Michael Schenker Fset - Live

Michael Schenker Fset - Live
ライヴ 2016 ~東京国際フォーラム・ホール A 【Blu-ray】

 ノスタルジックなライブを重ねる古き良きロックショウの再現と現役バンドのエネルギッシュなライブがあったらどっちに行くか?難しい所だよなぁ…、ロック的には後者じゃなきゃいけないハズなんだけど、実際には多分往年のロックバンドのライブに行くんだろうし、そりゃもうそんだけ聴いてるからってのが大きい。ロックのパワーが知りたければ絶対後者でそのエネルギーを味わうべきだと思うのだが、もうこうなってくると何がロックか分からん(笑)。

 近年何度も何度も来日公演を果たしてくれるマイケル・シェンカー、「神」、だが、恐るべきことにその来日公演のメンバーやら内容やらがどんどんと豪華になっていくという不思議な光景が繰り広げられている。若手を引き連れて往年のレパートリーを演奏していたバンド編成から、徐々に古き良き仲間が加わるようになり、それはゲイリー・バーデンの参加からで、その後にクリス・グレン参加、そしてテッド・マッケンナも参加、そこへサイモン・フィリップスまで参加してしまい、バックには元スコーピオンズチームまで参加していた。そして、もっと驚くことにグラハム・ボネットとのジョイントまでも果たされてしまった。そこまで来たら、ってことで企画されたのであろう歴代ボーカリストとの共演によるマイケル・シェンカーの歴史を辿るイベント、マイケル・シェンカー・フェストという名でのライブが何とホントに実現してしまったという始末。そう、ロビン・マッコリーまでもが参加してしまい、ゲイリー・バーデン、グラハム・ボネットと3人のボーカリストと同時来日でライブが果たされた。

 それが映像化されたものが「Live」。そこまででももう見たいだろうし、ライブにも参加してれば良かったかなぁとも思ったけど、それはそれとして、楽しみにしてたんですよ、これ。こんなににこやかな神の姿、見ることないわ。どうした?ってくらいに楽しんでる。ボーカリストたちもそれぞれ大いに楽しんでるし、ロビンの歌の巧さは相変わらず。グラハム・ボネットはこないだのを聴いてたけど、今回はDancerにAssault Attack、Desert Songあたりもあって厳しいけどさすがの貫禄。名曲郡はゲイリー時代になるかな。それにしてもマイケル・シェンカーのギタープレイの華麗さは全盛期とまるで変わらず素晴らしいの一言に尽きる。一時期ヤクで太ってたけど、今はクリーン健康体なのか、ちょいと痩せすぎなくらいスリムなスタイルでのフライングVがカッコ良い。ギターヒーローそのもののカッコ良さ。バックのジジィ連中もこのカッコ良さを見習ってほしいものだ。

 そんなアレコレ思いつつも、単純にこのライブ「」はもうジジイばっかじゃねぇか、っての以外は確かに作品として残しておきたくなるライブだ。ホントに惚れ惚れするギターを毎回聞かせて見せてくれるんだからありがたい…。



Helloween - My God Given Right

Helloween - My God Given Right (2015)
My God

 長期に渡って活動していて、どんどんとメンバーチェンジが繰り返されるバンドってのが増えてるんだが、それでも同じバンド名を維持したまま続けていく、オリジナルメンバーっているの?ぐらいになるまでバンド名を維持してやり続けていくってのもあるけど、果たしてそれは何なんだろ?なんて考えてしまった。そのバンド名で売れているってことになるから中身の音楽性云々なんてのはそれなりの方向性なら良いワケで、同じじゃ飽きるし違いすぎるのは冒険だしって間を上手く縫う。メンバーはそれを理解してバンドを進めるってところか。それにしてもなぁ…ってのが悩ましい。

