Alexis Korner - Bootleg Him!


 2005年最後のブログレビューはイギリスブルースロックの父、アレクシス・コーナーでどうだ~!…とは言えども本人だけの作品は全く聴いたことがないような気もするが、先日からのブルースセッションアルバムの流れで聴いていたのがブリティッシュロックの登竜門アルバム「Bootleg Him!」なワケだ。これこそ驚異的なセッションアルバムでアルバムそのものは1972年にリリースされているけど、実態は過去のセッションからあれこれと抜粋編集されたもので、有名になっていったミュージシャンが数多く参加していることで有名。つい最近紙ジャケでリリースされたらしいので割とタイムリーかな。

 挙げるととんでもないけど、ジンジャー・ベイカー、ベケット、グラハム・ボンド、ジャック・ブルックス、ジャック・ブルース、ロル・コックスヒル、シリル・デイヴィス、アンディ・フレイザー、ディック・ヘクストール・スミス、デイヴ・ホーランド、ジョン・マーシャル、クリス・マックレガー、スティーヴ・ミラー、ポール・ロジャース、ロバート・プラント、ダニー・トンプソン、チャーリー・ワッツ、スティーヴ・ミラーなどなどが若かりし頃に意外や意外のメンツでセッションしているワケだ。例えばチャーリー・ワッツとジャック・ブルースというリズム隊とか、ジンジャー・ベイカー、ジャック・ブルース、ディック・ヘクストール・スミスにグラハム・ボンドの鍵盤という後のクリームの原型ですね。それと同様にフリーの原型もココにあり、しっかりとポール・ロジャースとアンディ・フレイザーにロル・コックスヒルなんかも参加した楽曲もある。ツェッペリンのプラントはスティーヴ・ミラーをバックに若き獅子のように歌っているのもさすがだしね。まあ、とは言えども実際の中味については所詮セッション的に若いメンバーを育てながらレコーディングしたんだ、という要素が強いのでその面々以外に音楽的にどうってのはあまりないんだけどね(笑)。

 それでもやっぱりみんなダイヤの原石のような部分は持っているので後の活躍を知ってから聴くとフレーズやら歌い回しなどはある程度完成しているってのもわかって聴いていて面白い。それにしても後の70年代ロックを築き上げていく面々が多数経由しているってのはジョン・メイオールと共に素晴らしい功績でしょう。

 …そんなことで2005年は締め括りです。つたないブログにお付き合いくださいましてありがとうございます。また来年もいっぱい書くぞ~!

 よいお年を!

Muddy Waters - Fathers And Sons


 ブルースセッション系が気に入ってしまったので、早速もう一枚、今度はマディ・ウォーターズのセッション名盤「Fathers And Sons」を久々に聴いてみちゃいました。タイトル通り父ちゃんと子供達、なんですがここでの子供達はスーパーセッションで名を馳せたマイケル・ブルームフィールドと白人ブルースハープの伝道師ポール・バターフィールドですね。他の参加者はオーティス・スパン、バディ・マイルズ、サム・レイ、ドナルドダック・ダンっていうマニア向けのメンツなので、そんなに華々しいセッションではないけど、ブルースのレコード史に於いてはかなり高評価の名盤でしょう。似たようなのではハウリン・ウルフの「London Howlin' Wolf Sessions」ってのがあるけどね。(最近デラックスエディションがリリースされた名盤。こっちのマディ・ウォーターズの「Fathers And Sons」もデラックスエディションをリリースしてもらいたいものだ。)

 以前アナログでリリースされていた時には二枚組で16曲入り、内6曲がライブ収録って内容だったんだけど、2001年のリマスター時にはスタジオテイクが4曲増えて全20曲入りとして甦ってます。どうせならライブを完全収録した2CDで出してもらいたかったんだけど、とりあえず増えたってのは嬉しいことでしょう。で、ブルースのアルバムってホントジャケットがいいんですよ。今回もよく見ると、ダビデか何かのパロディなんだけど天から手を差し述べているのは黒人で地から手を差し出しているのはグラサンをかけた白人って、なかなか面白いと思いませんか?チェスレコードはやっぱりおしゃれです。

 んでもって、中味。そりゃあ1969年リリースのこの作品にスーパーセッションでバリバリの頃のマイケル・ブルームフィールドがギターで参加してりゃ悪いはずないわな。バターフィールドだってバリバリの時期だしね。あちこちで聴けるスライドギターはマディのもので、オブリや強烈なギターソロは大体マイケル・ブルームフィールドで、これもレスポール弾いてるんだろうけど彼らしく音が太くないという特徴が出ているね。鳥肌が立つようなバトルはそんなにないんだけど、もうブルースって言葉以外にハマりようのないくらいしっかりと馴染んでいる子供達は親からしてみても安心でしょう。そんな雰囲気の漂っている名作。正直言ってマディ・ウォーターズの作品数あれど、この作品が一番聴きやすいのはあるかな。

B.B.King with Friends - A Blues Session


 まだまだブルース熱から冷めない年末を迎えてます(笑)。さすがに連休に入ってきたためか訪問者数もちょっと減ってきてますね。内容のせいかもしれませんけど、ま、好きなのでこのまま進めましょう。そのうちまたあちこちに行き着くことでしょう…。

 で、今日は昨日のBBで思い出したんですけど、BB絡みってすごいセッションとかが平気で行われちゃうので、過去最高にインパクトを受けた「スーパーセッション」の映像を見直しました。若かりし頃に深夜テレビで見て以来、その衝撃的なセッションに徹底的に叩きのめされた記憶が残っている素晴らしきジャム。決してブルームフィールド・クーパーのスーパーセッションの映像版ではありません(こんなのあったら絶対見たいけど)。

 まず参加メンバーが凄い。Stevie Ray Vaughn, Albert King, Eric Clapton, Phil Collins, Chaka Khan, Billie Ocean, Gladys Knight, Etta James, Paul Butterfield, Dr. Johnってトコで、1987年4月にロサンゼルスで行われたセッションライブの様子を収録している。中でも絶品もののプレイは二人とも白人のくせにとんでもない歌唱力を持つエタ・ジェイムズのパワフルな歌声にドクター・ジョンのしゃがれ声が絡む、二人だけの世界を完璧に創り上げている涙もののブルースで、見ていて感動しないはずはないってくらいに感動する素晴らしいセッション。後ろでBBも感動して惜しみない拍手(BBの拍手は右手がグーで左手パーで叩く特徴的な拍手です(余談))。それからレイ・ヴォーンアルバート・キングのセッション!フレーズ聞いてるとどっちがどっちか、ってくらい似たようなフレーズが出てくるのも面白いけど、レイ・ヴォーンの師に対する遠慮がちなプレイってのもなかなか良い。

 んでもって、一番の聴き所見所と言えば、やっぱりクラプトンvsBBキングによるギターバトルでしょう!間奏で完全にバックの演奏を止めてしまい、二人だけでギターバトルを始めるんですが、実に、実に興味深いセッションで、プロとはこのことを言うっ感じでしょうか。BBが弾くフレーズをクラプトンがその場で同じようなフレーズ、もしくは真似したフレーズを紡ぎ出し、挙げ句はBBの得意技でクラプトンが仕掛けに出たりとクラプトンらしいフレーズは全く期待することはないけど、ブルースを愛するギタリストとしてのクラプトンの眼差し取り組みはさすが。BBも観客もクラプトンもバンドメンバーも全員がこの一瞬一瞬をスリリングに楽しんでいる様子も伝わってきてすごく面白い。アーティスト達なんです。ギター弾くならどっかでこういう突発的なセッションに参加してこんな掛け合いができたら楽しいだろうなぁと思ってるんでアドリブ指向のバンドが好きなんでしょうね、しかもライブってのは楽しいですから♪

 もうひとつこのイベントの中で重要な事柄はこのセッションがポール・バターフィールドの最後のライブ演奏になった、ってことでしょう。60年代ホワイトブルースの第一人者がこのセッションに参加し、ハープという楽器でブルースを紡ぎ出した人物の最後としては最高の晴れ舞台になったに違いない。

 そんなことで、久々にビデオテープを引っ張って見ていたんだけどネットで調べてたら2006年3月2日に日本盤DVDがリリースされるみたいで、ちょうど良いタイミングでした。騙されたと思って騙されてみて下さい、騙されますから(笑)。いいなぁ、こういうセッションモノ、大好きです。こないだまおさんがコメントに書かれていたセッションはもしかして「Blues Summit」かな?これ映像は見てないので、入手しないとね。面白そうです、はい。



B.B.King - 80


 まず作品の多さに驚くし、しかもまたつい最近新作「80」なんてのをリリースしたくらいの大御所。このアルバムはいわゆるブルースの息子たちがいっぱい参加してBBキングの80歳を記念して作られたみたいなんだけど、いやぁ、相変わらずのBB節が冴え渡ってます。ロジャー・ダルトリーなんてどういった経緯で参加したんでしょ?そういえば、今回も参加しているクラプトンはちょっと前にはジョイントアルバムも出して話題をかっさらったし、やっぱり年を重ねた偉大なプレイヤーはそれだけで価値ありですね。

 そんなBBの作品中で好きなのはいくつもあるんだけど、まず、ギタリスト的に凄く憧れるっていうか、わかるよぉ~ってのが「Take It Home」っていうアルバムジャケット。見てわかるように表ジャケットではまだ10歳そこそこくらいのガキがね、ショーウインドウに飾られたギブソン335をそれこそガラスにへばり付いて物欲しそう~にしているのよ。この気持ちわかるでしょ?んでね、裏を返すとさ、しっかりとそのギターを背負って意気揚々と荒れ果てた田舎道を歩いているシーンが描かれているワケよ。その間どれくらい時間が経ったのかわかんないけど、喉から手が出るくらい欲しがっていたギターを手に入れてさ、弾くんだ~っていうイメージがよく描かれていて、自分たちも昔カタログとか楽器屋さんとか行ってアレコレ見て丸付けて研究して、んでも金はないワケで夢を見ていたっていうのがあるからこのジャケットはとにかくそれだけで最高。中味は1979年の作品で、クルセイダーズをバックに従えたサウンドなのでそんなに好きな作風じゃないけど、BBはいつも通り要所要所のツボだけ弾くっていうスタイルでBGM的ではあるけど悪くはない。

