Kate Bush - Never For Ever

カテゴリー: Fairlies

 女性歌モノばかりを聴いていてふと思い出した。ここの所全然聴いていなかった人だけど、10代の頃は結構よく聴いていたなぁと…。そして今でもやはり色褪せることの全くない天使のような女性、ケイト・ブッシュ。正に全盛期の作品のひとつで、自らプロデュースに乗り出し始めた作品としても有名なんだけど、その甲斐あってか、とても繊細且つ美しくファンタジックな世界に彩られたアルバムに仕上がっている。

魔物語(紙ジャケット仕様) 魔物語(紙ジャケット仕様)

 三枚目のアルバム「魔物語」。既にアーティストとしては世間的にもロック的にも認識されている中でのリリースで期待されていたみたいなんだけど、正に裏切ることなくケイトワールドを惜しげもなく披露してきた作品で、最初の「バブーシュカ」でのキャッチーさが作品を取っ付きやすくしているという構成も見事で、歌詞の世界も相当に込み入った幻想的な絵が描かれていると聞く。一般的なベースやギターやドラムという楽器で作られる世界ではなく、ケイトならではの各種楽器を駆使して音を重ねた作品は果たしてロックの部類なのだろうか?と訝しむ部分もあるば紛れもなくロック、なのだろう。

 しかしこの緻密さ、女性ならではのプロデュースじゃなければ出てこないような音かもしれない。プログレの世界にあるような繊細さではなく、緻密な空間の演出が素晴らしく楽曲そのものの良さというのがより一層異空間に溶け込んで中を漂うような空想の世界。割と大きな音で目を閉じてフラフラと聴いているとその降下は絶大かも。「エジプト」なんて聴いているとこの頃から既にポップ的な感覚が変わっていき、演劇的要素が相当強まっていることもわかるね。

 あぁ、あと「バイオリン」もかなり好きな曲だなぁ。ポップなメロディとアヴァンギャルドなケイトという相反する側面が面白くてね。敢えて曲目を覚えて聴くというような感じではなかったけど、ハッとするメロディで、多分ライブの映像を同時期に見ていたので余計にインパクトがあるのかもしれない。アルバム丸ごと聴いて終わるとひとつの世界が終わる、正にケイトの物語の世界に入り込むように音を聞ける作品。傑作。ジャケットも摩訶不思議でよくよく見ると結構お茶目で可愛い絵もあるのでよく見ると楽しい。特に裏ジャケのケイトの舌を出したこうもりには絶対共感するでしょ(笑)。「魔物語」、凄いわ…。

Linda Hoyle - Pieces of Me

カテゴリー: Fairlies

 ブルースを歌う女性、結構色々いるようで、今でもアメリカではシェリル・クロウあたりが挙げられるようで、その前ではボニー・レイットとか…、まぁ、あまり聴かないのもあるけれど、割とたくさんいるんだな、と。英国ではどうかと言うとなかなかこれが少ないようで、そりゃまぁ、ブルースではなくてトラッドの方が気質に合っているからってのもあるんじゃないかと思うけどね。有名なのはもちろんマギー・ベルのあのシャウトだね。いつ聴いても彼女の歌声は凄いパワーとソウルフルだと思うし。ところが意外なところで結構渋い作品を作っていた有名なバンドの女性ボーカルがいます。

Pieces of Me Affinity

 リンダ・ホイルが1972年にリリースした「Pieces of Me」。元アフィニティの歌姫という肩書きがある方がわかりやすいだろうけど、多分Affinity知ってる人はこのソロアルバムも同時に知ることになるような気がする(笑)。そして作風はAffinityとは全く異なるので要注意。リンダ・ホイルの趣味が思い切り出ているというのがもちろんソロアルバムで、バンドの意向を重視したのがAffinityの作品でしょ、多分。だからこのソロアルバム「Pieces of Me」はホントに多様な音楽が詰め込まれていて楽しめる。

