Deep Purple - Live In Japan


 現代に於けるヘビメタの元祖ってのは色々と言われるんだけど世間にそれを知らしめた、そして特に日本に於いては圧倒的なカリスマとして迎え入れられたのが云わずと知れたディープ・パープルだ。もちろん1972年の来日公演に於いて全盛期の強烈なライブを見せつけられたことで伝説になっていることは言うまでもないが、それがしかもパープルの名盤として「Live In Japan」と言うタイトルで全世界にリリースされ、しかもそのライブの内容は何処の国でも絶賛されるくらいの出来映えなワケで、そんなのを1972年当時に見せつけられた日本のファンはひとたまりもなくパープルの=リッチーの世界の虜になってしまったことだろう。ロックファンの家に行けば一家に一枚は、そしてちょっと好きなファンのトコロに行けば一家に数枚はこの「Live In Japan」が置いてあるんじゃないかと思うくらいに誰でも持っている。ほとんどパープルに興味のない友人と話をしていてもこのアルバムは何故かあったりするから不思議だ。かく言う自分もこのアルバムだけはまともに聴いたんだが…。

 …ってなことで、英国ロックファンと自認しているんだけどなぜかパープルも通っていない。…というか、厳密には3rdアルバムあたりまでは普通に英国ロックバンドのひとつとして聴いていて、やっぱり英国ロックだなぁと思っていたんだが、第二期になっての「In Rock」からガラリと音楽性が変わってしまって、英国らしさっていうのがかなり薄れてしまったって思ったんだよね。ま、もちろんそれ以前にリッチーの名前もパープルの名前も知っていたんだけど、だからこそ初期パープルは面白かった。ある日「Machine Head」発表後のライブビデオを見たのだが、これも結構かっこいいなぁ、って思って…何がって、何となくパープルのイメージ=リッチーのワンマンバンド、だったんだけどこのライブ見る限りはかなりバンドのアンサンブルを重視したバンドだなぁとイメージ一新。で、また「Live In Japan」を聴くんだけど、やっぱリッチー出てるよなぁって感じでどうにもよくわからんバンド(笑)。まぁ、こういうサウンドにオルガンが重要なんだよ、っていうのは大変参考になったと思うんだけど、それも既にEL&Pやクォーターマスなんてのがあったからそうでもないのか?ん?同時期くらいか…。となると何がダメだったって言うと、ストラトをあれだけ歪ませて無理矢理ハムバッキングの分厚い音に近づけているっていうのがちょっとギタリスト的にダメだったんだけど、聴いているウチにそうでもないかな、リッチーって結構バンドサウンドを重視してる人なんだ、って最近気付いた(笑)。で、またアルバム聴くんだけど(友人がうるさいので…)、わかった。ダメな理由。歌だ。歌声だ。リッチーが選ぶボーカリストのほとんどが自分の好みに合わないのだ。それをリッチー嫌いな自分って思ってたんだけど実はそうじゃなかった、ってことに気付いた。う~ん、よかったよかった。…って何のブログだっけ?

 んなことで、最高のバンドアンサンブルを聴かせてくれる「Live In Japan」、今では3枚組の「Made In Japan」ってのがリリースされているようで、ファンには堪らないリリースだろうと思うんだけど、普通にライブアルバムとして聴いた場合、やっぱり凄い熱気が捉えられているし、臨場感が凄い。演奏の熱さもヒシヒシと伝わってくるよね。結構ミストーンやら何やらあるんだけどやっぱロックバンドだよ。で、結構アドリブ、っつうかインプロが多いんだよね、このバンド。やっぱ鍵盤いるからインプロ出来ちゃうもんな。その辺が面白くってね、だから「Child In Time」とか好きだね。逆に「Lazy」なんてのは好きじゃない…ってのはさ、やっぱブルースっていうのを知ってるから「Lazy」聴いちゃうとちょっと出来てなさすぎて、怒られるかな(笑)。まぁ、リッチーにブルースってのもちょっと違うだろうし、イアン・ギランにブルースってのもさ…、やっぱちょっと難しいかな。

 てなことで、もっとマジメにパープルを書くつもりだったんだけど、素直に書いてしまいました。これからまだハマることのできるバンドかもしれないのでちょこちょこと聴くつもりではあるけどね。あ、一応大体のアルバムは聴いたんだけどね…。

Rainbow - Rising


 我が日本にはレインボウのファンが山のようにいて、今でも彼等をフェイバリットとして挙げるロックファンは数限りないだろう。これほどまでにHR/HMという特殊なジャンルに於いて絶大な人気を誇る、それも全年代に渡って語り継がれるバンドもそうそうないだろう。もちろんパープル時代の伝説があり、そしてレインボウになってからも早い段階から来日公演を行っていたので当然日本には彼等のファンが増殖しているのである。そしていつしか来日公演は70年代をリアルで通った者達の栄光となり、後を追う者はヨダレを垂らしながらその来日公演の思い出話を聴くことになるのだ。

 …と書いているんだが、自分自身驚くことに20年以上のロックキャリアがあるくせにレインボウをまともに聴いたことがない。ここ最近、聴け、って言われていくつか聴いたがもう遅いよなぁ…。でも当時からしっかりハマった人達の気持ちは大いに理解できるかっこよさと魅力は凄く持っているってのはわかる。しかし、残念ながら今、これだけロックを聴いた耳からするとどうしても若者向けのハードロックに聞こえてしまうのだ。だから若いウチに聴くと絶対にハマるだろうサウンドをしているし、かっちょよい。で、それを通ってない自分からすると今更こういうの聴いてもなぁ、って感じ。でも80年代初期のジャパメタなんてこの世界そのままだったり、以降のHMブームなんかもそのままだったりするワケで、似たような世界自体は経験しているんで、それがたまたまレインボウの時代ではなかったってことなんだろうな。なので否定しているわけでもなくって、ただそういうもんだったってことです。…が、英国ロック好きが書く偉大なハードロックバンドの一つであるレインボウはかなり異色なバンドと云わざるを得ない。ジューダスやサバスがあったものの、こういう曲展開というかサウンドはこのバンドが唯一無二の存在でもある。だからこそファンがここに飛びつくんだろうな。

 で、なんのかんのと言いながらそれなりに聴いてみるとやっぱりコージーの参加したセカンドアルバム「Rising」が一番かっこいい、、、疾走感のあるかっこよさを持ってるね。今までドラムという楽器についてはそんなに誰がどうって言うほど気にしなかったんだけど(特別な人、ボンゾとかは除く)、このコージーのドラムはここで完成されているような感じ。レインボウ以前のコージーのドラムとは大きく異なっているような気がするんだけど。後のMSGでのコージーとも違うし、凄くシャープでエッジが立っていてシャキッとしたかっこよさがあるよね。で、ディオの歌なんだから凄いよなぁ。非の打ち所ないもん。日本公演を収めたライブ盤ではやっぱり熱気ムンムンで凄いしさぁ。結構リッチーのギターも多様性を見せていて意外な驚きもあったんだけどね。うん、英国ロックファンとは思えないほどこの近辺には手を出してません(笑)。理由は…明日お楽しみに(笑)。

Black Sabbath - Paranoid


 ブラック・サバス=HM界の重鎮、という役割を担っているのだが、それ以上に彼等のマーケットに対するこだわりとか戦略ってのが凄く斬新で、1970年という時代に音楽シーンに於いてきっちりとビジネス論を立ち上げたっていうのが大人になるにつれて見えてきた。だからこそ今でもしっかりとその名に恥じないような活動をしているし、重宝されているし、更に伝説のHMバンドとして語り継がれているように思う。あまりこういう言い方を好まない方も多いだろうし、売れることを考えたらロックなんて夢がなくなる、という向きもあるだろう。自分も実際そう思うしね。だから普段はそんなことを考えないで単純にサウンドを楽しむワケなんだが、サバスに関しては音ももちろんだけど、やっぱりその売り出し方をきちんと心得ていたってのが凄い。彼等自身なのかマネージメント側の戦略なのかはわかんないけど、やっぱ好きじゃなきゃやんないだろうから本人達の意向なんだろうな。ベースのギーザーがオカルトマニアだったってのは実にピッタリだったんだろうね。

 60年代中期以降から一気に多様化した音楽シーン、中でも英国の音楽シーンはドラッグの影響もあってもの凄い様変わりを見せていて、世界で最初のHMバンドと呼ぶに相応しいブルー・チアーってのがこれでもかと云うくらいに重いサウンドでアルバムをリリース、それはそれは誰も聴けないくらいにヘヴィなサウンドだったが故に一瞬でシーンから消え去ったと思われていたが…、あ、もう一つ滅茶苦茶ヘヴィなバンドがあった…、ハイ・タイドっつうバンドでこれも凄い重いんだよな。ま、この辺が走りだったと思われるんだけど、正直、サバスの面々が何にインスピレーションを受けて彼等の持つ重いサウンドが出来上がったのか不思議。当時の英国ハードロックってのは95%くらいがブルースロックからの延長だったのに、彼等はほとんどそれを感じさせないヘヴィーな作品を世に出したのだ。しかもそこには悪魔主義という誰もが忌み嫌う、そして誰もが惹き付けられるテーマを打ち出して音楽シーンに殴り込んだワケだ。それが1970年なんだから末恐ろしい。しかもファーストアルバムは1970年2月13日の金曜日にリリースされ、アルバムジャケットはいかにもおどろおどろしい雰囲気を醸し出したもの。そして冒頭からひたひたと降る雨の滴の音と協会の鐘の音がシンクロしてくるバンド名そのままのタイトル曲…。これがよく出来ていなくて何であるか?ってなもんだね。

 が、今日はそのおどろおどろしたファーストアルバムではなくってその次のセカンドアルバム、その名も有名な「Paranoid」。いやぁ、やっぱそんだけおどろおどろしてるとハマれなくって、軽快なポップチューンの入っているセカンドの方が聴きやすい…って誤解してるな(笑)。「Pranoid」「Iron Man」の二曲がやたらと有名で、別に明るいわけでもないんだけど実にサバスらしい側面を持っているってのも事実。半音進行の鬱になるリフと言い、オジーの歌メロがバック全員のサウンドとシンクロして進むっていうのも独特。サバスのサウンドの要はもちろんトニー・アイオミにあるんだけどこの人ギターソロあんまり弾かない人で、曲全体で迫ってくるトコロがこの人の特徴なんじゃないかな。だからオジーもやりやすかったと思う。もっともココって時には煌びやかなソロを弾くんだけどね。そういえばこのセカンドのジャケットって日本刀を持った人が並んでいるんだろうか?

 で、久々に聴いたんだが…、意外と重くない…、結構普通に聴けた…。ん?最近HR/HMばっかり聴いてたからだろうか?いや、英国のもっと重いのを聴いていたからだろうか?プログレみたいに全然異なった鬱の世界を知っているから?う~ん、耳が慣れるってのはコワイな(笑)。後のサバスの歴史を紐解いてみて驚くんだけど、ロニー・ジェイムズ・ディオが参加したんだなぁ…、そこまでは聴いてないから知らないけどその道のファンからは嬉しい叫びだったことだろう、か?ん~、わからん。ま、とりあえずファーストから4枚目当たりまでは聴くんだけど、やっぱ連続で聴くと重い、と思う。うん。

Judas Priest - Sad Wings of Destimy


 2005年になり突如として復活したメタルゴッドと呼ばれるジューダス・プリーストだが、その来日公演も寝た子を起こす騒ぎとなり、その異名にヒケを取らない硬質なライブを披露したらしい。ジューダスと云うと何となく80年代のメタルの神様的なイメージがあって、もちろんアルバム「復讐の叫び」という強烈な作品がそれを印象付けていて冒頭を飾る「The Hellion」~「Electric Eye」の流れは最早ジューダス史上にはなくてはならないオープニングだし、実際これほど強烈なナンバーもそうそう見当たらない。HR/HM界からの異例のヒットシングル「You've Got Another Thing Comin'」の存在もジューダスここにありの印象をアピールしていた。

 が、やっぱり英国的ハードロックからの流れを踏襲していた初期のジューダスには全く別の美しい側面が存在しており、多分70年代中期をリアルで通った方にはそういうバンドとしての印象が強いんじゃないかな。ちょっと普通と違ったリフを奏でるバンド…、ま、ブラック・サバスとかあったからそうでもないか。で、英国ロック好きとしては最初期に完成された美しさと哀愁感とハードな面を兼ね添えた、そして展開にも拘った…でも歌がちょっと異常なくらいハイトーンみたいなヘンなバンドとして興味を抱いた。それが1975年発表の「運命の翼」 だ。まずジャケットが凄く良いんだよ。やっぱ見た目は重要なので、ここから中味を想像するってのはやっぱ当たり前でさ、何処か荘厳なイメージするでしょ?英国的っつうか…、しかも天使になるのかな、これ、あんまり幸せそうでもないけど(笑)。異色なジャケットだよ。

