Michael Monroe - Life Gets You Dirty

Michael Monroe - Life Gets You Dirty (1999)
ライフ・ゲッツ・ユー・ダーティー

 バンドのフロントマンによるソロアルバムってのは話題にはなるけど実際さほどの作品に仕上がっている事はあまり多くなくって、やっぱり面白いモノで何かが足りないというような感じになる事が多い。全く別の方向性の作品というのもあるけど、それでもやっぱりそこまで方向性が違う作品というのでもなく、そうなると物足りない、になるんだな。結局元の鞘に収まると言うか、その方がしっくりくる、ってのかね、大体そんな感じが多い気がする。当然ソロアルバムなんだから当人がやりたいように作れるのが面白いところなんだろうけど、そこまで音楽的に幅広い才能の持ち主でもない事も多いのかね、天才という人たち以外がどうにも凡作になってしまうものだが…。

 Hanoi Rocksという稀代のバンドのフロントマンだったMichael Monroeの1999年のソロアルバム「Life Gets You Dirty」。紆余曲折ありながらこの頃にはようやく誰かに頼りながらの音楽活動から見切りを着けての自分で全部やろうとしている作品。その裏には今は亡き奥様の支えがあったからこそのソロ活動だったようだ。音楽的に良いパートナーだったみたいで、粗野なマイケル・モンローの適当な音楽にきちんと彩りを着けていたようで、しっかりと作品色になってきている。それまでマイケル・モンローって人は歌ってサックス吹くくらいの人で、とにかくハチャメチャなスタイルとあのグラマラスな美貌が売りだったからきちんと作曲なんて出来たことはなかったんじゃないだろうか。

 それがこのアルバムではドラムとベース以外はすべて自分で演奏しているという代物で、そもそも音楽的才能はあったんだろうなぁ、ギターもピアノも全部そうですか?ってくらいに弾けてる。ギターのフレーズなんかは少々ワンパターンになってる部分もあるけど、勢いあるパンクロック的なギターになってるし、やりたいリズムで弾けてるんだろうな、って気がするし。何よりも楽曲が自分自身に似合っている。ここにアンディ・マッコイのエッセンスあったらなぁ…なんて思ってしまうんだけど、それは言わずもがな。マイケル・モンローそのものの作風が見事に開花しているアルバムでジャケット以外は見事だと思う。





Heavy Metal Kids - Kitsch

Heavy Metal Kids - Kitsch (1977)
KITSCH: EXPANDED EDITION

 基本的にこのブログって何となく関連性のあるものが流れで出てくるという一大ファミリーツリー的なスタンスで書いてたんだけど、最近はあんまりそれも意識してなくって、ふと連鎖反応的に思いついたのを聴いては書いてる。それでももうかなりの数の記事が書かれているからそれ以外でってなってくるから新しいものへの比重がかかるにはかかる。それでも昔のアルバムとかまだ書き切れていないし、聞けてないものもあるからそのヘンのコレクションをきちんと聴いて埋めていかないと総まとめできないじゃないか、なんて思ったりもする。ただ、そうやっていくのも目的じゃないから基本的には楽しめるものをどんどん聴いていくだけなんだけどね。

 Heavy Metal Kidsの1977年三枚目のアルバム「Kitsch」。レーベルをアトランティックに移籍しての作品で、単純に快作。ゲイリー・ホルトンの歌声は結構好きなのでそもそもが楽しめるけど、このバンドの曲調ってのもグラマラスロック的、そしてR&Rとパンクの合いの子的、Silverhead的でもあってニッチな世界観だけど好きな世界。この辺はHanoi Rocksのマイケル・モンローが好きな世界ってのは知られた話か。グラム時代のボウイもこんな感じだったし、割と聴いたら好きな人も多いんじゃないだろうか。このアルバムでは鍵盤奏者が入れ替わってて、ジョン・シンクレアが参加、この後ユーライア・ヒープに行く事で割と知られるようになった人らしいけど、自分的にはヒープの鍵盤ってケン・ヘンズレーだからどうにもピンと来ない肩書。それはともかくとして、このアルバムリリースしてしばらくしたら解散しちゃったんだよね。そしたら「She's So Angel」が売れてしまったという皮肉。

