロック)」と「Whole Lotta Shakin' Going On」だ。とにかくどちらも激しいピアノの音がアタマの中で鳴りまくるくらいに印象深い曲で、これも誰かのバージョンで多分聴いたことがあるんじゃないかな。一時期映画のサントラでも結構使われてて、「トップガン」とかさ。そうそう、映画と言えば、この日の伝記映画っつうのもあって、まんまのタイトル「グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー」なんだけど、結構ストレートに書かれている映画みたいで、これでこの人ってのが何となくわかったもん。その少女妻役のウィノナ・ライダーも初々しくってよかったんだが(笑)。

 音的にはさっきの二曲がメインになるし、他にもカバー曲で「Little Queenie」なんてのも割と自分のレパートリーにしていたみたいなのでベスト盤なんかにも入っていることが多いみたいだね。まぁ、元祖っつうのも聴いてみると良いんじゃないかな。んで、エディさんのブログで情報入手したんだけど、今度この人、新作出すらしくってさ、そのゲストが凄いんだよ。詳しくは彼のオフィシャルHPで見てもらえればいいんだけど、初っ端からZepの「Rock'n Roll」をカバーしていて、それがまたジミー・ペイジ参加なワケで、それがまたジミー・ペイジさんのあのギターフレーズからトーンからモロにペイジさんの音をしていて興奮しちゃったもん。エディさんトコからリンクでその音を聴けるので是非。でもって、それだけじゃなくって、この新作アルバムにはざっと下記面々が参加しているみたい。

B. B. King
Bruce Springsteen
Mick Jagger
Ronnie Wood
Neil Young
Toby Keith
John Fogerty
Keith Richards
Robbie Robertson
Merle Haggard
Kid Rock
Rod Stewart
Willie Nelson
George Jones
Little Richard
Delaney Bramlett
Buddy Guy
Don Henley
Kris Kristofferson
Eric Clapton
Ringo Starr
Jimmy Page

う~む…トリビュートっつうか最近こういうのよく出るんだけど、アーティスト本人達からしたらとんでもなく光栄なことだろうし、夢みたいなことだろうからなぁ…。手に入れないとダメな作品だよね。しかし、50sロカビリーの人のこと書いてて、何でまたその人の新作なんてのが書けるんだろうか(笑)。年は関係ないんだねぇ…、この人今75歳くらい?う~む…。

Eddie Cochran - C'mon Everybody


 エルヴィスの知名度に比べると他のロックンローラー達の陰が薄くなってしまうのはやむを得ないこととは云え、エルヴィスよりもロックしてた連中が他にもたくさんシーンにいたのだ。そしてロカビリーにハマればハマるほどエルヴィスよりも面白いことに気付く最初の人がエディコクランではないだろうか。

 ま、硬いこと言わないで進めよう(笑)。うん、多分、知ってる曲が山のようにあるはずだからベスト盤でも手に入れて聴いてみればいいんじゃないかな。だってさ、「C'mon Everybody」「Jenie Jenie Jenie」「Summertime Blues」「Somethin' Else」「Weekend」「My Way(シナトラのじゃないよ)」「20Flight Rock」なんてのが代表曲だと思うんだけどさ、どれも何かで聴いたことあるでしょ?でもって、誰かがカバーしてるのを聴いてるんじゃないかな。個人的な思い入れだと…、あ、ストレイ・キャッツは当たり前すぎるので除くけど(笑)。「C'mon Everybody」はHumble PieやUFO、Led Zeppelin、他にもいっぱいいるなぁ、この曲は。「Summertime Blues」もThe Who, Blue Cheers, 子供ばんど、ザ・タイマーズなんてのがメジャーどころか。ま、他は個人的には大体Led Zeppelinがライブでガンガンメドレーやってる時にプレイされるので知ってるけど、「Somethin' Else」は滅茶苦茶かっこいいから多分他にもいっぱいカバーされているはず。