 あとはね、「Jungle」っていうアルバム。Kent時代の初期の編集作品で正にBBのブルースギターが冴え渡った名盤、って勝手に思ってるんだけど、単音でリスナーをノックアウトするっていう曲ばっかりで、聴いていて心地良い。昔のブルースの作品ってやっぱりレコードを出すってことが凄く特別なことだったみたいな面もあるのか、ブルーノートの作品みたいに芸術的なトータルワークっていう感じで当然ジャケットから音までしっかりと作り込まれているので、アナログ盤での重みっていいなぁって思うアルバム。スクイーズギターっていうのもこの作品が一番当てはまると思うしね。今CDが手に入らないみたいなので似たような編集盤では「The Best of the Kent Singles 1958-1971」かな。

Albert Collins - Alligator Years


 テキサスブルースの雄は多数いるんだけど、中でも一際目立っているテキサス野郎の一人にアルバート・コリンズが挙げられる。もちろん全盛期はブルースの名門レーベルであるアリゲーターに属していた時期だと思うけど、もうね、テレキャスの7フレット目にカポをして弾くってだけでも変わってるのに、普通は左肩からギターを吊り下げるようにしてストラップを提げることに対し、何故か右肩から短めにしたストラップを提げて高音弦しか弾かないという独特の奏法はそれだけでも十分にインパクトがある。んでもって、そこから響き渡るフレーズと来たらこれまたフレディ・キングに全く引けを取らないくらいにエグいんだな。かっちょいいよ~。

 一番好きなアルバムは「Frostbite」っていう作品で、ジャケットがまた意外性に富んでて面白い。テキサス野郎だからこそなのかもしれないけど、吹雪の中でテレキャスを弾いているっていうジャケットなのさ。で、中身はとてつもなく熱いブルースが詰まっているっていう…いいねぇ。フレーズ的にはそんなに豊富に持っている人じゃないけど、ってそりゃ7フレットまで使わないんだからそりゃそうなんだけど、こういう一本調子のプレイもありかな、って思わせるくらいで、更に音がテレキャスの音じゃないですよね、これ。普通テレキャスってザクザクした感じの音でバッキングギター的に使われる方が良い味出すし、あまりソロパート向けではないし、ソロで使う場合なんかもどっちかっつうと線の細い音色を大事にするっていう感覚なんだけど、この人の場合は凄く音が太い。別にそんなに細工したギターとも思えないので、やっぱり指力の強さなんだろうね。レッド・ツェッペリン「天国への階段」でのジミー・ペイジのギターソロなんかもテレキャスだから、全くそういう音が出ないワケでもないんだろうけど、なかなかそういう使われ方しないから珍しい。

 そんなアルバート・コリンズにはホントに熱い作品が揃ってる。もうひとつ特徴的なのはAC・リードっつう人のサックスプレイもブルースアルバムではあまり聴かれない楽器なのでユニーク。レイ・ヴォーンなんかとのアルバムもあったりするんだな、これが。あまりメロウなブルースは多くないんだけどガンガンと弾きまくるっていう姿勢がね、ロック好きにはウケるんですよ。他にもライブアルバム映像なんかを見るとわかるんだけど、とにかく目立つ。他のブルースマンとのセッションなんかでもやっぱり一際目立つ。上手い下手とかじゃなくってアグレッシブなロック的エモーショナルを持ったプレイっつうことで目立つ。日本にも何度も来ていたんだけど結局見ることなかったので残念。最期の90年代までアルバムをリリースし続けていたアルバート・コリンズのスタイルは唯一無二だね。

Freddie King - Shelter Years


 デヴィッド・ボウイの「Let's Dance」のギタリストに抜擢されたレイ・ヴォーンはチャンスとばかりにその才能を発揮し、アルバート・キングの再来と歌われるギタープレイが絶賛されたが、個人的にはブルースの3大キングの一人であるフレディ・キングがもっとも好み♪ まぁ、所詮ロック上がりなのでテキサスブルースが好きなんですよね。

 一番のお気に入りはシェルター時代の作品で、アルバムと云うよりもベスト盤「The Best of the Shelter Years」が聴きやすいんじゃないかな。こいつで聴けるブルースギターは俗に言うスクィーズギターって呼ばれるんだけど、ロック畑からするとクラプトン、レイ・ヴォーン、マイク・ブルームフィールドあたりとほぼ同じフレージングがバシバシ飛び出してくる素晴らしい本物のロックブルースが聴ける…っていうかテキサスの血なんだろうなぁ。「Going Down」なんかは馴染みが深い作品だろうけど、「Reconsider Baby」とかのスローブルース系も凄くいいんだよね。黒人って感じがあまりしないので、逆に本当に黒人ブルースの好きな人はちょっと違うんじゃない?って思うのかもしれないけどさ、やっぱロックなんだもん(笑)。「I'm Ready」なんかも有名だけど、ここで聴けるのは凄いハートに直接入り込んでくる熱い伸びやかで艶のあるギターのプレイと音色が色っぽくてたまらん。

 もう一つ、彼の最後の遺作となった「The Best OF Freddie King (1934-1976)」も実にノビノビとした素晴らしいプレイが聴けるし、何と言っても後半ではクラプトンとのセッションが聴けるってことで重宝するし、フレディ・キングの豪快な性格をも物語っているアルバムでしょっちゅう聴いていた。ん~、もっともっとブルースが聴きたくなってきたぞぉ~♪

Stevie Ray Vaughan - The Sky Is Crying


 クリスマスなんぞ全く何事も無かったかのように普通に休日を過ごしているワケだが、実にじっくりと色々な音楽を聴けて満足満足♪

 んでもって、本日はスティーヴィー・レイ・ヴォーンです。昨日のブライアン・セッツァースティーヴィー・レイ・ヴォーンの曲をカバーしたりしているんだけど、どっちもバカテクギタリストなくせにエモーショナルなギターを信条としているとことが共通点かな。ま、レイ・ヴォーンの方がそれは顕著なんだけどね。

 で、普通はファーストとかセカンド、もしくは数々リリースされているライブ盤なんかもいいんだけど、一番印象に残っていた「The Sky Is Crying」っていう当時未発表曲を集めた編集盤です。レイ・ヴォーンの死後最初にリリースされたアルバムで、その分聴き込んだので印象が強いし、何と言ってもジミヘンを超えたんじゃないかと思えるくらいの「Little Wing」には涙しました。ジミが2分半で終わらせてしまったこの曲を7分以上にも渡りギターだけで聴かせてくれたレイ・ヴォーンの想いは正にファンそのものの気持ちを代弁しているかのようなプレイで、天に昇るかのようなギターはレイ・ヴォーンそのもの。素晴らしい。タイトル曲「The Sky Is Crying」だってブルースの名曲で聞き惚れてしまうくらいにかっこいい仕上がり…、ってそんなこと言ってるとこのアルバムは全編がそんなのばっかでキリがない(笑)。んでもって、このアルバムをプロデュースしたのが実の兄であるジミー・ヴォーンってことも涙涙の要因です。

 ジミヘンと同様に死後の作品のリリースがとんでもなくって全てを追いかけられなくなってますが、熱いライブは幾つも存在しているみたいでDVDも多数あるのでいずれ全てを見たり聴いたりしておきたいんだけどね。今のところその辺ではアルバート・キングとのジョイントライブが面白いかな。映像だとテキサスのライブが地元名だけに熱くて良いっす。あ~、こんなギター弾けたら気持ち良いだろうなぁ~~。

Brian Setzer - Merry X'mas


 クリスマスイブってことで何を聴こうかと思ってたけど、ジョー繋がりでクリスマスを一大イベントにしているオトコがいました。ブライアン・セッツァーです。その昔ストレイ・キャッツでデビューしてネオロカビリーってことで一世を風靡したんですが、その後しばらく低迷してまして、ただその時から異常なまでにギターが巧かったという本格派。んで、今度はオーケストラ(ビッグバンド)を従えた大円団ロカビリーを試みたところ3枚目のアルバムにて一気にブレイクし、ネオスイングって言葉を生み出したくらい。

 以降順調に来日公演を行ったりしているけど、ちょっと前に本場ニューヨークでクリスマスイベントとしてサンタのスタイルで屋外ライブなんかをやったところから好評を博したらしく、毎年恒例行事になっている。んで、それに準じたアルバムも「Boogie Woogie Christmas」ってタイトルでリリースされている。で、今年はそれに輪をかけてDVD「Xmas Extravaganza」という昨年暮れのライブを収めたものもリリースし、更には「Dig That Crazy Christmas」というクリスマス向けの新作もリリースしたお調子者。ところがやっぱりバンドもプロ中のプロばかりなので完璧な50sロックンロールを基本としたゴージャスなライブなのでエンターティンメント性が高くて単純に楽しめるし、何よりブライアンのギタープレイには目がクラクラするばかりの凄さ。クリスマスとか関係なしにDVDは必見の一枚だろうなぁ。

 ジョー・ストラマーとは年も近くって、ギターやロックについてもさることながら双方ともキャデラックが凄く好きだってことが共通点らしい。2002年の夏頃に二人が同じステージで共演しているんだよなぁ。見てないけどさ。

 そんなことで、しっとりとしたクリスマスイブを夢見ている世代とはウラハラに、ご機嫌なロックを聴いてイブを楽しむロックンローラーってのが良いのだ!