 で、中味。初っ端は確かに今でも通じるヘヴィーなリフで展開していく疾走感有る曲で、さすがジューダス、この頃からこんなんだったんだなぁと感心。「The Ripper」ではイントロからエグいギター単音で始まって、オブリで入ってくるギターもメロディアスで良いね。で、このヘンからちょっと英国的なサウンドが入ってきて、「Dreamer Deciver」ってのがその象徴でさぁ、マイケル・シェンカーに負けないくらいのメロディアスな泣きの入ったギターソロがクライマックスを盛り上げてくれる秀作♪最後のロブの超超ハイトーンシャウトが人間業を超えているのも目玉かなぁ。B面に入ると「Prerude」から始まるんだけど、これってさ、普通こっちがA面じゃないのか?って思うんだが(笑)、まあバンドの印象の問題だろうな。続く「Tyrant」ってのが凄くポップな曲で、展開もたくさんあって面白いんだよな。なんか妙なコーラスバンドにもなってるし、今では決して聴けないジューダスの世界なんだけど結構良い路線。ウィッシュボーン・アッシュから始まったツインギターによる美しき旋律を奏でるバンドとしてこの頃は最も近い位置にいただけあってツインギターの要素もあるんだけど、もうちょっと派手にツインがあっても良かったのにな、とちょっと思うんだけどね。クリムゾンとは異なる「Epitaph」ってのもしっかりとそれらしい雰囲気の曲調で、これも以降の作品ではナカナカ聴けない作風だろうな。

 そんな感じでメタルゴッドの異名を取るジューダスなんだけど、このセカンドアルバムは紛れもなく英国産ハードロック、プログレ的ハードの作品で、ある意味後のメタリカが創り上げた作風をこの時代に既に行っていたってことでもある。それよりも単純に英国産ロックとして聴くとやっぱ面白い音楽やってるよ。同時期のバンドに比べたら全然面白いもん。…って久々に聴いて思った(笑)。

The Michael Schenker Group - The Michael Schenker Group


 少々時代的に80年にズレ込んでしまうんだが、U.F.Oを聴いていたらどうしてもマイケル・シェンカーが聴きたくなってしまったので…(笑)。まあ、いいか、ってことで「神」です。U.F.Oの熱狂的なライブ盤から2年…実は79年には既にソロのバンドでの活動を行っていたので(病気で結局お預けになっていたみたいだけど)、実は一年あまりの間にここまでのギタープレイヤーに大きくストレッチしたワケですな。ちなみにこのファーストアルバムに付けられた「神」というタイトルはそのまま今に至るまでシェンカーの呼び名にもなっているんですが、もちろん彼のギタープレイに準じたネーミングで、多くのファンがそれを認めてしまうくらいの実力の持ち主として崇めてもいいんじゃないでしょうか。ちなみに名付け親はBurrn誌の元編集長だそうです。

 さてと、そのファーストアルバムはもちろん自身の名を冠した作品で、何というかジャケットが結構不気味で…って改めて見るとどう見てもヒプノシスなんだよな…、あ、やっぱヒプノシスだ…。おぉ~、かなり驚いた!やっぱそうなのか…、表ジャケも裏ジャケもヒプノシスらしさたっぷりだもんなぁ。コレで70年代英国ファンは聴いてみる気になるだろう(笑)。いやいや…。サウンドは往年の70年代ハードロックからはかなり逸脱した独特のメロディーラインを追求したサウンドになっていて、いつからかハードロックにはブルース色が一切なくなってしまったんだけど、シェンカーのギターでは「泣き」だけがしっかりと残っていて、ポール。コゾフと比べるもんでもないけど、相通じるモノはあるよな、と思う。ただ、シェンカーの方が作曲とフレージング、メロディアスな面に於いてはコゾフよりも優れているかな。ま、好みの問題だから良いんだけど、冷静に分析するとそんな面もある。もちろんコゾフにはそれ以外のトコで絶対唯一ってのがあるんだけどさ。で、このアルバム、初っ端から「Armed & Ready」「Cry For The Nation」なワケで、この二曲で絶対みんなノックアウトされちゃうんだよ。「Bijou Pleasurette」のバッキングも誰も思い付かないようなコトしてるし、「Into The Arena」だってハードロックのくせにインストものがあって、しっかりとギターが歌っているってのも凄いよ、しかもこのフレーズの後半部なんかはギター教則本にものるくらい良くできたフレーズで、やっぱ「神」は違う。始めから違う。「Lost Horizens」もヨーロッパ的なメロディーで美しいし、やっぱりかなりの名盤。ただもちろん70年代の色はかなり薄れているので新たなる時代の幕開け作品という位置付けになるんかな。

 最近ではZoomというレーベルから非合法スレスレの「Reactive Live」「Back To Attack Live」っていう4枚組のライブボックスセットが二種類もリリースされていて、シェンカー黄金期のライブが生で、未編集で聴けるのも嬉しい。

UFO - Strangers In The Night


 70年代英国ハードロックの最後の立役者且つそれ以降のNWOBHM時代を予見させる橋渡し的存在ともなったバンドのひとつとしてUFOというバンドが先日のThin Lizzyと共に挙げられ、現在のロックシーンに於いてもしっかりとその遺伝子は語り継がれている。もちろん多くのハードロックファンに取ってみれば神とまで呼ばれたギタリスト、マイケル・シェンカーの在籍していたバンドと云うことで有名だが、彼のUFOに於けるアルバムデビューが1974年なので、以降10年程度はNWOBHMの到来とシェンカーの黄金時代とが見事に被るというワケで、次代を担う重要ギタリストになるハズです。そういう意味では畑違いのトコロから出てきていたコージー・パウエルなんかも同じように時代を支える人物だったはず。

 さて、そんなUFOの数ある作品の中で…、いや、もちろんマイケル・シェンカー好きなので彼の加入作「Phenomenon」=「現象」ももちろん素晴らしい出来映えで、以降シェンカーがライブの度にプレイする定番曲を押さえているってのも素晴らしいし、あの、「Rock Bottom」を収めているってのは末恐ろしい。シェンカー19歳にしてこれだけ完成されたギターソロを組み立ててしまったという類い希なる才能は精神破壊という代償を支払う価値のある才能だったんだろうと思わざるを得ない。ライブの度に情緒不安定から来たり来なかったりしている問題児だったようで、まあ、ドイツ語しかできないギターオタクが英国のメジャーバンドに入って全世界行脚するワケだからそりゃ困惑しますわな、ってことです。

 で、今回は全U.F.O作品中でも絶対に最高傑作のライブ盤「Strangers In The Night」=「U.F.Oライブ」です。実はアナログ時代にはそんなに聴き込んでいなくて、それなりにしか聴いてなかったのでライブ盤としてはなんかちょっとな、って印象だったんです。が、リマスター盤がリリースされ、友人に薦められて聴いた「U.F.Oライブ」は全く印象が異なっていて、すげぇライブ盤に仕上がっててさ、全く驚いた。調べてみると冒頭二曲がいきなりボーナストラックで曲順も当時のライブの曲順に組み替え直したってことで、CD時代ならではのリマスタリングが功を奏してくれて、アナログ時代の印象は一気に払拭されて、見事な一枚の完成されたライブ盤として耳にした次第です。だから古くから聴いている方とは全然異なった聴き方をしてしまった邪道です(笑)。が、それにしても素晴らしいライブ盤で、UFOってこんなに良い曲いっぱいあったっけ?ってくらい曲が生き生きとしてて、もちろんシェンカーのギターも既にお馴染みのトーンで奏でられているので、一発でソレとわかる音色♪ MSGをよく聴いていた身にしてみると、フレージングの甘さというかメロディアスさが全然未熟ってところが若さだよな、面白いって感じ。…とは言え本人が自身のソロ作をリリースするのは2年後なんだからその間の成長ぶりは(精神面も含めて)凄かったんだろうな。

 本作は1978年のアメリカツアーのライブから纏め上げられたライブ作品ってことだけど、シェンカーはこれで脱退してしまうんだよな、それでこの演奏ってのはやっぱ凄いわ。ギターはもちろんハードロックなサウンドで、鍵盤なんかも結構効果的に使われているんだけど、それでいて結構キャッチーな面のあるメロディーが歌われているってところが後の時代にも繋がっていくんだろうか、ま、それでもやっぱロックのライブ盤ってのはこうじゃなきゃいかん。ここで聴ける「Rock Bottom」なんてスタジオ盤とは別物のギタープレイで、それがまた良い!

Thin Lizzy - Jailbreak


 ツインギターで70年代に名を馳せたアイルランドの雄、シン・リジィもブリティッシュハードロックの一角を担った重要なバンドで、スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンの風貌は多くの女性ファンをも虜にしたと聞くくらいにルックスのバランスが良いのも人気の後押しだった面もあるだろう。もちろん女性陣の方がかっこよいモノには敏感なので遅れて男どもが密やかにかっこいいよな…って思うバンドも多いのだが(笑)。それはさておき、フィル・リノットの特徴有るベースのプレイとやたらと歌が上手いってのもこのバンドのかっこよさだね。初期の3枚ではどちらかというとアイルランドの空気をそのまま持ち込んだ少々宙ぶらりんなロックバンドっていう感じだったが、エリック・ベル脱退後にツインギター体制となってからはハードロック路線に進み、超名盤「Jailbreak」をリリースするワケだ。

 この「Jailbreak」=「脱獄」と題されたアルバムは一般的にもかなり評価が高いんだけど、そんなのは後から聞いて知った話で、自身の最初の体験は「Black Rose A Rock Legend」というとんでもない作品で、この中の最後の最後に収録されているタイトル曲だけでも多分3桁は聴いているな(笑)。アイルランド民謡の旋律をなぞったギターのプレイはさすがにゲイリー・ムーアならではの仕事でとにかく躍動感溢れる曲で、確かスコット・ゴーハムがそのフレーズを弾けなかったためにゲイリー・ムーアが一人でツインギターを再現していたらしい…。それはともかく、アルバム「Jailbrealk」は彼等の通算6作目、1976年に発表されたものでメンバー交代後としては3作目になるのだが、これがとにかくバランスの良い傑作に仕上がっていて、冒頭の「Jailbreak」からフィル調のハードロックが奏でられててさ、いやぁ、何が良いのかって言われてもなかなか分析しにくいんだけど、多分メロディーの作り方が凄く日本人ウケする作りで、そのヘンはアイルランドとの共通項なんだと思う、としか言えないかな。もちろんギターのフレーズなんかもツボにハマるんだけど、4曲目の「Romeo And The Lonely Girl」ではコーラスワークを挟み込む曲作りもなかなか良くって、音楽的な基礎がしっかりしているのが彼等の良さなのかもしれん。かと言ってシン・リジィが英国的なバンドかと言われると全くそんなことなくってやっぱりアイルランド的な音を出しているんだよ…、不思議なバンドです。

 で、続いては初っ端からこれまた引っ掛かり甲斐のある特徴的なギターリフで始まり、更にこのギターリフが曲の後半でも大活躍するシンコペーションバリバリの「Warrior」…、多分ギタリストなら自然にコピーしたくなるだろうこの曲はギターソロも含めて完成されたハードロックな一曲。更に「The Boys Back In Town」が続くんだから素晴らしすぎる。軽快なシャッフルで快調に飛ばすこの曲は数多くのバンドにカバーされているのでご存じの方も多いんだろうと信じたい…(笑)。ツインギターのソロが気持ち良いしねぇ…、実にアイルランド的なハードロックで、傑作だよ、これ絶対。この後はさ、カントリーチックな始まり方をする、この場合のカントリーとはアメリカじゃなくって地元のパブ的な、って意味合いなんだけど、そんな音色が漂う「Cowboy Song」がフィルの歌と安っぽいアコギで始まって、もうなんつうか前進あるのみ、みたいなリフが刻まれて、これもまたリジィ調の作品でサビのコーラスワークやツインギターの旋律もやっぱり凄い。脱帽。静と動が見事に描かれた作品で単なるハードロックと思ってはいけない、うん。そして更にだめ押しの最後の一曲。こいつがまた凄くてさぁ、「Emerald」よ「エメラルド」。そういえば歌詞の意味とか調べたことないから何を歌っているのか知らないんだけど、曲を聴くだけでもエメラルドみたいに輝いてるもん。これもアイルランド的な曲で、三連が上手く使われているからなのかも知れないし、曲の持つ旋律がアイルランド民謡のスケール進行ってのがそれを特徴付けているのもあるね。しかしブライアン・ダウニーのドラムは軽快でなかなか気持ちが良いのでシン・リジィサウンドの要にもなってるね。そしてこの曲、やっぱり中間部ではギターだけになりツインギターの本領発揮とばかりに二人で掛け合いのギタフレーズを紡ぎ出す美しさ♪ これが何とも言えないくらいに盛り上がるんだよな。それで一気に二人してメインリフに戻ってきてオシマイ!って。かっちょいい!!

