Project Mama Earth - Mama Earth

Project Mama Earth - Mama Earth (2017)
Mama Earth

 昔に比べてミュージシャン達は自由なスタイルでの音楽作りや作品の発表なんかが出来るような風潮になっているのかな。契約がそういう事を自由に出来る形になっているのだろうとは思うけど、それでも結果的にはすべて売れるという事に繋がるのだからOKみたいな判断もあるだろうしね。もっともそれを許さないで独占的にプレミア的に価値を高めるという手法もあるので、皆が皆でもないのだろうけど、結構自由にセッションしてるのが目に付く気がする。

 Joss Stoneも自身のアルバムをリリースしながらもいくつかのセッション活動に巻き込まれてか進んで参加しているのか、ってのはあるが、類稀なる才能を生かしてのセッション活動が目立つ。そもそもそういう活動で往年の曲のカバーを如何に感動させて聞かせるかってのがあったから自ずとセッション活動も普通に入ってくるのは当然か。ベックとのセッションから話題が広がり、ミック・ジャガーとのバンド、スーパーヘヴィーの参加、そして今回はその周囲のプロなミュージシャン達とのセッション活動でProject Mama Earthの名義でボーカルで参加している。アルバムはまだリリースされてなくて30分のシングル扱いの作品が「Mama Earth」としてリリースされている。ユニークなのは現代音楽的、電子音楽的な作風にジョス・ストーンのあの歌声が乗っかっているという実験的な作品で、もうちょっと意味ありげなプロジェクトらしいけど、そこまで追いかけてなくて単に作品を聴いてみて、これはこれはまた…ってな感触だったので取り上げてみた。

 ソウルフルな歌声が信条のジョス・ストーンが、自身の作品では決して到達しなかったであろう音世界が繰り広げられている。そこでポップにならず、妙な作品にもならず、しっかりとキャッチーに深みのあるサウンド、そして歌のメロディに仕上げているのは流石に往年のミュージシャン達ならではの技。個人名書いてもほとんど知らないし、その人達の活動を知ると、なるほど、なんて思うけど、やっぱり才能ある人達ってのはたくさんいて、それぞれが新しい刺激的で楽しい事を作り上げようとしてて、その中のひとつにジョス・ストーンという歌い手の作品がある、ということだ。そして、それを聴いて十分にユニークだ、と聴いているリスナーが自分なのだ。いつまでも同じような作風のアルバムをソロで作り続けて売れるという選択もあるが、こういう刺激的なチャレンジに取り組んでミュージシャン的に前に進んでいくという姿勢が良いね。



Amy Winehouse - AMY

Amy Winehouse - AMY (2015)
AMY エイミー [Blu-ray]

 ショウビジネスとドラッグの繋がりってのはどこの国もあるものらしいし、いつの時代でもその関係性は変わらずにある。一般人からするとそんなのどうやったら手に入るんだ?とか簡単に買えるモンなのか?など思うけど、蛇の道は蛇ってなものだろうから、きっと簡単なんだろう。ただ、安くはないんじゃないかなぁ…。自分なんかはそもそも子供の頃から薬を飲むって事自体が好きじゃないし、注射もダメだから簡単には手を出せないかな…、そういう環境下にならないとわからないけど。皆手を出したくてやってるんじゃなくてそこしか逃げ道無いから行ってるだけなのかもしれないけどね。そんな事も考えてしまった映画作品。

 Amy Winehouseのドキュメンタリーだから厳密には彼女の作品ではなくって彼女を描いた作品「AMY」、2016年リリースのそんな時代にまだこんなドロドロのドラッグまみれな人生を歩める環境が凄いとすら思った映画。21世紀、つい最近の話なのに、60年代と全く同じ酒とドラッグとオトコに人生を棒に振らされたオンナの話。時代は変わってもヒトは変わらないという象徴なのかもね。表舞台からは全く見えない人生劇が彼女の中では起きていて、その裏側のプライベートなフィルムなんかを持ち出してきて構成されているから、こんな風に生きてたのか…と驚愕的に見ていた。こりゃ死ぬわ、ってのも普通に思ったし、酒やドラッグに溺れるのも当然だろうな、とも。同じ27クラブの連中もきっと同じだったんだろうなと。言い換えればやっぱり天才の繊細さはショウビジネスに食い尽くされるっていう話か。