 その「She's so Angel」は先のマイケル・モンローがカバーしてずっと歌っている曲で、自分もそこでその関連性を知ったんだけど、このアルバムに収録されているバージョンがこんなにキャッチーでポップで安っぽいシンセ中心のダサいアレンジとは知らなかった。時代だな。もっとR&R色強くしてパンクバンドと渡り合えるようなアルバムに仕上げたら良かったんだろうに、とも思うけど、このキャッチーさもなかなか見事。ちなみにHeavy Metal Kidsってのはどうもウィリアム・バロウズの「Nova Express」なる小説の主人公の名前から取られているそうな…、確かに英国ではバロウズ人気あったみたいだし、そういうもんかね、とも思うが…。





Girlschool - Demolition

Girlschool - Demolition (1980)
DEMOLITION

 あまり意識したことなかったけどモーターヘッドのサウンドってのは明らかに英国ロックの脈流で、その流れを組むバンドも世界中に出てきているというんだよね。ハードロックでもパンクでもメタルでもないモーターヘッドロック、と言うべきひとつのジャンルかもしれない。同じような流れってのはハノイ・ロックスなんかもそうで、R&Rとパンクとちょいとブルースやジプシーの流れみたいなのでね、割と不思議なところを縫っていくバンドだった。それら含めてメタル系ってのはあまりにもあまりにもだったなぁ…。

 モーターヘッドの妹分バンドとして知られているGirlschoolの1980年最初のアルバム「Demolition」。全く驚くことにモーターヘッドが出していたR&Rとパンクのエッセンスと疾走感を煽るかのようなサウンドをそのまま打ち出して、さらに女性バンドだから当然だけど、普通に女性の歌声でそれを歌われるワケだ。そうした結果どうなったかってぇとモーターヘッドと同じような世界観に加えて女性ボーカルならではのキャッチーさ、ポップ感ってのが出てきて更に融合された完成していくサウンドが出来上がっているのだな。だから今でも当然そんなバンドのフォロワーすら出てこないし、いやいや、本人たちもほぼオリジナルメンバーで今の時代でも活動しているってのが凄い。もう30年やってるんだよ、おばちゃん達さ。自分の周辺のおばちゃん、おばあちゃんを想像してほしい、それがこんなサウンドをステージでやってるんだよ。有りえん…。

 「Demolition」は当然デヴューアルバムだけど、ある種オリジナリティは全く無くってモーターヘッドを女性が歌っているというだけ、とも言えるサウンド。ただ、やっぱりキャッチーなのは面白いね。何がそんなに普通のバンドと違うんだろ?ってぇと英国らしさ、なのかもしれない。やっぱりそこは当然だけど香りが強烈なんだもん。どこかプリテンダーズ的でもあるけど、当然もっとハード、今聞いてても新鮮な音です。そして、カッコよい。そこはもうしっかりしてる。ロックってのは生き方なんだよな。









Motorhead - Motorhead

Motorhead - Motorhead (1977)
Motorhead

 無骨な連中によるロックバンドで一番代表的だと思うのはやっぱりmotorheadなんだけど、モーターヘッドは英国のバンドで皆英国人だから実は世間的に思っているバイクに乗った野郎達=イージーラーダーやヘルズエンジェルズの世界であるアメリカの雄大なもの、とは大きく違うんだが、外から見ていると同じ種に見えてしまうのだろう。そもそも日本ってのはアメリカも英国もどこも白人さん世界は同じように日本じゃない白人世界という見方があるから、それが英国だろうがアメリカだろうがオランダだろうが樹にしてないというにはあるか。文化や風土、音楽やファッションみたいなのを歴史的に紐付けてくと当たり前に違うんだが、見ただけじゃ分からんのもしょうがない。ガイジンさんだもん、今の時代でもあんまり変わらんだろう。多分そいつらから見たら日本も韓国も中国も台湾も変わらんってのと同じだろう。