 エディコクランのかっこよさってのは、やっぱり歌の色気もあるしギターもかなり巧いってのが一番かな。もちろん曲がシンプルで響きやすいってのあるんだろうな。聴いていて気付くかどうかわからないんだけど、基本的に歌とギターしかないんだよ。ドラムやベースががっちりと鳴ってるってのはそんなになくってさ、効果的なリズム音やホーンがちょっと入ってるくらいで、滅茶苦茶ロックンロールできてるってこと。うるさけりゃいいってもんじゃないんだよな。音のバランスもそういう感じで録られてるから聴きやすい。だからロックの英雄達は耳を皿のようにして小さく鳴っているギターの音をコピーしていたんだから、耳が良いはずだよ。

 ご存じのように同僚のジーン・ヴィンセントとガールフレンドと一緒に車で移動してる最中に激突して22歳で死去してる。ジーン・ヴィンセントは無事だったんだけど、ここでエディコクランは伝説になってしまった。ロカビリーの英雄には悲劇的な事故が付き物のようだ…。しかし60年代から英国のビートグループによる世界制覇により彼等のサウンドもまた世に浮上することになり、アメリカでも英雄視されるようになったのだ。あ、この辺の人達って英国で人気に火が付いたのが最初なんだよね。そっからアメリカのエルヴィス人気で再燃してるみたい。だから英国ではこの辺の人達の方が根付いているらしい。日本は…、ま、しょうがない(笑)。敢えて語るまい…。

American Graffiti - Original Soundtrack


 古き良きオールディーズ、即ち50年代のロカビリーから始まったロックの歴史は今でも脈々と受け継がれており、基本として押さえておくべきものなのだ。しかしなかなか今の時代に各アーティスト毎にアルバムを集めて聴くというようなことはなかなかすることもないので、手っ取り早くどうするかと言うと、適当なオムニバスアルバムを入手したりベスト盤を買ったりするのだろう。そんな手法の中で最も手軽且つ最適且つ感動まで付いてくるという意味で映画「アメリカン・グラフィティ」なんてのをオススメしておきたい。もちろん他にもロカビリーを題材にした、もしくはバックミュージックとしてロカビリーが使われているものは多数あるんだけど、やっぱりこの「アメリカン・グラフィティ」ってのは少々古さはあるけど、なんかね、いいんだよ(笑)。

 映画のDVDも激安っつうのもいいんだけど、サントラ盤がまた良い曲揃ってるんだな。15~16歳くらいの頃にこういうのも聴かなきゃいかん、って思って手に入れたのが「アメリカン・グラフィティ」のサントラ盤で、初っ端の「Rock Around The Clock」からノックアウト(笑)。この曲こそがロックンロールの始まりって言われていて、「暴力教室」っつう映画でこの曲が使われたのがきっかけで世界にロックンロールが広がったらしい。ま、それはともかく、「アメリカン・グラフィティ」の舞台は1962年のアメリカってことなので既にノスタルジックな面もあったりするのが不思議なのだが、まあ良し。結局今でも耳にするようなオールディーズが結構収録されていて、それぞれに懐かしさが漂うんだけど、みんな歌が上手いよな。そしてセクシー。ジーン・ヴィンセントとかプレスリーが入ってないのは残念だが、これだけまとめてオールディーズが聴ければ結構なものでしょ。

 いわゆるロカビリーものから歌モノ、その中ではやっぱり「Only You」がいいなぁ…。こういうの聴いてると自分の好みがよくわかってくる(笑)。こいつの良いトコロは白人ものも黒人ものも一緒に入ってるってことかな。どうしても黒人モノの方が印象深くなっちゃうんだけど、ビーチ・ボーイズやバディ・ホリーなんかが出てくるとハッとするもんな。あぁ、懐かしい。こういう青春時代を送りたかった(笑)。古き良きアメリカの一幕をパッケージしたもので、ジョージ・ルーカス&コッポラにハリソン・フォードっつう面々の作品でそれも凄いなぁと思うが、やっぱ面白いもの作ってるわ。んでもって音楽もいいので、今からでもオールディーズに手を出してみたい人には絶対お勧めだね。

