Black Uhuru - Sinsemilla

カテゴリー: US Punk

 だんだんと汗ばむ季節になりつつあって、もう日差しも強くなってきたんだけど、旅に出たいなぁ〜と思う今日この頃。常に旅できていればいいんだけどなかなかねぇ…。暑い時に暑いところに行こうとは思わないけど、サラッと暑いところなら悪くないかもしれない。まぁ、まだまだ先の話だろう(笑)。そんな思いもあってか最近は涼しい音楽も自分のローテーションの中に入りつつある。昔だったら全然聴かなかったレゲエ・ダブなんてのは正にその典型。それがまた心地良いんだよなぁ。それもこれもクラッシュやジョー・ストラマーのおかげなんだよな、きっと。

Sinsemilla Red

 そんな中で一番気に入っているのはやっぱりブラック・ウフル。「Red」を聴いてとんでもなくぶっとんだものだけど、その前後ってやっぱりスライ&ロビーとのジョイントだったので圧倒的に評価が高くてあれこれと入手して聴いているところ。まぁ、慣れてないのでアルバムごとの特性の違いとか音楽的変化なんてのまでは追求できていないんだけど「Anthem」あたりと対を成すと言われている1980年リリースの傑作「Sinsemilla」。いやぁ〜、心地良い。それだけで聴いているんだけど、ビートが非常にロック的なのかもしれない。まぁ、レゲエっつうよりもダブなんだけど、やっぱりこの鉄壁のリズムセクションにヤラれてる部分が大きいかな。そこにコーラスの絡みがこれも絶妙にツボを突いてくるから余計に、だけど。音の面でも80年初頭らしく、ちょっとエレクトリックドラムが入ったりしているのは面白い。やっぱ純然たるダブとかじゃなくて色々なエッセンスが融合されているからロック的なのかも。「Red」も相当グイグイ来たけど、この「Sinsemilla」はもっとユラユラするってな感じか(笑)。

 1984年には来日公演しているらしくて、あの「Live Under The Sky」だったそうで、多分夜中にテレビでやってたのとか見てたんだろうなぁと記憶の中を甦らせているんだけど、もちろん当時は全く無視。たんに夏のイベントは心地良いよなぁ〜と見ていただけなので…。勿体ないなぁ。あの80年代ブーム真っ只中にこんな音を出して人気を誇っていたバンドもあったんだね。ロックとかポップスだけじゃなくてジャズ・フュージョンも人気の盛りだったし、ブラック・ウフル自体もこの頃が人気のピークだったワケで、バブリーな80年代は色々な人が最全盛期だったんだな。

 そんな色々な記憶と今のダブビートにユラユラされながら心地良く涼んでいく季節です♪しかも中古CDが以上に安いグループなのでお得〜。

Black Uhuru - Red

カテゴリー: US Punk

 そういえば、ってことで思い出した大名盤…っつうかほとんどまともに聴いたことなくって何回か流した程度だったのが失敗だった!こんなに素晴らしいアルバムだとは…、やはり世の中の評論家の書くこともたまには信じて良いかもしれない(笑)。いや、それは冗談としてもレゲエっていうものへの偏見もあってまともに取り合っていなかったのが失敗だったなぁ…。うん、ブラック・ウフルの「Red」っつうアルバム。

Red Anthem

 1981年リリースの彼等の三枚目のアルバムで最高傑作と名高い作品。うん、傑作だ、これは。凄い。で、調べてみるとバックのリズムセクションはスライ&ロビーなワケで、いや、だから何だと云われても困るんだけど(笑)、もの凄いグルーブ感で良いねぇ〜。レゲエってどれもこれも裏打ちでかったるい怠惰な音楽っていうイメージしかなくってこんなにロック的な音だとは思わなかったんだもん。それとも耳が肥えてきてアジテーションがあるものは何でもロックに聞こえるようになってきたのかな。でもこのアルバムは一般のレゲエとジャンル分けされる音とはかなり異なると思う。ボブ・マーリーは圧倒的にレゲエって感じだけど、ブラック・ウフルはロック寄りのレゲエ、かな。多分ポリスやノーダウトやクラッシュなんてのに慣れてきたおかげでそういう聴き方ができるようになったのかもしれん。そう、後期クラッシュの奏でていた音って正にこれだよなぁ、と。