 motorheadの1977年のアルバムリリース的には最初の作品となる「Motorhead」。この前に録音されていた「On Parole」は1979年にリリースされているので、そっちとの比較も面白くて、再録音したりしてる曲もあるからフムフムと味わえる。もっともそこまでするのは相当のマニアだろうし、一般的にmotorheadでこのヘンから聴くってのもあまり今はいないだろうし、どうしてもヒットしていた黄金期のレベル感を求めるだろうから、今となってはあまり日の当たるアルバムじゃないだろう。持論的に言えばどんなバンドもファーストアルバムってのは一番気合が入っていてその時にやりたいっていうバンドの音が詰め込まれているんで、バンドの本質を図る意味では好きなんだな。もちろんそこから発展していくバンドも多いから、原点、とは異なるのもあるけどさ。モーターヘッドの場合はレミーがプロデビューってんでもなく、音楽的な才能の発揮という意味では初の自分のバンドだったけど、その前のホーウィンドもあったからさ。

 さてさて、そのモーターヘッドの最初のアルバムはと言えば、これまた不思議、というか時代背景的にはパンク全盛期、そこにこの音、もちろんメタルじゃないしパンクとも違うそれはギタープレイに比重が置かれているのもあるし、ベースプレイだってもちろんもっと硬派だ。さて、となると、ってことでメタルが引き合いに出されるが、それにしては粗暴でアグレッシブすぎる、R&Rと言うにはそんな軽快さはない、ってことで今でも唯一無二の世界観を持ったバンドなのだが、このアルバムでもそれは全く変わらないし、そのまま、ただ、もっと粗雑でラフな感触が大きい。若さと言えば若さかもしれないし、パンク時代だから余計にその傾向が強かったのかもしれない。もしかしたらバンド全員の技術が未熟だったのかもしれない。でもさ、凄く格好良いんだな、これ。ノリが良いとかそういうんじゃなくて多分ライブで目の前で見ててもノリノリなんてのはなくってひたすら頷く、みたいな納得感。黙らされる説得力っつうのか、不思議だ。その意味じゃやっぱりブリティッシュロックなんだなぁと思う。Zeppelinもそうだしさ、単にノリが良いなんてのはまるで無くって曲を知ってるからこそ分かる、みたいなのあるじゃない?モーターヘッドも単純に乗れるなんてのはほとんどない、というかそういう風に聞かせてくれないんだよ、レミーの声が(笑)。凝ったことしてないけど、音は紛れもなく英国ロック。それが顕著に出ているのがこのアルバムかも。最初から全部聴いてみたくなるけど、どれもこれも同じエッセンスだろうな。やっぱり格好良い。




motorhead - Another Perfect Day

motorhead - Another Perfect Day (1983)
ANOTHER PERFECT DAY

 昔レコードを集めていたようなキャリアの長いコレクターが音楽に詳しいだろうと思いがちだが、コレクター諸氏でも全てが網羅できた神に近い人はともかくながら、大部分のまだまだ道半ばの諸氏からしたら集めきれていないレコードなんかも多数あるワケで、それに比べると今時の吸収力のある若い世代がYouTubeやDLなんかで簡単に聴けて知識アップしてしまう構図の方が多分相当にレベル的には高まるのだろうな。だからその筋に入ってきた若い世代は簡単にジジイどもの世界まで到達してしまうということだ。なるほど…、あり得るけど、そこまで入る人ってどんくらいいるんだろ?

 Motorheadの1983年リリースの「Another Perfect Day」、Thin Lizzyのブライアン・ロバートソンが参加したアルバムという事で知られている作品。当時のモーターヘッドファンからしたらあり得ないギタリストのチョイスだろ、ってトコロからアルバム聴いても軟弱に映ったメロディセンスの高いギタープレイが目の敵にされたようだ。そりゃそうだろうな、と納得する部分は多々ある。でもさ、この極悪な爆音にこのメロディアスなギタープレイってなかなかこれまた見当たらないサウンドだし、新たな試みにしては出来すぎてるサウンドで、これはもう組み合わせがこうじゃなきゃ狙っても出来ないくらいのサウンドではある。ベースがバッキバキに歪んでいる中、マイルドで芯の太いレスポールサウンドのソロプレイがメロディアスに流れるんだから恐れ入る。今となっては結構な評価になっているとは思うけど、どうやって取り組んで良いんだ?ってくらいには悩ませるサウンドではあるね。

