Black Uhuru - Tear It Up - Live

Black Uhuru - Tear It Up - Live
Tear It Up - Live

 若かりし頃からレゲエってのは割と身近にあったモンだな、と改めて昔を思い出してみると実感した。時代時代の音と言うよりは何らかの影響をレゲエが及ぼしていたからルーツとして聴いてた、みたいなのが多い。80年前後くらいってそういうの出てきて面白かったし、90年代に入ってからもそのヘンはまだ進化してレゲエ・ダブってのが近場にあったんだろうな。ロック一辺倒だった自分からするとあくまでも脇に流れている程度のものではあったけど、そういえばレゲエファッションしてた友人とかも割といたな、と。パンクに通じてたってのは大きいけど、ストーンズなんかも通じてたしそれだけメジャーグラウンドに侵食していたリズムだったんだよね。

 Black Uhuruの作品はいくつかそんな流れで聴いていて、正にレゲエって感じの音でさ、更に洗練されていたから聞きやすかったのはあった。ハッパ臭くない音ってのか、そのヘンがメジャーに受け入れられた理由だろう、1981年のユーロツアーからまとめ上げたライブアルバム「Tear It Up - Live」ってのがあって、曲名までは把握していないけどよく耳にした曲ばかりが収められているんでそういうアルバムなのだろう。よく言えば裏切られることのない、しっかりとレゲエしているライブアルバムで楽しめる。悪く言えばもっとラリった感触のライブに仕上がっているとディープに楽しめたのだが、もちろんそうは仕上げないワケで、それでもライブ感溢れる全盛期の記録として楽しめるライブだ。

 この頃のライブって結構転がってるモンなんだな。当時はもちろん動いているのを見るなんてことが無かったからこうして手軽に動いているのを見れるのはなかなか斬新。なんというのか、コンサートホールでやるような世界の音じゃないんだろうなぁと言うのは何もレゲエに限った話ではないが、似つかわしくない。やっぱり暑いギラギラの野外でダラダラとやるのがこういうジャンルのライブなんじゃないかと思ってしまう。今なら野外フェスなんかでぴったりなんだろうね。それにしてもこの心地良さってのは何だろうか、自分的に一番レゲエらしい音で安心できているのかもしれない。



Sting/Shaggy - 44/876

Sting/Shaggy - 44/876 (2018)
44/876

 ロックにレゲエを持ち込んだバンドとしてポリスってのがあって、そこからスティングだもんなぁと思ってたらんだが、そしたら最近アルバムリリースしていたな、ってことでふと聴いてみたらなんと超ど真ん中のレゲエをやってた。ソロ活動になってからのスティングがこんだけレゲエにフォーカスされた作品を創るってのもなかったんじゃないか、って気がするし、しかもシャギーってジャマイカ人とのユニットによるアルバムだから見事に本場本物のレゲエが入ってて随分楽しめそうだって気がして手を出してみた。

 Sting & Shaggy名義での2018年作「44/876」。シャギーって知らないけど結構有名なジャマイカ人でアメリカで売れてたらしい。このアルバムで聴ける範疇からするとレゲエってのもあるが、ソウルフルなラップ的な歌とも言える部分を担っているみたいなのでそういうのが本業なのだろう。スティングの方はいつも通りと言えば何時も通りの歌で、伸び伸びと歌い上げている。合いの手をシャギーが入れて曲に異なるムードを入れてくるのは割と雰囲気変わってて面白いね。曲そのものは多種多様なサウンドが入ってるけど、レゲエ的な雰囲気が一番多くて夏に聴くには良い感じな仕上がり。

 それでもかなりおしゃれな感覚でのアルバム。シャギーのニューヨークの洗練感が表に出ているのかもしれない。そもそもスティングもソロアルバムだと結構オシャレなの作ってたりするから相性合ってるのかもな。ただ、このアルバムもそうだけど実にプロフェッショナルな仕事で仕上げたスキのないアルバムってのは分かるし、それなりに売れるだろう。聴いてて邪魔になる曲がないんだもん。んで、どれも何か聞き所あったりしてよく出来てる。好みな人は相当良い作品に感じるだろうという気がする。自分的にはそもそも音楽的にここまで出来ていると好みにはならないけどね。