 曲名がどれもシンプルなのもひとつのスタイルなのかな。良いよね、こういうの。んで、何と云ってもリズム隊の、というかベースラインが圧倒的に歌っている中、歌のメロディもどことなくロック的な…いや、逆なのか。細かい音の使い方とか英国のロック連中はよく研究してたんだなぁ、それをまたブラック・ウフルが研究して、ミクスチュアーなサウンドになったからこそ面白いのか。1981年ってことはクラッシュが「サンディニスタ!」出す頃だもんね。う〜ん、被る。

 このクソ寒い真冬に聴く音楽ではないハズだけど妙にジャマイカンなこのレゲエの名盤が心地良く部屋で流れてました。低音バリバリにして気怠いグルーブ感に身を任せてダラダラと…。早く夏がこないかな(笑)。

Dead Boys - Young Loud And Snotty

カテゴリー: US Punk

デッド・ボーイズ登場!!~ヤング・ラウド・アンド・スナッティ ウィ・ハヴ・カム・フォー・ユア・チルドレン

 芸術的、知性的側面の強いと言われる初期ニューヨークパンクからは発展した、今度はロンドンパンクに影響を受けて誕生してきたUSパンクの波というものもある。もっともその大半はシンプルな音から更にカオスな世界はコアな世界に進むこととなりシンプルなロンドンパンクの勢いをそのまま音として影響されているバンドというモノは少ない。まぁ、その当たりに進むとあんまり興味がなくなってしまうからねぇ。ハードコアパンクってほとんど聴かないし。面白いのはあるの知ってるけどもう飽きるよなぁ。

 さてさて、そんなことではあるが中でもスティーヴ・ベイダーズ率いるデッドボーイズの音は本人のセンスもあり、相当に洗練された初期パンクサウンド、ともすればニューヨークドールズに追随するかのようなサウンドを持って世の中に出てきた。1977年デビューではあるがその実それこそCBGBでは鍛えられまくっていた下積み時代が長かったようだ。ちょこっと聴くとアメリカ的っていうのをあまり感じることなく軽快で一筋なロックンロールを激しい勢いでプレイする初期ロンドンパンクに近い音で、なかなか良いのだ。

 このスティヴ・ベイダーズってのが曲者で、この跡にはパンクスの大御所連中と一緒に組む「Loads of New Church」ってバンドがあるんだが、そこではポップセンス満開で実はかなり才能豊かな人だったという。それこそハノイ・ロックスのマイケル・モンローはこのバンドの大ファンで、自身のソロ作品などによくカバー曲を入れていたしね。なかなかマニアックなセンスした人です(笑)。今や故人ではあるのが残念だが、結構あちこちで作品を聴くことができるのでマニアックに楽しみたい人はお薦めだね。

 デッドボーイズ自体はアルバム二枚だけしかリリースされずに解散したけど、最初のアルバムである「ヤング・ラウド・アンド・スナッティ」はシンプルにお薦め。考えることも悩むこともなくスカッとノレる名盤ではあるな。「ニューヨークのセックス・ピストルズ」と呼ばれていたくらいシンプルな音。

Lou Reed - Transformer

カテゴリー: US Punk

トランスフォーマー(紙ジャケット仕様) ブルー・マスク(紙ジャケット仕様)

 いつの時代も時代を創り上げたパイオニア達はさっさと違うことを予見し、ブームになる頃には全く異なった音楽や活動をしていることが多い。そしてフォロワー達はまたその世界をもつい津井出来るかどうかによってホンモノと偽物が分かれてくる、それかオンリーワンの世界をきちんと築き上げていくかのいずれかだろう。ニューヨークパンクにとってどう見たって発端はヴェルヴェット・アンダーグラウンドなワケであって、その核とも云えるルー・リードその人が元祖でもあろう。