The Clash - Live From Here To Eternity


 The Clash。ネーミングが最高にかっこいい。数あるパンクバンドの中で本質的なパンクをもっとも表現していたのはクラッシュだけじゃないかなと思ってます。ピストルズはスキャンダルと破壊的なスタイルがパンクの姿勢と見せていた面はあるけど、中味が薄かったし、その他大勢はそれの模倣でしかなかったしね。でもクラッシュには意志があった。政治的側面かもしれないけど、凄いポリシーを持った歌詞が多くていわゆる「破壊」というだけのパンクではなく、メッセージを持っていた。決してそれは押しつけではなく主張するものだったのでかっこよく見えるんだけどね。

 ジョーが他界する直前の11月22日にミック・ジョーンズと20年ぶりの共演を果たして3曲くらいクラッシュナンバーを披露していたし、その後すぐのイベントには初めてクラッシュを再結成してステージをする予定だったらしい。ジョーが生きていたらもしかしたら「ライブ8」にクラッシュとして出ていたかもしれないな。ピンク・フロイド並の期待度があったかも…。そんな夢も見れたんだけど、その代わりにジョーとまだ生きているウチにしっかりとクラッシュの集大成的ライブアルバムがリリースされていたので嬉しいね。

 「Live From Here To Eternity」という77年から82年までのクラッシュのライブを一つのショウのように編集したスリリングなアルバムで、驚くのは曲感が全て繋がれた完パケのライブアルバムのような音作りがされている点かな。それでもね、ニヤリって思えるのは真ん中の「I Fought The Law」で一旦フェイドアウトするってトコロ。だから二つのショウが収録されているみたいに作られているのかな。アナログ用に作られたとは思えないので多分狙ってるハズ(笑)。

 いやぁ、それにしても熱い!初期のクラッシュのライブなんてとんでもなく下手くそのハズなのでココに収録されたものも多くはないけど、それでも初期は熱い!で、そのまま聴いていくとあっという間にアルバムを聴き終えてしまうんだけど、時代が変わったことに気付かないんだなぁこれが。「Magnificent seven」とか82年くらいのライブのハズなのにすげぇ熱いんだよね。だから後期クラッシュも結構良いライブやってたんだよ。アルバム的にはちょっと勢いを無くした感じもあって、「サンディニスタ」とか「コンバット・ロック」ってのはハマりこめば面白いけど勢いって面ではちょっとね、ってアルバムだからさ。でもやっぱり格好良かった。だからこのライブアルバム聴いた時は感動したもん。色々な編集盤でちょこっとライブが付いていたりDVDで発掘されたりしてるけど、こいつは本当のパンクロックです。同時期にリリースされたDVDもよく見てますが、マネージメント側に作られたバンドではなく自分たちが作っていったクラッシュというイメージを徹底していたってのはやっぱり強力にアピールされるよね。

Tribute To Joe Strummer

 2002年12月22日突然の訃報が届いた。

「元ザ・クラッシュのジョー・ストラマー氏が心臓発作のため死去」

 あれから3年、今でも相変わらずクラッシュやジョーの音楽を聴き続けている。彼の魂は確実に心に生きている、そしてクラッシュは永遠不滅のバンドだ。

「London's Burning」
                         「I Fought the Law」
                「Hate and War」
           「Stay Free」
「Complete Control」
              「Should I Stay Or Should I Go」
     「Revolution Rock」
                        「White Riot」

Tribute To Joe Strummer Forever.
                 He is the real Rock'n Roller.

Yngwie Malmsteen - Rising Force


 早弾きギタリストという言葉は70年代からアルヴィン・リーなんかにも使われていてそれなりに時代にも評価されていたし、実際今聴いてもすげぇ早弾きだ~って思うんだけど、あくまでもジャズ系のフィールドに於いての早弾きであって、ロックに於いての早弾きってのを確立したのはもちろんエドワード・ヴァン・ヘイレン。ライトハンド奏法を引っ提げてのシーン登場はとんでもないインパクトを与えていた。しかし、それに匹敵するくらい強烈なインパクトを放っていたのがアルカトラスでメジャーシーンに躍り出たイングヴェイ・マルムスティーンだね。ライトハンド奏法を皆が皆真似していた頃に彼は一切ライトハンドを使わずにとんでもない早弾きをいともたやすく披露していたのだ。

 アルカトラスのファーストアルバムではそんな早弾きプレイを存分に披露している反面、メロディアスなギターも弾きこなしていて、彼の音楽面でのセンスが十分にリスナーにも届いていたんじゃないかな。まあ、リッチー・ブラックモアのコピーだろうって声もあったし、実際プレイなんかも似ていたんだけど、それを超えるくらいのギタープレイは当時のギター中心のハードロック・ヘヴィーメタルシーンの頂点に君臨していた。まあ、リッチーと同じく性格的な問題がかなりあるところも似ていたため(笑)、なかなかバンドの一ギタリストとしては満足できなかったみたいだけどね。

 そんなことでさっさと自分のバンドを結成したんだけど、これがまた凄い。ライジング・フォースってソロアルバムのタイトルがそのままバンド名になったんだけど、ここでも存分に弾きまくっていて、数多くのインギーフリークを生み出すこととなった。当時早々に来日公演も行われていて、MTVでも放送していたのでその衝撃を目の当たりにすることができたんだけど、いやぁ~、ここまでやりますか、ってくらいにやってくれました。ギタープレイはもちろん、アクションからギター破壊劇なんてのもしっかりと見せてくれて全く驚いたモンです。セカンドアルバムあたりまでは同じ路線だったのでよく聴いていましたね。彼のルーツはモロにクラッシック音楽ってことでいわゆる70年代ロックを聴いている輩にとっては随分と新鮮なフレーズばかりでした。ブルースとはかけ離れたところで弾いているので、全く違うのよ。もちろんクラッシック音楽との融合なんてプロコル・ハルムとかムーディーブルースなんてのもあったけど音楽的な融合だったわけで、インギーは一人でギターでそれを表現していたのでかなり違うのさ。このあたりからメタルとクラッシックってのは随分と近いものになってきた感じ。その分センスの有無が凄く重要になってきたので、今では誰もシーンに残っていないんだろうなぁ。

Steve Vai - G3


 ザッパバンドからは数多くのテクニシャンが巣立っていったんだけど、中でもロック畑の人間にとって一番著名なのはスティーブ・ヴァイじゃないかな。そもそもザッパのワケのわからない旋律や音そのものを採譜する役目を担って、当初から変態度が高い育ち方をしていたらしいので、その後の彼の作品にももちろんそれが顕著に現れている…とは言ってもモロっていうのはそんなにないんだけどね。

 で、ロック畑にその存在がクローズアップされたのはアルカトラスセカンドアルバムからで、レインボウのグラハム・ボネットが結成したこのバンドは当初から話題満点でシーンに登場し、前任ギタリストは恐るべし早弾きプレイヤーとして名を馳せたイングヴェイ・マルムスティーンファーストアルバムリリース後のツアーをこなした後、早々に脱退してしまい、後任ギタリストに注目が集まっていた中でヴァイが任命されて、いきなりの重役を担うことになる、ってのが一般の見方だったんだけど、実体はそんなことを全く感じさせる必要のないくらいにテクニック、センスとも素晴らしいギタリストでしたっていうくらいに実力を発揮している。アルバムセールス的にはいまひとつだったみたいだけど、インギーの穴を埋める程度のことは簡単にやってのけていたのは非常に驚いたし、且つそれ以上の変態さをしっかりと当時のヘヴィー・メタルシーンに於いてアピールできていた。さすが、ザッパ大学出身なだけある。

 しかしアルカトラスもその後パッとすることなくスティーブ・ヴァイの名前だけが印象に残った感が強かったんだけど、しばらくすると衝撃的なニュースが届くことになる。アルバム「1984」で大ヒットを放ったヴァン・ヘイレンから最強のエンテーティナーフロントマンだったデヴィッド・リー・ロスが脱退(クビ)するという事件だ。そっちはそっちで次のボーカリストは誰だ、なんてのが話題になって、結局アメリカンロックの象徴ともいえるサミー・ヘイガーが加入して賛否両論を醸し出したんだけど、一方のデイヴは早々にソロアルバムをリリースすることになった。で、その時に集められたメンバーが超豪華に彩られていて、ギタリストにスティーブ・ヴァイが参加し、ベースはビリー・シーンが務めるという変態たちが脇を固める素晴らしい光景。そこでリリースされたデイヴのソロアルバム「Eat'em and Smile」はミニアルバムながらもサウンド的にはものすごくユニークなものとなり、ヴァイも変態プレイの本領発揮。ギターがしゃべっているように聞こえるサウンドなんてのは当時驚いたものだ。しかも楽曲が滅茶苦茶明るいロックンロールばかりで正にアメリカンエンテーティンメントといった傑作で、テクニシャンならではのゆとりのある音作りになっていた。この頃のスティーブ・ヴァイの姿で印象深いのはハート型のトリプルネックギターでしょう。一体どうやって弾くんかいな?って思っていたけど、映像を見たらなるほど、さすが変態ギタリストなだけあって、しっかりと使いこなしている。

 この後も7弦ギターを開発し、第一人者として作品にも反映したりしていたがそういえば一時期ホワイトスネイクにも参加していたみたい。ソロ作品はデモテープから作られたものからコンセプトアルバム的なものまでありとあらゆることを実験しているんだけど、マニア向けかな。最近ではG3ってプロジェクトで超絶ギタリスト三人で集まってプレイするっていうので師匠であるジョー・サトリアーニとともに中心になってプレイしていて、それはそれで面白いんだけどやっぱりバンド時代が一番いいかな。そうそう、映画「クロスロード」での出演もインパクトあったなぁ。ライ・クーダーvsスティーブ・ヴァイって感じで別に勝ち負けじゃないけど面白かった。

Frank Zappa - Hot Rats


 ファーストアルバムの呪縛から抜け出て辿り着いた先はアメリカのアングラ系ってことで「コレでどーですかザッパっぱ」って感じで奇才フランク・ザッパです。ファーストももちろん優れた作品なのですが、音楽的にインパクトの強かった1970年発表の「Hot Rats」でどうでしょ?

