The Smiths - The Smiths


 ストラングラーズやダムドが築き上げてきた新たなる波=ニューウェイヴによる音楽表現論は英国の一部ではかなりの度合いで浸透し、ジョイ・ディヴィジョンXTCなどに代表されるサウンドをもたらしていた。70年代のロックからすると相当に異質且つポップ過ぎる、もしくはオモチャのようなこのサウンドは明らかに聴く者を二分する世代のリトマス試験紙ともなっているんじゃないかな。かく言う自分も当時からやはりあまり受け入れられた音楽ではなかった。が、しかし時が経ても世代を超えて残っていき、更に継承者がそれを超えるサウンドを取り入れいつしか70年代ロックと80年代ニューウェイヴを融合させたようなロックがロックシーンを牛耳るようにまでなってくる姿を見ていると、あながちこのニューウェイヴというロック論も見捨ててはいけない重要な要素と言うことに気付く。まぁ、音楽やロックなんてそんな風に聴くモノじゃなくていわゆる感性に訴えて好きなものは好きで、良いものは良いので聴くという姿勢で十分だろうけど、やっぱりね、根が真面目なのか「どうしてこれほど重宝がられるんだろう?」という素朴な疑問から新たなジャンルにトライするくせが身に付いているのかな。幸か不幸かシーンそのものをリアルに見ていたからオーヴァーラップさせた感覚で新たにチャレンジできるんだな。

 で、何をズラズラと書き並べているかと云うとザ・スミスについて語ろうなどとしている自分が少々不思議だからだ。元々ハードロック、ロックンロールが好きな自分がこのようなバンドと接点を持つなどと考えたことがなかったので、何か前説しないとな、なんて思うワケ(笑)。色々な仲間と出会う中でこういうバンドを真剣に聴いて好きでギターを弾くヤツってのがいて、決してセッションなんかできないんだけどギタープレイ一つ取っても全然アプローチが違うから新鮮でさ、何がルーツなのかと云うとこのヘンだったんだな。んで、興味を持つんだけど音楽的には興味がなかったりする。でもギターとか面白い。ん~、、、ってのがあったんだ。でも今は素直に聴いている面があって大人になったなぁと自画自賛(笑)。

 ま、一応ほとんどのアルバムは聴いていて、どれも面白い要素があるんだけど、やっぱりこんなサウンドのくせに滅茶苦茶重い感のするファーストアルバムが一番良いのかな。決してポップではない、独自のニューウェイヴサウンドで、ダムドのゴシックな世界のサウンドが延長されているようなイメージ。ま、そんなに影響を受けてはいないと思うんだけどさ。その重いファーストアルバム、、、やっぱ相当ヘン。イギリス人だからなのか、作りがヘン。これがセンスなんだろうけどね。でも有名になった「This Charming Man」のギターリフなんてのは正に新たなる衝撃を受けるに相応しいセンスで、これは凄いと思う。Zepが創り上げたリフの世界とは全く異なるトコロで同様のインパクトを与えているとも言える。だからザ・スミスも伝説のバンドになっているんだろうね。アルバムではA面の暗さよりも当然この曲以降のB面の方が圧倒的に聴きやすくザ・スミスの本質を物語っている。ヘンなポップ、なのだ。ドラムは下手だし、モリッシーだって歌い手としては全然巧いワケじゃないしね。でも個性は凄い。ロックなんだな~、こういうのってさ。

 以降のアルバムではやっぱり「ミート・イズ・マーダー」が80年代ロックらしくポップさとロックらしさとスミスらしさをきちんと出している作品だね。「Barbarism Begins At Home」のリフが凄く好きなんですけど(笑)。これも思い付かないロックだからかもしれん。まあ、今日はちょっと息抜き的に変わったのを取り上げてみたけど、ニューウェイヴの進化ってのも今やひとつのロック史なんだよな。

The Damned - The Black Album


 1977年2月に始めてパンクバンドのアルバムが発表されたと語り継がれているザ・ダムド。もちろんデビューアルバム「地獄に堕ちた野郎ども」は軽快且つエキサイティングなサウンドが詰め込まれた衝撃の作品ということに依存はない。「Neat Neat Neat」「New Rose」「I Feel Alright」というパンクの代名詞とも言える楽曲を収録しているワケで、勢いあるのみってトコかな。

 正直に書こう…。このファーストアルバムのジャケットを見てわかるように彼等は「おバカ」を演出している。ジャケットで見られるそのおバカさ加減がとんがったロック少年には全く受け入れられなかったし、先のパンクの代表曲群も軽過ぎた面もあって聴き流してしまっていた感が強かったのだ。もちろんそれなりに聴いたからそれなりに知ってるけど、でもあくまでもそれなり。それから何十年もしてからようやく初めてザ・ダムドというバンドが動いているトコロを映像で見た。「え?これってダムド!?なの?」。…だってさ、あんな汚ねぇクリームまみれになった連中という印象しかなかったのが、映像見たらえらくおしゃれでかっこいいワケよ。特にボーカルのヴァニアンなんて滅茶苦茶かっこいいんだもん。日本のバンドでザ・ウィラードってのがあって、モロにコレのパクリなんだけど、そんなのを先に知ってたくらいだからなぁ…。いや、それでさ、驚いて、そしてやってる曲もエラクこじゃれたサウンドで、また「え?」って感じ。所詮パンクバンドで残りのアルバムは大したもんじゃなかろうとタカをくくっていたから余計に驚いた、っつうか損してた。だからそれから結構ちょこちょこと聴いてみたんだよね。だから全然詳しいワケじゃないし、大きな勘違いしている面もあるんだが、まあ、それはそれとして…。

 で、いきなりファーストアルバムから飛んで名盤と呼ばれる「The Black Album」です。多分最初にコレ聴いたら二度とダムド聴かなかったんだろうなぁとも思うんだけど、ある種耳が肥えてこないとこういうのを名盤とは聴けないのかもしれない。単純なロック小僧にはなかなか理解できないだろうし、そういう意味でダムドは一瞬にして大人のサウンドを創り上げた早熟なバンドだったのかもしれない。ストラングラーズも同じようなことが言えるので、これからも追求していかなければいけないバンドなんだよなぁ。で、その「The Black Album」なんだが、ここにはパンクバンドとしてのダムドを求める必要はない。純粋に今聴いても新鮮な英国ロック、英国の新たな波を刻むバンド=New Waveバンドとして存在していて、魔界に迷い込んだような錯覚を覚える。その境地が17分にも及ぶ「Curtain Call」だろう。パンクバンドが17分の曲やるか?パンクバンドじゃないから、できるワザで先の大人のサウンド論でもある。そして中味、歌詞までは追いかけていないので詳しく言えないけど、起承転結っつうのか導入部から展開し、ハードに演じられ、閉幕へと向かう正にカーテンコールと呼べるような曲調は素晴らしい出来映えだ。強いて云えば使用されている楽器の音色が少々チープな感がする点だろうけど、それでもアルバムの最後を締めるには相応しい楽曲。感動したもん。他もね、全般的にシリアスな雰囲気で、名盤とか何とか知る前にコレ聴いて感動した素晴らしい作品。普段パンクなんか聴かない人でもプログレッシヴなロックが好きな人にはウケる作品だね。やっぱり英国ロックですよ、このへんは。

 中期から最近にかけてのストラングラーズや同じく3枚目以降のダムドが奏でていたサウンドはニューウェイヴというジャンルに継承されている傾向があるものの、やっぱり唯一無二の世界を築き挙げていて、いわゆるフォロワーはいないし、誰とも似ていないサウンドなのでそれだけでジャンルを作っている。だから入ってみないとわからない音世界があるのは確かだ。自分もこれからまだまだその世界を楽しみに行けるという余地があって興味深いところ。良いバンドに会えて楽しいね。音楽、いいよ。ロック、いいよ。

The Stranglers - No More Heroes


 時は1977年、いわゆるパンクムーヴメント時代にデビューしたストラングラーズは当初からしっかりしたサウンドを持ちながらも、その破壊的で過激な姿勢から一連のパンクバンドと同列に扱われて世に出てきたバンドだ。しかし中でもキーボードの音色が全面に出てくるというサウンドはかなり異色に映り、明らかに一連のパンクとは異なっていた。自分でもあらゆるロンドンパンクを聴き漁っていた頃にこのバンドに出会ったんだけど、コレって何がパンクなんだろ?という疑念を持ちながら取り組んだバンドの一つだったな。もちろん過激な姿勢はサウンドにも歌詞にもそしてライブにも表れていたんだけどさ、やっぱ何処か違うっていう印象。時間を掛けて何度か聴いていくうちに彼等の姿勢とかサウンドの面白さってのがわかってきて今に至るってトコかな。

 それでもセカンドアルバム「No More Heroes」は一発で来たアルバムだった。タイトルからしてかっちょいい。「もう英雄はいらない」。う~ん、なるほど、と子供心に思ったものだ。そしてアルバムに針を落としてみると初っ端から相変わらず鍵盤とベース音の派手な「I Feel like A Wog」が流れてきて過激さも相まって一気に聴ける作品。A面ラストに位置したタイトル曲「No More Heroes」なんかを聴いているとモロにドアーズの再来と呼ばれた理由もよくわかるくらいに、過激さをポップさが混同したなんつうのか、かっこいいっつうのもあるけど、エッジが立ってて刺さってくるサウンドってのかな、ドアーズでは出来きれなかったサウンドだよね、これ。もちろんヒュー・コーンウェルとJ.J.バーネルという二つの強烈な個性がバンドを推進していたワケで、だからこそのストラングラーズは凄く硬派且つイギリス的。B面へ行けば「Burning Up Time」なんつう実にポストパンクらしく聞こえる曲もあって一筋縄ではいかないバンドってのもよくわかる。

 ファーストよりもこっちの方が断然好きだね。次作「Black & White」もかなり好きだし、もちろん「Raven」なんて言う傑作もあるので、その辺はまた今度じっくり聴いて書くつもり♪ しっかしJ.Jのベースは凄い。強烈なインパクトを放っている。ストラングラーズってライブではキンクスの「All Day or All Of The Night」なんてのもやってるんだけど、モロにドアーズの「Hello I Love You」に聞こえてしまうんだよな(笑)。EL&Pが鍵盤だけでもハードロックとして君臨できたようにストラングラーズは鍵盤でもしっかりパンクだったという見方もあるのかな。まあ、あんまりギターが全面に出てこないからしょうがないね。今でもメンバーを変えて活動しているけどやっぱりヒューとJ.J.が分かれてしまってはしょうがない。初期の衝動性は唯一無二の硬派なかっこよさを持っている実は実力派のバンド。