 しかし、エイミー・ワインハウスの才能の豊かさは初めから素晴らしかったってのも分かって、意外なことにギター一本で曲を作って奏でて歌って、っていう所からスタートしている。んで、もちろん10代後半の頃からの映像でもギター弾いて歌ってるのとかあるんだけど、押さえてるコードが当然だけどジャズコードでさ、そんなの駆使してあの声で歌ってるワケ。そりゃそんなの眼の前で見せられたらどんだけの才能だ?って皆が皆思うよ。んであの声でしょ?本人も音楽だけ出来てたら楽しかったろうけど、やっぱりそこはオトコと有名になるっていう生活環境に翻弄されて…、一山超えて復活の兆しも見えたんだけどやっぱりちょっとした事からダダ崩れ。ライブで歌うってことすらを放棄してしまう、ってそもそもの唯一の自分を放棄してしまうって事で、やっぱり精神的なモノが大きかったろう。

 見ていて辛い映画。決して酒とドラッグとロックみたいなのが格好良いなんて話じゃない。天才が20代からそんな環境になったらこうなる、って話。日本はその意味では才能をきちんと発揮させて環境も整えて、余計なお世話まですらするという状況があるように思う。もっとも事務所によるだろうけど。



Taylor Swift - Fearless

Taylor Swift - Fearless (2008)
Fearless (2009 Edition)

 Twitterなんかで来日公演のライブの様子や感想みたいなのは何となく流れてくる事が多いので、そこで「あぁ、来日公演してたんだ」と気づくことも多い。自分で完全にチェックしているバンドとか以外は概ねそんな感じでしか知りえないからさ。それでも全部が全部の情報が流れてくるモンでもなく、全く知らないまましばらくしてから来日してたんだ?みたいなのもあったりする。まぁ、大きく後悔するみたいな事はあまりないけど、知ってたらちょっと寄ってみたかもなぁってくらいのはいくつかある。それでも1万円以上出して行くか、ってぇのは疑問だけどね。今年は大きな会場が軒並み工事に入っていたからか大物の来日公演はそれほど多くなかったようだけど。

 Taylor Swiftも東京ドームでやってたようだ。これこそ全然情報が流れてこなかったんで全く知らなかった…ってか来日するぞ、って時はそうか〜って思ってたけどすっかり忘れてて、こないだ何かで来日公演終わって…みたいなのがあって、そうか、終わっちゃったんだ、って感じ。もちろんポップアイドル路線まっしぐらの現在進行系のテイラーのライブなんてのは音的にはほぼ興味ないのは間違いないので、どうと言うものでもないけど、初期作品は結構好きだからな…って事で2008年リリースのセカンド・アルバム「Fearless」。このアルバムでブレイクしてトップアイドルになったんじゃないか?19歳位の頃の作品でしょ?しかも概ね自作だったと思う。元々カントリー娘だからギター弾いて歌えて作曲も出来る才能の持ち主なんだから強い。それでいてルックスに磨きをかけて垢抜けさせてのポップスター路線、しかも純粋の白人だからアメリカ人が待ち望んでいたアイドル、しかもカントリータッチ。近年のは素朴さからかけ離れて最先端のアレンジが施されたりしてるんで、アレだけど、このヘンはもう思い切り純粋な作品です。

 当時息抜きに結構聴いてたからか、かなり覚えてるし印象深い。やっぱり覚えやすいメロディなんだろうね。どれもこれもキャッチーこの上ない曲ばかりで正直、名盤の域にあると思うモン。楽器の音色やコーラスやアレンジも当然天下一品、肝心のテイラーだってもう伸び伸びと歌ってて艷やかだし、非の打ち所のないくらいの作品、売れて当然な作り具合、アメリカが本気出すとこういうのがスッと出来上がるのがやっぱり凄い。この人ライブもかなり面白いし、来日公演はどうだったんだろ?圧倒的なパフォーマンスだったろうけど、その意味では本物のエンターティナーになったテイラー・スウィフトというパフォーマーを見てみたかった気もしないでもない、か。