 しかしニューヨークパンクスというものが生まれ始めの頃、御大ルー・リードはなにをしていたか…、もちろんアーティスティックな活動をしていたことに変わりはないが決して激しいパンクなことをしていたわけではない。もっと音楽的な芸術的な作品をリリースしていたものだ。それこそがパイオニアとフォロワーのギャップなのだろう。

 ルー・リードのその傾向はもちろんヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代からあったものだろうが、この人の天才的な音楽的才能にしっかりと触れられるアルバムとして「トランスフォーマー」があると思う。1972年にリリースされた作品でプロデューサーにはデヴィッド・ボウイを従え、そしてルー・リード自身もロンドンに住んでいた時期なので当然ながら英国よりの音をしている。しかし、ここで面白いのはメロディラインの美しさ。どう聞いても英国人には出てこないメロディの作り方だろうし、それこそがヴェルヴェット・アンダーグラウンド時代と全く変わらない本質的な歌。ともすれば後にボウイのヘルプを求めることとなるイギー・ポップの作品と同じような歌メロになりがちではあったが、そこがセンスの違うところ、しかとルー・リードのカラーが全面に出ている。もちろんそれがプロデューサーの巧さなのだが。

 しかしデヴィッド・ボウイという人は実に凄い。こういう作品を聴いていて思うことだが、自身のセンスを感じさせつつアーティスト本人の才能を思い切り引き出している。許されるなら全曲デヴィッド・ボウイによってカバーした作品を出してもらいたいものだ。果たしてどこまで変わるモノか…。

 さて、この「トランスフォーマー」、有名曲がいくつも入っていることは見ればわかるのだが、その有名曲が実はそんなに有名かどうか…。「ワイルド・サイドを歩け」にしてもこんなに静かな語りの曲だって知ってた?「ヴィシャス」にしてもこんなにカラフルな音だったっけ?いやいや、意外と聴けていないのかもしれないなぁ、こういうサウンドって。イメージ優先、っってよくないね(笑)。

Patti Smith - Easter

カテゴリー: US Punk

 ニューヨークのCBGBというクラブはストリートロッカーにとってみると憧れのライブハウスなのだ。ここ日本からもCBGBに渡る、またCBGBでライブをやるということを目的にニューヨークに走るバンドも数多い。実際CBGBでプレイすること自体はそれほど難しいことではないらしい。そりゃそうだ、パンクスの登竜門として名が知れ渡っている以上、ヘタクソでもなんでもライブをやらせることに変わりはないだろう。しかしそこにいる観客は相当シビアなものだと聞く。そりゃそうだ、白熱させてくれなきゃビールでもガンガン投げつけてやろうってくらい粋がった連中なのだから。

 そんなイメージが先行しているCBGBクラブだが創設期から今でも顔を出す大物でありながらストリートに密着したニューヨークパンクの女王、パティ・スミス。そういえば先日も新作「Twelve」をリリースした際にこのブログでも取り上げたばかりなので立て続けに登場することにはなるが、まぁ、良いじゃないか。

イースター(紙ジャケット仕様)

 1978年リリースの三枚目。いつも不思議に思うのだがこの人がなぜアリスタレーベルに所属しているのか…、と。もちろんアリスタができたての頃に創作については一切口を出さないという契約があったからこその獲得だったのだが、その後のアリスタのメジャー路線の音楽志向からは実にかけ離れたアーティストなんだよな。まぁ、それがお互いを大きくさせた理由でもあるだろうから結果よかったんだろうけどね。さて、この「イースター」というアルバム、またまたジャケットは艶めかしいメイプルソープの写真が使われていて衝撃的な作品でもある。そして音的には彼女の数多いアルバムの中でもかなり上位に入る名盤。代表曲がいくつも入っているってのもあるんだけど、なんつうか熟しているんだよね、ロック的に。最初に聞いた時のインパクトは「Babelogue」〜「Rock'n Roll Nigger」だったな。あの朗読の熱さに驚いて、そこから「Rock'n Roll Nigger」に進むっつうこの瞬間が好きだった。何か凄くないか?って感じでさ。その後は「Because The Night」のシュールさがよかった。ブルース・スプリングスティーン作品ってことで結構意外だったんだけど、どうやら歌詞を少々手直ししたのがきっかけとなってアルバムに収録されることになったようだ。それでも彼女の代表曲として君臨しているし、そもそも人の曲を歌うことについての偏見がない人なので全く問題ないのだが、この人はどうしていつもこう無名の頃から大物を惹き付けるのだろう?彼女が関わる人皆が皆、無名時代から知り合いで、そして皆大物になっていくのだ。オトコを見る目が確かというか…。