The Pretenders - Isle Of View


 女性ロッカー数多しと言えども、全く女の色気をウリにしないでロックンロールを体現できている人も珍しい。そんなロックンロールな女性クリッシー・ハインド率いるザ・プリテンダーズの小粋なチューンに胸キュンでした(笑)。初期4枚まではどれも好きだったので、バンドメンバーを二人も亡くした悲劇やプロデュース面での問題、またキンクスのレイ・デイヴィスとの恋愛、出産、その間に一緒に日本公演を実現という嬉しい出来事なんかも含めて彼女の生き様だったのかなとどこか同調すべき部分は多い。特にレイとの恋愛についてはプリテンダーズのファーストアルバムには「Stop Your Sobbing」のカバーが収録されているし、セカンドアルバムには「I Go To Sleep」というキンクスでは発表していなかった作品を取り上げて歌っているというファンとしての力の入れ方だったくらいレイ・デイヴィスのことが好きだったらしい。それが一緒になり、子供も産んでしまう関係ってのは凄いなぁと他人事ながらマジマジと思ってしまう。

 そんな雑念が囁かれるものの、音を聴くときにはこういった出来事もプラス要因として入ってくるので、ま、やっぱりロックってのは知識だな(笑)。三枚目の「Learning To Crawl」はクリッシーが先ほどの自分の子供がハイハイするのを見ていて付けたアルバムタイトルで、4枚目の「Get Close」は新たなダンナとの子供のことを歌った「My Baby」ってのもあるんでこの人の作品は何かと彼女の人生のナマナマしいトコロと密着しているようで、それが凄くロックっぽい弱さっつうか、共感しやすい部分なんだろう。今回はそんな彼女の作品の中でも復活のきっかけとなったいわゆるアンプラグドものでもある「Isle Of View」を取り上げてみようかな。もちろん初期の作品が基本となっちゃうんだけど、どれも良いからさ、ベスト盤でも手に入れてくれるとその良さはわかるし、そんでいいんだけどなかなか新しめのこういうアンプラグドものとかって往年のファンの人でも手を出してないかな、って思うので(笑)。ま、自分も、だけど♪

 「Isle Of View」と題された作品はジャケットの通りにクリッシーがアンプラグド形式でプレイした作品で、ベスト選曲的になっているので往年のファンも聴きやすい。どこか悲愴感を持ちながらロックを奏でる彼女の作品中でもっとも優れた作品のひとつである「Back On the Chain Gang」や「Kid」なんてのは心から感動するし、元曲の良さを再確認できるくらいのものだ。残念ながら個人的に大好きな「Middle Of The Road」や「Time The Avenger」は入ってないけどさ。あとね、CDには入ってないけどDVD盤には収録しているRadioheadっつうバンドの最高傑作「Creep」をカバーしているので、これもぴったしハマっててさすが姉御、かっちょいい。さらにブラーのデーモン・アルバーンと二人の共通項でもあるレイ・デイヴィスの作品「I Go To Sleep」をふたりでデュエットして歌っているのもなかなか○。んなことでDVD盤の方がオススメではあるかな。でも、まあ、結局ベスト盤DVDも見ちゃうんだろうなぁ。

 ちなみにこの人アメリカ人なんだけど、元々新聞記者でイギリスにいたことからミック・ジョーンズにギターを教えてたとかあって、イギリスのパンク発祥をナマで見ているからセンスがイギリスなんだよね。バンド結成は78年でメンバーはみなイギリス人だったワケ。

Ray Davies - Other People's Lives


 2006年2月22日にキンクスのフロントマンであるレイ・デイヴィス新作が国内盤でリリースされたので早速アマゾンチェックしてゲット♪ 昔に比べればインターネットなどで事前情報が掴みやすくなっているにもかかわらず、ほとんどと言って良いくらい情報が流れていなくて、まぁ、そのまま買って聴けばいいんだけどさ。最近のネット事情は検索エンジン使っても宣伝サイトとかショップサイトしか出てこなくて、昔みたいにファンサイトがズラリと並ばないので全く情報が遅い。みんなアマゾンの成り代わりやってるだけでまともに自分で情報入れて展開しているところが無さ過ぎるのでつまらん状況になってる。やっぱネットってのはオタクな連中が仲間内で情報公開するだけになっているような気がするんだよな。何処にも属すのが好きじゃない自分としては独自で情報収集するしかないんのでちょっと大変。ま、いいか。良い音楽に出会えればね♪

 んなことで、1998年の「ストーリーテラー」アルバムから7年、それまで何度かウワサに上がったスタジオアルバムがようやく「Other People's Lives」として陽の目を見たので聴いてみると、やっぱりレイ・デイヴィスの音楽的才能は全く衰えることを知らない真の天才とも呼べるサウンドクリエイターだということが証明された作品。どの曲もどの時代に書かれていても全く違和感なく聴けてしまうであろう作風で、レイ節が炸裂しまくってる。さすがにハードなロックナンバーってのは姿を消しているんだけど、その分独白を聴かせる作風が多く、アレンジ面ではさすがに新しい手法を用いているのでやっぱ2006年のアルバムって感じではあるけど、基本的にアコギと歌さえあれば成り立ってしまう人だからあくまでもアレンジっていう隠し味のレベルかな。それにしても面白い。骨格的にはどこを切ってもレイ・デイヴィスなんだけど、楽曲はかなりバラエティに富んだアルバムで何となく、何となくのイメージなんだけど1980年代後期のロンドン時代を彷彿とさせるパターンと、60年代の名曲群「Waterloo Sunset」に代表されるサウンドに近い印象の哀しくも美しく、正にレイって印象のサウンド、それから前作「ストーリーテラー」から続くレイ風な作品に分けられるかな。ま、アレコレ書いてもしょうがないんだけど(笑)、多分コレ、50回くらいは聴けるな。久々に良いものに出会えたっていう直感があるし♪

 んなことでキンクスから離れたレイ・デイヴィスなんだけど、ホントに離れたのかな?昨年はロンドンのロイヤルアルバートホールでライブをやったらしくて、しかも自分のバンドを従えてやっているって言うんだから、ならキンクスでやってくれれば良いのにな~とか思うんだけど。1995年に来日した時にはクラブチッタ川崎で目の前でキンクスを見て、ザ・ニュースのお姉さん達と仲良くなって、ステージの裏で待ってたらボブ・ヘンリットのスティックもらったりして楽しかったな。その年の12月には確かレイがソロで来日して今度は渋谷のちっちゃなホールで5メートルくらいの距離でレイを見て盛り上がってた。大物バンドの大がかりなステージも良いけど、やっぱ小さなハコで親しみを持って接触するライブの方が好きだな。ジョー・ストラマーの時もそういうので見たから凄く想いが伝わってきたしね。レイはまたどこかで見たいな。

ボウイ - インスタント・ラブ


 ボウイって売れる前は結構なロックバンドだったんだけど、一般的になってからはもちろん音楽的には発展しているんだろうけど別に好みじゃないし、このブログの今の流れには全く乗らないハズなんだけど、初期のボウイがあるから一応そこまでのボウイってことで書いてみよう。彼等を知ったのは三枚目のアルバム「ボウイ」がリリースされた頃だったんだけど、それよりもファーストセカンドの方が全然かっこよくってね。当時布袋氏は確かオート・モッドとペッツっていうバンドとボウイを掛け持っていて、そんな浮気性のヤツなんざ大したことないな、なんて思ってたんだけど見事に自分が一番力を入れていたバンドが大成したのかな。その辺よく知らないけどさ。

 で、そのファーストアルバム「モラル」が結構キャッチーなくせにパンキッシュなロックで面白かった。「イメージ・ダウン」なんて挨拶代わりにはピッタリの音で、確か後期までライブで残っていたんじゃないかな。このファーストでダントツの出来映えは音楽的には「No N.Y」だろうね。まぁ、ロック的って言うのでもないんだけど、氷室さんの声質が見事に合っているってのがいいかな。でも個人的に好きなのは「モラル」だっけ?歌詞がひねくれてて良いんだよ。「人の不幸が大好きさ、そいつを知ったとき俺はにやっと笑っちまった」なんてさ、普通書かないし、考えないし、でもそんなのをモロに言えるって面白いバンドって思ったもんね。だけど、それ以上にこのバンドの場合はセカンドアルバム「インスタント・ラブ」の方が面白い。ファーストから二人消えて4人になってからのアルバムで、その分ハジけてとんがっていてパンキッシュかつキャッチーになっているので以降のボウイの方向性とスタイルの片鱗は見え隠れしているんだけど、それが売れるかどうかは別としてかなり独自性の高いサウンドであることは確か。ちょっと甘ったるいのがあるのもこのバンドの特徴かな。

 次のサードあたりからはちょっと好みでなくなってきて、その後「Just A Hero」で大ブレイクした頃は見向きもしなかったのでよく知らないんだけど、少なくとも初期ボウイはロフト系バンドの一角だったし、その辺のバンドとのデッドヒートを繰り広げていた部分があった。今となっては色眼鏡で見てしまう部分はあるけど、まあ、みんなが憧れるヒーローになったんだからきっと良いことなんでしょう。多分ね、本人達が一番わかってるんだろうなと思う。そして多分、勝ち組(笑)。そういうロックもあるさ♪

A.R.B - Love The Live


 ARBとの出会いはロックな先輩の家でのことだ。ガキの頃、アレコレと夜中に邪魔しては色々とロックを教えてくれた、っつっても何にも言わないんだが、勝手にレコード聴いてギター弾いてっていうことを毎週していて、片っ端から聴き漁ったものだ。そんな中で唯一日本のバンドでかっこいいのあるぜ、って言って聴いたのがARB。もちろんファーストの「野良犬」なんていうかっこいいシングル曲から始まったんだけど、田中一郎氏の時代のアルバムはどれもかなり好きだね。中でも「トラブル中毒」や「W」。「指を鳴らせ!」は相当好き。「トラブル中毒」はホントにどの曲もヒシヒシと石橋凌のメッセージと熱い魂が伝わってくるサウンドで、真のロックを聴かせてくれる作品。バックの音はそんなに歪んだギターなワケでもなく、どっちかっつうとコーラスのかかったようなニューウェイヴ的サウンドなんだけどビートと強さが違う。それに石橋凌の唄が乗っかるわけだからそりゃロックになるわ。「ピエロ」のベースラインとか独特のものだったし、やっぱり最後の二曲には打ちのめされたね。「トラブルド・キッズ」の何とも言えない…悲愴感と言うのかアグレッシブなロックというのか…、クラッシュ的なモンなんだけど全然スタイルも違っていて、でもとにかく心に響き渡る最高の名曲。続いての「ファクトリー」も正に労働者のための歌詞を曲と共に盛り上げていくARBアンセムのひとつ。この若さでこんな歌詞、よく書けるものだとほんとに今聴いても感心する、それくらいよく伝えているアルバム。