 何と言っても最初の「Backlash Blues」からビビるんだ、これが。ギターにクリス・スペディングを迎えているので、アコースティックでのもの凄いブルースギターから始まって思い切りヘヴィーなブルースを歌うリンダ・ホイル、ここでまずはぶっ飛びますわ、これ。こんなに歌唱力あったんだ?みたいな感じで泥臭く、もしかしたらマギー・ベルよりも泥臭く歌っているという有様。こんな調子でアルバムは続くのかと思ったら全然異なるクリスマスの聖歌みたいな楽曲「Paper Tulip」が始まり綺麗な歌声を聴かせてくれる。そういえばバックメンバーはほぼニュークリアスという面々なので雰囲気作るのはお手の物。なんてったって今やアディエマスを展開しているカール・ジェンキンスとジョン・マーシャルがやってるんだから。そして三曲目の「Black Crow」はジョー・ストラマーがソロになってから展開しているような民族的なリズムをバックに楽しげに歌っているもので、これもレベル高い。いやぁ、いいな。続いての「For My Darling」も聖歌のような雰囲気で声楽の容量で荘厳に歌い上げている、正に天使の美声と呼ばれるかのような曲で、美しい。そしてタイトル曲「Peaces of Me」はやっぱり本性丸出しなのか、思い切り英国ヘヴィロックと言わんばかりのねっちいサウンドでニュークリアスでは少々物足りないという感じのバックだけど、そこはクリス・スペディングがヘヴィーに絡みついて頑張っているので、一曲目のブルースを発展させてロックにしたらこんなに重くなりましたというようなかっちょいいロック。

 う〜ん、ジャケットも素朴な写真なんだけど昔は右上に燦然と輝くヴァーティゴマークが眩しかった作品。ほとんどアナログを見かけたことなかったからねぇ。古くはBackgroundというレーベルからCDが発売されたんだけどこれはアナログ落としの海賊盤みたいなもので、しばらくしたら国内盤でCDがリリースされて、今では普通に手に入るんじゃない?紙ジャケのもあるしさ。女性歌モノとしてもかなりレベルの高い作品なので聴いてみると美味しいと思います。

 さてローラ・ニーロのカバー曲「Lonely Woman」…、もうね、ビリー・ホリディとかそういう世界って感じに歌っていて彼女の歌の巧さを実感します。雰囲気も出してるし、オリジナルも損ねていないし、実に素晴らしい。続いての「Hymn to Valerie Solanas」はカール・ジェンキンスの不思議な音色のピアノから不気味に始まるもののミドルテンポでソウルフルに歌うスタンダードなロック調な曲。基本こういう声なんだろう。B面に入ってからは割と大人しい曲が占めているようで、次の「The Ballad of Marty Mole」も正に英国的な雰囲気で歌ってくれている、感動的なバラードチックな歌。マーティ・モールって誰なのかまでは調べてないっ。んでもって続く「Journey's End」も静かめの一曲だけど今度はアメリカに想いを馳せたようなカントリー風味な一曲でスライドギターも入ってくるというものだけど、やっぱりどう聴いても英国だよ、これは(笑)。そういう湿っぽさが漂ってくるのはカール・ジェンキンスのセンスかな。その影響は「Morning for One」も同じで、荘厳さが漂う中、天使のような歌声のハイトーンで紡ぎ出すように歌うリンダ・ホイルが美しい。そして最後には少々お茶目なお遊び曲「Barrel House Music」が可愛い。ボードヴィルなサウンドを狙ってか場末のピアノをバックにキャバレーで歌っているかのような曲でキライじゃないね、こういうの。多分当時の何かのカバー曲でしょ。

 アメリカに憧れた女の子のソロ作品なんだけど揃えた面子が思い切り英国ロックの人間だったおかげで気持ちはわかるけど英国ロックの名盤という域で素晴らしさを残したという作品。Affinityの冠を外して一人の素晴らしい女性ボーカリストとして聴くと楽しめるんじゃないかな。かなりの名盤だよ。今度初めてCD化されるMartha Veletzみたいなもんかな。