 いつものレミーのベースと歌、ドラムもいつも通りの中、ブライアン・ロバートソンのこのギターは美しすぎる。旋律にしても思い切り幅を広げているし、結構面白い曲に仕上がってるけどな。いつものモーターヘッドのプレイスタイルは全然崩れていないし、何らバンドそのものに問題はない気がするけど、市場リサーチに敏感なレミーはこの年の暮れにはブライアン・ロバートソンを排除してしまっている。それなりの理由もあったようだけど、ある種勿体無い排除だったかも。今の時代に至るまでこの手の音をメインにしたバンドは目立ったトコロにはいない。どっか出てきても売れるとは思わないけど、ひとつのチャレンジとして拡大できるジャンルなのかもしれない。多分、こういうギターが好きなんだろうな、自分。


Hanoi Rocks - Lean on Me

Hanoi Rocks - Lean on Me (1992)
リーン・オン・ミー~ベスト・ア

 フィンランド系ロックを聴いてて、そのメロディラインを哀愁深く聴いていたワケだが、そのルーツってのはやっぱり自分的にも多分世界的にもハノイ・ロックスだったんじゃないだろうか。もちろんメロディそのものは古くからあったのだろうけど、それを世間的に知らしめたってのはアンディ・マッコイの才能のひとつだった気がするんだよね。アンディ・マッコイ節ってのは確かにあって、それはフィンランドを代表するかのようなメロディのひとつでもあるし…、と言いつつもアンディ・マッコイって人はフィンランド生まれのスウェーデン育ちという経歴が故にスウェーデンのメロディセンスも入っているから妙に独特のセンスが生まれでている部分が大きいんだろうなぁ、などと思ったり。

 Hanoi Rockの解散後に出てきた編集盤のひとつだけど、こんなのが出てくるのか、ってくらいにぶっ飛んだ一枚が「Lean on Me」ってヤツ。1992年のリリースなのかな、今では別の「リップド・オフ-レア・トラックス&デモ」ってボックスにもっとたくさん入ってるからレアなアルバムってワケじゃないけど、当時はもう驚きだった。普通のベスト盤は何枚も出てて、いつも騙されないように気をつけないとな、って思って見てたんだけど、これのクレジット見た時は頭の中「?」って感じ。知らないタイトルばかりが書かれてるなぁ…、って思って。その頃そんなに情報がないからクレジット見て判断するしかないんだもん。んで、まぁ、未発表系だろうなぁってことで、手に入れて聴いててね、当ってて驚いた。んでも、これらがバンドのデモって、十分すぎる作品じゃないかよ、何だ、アルバム出してくれりゃよかったのに、なんて思ったものだ。それでもCherry BombzやShooting Gallary、Suicide Twinsでそれぞれリリースしていた曲の元ネタだったからなるほどなぁ、マイケル・モンローが歌うとこうなってたのか、と。「Heartattack」はアンディがソロで自分でやってたからもっとゴージャスにカッコよく仕上がってたけど、それでもマイケル・モンロー版があるってのはちょいと感動的だった。

 ドラムはあのテリー・チャイムズ、ベースもサムじゃなくて別のヤツ、ギター二人はそのままだから、マイケル・モンローは概ねそのギター二人と一緒のバンドで歌っていたんだろうけど、ダメだったんだなぁ。繊細だもんな。んでも、面白いのはこれらの曲を作ってたアンディ・マッコイ。やっぱりどうあれ、曲ってのは出来上がっちゃうし、可愛いからそのまま捨てる事はできないし、やっぱりアチコチで事あるごとにいろいろなメンツでやってみるんだよね。彼なりにしっくりくる瞬間を待っているんだと思う。だからアンディ・マッコイって人は自分の曲を大切に自分のモノとして抱えているし、納得するまで突き詰めたりするんだろう。ハノイ以降のアンディ・マッコイの曲の長持ち差加減って凄いもん。本田恭章に提供した曲だってハノイ・ロックスでマイケル・モンローに謳わせてようやく完成、みたいなトコあるし。ミュージシャン側からしたらそりゃそうだろうな、って思う。自分の血肉を分けた宝物だもん。