 月日が経ち、メンバーも替わったりしたけど、その集大成としてリリースされた「Love The Live」というライブ盤が1989年にリリースされている。その前に田中一郎時代のライブ盤として「魂こがして」という名盤も出ているんだけど、選曲の良さから個人的には「Love The Live」をよく聴く。ここでギターを弾いているのは白浜久さん。すげぇロックなのにクールなギターを弾く人でしっかりと当時のARBの要になっているし、新しい息吹ももたらしているんだと思う。で、このライブ盤はホントに石橋凌のMCひとつづつが感動をもたらせてくれるし、ノリにのっているライブでかっこいい。「Holiday」なんて絶対にライブの方がかっこいいし、それは「ダディーズ・シューズ」でも一緒かな。でもね、クサいけど、やっぱり「一生歌っていきます…魂こがして」ってのは泣ける。ほんとに素直に想いの伝わる人で、ロックな人。俳優になるとかどうのってのは全然気にならなくって、オトコとしての憧れっていう人かな。ARBロック論から脱線してるけど(笑)。

 昔、キースの住んでいた街に自分も住んでいたことがあって、けっこう普通に見かけてたことがあった。トレードマークのサングラスはしない普通(?)のおじさんって感じなんだけど知ってる人は見りゃわかるよ。でもね、声掛けようって気になる雰囲気じゃないな(笑)。結局ずっと遠目に見てたし、自転車に乗ってるキースを見るのもそうそうないけど、やっぱりさ、ロッカーに会うならライブが一番だよ。余談でした♪

ザ・モッズ - Fight Or Flight

FIGHT OR FLIGHT-WASING(DVD付)
 ある日テレビを見ているとマクセルXLシリーズのCMが流れていた。CMそのものもクールでロックなもので印象的だったんだけど、流れていた音楽がかっこよかった。ザ・モッズの「激しい雨が」って知って聴いていたんだけど、その頃このシングルをプレゼントでもらってさ、よく聴いたんだけど、A面も去ることながらB面に収録されていた「Two Punks」のライブバージョンがとてつもなくかっこよかった。自分にしては珍しく歌詞にも印象を受けたな。最後のヴァースでの「俺たちは乗ることができなかった…、俺たちは乗せてもらえはしなかった」という否定的な下りからはみだし者への定義って言うのかな、そういう歌詞の書き方っていいな、って。う~ん若かったな~俺(笑)。

 そんな出会いから「Two Punks」の入ってるアルバムを探すんだけどこれがさ、ファーストアルバムでね、1981年当時とんがってた様子がそのままパッケージされているものでルースターズのファースト並みにガラの悪い連中がジャケットを飾ってていいね。久々に引っ張り出してきたんだけど、聴く前にタイトル見てるだけで曲が浮かんできたくらいだから結構聴いたのかな。それても覚えやすいキャッチーなサウンドだったのかもしれないな。悲愴感って言うのがこの頃のロックのアルバムには絶対あって、悲愴感+疾走感が好きになったのもこの辺の影響かも。「崩れ落ちる前に」や「ノー・リアクション」、「くよくよしたって…」、そして「Tomorrow Never Come」なんて終わった唄が最後を飾る、どれも脳天気なロックじゃないけど、その分ハマりこめるサウンド。しばらくしたらその容姿はクラッシュの真似だったと気付くんだけど、そんなの全然気にしなかったし、ならなかった。独特のかっこよさを持ってたな。そんな経緯で聴いているからルースターズやサンハウスなどと合わせてめんたいロック、めんたいビートの一派と気付いたのはもっともっと後の話。そもそもそういうサウンドが好きで聴いていたら結局めんたい系だったっていう(笑)。

 今CDでは売ってないみたいだけど「Jail Guns」っていうライブ盤があって、これもやっぱりかっこよくってさ、やっぱり昔からロックってのはライブ盤が好きなんだよな。スタジオ盤で曲を覚えてライブ盤で更に乗る、できれば本物のライブを見に行くのが一番なんだけど、当時はまだそこまでカネなかったし2800円なんて大金はライブ一発にはなかなか使えなかったな。で、アマゾン見てたら全然売ってないのな。しょうがないからベスト盤でもオススメしておこう…「The Mods Best "Records"」がトップに出てきたので、コレで(笑)。でもさ、しっかり初期の曲もナイスな選曲されてるのでいいかもしんない。そんなことなので「激しい雨が」の収録されていた「Hands Up」までのアルバムはよく聴いたな、懐かしい。今でも不変のメンバーで活動してるってのもまた凄い。

ザ・ルースターズ - ザ・ルースターズ


 意外や意外と思うくらいに反応の良い日本のロック、しかもめんたいロックで走っている今日この頃なんだけど、ちょこちょことみんなのコメントに出てくるので、オンタイムでルースターズ書きます♪ …っつっても自分に取ってのルースターズ初期体験は既に大江さんがいなくなった後だったので、全く興味を示さないバンドでした。やたら綺麗な透明感のあるニューウェイヴバンドという印象しかなくって、以降もあんまり手を出さなかったんだよね。でもアレコレと漁っていくとやっぱそこかしこで名前が出てきて伝説になりかけててさ、何でだろ?って思ってたくらい。しかし、ある日レコード屋で何気なく漁ってたらえらくガラの悪い不良そのものの4人組のジャケットを発見して、「お?」って思ったらルースターズのファーストアルバムだった。あまりにも危険な面構えをした4人組なので全くルースターズっていう印象がなかったんだよなぁ。で、もちろん気になったので入手して颯爽と家で聴くと…、かっちょえぇ~!!これがロックだよ!ってくらいにジャケットの印象を裏切らないエッジの立ったシャープなロックでハマった。おかげで未だにファーストから先に行けない(笑)。

 そんなことでとにかく1980年発表のこのファーストアルバムは突き刺さりそうにとがった鋭利なロックが詰め込まれていて、大江慎也の強烈なビートと歌声が全てを引っ張っているし、池畑さんのドラムもパワフルで迫力満点。そして何と言ってもめんたいロック独特のパクリと歌詞のセンス、曲のタイトルのセンスが最高!冒頭から何かが始まる予感をさせる「テキーラ」で、「恋をしようよ」からはもうルースターズ流ブギが炸裂…「俺はただあんたとやりたいだけ…」。う~ん、正に柴山さん的歌詞の書き方で、曲もサンハウスっぽくって素晴らしい。そして柴山・鮎川コンビによる「Do The Boogie」ってのもあるからやっぱりその辺のめんたいロックの伝導は受け継がれているんだよな。タイトルもさ、「新型キャデラック」じゃなくって「新型セドリック」だもんな(笑)。それにしてもどの曲でも大江慎也のカッティングギターがとんでもなくとんがっててかっこいいったらありゃしない。「どうしようもない恋の唄」もサンハウスに習ってThe Whoの「Heatwave」のパクリの独自解釈で、これもまた凄いんだな。最後はトレードマークともなった悲壮感漂う名曲「ロージー」。

 アルバム全部を通しても32分と短い作品なんだけど、中味は強烈なロックのアジテーションが詰め込まれている傑作。初期のライブは結構海賊盤まがいの商法でオフィシャルCDがリリースされているんだけど、どれも強烈なライブの様子が聴けるので絶対オススメ。今はアマゾンで「The Basement Tapes~Sunny Day Live At 渋谷Egg Man 1981.7.14」ってのが手に入るので聴いてみてほしいな。更に「The Basement Tapes~Sunny Day未発表スタジオ・セッション」って言うアウトテイクスもんまで出ているので驚き。更にデビュー前の北九州時代の音源を収めた「I'm King Bee」ってアルバムまでリリースされているのだ。で、こんなのをアレコレ収めたのが一昨年リリースされた究極の32枚組ボックスセット。さすがに入手してないけど凄いよなぁ。日本のバンドでここまでアウトテイクストかライブテイクとかが発掘されてリリースされ続けるバンドってほとんど見たことないしさ。伝説に納得。そしてこないだはフジロックでオリジナルメンバー再結成にてラストライブ敢行という落ちが付くんだな。うん、かっこいい。

シーナ&ザ・ロケッツ - ♯1


 バンドとしては長い期間活動していたサンハウスだが、東京に出てきて活動を始めてからはなかなかうまくいかないことも多く、メジャーデビューしてからの活動期間はそれほど長くなかった。それでも鮎川さんの名前は圧倒的にロックシーンに轟き渡っていたようだ。ある日シーナと出会った鮎川さんはその日から彼女と一緒に住み始めたと言う、それくらい強烈に二人の個性は引き合った運命だったし、タイミング的にもサンハウスで上手く進まない時期だったこともあり、運命という言葉以外ではこのシーナ&ザ・ロケッツというバンド結成は考えられない。純正めんたいロックの伝道師として位置付けられてもおかしくないんだけど、もちろんそれ以上に日本に於けるロックンロールの真髄を語るバンドとしての側面の方が強い。鮎川さんのギターは国籍不明(本人の話し方もだが…)としか言いようがなく、街角で彼のギターが流れていてもどこのかっちょいいブリティッシュブルースギタリストだろう?と思ってしまう音色だ。純正のブルースではなくロックなブルースギター、パンクなだけのギターではなく艶めいたサウンドを持つギター。そしてフレージングには全く日本人らしさがないというのも面白い。その反面シナロケというバンドが奏でる音楽はモロに日本的なものなのでそのギャップがウケるのかもしれない。

 「♯1」。これがシナロケ最初のアルバムで、ほとんどサンハウスと同じサウンドで迫ってくるロックンロールアルバム。作詞に柴山さんも積極的に参加しているし、シーナがいなければ柴山-鮎川ラインってのはミック-キースとして不滅のコンビだったと思われるんだけど、やっぱりそれも運命。「♯1」に込められたサウンドは古き良き、そして懐かしき日本を思い起こすわかりやすい歌詞、シーナの可愛い歌声からヒステリックな歌声までを収めたもので、誰もが皆心に染み入るメロディもさすが。名曲「レモンティー」から「アイラブユー」「ブーンブーン」「ビールスカプセル」なんてバリバリのロックンロールや、最後は恒例「カモン」だしね。でもね、「ボニーとクライドのバラード」とか「400円のロック」とか凄く良いんだなぁ。全く粗野な飾らない日本のロックの名盤の一枚。もちろんその後のアルバムもそれぞれいいトコロあるんだけどさ。