Joe Strummer & The Mescaleros - Live at Acton

Joe Strummer & The Mescaleros - Live at Acton (2012)
Live at Acton [Analog]

 今時の時代にロックにこだわってる若者なんてのはいるのだろうか?そこまでロックは魅力的だろうか?歴史を紐解いてそこまで辿り着けばそれは魅力的であってほしいとは思うけど、多感期だからと言って得られる情報量の中にロックなんて入るのかな…、親の影響でと言うならあるのか。とするとそれは古いロック中心のきっかけで周囲を見渡していくとかそんな流れなのかな。どんどんニッチな流れになっていくんだろうとは分かりつつも、もっともっと楽しんでほしいんだが。

 レゲエやダブなんかをパンクに持ち込んで一時代を風靡したThe Clash、そのキーパーソンでもあるジョー・ストラマーはソロ活動をしつつもシーンからほぼ消え去っていたところ、世紀末前後に復活、そのサウンドは驚くことにレゲエ・ダブから派生したようなサウンドでそれでも明らかにロックでしかないサウンドとここに来て新たな領域を作り上げていった。もちろんその頃も結構ハマって聴いててその才能の豊かさに驚いていたものだが、合わせての日本公演なんかも行われてて、まさかここに来てナマで見れるとは、なんてのもあった。そんなジョー・ストラマーだったが2002年暮に突如の他界、その直前の11月にはロンドンのアクトンタウンのライブで最後の三曲をミック・ジョーンズとジョイントしたというのは知られていた。2012年のReord Store DayでRancidのHellcatレーベルからアナログで再発されて一躍話題になっていたが、それがこの「Live at Acton」なワケだ。

 冒頭からして安定のライブ感でジョー・ストラマーのあの不思議なロック感が聴けるし、クラッシュの名曲群もところどころで出てきて、バイオリンの音色の面白さがこのメスカレロスの特徴、妙に酒場チックな音になっていくってのがいいな。終盤に新曲も混ぜての「I Fought The Law」、そしてミック・ジョーンズの登場での「Bankrobber」「White Riot」「Lodon's Burningという怒涛のクラッシュ曲連発。涙なくして聴けないクラッシュへの夢、そしてジョー・ストラマーの訃報。なんとも言えない記録だよなぁと感慨深く聴き直している。やっぱりこういうの好きだ。





Lee Scratch Perry& Upsetters - Blackboard Jungle Dub

Lee Scratch Perry& Upsetters - Blackboard Jungle Dub (1977)
Blackboard Jungle Dub

 暑い時って何も考えたくないんだよな。だから暑い国の人って考えたくないってのが根底に出てきてしまうんじゃないだろうか。その中でも何か感性に従って音楽を作り上げていく人もいて、更にその斜め上らへんを作り上げていく奇才もいる。その代表例がリー・ペリーなんだろう。自分的にもよくわからないけど、何かと名前が出てくるし、作品聴いてるとどっか違う、ってか普通に聴ける作風にはなっていないことの方が多い。だからこその奇才と割れる所以だが、不慣れでも明らかに違いが分かる作風ってのはやはり天才的なんだろうと。なんでこんな作品??ってのもあるけどさ。

 Lee Scratch Perry & Upsettersの「Blackboard Jungle Dub」、1977年作品で実に革新的なダブサウンド。端から強烈な長尺インストでダラダラと聞かせてくれる。いや、ダラダラってもものすごく戦慄を覚える、ダブサウンドで戦慄ってのもヘンだが、ベースとペットでそんな雰囲気を着々と作ってくれて展開されていく。リズムが変わるわけじゃないからやっぱりメロディー系のところでドロドロさせていくのだが、この作り方がさすが。それだけでもなくしっかりと脳天気なジャマイカンなのもあるから妙なセンスを持った人なんだなぁと。ある種ドイツのCanとか聴いているような感覚に陥るもん。同じリズムで反復フレーズをひたすら、って話だからそりゃそうかと理論的には納得するが、それでもこういう手法があるのだなぁと。