Les Paul - The Legend of The Guitar

All-Time Greatest Hits ベスト・オブ・レス・ポール&メリー・フォード 90歳バースディ 記念エディション Les Paul
 レス・ポール…もちろんあのギブソンのレスポールというギターをイメージする人の方が多いだろう。そしてその美しさと音色はロックの世界では伝説のものでもあり、特に1958年、59年に作られたレスポールモデルについては天井知らずの値段が付くともいわれるくらい美しく、特色のある音色を誇る代物である。それをあのジミー・ペイジはもちろんメインギターとして今でも使っているのだが…。そしてそのレスポールモデルの生みの親はアメリカ人カントリーギタリスト奏者のメカおたくが生み出したモノということも知っておかなければいけない。

 2005年に90周年バースデイCDがリリースされているくらいだからそれくらい長く生きている人なんだけど、活躍した時期は1950年代後半からで、メリー・フォードの歌とレスポール氏のギター演奏によるモロにカントリーというカテゴリに属するのかな…よくわからないんだけどね、今の音楽のレベルにはないサウンドなので凄く不思議感があるんだよ、ホント。こういうのってどういう風に辿り着くと出来上がるんだろうか?って思うくらいに独自。多分、自分が音楽知らないだけなんだなぁと痛感する次第です。チェット・アトキンスなんかとも一緒にやってたりするのでそういうギターを弾く人なんです。そうだね、言い方をロック的にすると、ヴァン・ヘイレンやイングヴェイよりも早弾きで正確無比なピッキングなことは云うまでもなく、多分早弾きしている小節が滅茶苦茶長い。わかりにくいかな…ロックだと早弾きっていってもそれが16小節くらいしか続けないんだよね、サウンド的に、多分。 それがこの人のジャンルでは曲中全部早弾きなワケで、カントリータッチとしては当たり前なんだろうな、こういうの。でもってもちろん歪んだギターの音じゃなくってクリアーでマイルドな、もうレスポールでしか出せないギターのサウンドで迫ってくるのさ。この音も不思議。もっともレスポール氏は自分のモデルと同じくらいギブソンのセミアコモデルも使っていたみたいだけど。それでもレスポールにアームを搭載してオリジナルモデルを作ったり、ともすれば4chのMTRなんてのも彼の発明だし、エコーマシンも彼の発明らしいのでプレイヤーとしてだけでなく現代まで引き継がれている機材の基礎も彼の手作り機材から始まっているのだ。うん、凄いんだよこの人。死んだら絶対語り継がれる偉人になると思う。

 そんなレスポール氏のプレイは今ではありとあらゆるベスト盤なんかで聴けるので是非聴いてもらいたいし、著作権切れというのもあるのか異常に安いのであってもいいんじゃないかな。で、もっと驚くのは実はビデオ「Living Legend of the Electric Guitar」だったりするんだけど、DVDでは未発売で、「Les Paul」というタイトルくらいしかDVDでは出てないみたいで、これは中味知らないけど多分ビビる内容だと思うのでオススメだろうな。こんなこと書いてても、BGMとして聴くには滅茶苦茶適したイージーリスニングの音楽なのも凄いところ。ロックではないけど、ロック界に多大なる影響を及ぼした人の一人だね。ああ、スーパーセッションの流れでレスポール氏を囲んで、みたいなビデオも出ていたな。これも凄かった…。

The Brian Setzer Orchestra - The Dirty Boogie


 ストレイ・キャッツ解散後ソロでフラフラとアルバムリリースしたり、企画モノに出演したりしてなんとなく名前を上げていたものの、いまいちパッとしなかったブライアン・セッツァーが、思い切ってやりたいことに手を出したバンドが今をときめくオーケストラ名義のバンド。当初思い付いたのはよかったが、15人ものオーケストラの面々を食わせるまで稼げるのかどうかが最大の問題点で、ブライアンは必死で全部自分でスコアを書いてオーケストラに頼んでいたという逸話も残っているが、めでたく1999年にリリースされた三枚目のアルバムで世界をときめくヒットを放つこととなったのだった。こうしてまたシーンの真ん中に戻ってきたブライアンの活動は我が日本では毎年のように来日公演が行われているので比較的馴染みのある活動ではないだろうか。