 初っ端の「Peaches En Regalia」については過去に様々なフュージョンやインストものからカンタベリーまで聴いてきたけど、そのどれにも当てはまらないザッパ独特のメロディアスなインストもので、楽曲の美しさは天下一品。常に奇人変人と呼ばれる作品ばかりを世に出しているザッパがマジメに音楽している傑作でしょ。キャプテン・ビーフハートの歌う「Willie The Pimp」はさすがに歌詞もあるのでザッパ節が出てるけど、でも基本的には楽器をクローズアップしたものなので、ザッパのギターをた~~~っぷりと聴けるよん。ザッパのギターってマジメに聴いてみるととんでもなく凄いってのはあまり知られていないみたいで、騙されたと思って聴いてみてほしいんだけど、なんつーか、味のある誰とも似つかないプレイで、かと言ってジャズ・フュージョンとはまるで異なるフレーズだし…、やっぱり音楽家なんだろうなぁ。DVD「Does Humor Belong in Music?」なんてのを見てみると多分目がクラクラするシーンが多いと思う。もっともこのビデオ、そのものが滅茶苦茶面白いのでそこに気付くのに時間が掛かるかも知れないけどね。ただし必ず日本語字幕が付いているものを入手すべし…ってDVDになってませんでした(涙)。

 しかし良いアルバムだ。「Son Of Mr. Green Genes」の印象に残るリフレインは一発聴けば忘れられないくらいだし、本作品中もっとも暗めのタイトル通りな「Little Umbrellas」ですら、美しさが漂っているのは素晴らしい。そしてインストものだけど、しっかり「Little Umbrellas」ってイメージが曲から感じられるんだから、これも見事。「The Gumbo Variations」は激しさの中に安らぐメロディーが奏でられた、こちらもザッパバンドの本領発揮ってトコでしょ。最後はザッパらしいタイトルの「It Must Be A Camel」。そうですね、僕もそう思います(笑)。って何のことかわからないですが(笑)。

 ザッパについて諸説書かれているのでなかなか手を出せない人も多いと思うけど、このアルバムが一番聴きやすくて取っ付きやすいです。他にもジョン・レノンと共演したステージを収めた「Fillmore East - June 1971」なんかも好きなんですけど、もちろん対訳付きの日本盤で聴かないと損です。後年は「ベストバンド」も大変面白くて良いですし、対となった「メイク・ア・ジャズ・ノイズ」も面白い。ん~、ホント色々あるんだけどねぇ。そんなことでもう一回「Peaches En Regalia」を聴こうっと♪

Jimi Hendrix - Are You Experienced?


 ファーストアルバムによる衝撃はこの人を於いて他にない。全世界的に衝撃を与えたと言われるジミ・ヘンドリックスファーストアルバムはロック史において最重要作品でしょう。…っつってもその時生まれてないワケだから知る由もないんだけどさ(笑)。

 時代は1967年、まだ世の中がロック慣れしていない頃にアメリカからイギリスに渡ってイギリスのムーブメントの中に放り込まれてありとあらゆるギタリスト達の自信を木っ端微塵にするほどの衝撃的なギタープレイヤーってのは有名で、あちこちビデオを見てみると恐ろしいほど衝撃的なパフォーマンスを繰り広げている。著名なのは「モンタレー・ポップ・フェスティバル」による燃えるギターでしょ。その前に演奏していたザ・フーが全ての楽器を破壊するってのは有名だったのでジミはそれを超えるパフォーマンスが必要と考えた挙げ句にジッポオイルをギターにかけて燃やしてから破壊したワケだ。見ていると恍惚としてしまうからこれは凄い。

 で、そんなジミにも初々しいデビューアルバムがあったんだけど、これがもうベスト盤かと思うくらい素晴らしい曲ばかり収録していて、正に完成した男として世に出てきた感じ。最早なんの説明も要らなくなった「Purple Haze」の超かっこいいリフに打ちのめされ、スタンダード曲「Hey Joe」ではジミのギターソロの一音で脳髄に衝撃を受け、「I Don't Live Today」でバンドアンサンブルをとことん知らされて、「The Wind Cries Mary」の乾いたストラトサウンドを聴いて涙をそそり、「Fire」では全てが爆発してしまうほどの過去も今も聴いたことのないロックを体感し「Foxey Lady」でギターと交わっている艶めかしい色気を堪能し、「Are You Experienced?」で全てを統括して終了する。他にもこれぞ究極のロックブルースナンバーとも言える短すぎる「Red House」ではジミの魂が伝わってくる。

 そうそう、来年1月にもまた新しくCDがリリースされるそうで、もう何バージョンもCDがリリースされているので何がオリジナルか忘れがちです(笑)。まあ、どれでもいいんですけど多種多様にリリースされているCDではボーナストラックがいっぱい付いていてお得品ばかり♪それはいいんだけど、ジミが意図したオリジナル作品という聴き方ではやっぱりイギリスオリジナル盤ってのは重要ですね。もっとも彼の場合は純真無垢過ぎてビジネス面ではかなりワケのわからない契約事項ばかりとなって海賊盤まがいのCDが多数リリースされているのもファンにとっては結果として嬉しい悲鳴となっているのも皮肉な話。最近は統一化されたみたいだけど、その分何でもオフィシャルとしてリリースされているのでどっちがよかったんだか(笑)。

 そんな話はともかく、ジミの驚異的なギターセンスと爆発的なエネルギーがパッケージされた「Are You Experienced?」には彼の魂が込められた素晴らしきアルバムで、あまりクローズアップされてこないが、ミッチ・ミッチェルのドラムセンスもハンパじゃなく凄い。ジミのフレーズにピッタリくっついていくノエル・レディングのベースも見事なモノだ。普通のバンドにいたらどっちも目立った人達だったハズなのにフロントがジミだったので単なるバックメンバーになってしまったみたいだけど、かなり良い「バンド」です。

The Velvet Underground + Nico - The Velvet Underground + Nico

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ
 1967年サンフランシスコではサイケデリックムーヴメントの波が起きようとしていた頃、東海岸では全く前衛的なサウンドと退廃的なイメージを持つバンドがアンダーグラウンドなシーンに君臨していた。前衛芸術家の旗手であったアンディ・ウォーホールに見い出されたそのバンドはヴェルベット・アンダーグラウンドと名乗っていた。

 …なんて書くとすごくかっこいいんだけどどこでも読んだことのあるような内容なのでちょっと脱線(笑)。やっぱねぇ、ニコルー・リードなんですよ。んなわけで、やっぱバナナのファーストアルバムが一番よく聴いたし印象的なアルバム。今聴くとそんなに前衛的かな、とも思ってしまうくらいポップセンスが散りばめられているんですよ。ニコを連れてきたのはウォーホールなんだけど、これが大正解というか彼女の人生これで変わってしまった面もあったんじゃない?凄く綺麗な人でソロアルバムとかでも超個性的、俗称「地下の水道管」って呼ばれる歌声とサウンドはニコならではで、日本公演のビデオとかもすごい。

 んで、ヴェルベット・アンダーグラウンドファーストアルバムは、一時日曜日の朝には必ず聴いていた「Sunday Morning」から始まるんだけど、凄く心地良いポップソングで正にけだるい朝の雰囲気を表しているんだなぁ。それにしてもこのアルバムからは色々なメジャーアーティストにカバーされている曲が多い。「I'm Waiting for the Man」はボウイさんがライブでも定番にしているくらいのお気に入り曲になっているし、今でも歌ってるんじゃないかな。もちろんルーのテイクはかなり暗い一直線な雰囲気なんだけど、これをポップに仕上げたボウイもさすが。「All Tomorrow's Parties」はジャパンのバージョンが割と有名でしょ。こちらもけだるい雰囲気がジャパンにかかるとデカダンなサウンドになっているんだけど、このバンドも決して明るくないのでいいんだろうね、こういうの。「Heroin」なんて凄い曲で人気は高いんだろうし、個人的には「Femme Fatale」が好き♪ニコも自分のライブでいつも歌っていたくらいなので好きだったんでしょうね。浮遊感漂うポップスで独特のコード進行が心地良いです。他にも正にアンダーグラウンドなチープなサウンドで作られた楽曲ばかりなんだけど、そこがヴェルベット・アンダーグラウンドっていうインパクトは必ずあるんだな。

 音楽を真面目に語る場合には決して出てくるバンドじゃないけどロックやアートのフィールドを語るには欠かせないヴェルヴェッツの作品で、イギリスではソフト・マシーンピンク・フロイドという形に飛翔したサウンドだったが、ニューヨークでは更に退廃的且つアンダーグラウンドな世界へと潜り込んでいったアートと化したようだ。それを発掘したのがボウイだったりテレビジョンだったりするんだけど、やっぱり良いセンスだね。いわゆるプログレとは違って美しさはないんだけどハマれるサウンド、というか新鮮な刺激になるバンドには違いない。3rdまでは深堀しても面白いバンドです。

Soft Machine - Soft Machine

Vols. 1 & 2 ソフトマシーン (河出文庫) The Velvet Underground

 昨日見当たらなかったソフト・マシーンのアルバムを発掘して久々に聴いた。シド・バレットのソロ作品のバックを務めた程の変態集団なワケで、感性の面でも共通項があったからこそシドのアルバムが静かなる狂気を秘めた作品になっている面もあると思う。

  で、ソフト・マシーンってのはバロウズの作品からバンド名をつけたバンドで、ピンクフロイドと同時期に同じようなシーンで活躍していたバンドで最も人気が高かったようだ。このバンドの場合はファーストアルバムが以降の方向性を決定付けたということは全くなくって、逆にどんどん進化していってしまったバンドなのでファーストアルバム論は働かないんだけど、単純にアルバムとしてフロイドの持っている面に近づける作品じゃないかな、と。こちらには偉大なる放浪者であるケヴィン・エアーズがサウンド面のイニシアティブを握っていたこともあり、カンタベリーミュージックと呼ばれる英国ならではのポップさを世に知らしめた作品として語られてもいいんじゃないかな。相方にはこの後英国カンタベリーシーンの重鎮となるロバート・ワイアットも在籍していて、彼にとっても本作がデビューアルバムとなったし、鍵盤には強者マイク・ラトリッジを迎えている。アルバム発表前には後のゴングを結成する永遠のヒッピー、デヴィッド・アレンも在籍していた。これだけの面々が揃った中で何が作られたかと言うと…、変なポップスとジャズみたいなポップ。もちろんロック好きにしかわからないようなポップス。う~ん、偏見か(笑)。ツボにハマる人はハマる。その分発見した時の喜びは大きいニッチな世界ってのは認めるけど、入ると深くて楽しいカンタベリーミュージックの世界は音楽センスのあるポップスファンなら非常に受け入れやすいと思います。