Babymetal - Starlight

Babymetal - Starlight (2018)
Starlight


 最近はライブもご無沙汰的になってて、それと言うのも自分が一番好きなのって70年代のバンドばっかだから、もう終わってる、ってのが大きい。そのヘンが再結成とかベストヒット的なライブで来日とかあるけどほとんど行ってない。ノスタルジックな気分で見るならそれもありなんだが、どうも今見に行っても多分何のパワーももらえないだろうし、単に思い出に浸るだけになりそうでね。まぁ、何回か色々と見に行った時にそりゃ感激したのもあるけど、いつも悲しいのはあんなパワーが無かったっけなぁ、と当たり前の事。若くて新しいバンドなんかを見ると、曲への思い入れは全然ないけど、ライブがものすごくパワフルで見てて気持ち良かったりするから、自分はライブに何を求めるのか、って思うと、多分ノスタルジックじゃなくてパワーやエネルギーをもらって刺激を受けるって事なんだな。だから出来るだけそういうライブを選んで見に行きたいなと考えるけど、今度はそもそもバンドを知らなかったりするという…。悩ましいですなぁ…。

 Babymetalは年に1回くらいしか日本で見られない。あとは海外ツアーなんだが、それも長々とはやらないからどこでもみな一回くらい見れれば良いだろうという感じで、しかもライブ時間がとても短い。1時間強がせいぜいだ。んで、値段はバカ高い。その代わり面白い刺激やネタ、パワーやエネルギー、そして斬新なインパクトなんかをたんまりと与えてくれるという何ともハイレベルなトレードオフのあるライブなのだな。今年も5月からワールドツアーしてて、それはもうYouTubeで全部チェックしてて、どうなってるとか何をやってるとか新曲云々とかスタイルが変わってどうなんだ、とか全部ね、好きだから漁ってチェックしてるワケ。んで、10月になっての日本公演が発表されたは良いけど、まるでチケットを発売する気配なし、実際チケットを一般に発売したのは多分10月入ってしばらくしてからじゃないか?普通何ヶ月も前から予約取るのがほんの二週間程度前でさ、それも凄いなぁと。まぁ、転売防止目的が大きいのだろうけど、実際入手する側には別に問題ないから良いんだが、そもそもチケット取れるのか?って思ったが、割とすんなり取れた。せっかくなのでGalactic EmpireとSabatonも見れる日で取ったから存分にライブを楽しんだことは言うまでもない。

 そしてメンバーを一人欠いたBabymetalだが、もちろんそこは大所帯のダンサー揃えて一大パフォーマンスを見せる事で圧倒的なライブを仕掛けてきてとにかく客を黙らせてしまったという力技。それに加えてのジョイントバンドからの大称賛と日本で多分初めてだと思うのだが、日本のバンドが海外のバンドも呼んでのバンド主催のフェスティバルスタイルの大成功、というまた一歩新たなステップに歩みを進めたようだ。この部分はあまり触れられる事もないけど、それって凄いと思う。日本のバンドが日本の小僧バンド集めてフェスだぜ、ってのはあるけど、日本のバンドが海外のメジャー級のバンド呼んでフェス演るぜ、って無理でしょ。ラウドネスくらいじゃないか、できるの。それでもラウドネスを超えるクラスのバンドが来たら霞んじゃうから、そこがBabymetalは出来ちゃうってのが凄い。来年あたり、もうちょっと大きめなイベントにしてってくれると面白くなるな。