 芸術性ってよりも宗教性なのか精神性なのか、そっちの方が大きいから出来上がるのか、それともそんなこと一切考えてなくて音楽を追求してったらこうなった、なのか分からないけど、ものすごく完成度の高いアルバム。更に音楽的にも恐らく前人未到の世界観を出した傑作、と思う。聴き続けるってものでもないけど、やっぱり凄いなぁと。


Fred Locks - Black Star Liner

Fred Locks - Black Star Liner (1975)
Black Star Liner [Analog]

 自分がほとんど知らない世界のジャンルの音楽ってのもきちんと進化したのは確かだが今の時代では既に退化してしまっているのだろうか、それともまだまだ進化し続けているのだろうか、と気になる部分はある。レゲエ・スカなんてのもそうで、ポップスともミックスなんかはあったりもするだろうけど、レゲエ・スカ側からした時に進化しているのだろうか。ロックやポップス側からすれば融合すべき音楽スタイルのひとつだけど、本場のレゲエ・スカ側からしたらそうでもないだろうし、いまでもそのままなのだろうか。ブルースだってそうだから、近いかもな。若手も王道路線をやってるだけとか?ん〜、何かしら進化しているだろうからそれもないと思うが、基本に忠実なのが一番受け入れられやすいのはあるしね。

 Fred Locksの1975年リリース作品「Black Star Liner」。これぞレゲエと言わんばかりの作品で、無茶苦茶スタンダードに安心して聴けるレゲエサウンド。ルーツ・レゲエの基本とも言われているようだが、正しくその通りで、ボブ・マーリーにはなれていないけど、そんじょそこらのレゲエでもない、という位置づけ。こういうのを初めて耳にした連中はホントに驚いたことだろうと思う。リズムと楽器の使い方のち外や個性の出し方がまるで裏腹、どうしてこんなん出てきたってくらいに間逆なスタイルだもんな。70年代中期の音楽の進化の過程の功績、パンクの連中と同時期にシーンに出てきたから無茶苦茶影響をウケたパンクってのもわかるわ。レゲエはあまりにも音楽してたけど、しっかりと主張が強く出ていたし、パンクは音楽じゃなくって、ってところしかなかったワケだからそこにこういうのがあったら取り憑かれるってのも分かる。なるほどね、と。

 ロックファンにとってのレゲエへの入り口はポリスやクラッシュ、もしかしたらストーンズなんてのもあったから入りやすいんだろうと思う。ボブ・マーリーなんてやっぱ凄いしさ。自分もそのヘンまでだったけど何かとちょこちょこと聴いたりしててこんな作品にも出会う。フレッド・ロックスのこのアルバムはリズムは音楽はもちろんレゲエらしい作品だけど、しっかりと歌メロが存在してて、心地良く聴けるんだな。だから何かもう一回聞こうって気になる。覚える気なくてもどっか耳に残るってのかな。それとねぇ、快活。あぁ、いいなぁ〜って情景が思い浮かぶ。そんな心地良さを味わいながらの灼熱地獄。


Horace Andy - Dance Hall Style

Horace Andy - Dance Hall Style (1983)
Dance Hall Style (Reis)

 Spotifyってそういうモンか、ってのを意識してから周囲を見渡してみるとなるほどどの人のiPhoneにもこのアイコン入ってたりするんだな。若者のが目に入ってきてもやっぱりこのダサいアイコンあるもんな。いや、若者だからむしろあるのか。んで聴いてる人も多いし、なるほどそういう形で聴くのが一般的なのだな、と認識するのはあまりにも遅かった自分ではあるが、それが故にもうCDなんて売れない、全然売れない。そりゃそうだろうよ。ダウンロードも売れない、そりゃそうだろうよ。結果的に音楽は流通事業内ではカネにならない、ひとつのビジネスモデルの中で契約成立しないとビジネスが出来ないようになってしまったし、それだけで売れるワケでもない。ただ人々は何かしら音楽を聴き続けるのだろう。