 何とも驚くことに2006年にジョージ・キャッスルというピアニストと二人でやっている姿がYouTubeにあったので見てみてください。全く変わらないでジャズボーカルを歌っている声と姿を堪能できますっ!いやぁ、凄い時代だ…。

Annie Lennox - Diva

カテゴリー: Fairlies

 ここの所、実に無差別にあっちこっちのジャンルに渡って音楽を聴きまくっているんだけど、まぁ、今に始まったことでもないか(笑)。いやいや、このブログを読みに来てくれている人は何となくある一定のジャンルがある程度続いていた方が読みやすいのかな、とも思ったし、ストーリー作るの好きだから楽しんでいたんだけどどこかワンパターンになってきた感もあるので、毎日適当に書き連ねるパターンになってきている今日この頃。実際聴いている時ってのはある程度立て続けに聴くものの、やっぱり同系統の音楽ってのは飽きるのでまとめては聴かないよね。ただ趣味志向としては似たようなのが続く方が読みやすいし楽しめるし、予想するから面白いのもあるんじゃないかと。いや、最初からそんなこと考えてないけど、書いているウチに、あ、これなら次はこの辺かな〜って思い出したりしてたので書く方としても記憶の再生ができてよろしかったんだが。まぁ、多分そのうちまた何だかんだとそういうパターンに戻っていくような気もするんだが…(笑)。

ディーバ ソングス・オブ・マス・ディストラクション

 さてさて、ちょこっと前から歌モノ聴きたくて、どういうワケだか昔からこの人は割とよく聴く…、それでも多分フレディ・マーキュリー追悼コンサートでのボウイとのデュエット以来意識して聴いているんだと思うけどね。

 アニー・レノックス「ディーバ」。

 ユーリズミックス解散後最初のアルバムで1992年リリースの作品「ディーバ」。ユーリズミックス時代のイメージとはガラリと変わって女らしく麗しいアニー・レノックスなのだが、どうやら出産直後に制作されたアルバムらしく、一番愛と女が出ている頃の作品なんだろうね。ジャケットの麗しさはもちろんのことながら楽曲の、というか歌の素晴らしさは多分ユーリズミックス時代だけでは出し切れていなかったんじゃないかな。決して作品的に云々というのではなくデジタルポップという側面を強調していたユニットだったのでその歌声と声量を出し切るようなシーンが少なかったと思う。ライブとか後期の作品とかは知らないけど少なくとも初期のヒットした頃はそんな感じだったような。

 それはさておき、本作は基本出来にゆったりとした、そしてメロディのある歌が多くて歌声と作風で雰囲気をガラリと変えながら冷淡な歌が聞こえてきます。うん、やっぱりね、声の質なのか、熱い歌声じゃなくて冷淡な歌声なんだよね。いや、それでも全然伝わってくるモノは変わらないしいいなぁ〜って思うのは不思議。結構何曲かヒットしたのかな?当時は全然ポップスとか聴かなかったのでわかんないけど、多分売れてたんだと思う。しかしこれと言って特徴のあるサウンドでもなかったユーリズミックスが売れたのはやっぱりこの人のクールさなんだろうか。今でも現役で歌っているのはもちろんだけど、かなり大御所的な人になってきたみたいだし、新作「ソングス・オブ・マス・ディストラクション」もリリースしてツアーもしているしね。