 そのbabymetalの新曲が「Starlight」って最初聴いた時は何だこのアニソンは?って思ってあまり得意じゃないスタイルだなぁって思ったんだけど、ライブで聴いててその神々しさにちょいと驚いて聴き直していた。もうね、ベビメタの曲ってスルメ曲になってきてるのが多いのか、何度も何度も聴いていくとどんどんわかってくるというか…、たかがアイドルのくせにそんな深い仕掛けがしてあって、ホント完璧に出来上がっている。ニッチなリスナーにも楽しみを与えられるというか、勝手にそういう聞き方しているってか、いずれにしてもつまらないものはリリースしてこない。その信頼感は見事だ。正に完璧なチームで成り立っているから今後も期待したいしどんどん追っていきたいね。



Lady Ga Ga - A Star Is Born Soundtrack

Lady Ga Ga - A Star Is Born Soundtrack (2018)
A STAR IS BORN SOUNDTR

 映画のサウンドトラックっていろいろと出ているけど、結構様々なパターンがあって、割と自由なオムニバスアルバムという感覚ですらある。そんな中から新しい出会いがあったりもして映画を見た時に、でも良いしサントラ聴いた時でも良いけど、昔は価値あったね。今でもその流れでサントラって出てるから、多分それなりの需要もあるんだろうし、話題作の売上上げるにはちょうど良いアイテムでもあるのかな。結構サントラにしか入ってない曲とかバージョンがあったり、描き下ろし作品とかあったり侮れないアイテムなんだよね。

 Lady Ga Gaが2017年に音楽活動休止して体を治します、って事だったんでしばらくシーンでは見ないんだろうと思ってたらこのサントラ「A Star Is Born Soundtrack」を見かけて、レディー・ガガって書かれてるもんだから何だろ?って調べてたら何とも驚くことに「スター誕生」ってリメイク映画の主役を演じてた。その流れでサントラに描き下ろしの曲もいくつか入れていて、もちろん自分自身で歌ってたりするから新作集にもなってるワケだ。へぇ〜、そんな事してたんですか、と思った次第。レディ・ガガって凄い人なんだよね。単なるポップアイコンじゃなくて、物凄い才能に裏打ちされたパフォーマーで、音楽の才能はホント、半端ない人で、それはもうちょっと前のトニー・ベネットとのジャズボーカルアルバムでもしっかり出ているし、今回のサントラでも、本気で本物の歌手の歌が歌われている。表面だけじゃなくって腹の底から心の底から歌えるパワフルなボーカリストなんですね。

 サントラ聴いてて何となく、最初の頃のアマチュア的な作風からどんどんとプロ的なアレンジが入った作風に変化してってるから、そういうストーリーなのかな、って勝手に想像しちゃった。もちろん初期の頃の生々しい作風の方が好きだし、歌手らしい。音がポップにアレンジされたりしてくるとどうしてもポップスになっちゃって本物の才能がそのまま聴こえてこないからね、それでも売る側ってのは新しい仕掛けを打っていかないとダメだからこうなるのはわかるが。それでテイラー・スウィフトとかもダメだしね。それはともかく、ここで聴けるレディ・ガガの才能はホント、素晴らしい。さすがです。







Autumn's Grey Solace - Ablaze

Autumn's Grey Solace - Ablaze (2008)
Ablaze

 昔はジャケ買いって事も割とあって、色々なアルバムやバンドを聴いていくとアルバムのジャケットを見て、何となく自分のセンスと合うかな、って思って中身も情報も何も知らないままにジャケットだけで買ってくるレコードもよくあった。なけなしのカネをはたいて買ってるから、好きかどうかって基準よりも何かどこかに買った理由を自分で見つける必要があったってのが事実なのだが、それでも当たり外れみたいなのがあったな。当たった時は嬉しいよね。外れても良いとこ見つけて自分を慰めてるが。いつしかそういうのもあまりアテにならなくなって、そして情報が溢れる世の中にもなったからそんなギャンブルしなくても良くなったし、そもそもネットで聴けちゃうし、ってのはホント、良い時代だ。