 この「The Dirty Boogie」というアルバムだが、前二作までと大きく変わったのが何だろ?垢抜けたっつうとヘンなんだけど、吹っ切れたパーティ感覚が強調されているっつうのかな、音が明るいんだよね。もちろん曲も素晴らしく洗練されたものに仕上がっているので聴いていて新しくてノスタルジック…言うならばストレイ・キャッツがシーンに躍り出た時にネオロカビリーというジャンルを確立したようにブライアンはまたしてもこのアルバムでネオスウィングというカテゴリーを創り出したのだ。凄いことだよな、それ。二つのジャンルを創り出してしまったワケで、似て非なるモノなんだよ、これ。でも見た目は単なる刺青いっぱい入れたリーゼントのギター兄ちゃんみたいな感じでさ、器がデカイっつうか、ロックンロールな人だなぁと思う。

 その「The Dirty Boogie」、何と言っても一発目の「This Cats On A Hot Tin Roof」っつうのがモロにネオスウィングって云う代表曲で、ビッグバンドとブライアンの華麗なるギターフレーズとスウィングするリズムが見事にマッチした超傑作で、これもコピーできねぇよ、っつうくらいのフレージング。すっごくゴージャスでさぁ、古き良き時代のアメリカを音で体現しているという感じで、そうだなぁ、グレン・ミラーの楽団を聴いている感じでさ、そういう雰囲気が浮かぶんだよ。そんなのばっかり入ってて、面白いのはストレイ・キャッツ時代の名曲「Rock This Town」をカバーしていてさ、これもまたゴージャスにリメイクされていて、本来こういう曲だったんじゃないかと思うくらいにかっちょいい。ブライアンも、もちろんこの20年間でギターの腕を上げているからゆとりもあるしさ、さすがだなぁ…と。益々手の届かないところに進んでいるギタリストなワケで、ホント素晴らしい。日本公演見に行ってみるとそれをいとも簡単にさらっと弾いてしまっているところがプロなんだよ。

 ちなみにこのアルバム、リリースされた直後くらいにたまたまタワレコ行ったら試聴コーナーに置いてあって、まだ売れる前だったんだけど大プッシュしててね、聴いてみたらそんなんだから、もちろんブライアンの名前も知ってたしストレイ・キャッツも好きだったってのはあったけど、それでも聴いて一発でレジ行きだったもん。そしたらしばらくして売れまくってた(笑)。やっぱりかっこいいものにはみんな鋭いんだなぁ~と思ったね。

Stray Cats - Stray Cats


 1980年初頭ロカビリーのかっこよさを再認識させたA級戦犯としての筆頭格と言えば何と言ってもストレイ・キャッツに限る。ネオ・ロカビリーと言う新たなジャンルを創り上げてしまった素晴らしい功績を残したこのバンド、元々はニューヨーク・ロングアイランド出身のバリバリのアメリカ人なのだが、当時英国の方がこういったサウンドに敏感だったこともあり、またパンクの波からそれほど時間が経っていなかったこともあって彼等は英国でデビューを果たして一躍人気者へと躍り出ることになったのだ。そのせいか、彼等の持つ本来の音楽のせいか、ちょっと後のジョージア・サテライツやジョージ・サラグッドあたりの3コードR&Rバンドとは大きく異なり、洗練されてオシャレ感が漂っているのだ。もちろんファッションにも気を遣っているのでそれだけティーンからの支持は大きかったのだが、やっぱり楽曲の持つシンプルでパワフルなサウンドがウケたんだろうな。

 初っ端のファーストアルバム「涙のラナウェイ・ボーイ」から名曲のオンパレードで、今でもブライアン・セッツァーのライブではこのアルバムからの曲が圧倒的に演奏されることが多く、それこそが彼自身の思い入れをも物語っている。ザクッと書いてみると、単純な3コードロカビリーに違いはないのだが、細かいところのギタープレイは単なるロカビリーなんかでは終わらず、ジャズやカントリーのフレーズや音遣いがいっぱい入っていたり遣うコードも実に不思議で感動的なコードが多く、この頃ハタチそこそこでこんなにテクニックと引き出しを持ったギタリストなんて今でも見当たらないよ。カッコから入ったツッパリ君達がバンドを始めようと思って彼等をコピーしようとしたってまず無理。とんでもなくカッコと中味がかけ離れていて、だからこそ評価が高いバンドなんだよね。