 とは云えどもかなり前衛的な面も持っているので誰にも受け入れられるもんでもないのも事実。でもフロイドだってイエスだってそうなんだからソフト・マシーンが認知されない理由はないね。CDで聴くと見事にアルバム全曲が一曲になっているのでもの凄い大作に聞こえるし、もしかしたら史上初の全曲繋がりアルバムじゃないかと思うんだけど、その分バラエティに富んだ作品。

 「Hope For Happiness」から始まるんだけど、velvet underground「The Murder Mystery」より先に、これも世界初だと思うんだけど、一つの曲でふたつのメロディーが同時進行する曲が一曲目だったりするし、滅茶苦茶ポップで浮遊感が堪らない。うん。基本的にCD前半ではロバート・ワイアットの優しくて壊れそうなボーカルが心に染み入るし、その合間に叩かれているドラムもワイアットだが、これがまた何というのかスナップが柔らかいと言うのか凄くジャジーなフレーズが幾つも幾つも叩かれている。「So Boot If At All」では歌もさることながらそのドラムが心地良い。ラトリッジとのバトルも非常にスリリングだし、そんなところにケヴィン・エアーズの「Lullabye Letter」が出てきて、この人はホントに独特のセンスがあるよなぁ。ベースのセンスもアルバム全体を通して凄く際立っているのも特徴的。でも全然重くないので聴きやすい不思議な作品で、CDではファーストアルバムとのカップリングになっている。

 やっぱいいなぁ、と思わせるし、後のジャズバンドに変化するソフツの断片はもちろんあるんだけど、基本的に演奏力が高いから好きに演奏するけどカンタベリーポップの原点が溢れ出ている素晴らしきファーストアルバムだね。

The Doors - The Doors


The Doors - The Doors (40th Anniversary Mixes)The Doors (40th Anniversary Edition)

 ピンク・フロイド、シド・バレットときたのでホントはシドのソロ作品のバックを務めた英国プログレッシブロックの雄であるソフト・マシーンファーストを書きたかったんだけど、アルバムが見つからなかったので次回に見送り。すみません(笑)。

 で、代わりに、と言うか「向こう側」の話が出たのでそこには行き着けなかったけど、極限まで行っていたジム・モリスン率いるドアーズファーストアルバムについて書いてみようかな。この作品もファーストアルバムでバンドの方向性どころか、ドアーズのロックというものを確立してしまった感が強く、名曲のオンパレードでしょう。「The End」のイントロからわかりやすいメロディーに乗せながら歌われる美しくも破壊的な歌詞は既にモリスンの作詞家としての才能は十分に溢れ出ていて、旋律を覚えたのはやはり「Mother, I want you...」です。今聴いても十分に衝撃的なこの歌詞は60年代末期のアメリカ、いや全世界に対して相当の衝撃だったと想像できますもん。一方では「Light My Fire」なんてとってもキャッチーなドアーズの方向を決めた楽曲も印象に残り、ライブバージョンでのこの曲を聴いたことのある人は時代を反映した曲の長さとジム・モリスンの仕草やアドリブなど新鮮な衝撃もあったんじゃないかな。

 アルバムのオープニングは正に「向こう側に突き抜けろ」という「Break On Through」で「Alabama Song」「Back Door Man」とともにブルースを基調とした曲で、ドアーズの本質はやはりアメリカのブルースに落ち着く部分があるんだけど、オリジナリティ溢れるモリスンのカリスマ性は他に類を見ない。エレクトラレコードでポール・ロスチャイルドのプロデュース作品と云うことで、以前も書いたことがあるんだけどポール・バターフィールド・ブルース・バンドのファーストと音質面で酷似しているところも面白くってね、かなり異なる傾向のバンドなのにサウンドが同じという不思議さ。以降のドアーズはベーシストを迎えて制作されているので純粋な4人編成でのドアーズ作品は実は本作のみ。ジャケットの良さも2ndアルバムまでって思うんだけどね。

Pink Floyd - The Piper At The Gates Of Dawn


 ファーストアルバム論がちょっと気に入ってしまったので、もうちょっと続けたいなぁってトコロで、ピンクフロイドなんかも一つの方向性を明確にしたバンドとして語れるでしょう。シド・バレットが在籍したまともなアルバムとしてはファーストアルバムしかないんだけど、このファーストが後の、というかシーンを代表する作品になっているところが凄くって、以降ピンクフロイド的サウンドを突き進み、「狂気」という名作を生み出すこととなるのだが、その原点はやっぱりファーストアルバムにある。

 まあ、単純に云うならシドがいなけりゃ「炎」という作品はなかっただろうしロジャーの偏執的なこだわりも生まれなかっただろうしってトコで、やっぱりサウンドの軸としても非常に斬新且つピンクフロイドサウンドを明確にしている。デビューシングル「See Emily Play」で聴かれる、ポップさの中に妙な浮遊感を持ったサウンドは後の小曲郡に脈々と受け継がれているし、当然のことながら「星空のドライブ」なんてのは「狂気」手前までのフロイドサウンド=サイケデリックサウンドの代名詞的曲調になっている。ヘタすりゃアマチュアバンドがそれらしくやっても出来てしまうような音なんだけど、その辺のバランス感覚がバンドの面白いところですね。で、話は変わるんだけど、シドがダンエレクトラのギターを持って演奏しているUFOクラブでのライブ映像は、まさしく衝撃的な閉ざされた空間でのライブだし、ジョン・レノンやヨーコの姿も見られるんだけど、サイケデリック、アシッド空間の最先端にピンクフロイドが位置していたことも彼らの存在価値を高めていた。本来であればピンクフロイドというバンドは表に浮上してくるバンドではなかったはずなんだろうなぁと感じるよね。でも、これだけ多くの人に受け入れられている事実は彼らが人間の本質を表現しているってことで、やっぱりポップな音楽だけでは人間は語れないってことかな。その辺はジョン・レノンってのもセンスが良いんだろうけど。ジミー・ペイジだってこの頃のシドのライブを見ていて同じダンエレクトラのギターを手にしているってのも面白い話。

 アルバムに話を戻すと、正にサイケの象徴とも言える「Astronomy Domino」で幕を開けて、恐ろしいほど心地良いポップさの中にどこか何故か歪んだサウンドが濃密に詰め込まれていながらも浮遊するサウンドに身を任せる、任せてみたくなる狂気が間違いなく宿っている印象で、これはシドのファーストソロアルバムで更に顕著なものとなっているし、精神論はピンクフロイドの中に確実に種が蒔かれていった。もちろん他にも影響を与えている面は大きいんだけど、フロイドのアルバムの中ではもっとも聞きやすい印象ながらもっとも重いかもしれない作品。難しいねぇ。作ってる側はLSDの世界だし、ジム・モリソンが叫んでいた「向こう側の世界」の住人なので常人には理解しきれない面があることも事実。だからフロイドアルバム史の中でも割とまともに語られにくいアルバムなんでしょう。こればっかり聴いていたら結構あっちの世界に近づけるのかもね。怖いけど(笑)。

The Beatles - Please Please Me


 ストーンズ、フー、キンクス…次は何?って思ったけど、やっぱりベタに行きましょう(笑)。個人的にはあまり意識することのないビートルズですが普通にイギリスのバンドのデビュー作として聴いてみるとそれほど彼等に特別な何かがあったとは思えないのですよね。もちろんその後の発展が彼等の凄いところで、キンクスのレイ・デイヴィスの方がよっぽど本当の意味での天才だと思うんですが、まあその辺りは色々とあるポップスの世界ですからね。

 で、ビートルズのファーストアルバムって「Please Please Me」なんですが、一曲目からいきなりカマしてくれる「I Saw Her Standing There」はビートルズ楽曲の中でも上位に来るくらい好きな曲です。デビューアルバム一発目からオリジナルのロックンロールをカマしてくれるなんてなかなかいないでしょう。ザ・フーの「Out In The Street」とかもオリジナルですがかっこいいロックンロールとはちょっと違うので、この曲には驚いたし、実際かっこいい。冷静に見ればカバー曲も多く収録されているんだけど、ストーンズなどとは違い、いわゆるコーラスグループ系の曲が多いところがビートルズ、というかポールなんでしょうねぇ。ジョンはもっとロックンロールな人だと思うので。久々にマジマジと聴いたけど(多分10年ぶりくらい)、良い曲揃えてますねぇ。正にコーラスポップグループそのものですが、聴きやすい、とにかく聴きやすい。

 でもね、やっぱりロックな部分が少ないので全般的にはあまり聴かない、というよりも昔散々聴いてたので何というのか、お子様的バンドみたいなイメージになってしまっているし、もちろん楽曲的には「Abby Road」とか「SGT. Pepper's」とかとんでもないアルバムが幾つもあるのでその辺はまたプログレ的展開になった時に語ることとしても、初期はそんな感じなんです。でも「Revolver」とか「Rubber Soul」なんて良い曲揃ってるしなぁ…、ってやっぱり好きなんじゃん(笑)。多分ねぇ、自分の周りに「超」の付くマニアがいるのであまり触れたくないだけかもしれない。モノ盤、ステレオ盤、US盤、UK盤、国内盤から各国盤などなどってね。それくらい凄くハマれるバンドっていうのは認識しているんだけど、やっぱり「僕は彼女がそこに立っているのを見た」っていう単純なロックンロールがいいよね。

The Kinks - The Kinks


 ファースト続きってことで乗ってきました(笑)。ザ・フーと来たら次はリュウさんに読まれているキンクスでしょう。先行シングルが幾つかあったけどなかなか不発に終わり、起死回生のスマッシュヒットとなった「You Really Got Me」をきっかけにアルバム制作に入ったんだけど、そこに収録されたのはもちろんカバー曲が大半を占めるこの時代にありがちな作風だったが、今となっては大変際立った存在を見せているのが「Stop Your Sobbing」でしょう。カバー全盛のこの時代に「You Really Got Me」というオリジナルナンバーでいち早く時代を築き上げて、更にアルバム収録のこの「Stop Your Sobbing」はレイ・デイヴィスの非凡な才能が開花していくことを明らかに明示している名曲。新しめのロックファンにはプリテンダーズのバージョンの方が有名なのかもしれない。あ、「You Really Got Me」だってヴァン・ヘイレンの方が有名だったりするからなぁ。結局キンクスの良いところはあまり表立って媚びてこないところなのかもしれないね。良い曲いっぱいあるんだけど、それで?って感じ。実に類い希なる才能なんだけどそれを売りにしないところがひねくれ者の所以でしょう。