 Autumn's Grey Solaceというこれもまたアメリカのバンドの2008年リリース作「Ablaze」。ジャケットが強烈に訴えてくるものがあってさ、単に怪しげな女性が睨んでくると言う以上にメッセージを感じてしまってね、果たしてどんなんだろ?と想像も出来ないままに聴いてみた。そして出てきた音には少々戸惑いを覚えながらも、そう来たか、ってね。これもまた自分の世界観としては割とアリな感触で、好みの範疇に入る。一般的にはシューゲイザー的なジャンルに入るらしいが、ボーカルはエリン嬢なる女性で、ずいぶん可愛らしい声で耽美的に歌ってくれるからまるで耳元で囁いてくれているかのような優しさを感じるんで好きになるポイントが圧倒的に高い。音楽性はと言えばシューゲーザーと言われる程の音でもなく、ギターがひたすらキラキラしたコーラスやディレイやフェイザー系の音を駆使してて物凄くレンジを広げているサウンド、その意味ではシューゲイザーなのかもしれないな、やっぱり。決して明るくもなく、かと言って暗い音世界でもなく、やはり耽美的というのがぴったりな音。

 所々で効果的な効果音的なサウンドも入ってくるけどバンドのポリシーとして鍵盤を使わないってことなのでひたすらそれ以外での効果的サウンドを駆使しているようだ。そんな細かい芸はあるものの、ど真ん中に位置しているメロディラインと歌声が圧倒的に聴きやすさを増しているからとてもアメリカのバンドとが思えない感触が個性的か。かと言って英国です、ってほどの湿り気感はないし、なるほど、面白い音になってるもんだ、と感心。何枚もアルバム出してるから結構人気もあるだろうし、自分が知らなかっただけなんだとは思うけど良いモンに出会えて良かったですね。






Emilie Autumn - A Bit O' This & That

Emilie Autumn - A Bit O' This & That (2007)
A Bit O' This & That

 世の中、という基準が適当かどうかってのはあるけど割とパソコン使い倒す人って少ないんだろうな。ネットとメールなら別にパソコンじゃなくて良いって事になりつつあるし、画像や動画いじるならパソコン必要だけど、とかゲームやるからってのはあるかね。そのヘンはもう特定な人種に限られてくるからパソコン使えるっていうレベルとはちょいと違ってニッチな世界観だ。エクセルやパワポなんてのは仕事でも使う人は使えるけど案外使えない人も多いし、若くてもそれは変わらない、ってか使う必要性がないから使えない、ってモンだろうか。触る機会ないもんな。結構パソコン覚えないと生きていけないぞ、なんて言われた世代って希少人種なのかもな…。

 秋なのでAutumn、ってのもあって実に久々なEmilie Autumnを引っ張り出して聴いてたり。2007年の「A Bit O' This & That」、初期作品に数えられる作品集で、彼女のレーベルからリリースされていた時代の産物でもあるからか既にデジタルライブラリ限定になりつつあるアルバム。そういえば最近は全然名前を見ないし作品も見かけない…って探してたら「The Asylum for Wayward Victorian Girls」なんて本を出版してた。日本語にはならないだろうから読むことはないのだろうけど、あの才能が小説になると一体どうなるのだろうか?っていう興味深さはあるんで、そのうち何か情報収集しておこうかな。そしてこの「A Bit O' This & That」、もうね、才能弾けまくり。一体どういうセンスと才能でこういうの作り上げられるんだろうか、ってくらいにあちこち多種多様な音楽センスを広げていて、しかも凄いな、ってのはどっから聴いてもロックやパンクのエッセンスが弾けまくってるんだよ。音楽そのものはクラシック的だったりジャズ的だったり弾き語り的だったりするにもかかわらず、だ。人間がロックなんだろう。強烈な存在感はやっぱり最初期の頃から健在で、どの曲も美しく斬新で衝撃的。騒がれないのが不思議なくらいの才能の溢れ出方、アレンジも斬新だしさ、あっという間に虜になるアルバムだね。