 軽快に心地良く歌を、ポップスを楽しむには丁度良いサウンド。明るすぎないところがまた英国人らしくてよろしい♪

Tracy Chapman - Tracy Chapman

カテゴリー: Fairlies

 真摯な姿勢で切々と歌う人、そういう歌手は好きだと思う。多分他人の事とか周りの環境とか考えずに自分だけのために、そして自分の大切な何かのために奏でている音楽で、歌詞もどちらかというと内省的だったり社会性を持っていたりするものだろうけど、とは云え何かが大きく変わることなど期待していない、でも歌い続ける、それがアーティストだから、と。先進的な意味ではボブ・ディランなんかがそうであろうし、最近のは知らないけど多分誰かそういう人いるんじゃないかな。音楽的なアレンジに囚われないで切々と歌い上げる人ね。80年代末にはスザンナ・ヴェガが一番最初にそういったスタイルでシーンに出てきてバカ売れした。もちろん質素な音楽性が新鮮だったからだと思うけど。その後すぐにトレイシー・チャップマンが出てきた。これもまた見事に多くの人の心を捉えたものだが、一部ではスザンナ・ヴェガのぱくりと言われていたが、実際にはトレイシー・チャップマンが先にアルバムのレコーディングを終えていたんじゃないかな?わかんないけど。

Tracy Chapman Crossroads

 1988年リリースのファーストアルバム「Tracy Chapman」。暗くて重い、というかズーンと心に響くアルバムで、軽んじた評論や軽口などが叩ける作品ではないね。最初の「Talkin' Bout A Revolution」からしてもの凄く響く作品で、確かこれデビューシングルだったと思うんだけど、まだそれほど騒がれてはいなかった。自分的にはそれでも何故か知っていて、何か凄く質素で重みのある音だな、と思って聴いていた記憶がある。その後アルバムがリリースされて、ウレに売れた「Fast Car」が出てきた。もうねぇ、これは名曲だよ、ほんとに。凄く良い曲。歌詞がストレートに入ってこないのでピンとこない面もあるけど音だけでもこれは素晴らしい。切々と心に染み込む良い曲でさ、今久々に聴いたんだけどやっぱり感動した。なんて素晴らしいんだ、と。その後の「Across The Lines」もメロディから雰囲気から見事なもので、やっぱりアルバム全部が素晴らしくよく出来ているなぁと改めて思ったね。

 もともと黒人=アフリカ系アメリカ人だからってのもあるだろうけど、フォークギター一本で歌い上げるって実に珍しいアーティストで、その意味では白人の領域に出てきて勝負していたとも云える。そしてしっかりと打ち勝った珍しい人なのかもしれないけど、音楽はそういうことが簡単に打破できるものだよね。これ聴いてると思う。今でもフェイバリットで聴いている人いると思うけど、丁度こんな寒い日に聴いていると結構身に染みる。ロックの系譜で後追いしても出てこない人だけど、是非聴いてみてもらいたい素晴らしい音楽。

Texas - White On Blonde

カテゴリー: Fairlies

 「テキサス」と言えばどうしてもアメリカの中西部にあるワイルドな土地を思い浮かべるしどこか野蛮な印象すら持っている…のは自分だけ?う〜ん、あとはテキサスブルースにイメージされる、やっぱり豪快でワイルドな土地柄だよなぁ。アルバート・コリンズやレイ・ヴォーンなんてのがそうだしね。しかし、英国に「ジャパン」というバンドがいるように同じく英国からテキサスに憧れて名前を付けた「テキサス」というバンドがある。紅一点のシャーリー姫による歌声が独特で魅力的なのだが、なんとなく思い出して聴いてみた。

White on Blonde <Southside

 ファースト「Southside」がいいか4枚目の「White on Blonde」がいいか、ってなトコだけど、やっぱりポップスよりになった、というかロック調になったっつうかR&B的になったというか、要するに洗練されて発展した4枚目の「White on Blonde」の方が気分的に良い。

 最初期は英国のスコットランドはグラスゴーから憧れて出てきた人達なので、思い入れも強くてモロにブルースやカントリーを意識した音で、英国にはない音だったのでかなり好評を博した。でも以降ちょこっと停滞してしまって、姿を見せなくなったんだけど、もちろん音楽活動を地道に続けていたワケで、そこにこの4枚目の「White on Blonde」をリリース。これが世界で大ブレイク、ってなトコだ。

 不思議な歌声でね、女性なんだけど泥臭くて低いトーンの声質。プリテンダーズのクリッシー・ハインドから毒気を抜いたような感じとも云える。そのおかげか次の5枚目では結構R&B的な試みもしていて、その辺の進化が面白いっちゃ面白い。