 しかし名曲のオンパレードとしか云えないくらい素晴らしい。先の理由で何度も何度も聞いたアルバムのひとつなのだが、「We Three」なんかでもそうだけど凄く優しいんだよね。ニューヨークパンクって全然ロンドンパンクとは意味合いが異なるからアレだけど、全然パンクという枠組みが関係ない人。ジョー・ストラマーの「Punk is Attitude」ってのが正しいんだろうな。パティ・スミスも芸術を表現する手段としてガレージ的に始めたといったトコだろうし。

 あぁ、ロックっていいな。

Iggy Pop & The Stoogies - Fun House

カテゴリー: US Punk

ファン・ハウス
 ハノイ・ロックスで少々激しいパンキッシュなモノが聴きたくなって何気なくコレクションの棚を眺めていて、ふと見つけたアルバムがイギー・ポップの「ファン・ハウス」。イギー・ポップをマジメに聴いたのはそれほど古い話ではなくって、ロンドンパンクが好きだった自分にはイマイチアメリカのパンクには興味をそそられることなくって、せいぜいパティ・スミス程度しかまともに聴いてない。今思えばイギー・ポップって最初期は1960年代後半なワケだから全然パンクっつうのでもなかったんだよね。でもまぁ、なんとなく気付いた時にはゴッドファーザー・オブ・パンクスみたいな感じだったのでそのままのイメージだったんだな。だから結構聴かなかった。

 失敗

 いやぁ、ホント。もっと早くに聴いて刺激を受けるべき人だったし作品だった。今回はセカンドアルバム「ファン・ハウス」なのだが、最初期の三枚はどれも衝撃的なサウンドで、時代を考えると驚異的な作品とすら云えるものなんだよね。「ファン・ハウス」も今では「ファン・ハウス(デラックス・エディション)」が出ていて多様な楽しみができるんだけど、とにかくアルバムそのものの出来映えが凄い。印象的には狂喜するジム・モリソン。ここまでドロドロとした歌を野獣のように歌い叫ぶ人はそうそういない。そして一方サウンドそのものはかなりしっかりと作られていてハードロックというかはサックスなども使ったインパクトを与えるということに貢献している音作り。ただしそれよりも何よりも決定的にアルバム中で浮き出ているのがもちろんイギーのカリスマ的な歌声、叫び。退廃的なムードの中、叫ぶ…、正にロックの象徴と言わんばかりの傑作。それでいて一曲一曲が結構長いという、時代性もあるのだろうが飽きさせない音と惹き付ける魅力には脱帽だね。英国モノと違ってそこには優美さや荘厳さというものは皆無。ただひたすらがなり立ててる、ガレージサウンドと言うのかヴェルヴェット的と言うのか…、全く新しい音だ。

 ドラッグ問題とは切っても切れない時代と音。1970年代。そして彼等も「1970」として歌っているけど、数多くのバンドがこれをカバーしている。そうそうハノイ・ロックスもダムドもね。「I Feel Alright」だな。いやぁ、聴く機会に恵まれてよかった。面白いとかいうか音楽的に云々ではなくってロック的に刺激を受けられる作品。名盤、と呼ぶかどうかはわかんないけど、ひとつの衝撃には違いない作品だね。