 見かけどおりにゴシックロリータ少女エッセンスを出してるけど、バイオリンがメイン楽器、だから素地がしっかりしているのは言うまでもないし、そこにこういうエッセンスだ。だから出てくる音楽も面白くて、歪ませたバイオリンで奏でるパンキッシュなサウンドだったり、もちろん歌も歌ってるんだけど、これがまた凄いアジテーションっつうかインパクトあって、一番バランスが面白い作品かもしれないな。いや、どれもこれも楽しませてくれる天才的なアーティスト、やっぱり凄い。






All About Eve - Road To Your Soul

All About Eve - Road To Your Soul (1989)
Road To Your Soul

 美術館って最近は行けてない。昔は割とちょこちょことと行ったりもしててなんとなくの感性を磨いていたのもあったんだけどな。何がどうってほど詳しく好きなワケでもなくて、なんとなくアルバムジャケットという世界から入ってみて、絵画の芸術ってのも面白いな、本物ってどういうんだろ、って興味程度から。海外にもちょこちょこ旅行で行った時も博物館とか美術館ってやっぱり見てくるし、その延長で日本国内でもどっか行ってアレば見たりしてたしさ。まぁ、詳しくないしただ単に見てて面白いってだけの楽しみなので何も語れることはないんだが、刺激にはなってた気がする。

 All About Eveとホリー・ワーバトンの関係もあって、セカンドアルバム「Scarlet & Other Stories」が知られている。そこはもうウチのブログにも登場しているので、今回はこのセカンドアルバムからシングルカットされた「Road To Your Soul」のジャケットもホリー・ワーバトンの作品だってことなので登場させてます。これまでの合成チックからするとちょいとアート的になってて作風がやや異なる気がするんだけど、1989年の作品だからそういうのもあったのかな。All About Eveもジュリアンヌ・リーガンの美貌と耽美的な作風でニューウェイブからプログレリスナーまでを魅了してしまっていて、オールドファンにはヤードバーズのクリス・ドレヤが絡んでいるってのもあったからか、オールマイティなリスナーからの愛を一気に背負っていたとも言えるのか、珍しいバンドではある。冷静に聴いてみてもどこが凄かったんだ?って思う部分はあって、普通にロックバンドなだけで、女性が歌っているって話なのだが、やっぱりムードとかなんだろうなぁ。自分的にもこういう世界観に出てくる女性像ってのは好きだし、舌っ足らずな歌い方もソソられるのは事実。

 このシングル「Road To Your Soul」ではセカンドアルバムの冒頭にもなっているから取り立ててって話じゃないけど、今は拡張バージョンも出ているようで、ボートラ行きになってる。んで、結構な勢いと思い切りの良さで気持ち良い歌い上げていながらも叙情的な感性を全面にだした実にそれらしいサウンドに仕上がっている傑作。この一極で起承転結が出来上がっているもので、All About Eveここにあり、的な楽曲で良作。もちろんこのアルバムも見事な作品なんでね、ルネッサンスにはない瑞々しさがたっぷりと聴ける時期。




Danielle Dax - Inky Bloaters

Danielle Dax - Inky Bloaters (1987)
Inky Bloaters

 絵画やジャケットなんかを手がける芸術家達はレコードジャケットやCDジャケットという作品はどう思ってたんだろうか。自分の作品がそのミュージシャンやバンドの音とマッチしている方がそりゃ良いのだろうけど、そこまで聴いて作品を合わせていったなんてのはあまり耳にしたこともないから、バンド側が選んでいくのだろうな。それだと絵を書く側からしたら自分のイメージとは違う音なんてのも出てきたりするんじゃないかな、なんて余計な事を思ってしまってね。それが巨匠になっていくと余計にそういうギャップ感が合ってはいけないんじゃない?みたいなさ。ギーガーにしても誰にしてもそういうのあったんじゃないかなぁ。今回のホリー・ワーバトンにしてもそれはあったんだろうか?なんて事も頭をよぎりながら色々とと着手してみる…。