 こんな楽しみが味わえるのはこのバンドしかないし、更に楽しむには1978年にリリースされた「Live And Dangerous」がオススメ!やっぱロックバンドなのでライブ盤はかっこいいもん。DVDでも出てると思うので見てみるのも一興でしょ。少々古くさいカメラワークってのがちょっと情けないけどね(笑)。

Queen - A Night At The Opera


 70年代英国産ハードロックの美しさを持つバンドのひとつだったけど、今や完全に市民権を得てしまったバンドという見方で捉えてみるクィーンっていうのは些か穿った見方なのかもしれない・・・。ま、でもリアルタイムで時代を通り抜けたロックファンの方々からすれば多分ヒープもクィーンもアッシュもそんなに差を付けて聴いていたんじゃないと思うんだが・・・、推測です。もちろんセカンドアルバムあたりで既に完成されたサウンドを創り上げていて、その他バンドと同じことはもうやり終えてしまっていたってのはあるんだけど、それを更に押し進めた傑作としては「オペラ座の夜」になるんじゃないかな。その合間となった「Sheer Heart Attack」は、まあ置いといてさ(笑)。

 冒頭の「Death On Two Legs」の機関銃みたいな・・・って云うとちょっと違うんだけど、ギター一本であんなエフェクト音を紡ぎ出し、且つ美しきコーラスワークから始まるサウンドは正に唯一無二として認知されちゃうでしょ。音楽のセンスってこういうところでよく表れるな、って思う。しかしさすがに最近DVD付きでリリースされるだけあって名曲のオンパレードだなぁ、と改めて聴くと感じるね。しかも曲順とか実によくできてるし、メンバーそれぞれの曲も良い具合に配置されていて、且つアルバム全体の起承転結が完璧。そういう意味では全クィーン作品の中でもっともトータル性が発揮されているんじゃないかな。収録されてる楽曲も見事な出来映えで今ではブライアンがアコギ一本で歌う「'39」もこうして聴くと逆に新鮮味があったり、それはクィーンのライブにおいて大合唱曲の定番となった「Love Of My Life」も同じで、ライブバージョンのアコギ一本の方が圧倒的に叙情性を持っているんだけど、ここで聴ける素直なスタジオバージョンは妙に新鮮…、あちこちのライブ盤を見過ぎ聴き過ぎかもしれん。また「Seaside Rendezvous」なんてのはどこからどうしてこういうリズムとメロディーが生まれたのか、コメディーにしか思えない曲なんだけどしっかりとクィーン節になっていて、音楽的な幅の広さを十二分に感じられるものだし。「The Prophet's Song」なんてのはもう聖歌合唱隊ともいえるくらいのコーラスワークが印象的で、正にクィーンここにあり、っていうくらい強烈な曲。しかしそれら全てを包括している「Bohemian Rhapsody」には誰しもが大きな感動を覚える一曲だろうなぁ。語る必要なし、っていうくらいの名曲。何これ?こういうのあり?って思えるくらいのドラマ性を持った曲で、最初は驚いた。やっぱりなんだかんだ言ってもこの曲からクィーンにハマったっていうのはあるかな。

Uriah Heep - Demons & Wizards


 美しき英国産ハードロックバンドのひとつにはもちろんユーライア・ヒープも登場すべきだろう。名作と呼ばれる作品がいくつかリリースされているんだけど、個人的に好きなのは「Demons & Wizards」かな。もちろん「Look At Yourself」も良いんだけど、最初に聴いたヒープの作品が「Demons & Wizards」だったのでとりあえずコチラ。

 デビューアルバムから二作目あたりまではどちらかというとヘヴィーなロックをひたすら演奏するバンドで英国的ではあるものの、まだまだパッとした華やかさはないものだったが前作「Look At Yourself」で新たな方向性を確立しで、更に「Demons & Wizards」ではもうちょっとポップさを兼ね添えて、且つ英国的旋律の美しさが際立ってきた洗練されつつある過度期の様相が聴いて取れる。オープニングを飾る「Wizard」は正にブリティッシュと云う感じの音色がするアコースティックギターの美しきサウンドから始まり、センスの磨かれ方を感じるね。で、打って変わって2曲目「Traveller In Time」では冒頭のイントロからハードロック全快!と思いきや楽曲そのものは実に英国的な展開をいくつも持ったナイスな曲で、このリフ良いね。そしたらいきなりハードなリフの「Easy Livin'」が始まってさ、コレ、ものすごくヒープ的な曲で、いわゆるブギ調なんだけど全くハネない(笑)。正にヒープの特徴だよね。ケン・ヘンズレーの鍵盤がそうさせているのか単にハネるリズムをジャストに押さえているのかわかんないんだけど、とにかくどのヒープのアルバム聴いてもこういう曲調が必ず幾つか入っていて、ヒープらしさを出してる。んな曲調の中でもこの曲は特に好きだなぁ。なんつうか・・・ただひたすらクビを前に振るだけ、みたいな(笑)。そういうとこ、ヒープって男臭いバンドのひとつだと思う。

 4曲目「Poet's Justice」ではもうクィーンばりのコーラスワークから始まってさ、結構このバンドもウィッシュボーン・アッシュにしてもバークレイ・ジェイムス・ハーベストにしてもコーラスワークが美しいんだよな。これも英国ならではのセンスで良い。「Circle of Hands」はヒープのもう一つの側面を映し出したオルガンロックの代表的なサウンドで叙情性を持った作品。ベースもギターも鍵盤も歌も全てが調和したバランスの良い曲なので聴いていて感動を味わえるね。本作のレコード時代のB面に収録された曲はホント素晴らしい曲ばっかりでさ、でもB面だけ聴くと物足りないから結局A面から一気に聴くんだけど、よく出来てるよ、ホント。・・・とまあアレコレ書いているんだけど、やっぱりこのアルバムの良さを象徴しているのはラスト二曲「Paradise」「The Spell」でしょっ!バンド単位だけで演奏しているので荘厳さはないのが残念だけど、それでもしっかりと叙情性とスケールの大きさ、懐の広さをしっかりと提示しているし、もちろん英国的美しさも自然に表現されている素晴らしい出来映え。この二曲でヒープにハマったんだよな・・・。アルバム「Look At Yourself」に収録されている「July Morning」と共に惚れ惚れする楽曲郡。オーケストレーションとか入っていればもっと壮大なものになったんだろうけど、そうじゃないところがヒープ的でいいんだろうな。

 最近のCDではどうやらアレコレとボーナストラックも入っているみたいなのでリマスター音源というのも含めて買い直しても良いんだろうなぁ。ジャケットもロジャー・ディーン作できちんと中味をイメージするアートワークになってるしね。

Barclay James Harvest - Once Again


 英国的荘厳さを兼ね添えたロックバンドはそれほど多くない。もちろんクリムゾンやイエスのような大御所が君臨しているおかげで英国の雰囲気はしっかりと世間に知れ渡っているんだけど、Wishbone Ashのようなハードロックの領域でその美しさを主張しているバンドはあまり見受けられない。そして本日はストーンズ来日公演初日なのに東京ドームには間に合わず、すごすごと帰宅の最中に聴いていた同じように荘厳さを兼ね添えたバンドを聴いてきた。

「Barclay James Harvest」

 人の名前とレーベルの名前ではなくって、れっきとしたバンドの名前です(笑)。キャリアも相当長くて多分アルバムも十数枚リリースしているハズ。途中で追っかけなくなったから知らないんだけど…。1970年にアルバム「Barclay James Harvest」でデビューしたんだけど、後にトレードマークともなる美しきオーケストレーションと叙情的な楽曲は片鱗を見せているもののまだまだ軽めの楽曲が多くて、やはりデビューアルバム、と言った感じの作品。もちろん今後を語る上では重要な一枚なんだけど、やっぱり何と云ってもセカンドアルバム「Once Again」の出来映えには敵わんだろう。日本人だったらみんなこういう演歌チックな…否、叙情的な作品って好きだと思うんだけどな。知らない人のために書いておくと、このバンド、基本的に4人編成でギター、ベース、鍵盤の3人が歌も歌い、しかも上手いので何かと器用なバンドで、しかもオーケストラを入れるのが上手くて、後にその道のプロと呼ばれる人の実験台にもなってるくらいオーケストレーションの素晴らしさを取り入れられているんだよ。後にリリースされたライブ盤ではしっかりと4人で演奏しているとこが聴けて、これもまた名盤とも呼べる作品なので好きなんだけどね。

 話を戻して…、そんなバンドなのでもちろんプログレのジャンルに括られることが多いし、当然なのかもしれないんだがWishbone Ashを聴いた後には実に同系統の心地良さが広がるんだな。特に「She Said」と「Mocking Bird」が最高。それ以外の曲も同じように叙情的で素晴らしいんだけど、何てったってこの二曲がずば抜けて美しい。曲の構成もストリングスの音色も歌声もコーラスも…、そして何よりもギターソロの美しさと華麗なるメロディーライン、そしてとってもエモーショナルなチョーキングやピッキングでの表現がビシバシと響いてくるので実にハマりやすい。ブルースじゃないポール・コゾフみたいなエモーショナルギターって言う言い方の方がわかりやすいんかな…、いや、それくらい素晴らしいギターソロなので聴くべし、って感じ。曲の構成とアレンジ、疾走感とかそういうのも全部完璧に出来ててさぁ…。英国なんだなぁとつくづく思う。ライブ盤と合わせてもうハマりまくる名盤です♪

 ちなみに中期くらいの作品が4月末に紙ジャケでリリースされるみたい。初期の作品は今はジャケ違いのシリーズでリリースされているみたいだけどちょっと興をそぐよなぁ…、やっぱダブルジャケットのアナログか、これこそ紙ジャケをリリースすべきだろう。

Wishbone Ash - Argus

Argus (Remastered & Revisited) Ultimate Collection (3pc) [DVD] [Import]


 たまにはド真ん中の名盤を切ってみようかな(笑)。いや、ちょっと前から結構ハマって聴いていたんだけどなかなか登場する機会がなかったので、今なら良いかな、ってことでベタではあるんですが70年代英国ロックの中でもツインギターの雄と言えばWishbone Ashを於いて他にないでしょう。ある意味元祖ツインギターっていうか、ツインギターの必要性を確立したバンドでもあるんだよね。バックギターとソロイストとか、ストーンズみたいに二つのギターによるリフの組み合わせによるもの、とは違って完全に音楽的にツインギターである必要があって美しいメロディーを奏でる楽器としての重要性が全面に出ている。もちろん楽曲もそれなりのクォリティを維持していなければそんなのは通じないんだけど、それがしっかりと打ち出されていたんだから凄い。

 アルバムとして完璧に確立した、そして英国ロックの中でも燦然と輝きを放っている名盤中の名盤「Argus」。まずアルバムジャケットに見惚れてしまうことだろう。表ジャケットには兜の鎧を身につけた勇者アーガスが手に槍を持ち、まっすぐ前を見据えている…、その先は実はレコードだと見開きジャケットの裏ジャケになっていて、そこにはU.F.Oが描かれているんだよ。う~ん、幻想的というか何というのか、ただ、アルバム全体を聴いた印象はこのジャケットと見事にシンクロしている感じがするので、アルバムジャケットの役割をしっかりと果たしている。もちろんジャケットはヒプノシスの作品♪ そして中味の方だが、アルバム全曲捨て曲なし。オープニングを飾る「Time Was」…冒頭のアコースティックギターによるアルペジオの音色、雰囲気とも英国ロックでしかあり得ないサウンドをきっちりと出していて、更に英国的メロディとコーラスでたっぷりと叙情的な雰囲気を醸し出していき、センスのある落ち着いたロック調のリズムへと変化し曲を進めていくがそれだけでは終わらない…まだまだリズムは変化していき、それに伴い売りであるギターがどんどんサウンドを変えていくのも面白いし、恐らく当時から唯一無二のサウンドメイカーだろう。そして続く「Sometime World」は正にアッシュの全てが詰め込まれていると勝手に思っている名曲中の名曲…、美しきメロディーと洗練されたギターとドラムサウンドによりドラマティックに曲が構築されていき、楽曲の途中では奥底からハードなリフが流れてきて踊るベースラインによる一大叙情詩が開幕されてアッシュ独特の音世界へ突入…、後半のギターソロの美しさも堪らん。続いての「Blowin' Free」は軽めのシャッフルが基調となったサウンドでメロディーやコーラスの美しさはアッシュ的なんだけどね、ブルースチックなギターに挑戦している姿があまり好きではない。ただ、ファンには人気のある曲でライブの定番曲なのでバカにはできないんだけどさ。