 それにしてもこの「Lean on Me」を聴いた時、色々と感動したなぁ…、だからオリジナルアルバムに数えられることはないけど、「Two Steps From The Move」のとかも含めてえらく感動した作品集だった。アンディ・マッコイ、良いメロディ作るよなぁ〜とひたすらに。






Hanoi Rocks - All Those Wasted Years

Hanoi Rocks - All Those Wasted Years
燃えるロンドン・ナイト

 ロックの歴史の中でもかなり最悪な出来事のひとつでもあるハノイ・ロックスのドラマー、ラズルの事故死話。それもLAでの1984年12月8日の出来事で、モトリー・クルーのヴィンス・ニールが酒とドラッグバリバリの状態でラズルを助手席に乗せて車で買い物に、の状況で激突、ヴィンス・ニールは大した怪我もなかったがラズルは即死。このことについてヴィンス・ニールって何か語ったのかな…、語りようもないか。どちらもど派手なパーティ大好きバンド的だし、きっとウマが合っただろうしなぁ。あ、ここで面白いのはハノイ・ロックスのボーカルのマイケル・モンローは酒もタバコもドラッグも全然やらない人って知ってた?イメージとは裏腹に健全な人だからその場にもいなかったみたい。

 そんな事でHanoi Rocksのラズル在籍時唯一のライブアルバム「All Those Wasted Years」。1時間程度の映像も出てるんで、そっちのがインパクト強いけど、レコードの方は2枚組で長いからね、これもまた結構なインパクト。何が凄いってこれぞロックバンドだよ、と言わんばかりの勢いとハチャメチャ感とドライブ感と無茶苦茶感(笑)。今じゃこういうの考えられないんじゃないか、ってくらいにライブだと無茶苦茶になってる姿が記録されてるから、Hanoi Rockの中でも評価は分かれるのかも。いや、でも、大多数はこれぞハノイ!って言うのかもしれない。自分もそういう面もあるし、これぞハノイ!って言いたくなるけど、冷静に聴くと、どれもこれも走りまくってるし演奏は無茶苦茶だし、そもそも最後はマイケル・モンローがドラム叩いてるしステージ無茶苦茶だし…、ライブハウスのマーキーだからそれはありなんだろうけど、ハチャメチャだもん。その替わり勢いとかライブ感とか、ロック的なカッコ良さとかはホント凄い。だからライブアルバムを聴くという意味では聞きづらいんだけど、ライブを味わうって意味では正にこれぞライブアルバム、ってなる。やっぱり映像見てるとその雰囲気が判って音がそこまで気にならなくなるんで、映像付きをオススメしたい。

 オープニングはベンチャーズ、そこからはもちろんハノイの名曲オンパレード、それでもまだ最高傑作の「Two Steps from the Move」がリリースされる前のフィンランド〜ロンドン進出成功時なので、その時点でのハチャメチャなR&Rばかりで凄い勢いが味わえる。終盤はカバー曲ばかりなんだけど、そのチョイスが面白くてね、初めて聴いた時はまだ原曲知らないのばかりだったから気にならなかったけど、原曲知ってからはその無茶苦茶なカバーぶりに驚くばかりの壊し具合。いや、本人たちはそこまで壊していると思ってないだろうけど、聴いてると凄い壊れてる(笑)。アリス・クーパーにイギーの「I Feel Alright」、元はヤードバーズだけどエアロとかZeppelinあたりからの流用だろうなぁと思われる「Train Kept A Rollin’」なんかをハノイがやってるってのはなかなか貴重な瞬間かも。この頃のライブってもっと発掘音源で出て来ないかな。結構ヘンなのやってるんじゃないだろうか。演奏の下手さがそれを上回っているのかもしれないけど、それでも貴重な瞬間だからね。