 うん、何かこの頃って色々な女性ボーカルさんが出てきてそれぞれ土臭いもの歌ってたなぁと思い出した。「テキサス」。イメージされすぎてしまうバンド名が故に大変かもしれないね。でも音はかなり好きで、結局アルバムの大半は持ってるんじゃないだろうか?以前はずっとアメリカのバンドだと思ってたから、スコットランドのバンドって知って安心した記憶がある。いや、アメリカにしては湿ってるなぁ…と(笑)。

Tarja Turunen - My Winter Storm

カテゴリー: Fairlies

 毎週毎週末になると大雪が降るってのも困ったもんだが、昨日の豪雪も凄かったね。丁度買い物に出掛けていて、食事している間に降り始めてきたので表に出たら大雪、ってな状態で驚いた。そのまま一晩中降っていた割には十センチ程度しか積もっていないんだから面白い。もっと積もっても良さそうなものだけどね。それで思い出した。ちょっと前に冬らしい作品だなぁ〜って思ったアルバム。



 こないだリリースされた元ナイトウィッシュの看板ボーカリストだったターヤのソロアルバム。かなり本気で取り組んできたソロ作品で、冬らしくタイトルも「My Winter Storm」ってなもんで、ジャケットに映し出されたターヤは一体誰だこれ?ってな感じに綺麗に写っていて驚く。まぁ、雰囲気はしっかりと雪の妖精ってな感じで良いのだけどね。

 そして中身。これがまたナイトウィッシュの時の躍動感溢れるメタル作品とは打って変わってしっとりとした歌を聴かせるアルバムっていう雰囲気が多く、トゲトゲしさは鳴りを潜めているってトコか。何曲かは歪んだギターをバックに歌っているけど、それでも全然ヘビメタ感はないね。かといってポップスってもんでもなく、歌モノ、っていうアルバムでしょ。最初のシングルにもなった「I Walk Alone」なんて極上のヨーロッパ的メロディと彼女の高音域を生かした作品で素晴らしい歌。以降中盤まではず〜っとそんな感じでしっとりと聴かせる歌ばかり続き、雪の夜に聴くには丁度良い加減を演出してくれる作品だ。8曲目の「Die Alive」が若干ハードなアレンジに仕上がっているのでロック的ではあるけど、それでも硬質な印象ではなく、ちょっと派手な歌にしたいっていうところからメタル的アレンジが用いられているというところだ。そしてまたピアノをバックに歌い上げる曲が多く、彼女が自分で弾いているものもあるのだが、大人の雰囲気だねぇ。

 ジャケットの雰囲気を裏切ることのない作品だけど往年のナイトウィッシュ的な曲を期待すると全然裏切られる作品なので注意、ってトコ。個人的にはこれでターヤの実力が別の世界にも知らしめることができたのかなって思うけどね。ここから大成していくかどうかは難しいだろうけど、こういう実力派なら認められるんだろうな。そうすると「昔ヘビメタ歌ってました〜」なんてさらりと云えちゃうのかな(笑)。

Kate Bush - The Red Shoes

カテゴリー: Fairlies

 キング・クリムゾンの「Red」に赤い色という印象は皆無に等しいので、何故に「Red」というタイトルになったのか調べるのを忘れていた…。何でだろ?そのうち解明しよう(笑)。そして今度は見事に「赤い靴」をイメージしたそのままズバリのタイトル「レッド・シューズ」というアルバムをリリースしているケイト・ブッシュの1993年の作品。これもまた前作「センシュアル・ワールド」から4年ぶりくらいの作品で話題となったものだが、この後2005年にリリースされた「エアリアル」までの12年という歳月を思えばまだ短いインターバルだった方なのだなぁ…。