 セカンドアルバムでも路線は変わらないんだけど永遠の名バラード曲「ロンリー・サマー・ナイト」はえらく感動したし、今聴いても最後の最後のコードに涙がチョチョ切れるね。グレッチが凄くかっこよく見えたのってこの辺くらいだもんな。ロカビリーって奥深いなぁって。ちょっと前に「グレイテスト・ヒッツ」っていうDVDが出て、プロモビデオを集めたもんなんだけど、これも時代を感じるところはあるけど結構格好良くってさ、やっぱりいいんだよな。まぁ、今更全部買い集めるほどでもないってのもあるから、ベスト盤でも十分に楽しめるけどね。うん、かっこいい本当の意味でのギタリストな人だと思う。

George Thorogood - Maverick


 1977年デビュー時以来現在に至るまで、そして恐らく今後も一生変わることのないロックンロールをやり続けるであろう男、ジョージ・サラグッド&ザ・デストロイヤーズ。これほどまでにやることが変わらない人も珍しいものだが、やること変わらないだけに売れたり落ちたりするのはやっぱり時代の流れなのだろう。1980年代中期には結構もてはやされたものだが、この時期って多分ロックンロールそのものが持ち上げられた時期だから、こういったシンプルなR&Rがウケただけってコトだろう。その軽快なサウンドから映画のサントラなどでも重宝されたこともあり、有名なトコロでは「ターミネーター2」かな。

 …とは言えども、多分凄くマイナーな人だと思うんだが、実際はかなりかっこいいロックンロールやってるんだよ。往年の3コードR&Rにサックスを加えて軽快に聴かせてくれるワケで、正直どのアルバムを聴いても同じなのでどれが良いとかってあんまりない(笑)。売れたアルバムで言えば「Maverick」とか「Born to Be Bad」とかかな。バリバリの演奏聴くなら「Live」だろうな。ポップスとLAメタル主導の80年代を真っ向からR&Rだけで走り抜けた彼等のライブは相当に熱いので単純にスカッとしたい時に聴くとサッパリする(笑)。…とは言えどもジョージ・サラグッド本人はかなり往年のブルースメンに影響を受けた人で、この時期のアメリカ人では珍しいかもしれないね。その証拠に彼のスライドギターってのがかなり絶品の域に達している。普通に弾くのと同じくらいスライド弾いていて、それがさすがにツボを得ているのだ。ハウンド・ドッグ・テイラーあたりが一番好きなようなので、いわゆるカントリーブルース系からのR&Rなんだな。しかし骨太なロックだ(笑)。押せ押せのR&Rパワーはある意味誰にも真似できないモノがある。

 ストーンズの最高のライブと云われる1981年ツアーの前座に出演していたこともあるらしいので、その辺のファンの人は知ってるのかな?まぁ、ストーンズのファンって前座に滅茶苦茶厳しいから酷評かもしれないが(笑)。ちなみにこの人、自分で曲作るよりも既に昔の人達が偉大な曲をたくさん作っているんだからそれらを伝えていくのも使命なんだ、という信念も持っているようで、なるほど自作の曲よりもカバーが多いのだ…。うん、DVDも出てるのでこれ見る方がわかりやすいと思う。30周年記念のライブなのでかなりおっさんになってるけど、相変わらずのパワーらしい♪

The Georgia Satellites - The Georgia Satellites


 時代は1986年、市場はユーロビートやLAメタルが溢れかえっていた時期にもかかわらずこの骨太なアメリカンなサウンドを醸し出すバンドは何とデビューアルバムをチャートに押し込んでしまうくらいのパワーを持っていたのだ。シンプルでかっこいいというロックンロールの信条そのままに、音の方も単純な3コード基本のものばかりだったのだが…。ジョージア・サテライツという四人組。まぁ、田舎者丸出しという感じなのだが、ある意味ではAC/DCみたいなもんか。シーンへの衝撃は結構凄かったね。