 しかし、無茶苦茶だけど、改めて曲の良さは実感するね。R&R魂も。だからあの時代でフィンランドから世界に出ていけたバンドだったんだろうし、ヨーロッパからだってアバとかあったけど、やっぱりポップの世界だったもん。それがこんだけ本物のR&Rで英国に出て日本に好かれ、アメリカまで進出していったんだから希少な存在だったハズで、フィンランドでは伝説扱い、のハズ。今はもうたくさんのバンドが世界に出ていってるけど、この頃はハノイだけだよ、そんなの。このアルバムも日本独自企画での録音、今は世界でリリースされてるけど、日本人気すごかったし。だから一番良いジャケット作って使ってるでしょ。他のは世界各国でCD出す時のだからジャケットが結構色々あって適当な扱いなのは残念。そんだけ権利関係も海外向けには曖昧だったのかも。まぁ、それでも中身が面白いから存分に味わえる毒々しいR&R♪



Michael Monroe - Nights Are So Long

Michael Monroe - Nights Are So Long (1987)
Nights Are So Long

 フィンランドからしてみると世界に人気を誇ったHanoi Rocksってのはかなり奇特なバンドで、いろいろな意味で指標となったバンドだったんだろうと勝手に想像。日本で言えばラウドネスみたいなもんでさ、日本のロックバンドが世界で頑張ったのってそれくらいでしょ、って時代で…、フィンランド産だって、今でこそそれなりにあるけど、それまでは全然なかっただろうし、ハノイ以降だってそんなにはたくさん出てきてないし。北欧メタルが注目されてからはあるけどさ。んなことでフィンランドのバンドからしたらそりゃマイケル・モンローって特別な人なんだろうな、という前提。

 Michael Monroeがハノイ・ロックス解散後に最初にリリースしたソロ名義の作品「Nights Are So Long」。当時結構期待して聴いたんだけど、全然毒々しさがなくてスタンダードにシンプルなR&Rばかりで、それは良かったんだけど録音と言うのかバンドの音が全然イマイチでグルーブしてなくてつまんねぇ、って思った作品です。やっぱソロになるとみんなダメになるんだな〜なんて思ってたしさ、その通りでね。カバー曲が多いんだけど、そもそもその頃そんなに他のロック知らなかったからカバーかどうかないでわからないで聴いてたし、それで面白くなかったからダメだこりゃ、って感じ。それ以降も何度も聴いたりしたけどね、原曲を知ってからでもコレはダメだな、ってのが多くてそれ以来注目されることもないアルバムだった気がする。

 この人の得意技ってサックスとぶっきらぼうに歌うロック的な歌とアクション、そして強烈に派手な格好ってことだけどレコードではファッションは出て来ないからやっぱり音だけで聴くとね、そういう個性が出てないと全然面白くもないし、それは分かってるハズなんだけどなぁ、Tarjaとのセッションではこんなに大人しくないし、しっかりいつも通りにワイルドに歌ってたからいいけど、ここでの歌はおとなしい。ハノイじゃないから自分のソロってのもどういう風にしていくかってのもまだ模索してたってのあるだろうね。このアルバムって当時は世界発売してないんじゃなかったかな。

 それでもルーツを確認するには面白い選曲だし、そういうルーツでハノイってあったんだな、ってあるし面白い側面はあるにはある。後々自分でもその辺は聴くようになっていくわけだし、ただ、この作品からって言うんじゃないが。そんなことでマイケル・モンローのルーツを見るには良い一枚。





David Johansen - Live at the Bottom Line

David Johansen - Live at the Bottom Line
Live at the Bottom Line

 やっぱりアレだな、ソロアルバム作ってもバンドのイメージと大して変わらないってのが一番ウケるのかな。確かに聴く側にしてみるとそれがもっとも想像通りで裏切られないんだから受け入れやすいってのはあるもんな。やってる側の意思とかソロの意味とかまで考えてたらキリがないし、じゃ何でソロ出してるんだ?とかあるけどさ、色々あるんだろうよ…と思うくらいしかない(笑)。そういえばドールズの時に全然思い付かなかったけどフロントマンのDavid Johansenってソロ出してたんじゃなかったっけ?って思い出してさ、アレコレ探してたワケよ。うん、そしたら意外な発見があってなかなか楽しめてるトコロ。