レッド・シューズ(紙ジャケット仕様) 大人のための残酷童話 (新潮文庫)
 グリム童話の「赤い靴」をモチーフに自身がバレエを演じるということもありダブらせて創作された作品、らしい。英国のロックや音楽を漁っていると必ず「指輪物語」や「グリム童話」と云ったものに遭遇することになり、何となく調べたり何となく深堀したりするのだが、グリム童話ってのはどうにも苦手で…というかまともに取り組んだことがないのだなぁ。ジェネシスの「Nursery Cryme」とかもグリム童話からモジったものだし、他にも探せばいくらでも見つかるものだ。話はどんどん逸れるんだけど、原作に忠実なグリム童話はあまり知らないが「本当は恐ろしいグリム童話 」とか倉橋由美子の「大人のための残酷童話」はシニカルで面白いものだったね。実態はこんな感じなのだろうか?。

 …ってな話は置いといて(笑)、ケイト・ブッシュの「レッド・シューズ」。ケイトらしくない、というかケイトらしかった先進世界のアンビエントミュージック的要素がかなり薄くなり、通常人間の世界に近づいているところが物足りないというか…、声も使われている楽器も音の要素も透明感もケイトらしい部分が大きいんだけど曲がちょっとはっきりしすぎている感じでどこか中途半端な印象。それを補うためか、はたまた大物ミュージシャンからのオファーが多いのか、ゲスト陣の豪華さも作品を一般化させてしまっている要因かも。とは云え、2曲目の「And So Is Love」でのクラプトンのギターは完全に曲に合っていてケイトの歌声に呼応するかのようにギターが呟いているような感じで素晴らしいのだ。誰が聴いてもわかるくらいクラプトンならではの味が出ているし、ケイトらしさも出ている。それをサポートしているのがプロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーのハモンドオルガン。ゲストだけの話で行くと11曲目「Why Should I Love You?」は楽曲から演奏まで含めてプリンスの作品で、ケイトが歌だけ歌っている感じ。モロにプリンスの世界だよなぁ〜とわかる。なのでアルバム的に散漫な印象も与えてしまうためか最後から二曲目に配置されてるのかな。そして最後の曲「You're The One」ではゲイリー・ブルッカーのハモンドもさることながらジェフ・ベックがゲストでギター弾いてる。ただ、どちらもそれほど目立つプレイじゃないからここは曲の荘厳さの勝利かな。ケイトのアルバムへのゲスト参加ならこれくらいで良いと思うけどね。

 他は、というかメインの楽曲群についてはコンテンポラリーな作風と時代が時代だからなのかどこかファンキーというかかっちりとしたリズムってのに乗せられたものが多くて、歌詞的にはかなり難解らしいけど、その辺はまぁあまり気にして無くって(笑)、コレでケイトもちょっと普通に戻ってきたかなぁと思ったくらい。悪くはないアルバムだけあまりにも現代的な音使いと作風であまり手が延びない作品かな。

 それと見たことないんだけどこのアルバムから何曲かを用いてケイト自身が監督した映画「THE LINE,THE CROSS AND THE CURVE」ってのもある。DVDになってないのでなかなか見れないんだけど、面白いのかな?リンゼイ・ケンプも出演しているとか…、う〜ん、この辺の繋がりって色々あるなぁ…。

Isabelle Adjani - Pull Marine

カテゴリー: Fairlies

 フランス女優が歌う音、ってのもこれまた素敵な響きで、しかも自分にとってとても好きな女優だったりすると感激モノですらある。もちろん楽曲や歌の巧さなど多々要素はあるのでどれもこれもってワケにはいかないのだが、中でもジェーン・バーキンのそれとイザベル・アジャーニについてはゲンスブール作品ということもあってかなり興味を惹くモノだ。そしてイザベル・アジャーニという女優は自分にとって最高位に属するくらいに好きな女優さんなのでレコードが出てると知ったときにはとても嬉しかったなぁ。

Pull Marine

 1983年リリースの渾身の一枚。1955年生まれだからこのジャケットの頃は28歳か…。若い。そして今でも全く変わらない容姿を保っているというのも正に化け物として異名を取っている永遠の美しさを持つ女優。その辺の話はどちらかと言うと映画関係のところやら、はたまたおフランスなファッション雑誌系で話題になるところで、ちょっとそ辺漁るとすぐに出てくるので現在の姿も堪能できることでしょう。一昨年くらいに日本に来たんだよなぁ、知ってれば見に行ったのになぁ。女優さんなんてライブがあるわけじゃないからナマで見れることないもんね。だから記者会見でもいいから少しだけでも見たかった。ナマで。ん〜、残念。もう見れないだろうか?いや、いつか見たいっ!