 ブチコワシタクナル



Patti Smith - Twelve

カテゴリー: US Punk

 ロックという世界は実に面白い。最近またそれを実感している。別にテーマを決めなくても聴きたいモノを聴けばいいんだけど、それがあまりにも広がりすぎていったためになかなかアーティスト側の意図した想いをきちんと受け止めると、いうところまで辿り着かないものも数多い。いかんなぁと思うのだが、そこまでピンと来ないものはあるもので、多分ロックを聴くというキャリアを積んでいるから何となく自分的に感覚が必要と思うモノにはちゃんとアンテナが立つもので、そうじゃないものは途中で飽きる(笑)。いや、ま、好き嫌いで聴くものだからしょうがないでしょ。

 ん〜と、何を書きたかったかと言うとだ、メタリックな世界の様式美に感動して、アイルランドの歌姫とスコットランドのトラディショナルなど色々と感動するものがあるけど、今日もまた新たに知り抜いた世界の中で感動したのです。

トゥエルヴ

 Patti Smith 「トゥエルヴ

 こないだ出た新作…っつうかタイトル通り12曲のカバーソングが収録されたもので、これがまた勝手知ったるものから意外なモノ、そして深く頷いてしまうモノまで多種多様にカバーされていて、どれもこれもがパティ・スミスの曲じゃないかと思うくらいに彼女らしいアレンジと歌い方が施されていて…、見事。若い世代でパティ・スミスのファンが付いたらこのアルバムから古き良き時代のロックにまで遡ることだろう。原曲が負けているものだっていくつもある。それくらいに痺れるカバーアルバムだね。

 1曲目からジミヘン。しかも「Are You Experienced?」なんつう渋いトコロを持ってくるあたり、さすが。しかも超斬新なパティ・スミス風アレンジで楽曲を丸裸にしてから構築し直しているこのアルバム一番の作品。こんなにも素朴に赤裸々にこの曲を歌う人はパティ・スミス意外にはいないし、この曲をそういう風に持っていく人もまぁいないだろうな。ジミがギターで語っていたエモーションを淡々と歌声で伝え直した、って感じでね、コイツでヤられました。次は驚きの曲で、歌メロが流れてきた瞬間に「あれ?何だっけ?」って思ってしまったらTears For Fearsの「Everybody Wants To Rule The World」だった。80年代に売れたアレです。これはまぁ、好きだったのかな、彼女。そんなに力入ったカバーじゃないけど、圧倒的に自分のモノにしている点は変わらない、やっぱ迫力。いや、何だろうね、この貫禄は。で、何?ニール・ヤングの「Helpless」。アコギで静かに歌い上げている…、圧倒的に原曲よりも良いなぁ、と思ってしまうね、これ。4曲目、ストーンズの名曲「Gimmie Shelter」なんてのを取り上げているってのも興味津々だったんだけど、聴いてみると、結構忠実にカバーされていて、迫力はさすがにパティ・スミスの持ち味が出ているけど特にストーンズとのアレンジの違いはないかな。いや、アコースティックでハードにって感じだけどさ。しかし、これこそロック、だよ。ロック。うん。ロックなバンドの曲をロックな彼女が歌う。だから違和感なし。素晴らしい感動モノの迫力。これもかなり良かったなぁ。

 で、次は…おぉ、やってしまったかビートルズ(笑)。だが選曲がさすが(笑)。「Whithin You Without You」だもんな。それをドラムのロールと12弦ギター?とベースとパティ・スミスの歌だけでひたすら宗教チックに歌い上げていくアレンジで、これもかなり斬新というかパティ・スミスらしい…。カバーとはわからないだろうと思える作風には驚くね。ガレージサウンド的でもあるし、幻想的でもある。こういう世界って凄いなぁ…。正に60年代っていう雰囲気出まくってるよ、これ。で、次もまた60年代の曲なんだけどジェファーソン・エアプレーンの「White Rabbit」で、これもまた有名曲だね。どこかスペイシーなアレンジでなんかトリップしている雰囲気を出している様子だなぁ、このヘンの曲は。7曲目のディランの曲はもうパティ・スミスお得意のパターンで淡々といつものように言葉を音に乗せて紡いでいくというもので、まぁ、ディランよりは全然聴きやすいかな。…と思ったら今度はポール・サイモンですか。これは原曲聴いてないから知らないけど、最近のパティ・スミスの音によるアレンジでやっぱりしっかりとらしさが出ているアレンジ、かな。