 そういう意味ではシーナが産休のためバックに回った鮎川さん率いるロケッツ名義での「ロケット・サイズ」ってアルバムやこないだ紙ジャケがリリースされたばっかりの「クールソロ」ってのはもう本物のロックンロールで実にかっこいい。歌が変わるだけでこんなに変わるんか、ってくらい骨の太いロックになってる。もっともっと目立っても良さそうなもんだけど、やっぱシナロケでの活動が一番自然なんだろうね。最近ではアチコチのセッション活動にも精を出していて、幅広い活動を目にするんだけど最初期のこの「♯1」がやっぱり原点。

サンハウス


 1960年代の終わり頃、我が国日本でもロックンロールの先駆者達が遠きイギリスのサウンドを聴いて自らの仲間と共に試行錯誤を繰り返して独自のロックンロールを編み出していった。誰が最初でなんてのはもちろんわからないんだけど、その消化の仕方や取り入れ方、独自のセンスと才能とメンバーの力量などが上手く化学反応を起こしたバンドと言えば絶対に柴山”菊”俊之氏と鮎川誠氏率いるサンハウスでしょう。

 有名なのはヤードバーズの「The Train Kept A Rollin'」をまんまパクった「レモンティー」なんだけど、だからといって誰もそれを批判したりするわけでもなく、そういうものとして受け止めているし、それもあり、っていう感じの風潮でもあるところにサンハウスのロックの本質が流れているんだろうな、と。色々と聴いているともっともっとそれ以外にもそこら辺のイギリスのロックからのパクリなんてのは彼等の作品の中にはどっさりと組み込まれているので、好きな人が聴けば一発で元ネタがわかるだろう。でも、だから何?そうやってロックはブルースから受け継がれてきたもので、我が国にもそんな素晴らしき先輩がいるってのは凄いことだよね。だからこのバンドはどんな作品で、どんなライブでも好きです。リリースされたアルバムでは「有頂天」「仁輪加」くらいがオリジナル盤で、それ以外は全部ベスト盤やらレアテイク集などなどなんだけど、まあ今入手するなら「ツイン・パーフェクト・コレクション」っつうベスト盤が一番妥当なのかな。ちょっと前には究極のボックスセットもリリースされていて、自分ではこいつを重宝しているんだけどね。ライブテイクが目白押しでかっちょいいんだもん。スタジオ盤とは全く異なるアプローチでのライブなのでやっぱロック。柴山さんのオフィシャルサイトでご自身がサンハウスの経歴については詳しく書いているので読んでみると凄く面白いんだけど、やっぱり自分たちが出したかったブリティッシュロックの音はスタジオ盤では上手く反映されていないっていうのがあったらしくってさ、それを読んだら実際のライブの時って一体どんだけブリティッシュロックな音を出していたのかが凄く気になるんだよな。だからアチコチのボーナストラック的に入っていたライブバージョンってのはやっぱ凄いのさ。

 ま、書いていくと話がどんどん逸れていくのでちょっと本題へ(笑)。いや、結局ね、「レモンティー」のパクリが有名なんだけど、サンハウスの代名詞的曲でもある「キング・スネーク・ブルース」はもちろんThe Whoの「I Can't Explain」だし、「風よ吹け」はヤードバーズの「You're A Better Man Than I」だし、「もしも」なんてのもThe Whoがやってたバージョンの「Heat Wave」だしね。こういうセンスはたまらんワケさ。んでもって、柴山さんの歌詞も超最高のブルースで、どれを取ってもひとひねりふたひねり効いているかっこよさがまたたまらん。「ミルクのみ人形」とか凄くブルースでさぁ、「僕のミルク飲み人形は…」だよ?う~ん、素晴らしい。これもさ、実際サンハウスがデビューする前までは全部英語でしか歌ったことのなかった柴山さんがいきなり書くとこういう風になったっていうから凄い。やっぱり才能とセンスと好きなんだろうなぁ。今でもたまに新宿をふらついているとディスクユニオン辺りで柴山さんをよく見かける。凄い雰囲気を持った人で、かっこいい。下北沢行くと鮎川さんを見かけることがある。やっぱりロックでかっこいい。ああいうロックな野郎になりたいね。自然体でね。

The Yardbirds - Little Games


 三大ギタリストの在籍したバンドとして有名なヤードバーズだが、その多くはファーストアルバム「Five Live Yardbirds」のクラプトンのプレイや以降のいわゆるジェフ・ベックが在籍していた頃のものが一番多く取り上げられているし、音源もいっぱい残されているし、ベスト盤なんかもしょっちゅうこの時期に集中してリリースされるんだけど、実はジミー・ペイジ期ってのはあまり語られないのだ。その後のZeppelinがあまりにも偉大すぎるので、話の焦点がそっちに行ってしまうからなんだろうけどね。せいぜい映画「欲望」に出演したヤードバーズのライブシーンでペイジとベックの珍しい組み合わせが見れる程度で、この時代は実に短期間だったため貴重な映像ではあるんだろうなぁ。

 で、今回は敢えて自分でもあまり聴かない(偉そうに書いてるくせにやっぱりペイジ期のヤードバーズはあまり聴いていない)アルバム「Little Games」です。現行では多分1CDで数曲ボーナストラックが入った程度のものになっているんだと思うけど、ちょっと前にはステレオ・モノ、レアテイクなどをまとめて一気に収録したお得な2CDセットがリリースされていて、飛びつくようにして入手したんだよな。モノ・ステの違いはそんなに気にしなかったけど、それでもやっぱりミックスが異なるので聞こえてくる音は違うわな。それとこの時期のレア曲が一気に収録されたのは嬉しかったなぁ。更に嬉しかったのは絶対に見つからないと思っていたTogetherのシングル曲が収められたこと。キース・レルフがヤードバーズ解散後に組んだデュオフォークバンドの音で、まずCD化されないと思ってたのでラッキーだった。聴いてみると別に大したもんじゃないのはいつものことなんだけど(笑)。

 ま、この時期の音源としてZeppelinファンの間では有名なんだろうけど、ペイジが回収したというライブ盤「Live! Yardbirds」がイカサマものとしても貴重なライブ音源で、しっかりと「幻惑されて」もやってるしジャニスの「My Baby」をキース・レルフが歌っていたりと楽しめるアイテムだ。CD出てるのかな?昔一生懸命探して探してオリジナルのような再発盤を見つけて入手したけど、嬉しかったなぁ。「White Summer」なんかこの時期からやってるワケなんで、…ってことはだ、二十代前半にして最早このテクニックと音楽性を身につけていたってのはやっぱり驚異的。天才なワケだ(笑)。更に既に廃盤になってしまっているみたいなんだけどこの時期のレア音源をまとめた「Cumular Limit」ってのも出ていたことがあって、マニア驚喜の代物♪これも必需品でしょ。うん。やっぱかなりかっこいいな。パワー不足な面を除けばね。

Renaissance - In The Land Of The Rising Sun


 美しき歌姫の異名を取る女性は数多くいるものの過去30年間クリスタルボイスを聴かせ続けてくれるのはルネッサンスのアニー・ハズラムでしょう。2001年それなりのルネッサンスという再結成メンバーで初めての来日公演を行い、多くのファンを満足させたことは記憶に新しいハズなんだが…。もちろん自分もライブに駆けつけてね、見に行きました。新宿からは結構遠い新宿厚生年金会館まで3月の寒い中を歩いてった記憶がナマナマしいな。そこで見た初めてのルネッサンス、そして90年頃に一度アニーさんはソロで来日しているんだけど、その時は見ていないのでこのルネッサンスが初めてのナマ体験でさ、いや、声ってのは衰えないものなんだな、と改めて実感したくらい往年のクリスタルボイスを聴かせてくれて、しかも選曲が良くってさぁ。往年の名曲のオンパレードで、涙出てきたもん。もちろん新作も結構やったんだけど違和感ないんだよね。凄いなぁ~って感じで。でも後半、「Mother Russia」とか「Trip To The Fair」なんてのがズラズラっと歌われて、最後は「Ashes Are Burning」でのアレ、やっちゃうんだもん。20分以上の演奏で圧巻。まざまざと思い出してきた。しかもしばらくしたら自分の見に行った公演がオフィシャルCD化されるって聴いて驚き、速攻で入手したけどね。アニー自らが書いた絵をジャケットにした「In The Land Of The Rising Sun」としてリリース♪

 …ってなことでホントは日本公演のCDを取り上げるつもりじゃなかったんだけど、せっかくだから取り上げておこう(笑)。最初はそんなことからあまりルネッサンスのアルバムが語られた中では取り上げられることのないキング・ビスケット・アワー音源を収録したCDが二種類も出ているので、そしてライブアルバム「Live At Carnegie Hall」よりも良い演奏なのでなかなかのお気に入りってことで取り上げるつもりでした♪ 名作…って言っても正直セカンドアルバム「Ashes Are Burning」から「A Song For All Seasons」までのルネッサンスのアルバムに外れは全くないので、どれもこれも名作なんだけど、中でも大作志向に走った感のある「Scheherazade & Other Stories」「Turn On The Cards」ってのが中心になったこのKBFHライブ盤は美しさと円熟さ、更に熱いサウンドを140分に渡って満喫させてくれるのでもうお腹いっぱいになるくらいに楽しめる。やっぱり躍動感が違うよね。クラシカルなサウンドに美しい歌声、でも絶対にロックっていうところが面白いね。

Trader Horne - Morning Way


 英国三種の神器と歌われるメロウキャンドルチューダーロッジスパイロジャイラとは同レベルで語られることはなく、どちらかと言えばキング・クリムゾンやフェアポート・コンベンションと並んで語られることの多いトレイダー・ホーンサンディ・デニーフェアポート・コンベンションに加入する前までフェアポートで歌を歌っていたのがジュディ・ダイブルで、今でもジュディ期の音源はいくつも残されていて、特にフェアポートのファーストアルバムでは若々しくも落ち着いた歌を聴かせてくれる。で、その後彼女が選んだバンドがゼムに参加していたジャッキー・マッコーレー(カタカナで書くとマヌケだが)と共に結成したトレイダー・ホーンなのだ。そしてクリムゾンと並べて語られるのは1969年当時、イアン・マクドナルドの恋人だった関係からクリムゾンの「風に語りて(I Talk To Wind)」のオリジナルデモバージョンのボーカルを務めていたワケだ。今、これ聴けるのかな?昔はクリムゾンの二枚組ベスト盤「新世代の啓示」で聴けたんだけど、確かボックスとかにもあったかな?覚えてないけど(笑)何かで聴けるんだろう、きっと。