 …とどんどん話が逸れていってしまうので早いところ戻そう。1983年リリースの一枚で、邦題は「雨上がりの恋人」。なんつうのかなぁ、息遣いを思い切り録音しているためか、はたまたそういう歌い方の指導なのか、すごくセクシーに聞こえる歌ばかり。そしてゲンスブールというのもあって、非常に綺麗な正にフランス的な曲ばかりで、更にそれを80年代風なポップな味付けで仕上げているのでどれもこれも聴きやすいし、歌い手としても世界的に売れてもおかしくない個性を持っている。イザベル・アジャーニという女性は大変性格の強い、そして己のポリシーを持った人なので自分で歌いたいと思わなければ歌わなかっただろうから、彼女自身もこの楽曲群を気に入ったってことなんだろうな。初っ端の「オハイオ」から「マリン・ブルーの瞳」まで40分弱、一気に聴ける、というか何度でもリピートして流しておけるアルバム。

 ロックファン的にニヤリとしたのは7曲目の「ボウイのように」だね。もちろんデヴィッド・ボウイのことなんだけど、やっぱりあれだけの美男子はイザベル・アジャーニもきちんと気に入っているようで、正にボウイのための歌で、人気度の高さを感じる。「LET'S DANCE」が流行る前だから退廃的な頃かな。

 映画の方をちょこっとだけ。やっぱり狂気の女を演じることが多くて、それが彼女の持ち味というか一番ハマるというか。コメディやおフランスな中世ものなんかもあるけど、やっぱり狂気が似合う。最近はどうも歴史モノが多いけど、それも普通のじゃないからなぁ。もちろんコメディでも可愛いから問題ないんだけどね。「アデルの恋の物語」が有名だね。自分的には「可愛いだけじゃダメかしら」や「POSSESSION」ってのも良い。この人の出てる映画は全てビデオやレーザーで持っていてさぁ、DVDに買い直すべきかどうか…。まぁ、いずれ考えましょう(笑)。

Marilyn Monroe - Sex Symbol

カテゴリー: Fairlies

 年末を迎えてようやく一段落、仕事納めもして最後にもちろんアルコール三昧で年の瀬を迎えるのだ。なんだかんだとエネルギッシュに生きているとやっぱり疲れる。どこかでゆっくり休まないといけないのだが、休みは休みでせっかく休みなのだからと滅茶苦茶忙しく過ごすという悪循環。これで人生長持ちするのだろうか?いやぁ、長持ちしなきゃしないでもしょうがない、と思いつつもやはり少しゆっくりしたいねぇ…。そんなことで唐突ではありますが、非常〜にリラックスできる作品を見つけてしまったので、こいつでアップしてみよう。

マリリン・モンロー MARILYN`S MAN -マリリンズ・マン- ~マリリン・モンローの真実~ 通常版

 随分昔に買って以来何回も聴いていたんだけどここの所十数年以上忘れていた。他に聴くものもあるし全く眼中になかったからかなぁ…。何かリラックスできる音を…なんて思って棚を探していて端っこの方からヒョコンと出てきて思い出した一枚。マリリン・モンローと言えば普通は女優として思い出すのであまり音として思い出すこともないだろうし、実際映画を見ていてもとてもキュートで素敵なのだから当たり前か。ところが結構歌も歌っていて、映画の主題歌なども相当歌っているので、映画のみならず音だけでもかな〜りあの雰囲気を味わえます。時代が時代なので音的にはいわゆるスウィングしたジャズボーカル、そう女性ジャズボーカルなのだ。しかもあのセクシーさ丸出しで歌っているので、そして映画のイメージもあるので歌っている姿がすぐに目の前に浮かんでしまうという艶めかしさもあり、とってもセクシーに感じるボーカルです。