 そしてアルバム中最も本人に成り切っているんじゃないかと思うようなドアーズの「Soul Kitchen」。もう、ハマってるなんてもんじゃない。今のドアーズ再結成バンドもパティ・スミスをボーカルに迎えて何曲かやってくれたらそれでドアーズ復活って言われるぜ。それくらいにハマってる。ジム・モリソンを聴いているようにしか聞こえないもん。音の雰囲気も何もかもがドアーズ。こういうのがロックだよ、うん。いいなぁ。続いて静かにベースのが奏でられて始められるこのアルバム収録曲中もうひとつの思い入れが確実に伝わってくるニルバーナの「Smells Like Teen Spirit」。あの大ヒット曲を物静かにそしてパワフルにカバーしている。同じアンダーグラウンドからの出立でパティ・スミス的にも思い入れがあったんだろうなぁ、と。自身の周辺の出来事も含めてあまりにも重すぎるカバーかもしれないな。考えすぎかな。サウンド的には全然ハードじゃなくてアコーディオンまで入れて明るくしているくせにやたらと重くて…、好きだな、こういうの。途中のパティ・スミスの語りの部分なんてもう堪らないよ、ほんと。気分の高揚する、このアルバム中最高峰に位置するカバー。YouTubeリンクしとくので聴いてみて。スタジオ盤はもっと重いけどね。

 以降、オールマンのカバーはこの流れでは妙にホットする雰囲気だけど、やっぱパティ・スミスにはこういうの似合わないなぁ(笑)。いや、それでも聴いているとそんなに違和感ないんだけどさ、その辺がアーティスティックだね。最後はスティーヴィー・ワンダーの曲で、やっぱりピアノをフューチャーしたアレンジ。やっぱり重くなるのはしょうがないとしても、曲の良さは際立ってるし、何と言ってもラストチューンに相応しい最後の盛り上がりはもう迫力と貫禄とパワーに脱帽。素晴らしい。

 なんか久々に長々と書いてしまったけど、やっぱりパティ・スミスという人は暗くて重い。…が、ロックって暗くて重くないとダメなんだよね、自分的には。だから凄く好きな人の一人なんだけど、それをね、自分が聴いているのと同じようなところからカバーしてくるってのがさ、ある意味嬉しいし、その料理の方法を楽しめる。そして原曲に負けないセンスの良さと自我の在り方ってのを見せてくれると最高。このアルバムはそれをきっちりと示してくれたのでもう言うことなし♪


 

Sonic Youth - Goo!

カテゴリー: US Punk

Goo ダーティ
Sonic Youth - Goo Goo
Sonic Youth - Dirty Dirty

 遅れてきたパンクス=オルタナティヴロックとして定義されたのは1990年代になってから、それは多分にREMニルヴァーナのハードでグランジなスタイルによるものから同一視されてきたものだが、ニューヨーク出身の面白いバンドがひとつある。ソニック・ユースというバンドだが、そもそも1970年代のニューヨークパンク=テレビジョンパティ・スミスラモーンズなんかをリアルタイムでライブを見ていた輩がその後すぐに結成したのがこのバンドの始まり。即ちメンバーは今では50歳前後だっつうことだ。1990年代においても当然30代に入っていたワケなので他のグランジ系バンドなどとは大きく隔たりがあったのだ。言い換えると70年代からバンドをやるもののインディーズでのアルバムリリースレベルに留まっていて、決してメジャーには躍り出ることなくニューヨークのアートシーンからドサ回りをすることで地道なファンの拡大をしていたということだ。日本のパンクバンドにライブハウスツアーを同じようなものだろうか。しかし90年代に入ってから煌びやかなロックに終止符が打たれ、その時に退廃的なサウンドが全面に出てきたワケだが白羽の矢が立ったのがソニック・ユース。そりゃ、そのサウンドで十数年もライブを回っていてインディーズながらも実験的なアルバムを数枚リリースしていたワケだから、声かかりやすいわな、と。で、メジャー契約したのがなんとゲフィン。