 サウンド的には英国ロック好きなアメリカ人がアメリカルーツ音楽と一緒になって取り組んでいるというもので、まぁ、どちらかと言えば旧来のロックンロールの模倣なんだけど、ギターのセンスとかザクザクとしたバックの音なんてのがかっこよくって、もちろんノリも単純なロックンロールのものなので面白かった。テレキャスとレスポール・スペシャルっつうギターのコンビネーションも音的に良かったな。これでロックンロールのギターはその二本に代表されるっていうイメージまで作ったもんな。

 で、ファーストアルバム「Georgia Satellites」の初っ端にはヒットシングルとなった「Keep Your Hands to Yourself」が入っていて、これがまたダミ声に軽快なロックンロールで、冷静に聴いてみると当時流行していたLAメタルだって結構軽めでキャッチーに作られていたワケで、それらと比較してもあんまり遜色なかったんだ…、もちろんコッチの方がロックンロールしてるからアメリカ人的には受け入れやすかったと思うけど。しかしこのアルバムからはたくさんヒット曲出ているし、今久々に聴いてみてもかっこいい曲だな~って思うとちゃんとヒットシングルとして出されているものばかり。「Battleship Chains」なんてのも凄くかっこよくって腰を振りたくなるサウンドだし、「The Myth Of Love」もシャープでノリが良くってかっちょいい。土臭いアメリカンロックのひとつの完成系が彼等のサウンドだったのかもしれないなぁ。アルバムラストでは怖い者知らずかロッド・スチュワートの名曲ロックンロールナンバー「Every Picture Tells a Story」をカバーしているんだけど、これがまた本家本元に負けないくらいかっちょいい演奏で、そしてアルバム全体のバランスも崩れていないってのが凄い。う~む、かなりやるぞ、こいつら、って言ったか言わなかったか(笑)。

 バンド自体はこの後数枚出して消えていったような気がするんだけど、セカンドアルバム「Open All Night」も同じような路線でかっこよかったよな…。最近ダン・ベアードがアルバム出したらしくてCD屋さんに飾られていたけど多分やっていることは変わらないんだろう。これぞロックンロール♪あと、トム・クルーズ主演の映画「カクテル」での「Hippy Hippy Shake」はメチャかっこいい♪

C.C.R - Chronicle


 アメリカのルーツに拘ったロックバンドとして語られるクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル=CCRもカリフォルニア出身であるが、南部のサウンドに影響されて音楽的には南部的なアメリカの土臭さを体現しているバンドのひとつだ。また、60年代後期から4年程度しか活動期間がなかったバンドの割にかなり伝説化されている面も多く、それこそがルーツ・オブ・アメリカとでも呼ばれるように崇拝されているものだ。彼等自身は英国ビートグループの模倣として売り出されたのが、時代とは皮肉なものだ。

 デビュー曲が「Suzie Q」というのがそれを物語っていて、もちろんストーンズで有名なアレだ。しかし、この後彼等は独自のサウンドでバンバンとヒットを放っていき、それは今でも斬新に響くメロディだったりするワケで、多数のアーティストにカバーされていることからもその功績がわかるだろう。確かに「Proud Mary」なんてのを聴いていたりすると、なんとなく力強く、そしてノスタルジックな気分になろうというものだ。もちろんそれは「Travellin' Man」や「Have You Ever Seen The Rain」にも通じるもので、なんだかんだと良い曲が多い。後にハノイ・ロックスがアメリカ制覇の代表曲として選んだのも「UpAround The Bend」という傑作で、それはそれでセンスが良いのだが元歌となるCCRのサウンドの良さが当然引き立つものだった。