ま、それよりもB面のオープニングを飾る「The King Will Come」でしょう。ツインギターとは何ぞや、解:この曲を聴け、だな。何も言うことのない名曲中の名曲、美しさや完成度、音色、アレンジ、どれを取っても最高に作られた楽曲の一つですが、やっぱりギターによる曲の隙間に入ってくるメロディープレイが素晴らしくって、曲の一部になっている。そのままソロに入るのでやっぱり曲の一部として完璧に出来上がったものしか聴けないでしょう。ギタリスト諸氏、コピーすべし。うむ。次の「Leaf And Stream」は息抜きの作品になってしまいがちなんですが、もちろん自分もそうです(笑)。だってさ、その次が「Warrior」なんだもん。先の「The King Will Come」にも匹敵する完璧な楽曲で、これも最高の一曲なワケだ。ツインギターってのも含めて、美しさと壮大さ、アルバムジャケットに象徴されるスケールの大きなイメージはこの曲で完成を見るっていう感じですね。聖歌にも聞こえるコーラスの荘厳さとエモーショナルなギター…、あかん、いくら書いても書ききれない素晴らしさが有りすぎる(笑)。聴いたことない人いたら、絶対損してるだろうなって思う。あ、最後の「Throw Down The Sword」も言うことないです。もう完璧…、これが全てっていうくらいに凝縮された作品。

 名盤過ぎて書くことなくなってしまったんだけど、最初に聴いた時には「ん?」って感じでパンチがないんじゃないのかな、って思ったのでそんなにハマり込まなかったんだけど他のアルバムなども聴いているウチに英国的美しさにハマっていったパターン。もちろんギターの華麗さも十分に惹き付けられる要因ではあったんだけど、プレイする側になるとこういうの=ツインギターユニゾンで、ってのはまず考えられないのでそっちからすると聴かなくても良かったんだけどさ、それはもちろんリスナーとしたら聴くでしょ。そうしてプログレなんかにも平気でハマっていったんだけど…、しかし惹き付けて放さないアルバムってあるんですよ。そしてこのArgusは正にその一枚だね。

Paul Kossoff & Randy Rhoads - Tribute

Back Street Crawler The Band Plays On Tribute
 一日遅れとなってしまったが、3月19日という日は二人のギターヒーローが伝説になった日でもある。一人は英国ブルースロックバンドの代表格でもあり、また若くして英雄になってしまったギターヒーロー、ポール・コソフ。1976年の3月19日、自身の新バンドバックストリートクロウラーのプローモーション活動のため移動していた飛行機の中で心臓麻痺とのこと。もちろんドラッグによる体調悪化が原因なのだが享年25歳。若すぎる。

 コソフがなくなる前に積極的に取り組んでいたバンドがバックストリートクロウラーなんだけど、そもそも1973年11月に発表の自身のファーストソロアルバムのタイトルが「バックストリートクロウラー」で、全5曲入りミニアルバムみたいなもんなんだけど初っ端の「Tuesday Morning」が圧巻ですね。17分くらいとにかくギターを聴かせてくれるこの作品はコソフの想いがたっぷりと聴ける素晴らしい一曲で、この曲のためにアルバムを入手しても損しないくらいのもの♪参加メンバーにはもちろんフリーの面々が名を連ねていて、だったらみんな一緒にやれよ、とか呟いてしまうんだけど…、他には後に一緒に活動するジョン・マーティンなんかも参加している。その後1975年になると自身のバンド「バックストリートクロウラー」を結成し、「The Band Plays On」をリリース。短いツアーも行っているので随分後になってからだけど「Live at Croydon Fairfield Halls」ってのがリリースされているね。曲がよろしくないのか、なんとなくB級バンド的になってしまった感があるんだけどねぇ、いや、コソフのギターはさすがに美しいんだけどどっか覇気がなくって…。バンドってナマモノだよなぁと思う。



 もうひとりの稀代のギタリストで今度は飛行機事故によって伝説になったのがランディ・ローズ。1982年3月19日、同じく25歳の若さだったというのは残念としか言えない。どちらかというとロックスターらしくなく、音楽的教養もある人で、それほど入れ込んで聴いていたワケじゃないんだけどやっぱり上手いな、華麗だなっていうフレーズを持っていた。来歴では初期クワイエット・ライオットから始まるんだけど、もちろんオジー・オズボーンと一緒にやっていた時期が有名だし、才覚を発揮していた頃だろう。オジーの寵愛もたっぷり受けていて、1987年には「Tribute To Randy Rose」がリリースされていて、ランデイへの追悼にけじめをつけているんだけど、このアルバムで涙した人多いんじゃないかな。個人的には最後の「Dee」というスタジオアウトテイク生アコギバージョンで全てノックアウトされました(笑)。ライブの熱狂は何処へやら、こんなに素晴らしいアコースティックな曲を聴けるとは思わなかったので、ひたすらこの曲だけ繰り返して聴いていたなぁ。

The Who's Tommy Original Cast Broadway Musical


 ストーンズで盛り上がっているところ、実は先週二回もミュージカルを見に行ってしまったのだ(笑)。もちろんミュージカルなんぞ初めて見るワケで、どんなものかもよく知らなかったんだけど「Tommy」が来日して上映されているとなれば行かないワケにもいかんだろう…ってことで、あちこちのブログサイトなんかも参考に見たんだけど軒並み評判悪くてちょっと…と思っていたんだけど、これが全然最高でさ、やっぱ人の評判は当てにならんです(笑)。いや、否定ではなくそういうもんでしょ。

 1992年頃に初めてニューヨークのブロードウェイで上映され、ピートも絶賛したミュージカルとして生まれ変わった「Tommy」はロングランミュージカルの仲間入りを果たすくらいの出来映えで、それに伴ったCDも当時輸入盤でのみリリースされていてさ、それを入手して散々聴いたんだよな。新たな解釈で結構面白くて、しかも90年代のストリングスを含む超ゴージャスなアレンジ、しかもブロードウェイ作品だから派手に喜怒哀楽が表現されているので聴いているだけでもシーンがわかるくらいしっかりした音。ソレも当然、プロデュースはあのジョージ・マーティンなワケだからそりゃそうだ。で、もちろんその時から日本に来るなんてことは絶対に無理だろうなぁと思っていたので少なくともビデオでもリリースしてくれればと願ってはいたんだけど、ブロードウェイミュージカルをビデオでリリースするハズがない。そんなことでまったく見れる要素はなかったんで、まあしょうがないかぁ…と諦めていたものでもある。しかしその後ヨーロッパでも上映したりしてかなりの評判だったようで、定番ミュージカルになりつつあるのかな。昨年くらいからまた新たなキャスティングで上映しているとは風の噂を聞いていたものの、まさか日本に来るとは思わなかった。

 で、見た。別にThe Whoが出ているワケじゃないからあくまでも物語の解釈を深めるっていうことなんだけど、これがさ、凄く面白いんだよ。まずミュージカルの面白さってのはやっぱりナマ、ってことだし、しかも歌も踊りも表現も上手いからビシビシ伝わってくる。それから「Tommy」の解釈については映画版が一番馴染み深い人が多いと思うけど、これが全く違っていてかなりオリジナルに忠実で、且つアメリカ的要素が若干(笑)入ってるかな。新解釈の「I Believe My Own Eyes」がなるほどこのような使われ方なのも見ると聞くでは大違い。それに凄いエンターティンメント的側面も持っているので前半後半のクライマックスでの盛り上げ方はさすがアメリカ、素晴らしいとしか言いようがない。是非ともDVDのリリースを望むところだけどなぁ。

The Rolling Stones - Live In Japan 1990


 番外編ってことで、たまにはちょっとアルバムレビューから脱線してみようかな♪ 巷ではストーンズが話題になっていて、しかも既にストーンズの面々は日本に入国済みってこともあっていつどこで遭遇してもおかしくない状況(んなワケないが)ということもあってかやっぱり音楽関係のトコでは盛り上がってるよね。ブログの世界でもさすがにファンは多いのでアチコチで見かけるし、それこそリアルタイムで発信できるブログの強みだしね。んでもって、ウチでは何故に番外編か…、いや、単にここのところストーンズ聴いてて、それもテイラー期のアルバムばっかりで、凄くかっこよくってさ、たまに聴くとハマるんだよね、ストーンズって。やっぱり唯一無二のグルーブ感とギターだなぁとつくづく感じるもん。んで、ふと初来日した時の状況を思い起こしてみようかな、と。ただそれだけ。

 アルバムで言うと1989年発表の「Steel Wheels」でその前の作品が「Dirty Work」だったからその間ミックがソロアルバムを出したりキースもソロを出したりしてお互いの関係が凄くギクシャクしていた時期を乗り越えて、ふたりでチョロッと曲作りを始めたらもう一気に出来上がってしまったっていうくらいにヒートアップした作品が「Steel Wheels」で、キース曰く今やっとかないとまたすぐコジれるからな、って思ってやったらしい。結果、それ以降定期的にストーンズは活動しているのでまあ、いうならば復活作になるのかな。で、そんな状況の中、日本はバブル真っ盛りなので当然初来日を誰もが望んだワケで、それこそ当時は今呼ばなかったら二度と見れない、っていう雰囲気もあったよなって思う。当然インターネットなんてないから情報収集ってもなかなかできないしさ。まぁ、それでもウワサ話はなんとなく伝わってくるもので、89年暮れになるとストーンズ来るらしいぞ…、正月の新聞に気を付けろ、みたいなことがまことしやかに囁かれてさ、面白かったんだけど、そしたら1月5日(6日?)の朝刊にデカデカとストーンズ初来日公演について告知されて、チケット発売方法とかも出ててさ。2月に東京ドーム全10公演ってことで当日から発売!みたいな。でもってそんな朝刊見る時間なんていつも寝る時間だったから結局寝ないでチケット取りに並びに行ってさ…。そしたらもう5人くらい並んでて、早いヤツはいるもんだ。真冬の朝っぱらから外で並ぶって寒いよなぁ。ロックだからジーパン革ジャンだけだからホント寒くて(笑)。そしたらストーンズファンって面白い。誰かがどこかで大関ワンカップを何本か買ってきて配っててさ、温まりましょう、みたいな感じで。妙に一体感あったな。ちなみに朝6時頃の話(笑)。

 んなことでチケットを2公演分取って…そんなに苦労したにもかかわらず2階席だったんだけど、まあ、良し。記憶によると多分二日目と最終日だったかな。ライブの模様はテレビでも放送したのでそういうもんだったんだけど、まあ感動したよね。それはライブそのものと言うよりもストーンズを見れたっていう意味でだけど。ライブ内容も良かったのかもしれないけど。でもね、時を経た今となっては自分が見たかったのは多分ああいうエンターティンメント的なストーンズじゃないんだろうなぁと思うけどね。まぁ、見れないからしょうがないんだけど(笑)。

 でも、ふと思うのは既に1990年って16年前なワケで、じゃあ90年の16年前だった74年頃のことを語る人と、自分が90年のことを語るのとエラく違うよね?やっぱ70年代は黄金のロック時代だったんだよ。少なくともそう思ってる自分がいるんだなぁと思うワケさ。ま、どーしよーもないことだからグダグダ言ってもしょうがないけどさ。だからその分ハングリーにロックを漁るし、72年のストーンズを夢見ていたりするのかもしれないな。でもね、何だかんだ言いながら初来日公演を見れた、見た時のアルバム「Steel Wheels」はよく聴いた。好き嫌いは別にしてよく聴いたし、「Sad Sad Sad」の冒頭のギターがミックだって言われたときは驚いたけどね。で、その後のライブ盤「Flashpoint」も仮想日本公演的なものとしてよく聴いた。テレビで放送した日本公演はなんか面白くなくてあまり見てないね。