 1978年にソロアルバム「David Johansen」ってのでソロデビューしてるけど、こいつがまたどうにも…ってアルバムでさ、何でかね〜ってついつい思ってしまったのだが、その印象を裏切ってくれるべくアルバムがあったんですな。1978年のライブの模様をプロモレコードにしてあったんだけど、結局プロモのままで本チャンリリースに至らずのまま埋もれてた「Live at the Bottom Line」。1993年になって、このライブ盤のフルレンス盤がCDになってリリースされたという代物で、だから1978年のライブそのままが出てきたという発掘ライブ。時代的にはソロデビューした後だからか、シルベイン・シルベインも参加しているライブってことで半分ドールズなんだな。この人達の場合はバンドが解散してからも自分たち自身はドールズみたいな音を出したがってたって人だから、ここでのライブはほぼそのままが聴ける。うん、だからジョニサンいないけど、ドールズ直系のドールズの歌声で聴けるR&Rバンドってことだ。もちろんドールズの曲もやってるしね、そんな美味しいライブ盤があったなんて知らなかったから、こうやって見つけて聴けるってのは嬉しいね。

 それにしてもまぁやっぱり無茶苦茶なんだな(笑)。ドールズを語るのと同じくらいなモンで、ジョニサンいない分まだまともか…そう言って良いのかどうか分からんけど、やっぱりバンドのフロントマンなだけあってそのまま雰囲気を出してるし、ファンも満足だろうしね。これってドールズ名義で出してればもっと売れただろうにな、そうはいかなかったんだろうけど。




Johnny Thunders - Hurt Me

Johnny Thunders - Hurt Me (1983)
Hurt Me (Re mastered)

 ギターの中じゃレスポールが一番好きなんだけど、他にも色々と好きなので結構手に入れて弾いてたりしててね、それなのに何故か早い段階からレスポール・スペシャルTVモデルなんてのを気に入って持ってたりした。この手のって今でも好きで、こないだもレスポール・スペシャル買っちゃったりしてるんだけど、ダブルカッタウェイのイエローの方ね、好きなんだよ。元々何でそれ?って話なんだけど、やっぱりJohnny Thundersが持ってるの見て、他ではなかなか見ることもなかったし、かっこいいな、って思ったからなんだろうな。特にJohnny Thundersになりたかったとかはないんだけど、ギターとしてのルックスに惚れたっつうか。The Clashのミック・ジョーンズがワインレッドのを使ってるのは見てたけど、そんなにカッコ良いって思わなかったんだが、何でかね。

 Johnny Thundersって妙に神格化されてる人で、それはもちろんNew York Dollsでの活躍とインパクトが絶大だからこそのR&Rの神様みたいになってるんだろうけど、本人もその後のThe Heartbreakersと一緒にやってる頃のはそのままR&Rを引きずってる感あるか。ところがソロアルバムになるとそんなR&Rなんてまるでやってなくってさ、もっとシンプルに歌ってギター弾いてるだけっていうのばかりで、Johnny Thundersって人の名前を聴いて印象を信じてソロアルバム聴くとかなり肩透かしを食うのだった。うん、自分がそうだったんだよ。幸いNew York Dolls聴いてたからそういう人だって思ってたのもあって、救われてたけど最初からソロアルバムだとしんどいよな。

 1983年にリリースされたJohnny Thundersのアルバム「Hurt Me」は正にその期待を裏切るようなアコギ一本で歌ってるソロアルバムだ。ホントにそのままアコギ一本弾いて歌ってるだけ、カバーもオリジナルもあるけど意外とソフトで甲高い声のJohnny Thundersの歌声にコードストロークだけに近いアコギで20曲位入ってる。最初これ聴いた時、レコード間違ってるって思ったくらいだ(笑)。こんな人だったのか?って思ったもんな。この後来日公演してライブハウスツアーやってたんじゃなかったっけ?アコギ一本でさ。それもまたR&Rを期待して行った人はそのギャップあったんじゃないだろうか。今じゃ神格化されてこれもジョニサンって言われてるけど、当時はオイオイ、ってなモンだった。大して上手くもないギターと歌でやられてもさ、ハートだけで迫ってくるからそれはそれで凄いけどね。