 Helloweenの作品をここいらで取り上げておこうって思ってて、幾つか聴いてたんだけど、自分的にはリアルで通って来てないので有名な「守護神伝 第一章」「第二章」あたりしか知らない。んで、どのヘンが面白いんだろ?って探っててもよくわからん。じゃ、新作でいいか、ってことで2015年の「My God Given Right」を。聴いた瞬間から、これ何のバンド聴いてるんだっけ?って思うくらいな話で、作品のレベルや出来映え、魅力という面で何ら遜色はないものの、Helloweenってバンドって今こうなってるのか?くらいなモンだ。そういうメンツになって久しいハズなので自分が時代に付いていけてないだけってのは重々承知しているが、それで冒頭のようにバンドって…てな事を思ってしまったワケだ。所詮ハコの話でしかないし、そのハコを上手く使ってやってるんだよな…。

 気を取り直して、そんな事を思いつつも聴いてみればそれはそれは良質なメロディとパワーを持ったメタル、あのキャッチーさはさほど見当たらず、スピーディさも普通になってて、突出した所はどこにもなく、一般的に普通にパワーメタルバンドだよな、ってアルバムなんじゃないだろうか。だからこそバンド名で売っているというようにも見えてしまうのだが、メタル全般がそういう節あるからしょうがないんだろうけどさ。それでもレベルは高いし良質なのは確かだし、売れるのも当たり前だし、なるほどなぁ…と。何か自分が何を求めてるか分からなくなってきた(笑)。





Randy Pie - Highway Driver

Randy Pie - Highway Driver (1974)
Highway Driver

 先日「こんなバンド知ってる?」なんて話を振られて、「いや、知らない」と言うと「何でも知ってるかと思った」と…。あのな、何十万枚っていうバンドやアーティストがあると思ってるんだ?もしかしたら何百万とかそれ以上かもしれないけど、そん中で知ってるのなんてタカ知れてるよ。一般の人たちが500くらいとしたって、自分達なんてそれに多少色が付く程度でしょ。ニッチにやってたって万の単位まで知ってるかどうかだろうと思う。んで、しかもロック周辺くらいしか知らないワケで、そりゃアンタ、それを分母にしたら自分なんて何も知らないに等しいさ。知ってたってしょうがないしね。

 1974年リリースのRandy Pieってバンドのセカンド・アルバム「Highway Driver」にジャン=ジャック・クラヴェッツは参加したってことでちょいと聴いてみた…が、一体どうしたんだ?いや、これは何なんだ?ってくらいにこれまでのブルージーでハードなオルガンやギターをかき鳴らす世界とはかけ離れた音が出てきている。今度はブラスとかシンセとかそういう世界で、言い換えると相当に洗練されたAORにも通じるブラスな世界、エレピで奏でている時点で何かおかしいって感じだけど、それでもサックスとかでのソロを聴いているとジャジーなプレイも出て来るから、ごった煮と言えばごった煮なアルバム。自分的にはここまで来るとちょいと付いていけないな、っていうくらいではある。

 鍵盤奏者二人のバンドなんだ…、しかし1974年でこういう音に進んだってのはさすがドイツ、先見の明があるというか変態チックに進む方向こそが本能か?時代とマッチした方向性だったんかな…、もしかしたらちょっと早いくらいかもしれない。そういう目線で聴いてみるとかなり新鮮さが発見できる部分はある。でも、やっぱ…ね。ジャケは結構良い感じなんだが…。




Atlantis - It's Getting Better

Atlantis - It`s Getting Better (1973)
It`s Getting Better

 70年代ってもう40年前なワケだけど、未だにそんなのを聴いて発掘したりして、やっぱ良いな〜とか言ってる場合なんだろうか(笑)。昔はバンド名だけは知ってたけどなかなか聴けなかったし、レコード屋行っても見つけられないままでそのまま、ってのも多いし、すっかりそういうのを集め直すなんてのも忘れてるし、今じゃデスクトップでアレコレ探して聴けちゃう時代、考えられなかったよな、そんなの。アルバム一枚探してきて買って、正座して、とは言わないけどじっくりと耳を通して、なるほど、こういうアルバムなんだ、もう一度聴いてみよう、なんて何度も聴いていったモノだ。レコード5枚くらいは普通に買ってきちゃうから、全部ってワケじゃないけど、コレってのは大抵そうやって聴いてたもんだ。