 そんなストーンズももう何度も来日していて、何回か見に行って、こないだは武道館でもやって…、今回は東京ドームは2公演。う~ん…ま、いつまでもそう上手くは行かないんだろうけど、だったら一気にもっと狭いところでもシークレットギグを増やしてコアなファンを満足させるとかも良いんじゃないかな。…って既に催されているのかもしれないが。うん、…ってなことでストーンズ、やっぱ見れるウチに見ておきたいね。

The Rolling Stones - It's Only Rock'n Roll


 もうじき来日するので丁度ホットな話題となるローリング・ストーンズ、本ブログ二回目の登場です♪ もちろんブライアン時代の名盤は数あるんだけど、今回は流れからしてやっぱりミック・テイラー参加の第二期ストーンズです。ロンドン時代の末期アルバムとなった「Let It Bleed」はお気に入りの名盤の一枚なんだけど、それよりもStonesレーベルからの黄金のストーンズ時代を作り上げた70年代の傑作・・・まあどれもこれも捨てがたい名盤ばかりなのでどれが一番ってワケでもないんだけど、今回は「It's Only Rock'n Roll」を取り上げようっ。

 理由は簡単で、「Time Waits For No One」が好きだから。ミック・テイラーというギタリストの音をマジマジと聴いたのがこの曲で、これこそ素晴らしきギターメロディーだって思うし、それがストーンズのこのアルバムの中に収められているってのもなかなか意外性があって良いし、まあ、単純に好きなだけです(笑)。ギターのメロディもそうなんだけど、音色がさぁ、線の細い音で途切れそうな感じで鳴っていて、なかなか出せないし、単なるブルースギターからは完全に逸脱しているし、哀愁って言葉だけでも片付かないし、良いんだよ、これ。ミック・ジャガーの歌やキースのギターってのが聞こえてこなくなるくらいテイラーのギターを聴いちゃうもん。あ、チャーリーのドラムも凄く貢献していて、さすがだなぁっていう雰囲気。で、この曲を聴きたいがためにA面の頭からもちろん聴くんだけど、そうするとさすがに全盛期のストーンズの作品なだけあって、冒頭から滅茶苦茶グルーブの効いたロックンロールが流れてくるんだよ。あぁ、正にストーンズでしかあり得ないなぁって思うキースのグルーブとチャーリーのリズム、テイラーのギターもこういう曲では見事にストーンズのサウンドに溶け込んでいてギタリスト二人によるリフの組み合わせは天下一品。聴いていると自然に体が動く、こういうのがロックンロールなんだなぁとつくづく感じるよな。アルバム全体感としては後半になると結構ダレてしまうところが決定的な名盤になり得ないトコロなんだろうけど、それもストーンズなんだよな(笑)。

 超かっちょいい「Rocks Off」で始まる「メインストリートのならず者」にしても「Sticky Fingers」にしてもこのグルーブ感は堪らんなぁ。この三枚はミック・テイラー在籍時、っつうかストーンズ史の中でももっとも好きなあたり。ああ、初期もあるか・・・。キリがないのでその辺はまた今度にするとして、70年代初頭のストーンズは最高のロックンロールバンドだったことに依存はないよね。で、そんな中でも「Time Waits For No One」っていう異色な曲がアルバムに入っているってのが良くってね、もちろん他にも異色な曲はあるんだけど、こんなにギターメロディーで押してくる曲ってストーンズにはあんまりないんじゃない?そういうとこが良いんだよねぇ。

Nicky Hopkins - The Tin Man Was A Dreamer


 ミック・テイラーに関してまだまだ未熟者というのを曝け出してしまっているにも関わらずまだ続きます(笑)。・・・っつうかもっと前に書きたかったんだけどなかなかタイミングが合わなかったのでようやく今回書けるなぁと思っているのがニッキー・ホプキンス。60年代英国ロックを語る上で実に貴重な働きをしている人でして、セッション参加バンドは数知れず、そんな中でも有名な仕事としてはストーンズ、フー、キンクス、ジェフ・ベック・グループなどなど今では名だたるバンドのアルバムで鍵盤弾きと云ったらこの人しかいないんじゃないのかと思うくらいにアチコチで名前を見かける人ですね。あんまり細かいバイオグラフィーなんかは全然知らないんだけど、そんな印象で結構一目置いて見てしまう人です。その昔ジミー・ペイジがどんなバンドのセッションでもギターを弾いていたと言われるくらいのスタジオギタリストだったと言われるようにこの人も多分どんなセッションにでも駆り出される鍵盤弾きだったんだろうな。

 そんな彼の転機はやっぱりストーンズとの出会いだったんだと思うけど、英国ロックが一番熱い時期でもある1973年にようやく、というか背中を押されて出したソロアルバムがアナログ時代ではかなりレアだった「夢見る人」という作品。ミック・テイラーのギターが心地良い具合に登場していて何と言うのか、ロックな人たちなんだけどワイルドなロックな人たちじゃなくってもっと優しくて繊細な人たちによる作品になっていて、きっとそれがニッキー・ホプキンスの性格なんだろうなぁとヒシヒシと感じられるね。サックスではボビー・キーズが参加していたり、もう一人のセッションマンとして有名なクリス・スペディングも参加しているという実に心和むアルバム。ベースにはあのクラウス・ヴォアマン参加というのも彼ならではだろうね。更にこの後徐々に有名になっていくパーカッショニストと言えばレイ・クーパー。内容的にはもちろんニッキー・ホプキンスのソロ作品なので鍵盤、とくにピアノが前面に出てくるアルバムで冒頭から落ち着いた優しい雰囲気で始まってくるんだな。どの曲を取っても美しく繊細で心優しいメロディーが紡ぎ出せるところはさすがに音楽家という一面を見せてくれるし中でも「Lawyer's Lament」という哀愁を帯びた美しき曲はアルバム中最高の一曲でしょう。全然違うんだけどある意味ピート・シンフィールドのソロ作品にも通じる英国的なメロディーが好きで結構聴いたものだ。もうちょっと他の楽器が聞こえても良いんじゃないかと思うくらいピアノが前面に出ているのがもったいないんだけど、まソロ作品だからこれくらいでしゃばってても良いのかな。テイラーのギターもツボを押さえたところでしっかり鳴ってくるし、ストーンズ関連の人の単なるソロ作品として捉えられているだけでは惜しいくらいに秀作。アルバムジャケットも含めて彼らしいなぁって。

 アナログレコードで収集していた時代にはこのアルバムには全然お目にかかれなくて、見つけても結構な高額だったりして全然聴けなかったし、そこまでして手に入れるほどでもなかったのでブライアン・ジョーンズの「Joujouka」と共にストーンズ関連では結構聴けなかったんだよね。CD時代になってリリースされるってなってようやく聴けた作品がこれほど心に染み入るとは思わなかった名作かな。ストーンズ名義での「Jamming with Edward!」もライ・クーダー参加で話題になることがあるけど、こいつでのピアノもさすがです。

Mick Taylor - Bare Wires


 ジョン・メイオールの元には若き有望なギタリスト諸氏が何人も出入りしており、アレクシス・コーナーと共にブリティッシュ・ブルースの父として英国ロックの誕生を支えていたことになるんだけど、その中にやたらと巧いギタリストもいて、後にローリング・ストーンズに迎え入れられることになるミック・テイラーはクラプトンの穴を埋めるタイミングで参加していたことがある。アルバムでは「Bare Wires一枚での参加での参加だが、正直言ってそれほどミック・テイラーの個性が出ているわけじゃないのが少々残念かな。時代的なものもあって、やたらサイケデリックっつうかジャジーな風潮のアルバムなので本領発揮できなかったというのが正解かもしれないけどね。他には後にフリートウッド・マックを結成するピーター・グリーンもメイオールと一緒にやってたりするね。

 そんな「Bare Wires」からしばらくするとストーンズのブライアン・ジョーンズ脱退の後釜として参加を要請されるワケで、あまりにもカラーの違うギタリストがストーンズに参加することになる。ま、ストーンズの70年代はミック・テイラーの巧さが必要だったと思うのでその辺はかなり有機的に作用したし、1972年頃のストーンズときたら絶対に史上最強のロックバンドだったしね。で、そのミック・テイラーが最初にストーンズの一員としてライブを行ったのがかの有名なハイドパークでのコンサート。奇しくもブライアン追悼コンサートとなってしまったんだけど、彼のギタープレイを堪能するには実に魅力的な映像で・・・と云うか、あまりにも追悼色が出過ぎているのでそういう見方をする人も多くないみたいね。いや、キースの後ろで丁寧に王子様のような格好で細かいことを弾いているんだよ、あの短いシールドで(笑)。

 ストーンズを抜けた後の1975年には確かジャック・ブルースとのジョイントアルバムもリリースされていてライブなんかもやってたらしいけど、あんまりパッとしなかったみたい。何回か聴いたけど噛み合わないっていうのか、単なる演奏になっちゃってるんだよね。1979年になるとようやく念願のソロアルバムを作ることとなる。ジャケットが醸し出す雰囲気がそのまま伝わってくる落ち着いたブルースに囚われないギタリスト過ぎない大人のサウンドが中心となったアルバムで、一生懸命聴くものでもないけど流して聴いていると結構心地良いサウンドなので割りと流していたかな。やっぱさ、ギタリストが一人で作るアルバムって色々な期待をしちゃうし、どこまでできるのかなとか深読みしちゃうから割と好きでね。ミック・ラルフスとかロン・ウッドとかアール・スリックとか重要なサイドギタリストの作品ってど真ん中のサウンドじゃないんだけど趣向が良く出ていて面白い。もちろんギタリスト的な聴き方が中心になるので万人と話ができるものでもなくって、単なるソロ作品って言われてしまうのはしょうがないんだが。あ、今度24日にコレ、紙ジャケ出るんですね。

 んなことでミック・テイラーが次にアルバムを出すのは1990年代になってからで、しかもライブ録音物。面白いのはストーンズの曲でも平気でプレイしているんだけど、もちろん大人のサウンドで演奏されているので毒々しさなどは全くなくって、まあ昔を懐かしむ、みたいにやっている程度でファンサービスだろうなぁ。多分性格的に凄く良い人で音楽に真面目な人だと思うのでロックシーンにいるよりももっと音楽に特化したシーンで活躍したほうがよかった人なんだろうと思う。ストーンズの栄光は彼にとってよかったのかと問われるとどうなんだろうか。

P.S.
う~む勉強不足でしたが、「Crusade」「BLUES FROM LAUREL CANYON」ってのがあるんですね。聴かなければ…。

P.S.2
よくよく調べてみたら他にも結構あるんですねぇ…。反省。

John Mayall & Blues Breakers with Eric Clapton - John Mayall & Blues Breakers with Eric Clapton


 クラプトンの最初期はもちろんヤードバーズで名を広めたというのがあるが、通な人にはやはりJohn Mayall&The Bluesbreakersでのセッションが一番思い入れが深いんじゃないかな。ヤードバーズのポップ性にうんざりしたクラプトンはもっともっと深くブルースをプレイしたかったというから正にこのバンドはうってつけだったことは容易に想像できる。

 アルバム「Bluesbreakers With Eric Clapton」に収録されたプレイを聴いていると実にノビノビ生き生きと演奏している様子を聴けるのでヤードバーズ時代と比べてはいけないが圧倒的に趣味に走っている(笑)。これも時代の産物でもあるかもしれんな。今でもクラプトンがライブで演奏するナンバーがいくつか収録されているっていうのも凄いんだけど、アルバム的には滅茶苦茶ブルースっていうナンバーばっかではなくって、そこら辺はさすがイギリス人らしくかなり独自解釈を施した感じのあるブルースが基調になっていて、でもクラプトンのギターはやたらとエグい音で鳴っているんだな。冒頭の「All Your Love」で多分一気に目が覚めるというか惹き付けられるちゃってさ、フレーズだけじゃなくって細かいギターの弦を指が滑る音とかいやらしくって良いなぁと思うしね。「Hideaway」や「Key To Highway」、「Ramblin On My Mind」なんてのも定番で、ギターを志すものがこのアルバムを聴いたらまずコピーしたくなる一曲だと思う。もちろんどの曲も教科書的なギタープレイばかりなので一曲二曲ってワケにもいかないんだろうけどね(笑)。しかしまあ、クラプトン一人でブルースしてるって感じのアルバムだなぁ。勝手な解釈なんだけど、それでいてロックっぽくというかポップにフレーズを組み立てているところはヤードバーズで鍛えられたワザかもしれん。あぁ、メイオールのハープも味があって良いなぁ…。