 まぁ、そこらへんで1,000円くらいで買えるバッタもんCDでも中身は同じなので別になんでも良いとは思うが、とにかく聴いてみて欲しいね。どの曲も堪らなく素晴らしいジャズボーカルを歌っていて、かなり上手い、そりゃこの時代だから上手くなきゃいけないんだけど味がある巧さなので是非とも。個人的にはやっぱり「お熱いのがお好き~あなたに愛されたいのに」が最高かな(笑)。いや、おまけの「ハッピー・バースデイ・ミスター・プレジデント」も相当素敵で艶めかしいので好きなんだけど歌っている姿では「お熱いのがお好き~あなたに愛されたいのに」が良い。ん〜、でもどれも良いなぁ、いかん、だんだんエロくなってきた(笑)。

 そんな感じでヘンにリラックスして聴けた一枚…、マリリン・モンロー。年末年始は映画も見ようかなとふと思った。まずはこのいやらしい音で堪能しましょう(笑)。

Nena - Cover Me

カテゴリー: Fairlies

 80年代にドイツから飛び出してきたバンドとしてのネーナ。あの頃によくぞまぁドイツからこんなポップなロックバンドが出てこれたものだと今更ながらに思うものだが、まぁ、それを言ってしまうとオーストラリアからだってメンアットワークやリック・スプリングフィールドが出てきたり、ノルウェーからはアーハが出てきたりしていたんだから、まぁ、ワールドワイドにポップシーンが広がっていたのだろうかとも思えるか。

Cover Me グレイテスト・ヒッツ

 そんなネーナなんだけど、バンドとしてはデビューして数年で消え去って解散という状況を余儀なくされたみたいで、そりゃまぁ、燃え尽きたって感じになったのかなと思うけど、もちろん自分的にもそれ以降全然忘れ去っていたんだけど、何かの時に彼女が復活して自国ではかなりのステータスで活動再開したと聞いて気になったのが丁度彼女が20周年記念のライブをやった頃だったかな。そこから結構調べていると色々と判明してきて、かなりの数のアルバムなりが出ていてさ、これがまた手に入らないんだ(笑)。ドイツ直輸入で買うしかないんだけど、まぁ、そこまでのモンじゃないワケで…、んなことで気長に適当にチェックするか、ってな感じではある。

 そんなところへ新作「Cover Me」の情報を発見して気になったので見てみると一応日本のアマゾンでも買えるんだ、へぇ〜ってなことで見てみると、なんとほぼ全編カバー曲で占められていて、しかも二枚組。一枚目はドイツ語でのカバー曲だからドイツのバンドが多い。そんな中にボウイの「Heroes」→「Heldon」というボウイがドイツ語で歌った曲のカバーがあったり、ラムシュタインの美しき曲「Ein Lied」を歌っていたりしてなかなかよろしい。元々歌が上手い人なので、そして可愛らしい声も持っているので何を歌ってもハマるのだな。結構ロックなのもイケるし、意外と多彩。そして二枚目のディスクはもう往年の名曲がいっぱい並んでる。ストーンズからボウイ、ニール・ヤング、Tレックス、ピンク・フロイドなどなど…。世代的には多分0年代をリアルで通った人なので当然っちゃあ当然なんだけど、嬉しいよね。こんな人が同じようなロック好きだと思うとさ。で、それらがまた良い感じにソフトに仕上がっていて聞きやすくなってるのもいいかも。

 ジャケットも可愛いし、中身も面白いし、まだまだ現役でドイツ国内では人気再燃ってことらしいからこれからもちょっと期待したいネーナ。う〜ん、懐かしさと新鮮さ、両方あってよろしい♪