 Atlantisの1973年リリースの二枚目の作品「It`s Getting Better」。これもドイツのバンドなんだけどヴァーティゴからのリリースで、ジャケットを見たことはあったけど、ソウルフルな云々ってのが頭に残ってたから後回しにしてた作品のひとつ。今回インガ・ランプとジャン=ジャック・クラヴェッツあたりの英国的センスが気に入ってきたので、手を出してみた作品です。確かにもともとソウルフルな、ってかファンキーなのもやってみたいってんでコンガみたいなパーカッションが入ったりベースラインがやたらファンキーになってたりするんだけど、インガ・ランプの歌声はオトコ顔負けのロックスタイルだし、鍵盤のジャン=ジャック・クラヴェッツはマルチだから何でも出来ちゃうし、ギターも思い切りブルースギター弾いてるし、結局リズムセクションのファンキー化だったのか、かなり面白い作品に仕上がっているように聞こえるな。

 Babe Ruthあたりと被るような方向性で随分と楽しめる。こういう作品群って今の技術でもっとキレイな音にならないかな…、迫力ました音でこれ出てきたらやっぱロックかっこいい!ってなる人多いだろ、と勝手に思ってるけどさ。こいつもあの頃のブルージーなハードロック路線が好きな人は好むでしょ。鍵盤比率は多くなくてベースがうるさいくらいに出てきてるけどギターもかなり出張ってる。一番はやっぱりインガ・ランプの歌声を味わうってバンドなので、そこが売りではあるな。

Jean Jacques Kravetz - Kravetz

Jean Jacques Kravetz - Kravetz (1972)
Jean Jacques Kravetz

 70年代ドイツのバンドってのは英国のロックに影響を受けていて、やっぱり近いから何だかんだと生々しい情報も入ってきたんだろうね。ビートルズが武者修行のライブの場所としてハンブルグを選んだので分かるように逆もまた真なり、ってことでの影響は大きかったように思う。それでいて、そのまま出来上がらずにどうしてもドイツ的な部分が出てきていたバンドが多かった。ところが幾つかのバンドは英国からのアルバムリリースなんかも果たしていて、音を聴いてもドイツ産には聴こえないセンスってのもあってね、昔からその手のは大抵聴いてたんだけど、まだまだ抜けてたね。今回このジャン=ジャック・クラヴェッツのソロアルバムにようやく着手。

 1972年リリースで、まだジャン=ジャック・クラヴェッツがFrumpyに在籍していた頃のソロアルバム「Kravetz」で、ヴァーティゴからのリリース。この時点でそのアルバムの出来具合をチェックしておかなかったのは失敗だった。フランス人だろ、ってのもあったけどさ。ドイツで活躍していたFrumpyのフランス人鍵盤奏者が英国のレーベルからリリースしたものを日本人が聴いているというワールドワイドなお話(笑)。しかもこれさ、初っ端から自分の凄く好みな曲調で始まってくれて、歌からギターから曲からオルガンから展開から全部好みで、もうこれ、良いよ、ホント、って感じ。アルバム全般になるとそこまでの入れ込みはないけど、それでも英国の音として聴けちゃうし、フランス人の鍵盤奏者のアルバムなんては思わない。インガ・ランプも歌ってるからその存在感も凄いし、アルバムとしての完成度も高い。多分ウチのブログでこの手の音で共通項になっている人ならば必ず気に入る作品。こういうギター好きだわ、ホント。

 時代だよな、ブルース&オルガンハードなのにアルバム5曲しか入って無くて、ほとんどが8〜9分の曲で、もちろん期待通りに展開されていくし、飽きさせないソロの応酬も好み。こういうのじっくり組み立ててやるんだろうね。オルガンハードとギターハードが両方あって、英国風ロックに展開していくから頼もしい。こんだけのギターって普通に弾けちゃうんだもんな…、時代なんだろうか。そんな事を思いつつアルバム丸ごと一気に聴けてしまう傑作♪