 そういえば先日ジョン・メイオール生誕70周年記念コンサートが開催されて、そのメインゲストがクラプトンとミック・テイラーってのが良いよね。まだ聴いてないし見てないのでその迫力ってのを実感してないんだけど、メイオールも相当気合い入ったままだっていうし、二人のセッションもあるっていうからちょっと楽しみなんだけどね。

The Secret Policeman's Concert - Beck & Clapton


 ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジとは便宜上三大ギタリストと呼ばれることが多く、全員ヤードバーズに参加したこともある近所の友人同士だったということなんだけど、もちろん三者三様のギタープレイヤーとして世界を制しているワケで、70年代までの間には彼等が共演すると言うことなど夢のまた夢と云ったトコロだったが、80年代に入り、ロックの世界が壊れ始めてきたおかげかどうかはさておき、その夢のまた夢という瞬間がいくつか訪れることとなる。ちなみに60年代の編集盤で何十種類も「ペイジ、クラプトン、ベック」と題されたレコードやCDが乱発されているんだけど、彼等が共演したものというワケではなくって最初期に活動していたデモ音源に近いものを版権不明のためいくつも同じアルバムにまとめて収録しているようだ。…かく云う自分も何枚もこの関係のレコードを買って首をかしげながら聴いたものだが、まあ、特別に面白い音源はそれほど多くなかった気がする。いくつか面白いのあったけどね。「New York City Blues」とかね。コレ、Zepの「Since I've Been Loving You」のイントロと全く一緒なんだよね♪

 1981年9月に「The Secret Policeman's Concert Other Ball」ってのが開催されて、多分三回目のイベントだったみたいなんだけど、この時にようやくジェフ・ベックとエリック・クラプトンが共演したものが公にリリースされたことになるのかな。一応ビデオでもリリースされていたらしいけど未だに見たことないのが残念…。レコードでは最初はスティングのソロパフォーマンスから始まるんだけど、まだバリバリにポリスをやっている時期にもかかわらず既に一人で出てくるトコロが面白いね。んで、「哀しみの恋人達」で共演開始して、何と云ってもギタリスト的にスリリングで何度も聴いたのが「Further On Up The Road」っていうブルースの定番曲♪ 鳥肌立つほどのものでもないのかもしれないけどやっぱりゾクゾクしたなぁ。おまけに「Crossroads」までやってくれちゃってるので涙モノ。こういうイベントってのはやっぱり昔から楽しみなものなのだ。

 この序章をきっかけにしたワケではないだろうが、今度はロニー・レインの病気のために英国のロックスター達が集められた驚異のイベントが「A.R.M.Sコンサート」で、これはまた単独で書くことになるんだろうけど、なんとベック、ペイジ、クラプトンが一同に介してしかも共演してしまうという感動しまくりのライブ。まあ、演奏はそれほどでもないので見るとがっかりする部分は大きいけど、それでもやっぱり歴史的価値の高いイベントだよな。参加したメンツもモノ凄いしさ…。

 ってなことでベック聴いてたらクラプトンかぁ…と思い、やっぱり共演モノ聴いてみて新たに感動♪やっぱ名ギタリストの共演は気持ち良い!

Jeff Beck - Truth


 改めて聴くとやっぱりとんでもない音が詰め込まれている第一期ジェフ・ベック・グループの最初のアルバム「Truth」では、以降フェイセスやソロ活動でロックンローラーのセクシーさをウリに第一線で活躍することとなる名ボーカリスト、ロッド・スチュワートをメインボーカルに据え、ベースにはこのころまだまだ全く無名だったロン・ウッドが参加しているという素晴らしきメンツでのアルバム制作。プロデュースにはミッキー・モストを配して、鍵盤にはニッキー・ホプキンスというこれ以上ないくらいの面々でのアルバムは60年代末を飾るに相応しいテクニカル且つロックなバンドとして君臨する、はずだったが…。

 なかなかロックの歴史はそう簡単にいかないんだなぁと思う。アルバムの中味はベック全アルバムの中でも個人的には一番好きな作品で、バンドらしいアルバム。そしてベックがまだ初期の影響力に忠実にブルースを基調とした楽曲を揃えているところが聴きやすさを備えているんだろうな。初っ端からヤードバーズの有名作を新アレンジでカバーし、ロッドのボーカルを最大限に引き出しているところはインパクト絶大。このアルバムでは完全にロッドがベックを喰っているし、またベックがバンドのギタリストとしてのプレイに徹しているところも良い。一般的にLed Zeppelinとよく比較される「You Shook Me」だが、まあ、タイミング的にはベックの方が若干早かったんだろうけど、大体同じような年の同じような場所に住んでた若い連中が影響を受けたものといえば似たようなものだったので、同じ曲を選び、同じくパクリ的にオリジナルなセンスで勝負するのも同世代ならではのものだろうから比較論にはあんまり意味ないと思うんだけどな。バンドの目指す方向性に合わせたアレンジになってえいるってだけで、ベックの方が原曲に忠実にハードにプレイされているってトコで、Zepのはアレンジ云々もあるけどボーカリストの声質の違いだろうな。ロッドはブルースも声質的に平気で歌える人だけどプラントはどう聴いてもブルースの声じゃないもん(笑)。ま、好みの問題だからいいけど、ここでのベックのギタープレイはまだ人間らしくブルージーに弾いているしさ。年と共に宇宙人的ギタープレイを弾くようになるベックにしてはスタンダードで結構好き。そのペイジが書き上げた「Beck's Bolero」のメンツはこれまた凄くてねぇ、キース・ムーンにジョン・ポール・ジョーンズ、ベック、ペイジ、ニッキー・ホプキンスなワケで…、夢のある時代だなぁ。

 でなことでベックの作品にまつわるロック話にはキリがないんだけど、第一期ベックグループは続く「Beck Ola」で解体し、更にルックスの似たコージー・パウエルを迎えた第二期に入っていくんだがその辺はまたいずれ。しかし「Truth」に収録のラストの「Blues Deluxe」というブルースでのロッドの歌声と言ったら堪らない。聴いていて気持ち良いもん。これくらい気持ち良くさせてくれないとアカンぜよ。もちろんニッキーのピアノもベックのギターも本当にブルース好きって感じでこのアルバム中最高の出来映えでしょ、コレ。「Beck Ola」では「Jailhouse Rock」があるしね、やっぱりこの頃のロックは熱くてユニークで面白い。

Faces - A Nods Is As Good As Wink To A Blind Horse


 名ボーカリストといえば「I'm Sexy」ロッド・スチュワートを取り上げないワケにもいかないかな、ってことでソロアルバムは大して知らないのでやっぱり代表的なバンドとしてフェイセズですね。しかもその3枚目となる最高傑作…珍しく素直に最高傑作を取り上げてしまったんだけど、邦題「馬の耳に念仏」→原題「A Nods Is As Good As Wink To A Blind Horse」。う~む、西洋にも同じことわざがあるんだなぁと改めて知ったアルバムでもあるな(笑)。馬に例えるのも同じってことは多分起源も同じなんだろうし、恐らく意味も同じだろうから言葉が世界に広まる頃には既に使われていた語源なんだろうなぁ、不思議だな。どこからどうしてそうなるんだろうか?世界の謎は多い、うん、そういうのも好きなんだけど…、本題に戻ろう(笑)。

 元々スティームパケットっていうバンドで活動していたロッドは第一期ジェフ・ベック・グループのボーカリストとして初めてメジャーグラウンドに登場し、同じ顔つきのロン・ウッドともそこで知り合うこととなり、このベックバンドにはベックを含めて似たような顔つきの人間が三人揃ったことになるんだが…、それは良しとして、そのロン・ウッドと共に当時Small Facesが崩壊寸前だったロニー・レインとの絡みから二人で参加することになったらしくって、Small Facesは全員小柄だったのでそういうバンド名だったんだけどロッドとロニーが参加すると全然小柄なバンドじゃなくなるのでSmallを外して単なるFacesになったらしいけど、デビューアルバムは何故かSmall Facesってなってたらしい。自分が知った時はもちろん何回も再発された頃なのでFacesってなってたけどね。ファーストはまあ挨拶程度でいくつか良い曲あるけど、って感じ。セカンドはね、これも曲によって善し悪しあるんだけど「エルサレム」ってスライドギターの曲が好きなんだな…、あ、今回はロッド書いてるんだっけ、話をボーカルに持っていかないとな(笑)。

 で、三枚目の真骨頂アルバム。やっぱ「Stay With Me」が筆頭なんだけど当時リトル・ストーンズと呼ばれるくらいに素直なロックンロールで実に良い。アルバム全体としても完成度が高くってバンドは下手でもロックンロールは最高なんだ、という理論を体現してくれている。良い意味でね。ロッドの類い希なる歌声は一発でソレとわかる特徴を持っていて且つ実はかなり高い音域まで歌えて、しかもルックスが良い。バンドの連中は飲んだくればっかなんだけど才能ある人達ばっかだからね、もっとマジメに練習してたらもっと凄いバンドだったかもしれんけど、そうじゃないところがこのバンドの愛すべきトコロ。こないだようやくボックスセットがリリースされたんだけど、もちろんファンには楽しめる内容なんだけど、その中にさ、BBCでのライブが入ってて、ようやくロニー・レイン時代のライブがまともに聴けるようになってきて、これがね、やっぱライブは良いよ。テツが入ってからのライブも好きだけどやっぱ違うもんなぁ。ロッドの気合いも違うと思うしさ。ロッドの気合いと言えば、昔ビートクラブか何かでフェイセスのライブビデオを流していて、それが凄くかっこよかった。真っ暗な狭いステージを横から撮ったヤツでさ、多分今でも何かのビデオに入って出てると思うけど、熱いんだよね。んで「Feel So Good」とか「Stay With Me」やっててさ、うわぁ~ロックだ~って感じ。ロッドも昔はこんなロックだったんだって見直したもんな。だから今でも正当に評価しているし、ロック時代のロッドは凄い人だと思うよ。

Free - Highway


 ロック界で唯一「The Voice」と異名を取る男、ポール・ロジャース。本ブログにも何度か登場しているんだけどこの流れならばやっぱり登場してもらわないとね♪ やっぱり一番好きなのはフリー時代なので、今回はフリーの大ヒット作…ではなくってその次の作品となった「Highway」で行きましょう。

 いや、結構名曲が入ってる割には前作「Fire & Water」が良すぎたために地味な印象になってるアルバムなんで勿体ないなぁと云うこともあってさ、ま、ポール・ロジャースの本来の良さがどこまで出ているのかってのはちょっと問題があるんだけど(笑)、まぁ結構な自信作だったハズだけどさ、フリーらしい曲と静かな曲が交互に入ってるって感じ。ま、全体的にはちょっと鍵盤色がついてきて、本来の持ち味であるモタリまくりブルースロックバンドさが消えかかっていて、そういう意味ではちょっと方向性模索の意味合いもありそうなんだけど、そりゃこの年で世界的ヒットを飛ばしたミュージシャンともなれば次作も悩むわな。そんな悩みがモロに出た「Highway」は冒頭からあれ?ってな感じで始まるんだけど、「The Stealer」で帳消し。コソフのギターがハートをえぐります。あ、ポール・ロジャース書いてるんだっけ(笑)。もちろんポールのボーカルは凄いんだけど、どれ聴いても上手くてさぁ、書きようがないんだよな。やっぱライブ盤の方が圧倒的に良いバンドなんだな、フリーって。やっぱ、「Free Live!」が本来のポールの持ち味が聴けるアルバムなのは間違いない。おまけに、未だに日本盤が発売されていない豪華なボックスセットも2000年にリリースされていて、「Free Live!」のアウトテイクがいっぱい詰まっているのも嬉しい。ついでに書けば、ここに収録されているフリーの「Crossroad」はクリームのそれよりも実にフリーらしくてかっこよいのだ。ノリはフリーのノリ(後ろノリ)で、ロック界一のボーカリストが歌うんだからそりゃ凄いよ。コソフの「Blue Soul」っていうのにも入ってるけどさ、これが凄くかっこいいのだ。

 それとポール・ロジャースって云うとバドカンになっちゃうかな。結構しつこい歌声かと思ったら意外とアメリカンな歌い方も大丈夫だったということで何でも歌えるようになってきていた感じ。以降はホントに無差別にセッションやゲストボーカルをいっぱい務めていて、その延長がクィーンとの融合になるんだけど、これも良かったしなぁ。歌の才能があって曲とバンドに恵まれると素晴らしいシンガーってのは才能を発揮するね。彼自身の作曲センスはそんなに秀逸とは思ってないけどさ(笑)。で、何書いてるんだっけ?ん~、まあ「Highway」ってのは半分良い曲で半分ちょっと退屈、っつうか美しい曲なので好み分かれるかな。デジタルリマスターで出た時にボーナス曲がいっぱい入ってくれたので結構嬉しかったな。BBCセッションのバージョンなんかはやっぱりフリーらしいグルーブ感あるし、「The Stealer」のシングルバージョンも新たなる発見、ってくらい違いがあって面白いしね。