 そんなことで歌には定評のあるジュディ・ダイブルの歌声がたっぷり…とは聴けないのがイマイチこのバンドにハマりこめないトコロなんだけど、半分くらいしか歌ってないんだよね。だけど英国フォークとしては適度にオトコと女の歌声がある方が味があるってことは確かなので、まあいいのかな、とも思う。純粋にフォークアルバムとして聴くべきサウンドで、ほのぼのと、とにかくロック的な激しさなんてのは全くなくって、何となく寒いなぁって言う哀愁漂う印象で、それでいてどこか温かく感じる面もあるのは音色が自然だからだろうね。結構ほっとするアルバムなのでこの辺から英国フォークにハマる人はハマるんかな。そう、クリムゾンの「風に語りて」の延長がひたすら続くというイメージが近いかも知れないね。そんなアルバムタイトルは「モーニング・ウェイ」で1969年にリリースされた本作だけで消えていったバンド。

Mellow Candle - Mellow Candle

Swaddling Songs The Virgin Prophet: Unreleased Sessions 1969-1970 Whistling Jigs to the Moon

 美しき女性ボーカルによるロックは英国ならではの味わいで多くの英国ロックファンの心を捉えて離さない領域のひとつで、もちろん自分もそういう美しいものは大好き♪ キャタピラのアンナ・ミークやカーヴド・エアーのソーニャのようなお転婆系姉さんもいいんだけど、お淑やかな妖精のような歌声を披露してくれるのも良いのだ。そしてメロウキャンドルというバンドはそんな美しい声の持ち主を二人もボーカルに据えていた素晴らしきバンドなのだ。それだけでなく音楽面に於いても独特の美しき世界を創り上げている超名盤を世にリリースしていて、何とも素晴らしいバンドなのだ。

 アルバムとしては「抱擁の歌」というタイトルの作品一枚だけしかリリースされていないんだけど、冒頭の「Heaven Heath」からハープシコードの音色とフォークの味わいが見事に昇華されていてついつい聴き入ってしまう名曲。何でも歌っているのは当時16歳の少女だったというから凄い。その年齢でないと出せない歌声だったのかもしれないけど、ず~~~っと聴いていても絶対に飽きない、何度でも繰り返したくなる美しさはさすがに英国フォークの三大バンドに数えられるだけはある。こんなのは電車の中で聴いてはいけませんね。スピーカーでゆったりと瞑想しながら聴く音楽です。

 90年代になっていつものようにレコ屋漁りをしている時に何気なくフォークのCD棚を見ていたらメロウキャンドルの全然知らないジャケットの作品が置いてあって凄く驚いたんだけど、興味津々で買い込んでしまったのがそのアルバムのアウトテイク及び未発表曲をまとめた作品で「The Virgin Prophet: Unreleased Sessions 1969-1970」というタイトルだったんだけどジャケットはメロキャンらしくないし何だかなぁと思って聴くと本当にアウトテイクで驚いた。アルバムバージョンとは明らかに異なるラフな状態のままの音源でこれもまた聴きまくった。新鮮で新鮮で…。で、そんなを発見したので更に漁っていったらもっと驚くことにボーカルの片割れであったアリソンとデイヴィッド・ウィリアムズが組んだFlibbertigibbetが南アフリカのみでリリースしたアルバムも同じレーベルからCD化されていて泣きながら買ったなぁ。しばらくしたら更に片割れのクロダー・シモンズがミニアルバムをリリースしていたのも発見して、しばらくメロキャン三昧…。とにかく英国でしかあり得ない美しきプログレッシブな香りも漂うフォーク感のあるメロウキャンドルは絶対にオススメなのだ。

Catapilla - Changes

Changes
 ジャジーなサウンドでロックを演奏するバンドってのは技巧派からモノマネまで多数存在しているんだけど、まぁ、普段あまり聴かれることのないサックスなんかがロックの中に登場すると一般的に「ジャズロック」と云われることが多い(笑)。もっともな話でもあるんだけど、ドラムが、ベースがと色々と突っ込まれるのはヨシとして、今日はそんな中でもかなりヘンなバンドなんだけど美しき女性ボーカルがメインなので不思議な聴きやすさがあるキャタピラです。

 キャタピラ=イモムシ、そしてジョ・アンナ・ミークと言う結構綺麗なお姉ちゃん、もちろん歌声も綺麗で良いんだけど、バンド名とのギャップが面白い。1970年クリスマスに結成して1971年にファーストアルバム、翌年にセカンドアルバム「Changes」をリリースして消えていったバンドで、一言で言うならば混沌としたサウンドの中に光る美しき女性ボーカルとサックスプレイ、そして結構重めの演奏をするバンドがひたすらとロックを刻む妙なバンド、です。ファーストは正にその通りのサウンドで、アルバム全曲でも4曲しかない(笑)。1曲目(16分)と4曲目(24分!)と気合いが入っていて、途中に挟み込まれている小曲はなかなかポップで小気味の良いロックサウンドとブラスロック(笑)というワケのわからん展開もよろしい。ジャケットは表面がかじりかけの林檎、裏面が芯だけになった林檎。そしてセカンドアルバム「Changes」では林檎をかじった犯人?が登場する、モロにイモムシ、です。予想通り表面がイモムシの顔面、裏面は背中です(笑)。アナログで初めて見た時はけっこうキモかった(笑)。そのセカンドアルバムは更に混沌とした空気感の中にサウンドが広がっているようなイメージで今回も全4曲というポリシーは変わらないんだけど、前回とは異なり12分+6分が繰り返されている。しかし前作のような大きなメリハリは付けられていないため、ただただ混沌の垂れ流し的アルバムという感じでキャタピラ独特のケダルさが違う。好みは正直言ってその日の気分によって変わるだろうなぁ。コレ聴いてすっきりと明るくなる人はいないだろうから(笑)。でもね…心地良い♪ セカンドの方が好む人もいるんだろうな。ちなみによく名盤といわれるのはセカンドですね。

Colosseum - Live



 デイヴ・グリーンスレイド、ジョン・ハイズマン、クリス・ファーロウ、クレム・クリムソン、ディック・ヘクストール・スミスと云った面々で構成された英国ジャズロックバンドの代表格として呼ばれるコトの多いコロシアム。1968年から1971年にかけて活躍した短命のバンドながらも正に英国的なロックサウンドでしっかりと歴史に残る名盤を残している。スタジオ盤の傑作を挙げるならば上記メンツの出揃ったセカンドアルバムにして最高傑作である「バレンタイン組曲」だろうなぁ。初っ端から普通と違うジャズ的なドラミングと妙にポップなヴォーカルラインで始まりながら、本作から参加したクレム・クリムソンのエグいギターオブリガードが響き渡り、音楽的幅広い展開を見せることを予感させている。この人入れて大正解だよね。そういえば本ブログでも何度か登場したヴァーティゴレーベルのレーベル設立第一弾のアルバムはこの「バレンタイン組曲」だったりするんだな。

 それはそれとして、やはり全てのロックファンを唸らせる傑作アルバムとしては最後の最後、解散直前に行われたライブを収録した「Colosseum Live」が熱い。スタジオ盤でのなんとなく上手いけどなぁ、っていう感触がこのライブ盤では凄く白熱した演奏と疾走感で迫ってくるので、やっぱりロックはライブに限る。ライブならではの遊びもたっぷり聴けるし、グリーンスレイドの鍵盤とメンバー間のやりとりも実に美しくキマっていて、それはもちろんディック・ヘクストール・スミスの天才的な吹奏楽器奏者との掛け合いもあり、クレム・クリムソンもその間に入ってくる。もちろんリーダー、ジョン・ハイズマンのドラムが全ての狭間に存在していて、正直言ってクリームでは出来きれなかったロックのジャズ的解釈が更に深く展開されていて、それだからこそジャズロックの代表格とも云われてしまうんだろうけど、コレ、絶対ロック。クリームの目指したもの以上のことが出来ているバンド。で、ボーカルがクリス・ファーロウなんだから圧巻だわな。この人一言歌うだけでブルースなんだよね。だからクレム・クリムソンとはピッタリ。しかし上手いバンドだ。全ての楽器に無駄がなくって素晴らしい作品。こんなバンドやってみたいなぁと思うバンド形態だな(笑)。

 1994年に突如再結成してライブを行ったようで、その時のDVDなんかもリリースされているみたい。多分上手いのは変わらないだろうから案外面白いかも。映像と云えばこのバンド、やっぱり何かとお得な「Super Show」にも収録されているので再度見てみるとわかるんだけど、うん、ディック・ヘクストール・スミス目立つ(笑)。

Greenslade - Greenslade


 真のプログレッシブバンドとしての称号を受けても恐らく多くのリスナーは文句を言わないであろう英国ロック史で最も進化的なサウンドを出していたグリーンスレイド。いわゆるスーパーバンド的合体によるバンド結成がよく言われていて、サムライっつうバンドに在籍していたデイヴ・ローソンとコロシアムにいたデイヴ・グリーンスレイド、トニー・リーヴスにクリムゾンの「Lizard」でドラムを叩いていたアンディ・マッカロックが加入した純英国的ロックバンドで、バンド編成はドラム、ベースに鍵盤二人という組み合わせなのでギタリストである自分には聞くべき点がなく、ソレが故に純粋にリスナーとして音楽としてこのバンドをじっくりと聴くワケだ。

 アルバムリリースは1973年、ファーストアルバム「Greenslade」でデビューしたんだけど、このファーストアルバムが最高に素晴らしい。キャッチーでポップなフレーズをいくつか持っていて、オルガンで派手に鳴らしておきながら曲中ではメロトロン主体とした落ち着いた感のある曲構成が彼等の持ち味で、そこにアンディ・マッカロックの軽くてジャジーなロールチックなドラムが絡むのでもの凄く心地良いのである。後のアルバムになればなるほど鍵盤奏者二人のエゴが強くなってきて、合作という手法から離れていくのだけど、このファーストアルバムはやはり全員が一緒になって参加しているし、そういう面でしっかりとバンドらしさを放っている。この傾向は翌年発表のセカンドアルバム「Bedside Manners Are Extra」までは引き継がれているのでこのセカンドアルバムとも甲乙付けがたいんだけどね、どっちも良いよ。