Frumpy - All Will Be Changed

Frumpy - All Will Be Changed (1970)
All Will Be Changed

 70年代のロックを漁る時って、メジャーなのは良いけど、マイナーなのはさ、全部含めてマイナー扱いだからその中でのハードロックとかプログレとかフォークとかジャズ系とか色々あるんだけど、明確に分けられないってのもあって、どっち系統の音かってのが分かりにくくて一括りにされてることが当たり前で、だから、ハードロック系統だけを知っていきたいっても、そこにはぶつかってみないとそれが自分の求めてるハードロックなのかどうか分からないっていう挑戦がある。結果的にはどれ聴いてても面白さが共通になるので、そこに拘らなくなるし、だからこそその辺って細かいカテゴライズにならないんだろう。面白いな、それこそ音楽だな、って思う部分。

 ドイツのFrumpyが1970年にリリースしたファーストアルバム「All Will Be Changed」。天下のInga Rumpfという強烈な女性ボーカリストを配したバンドで、冒頭からアメリカ受けしそうなディープな曲で聴く人の心を捉えつつ、そこから繰り広げられる楽曲郡は完全にプログレッシブロックな世界。特にオルガンやピアノなど鍵盤が強烈で、メンバー見てみればギターいないんだからそりゃオルガン中心に頑張らないとロックにならないもんな、的なバンドの音です。もちろんその隙間を埋めるってことはベースもランニングで動き回らないといけないし、ドラムだってビートだけの担当のはずもなく、ガシガシと叩きまくって音を埋めている。その間をInga Rumpfの図太くも通った歌声が突き抜けていくんだからバンドのアンサンブルとしては走る演奏と弾きまくる歌という構図が出来上がり、強烈な個性を放っている。

 冷静に聴けば演奏は3ピースでEL&Pなんかと同じ構成なんだよな。それでいてこういう音世界ってのはなかなか頑張ってるよなぁと。EL&Pとほぼ同時期にドイツから出てきてる分けで、ギターレスでのロックって発想なのかな、それとも見つからなかったからそのままギターなしでいいんじゃね?ってことなのか、音楽聴いている限りはギター入ってたらもっと面白いこと出来てたアルバムだよな、って思うし。それが多分次のアルバム「Frumpy 2」に反映されてるんだろうけど、このファースト「All Will Be Changed」はそれはそれでプログレッシブなアプローチが楽しめる。もちろん秀逸なアルバムだからこそこんだけ楽しめる作品なんです。

Asterix - Asterix

Asterix - Asterix (1970)
Asterix

 ロックの歴史って面白いなぁって思う事のひとつに世間一般に知られている、世間でもないのでロック界隈で知られている事柄ってのが必ずしも正しくないし、事実でないという事が割とあるってことで、それはもうプロレス的と言うか、所詮商売のお話だから上手くそうやって売ったもん勝ち、戦略勝ちで、まさかそんなに後世になって語り継がれていくものになるなんて思ってなかったんだから、どこかの何かで最初に書いたり発言したりしたことがそのまま残っているなんて考えもしないしね。

 このAsterixってバンドはLucifer’s Friendのメンバーが組んでたバンドで、ほぼそのままLucifer’s Friendに名前を変えてのデビューアルバムをリリースしているのだが、Asterixとしても1970年にアルバム「Asterix」がリリースされている。もっとインパクトあるバンド名にしてキャラクター出して売れる下地を作っていかないとダメだろう、ってことだったのかもしれないね。んで、面白いのはこの「Asterix」を聴いてみると、何と快活なハードロックが展開されているんだな。つまり、スコーピオンズよりも前にこういうジャーマンハードロックを展開していたし、その中には英国ハードロックよりも秀逸だろうってのも多くて、ってか、アルバムがそのレベルにあるんだから当然もっと知られていてもおかしくないアルバム、バンドだったワケだ。それがヴァーティゴ行ってLucifer’s Friendになったらマイナー落ちしてしまったっつうかさ、戦略ミスだったのかな。だから、ここで聴ける音はロックの歴史には出てこないけど、多分この手のハードロックとしては相当早い部類に作り上げていて、それがこの後売れていく事を思えば、実に残念な作品になるワケだ。いや、アルバムは凄い良いよ。