Sharks - Mr.Snips


 多分、というかかなり無名に近いと思うけど結構良いボーカリストがいてさ、先のロジャー・チャップマンと同じタイプの歌声でしゃがれ声でパワフル、結構パンチもあって上手下手と言うのとはちょっと違って良い味出しているボーカリストが、スニップスという人。フルネームがスティーヴ・パーソンズという名前だったなんてさっきネットでアレコレ調べていて初めて知ったんだけど、フリーを脱退したアンディ・フレイザーが組んだバンドがシャークスって言うんだけど、そこでボーカリストとして参加したのが多分、彼が世に出た最初の作品なんだと思う。このアルバムは1973年4月にリリースされているので、まだフリーの方も頑張って残党達がライブなどを行っていたんじゃないかな。そんな時に颯爽と新バンドを引っ提げてシーンに返り咲いたアンディ・フレイザーのバンドってことで話題性はあったと思う。しかもギタリストにはあの、クリス・スペディングが参加しているんだからその筋の人にも受けたに違いない。あ、この人もセッション活動が多くて、プログレからパンクまで幅広い活動は有名だよね。グラハム・ボンドとの作品からニュークリアスとかホント色々、そのうちまた書こうかな(笑)。

 で、話を戻してとりあえずボーカリスト論なんだけどね、このスニップスという人、熱いよ(笑)。Sharksのファーストアルバム「First Water」では初っ端から挨拶代わりに渋い歌を聴かせてくれるし、この作品はアンディ・フレイザーのセンス光りまくっていて、クリス・スペディングとも結構良い感じでバンドらしくまとまってる。あのベースのノリではなくってもっと垢抜けていて、そのヘンはスペディングのギターの軽さもあるんだろうけど、フレイザーは得意のピアノでも活躍していて、このアルバムで脱退してしまう無責任さが不思議なくらい(笑)。フリーよりも明るめで、普通のロックっぽい音で勝負しているかな。でも、スニップスの歌がそれに負けないくらいエグくって結構良い。

 このスニップスという人はここで認められたのか、よくわからないんだけどシャークスが消滅した後すぐにジンジャー・ベイカーとThree Man Armyで頑張っていたガーヴィッツ兄弟とが組んだBaker Gurvitz Armyというバンドに正式にボーカリストとして加入し、バンドとしては二枚目となる「ELYSIOAN ENCOUNTER」とその後の「HEARTS ON FIRE」をリリースしているんだけど、こっちでもこの歌声は健在で、かな~りハマっているし、なかなかバンドにも恵まれていると思う。ジンジャー・ベイカーはこういう歌声好きだろうし、Three Man Army時代から粘っこいサウンドを展開していたガービッツ兄弟も好きだったろうからB級ながらも才能発揮って感じ。ジンジャー・ベイカーがいてもB級ってのも凄いんだけど(笑)。ちなみにこの兄ちゃんの方のエイドリアン・ガーヴィッツはこの後AORポップシンガーとして大活躍するという不思議。ちなみに元Gunなんだけどな…(悪魔天国)…。

 う~ん、説明がいっぱい必要で肝心のスニップスという人の姿がなかなか書けないんだけど、そんなにメジャーじゃない人のためあんまり情報がない。だからレコードを聴いてなるほど~って思うしかないんだけど(笑)、ジョー・コッカーの「With A Little Help Friends」をイメージしてもらえれば声の印象は伝わるかな?

Family - Music In A Doll's House


 黒い、ってのとはちょっと違うんだけどかなりエグい、っていう渋みのある歌声で定評のある人が知る人ぞ知る(?)ロジャー・チャップマンなのだ。ファミリーってバンドのボーカリストで1968年アルバムデビューしているんだけど、どのヘンの人まで知ってるんだろ?一般的にはプログレの範疇として語られるケースが多いみたいなんだけど、個人的には絶対にブルース系のボーカリストと勝手に思っていて、やってる音楽と彼の声質にギャップがありすぎて勿体ない~って思うんだけど、どうでしょ?まあ、そういう類の声質でして、何というのかソウルフルってのよりももっと泥臭くって粘っこい声なんだよね。でもね、不思議なことにしつこくはない(笑)、って難しい表現なんだけどさ。

 デビューアルバム「Music In A Doll's House」という凄く幻想的なジャケットに包まれたアルバムで世に出現しているが、プロデュースがデイブ・メイソンでエンジニアのエディ・クレイマーというメンツ、更に3枚目のアルバムからはあのピーター・グラントのお薦めでベースに元スペンサー・デイヴィス・グループのジョン・ヴェイダーを迎えており、以降ジョン・ウェットンなどもメンバーに入ったりする英国切っての強者バンドとして有名なのだが、日本では全然人気がないってのも面白い。しかしロジャー・チャップマンの声は結構ハマるんだよな。多分このバンドも良い曲がなくって、結構スリリングな音に挑戦するんだけどなかなか飛翔しないままに終わってしまっているってのが要因かな。ただ、ジャケットがどのアルバムを取ってみても英国的で、変形ジャケットも多いバンドだね。で、そのファーストアルバムの中味は初っ端からチャップマンの特徴的な声で歌われているんだけど、結構曲によって歌い方や声色を変えているのもプロだよね。楽器の方も煌びやかに登場するので演出面でも結構楽しめる。個人的には最初と最後が好きなんだけどさ。

 でもね、この人の声に目覚めたのは実はマイク・オールドフィールドの「Crisis」っていう1980年の作品の最後に収録されていた「Shadows On The Wall」って云う曲なんです。このアルバム、イエスのジョン・アンダーソンが歌っていたり、何と云ってもクリスタルボイスの持ち主、マギー・ライリーが歌う「Moonlight Shadow」がダントツに光り輝いている作品なんだけど、最後の最後でチャップマンの声で「Shadows On The Wall」が歌われていて、曲が良ければこの人の歌声は更に価値あるモノになるとつくづく実感した一曲で、もう最高に素晴らしいんです。絶対もっとブルース系で思い切りシャウトできる曲に出会って世に出るべきだった人だよなぁ…、と思います。

The Spencer Davis Group - Steve Winwood


 黒い声を持つボーカリストとして最も名高いのは多分スティーブ・ウィンウッドなんだろうと思う。天才少年と呼ばれて早40年近く経つワケだが、声というモノは早々衰えるものでもなく今でも相変わらずソウルフルな声を聴かせてくれているに違いない。しかし、ロックファンにとって彼の凄さというのは果たしてどのアルバムで、どの時期が最も認知されているのだろうか?コレと云ったバンドとしてもあまり印象がないんだよな。せいぜいブラインド・フェイスなんだろうけど、才能が云々と言う前にバンドとしてきちんと活動できていなかったという感じだし、それよりもクラプトンの歴史の一ページとして語られる程度にしか存在価値が出せていない気がするんだよね。で、その後はもうソロアーティストとして自立しているのでロック色はほとんどないので、あんまり興味が沸かないワケさ。

 が、忘れてはいけない。スティーブ・ウィンウッドの才能が最も輝いていたと思っているザ・スペンサー・デイヴィス・グループのことを。ちなみにスペンサー・デイヴィスと言う人はギタリストでリーダーだったワケなんだが、当時17歳(?)だったスティーブ・ウィンウッドが音楽的な面ではバンドを引っ張っていたようだし、曲も作り、アレンジも施していたという天才ぶりとマルチプレイヤーぶりを発揮していたと言うから素晴らしい。中でもそのソウルフルな歌声は同時期に活躍していたスティーブ・マリオットにも匹敵する、いや超えているな。ソウルフルなハードな歌もこなすが、ウィンウッドの場合はメロウな曲も実にR&Bのシンガーっぽく歌えてしまうんだよな。で、ザ・スペンサー・デイヴィス・グループってどのアルバムが良いのか、などと言うことは実は全然知らない(笑)。様々なベスト盤が出ているのでその辺で十分にわかると思うけど個人的には「The Best Of The Spencer Davis Group」というベスト盤を好んで聴いている。選曲が良いんだもん。それから「Mojo Rtythms & Midnight Blues Vol.1 Sessions 1965-1968」というライブ盤もかなり秀作ライブアルバムなのでオススメ度が高いね。こんなライブばっかだったらホント堪らんわ…。

 あ、それからかなり邪道なんだけど、この人の黒さを何気に実感したのがザ・フーの「New Tommy / Live 1989」という映像なんだよね。ゲストの一人として「Eyesight To The Blind」を歌うんだけど、もともとソニーボーイ・ウィリアムスンの曲というのもあって、ウィンウッドがギタを持って歌うのを見てたらとんでもなくハマっててさ。そこから彼の声に注目したってのがある。「黒人の声を持つ白人」ってね。

 あ、トラフィックがあったか…。

Humble Pie - Performance : Rockin' The Fillmore


 The Small Faces解散後のスティーブ・マリオットが選んだ道はタイミング良く自身のバンドを結成しようとしていた元ザ・ハードというバンドに在籍していたピーター・フランプトンとの合体だった。それが70年代のロックシーンをブイブイ云わせたHumble Pieとなったことはロック史の定説なワケだが、実はこのフランプトンとの合体と云うのもなかなか難しくて、結局この蜜月は1968年暮れから1971年までしか続かず、以降は元ベイカールーのクレム・クリムソンが参加して、名作をいくつかリリースするんだけどさ、どうしようかなぁ、どっちが良いのかなぁ…と悩む選択でした。

 で、やっぱ流れからして初期で書いておいた方が良さそうなのでクレム・クリムソン時代はまた今度♪今回はフランプトン時代の作品で傑作と云えばもちろん「Performance : Rockin' The Fillmore」に尽きるんだろうなぁ。やっぱライブ盤好きだし、ここに詰め込まれているエナジーはフィルモアイーストっていう会場ということもあって相当熱いモノに仕上がっているんだよね。ロックはこうでなきゃいかん。多分どんなロックの本でもライブ名選の一枚として必ず挙がっていると思うので細かいことは抜きにして、とりあえず聴け、って感じ(笑)。冗長に聞こえる曲があるかもしれないが、それは魂入れてこのアルバムを聴いていないからだろうと思う。…って自分も昔はあんまりマジメにこのアルバム聴けなかったんだもん。多分、重かったんだと思う。で、しばらくほったらかしていたんだけど、ある時ファーストアルバム「AS SAFE AS YESTERDAY IS」を聴いて、「ん?」って思ってさ、なんつうか、まだ凄く宙ぶらりんなサウンドなんだけどなんかハードロックに通じるギターやドラミングだったし、やっぱりフランプトンよりもマリオットの歌が良くってさ、そこからあれこれとまた聴くようになったんだけどね。それで、「Performance : Rockin' The Fillmore」に行き着くとかなり驚くんだよな、これ。フランプトンが脱退する時に云われているソフトでポップな楽曲を好むため、ってのは最初期から楽曲の作りによく表れているのでどの曲聴いても大体マリオットの曲かフランプトンの曲かはわかるしさ、それくらい異なっているんだけど、このライブ盤では絶妙なツインギタリストによるロックンロールライブなんだよな。黒っぽいのにブルースっぽくなくって、でも重い、みたいな化学反応なんだよ。

 決してギターヒーロー的な二人ではないけど、バンドとしてのギタリストとしては凄い良い組み合わせだったんだなぁ。このバンドに欠けていたモノは多分、良い曲、っていうものかもしれない。ロックって難しいよなぁ、って思う。歌も魂も熱いしギターも凄ぇ良いしかっこいいんだけど、バンドも凄くデカイ音でロックなんだけど、それだけじゃダメでさ、良い曲、ってのが必要なんだよね。例えばロリー・ギャラガーなんかもそうなんだけど、凄いんだよ、凄いんだけどスタジオ盤で良い味出せない、ってのはやっぱりそういうのがないんだよなぁ。Humble Pieも同じ。だからフランプトンが抜けた後はその辺が変わってるんだけど、この時期まではただひたすら走るだけっていう感じなんだな。いや、キライじゃないし好きなんだよ、で、ロックしてるんだよ、でも足りないモノがあったんだよ、って思う。もっともっとハジけられて音楽家的才能をもっと駆使すればもっと爆発したんだろうなぁと勝手に思ってるワケです。

 しかし、マリオット、かっこいいわ。フランプトンよりもマリオットがいいな。ま、フランプトンはポップスターとして魂売ったってイメージあるからかもしれんが(笑)。←誤解!?