 もうひとつこのバンドの良いところは当然ながらジャケット。ロジャー・ディーンによるグリーンを基調としたアートワークで彩られていて、これは後のセカンドアルバム「Bedside Manners Are Extra」4枚目「Time And Tide」でも反映されていて、しっかりとバンドのイメージ作りにも持ち込まれている。三枚目「Spyglass Guest」にはロジャー・ディーンが採用されていないのでがらりと印象を変えようとしたのだろうか、それとも1974年にセカンド、サードと立て続けにリリースされたことも影響があるのかもしれない。

 英国ロック好きの中ではかなり人気の高いバンドとして定着しているが、そのあおりからか2001年頃から再結成してライブを行っていたり、当時のライブ盤をリリースしたりとちょこちょこと騒がしい状況を作り出している。こういう傾向って良い…んだろうかねぇ。

King Crimson - The Great Deceiver 4CDBox


 キング・クリムゾン=プログレッシブバンドの代表格。そして最もメジャーな作品があのファーストアルバム。が、それはまたいずれかの日に書くとして…、先日のニドロローグもクリムゾン的と言われるんだけど、このバンドを敢えて例えるならば「リザード~アイランズ」の頃のクリムゾンのようだと言われるだろう。個人的にはそういう聴き方したことないからあんまり似てるっていう感じしないんだけどね。

 で、だ。その後1973年から74年のクリムゾンは他の追随を許さないほどのエネルギーを持ってサウンドの渦を構築し、絶対無比の存在となったワケだ。これはアルバム「太陽と戦慄」「暗黒の世界」「レッド」の三枚に全てが凝縮されていて、もちろんリアルタイムなファンにしてみれば一枚ずつ毎回裏切られることのない作品として迎え入れられたんだと思う。そして後追いの人間からすると、この三枚はほぼセットとして数えられるだろう。今回取り上げていこうと思っていたんだけど、どれか、と言っても選べなかったんで余計にそう思うワケなんだが…。

 そこでチョイスしたのがリリースされた時に驚喜した念願のライブボックス「The Great Deceiver」4枚組CD。1973年~74年のライブがこれでもかと言わんばかりに4枚のディスクに詰め込まれていて、正直一気に聴くものではない。が、先の三枚のアルバムが混沌と入り交じった選曲による怒濤のライブに加え、ライブでは有名だったがアルバムでは発表されていなかった「Doctor Diamond」なんてここで初めて公になったしね。曲目は見る人が見れば何のことなのか検討がつくだろうし、それくらいのユーモアは持ち合わせていて欲しいトコなんだけど、とにかく中味はハンパじゃない。エネルギーとパワーのぶつかり合いが激しく、そして美しくライブでスリリングに変化し、進化していく様子がまざまざと繰り広げられていて、楽曲の良さが磨きを増していることがよ~~~くわかる生のサウンド。もっともアルバム「暗黒の世界」などはライブからのテイクにスタジオで手を加えているという作品の作り方なので、この時期はそのままアルバムが制作できたレベルなのだろう。その証拠としてもうひとつ嬉しいリリースだったのは1973年のアムステルダムでのライブ音源を収めた「ナイトウォッチ」だね。これもこの時期のクリムゾンのライブの様相をしっかりと記録した激しく名演なんだけど、まあ4枚組CDの方が凄いかな。あ、そうだ、このアムステルダムのライブが「暗黒の世界」のベーシックトラックになっているみたいなので厳密に聴けば同じ箇所があるんだろうね。

 最近ではコレクターズシリーズと言うことで過去のライブ音源を海賊盤並みにオフィシャルサイトで連発していて、どさくさ紛れにブリュー時代以降のクリムゾンのライブも多数リリースしていて、古くからのファンを唸らセているみたい。個人的にはさっさと止めてしまったけどね。1969年のライブを収めた「Epitaph」は必死に買ったけどさ、オフィシャルサイトの何でもリリース発売ではさすがについていけないもん。でも気になる音源は入手してるかな。

 そういえば、また新たなる紙ジャケシリーズでファイナルバージョンと銘打ったCDがリリースされるようなのでちょっとはまた盛り上がるのかな。好きな人は何枚もアルバム買わされるんだろうね、大変だ~。

Gnidrolog - Lady Lake


 英国では白鳥が一番メジャーな美しい鳥なのかもしれない。アフィニティのアルバム裏ジャケットには物静かな白鳥が写されているんだけど、今度は驚きの表情を描いた白鳥を堂々とモチーフとしたB級プログレの超名盤(ってヘンな言い方かもしれないが)であるニドロローグっつうマイナーなバンドを久々に聴きたくなって聴きまくりました。とあるサイトでも最近取り上げられたのでそちらもオススメなんだけどね♪

 バンド名となった「Gnidrolog」はバンドを組んだスチュワートとコリン兄弟の性である「Goldring」を逆さに配しただけという安直なもので、英国ロック伝説に名を残すほどのバンド名にしては肩透かしを喰らうんだけど、まあ得てしてそんなものだろう(笑)。ファーストアルバムは1971年にリリースされたもののジャケットも地味で、中味もモロに時代を反映したB級インスト中心のアヴァンギャルド傾向の強いサウンドで、確かに売れないし好まる傾向ではないな、という感じ。が、翌年1972年にリリースされた「Lady Lake」はそんなサウンドが信じられないくらい洗練された、また指向性もはっきりとした快作が詰め込まれて、当時売れたかどうかは知らないんだけど時間が経てば経つほどに人気が出てきたようだ。そして何と言ってもジャケットのインパクトが英国的で素晴らしい。絵画として見たらそんなに上手いものでもないし、結構チャチだなぁというのもあるんだけど、やっぱりそこはレコードジャケットなので中の音と共にジャケットを眺めると素晴らしい効果がある。ジャケットに表現されている光景はアルバム中の最後に収められている「Social Embarrassment」という曲の最後部で完成されるので、アルバムの冒頭ではこの白鳥はただ水面を普通に泳いでいるだけで、辺りも暗くなく平和な風景だったはずだ。しかし一曲目「I Could Never Be A Soldier」という素晴らしきロックの名曲、決してプログレッシブロックという定義だけではなく、起承転結がしっかりしていてフルートも効果的に鳴らされているし、途中からのギターのフレーズも正にこの時期の英国ブルースロックがベースになったもので、更にブラスが絡んでどんどんと盛り上がっていく美しき、そして破壊的な作品。この一曲だけでもこのアルバムジャケットを表現しているとも言えるので、ダブルで凄いと思う。3曲目「Ship」では静かめな曲調になるというアルバムの構成がクリムゾン的と言われる所以だろう。

 そんなことで実に英国的で時代を反映した素晴らしきB級ロックの美しい代表作で、自分の中ではかなり順位の高いアルバム♪ バンドはその後消滅してしまったみたいだけど、数年前に唐突に1972年のライブ盤がリリースされたので驚いたものだ。更に調べていて驚いたのは2000年にバンドが再結成して新作アルバムを発表しているトコロだ。う~ん、やっぱり幻のバンドは幻のままで終わっていてほしいな。

Affinity - Affinity


 ヴァーティゴレーベルからは実に興味深いバンドがリリースされていて、正に混沌とした英国ロックの歴史を物語るに相応しいレーベルの代表格と言ってもよかろう。うん。1970年にリリースされた今や幻のバンドと化したアフィニティもその一つで、もちろんアルバム一作のリリースで解体し、ボーカルのリンダ・ホイルは後にソロアルバムをリリースして一瞬だけシーンに残るもののこれもレア作品としてマニアに受けるアイテムとなったのみだ。この時期の英国ロックの特徴でもあるんだけど、やっぱりジャケットの醸し出す鮮明な印象がバンドの音楽を物語っており、アフィニティの場合はキーフによる超代表的なアルバムになっている。オリジナルのレコードでは当然ながら見開きジャケットが採用されていて、水辺に佇む女性の前に実は白鳥が二羽彷徨っているのだが、CDではこのインパクトが実に薄く、迫力を欠いているところはサイズの問題が大きいのかな。しょうがないんだけどさ。やっぱり英国ヴァーティゴオリジナル盤のインパクトは凄いんだよな。

 一方音楽性の方ではこれまたB級なんだけどオルガンが頑張っていて、このバンドの特徴としてよく挙げられるかな。確かにギターにしても結構頑張っているんだけどイマイチハジけないリードだし、バッキングでも特筆したノリがあるわけでもないのでやむを得ないかな~っと。その他楽器も割と平凡な無難な演奏で、曲構成はというといわゆるプログレ的というのとはちょっと違う。オルガンが全面に出ているのでそういった印象が強いんだけど冷静に聴けばどっちかというとブルースロック的な側面もあって、ギターではないオルガンによるブルースの解釈に加えて、リンダ・ホイルという正にブリティッシュな女性ボーカルがアルバムの湿っぽさに輪をかけているっていうところかな。決して誰しもが聴くべきアルバムではないけど、アチコチで取り上げられることもあるマニア受けするバンドとジャケットなので結構好き♪

 最近幻のセカンドアルバムっていうことで突如として未発表音源もリリースされているけど、未聴のためコメント不可。こういう幻のバンドの発掘音源ってのも凄く貴重なのはわかるんだけど、大切に誰も触れないでそっと置いておいてほしいバンドのひとつだったかな。ちょっとだけメジャーな話とするとベースにモ・フォスターが参加したバンドってトコくらいか。



Still Life - Still Life


 「Still Life」と言えばヴァーティゴレーベルに1971年に残された幻のバンドとしてその筋ではかなり有名なバンドがある。マニアの間ではこれはピーター・ハミルだなどと言われたりして、このような伝説を作り出すとはヴァーティゴレーベルもなかなか粋なことをしたものだ。もっともそれが意図的なのかどうかは全くわからないが、少なくともレコードには曲目と作曲者の名字のみのクレジットはあったものの全くそれが誰なのかがわからなかったという素晴らしき演出。このスティル・ライフのメンバーの顔が見れるのはダブルジャケットの見開き面にうずくまった4人のメンバーが見れるのみで何のインフォもなかったという正に幻と化したバンドなのだ。

 しかし今のこの時代、世界中の誰かがそれを探そうとして発掘されるものなんだねぇ。凄い時代です。ここスティル・ライフというバンドについてのことが書かれているのでなるほど~と感心。これでバンドの謎については一件落着なんだけど、それでどうした?って感じで、まあミル・マスカラスの素顔を見たからどうというものではないけど、見てみたいという願望と同じで納得したいだけなんでしょう。