 冒頭の曲はもうアメリカにそのまま通じるだろ、ってくらいに能天気で、あんまり好みじゃないけど、アルバム聴いていくとどんどん湿っぽさが出てきて、どこか突き抜けられない感があるんだけど、歌はもう感性しているし、バンドのテクニックもしっかしてるしアレンジだってアマチュアの、70年代のそれとは一線を画しているし、アルバムジャケットだってアップルで卑猥さを表現しているのか?のようでもあるし、まぁ、そこがダサいんだろうってのあるが、かなり面白い感じの作品になっていることでちょいと驚いた。自分の好みの音ってのが大きいけどさ(笑)。

Lucifer’s Friend - Banquet

Lucifer’s Friend - Banquet (1974)
Banquet

 70年代のドイツのバンドっていくつかは知られているんだけど、大抵はクラウトロック=ミニマル的なのが多くて、それがドイツらしいみたいな印象があったんだけど、当然そんなハズはなくって、そこから中に入っていかないと外には出てこないバンド郡ってのは分からなくてね。んで、漁って見るとかなり面白い世界なんだけど、如何せんマイナー過ぎて手に入らないという…、今の時代でもアマゾンになかったりするしさ。日本で言えば日本でしか売れてないバンドを探す、に近いんだろうね。そんな中、ハードロック界隈ではそれなりに知られている、長いキャリアを誇る、またジョン・ロートンという英国人をボーカルに据えている事もあってか知られているバンドがLucifer’s Friend。

 1974年の4枚目の作品「Banquet 」はどうにも驚きの世界観で唯一無二とも言えるのかもしれない。ハードロック…それもB級感もあるハードロックバンドが、進化していって、何でもありな世界だからって、ここでシカゴの影響を受けたのか、そういう世界も良さそうだ、ってことで進んだのか、ブラスを大胆に導入。ブラス入りのハードロック的展開だけど、曲は思い切りプログレという不思議。歌っている人は普通にロックを歌っているかのようなスタイルなんだから何とmおアンバランスでチグハグな音世界なワケですよ。正にごった煮な世界で、キャッチーなメロディーを快活なジョン・ロートンがブラスをバックに歌いつつも曲は一辺倒では行かない、だからこそのアルバム中5曲しか入っていないという長尺曲の嵐。こういう自由度が良かったんだよなぁ。それに加えての圧倒的な熱気、やる気、白熱ぶり、がアルバムに詰め込まれている。決して売れていたバンドじゃないのに、好きなこと尾をやっていくんだ、みたいな気概ってのかね、それで40年やってるんだし、そういうスタンスは当初から出ている。名前とバンドの実態とカテゴライズ出来ない分からなさが聴きにくさを増しているんだろうけど、最初のアルバムから取り組んでいけば色々判ってくるし、バンドの実力なんてのも見えてくるんじゃないかな。とってもユニークなドイツらしくない、いや、ドイツだからこその発想で出来ているのかもしれないバンド。

 んで、このブラスロック&プログレハードなアルバムってのはなかなか聴くことないんだけど、案外ブラスが邪魔になっていない。全面に出てくる所も多いんだけど、きちんとブラスの音の使い方みたいなのが研究されてて邪魔なトコには来ないし、有効に使われているからかな。それがバンドの音を邪魔していない、ってかさ。そういうセンスがしっかりしているんだな。だからブラスの入ったのなんて聴かねぇよって自分でも、あぁ、ブラス入ってるんだ、くらいで聴けてしまう。そんだけの自信なかったらこういう路線に挑戦しないだろうしね。いやはや、やっぱり70年代の音は楽しい。



Scorpions - Animal Magnetism

Scorpions - Animal Magnetism (1980)
Animal Magnetism

 CD時代になってからのアルバムジャケットのアートワークとしての魅力は間違いなく下がってしまっている。古くからあるバンドやアーティストでは相変わらずジャケットに拘ったりしてくれるが、あのサイズじゃアートも何も表現する価値が低いのだろうなとは思う。今の時代なんてジャケットって…ってくらいに見向きもされていないんじゃないだろうか。それに比べてアートワークまで拘る、むしろそっちで話題を取る、くらいの売り方もあった時代の作品群は芸術性も高くて面白いものも多かった。その代表格が英国では知られているヒプノシスやキーフ、ロジャー・ディーンになるのだろうし、アーティストとクリエイターがタッグを組んでいる例も多い。