 う~ん、やっぱねぇ、ロックンロールが基本なんだよ。「Travellin' Man」なんて、正にそのもので当時からしたらそんなに特徴ある曲じゃないけど、今の時代にこれほど混乱した音楽シーンの中でコイツをいきなり聴くと凄くシンプルにパワフルでカッコイイのだ。「Have You Ever Seen The Rain」はどちらかというとアニマルズの「朝日の当たる家」のアンサーソングみたいに聞こえるんだけどねぇ…、実はコレも反戦ソングらしくて「雨」ってのは「ナパーム弾の雨」を指していて、故に歌詞が全然繋がらなかったらしいんだけどさ。このバンドもジョン・フォガティ一人で奮発していたためか短命に終わった割にもの凄い仕事量をこなしていたようで、いっぱい作品が残されている。ただ、なんとなくアルバム単位で聴いていたことはあまりなくって、「Cronicle Vol.1」「Cronicle Vol.2」で何となく全部網羅してしまって聴いていた。今でもそれを引っ張り出して聴いているんだけどさ。いや、昔はレコード探すの大変だったのもあって、簡単に終わらせていたってのが真相だけど(笑)。

 なんかねぇ、こう、やっぱ乾いた感じのサウンドで魂だけが伝わってくるていうのかな、そこに土臭さが入ってきて、カリフォルニアから南部への憧れっていう雰囲気の音はよく分かる気がする。絶対聴け~って感じのバンドではないけど、聴いてみると親しみを覚えるバンドだね。結構ミュージシャンに好かれるバンドらしくってライブなんかでカバーされることも多いみたい。「Born on the Bayou」とか。

The Eagles - Hotel California


 1970年代後半、世の中ではディスコブームと騒がれ、一方ではウェストコーストロックの台頭が顕著になった頃、そしてそれらを見事に否定したパンクの勃発と大きな流れがいくつも重なり合った時期だ。中でもウェストコーストロックについては後にAORとして継承されるサウンドの原型とも云える部分が多く、その流れはアメリカ南部の香りから来ているんじゃないかと思うのだが…、イーグルスもそういった背景からシーンに登場してきたバンドのひとつだ。しかし、自分的には彼等のサウンドについて全く知らない。知っているのは一曲だけ。もちろん「ホテル・カリフォルニア」というベタなものしか知らないのであった…。

 リアルタイムに経験していないし、ウェストコーストロックに傾倒したこともなかったので彼等の音楽に接することはほとんどなかったのだが、「ホテル・カリフォルニア」だけは中学生くらいの頃に初めて聴いて以来ずっと接している曲のひとつだ。MTV全盛期にバンバンあのライブ映像が流れていたってのが一番大きい理由だろうな。この曲の一番好きなところってのは各人色々あるだろうし、ウェブやブログでもかなり書かれているみたいなのだが、自分的には…、う~ん、かなりヘンなのかもしれないが、後半のギターソロの最中に奏でられるドン・ヘンリーのハイハットワークの音。「ツッーッ」っていう結構特徴的な箇所で特徴的に鳴るので耳を引かれる人も多いと思うんだが、ま、ちょこっとあちこち探索した限りでは見かけられなかった(笑)。うん、あそこが凄く好きでねぇ、だからと言って別にないんだけど(笑)。あとはもちろんギターソロ全般も素晴らしく組み立てられているし、二人のギターによるソロの持ち回りとその音色の使い方とかも気持ち良い。さっきのプロモビデオ版だとスクラッチプレイなんかも入ってて掛け合いが魅力的でさ…。これギター弾くと気持ち良いんだよなぁ。ただ、残念なのは何人もギタリストがいないと成り立たないってとこか(笑)。

 それからよく取り沙汰されるのはこの曲の歌詞。まぁ、諸説色々あるみたいで麻薬の歌だとか悪魔崇拝だとかロックが終わった歌だとか素直にカリフォルニアの歌だとか…、そういう論争を巻き起こす仕掛けがあったんだろうなぁと。ジャケットからして決して明るくない印象を表現しているし、霊が写ってるというウワサを立てられたり…そういう戦略だったんだろうか。あんまりイーグルスのイメージでもないけど、意外とこのバンドって明るいだけのアメリカンバンドではなくって呪術的な面もあったりするのだろうか。「呪われた夜」と言うようなタイトルもあるくらいだからな…。