 そして肝心の音の方だけど、さすがヴァーティゴレーベルなだけあって実力派なんだけどいまいちB級ってトコがまたマニアの人気度を高めるところなんでしょう。オルガン主体のプログレ、、、プログレって言葉の定義が非常に曖昧なのであまり使いたくないから、オルガン主体の結構ビート感のあるロック。一曲目「People In Black」は確かにピーター・ハミルに通じるものがある迫力だけどまだまだ凶暴さはないので、やっぱり別人だね。でもかなり似ているしバンドの演奏スタイルも近い。A面は以降何となくスワンプ的なメロディと言うか決してプログレ風な歌ではなくって、もっと土臭い感じでコーラスもあるし、普通に聴けるかな。ま、でもイマイチ。で、B面は結構ハードっぽくなってなかなかイケる。特に「Love Song No.6」なんて勝手な思いなんだけどキース・エマーソン風の鍵盤が出てきて頑張ってるし、ついでだからリッチー・ブラックモアがここであのギターを弾いてくれるとぴったりとハマる名曲になると思うんだけどな(笑)。そういう意味ではジョン・ロード的な鍵盤なんだろうか。そんな感じで結構楽しめるね。

 後はやっぱりジャケットが凄くいいよ。これで英国プログレファン達はノックアウトされるんだけど、表が凄く綺麗じゃない?で、裏ジャケが一転してドクロっつうメリハリが実に面白い。2003年にイギリス盤CDがリリースされたんだけど、こちらはジャケットがちょっと違う。う~ん、良くない。やっぱり右上にヴァーティゴ渦巻きマークがあるのが一番しっくりくるな。

Van Der Graaf Generator - Still Life


 一般的に知名度の高い5大プログレバンドからすると一気に知名度が下がるんだけど、ちょっとその道に入った人間からするとえらくメジャーなバンドとも言えるヴァン・ダー・グラフ・ジェネレーター。最初期は時代も1968年ということもあってサイケデリックな作品でデビューを飾ったが、直ぐにメンバーの入れ替えが行われて黄金期のメンバーが揃い、ピーター・ハミルの才能が開花した二作目「The Least We Can Do Is Wave To Each Other」から「H To He Who Am The Only One」、かのフリップ師も参加している「Pawn Hearts」という三作が名盤として語り継がれており、実際に素晴らしい作品だなぁとヒシヒシと感じる。

 が、個人的に一番好きなアルバムはと云うと、プログレも衰退し始めた頃、1976年にリリースされた「Still Life」だったりする。もっともこのバンド、先の「Pawn Hearts」を1971年にリリースしてからほとんど解散状態のままで、バンドとして息を吹き返すのは1975年なので、プログレがもっとも進化した時期には路線から外れていたという面白い歴史がある。その分再活動を初めてからの作品はハミルの圧倒的なリーダーシップが顕著に表れていて、しかも凶暴になってるのでパンク的思想もしっかりと聴ける面白い傾向、これが「Still Life」の魅力的な点だけど、アルバムの中味も良いよ。やっぱり初っ端の「Pilgrims」の静と動のコントラストとドラマティックな展開に加えてハミルの凶暴な歌声がアンバランスさの中の美しさかな。メロディーもしっかりしているのでVDGG中で一番好きな曲。続く「Still Life」も同じような構成の美しさを持ち得ている作品で…と言いながら聴いているとアルバム全編妙な展開やファルセットボイス、美しくも凶暴な曲展開、オルガンやペダルスティールなど鍵盤楽器が主役なんだけど、しっかりとハードなエッジを保った側面と「My Room」で聴ける望郷の彼方に進む旅をイメージするソプラノ・サックスを伴った叙情的な楽曲もこのアルバムの美しさに輪を掛けていて、正にプログレッシブな曲。ラストは全ての集大成的な12分半の大作で、VDGGの今を十分に注入した闘魂の一曲とも言える作品で、ノックアウトされる気合い作。暗黒のロックとはよく言ったものだ。

 この凶暴さが顕著になった1978年の2枚組ライブアルバム「Vital」では音が悪いものの、アナーキーなライブが生々しく収録されているので面白い。う~ん、VDGGは侮れないぜ~、やっぱジェネシスやイエスよりはこっちの方が性に合ってる(笑)。そういえば昨年いきなりの再結成で新作アルバム「Present」を突然リリースして昔と全く変わらないサウンドを届けてくれたのも記憶に新しいし、ボックスセットも超レアな曲ばかりで重宝している…。

Genesis - Nursery Cryme


 英国ロックの中でもっともフォロワーが多いと云われるジェネシス。クリムゾンやイエスに比べて稚拙とも云われる演奏力や楽曲の構成がそうさせるのか、はたまたそのドラマティック性の強い曲構成がフォロワーを増やしているのか、いずれにせよ英国ロック史においてこれほどまでに変化を遂げたバンドも珍しいだろう。そのフォロワー達にしてもまさか超ポップにまで変化したジェネシスのフォロワーになろうは思わないだろうし。

 ってなことで英国プログレバンド道まっしぐらの週末でしたが、本日はジェネシス、実は超久々に改めて聴いたバンドのひとつで、プログレにハマった時(十数年前)に結構色々聴いたんだけど、その時はピーガブの歌があまりにも演劇的過ぎて本来の音楽性を邪魔していると感じた面が強かったためにフェイバリットバンドとはならなかったんだな。ま、それでもちょこちょことターンテーブルに乗せて聴いていたバンドではあるんだけど、何回聴いても難解で未だによくわからないのが「魅惑のブロードウェイ」。このアルバムは未だに攻略できてないので、これを機にまた頑張ってみようかなと思ってる。…が、今回はその複雑なアルバムではなく、ストレートにやっぱプログレ的でかっちょいいな、って思う「怪奇骨董音楽箱(Nursery Cryme)」。ピーガブの過剰な表現も今はなるほど、と素直にこれがジェネシスというバンドの個性なわけだと認めて聴くとさすがに心地良い作品のひとつ。他のプログレバンドと違っているのは多分引っ掛かるところがあまりなくってサラリと聴けてしまうところだろう。だからこそフォロワー達が多数出てくるワケだな、納得。

 しかしこのアルバムでスティーブ・ハケットとあのフィル・コリンズが初めて参加したっていうことなんだけど、フィル・コリンズ、滅茶苦茶巧いドラミングなんだよな。明らかに主導を握ったドラミングがトニー・バンクスの鍵盤と共にハマっていて素晴らしい。もちろんハケットも効果的なギターが多くて、化学反応たっぷりのバンドというところが惜しげもなく実験的に披露されていてこのアルバムを盛り上げているが、それでいて重くなりすぎないのもジェネシスの特徴で、ピーガブの表現力ももちろん個性豊かなものとして聴くと納得。まぁ、ピーガブなしのジェネシス論は色々あるんだろうけど、それは後回しにするとして(笑)。オープニングの「The Musical Box」からバンドアンサンブルの優れた10分を超える作品で、それでいて結構ポップなメロディーやリフが散りばめられた白熱の一曲。素晴らしい曲構成は多くのファンを虜にしたことだろう。続く「For Absent Friends」はいわゆる小曲で、こういうのがとっても英国プログレバンドらしくて良いね。その後にはもちろんまた長くて迫力のある曲が続くだろうってのも読めてしまうんだけどさ。

 こうして聴くと本当に色々な曲が散りばめられていてアレンジなんかも決して偏らずにアイディアが盛り込まれている練られたアルバムで実は難解でも聴ける名盤なんだということに気付く…って遅い?ま、これから結構聴くんじゃないかな、ジェネシスも。やっぱホラ、フィル・コリンズのソロシンガーのイメージが強くてさ、真剣に聴けなかったってのもあったワケで、これは世代の問題だね。

EL&P - Emerson, Lake & Palmer


 1970年キング・クリムゾンを脱退したグレッグ・レイクナイスのメンバーに限界を感じていたキース・エマーソンがアトミック・ルースターでドラムを叩いていたカール・パーマーを誘い結成したのがEL&Pで、彼等の最初のステージはあの1970年8月末に行われたワイト島フェスティバルだった。そのライブを見るとわかるんだけど、ステージ脇には大砲があって、演出としてそれを使っているシーンが映画にも登場しているが、これが初ライブバンドのステージングかね?ま、プロなのでそんなもんなんだろうけど、正直器の大きさを感じる面は多いよね。演奏内容もものすごくロックしていて、キース・エマーソンの鍵盤に対するプレイは正にレイプという言葉が似合うし…、これで印象付けられたEL&Pの以降の活動は全うにクラシカルな音楽性を中心とした作品をゾクゾクと発表し、それでいてグレッグ・レイクのアコースティックな側面も強調されるというバンドとしての方向性が明確になっていった。

 そんな彼等の歴史の中で名盤と呼ばれるものは数多く、「展覧会の絵」「恐怖の頭脳改革」「トリロジー」「タルカス」とそれもこれもたたえるファンは多いし、実際に名盤なんだろう。しかし個人的にはやっぱりファーストアルバムが一番なのだ。ロックなんだよなぁ。ミュージシャンである前にロックなんだよ、このアルバムだけは。以降はやっぱりテクニックも才能もあるミュージシャンの作品という感じがするし、そもそもやっぱりハードなギターとか入っていないのでその分を鍵盤で埋めるしかないじゃない?でもそれがあまりにもシンセやクラシカルなサウンドで置き換えられていてこの時代独特のロックの雰囲気が損なわれている、って感じる面もある。もちろん鍵盤ができることによってかなりサウンドの幅が広がって名作傑作もいっぱいある。でも、ことロック的なアルバムとしてはやっぱりファースト♪ 多分歪んだギター好きだから、ここでのエマーソンのプレイが一番好きなの。ライブは凄くロックな人達なんだろうなぁと思うし、実際ワイト島のライブ見るとロックだし、このバンドかっちょいい~って思うもん。

 1990年にThe Bestというバンド(ジョン・エントウィッスル、キース・エマーソン、サイモン・フィリップスジョー・ウォルシュなど)で来日した際のライブを見たのが最初の生エマーソン体験で、ウワサに聞いていたピアノへのナイフ刺しを見せてくれてかっこいいなぁと素直に思わせるパフォーマンスだったのが記憶にある。多分両方の側面をもった希有なミュージシャンでなんだろうなぁ、だからこそ最初期のバンドの勢いが感じられるファーストアルバムが一番好き。ヘヴィーじゃなくってハードなアルバム。うん。

Pink Floyd - The Wall


 いつものことだが朝は全く気分が乗らないので、うだうだと適当なものをiPodで聴きながらってことになるんだけど、今朝は更に気分が乗らなかったのでとてもじゃないが元気で脳天気なロックなんぞ聴いてられない、ってことでおもむろにチャチャチャっとiPodシャッフルするとおもむろにピンク・フロイドの「The Wall」から「In The Fresh?」が流れてきて、おぉぉ~!と一気にハマった(笑)。なんつうか、凄く重いの聴きたい気分だったのかもしれないね。帰宅時も同じようにヘヴィーなものが聴きたくてまた「The Wall」のライブを聴いて帰ってくるという、正にピンク・フロイド以外今日はあり得ないってことで、ここまでのブログの流れを一切無視してピンク・フロイド「The Wall」、イキましょう。たまには粋な作風で書いてみようかな…。