 ヒプノシスとScorpionsという不思議な組み合わせは何枚かのアルバムで続けられた。その中でも昔から実に秀逸な作品だと思っているひとつに「Animal Magnetism」がある。1980年リリースのスコーピオンズのアメリカ進出を目論んだ作品として知られていて、どうにもパッとしない作品として語られているけど、このアルバムジャケットだけで作品としての価値を高めている。それくらいにアートワークってのは世代を超えて重要なモノだったのだ。事実、それだけでこのアルバムをずっと記憶している自分なんかもいるわけで…。普通に眺めてても興味深いし、何かのアートワーク写真集とか見ててもやっぱり出てくるし、とにかく目立つ。特撮じゃないし、ヒネってもいない。単に普通の被写体の置き場所を練っただけでこのインパクトだ。人間の深層心理をよく見極めた洞察力の賜物だろう。

 そんな印象が強い中、それでもスコーピオンズなんだし、マティアス・ヤプス加入後2枚目となるアメリカ進出を意識したアルバムってことなんで話題も豊富だし、楽曲だって悪くない。以前のネチネチした独特のドロドロサウンドはまるで見られなくて、叙情的、とも言える作品に仕上げていて洗練されている。その分バンドの個性をどこに求めるのか、となる部分はあるが、そこはクラウス・マイネの歌声一本に尽きるか。ジャーマンハード路線とも言えず、メタルとも言えず、この中途半端さこそがスコーピオンズの個性にもなったかと思われる作品。でもさ、アルバム通して聴いてると結構悪くないな、って思えるんだからやっぱりどこか面白いんだよ。そんなアルバムなんだが、やっぱり裏ジャケも含めてのアートワークの勝利に思える(笑)。



Accept - Staying A Life

Accept - Staying A Life
Staying A Life

 90年代って無機質でインダストリアル的なのが割と出てきてた時代だったんだなぁ、とアレコレ調べてたんだけどね、結局ふと気づくのは、自分はこの手の音ってほぼ通ってないし、好きじゃなかったし、あんまりそっちの世界って面白味を感じないしな…、と。どうも人間の精神的マイナス面をクローズアップしていて、それが芸術的だったりするから存在価値はあるんだろうけど、そこに入り浸るってのは向かないな、ってのもあってね、やっぱりスカッと能天気に、能天気ってのとは違うが、ガツンと血湧き肉躍るみたいな方がいいや、ってことで…。

 Acceptの1985年の大阪公演を完全収録したらしいライブアルバム「Staying A Life」。いや、ドイツのバンドあたりがチラッとかすった時に思い出したんだけど、ちょいとな…ってのがあって、でも、やっぱり聴きたい時に聞きたいモノを聴いて楽しむってのが普通の感覚だし、そのまま聴こう、ってことでAcceptアルバム探しです。何気にメインどころは抑えてあったので、どっか無いかな、やっぱりウド時代のが聴きたいぜよ、ってことで見つけてきたのがこれ。リリースは1990年ってことで既にアクセプト崩壊していた頃にこの全盛期のライブ盤が出てきたってことで、これまら盛り上がったらしく、バンドの再結成への足がかりになったとか…。それにしても独特の歌唱法が超個性的なウドの歌は他のどのバンドをも圧倒する迫力、それに加えてのバンドの一体となったパワフル&スピードな世界が正にアクセプトとしか言えない世界。この頃こういう硬派なバンドは他にメジャー世界では存在しなかったのは確かだ。それがこんだけの人気を博してて、今でも重宝がられているってのはやっぱり超個性的だったってことだろう。

 やっぱりね、アメリカや英国からでは出てこない音の質感がある気がする。ドイツならではの重さがあって、硬質な印象そのまま…、それに加えてのライブの白熱。それが当時のアクセプトで日本公演でその全盛期が見られてたんだもんな。確かその来日公演時のチラシだか何だかを見た記憶がある。30年以上経過してそのライブ盤を聴けてしまうってのもなかなか不思議な話ではあるが。自ずと気合の入るライブ盤で、一気に聴き通してみるとかなりスカッとするね。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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