 ホリー・ワーバトンと言えばDanielle Daxが一番メジャーな関わりなんじゃないだろうか、ってくらいにはほぼすべての作品で関わっているんでこの人の売れ方で知られていったと思う。Daniel Daxの1987年3枚目の作品「Inky Bloaters」なんてのを聴いているんだけど、まぁ、早い話がケイト・ブッシュがもっと常人のロックに近づいて降りてきて歌っているようなモンで、それはそれで新しい取り組みです…ってか当時からしても結構インパクト強いアーティストだったと思う。当時はあんまり思わなかったけど今聴いてるとものすごく歌がしっかりした人だったんだって事に気づいた。サウンドはアヴァンギャルド的ポップでもあってバックの音がバンドらしくなってるのもあるから、聴きやすいんだけどね、ところどころで超アヴァンギャルドやってて面白い。それも明るく突き抜けていくトコにあるから気持ち良いのかもしれない。

 基本的な音の上に被さってくる効果音やノイズ、ひたすら繰り返されるフレーズのループ感による高揚、さすがノイズバンドから出てきただけあるアヴァンギャルドな姿勢は不思議だけど心地良い。この心地良さに気づくとそういう世界を楽しめるのだろうから、やっぱりその意味ではマニアック。ただしダニエル・ダックスという美女が奏でるってことでキャッチーさを増していてポップにも寄っているんでウケが良い。上手く出来ている。今にして楽しいアルバムだなぁと感じている次第…。






Dolores O'Riordan - No Baggage

Dolores O'Riordan - No Baggage (2009)
No Baggage

 ここで挙げられるバンドや歌手以外にも色々と候補になるアルバムがあって、そういうのも聴いたりするんだけど、やっぱり好みじゃないなぁとか、面白味がないなぁなんてのは聴いてても書けてない。そのまま書けば良いのだろうけど、好きじゃないのに書くのも気が乗らない、っつうか何でそんなこと書かなきゃいけないんだ?ってのもあるから割と無かったことにすることも多い。敢えてそれでも書いてるのもあるんで全部が全部じゃないんだが、何となくそこまでして聴いてもしょうがないし…やっぱり聞く以上は面白いトコロを見つけたいし楽しみたいワケで、無理してそれを探すのはもっと後だったり他の人にやってもらえれば良いかと。だからまぁ、ここは自分の忘備録的要素が強いのと良けりゃそのヘンで思い出してくれれば、とかそんなノリになってきてる。ただ、それでも自分で思い出したり新しいのに出会えたりするのは面白いからね。

 Dolores O'Riordanの2009年リリースのソロ名義二枚目の作品「No Baggage」。ご存知The Cranberriesのフロントボーカル女史として名高いドロレス・オリオーダンですね。残念ながら2018年1月に他界してしまったのはつい最近の話でまだまだ生々しい訃報として記憶に残っている。その時からまたじっくりクランベリーズの時代のから全部聴き直したいな、って思ってたんだけどなかなかそれも出来てなかった。ココに来てようやくソロアルバムに着手してて、このアルバムだ。今回が初トライだったんで良い機会…と思ったらさ、これがまた無茶苦茶良いアルバムで、もっと早く聴いておきたかった、って思った作品。好きなんだろうね、こういうケルティックエッセンスありながらもポップでキャッチーでちょいとロック的なサウンドながらも優しく歌ってくれている、ってのが。The Corrsなんかもそうだけどこういうの聴きやすいしスッと耳に入ってくる。多分それはもう多くの人がそう思うポップさだから当然なんだろうが、ここのトコロそういうの聴いてなかったから余計にすんなり聞こえてきてね。

 何と言うのか、随分贅沢と言うか豊かな、ゴージャスな、余裕のあるゆとりのある作品という感触で、だからこその愛のあふれる作品に仕上がっているというのか、なかなか出会うことの少ないこの雰囲気が堪らなく愛おしい。どうやったらこういうのが出来上がるのかって不思議に思うんだが、そこが見事。アルバムを何度も聴きたいって思わせる作品だもん。捨て曲なしの充実したアルバムで満足度が高い作品。素晴らしい。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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