 で、ようやく恥ずかしながら初めてアルバム「ホテル・カリフォルニア」を最初から聴きました(笑)。大体最初にこの名曲を持ってくること自体終わってるというのか、ありがたいと言うのか…、他の曲は全てシングルB面です、みたいな位置付けになってしまっているか…、いや、それで聴いたんだけど、初っ端がこれなので他が全然面白く聞こえない(笑)。普通のレベルで言えばかなり高いレベルの音楽をやってるってのはわかるんだよ、わかるんだけど、引っ掛からないんだよなぁ、これはしょうがないけど。逆に言えば「ホテル・カリフォルニア」という曲だけが浮いているんだよね。悪魔が乗り移ったかのようにこの曲だけが異質。やっぱり何かあったのだろうか?なんて考えると更に面白くなるね。

Doobie Brothers - The Captain And Me


 アメリカを代表するサウンドのひとつにウェストコーストサウンドと呼ばれる類のものがある。正直云ってどれがどういう呼ばれ方をしているのか知らないし、まぁ、そこまで細かいジャンル分けが必要かどうかは別として意識して聴いたこともないので何となく評論家みたいなジャンルにとらわれた書き方ってのはやっぱヤダ。自分的には何となく南部の流れからそういえばアメリカらしいサウンド、逆説的には英国ロックを聴いている限りではなかなか出てこないサウンド=クラプトンやストーンズが憧れたサウンド、というものから始まっているのでそれほど深く突き詰めてはいないってのが事実。だからあんまり詳しくはないんだなぁ。

 が、まぁ、それなりに漁った時にやっぱり衝撃的なものってのはいくつもあって、ドゥービー・ブラザースの「The Captain And Me」なんてアルバムはやっぱ凄い、って思った。もちろん後追いで聴いているのでレコード700円とかで買って聴いたんだけど(笑)、いや、アメリカンロックのレコードって滅茶苦茶売れるからしばらくすると一杯中古市場に流れてきてプライス的には凄く安いところに落ち着くのでお得なんだよ、そういう意味では。ただ、まぁ、飽きやすいってのも象徴しているのかもしれない…。まぁ、それはともかく、このアルバムはご多分に漏れず、滅茶苦茶ベタな書き方になるが…、あ、まぁ、レイナードの時もベタに書いてるからいいか…、うん、「Long Train Runnin'」「China Groove」の二連発にやられた。どちらもギターのカッティングの鋭さっつうか柔らかさっつうか素人にはとても真似できないカッティングで、全編に渡ってそれが響き渡ってるっつうのが凄くてさ、ライブ盤でも驚異的な音とカッティングでとんでもないサウンドだったんだよ。今でもこういう弾き方をサラリとできる人ってあんまりシーンにいないんじゃない?アメリカ土壌のサウンドから発展するとこういうの弾けるんかねぇ。そういう意味ではギターのレス・ポールを作ったレス・ポールさんのサウンドもとんでもないんだよ。70過ぎた爺さんがエディ・ヴァン・ヘイレンなんて目じゃないくらいの早弾きをやるんだからさ。で、何かのビデオでジェフ・バクスターと一緒にプレイするのがあって、それがまたとんでもなく凄くて、やってるのはブルーグラスみたいな音楽なんだけど、まぁ、この人達ホントに音楽家、ギター演奏者だなぁ、ってくらいに凄い。

 …話逸れまくってるけど(笑)。で、更に言えばコーラスワークの使い方が気持ち良くってねぇ…、メロディもか。うん、そういう音の流れとか使い方が心地良く耳に残らないように軽やかに流れるところもアメリカサウンドの面白いトコロだな。しかし、もちろんこれも久々に針を落として聴いたが…、リバーブ感とかやっぱよく出来ているなぁとつくづく名盤と呼ばれる所以を体感しました。

 しかしまぁ、何故か他のアルバムにはほとんど手を出したことがなくってどういう経過でこうなってここからどう進んだのかは知らないと言ういい加減なリスナーなので、あまり深いことは書けないが…。でも単純にかっこいいなぁ~って思えるアルバムだってことは確かだね。

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