 で、このファーストアルバムだけど、半分くらいが彼等のオリジナルで固められていてその他はメジャー所からのカバーなんだけど、これもまた渋めの選曲というか、ベタな選曲と言うか、そこかしこで聴いたことのあるようなタイトルがズラリと並んでいる。チャック・ベリーとかドン・コヴェイとか…、そうそう「Long Tall Shorty」なんてさ、曲はともかくタイトルがキンクスらしいじゃないですか。日本語で言うと「のっぽの小人」だよ。ナメてるっつうかヒネてるよねぇ。オリジナルはユーモアあるね、って言えたかもしれないけどカバーするとなるのは相当ヒネている(笑)。良い良い。「Bald Headed Woman」はご存じシェル・タルミーの印税稼ぎ用の曲でザ・フーにも演奏させているし、「Too Much Monkey Business」はヤードバーズでもお馴染みだし、リマスター盤CDではボーナストラックに収録された「Got Live If You Want It」なんてストーンズでもカバーしているし、ホントあちこちで聴かれる曲が多いね。ちなみに同年代ながらもほとんどキンクスの方が先にカバーしていた、ってこと気付いている人少ないかも。

 ファーストアルバム的な視点で書くと、やはり「You Really Got Me」と「Stop Your Sobbing」に代表されるキンキーサウンドが今後の全てを物語っているし、この後4枚目「Face To Face」あたりになると顕著になってくるのであった。う~ん、やっぱり良いバンドはファーストにその原石あり、です。

The Who - My Generation


 ファーストアルバムでインパクトを放っているバンドは数あるってことでもう一つ凄いのがザ・フーでしょう。最近になってようやくまともなCDがリリースされたという恐るべしバンド、更に2004年になって初めて来日公演を行ったと言うのも結果としてはザ・フーらしい。書いていくとキリがないのだが、彼らのファーストアルバムはいわゆる同時期のストーンズやビートルズ、キンクスなどと比べてみても群を抜いて出来映えが優れているところがピート・タウンゼントの優れた音楽センスたるトコロだろう。もっとも好みの問題はあるのでそれが良いか悪いかはあるんだけどね。

 で、そのファーストアルバムはジャケットからしてカッコイイ。ベースのジョン・エントウィッスルが羽織ったユニオンジャックを象徴としてアルバムのジャケットの配色も赤青白のユニオンジャック調で彩られているし、何と言ってもキースやロジャーがカッコイイじゃないですか。この時点で他のバンドのファーストとは異なり、前面にイギリスを持ち込んでいるワケですね。んでもってその中味。3曲がジェームズ・ブラウンのカバーで占められているけど、これはロジャーの好みで一番ケンカの強かったロジャーには誰も逆らわなかったので収録(笑)。っつうのも半分冗談だけど、それを差し引いてもこの1965年という時代に於いてオリジナル曲が多数占めるというのは自身がなければできなかっただろうし、ロックビジネスの先見の明があったプロダクションの意向もあっただろうけど、とにかくそれでもレベルの高い楽曲が収録されている。一曲目からいきなりザ・フー独特のアンプがぶっ壊れるかのようなノイジーな破壊魂が聴けるし、何と言っても有名な「My Generation」では誰も聴いたことのないようなファズベースでのソロが中間部に導入されているのだ。かと思えば「The Kids Are Alright」や「The Good's Gone」「Much Too Much」のような可愛らしいポップな曲も入っているしととにかく素晴らしく楽曲センスに長けた作品で面白い。「The OX」なんてタイトル通りぶっ飛ばしのインストだしね。

 ここまでがオリジナルUK盤に収録されていた曲で初CD化された際にかなりのオマケが付いてきたのもまたお得。ちなみにオリジナル盤はモノラル収録なんですけどね、まあいいじゃないですか、ボーナストラック凄くかっこいいですもん。黒人R&Bのカバーそのものなんだけどザ・フーらしくってねぇ、「Shout & Shimmy」の超かっこいいノリだってまあJBのパクリなんだけど、それができるってのは凄いし、ソウルバラードの名曲「Anytime You Want Me」もビートルズ顔負けのコーラスで、それが凄いのでおまけにはアカペラバージョンまで入ってる自信作。どれを切り取っても他のバンドとは一線を画したザ・フーファーストアルバムこそ世界最高最長のファーストアルバムなのかもしれない。

The Rolling Stones - The Rolling Stones


 どのバンドもファーストアルバムというものはある種その後のバンドの方向を決定的にすることも多いと思っていて、中でも幾つかファーストアルバムが一番かっこいいと思えるバンドは少なくない。もちろん多様な音楽性や完成度の高いアルバムが後に制作されるというのは当然ある話なんだけど、その分ファーストアルバムがダイヤの原石のように輝いているバンドがいくつもある。

 その中の一つでしかも最高にかっこいいアルバムがローリング・ストーンズファーストアルバム。もしかしたらストーンズ全アルバムの中で一番数多く聴いているかもしれない(笑)。自分が聴くのはもちろんイギリス盤仕様のものだが、アマゾンでは見当たらなかったのでリンクはUS盤で勘弁。確かアブコからリマスター限定版でリリースされた際にはUK盤仕様だったと思うんだけど、まあ自分が実際聴くのはもちろんアナログ♪なのでどっちでもいいんだけどね。なわけでやっぱり「Route 66」から始まるファーストアルバムだが、初っ端からノリノリの軽快なロックンロールとしか言えないこの作品はいわゆるオーソドックスなロカビリーのカバーを中心に収録されているので彼ららしさというのはこの時点ではあまり前面には出ていないが、やっぱりミックのボーカルにはかなり個性がある。一方キースやブライアンの個性ってのはなかなか見出せない点はしょうがないかな、曲が曲だからね。
 
それにしても「Carol」のカッコ良いことといったらありゃしない。オリジナルのチャック・ベリーと大して変わらないハズなんだけどイギリス流の味付けがされているのか、原曲よりもカッコイイって感じで聴いてしまうのだ。「Honest I Do」なんかもそのままなんだけど、この時点ではビートルズキンクスゼムムーディ・ブルースなんかとそんなに変わらないサウンドに聞こえるんだけど、まあやっぱりカバーする曲のセンスがそれぞれ異なっているってのはその後のバンドの方向性を物語っているってとこでしょうか。原曲を圧倒的に超えてしまった「I Just Wanna Make Love To You」や「I Need You Baby (Mona)」なんかのかっこよさってのは今でもストーンズが得意とするレパートリーに含まれているってことからも分かるように絶対の自信作なんだと思う。やっぱかっこいいもん。「Little By Little」はリフによるスタートからこじゃれたビートで進むナイスなロックンロールで以降のストーンズの得意とするロックンロールに一番近い方向性を暗示している作品なんだけどあまり取り上げられない。

 逆にすごく今のストーンズからするとストーンズらしくないんだけどだからこそ印象深い「Tell Me」なんてのはビートルズ顔負けのセンスだよね。そしてエアロスミスも真似た「Walking The Dog」で、こいつもストーンズらしいカバーで口笛の鳴らし方とかワイルドなノリでの収録とか時代を考えるとやっぱり一発レコーディングに近い形だろうから、すげぇビートを持ったバンドなんだなぁと改めて感じるよね。そんな珠玉の名作ばかりお収めたファーストアルバムってのはやっぱかっこいいよ。後の「12×5」なんてのも同じ路線でもうちょっとポップになってきているんだけどまだまだかっこいいダイヤの原石時代。やっぱこういうのがロックンロールだよね。もちろん新作「A Bigger's Bang」もリリースされたばかりだし、また日本公演も楽しみなところかな。

Eric Clapton - With George


 ロジャー・ウォーターズがピンク・フロイド離脱後の1984年に初めてリリースしたソロアルバム「ヒッチハイクの賛否両論」ではなんとエリック・クラプトンがギタリストとして参加している。後の「死滅遊戯」ではジェフ・ベックがエグいギター弾いていたのもさすがロジャーって感じなんだけど。で、この頃のクラプトンはあまりパッとしない時期だったこともあってか、なんとロジャーのこのツアーにも帯同して話題作りに事欠かなかったのだが、もう一つの思惑、即ち全く同じ時期にギルモア率いる新生ピンク・フロイドもツアーを行っており、真正面からぶつかっていったワケだ。しかし、ロジャーの方は見事に名前負けしたせいか、あまり大成功とはいえない結果に終わったので、このクラプトン参加によるツアーの中身は表沙汰になることがなく、今でもあまり語られないのだが、先日スマトラ沖地震のチャリティイベントにおいて実に久々にこの二人が同じステージで演奏をするという機会に恵まれたので見た人も多いのかな。

 で、クラプトンだが、多数のソロアルバムをリリースしているし今でも精力的に活動しているもはやバリバリのベテランアーティストで一般大衆にも知られた人になっているので細かいことは抜きで大丈夫なんだけど、ソロアルバムで凄い名作って何かあったかなぁって考えてみるとあまり思い当たらなくて、好きなのはやっぱりクリームくらいになってしまうのだった。あ、あとは黒人ブルースマンとのセッションとか、ジョージ・ハリスンとの来日公演を収録したライブアルバムでの演奏とかだったりする。ジョージ・ハリスンとの日本公演は自分でも見に行ったんだけど、たまたま一番良い演奏だった日みたいで、クラプトンが何かの曲を演奏した後に感極まってベーシストのネーザン・イーストと抱き合ってたシーンを見ていた。いいライブだったな。…と思ってて何年かしたらリリースされたのがこのジョージの「ライブ・イン・ジャパン」なのだった。

 なんか取り留めのない文章になってしまったんだけどクラプトンってやっぱりセッション活動のリラックスした単にギタリストとしての参加の方がかっこいいんだよなぁ。映像だとBBキング達との「スーパーセッション」とかベックとの「シークレットポリスマンズコンサート」とかさ、CDだとフレディ・キングとのセッションを収めた「Freddie King 1934-1976」とかスリリングな緊張感が良かったり、ストーンズのライブに飛び入りした時のジャムとかも凄く良いしね。「いとしのレイラ」ってのも結局セッションに近いものを収めたアルバムだし、何かそんなイメージだなぁ。