 …と今なら語れるストーリーだけど当時は全然情報なくって、とある時に知り合った女の子に凄くかっこいいバンドあるよ〜って言われてCD貸してもらったのが最初でこのバンドを知った。当然すぐCD買いに行ったんだけどね。それが「Goo」ってアルバム。今でもたまに聴くけど斬新。最初からクールなノイズと実験的サウンドはするんだけどその辺が完成度高いのかえらく聴きやすいワケよ。激しく叫べ〜っていうのじゃなくて、ノイズとは言えどもホントにノイズまみれというわけでもなくって凄くバランス取れてる。ギターの音にしてもベースの音にしても全然メジャーな音じゃなくって、それがまたナマナマしくって良いんだけどさ。初っ端の「Sonic Youth - Goo - Dirty Boots Dirty Boots」とかやっぱかっこよいもん。ベース、ってそういえば女性なんだよね。で、このキムが歌も歌っているんだがヒステリックっつうか世の中ナメてる、っていうような歌い方で面白いし、パンキッシュ。パンクっつうかノイズっつうかグランジっつうかまぁ、オルタナティヴな音。これはねぇ、一時期相当聴いてたからどこかエロティックな思い出もあったりする。うん、このCD教えてくれたお姉さんね(笑)。

 この後の「ダーティ」っつうアルバムも結構聴いたなぁ。この二枚が完成度高いと思うし、今では廉価版出てるくらいだからさ。「Goo!」はデラックスエディションもリリースされているみたいで時代が一回りすると色々と面白いことあるんだなぁ、と。ジャケも良いし、音も新鮮だし、さすがニューヨークの音、というのは貫かれていると思う。

Patti Smith - Gone Again

カテゴリー: US Punk

Peace and Noise

 パティ・スミス

 同じアメリカの女性シンガーでもこれほどまでに指向性方向性表現力などなどが全く異なる唯一無二の存在という人も珍しい。パンクの旗手と言われることもあるし実際パンク的な要素を持った作品で世に出てきたということもあるのだが、それよりも何よりも彼女は詩人であり、パフォーマーであった。そして赤裸々に自身のありのまま生きている、そんな人だと思う。70年代から80年代にかけての作品についてはまたおいおい進めていきたいなと思ってるけど、それよりも1996年に久々にシーンに復帰するということで話題となった「ゴーン・アゲイン」と言う作品がかなりインパクトを放っていて重い作品。そしてその後すぐに初の来日公演を果たしたので、イソイソと見に行ったものだ。70年代の頃のイメージで見に行ったものだが、当然そうはならず、もっと重みのある、そしてエネルギーに満ち溢れた、そして悲愴感漂うものだったけど、でも彼女のスピリットは思い切りヒシヒシと伝わってきた、えらく疲れるライブだった思い出があるな。

 「ゴーン・アゲイン」=「また行ってしまった…」。タイトル通り友人や家族が立て続けに逝ってしまった時期、一度は挫折しながらも完成させて世に出したいわゆる復帰アルバム。復帰というには重い環境ではあったがその時の状況が赤裸々に描かれていて、それが音にまで反映されているという、決して軽々しく聴いてはいけない作品。ファーストアルバム「ホーセス」のジャケットを撮影したロバート・メイプルソープ氏が亡くなったのを筆頭に、元バンドメンバーのドラマーを亡くし、更に自分の夫であるフレッド・スミス氏を亡くし、同年、自分のローディを務めていた実弟を亡くす…。しかしディランからツアーの前座という声がかかり復帰に向けて人生のコマを進めていったことで赤裸々な想いが集約されたのがこのアルバム。だからはっきり言って滅茶苦茶暗いし重い。ただ、凄く響くアルバムで、元々彼女の作品は好きだったからこういう方向性のアルバムが出てきてもおかしくないし、リリースされた当時はそれこそこの音とその深さにハマって聴いたアルバムだなぁ。曲として云々っつうよりもアルバム全体での重さがね、好きって言ったらおかしいけど荘厳な雰囲気を醸し出してる。