The Small Faces - Ogdens' Nut Gone Flake


 英国らしいサウンドとトータルコンセプトアルバムとも云うべきサウンドを展開していたもうひとつのバンドがThe Small Facesで、その道のりはThe WhoやThe Kinksなどと同様、初期は超かっこいいビートバンドとして出てきたものの、途中から色々と考えるようになり傑作「Ogdens' Nut Gone Flake」をリリースすることとなるので、今回はその名作を改めて聴いてみた。実はこのバンドについては初期の方が好きで、よく聴いていたのだがこのコンセプトアルバムはしょっちゅう聴いていた作品ではないので久々のトライになったワケだが、う~ん、実に英国的(笑)。プロモーションとかライブ活動がもっと盛んにできていればかなり良いバンドとして世界に認知されていたんだろうけどなぁ、残念ながらライブが少なすぎたんだろうな。もったいない。ま、それでもこのバンドのおかげでハンブル・パイ、フェイセス、スリム・チャンスっつうバンドに繋がってくるんだからこれでよかったのかもしれないな。

 で、このアルバムね、正にサイケなドラッグ時代でもあった1968年の作品なだけあって、その要素がたっぷり入ってるけだるい感じのするアルバムだね。サウンドの一貫性は見事なものなんだけど、まあ、そういうの云う前に正直、スティーヴ・マリオットの黒い、あまりにも黒すぎる歌声が、ハートのある歌声が凄くサウンドとミスマッチ、…と云うかサイケに合わないんだけど、どういうワケか見事に溶け込んでいる面もあって不思議な魅力を出している。ギターもハードと云えばハードだし、何か不思議な作品だな。ただ云えることはかなりの名盤ってことくらい(笑)。メリハリがあるんだろうな、きっと。ハードなものとサイケなヤツと「Lazy Sundey」みたいなモロにロンドンって感じのポップソングも同居しているワケだからそりゃそうなるんだけど、やっぱスティーヴ・マリオットって天才だったんだなと感じます。アルバム全体に散りばめられている効果音なんかも結構考えられていると思うしさ、プログレ最初期に近いものはあるんでその辺好きな人にも受け入れられる作品じゃない?

 円形ジャケが有名でアナログ時代は幻だったけどCD紙ジャケになってからも再発されてるのかな、アイディアも含めて面白い試みだった時代の産物。

The Kinks - The Village Green Preservation Society


 英国の田園風景を見事に描写したバンドは意外と多くあるものだが、The Kinksの「Village Green Preservation Society」ほどそれを見事に表したアルバムはそうそう見つからないだろう。The Whoのピート・タウンジェンドと比較されることが多いが、ピートは自身でも初期のThe WhoがThe Kinksに影響を受けていることを公言しているし、一方レイ・デイヴィスはピートを優れたソングライターとして認めてはいるが、決してThe Whoの影響を受けているというワケではない。ま、もちろんそうなんだけどさ。それとこのアルバムでよく言われるのはThe Whoの「Tommy」がロックオペラ最初の作品だとされるが、実はキンクスの本作の方が先に制作に入っていたとか云々。別に誰も気にしてないんだけどな、そんなこと。アルバムそのものの出来映えはどちらも素晴らしいものであって、どっちがどうなんてのは今更ど~でも良いでしょ。好みなんだしね。唐突に文句ばっかり書いてしまったんだけど、要するにこの作品はキンクスにしか出せない素晴らしい音楽を詰め込んだ最高傑作だ、ってこと。

 デビュー時からオリジナリティを発揮していて、ここに辿り着くまでにかなりのヒット曲を連発し、今でも語り継がれるほどの名曲も多数持っているThe Kinksが辿り着いた先は「英国らしさ」=飾らない音楽→シニカルな視線でのロックテイスト、みたいな方向だったみたいなんだな。ま、それは歌詞に表れているので、レイ・デイヴィスのシニカルな視点の才能はあらゆる人に認められているみたいで、多分そういうことなんだろう。何でまたそんな他人事で書いたかと言うとね、それよりもサウンドが良いんだよ。ロックっていうのもあるけど音楽が本当に良くって、英国的だしポップだし、でもロックだし喜劇的でもあるし確かにストーリー仕立てになっていてもおかしくない万華鏡のような煌びやかな光を放っている色褪せない音が満載♪別にハードロックやヘヴィメタやパンクやプログレが好きとかキライとかあっても良いけど、こいつは聴いておいて絶対に損しないし、わからなきゃ英国ロックっていう深さにはまだ辿り着けてないってコトだと断言しちゃうもん。自分自身最初は全然ピンとこなくて「軽い音だなぁ~」ってくらいにしか聴かなかったしさ。ところが、造詣が深くなればなるほどこのバンドの真髄がわかってくるし、この作品の良さもわかってくる、ハズ。

 アルバムとしてこれまたマニアの喜びそうなくらい多数のバージョンが存在しているので大変(笑)今入手できるCDはちょっと前にリリースされた3枚組デラックスエディションが一番お得で名作回収アルバム「The Great Lost Kinks Album」に収録の曲も多数入っている。「Village Green Preservation Society」はもともと12曲入りのバージョンでリリースされたらしいけど、即座に回収されて15曲入りバージョンの今普通に聴ける曲順のものが標準となったという経緯もあったんだけど、このデラックスエディションには15曲入りのバージョンのモノラルテイク、ステレオテイクが収録されてる。で、その前にリリースされたいわゆるデジタルリマスターシリーズの一枚物では15曲入りのモノラルバージョンに12曲入りのステレオバージョンがまとめて収められていたりして、何かとややこしい(笑)。つまりこの二種類は入手できるウチに入手しておくべし、ってことだね。この辺語ると色々あるんでキリがないんだけどさ(笑)。そんなんよりもやっぱ楽曲の良さに耳を傾けるべし。ホントどの曲も最高としか言えないんだけど、中でも特に「Village Green」が大好き♪胸がキュンッてする曲の良さだよね。あ~、いいなぁ~こういうの凄いよ。レイ・デイヴィスって人は絶対に英国シンガーソングライターの中ではダントツの人だと思ってるもん。ポール・マッカートニーよりも全然凄いしさ。ま、少数派だろうから勝手にほざいておくけどね(笑)。

The Who - さらば青春の光


 70年代後期、イギリスでパンクが起こった時にこぞってオールドタイムなバンド達がこき下ろされ、「ロックは死んだ」とまで言われた中で唯一パンクの連中からの攻撃を全く浴びなかったバンドがThe Whoだ。ここのところの記事でも映画「さらば青春の光」を何度か取り上げていたんだけど、やっぱりこの映画は見ておくべきものだろうなぁとロックファンとしては思うんだな。別にモッズでもロッカーズでもいいんだけど、ステータスっつうか生き方っつうか、そこに込められた「俺たちって何なんだろう?」っていうテーマは永遠不滅だしさ。それがピート・タウンジェントのアタマの中で作られてしっかりと戯曲化されていて、しかも強烈なサウンドが作られているんだから素晴らしいとしか言いようがない。それくらいにロックアンセムとして語り継がれるべきものだろう。

 細かいことを言えばこの「さらば青春の光」のサントラに収められた曲はThe Whoの「Quadrophenia」とはミックスも異なっているし3曲の新曲、そのウチ一つはケニー・ジョーンズのドラムによる収録と云ったもので、なかなか曰く付きの面もある。更にアナログ時代にはC面に収録されていたR&Bの曲についてもなかなか面白くって「He's So Fine」をここでボーナス的に持っているというのは実に有意義なことだ。なぜならジョージ・ハリスンのヒット曲「My Sweet Load」の元ネタ曲でもあるワケで、それだけのためにこぞって探す必要もなく、こんな素晴らしいサントラの中の一曲として聴けてしまうんだからお得感が高いでしょ。面白いよ。

 話逸れたんだけど、それが云いたかったワケではなく、「四重人格」っていう一見複雑そうなアルバムストーリーを実にわかりやすく描いた映画で、映画そのものに使われた時に見事に音楽とマッチするシーンも幾つかあるし一番印象的なのは誰しもが同じだと思うけど、最後の最後、ベスパで断崖を走り抜けて崖下に投げ捨ててしまうシーンに使われる「I've Had Enough」の持つテンションが凄く良いよね。主人公ジミーの気持ちはロックなヤツなら多分幾度か味わったことのある疎外感だと思うし、表現的には「四重人格」ってしているけど、そういうのあるんだろうな。少なくとも自分にはそういうのがよくわかるし、多分この映画が支えられている背景にはそういう輩が多いんだろうって思うんだけどさ(笑)。で、エース役を演じているスティングの圧倒的な貫禄のあるかっこよさもまた凄い。

 もちろん映画だけでなくオリジナルアルバムは更に凄い作品だし、そこに挟み込まれた写真集は映画のシーンのいくつかとかなりシンクロするもので、明確にコンセプトが歌われているのも素晴らしい。こちらはまたいずれ機会を見て徹底的に書いていく気もあるんだけどさ、やっぱ始めっから「The Real Me」、、いや、その前の海の音からしてもう最高よ。で、あのベースラインとキースのドラム。これはもう言うことなしでしょ。あ~、かっこいい~!んでもって、こないだ突然リリースされた1996年の「四重人格」再演ライブ。これも見事な再現でなかなか楽しめたなぁ。ピートとロジャーが全編に渡ってアルバム制作時の思い出を語ってくれたおかげでいろいろなことがわかってきたりするのも価値有り。

 ん、そろそろにしておこうかな。書き過ぎると誰も読まないからなぁ(笑)。とにかく最高にかっこいいロック映画だし、同じテーマでも飽きることのないオリジナルアルバムサントラ再演ライブとどれも素晴らしい、そして最高のロックだね。

The Jam - Extras


 ロンドンパンクの一員と言われながら実は全然違う畑だったというバンドがもうひとつ、ザ・ジャムだ。モッズと言う系統はパンクに属するのだろうか?映画「さらば青春の光」を見る限りではやっぱりロッカーズよりもモッズの方がパンクっぽいのでモッズというのはどちらかというとパンク寄り?しかし格好はモッズの方がオシャレだとは思うんだけどな。1977年、ロンドンにパンク旋風が巻き起こっている中、こじゃれたモッズファッションに身をくるんだ三人組がデビューを果たす。今にして思えば見事に60年代のThe WhoやThe Small Facesをモチーフにしたバンドであると明白なものの、パンクシーンから登場した時にファンとなったキッズ達にとってはかなりアイドル的な要素を持ったバンドだったらしい。

 ん~なことで若かりし頃にもちろんパンクバンドの一員として聴いたものだが、パンクってのは色々な表現方法があるもんだと素直に感心したものの、決して好みのサウンドではなかったというのも正直な感想。最初に聴いたのがセカンドアルバム「This Is The Modern World」だったからかもしれん。その後ファーストアルバム「In the City」を聴いて少々イメージが変わった部分はあったかな。特に初っ端の「Art School」は速攻でギターでコピーしてそのかっこよさを体感していたからなぁ。かなりビート感がキツくってコード全開でギターを弾いている音はかなり斬新な印象があったし、曲の勢いも凄いものがある。また「Batman's Theme」なんてやっぱ誰でもこういうのやるもんなんだ、よ思ってたらしっかりThe Whoからの流用だったらしいし、「In the City」という曲だってThe Whoの同名タイトル曲からの流用だったりするみたいで、かな~り影響力が最初から強くって、更にそれを全面に出していたってのも面白い。自分的にはファーストくらいしかまともに聴かないバンドで、ポール・ウエラーのソロアルバムも含めてまるで興味はないんだけど、面白そうだったので聴いたのが「Extras」というオマケ的なアルバム。まぁ、未発表曲やらレアトラックスなんかを集めたものらしいんだけど、興味の対象はビートルズのカバーである「And Your Bird Can Sing」やThe Whoの「Disguises「So Sad About Us」なんだよね。「Heatwave」やThe Kinksの「David Watts」ってのも有名なんだけど、まぁ、見事なカバーで若さと勢いがあって原曲のかっこよさを倍にしている部分はあるんだな、これ。んなことでたまに聴くと刺激的♪

 で、ロックバンドなので恒例のライブ盤として「Live Jam」ってのがあってね、そんなに上手い演奏じゃないんだけどなかなか勢いづいていて良い。ロックなライブだよね、これも。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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