John Lennon - Plastic Ono Band



 ベタではあるんだけど、やっぱり12月8日ってのは全ロックファンにとって想いの深い日だと思う。もう25年も前の話なのでもちろんリアルタイムで知らない世代も多いんだろうけど、でもやっぱり感慨深くなると思うんだよね。実際自分もリアルタイムでは漠然としか記憶にないし。

 何のことかって、もちろんジョン・レノンの命日です。以前ニューヨークに旅行に行った時に特に意識はしなかったんだけどニューヨーク博物館とセントラルパークに行ったのでちょっとダコタハウスだったトコロに寄ってみた事があるんだけど、それだけで何か自分が少しだけジョンに近づいたのかなと勘違いしました(笑)。いや、それでセントラルパークに入る所には「Imagine」と彫られた円形の石碑が地面にあって、ちょうどジョージが亡くなったばかりの頃だったので花が置かれていてね、なかなか楽しい旅行の中でも楽しい、というのとは別に思い出深いシーンとして記憶しています。どんなんだったんだろうなぁってね。アルバムに関しては何を今更語ることがあるのだろう、って云うくらいに聴く時はすごく聴く。聴かない時は全然聴かないけど。でも年に一度今日みたいな日があるからやっぱ聴くんだよね。好きなのはやっぱり「ジョンの魂」。全てに優しさと愛と叫びを聴けるアルバムですごく赤裸々に訴えてくるものだから。これ嫌いな人っていないと思うけど聴いたことのない人って人生損してるよね。音楽でできることってすごいんだなぁって思えるくらい素晴らしい作品で、人間らしいアルバム。

 以前大人ぶってジャズ喫茶に入り浸っていた頃んなんだけど、そのお店はいつもはバリバリのジャズばっか流しているくせに12月8日になると毎年ビートルズやジョン・レノンだけど流していて、こういう人達にとってもジョンは特別なんだな、と痛感してて自分もその中にいたいなぁって背伸びしてました、はい。大音響で「Mother」なんて流されたら酒飲んでるのもあるけど、すごく心に染み入るんだよね。正直言ってビートルズのアルバムよりもジョンのアルバムの方が好きかな。音楽的云々ではなくて気持ちの問題かもしれないけどね。最近リマスターでまたリリースされたみたいなので入手にはいい機会なのかもしれないけど、アナログで聴くからこそいいアルバムっていう思い入れは強いかな。

Roger Waters - Ca Ira



 構想からリリースまで15年という月日が要されたロジャー・ウォーターズの意外な代物「Ca Ira」がようやくにして市場に流通する段階となったので早速聴いてみた。SACD盤盤と通常盤がリリースされているがもうじき日本盤も発売するようだ。前評判通り、全編クラッシックとオペラと云う作品でそこにはいわゆるロックというものは存在していないけど、メロディーラインが流れるとやはりロジャーだな、と云う旋律が場面場面で聴けるのでついついにやりとしてしまうシーンはいくつかある。ピンク・フロイド時代から培ってきた効果音の効果的な使い方も恐らくクラッシック音楽からは出てこない発想で使われているので、その筋の人が聴いたとしても結構新鮮。ロック系列の音楽で育ってきた人にはあまりオペラを堪能するという高尚な趣味を持つ人も多くないと思うけど、それでも映画などではそれなりに見聞きしたことはあるはずで、今回何となく違和感があったのは英語によるオペラってとこ。オペラだとなんとなくイタリア語ってイメージなのでへぇ~っていう感じはあるね。ま、それでも普通にロックを聴いている人にはかなりキツいクラッシック音楽なのでCD2枚を通して聴くには結構根性が必要。

 作品そのものは1989年にまで遡り、1992年に大々的に開催されたフランス建国200年記念イベント向けに企画されたものが発端だ。フランス革命をテーマにしたストーリーで「Ca Ira」というのは古くから語られてきた物語らしいが、音楽担当としてロジャーに仕事が舞い込んできたらしい。こういった壮大なものは確かにロジャーのお得意なのだが、ロジャーはこの企画に賛同してから9ヶ月程度で2時間以上ものデモテープを完成させており、その前に取り掛かっていた自身のソロアルバム「死滅遊戯」をも中断させてプロジェクトに取り組んだことからもロジャーの真剣さが伺えるというものだ。しかし、フランスの歴史的イベントに対し、イギリス人の音楽を採用するなどという行為をプライドの高いフランス人が納得しなかったのかどうか真偽は定かではないが、結局他の企画に持っていかれたようだ。要するに秤にかけられていただけという結果になったらしい。それでロジャーもやる気を無くしてしまい、自身のソロアルバム「死滅遊戯」に再度取り掛かり、奇しくも1992年9月、正にフランス建国200年記念のイベント開催時期に市場にリリースしたのだ。さすがにひねくれ者のロジャーらしいやり方にはニヤッとしてしまう。

 そんないきさつがあった関係上なかなかこの作品を世に出すタイミングがなかったようだが、何年か前からファンの間ではそろそろこれがリリースされるらしいと噂されており、2004年5月1日のマルタのEU加盟祝賀式典時に「Ca Ira」から3曲だけ演奏されて世に姿を見せたあたりから一気に信憑性を持ち始めて今日CDを聴けるようになったのだ。ロジャーってのは苦労する運命な人なんですね。でもここのところ「ライブ8」によるピンク・フロイドの再結成も叶い、幻の作品となりそうだった「Ca Ira」も完成し、年を取ってからのロジャーには運が向いてきたんじゃないかなって感じです。そんな作品の思いを聞き届けてじっくり聞いているとよく眠れます…じゃなくって、ロジャーらしさが随所に出てくるのを楽しめます(笑)。

Capability Brown - The Voice


 キャパビリティ・ブラウンというバンドをご存知の方はどれくらいいるんだろうか?カリスマレーベルからリリースされた「Voice」という唇のアップの見開きジャケットで、その唇にはファスナーが(ストーンズの「Sticky Fingers」のように本物のファスナーではないけど)描かれているアレだ(っつっても知らない人の方が大多数だろうなぁ…)。キーフのデザインなんだけど…。いや、何が書きたいのかと言うとですね、クイーンとほぼ同時期にクイーン並みのコーラスワークを誇った大英帝国産のバンドが他にも存在していたってことなんです。もちろん楽曲のクォリティや完成度ではクイーンには及ばないんだけど、ブリティッシュB級バンドのレッテルが貼られるまでは彼らにもチャンスがあったんだろうなぁ、とその実力を惜しんでいるのだ。

 クイーンを聴いていてふと思い出したので随分久しぶりにレコードを引っ張り出して聴いてみると、うん、やっぱりこのコーラスワークをロックに持ち込んだ作品としてはクイーンよりも若干早い時期の作品で決して方向性は間違ってなかったのかな、と。多分本人達の方がよっぽどそう思っているだろうと推測できるのでガタガタ言えないんだけど。この辺のイギリスのロックバンドは実に面白いバンドがいっぱい出てきていて、宝物探しのように個性のあるバンドを探し出す楽しみがある。もちろん時代が経過した後だからこそそういった探し物が出来るだけなのでリアルタイムで70年代英国ロックを漁っていた方には全く異なった印象に映るのだろうか。そもそもそんなマイナーなバンドの情報はそれほど多くなかったと思えるのだが、今となっては知る術があまりない…。

 それはそれとしてこのキャパビリティ・ブラウンは確かアルバムを三枚出していて、ファーストアルバムはそんなにクイーンチックなコーラスワークを武器にしたアルバムではなかったように記憶している。なのでセカンドアルバム制作の時点でそのようになったのか、そもそもオペラなどが好きでそうなったのか不明だが、結構面白くて良い。ちょっとメジャーさに欠けるけどね。で、アルバムタイトルが「Voice」だ。B面全てを使った5部構成の組曲は見事なモノでメンバーにより演奏もとても上手いので試しに聴いてみると面白いバンド。A面ではスティーリー・ダンとなんとアフィニティのカバー(!)も聴ける。

Queen - Queen II


 何かと話題の多かったクイーンだけどまだちゃんと取り上げていなかったので、いわゆる70年代のキッス、エアロと来たらクイーンかな、とタイミング的に取り上げてみました。(Synyan氏に読まれてますが…)もちろんイギリスのバンドなので先の二組のバンドとは根本的に異なっているので今思えばなぜ同次元で語られるのかとも思うけど、その時代の日本においてのみ通じるワザだよね。やっぱり美しさが違う。っても別にメンバーのルックスの話ではなくって音楽の話。中でも最高にロックファンの心をくすぐるのはセカンドアルバム「クイーン2」でしょう。

 アルバムそのものはA面がホワイトサイド、B面がブラックサイドと名付けられており、ジャケットも表面は黒が基調となった有名なアートワークで、ダブルジャケットを見開くと白に包まれた悪魔チックなフレディの顔が印象に残る作りになっていてまずはそこから楽しめる。しかしこのアルバムはホントに何回買い直したんだろう?国内盤のレコードから始まって、B面のブラックサイドを凄くいい音で聴きたくてイギリスオリジナルファーストプレスなんてのも探し出して手に入れたんだけど、やっぱりB面はみんな聴き込んでいるのか、レコードの状態が良くなくて、今度はドイツ盤のアナログ再発を手に入れて聴いてみたりしたなぁ。CDになってからはあんまりこだわらなくなったので、結局ハリウッドレーベルからのリマスター盤を手に入れたのみで終わってるけど。それくらい聴きたくなる素晴らしい世界がこのアルバムのB面には収められているのだ。