 パティ・スミスの作品で他人に薦めるんだったら多分このアルバムを選ぶ。ファーストの「ホーセス」も良いけど、それよりも人生の重みを吐き出しているこのアルバムの方がロック魂を持っているか否かってことがよくわかっちゃうんじゃないかな。嫌いな人も多いだろうけど、それでも作品としての価値は認められるものだろうと思うしさ。まぁ、音楽なんて他人に薦めるものではないが…。そんなパティ・スミス、この作品をきっかけに全盛期以上のペースでアルバムをリリースしてライブも精力的にこなしている。既にそんな活動が十年以上続いているワケで、最早完全に大御所。何回か日本にも来たみたいだけど、最初の来日以来行ってない。なんかさ、軽々しく触れてはいけないような気がして。

 この人、確かまだDVDとか映像作品って出してないんじゃないかな。ライブDVDとかもないし、もちろんライブアルバムもないし…、今の状況でのライブとかリリースされないのかなぁ…。そろそろ歴史を振り返る意味で出してくれても良いと思うんだが。

Patti Smith - Horses Horses
Patti Smith - Peace and Noise Peace and Noise

Talking Heads - Remain In Light

カテゴリー: US Punk


 時代はパンクムーヴメントも去りゆく中、新たな波=ニューウェイヴが台頭してきた頃、ボウイとのコラボレーションに一区切り付けた変人ブライアン・イーノはプロデュース業に精を出しており、何をしても良い時代が到来するや否や新たなる領域へ手を付け始めた。それがトーキング・ヘッズのプロデュースとなるワケだ。

 …とは言えどもバンドの方もパンク全盛時代に出てきたものはいいけれど、全くうだつの上がらない状態でアルバムを数枚リリースしていたが、そんな状態のバンドに守護天使のように(…かどうかは知らないが、もしかしたら凄い邪魔者だったかもしれないけれど)現れたイーノは彼等のサウンドと姿勢を気に入り、アルバムのプロデュースを買って出たようだ。それがトーキング・ヘッズ史上最も有名なアルバム「Remain in Light」だ。そうだね、大体のロック本には名作アルバムとして書かれているし、トーキング・ヘッズの最高傑作とも言われている。

 うん、まぁ、そうだろうなぁ。でもさ、コレ、イーノのプロデュース…、ま、そこはバンドの才能を引っ張り上げたっつうトコでさすがなものなんだけど、そこにさ、エイドリアン・ブリューを入れてしまうところがミソ。おかげでバンドがもの凄いことになってしまったのだ(笑)。全体的にはイーノがやりたかったことなのかな…、呪術的とも言えるアフロリズムにデジタルチックなビートっつうかサウンド。で、ブリューのギター…効果音ギター…、そしてデヴィード・バーンが曲とは無関係に書き溜めていたメロディをぶち込んだとんでもなくパンク…と言うのかニューウエイヴというのか、滅茶苦茶実験的な作品なわけで、背景と歴史的には名盤として語られるべきだが、普通に聴いていた時には全く興味のもてないバンドで拒絶反応だったね。ま、今でも好きじゃないけど、やってるコトってのはイーノという人が見えてくると納得できるものなので、まぁ、アリかな、とは思う。う〜ん、まだまだまともに聴くには時間かかるかな。ブリューっつうのもねぇ、あまり好みではないギタリストなのだが、凄い才能はある人だし、やっぱりとんでもないギタリスト。この後ブリューってさ、ソロアルバムとかクリムゾンとかで歌うんだけどデヴィッド・バーンなんだよな…、この頃の影響はもの凄いんだろうな。

 …ってなことで、あまりにも若かりし頃に聴いたが故に全く理解できずに十数年以上経ってしまったこの作品にこんな形で再会するのも何だが(笑)、80年代以降の英国ロック界に与えた影響はとてつもなく大きいことは事実。

Talking Heads - True Stories True Stories
Eno/Byrne - My Life In the Bush of Ghosts My Life In the Bush of Ghosts by Eno & Byrne