 そんな叫びがそのまま詰め込まれた作品が「Hurt Me」。良いとか悪いとかそういう次元でもなくて、生々しく部屋での録音をそのままレコードにしましたみたいな感じで、今じゃ小学生でも出来ちゃうようなのばかりだけど、その奥深くにある魂の叫びは簡単には聴けないね。とてつもなく生々しい魂の名作と言うべき作品。






 | HOME |  »

プロフィール

フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


ロック好きの…別館リンク


ブログ検索


最新記事


カテゴリー


最新コメント


最近のトラックバック


カレンダー

11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

過去ログ+

2019年 01月 【1件】
2018年 12月 【13件】
2018年 11月 【30件】
2018年 10月 【31件】
2018年 09月 【30件】
2018年 08月 【31件】
2018年 07月 【31件】
2018年 06月 【30件】
2018年 05月 【31件】
2018年 04月 【30件】
2018年 03月 【31件】
2018年 02月 【28件】
2018年 01月 【31件】
2017年 12月 【31件】
2017年 11月 【30件】
2017年 10月 【31件】
2017年 09月 【30件】
2017年 08月 【31件】
2017年 07月 【31件】
2017年 06月 【30件】
2017年 05月 【31件】
2017年 04月 【30件】
2017年 03月 【31件】
2017年 02月 【28件】
2017年 01月 【32件】
2016年 12月 【32件】
2016年 11月 【30件】
2016年 10月 【31件】
2016年 09月 【30件】
2016年 08月 【31件】
2016年 07月 【31件】
2016年 06月 【30件】
2016年 05月 【31件】
2016年 04月 【30件】
2016年 03月 【31件】
2016年 02月 【29件】
2016年 01月 【32件】
2015年 12月 【32件】
2015年 11月 【30件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【30件】
2015年 08月 【31件】
2015年 07月 【31件】
2015年 06月 【30件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【30件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【28件】
2015年 01月 【32件】
2014年 12月 【31件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【31件】
2014年 09月 【30件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【32件】
2013年 12月 【32件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【32件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【30件】
2013年 03月 【31件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【32件】
2012年 12月 【32件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【31件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【31件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【32件】
2011年 12月 【31件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【30件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【30件】
2011年 05月 【31件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【32件】
2010年 12月 【32件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【30件】
2010年 05月 【31件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【30件】
2009年 10月 【31件】
2009年 09月 【30件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【31件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【31件】
2009年 04月 【30件】
2009年 03月 【31件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【32件】
2008年 11月 【30件】
2008年 10月 【31件】
2008年 09月 【29件】
2008年 08月 【30件】
2008年 07月 【30件】
2008年 06月 【30件】
2008年 05月 【31件】
2008年 04月 【30件】
2008年 03月 【31件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【31件】
2007年 12月 【29件】
2007年 11月 【30件】
2007年 10月 【29件】
2007年 09月 【28件】
2007年 08月 【31件】
2007年 07月 【30件】
2007年 06月 【29件】
2007年 05月 【30件】
2007年 04月 【30件】
2007年 03月 【26件】
2007年 02月 【27件】
2007年 01月 【20件】
2006年 12月 【31件】
2006年 11月 【30件】
2006年 10月 【31件】
2006年 09月 【30件】
2006年 08月 【31件】
2006年 07月 【31件】
2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


リンク


RSSフィード


全記事表示リンク

全ての記事を表示する


QRコード

QR

Click! Click!


格安sim mineo!

楽天市場

LED ZEPPELIN by LED ZEPPELIN【日本語版・4000部完全限定】

チープ・スリル(50周年記念エディション)

REMASTERED PART 1 [CD BOX]

REMASTERED PART 2 [CD BOX]

グラストンベリー 2000【2CD+DVD】

ラヴ・ミー・パパ

オーティス・スパン セッション集1953-1960 -シカゴ・ブルースマンの日記-

アートワーク・オブ・ヒプノシス

クラシック・ハード・ロック・ディスクガイド (BURRN!叢書)

バンド・スコア 80年代ブリティッシュ・ハード・ロック[ワイド版]