 A面にはブライアン・メイやロジャー・テイラーの曲が入っていてそれなりのレベルを維持しているし、十分にクイーンらしさが出ているんだけど、B面のフレディ作の一大組曲には到底敵わない。「Orga Battle」のテープ逆回転から始まりいきなりクイーン独特のコーラスワークから始まるブラックサイドはこの一瞬だけでも鳥肌モノ。リマスター盤CDがリリースされて音の良さが顕著になった時にはこの逆回転部分と正回転部分との音の継ぎ目がはっきりとわかってしまって、その作りに驚いたものだ。しかしもう名曲のオンパレードで実際にライブでこの通りに演奏されたことはないのが残念だけど、「The Fairy Feller's Master-Stroke」もフレディならではとしか云えないし、「Nevermore」だってこれまでに聴いたことのないような旋律と美しさを持った曲だしさ。「March of The Black Queen」なんて考えて作れるタイトルなんだろうか?と思えるくらいかっこいいフレーズ。だってさ、「黒き女王の行進」だよ?黒い女王と云う発想もなかなかできないし、しかもその行進だもんなぁ。正に英国ならではのフレーズだよね。日本人にはとても無理なフレーズでしょ。んでもってファーストアルバムの最後にその予兆が収録されていた「輝ける七つの海」はここで見事に開花してアルバムの最後を飾っている名曲。イントロのフレディのピアノからしてとんでもなくかっこいい。A面についてあんまり語ってないのはどうしてもB面を聴く回数に比べて10分の一くらいしか聴いてないのであまり何も云えないのです…。25分ものの別アルバムだと思って聴いているからなぁ。A面も他のアルバムに分散して収録されていればもっと聴いたんだろうけどね。

 しかしこれほど濃いサウンドを作り出していたクイーンがず~っとシンセサイザーなしでアルバムを作っていたというのは聴いてみると改めて驚くことですね。コーラスワークやブライアンのギターオーケストレーションがそれを可能にしていて、しかもこのアルバム180回以上とも云われるオーバーダビングを繰り返されて制作されたそうで、レコーディングの途中でテープが透けて見えるほどになったので急いでまたダビングを重ねたという逸話も残っているほどなので、今の技術だったら凄く綺麗な音でレコーディングできたんだろうなぁと思う。もちろん時代の雰囲気が重要なのでそんなことでは許されないんだけど。

 ということで数あるクイーンの、フレディ伝説の中でも最も光り輝いている作品は間違いなくこの「クイーン2」のブラックサイドだ。英国美と荘厳さや威厳を誇る名作中の名作で全てにおいて完璧とはこのことを言う。

Aerosmith - Toys In The Attic


 キッスが出ればやっぱりエアロスミスも出さないとね。キッスが商売をしっかり考えて世に出てきたことに対しボストンの田舎町から苦労を重ねてライブを繰り返しながら徐々に世に出てきたエアロスミスは単純に言ってしまえばスティーヴン・タイラーの根性だけかもしれない(笑)。やはり彼のバンド内のリーダーシップというものはあまり表面には出てこないけど凄いらしい。対外的にはジョー・ペリーも出てくるんだけど実はスティーヴン・タイラーが絶対君主に近いくらいのリーダーシップがあって、それでエアロはコケもしたけど今でも世界最高のロックバンドなのだ。

 そんなエアロの数多いアルバムの中でも多種多様の音楽性に溢れた作品が「Toys In The Attic」だと思っている。次作「Rocks」「Draw The Line」が名盤として語られることも多く、実際良いアルバムなんだけどやっぱりバンドとしてできることの可能性を探りながら、しかも切羽詰ってではなくゆとりを持って模索していた時期のアルバムとしてはかなり面白い感じに仕上がっているんじゃないかな。超かっこいいロックナンバーの「Toy In The Attic」から始まり軽快なシャッフル「Adam's Apple」なんてのも他のバンドではあまり聴くこともない楽曲でいつ聴いても新鮮だし、「Big Ten Inch Record」だってそうだ。今ではRUN DMCがカバーして再生エアロのきっかけとなった「Walk This Way」だけど、この時代にこんなラップ調の曲ってのも新たなる取り組みだったことには間違いないし、これは多分スティーブン・タイラーが元々はドラマーだったことも影響していると推測しているんだけど、「リズムを歌う」という挑戦だったと思えるんだよね。んでもって「Sweet Emortion」でトーキングモジュレーターを持ち込むってのもジョー・ペリーのアイディアだろうけど、創造性に溢れていて面白い。トーキング・モジュレーターってギターの音をホースみたいなので一旦口に持ってきて口の中で音を転がしてマイクで拾うっていうものなんだけど、おかげでこいつを使うとバカになるっていう噂も広がった(笑)。お、それと「No More Mo More」もあるのか…この辺って今でもライブの定番セットリストに入ってるもんなぁ。評論家の名盤とリスナーの名盤とバンドの名盤って違うんだろうね。

 そんなことで裏名盤かと思ってたら結構真正面から名作じゃん。アメリカンロックの王道となった再生エアロも勢いがあっていいけど、70年代のドロドロしたエアロの方がやっぱり良い。後にリリースされた「Live Bootleg」というライブ盤があるんだけど、とんでもなく下手くそなプレイばかりが収録されていて、その下手さすらもかっこいいロックとして位置付けられてしまうんだから大したものだ。やっぱり視覚的に見栄えのするバンドだったワケで、DVDもアレコレとリリースされているのが嬉しい。

Kiss - Alive


 ヴァン・ヘイレンはアマチュア時代に何百曲というカバー曲のレパートリーを持ってクラブ出演しまくっていたと云うが、ストーンズがツアーを行う際でも100曲くらいはレパートリーとして持っているそうなので、やっぱりプロとしてできるキャパシティはこれぐらいは必要なのだろう。そしてヴァン・ヘイレンがカバーしていた曲の中にはツェッペリンZZトップ、もちろんキンクススティーヴィー・ワンダーエアロスミスジョニー・ウィンターなど蒼々たるナンバーばかりだがその中にキッスも挙げられている。キッスと云えば最近はキヤノンのデジカメ一眼EOS KISSのCMで子供たちがそれらしいメイクを施してバックには「I Was Made For Lovin' You Baby」が使われていたことが記憶に新しいが、もちろんオリジナルキッスの話。

 最初は衝撃的だったんだろうなぁ、と素直に思う。あのメイクとイメージでの戦略は全てジーン・シモンズの案だと言われるが、さすがユダヤ人は商売熱心である。ちょっと偏見かもしれないけど総じてユダヤ人は商売に賢明だしね。それはそれとして、ファーストアルバムから既に明確な方向性を明示していて、ハードロックの世界に括られるのだが楽曲は非常にポップなロックンロールで4人が4人とも歌えてコーラスもばっちりという正にビートルズ的なバンドというのが実体だが、初期三枚の名作を集約したベスト盤的意味合いの強い「Alive」が好き。

 有名な初来日公演をNHK「ヤング・ミュージック・ショウ」で放送していたためその映像が大変インパクトを放っていたのもあり、一度見てみたいと願ったものだが、1997年になってようやくその願いが実現した。メイクキッスで東京ドームを埋め尽くした来日公演はもちろんディープなファンや昔を知るファンにはあまり好評ではなかったようだが、じゃあ見れなかった方が良いのかと言われれば見れるに越したことはないだろう。個人的にはジーンの火吹きも見れたしステージから矢倉上までヒューっと持ち上げられるシーンも見れたし、もちろんあの血ヘドは吐きながらのベースソロも見れたし云う事なく感動しました。フォーメーションもしっかりやってくれたし、「Firehouse」での赤いサイレンに包まれる会場も体感したし、さすが娯楽バンドっていうのをたっぷりと堪能できたもん。残念だったのはエースのギターが煙を吹きながら舞い上がっていくシーンが見れなかったことくらいかな。そんなシーンを何度も何度も夢見ながら聴いていたのが「Alive」

 キャッチーな曲がずらりと並べ立てられ、ハイテンションな演奏を繰り広げる若かりしキッスの最高の瞬間が詰め込まれたこのライブアルバムはひとつの文化を形成しているし、キッスというバンドのひとつのピークを物語っていることは確実の名盤でしょう。このおかげでロックに取り憑かれた人を何人も知っているだけに愛着も深いかな。初めて聴いたキッスもこのアルバムだったしね。ちょっとズレるけど映像だと「Kiss the Lost 1976」ってDVDがあるみたい。

Van Halen - 1984


 同じ時期に強烈にインパクトを残して今でもよく聴くのがヴァン・ヘイレン「1984」だね。それこそ80年代ポップス主流の頃にはポップスチャートに紛れてトップを取っていたのでロックとかの境目もそんなに意識しなくて聴けたのもラッキーだったんだけど、今聴いてもやっぱ凄いアルバム。

 最初のヒットは「Jump」かな。プロモでのクリスタル&深胴のドラムセットがかっこよかったのと虎柄のジャケットを羽織った笑顔でとんでもないギターを弾きまくるエディの格好良さは滅茶苦茶響いたね。その後の「Panama」でのリフの格好良さったら最高でしょう。後はもちろん「Hot For Teacher」。プロモビデオのおふざけもなかなか面白いし、とにかくドラムのリズムとギターリフがすごいかっこよくって、この曲のリフってオクターブ挙げたり下げたりしてるだけで基本的に一緒のフレーズなんだよな。こういうのを天才と言うんだろうって思った記憶がある。シングルにはなってないけど「I'll Wait」だっけ?冒頭からキメで入ってくる曲で、まるでクリムゾンの21バカの途中のユニゾンキメみたいなのをイントロに持ってきたやつで、こいつもまた難しいのにサラリとやってのけてるんだなぁ。単純なアメリカンロックにならないのはやっぱり元がオランダ人だからかな。そこにデイヴ・リー・ロスのアメリカンエンターティンメント性が重なった一番具合の良いアルバムなんじゃないかなと思う。

 もちろん他のアルバムでも凄いのはあるんだけど、個人的にはやっぱりファーストアルバムが印象深い。「Running With The Devil」から「Eruption - You Really Got Me」ってのはハードロック界広しと言えどもこれほど絶妙なのは少ないって感じでお気に入り。「Eruption」なんて人間業じゃないもん。昔ライブハウスでプレイしていた頃のエディはこれを弾くときは後ろ向いて弾いていたらしい。で、「You Really Got Me」でしょ。これキンクス完全に超えてるかっこよさだから困る。で、キンクスがこれに影響されてどんどんハードな曲になっていくという面白さもあるんだけどね。「One For The Road」っていうキンクスのライブアルバムを聴くと影響された後が伺えるプレイをしてます。

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