 「The Wall」。あまりにもロジャー・ウォーターズの私的な想いから作られた1980年のピンク・フロイドが放つ問題作と云われたものの、今となっては稀代の傑作としてしっかりとフロイド史、及びロック史に燦然と光り輝き続ける作品で、今までにスタジオ盤、そして奇才アラン・パーカーによる映画版「The Wall」、1990年にベルリンの壁が崩壊したことを記念するイベントとしてロジャー・ウォーターズが多数の意外なゲストを迎えて正に1980年当時のライブ版の「The Wall」を復刻してベルリンの地で再演した「The Wall In Berlin」とその映像版DVD、そして2000年には遂に1980年当時のライブを収録した「The Wall Live Earl's Court 1980-81」がロジャーとギルモアの監修にて発売。これだけ多数の作品がリリースされる程にファンの関心が高いコンセプトアルバムとも云える。冒頭の「In The Fresh?」から今でもどのバンドよりも重い音で奏でられ、衝撃的なインパクトを放っており続く「The Thin Ice」との対比は見事なもので、こういったコンセプチュアルな面がピンク・フロイドの、というよりロジャーの抜群のセンス。更に「Another Brick In The Wall (Part.1) - The Happiest Days Of Our Lives - Another Brick In The Wall (Part.2) 」の素晴らしい組み合わせと楽曲。子供の合唱がロックで取り入れられたのも珍しいし、そしてそれでなくてはいけない歌詞の内容は後に語られたところによれば、偶然の産物のアイディアから具体化されたレコーディングだったようだ。そして一気に飛ぶがギルモア作の「The Comfortably Numb」の繊細な美しさと空を舞うような舞い上がるギターソロに聞き惚れる。特に最後部で演奏されるギターソロはブリティッシュロック界広しと云えどもなかなか聴けるプレイではない。

 途中途中に挟み込まれている楽曲も当然一曲ずつ完成度が高いもので、正直にこのアルバムをアルバムとして聴くよりはひとつの楽曲として聴くことに慣れ親しんでいるとも云えよう。そして映像によるインパクトもかなり強く、映画版での映像が各曲で鮮明に頭の中で描かれる。またある時はロジャーのベルリンライブでの模様が頭をよぎる。例えば「Good Bye」と共に最後のレンガがステージを覆っていまうシーンや、壁が崩壊するシーンなどは映像での印象が非常に強く残っている。もちろんピンク氏が独裁者となるシーンではあの場面がいくつも浮かび上がってくることだし、ハンマーが歩くシーンも印象深い。もっとも馴染みがないのは本当に1980年のツアーで行われたライブの映像だったり音だったりすることが今となっては哀しいものだ。この時代のライブを見れれば後の「The Wall」に対する見方も違っただろう。そして今音だけが聴ける状態ならばなおさら映像も出してもらいたかったものだ。

 「The Wall」。その前のツアーでライブの最中に観客に唾を吐きかけ、聴衆と自分たちの間に見えない壁が立ちはだかっていることを感じたロジャーが、実際に壁が存在することを観客に示した、ある意味自虐的な発想が受け入れられたのも面白い。人は所詮そんなものか、とさぞや笑いがこみ上げてきたことだろう。少なくとも人の本質的な部分に音楽を当て嵌めていくロジャーのセンスこそがピンク・フロイドの根本であり、ロジャーの本質なのだ。だから故にギルモアのフロイドは異なるバンドとして捉えられ、ロジャーのソロがフロイドの本質を伝えるべきものとして認知されてきたのだろう。しかし、ライブ8での和解ライブによりこれらの議論は終結を迎えたワケだ。

 な~んてね。しかし凄い作品だよな、ほんと。聴いていて飽きない。いや、C面あたりになるとキツいんだけど良い曲が待ってるから聴きたくなる。そして、邪道的裏技なんだが、歌詞の意味が素直に耳に入ってこない英語音痴のロック好きの輩にオススメなのはディスク1とディスク2の間で次作「Final Cut」を入れると更に重さとボリュームと音的流れの広さを感じられます。そういう3枚組なんだって聴くと見事にハマるんですねぇ。コレ、キツイけど結構一気に聴ける。もちろん邪道、ですって(笑)。



Night Ranger - Midnight Madness


 1982年頃からしばらくはイギリスとアメリカで全く異なるロックが出てくることになる。ポップス界ではいわゆる80sMTV時代に突入したので第二次ブリティッシュインヴェイジョンとも呼ばれるくらいイギリス勢のポップスがチャートを賑わせていたが、ロック界では見事に分断されてたね。イギリスではニューウェイヴの波からその筆頭ともなったザ・スミスに代表される「チャカチャカ系」のロック(?)が多数出てきて、まあ、中でもポリスなんてのはポップスチャートも賑わせていたけど、これはちょっと別。後はスタカンとか、そういうの。よく知らないけど(笑)。

 で、この頃アメリカでは1983年にUSフェスティバルが開催されて、二日目などはヘビメタディと呼ばれたくらいにヘビメタバンドばかりが集められたんだけど、これが大ウケして一気に市民権を獲得することになったワケだ。最初はNWOBHMの波からその籏出となった泣く子も黙るジューダス・プリーストが先陣を切り、アイアン・メイデンももちろんのこと、ドイツからはスコーピオンズやドイツ人マイケル・シェンカー率いる無国籍バンドMSGやオランダ人の天才エディ・ヴァン・ヘイレン率いるVan Halen、ちょっと後にはデンマーク人が中心となるメタリカも出てくるんだな。

 で、せっかくクワイエット・ライオットも聴いたことだし、それじゃあってことでこの時期のバンドを飽きるまで書いてみよう…ってなことでまずはナイト・レンジャー♪

 日本ではしぶがき隊にパクられることになった「Don't Tell Me You Love Me」のプチヒットが最初だったと思うけどやっぱりインパクトがあったのはその次のアルバム「Midnight Madness」からのシングルカット「(You Can Still) Rock In America」だね。まぁ、曲そのものもアメリカンでかっこよかったんだけど、それよりも話題だったのはジェフ・ワトソンのエイトフィンガーってワザ(笑)。いや、エディ・ヴァン・ヘイレンのライトハンドは人差し指一本なんだけど、彼のは右手四本とも使ってしまう、今で言うタッピングに近いワザでさ、別にそんな風に弾かなくてもギターってのは弾けるハズだろ、とか思ってしまうけど、単純に「おぉー」ってのはあったね。実は相方のブラッド・ギルズの方がかっこいいギター弾いてるんだけどさ。そういえば彼もオジーのところでギター弾いてたことあるな。で、このアルバムがエラい傑作っつうか、粒ぞろいの作品で当時のヘビメタバンドは割とどれもこれもがアルバムに一曲は泣けるクサイバラードを入れててさ、ナイト・レンジャーの場合はそれが妙に出来が良かったのかレコード会社からシングルカットを要望されて、売れまくった。「Sister Christian」ね。おかげで、彼等はその後もバラードソングをシングルカットされるばかりでロックバンドとしての売られ方はあまりされなかったんじゃない?可哀相に。

 その次の「7 Wishes」あたりになるともう聴いてないんだけど、やたらとこの初期二作は脂が乗ってたような、ブームに押されていたような…。でも妙にかっこよかったりするんだから凄いんでしょう。去年か一昨年か来日公演したらしいけど、客席には30~40代の野郎ばかりが集まってあのヘッドバンキングが繰り広げられたというから凄い。でもね、確かにアメリカンでスカッとするサウンドなのでヘビメタとか意識しなけりゃ、なかなかでしょ。ブライアン・アダムスと変わらんぜよ(笑)。

Quiet Riot - Metal Health


 名前が出たついでなのでクワイエット・ライオット! …っつっても実はあんまり知られていないような気もするんだけど、どうなんでしょ?ま、それはさておきながら、スレイドのカバー曲だけで全米No.1を獲得してしまったメタルバンド、ちなみに1983年頃のお話。最初期にはランディ・ローズが在籍してたってことで有名なんだけど、アルバムは全く売れずに日本でしかリリースされていなかったらしい。その後ランディ・ローズはオジーのバンドに移って名声を獲得し始めたところで飛行機事故で死亡ってのは有名な話ですね。

 で、このクワイエット・ライオットの最初期のランディ時代のアルバムは聴いたことがないのでよくわかんないけど、爆発的に売れた「Come On Feel The Noise」(普通の綴りでした)でその存在を一気に知らしめて、アルバム「Metal Health」で大ブレイク。これがなかなかまとまったアルバムで彼等が一番バンドらしくなっていた絶頂期且つ若さゆえ、且つランディへのトリビュート的意味合いも強くて気合い満点ってのもあったのかもしれないんだけど、迫力あって良い。決してスレイドのカバー曲だけで売れたアルバムではなく、タイトル曲もきちんと当時で云うヘビメタの音している。今聴くと…そんなに重くもないんだけどね(笑)。調子に乗ってもう一発スレイドのカバー曲「Mama Weer All Crazee Now」で更にバンドを印象付けているんだけど、もうこうなるとスレイドと同じような位置付けで似た者バンドってことで片付けられて…、とはならないのがアメリカの凄いところ。スレイドなんかなかったことになっていたんだなぁ。実際はどうか知らないが、受ける印象としては当然クワライのサウンドっていう感じ。戦略なのかな(笑)。ノリにのったバンドのこれまた傑作アルバムが「Condition Critical」としてリリースされて、「Party All Night」なんかもそれなりにヒットしたような。

 結局バンドの不仲が顕著になってしまって勢いもなくなり、でも契約が…みたいな状況で制作されたのか、「QR3」はガラリと豹変した暗いアルバムで、何回も聴いてないな。もっとも1986年リリースなので全く興味をそそらない時期ではあったんだけどね。

 そんなクワライだけど今になってみるとやっぱりスレイドと似たものバンドだなぁとつくづく感じる。でも一瞬だけでも光り輝いたバンドだけあって、そのパワーはやっぱりかっこいいよね。それもロックバンドでしょう。最近はそんなバンドがいくつも再結成しているし、市場に出てこなくてもニッチなマニアが喜ぶんです。ナイト・レンジャーとかもそれで来日しちゃうんだから。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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