 Horace Andyなるレゲエ界の重鎮に近い人が1983年にリリースした「Dance Hall Style」って作品。もちろん自分的には初アプローチになるのだが、これで1983年のリリース作品?って耳を疑ったほどのチープな音作り。レゲエとかってのは音数少ないし、隙間だらけだからそんなに高価な機材は要らない気もするけど、それでもこのチープさは面白い。んでもって高音でちょいとソリッドな印象のレゲエが鳴ってくる、レゲエってのかな、ダブってのか、こういうの。正直言って良し悪しってのは分からない。誰のどんなんでも感触は良いとか悪いはあるが、気分的にリラックスして聴きたい時の作風ではないな。どっちかっつうともっと攻撃的な時、底辺にあるのは怒り、みたいな時に向く感じか。その証拠に曲数は少ないながらも一曲づつの後半はほぼインストに仕上がってて、案外このインストのループにハマる。ダブあたりのこういうショーケースな作風は好きだね。

 そうして何枚も聴いていると作風の違いはもちろん顕著になってくるし、取り組み姿勢もロックと同じくミックスしながら打ち出してくるってのも分かる、残念ながら自分的に最先端のレゲエ・ダブってのが誰がどうやってるみたいなのを知らないから探り切れないけど、そのヘンも面白いんだろうなぁと想像する。もっとも聞く機会があるのかどうかは分からないが。ルーツ・レゲエの確かさはこういった作品で聴けるし、メッセージ性が強いとちょいと聞き辛くはなるけど、聴いてて分かるもんな。面白いもんだ。


Junior Murvin - Police & Thieves

Junior Murvin - Police & Thieves (1977)
Police & Thieves

 灼熱地獄の街中、自分的に夏は好きな方だし、暑いってのも特に苦手じゃないけど街中の暑さってのは好きじゃない。自然に暑いだけなら結構心地良さも伴うんだけど、コンクリートやアスファルトによる蒸し風呂状態の暑さはどうしようもない。こんな気候の中でオリンピックが企画されているってのはホント、殺人行為に等しいと思うのだが、それも色々と規制を敷いたりするようで、何やってんだか…な気がする。先日のワールドカップもそうだけどスポーツの祭典にはとことん興味がないので余計なお祭りでしか無いという感覚、うん、あまりにも社会活動には馴染まない感覚はよろしくないのは承知だが、だからと言って興味ないのをわざわざ知りに行くってのもナンセンスだろうし、世の中好きにやってくれ、って感じか。

 その暑い中ヘヴィなのを聴く気にもならず、やっぱり年一度は通っていくレゲエ・スカ・ダブ周辺な時期かなってことでガラリと気分を変えての作品。Junior Murvinの1977年の大ヒット作「Police & Thieves」。タイトル見て分かる人は分かるだろうが、The Clashのカバーで有名な曲のオリジネイターで、聴いてみれば驚く事にまるで異なるオリジナルバージョンだ。ここまでフワフワしたレゲエなサウンドとは想像しなかった。よくぞまぁ、これをああいう風にアレンジして自分たち流に仕上げたものだと驚く。ジュニア・マーヴィンって人はフワフワなファルセットでのボーカルが売りな人だったし、その後ボブ・マーリーのトコロに行ったりもしてて多才な人だったからこういうのが出来ておかしくないようだけど、それでもこのゆるさと個性は素晴らしい。

 リー・ペリープロデュース作品の1977年作、当時のキングストン界隈のヤバさってのは自分には全く分からないのだけど、相当のものだったらしい。冗談抜きでの権力対市民の構図が行われててのこういう楽曲が生まれてきたようで、パンクもそこを見ていた頃。それでこういうユルユルな音なのか、ってのはあるが、手段はともかくメッセージ色が強いのは当然か。そしてサウンド面でもアルバム的にも名盤と語り継がれている作品、素人が聴いてもそこまでは分からないのだが、多分商業ベースに乗り続けていることがそれを証明しているのだろう。単純に暑い中をこういうサウンドで癒やすっていう聴き方している分には相当心地良い作品。




The Jam - All Mod Cons

The Jam - All Mod Cons (1978)
オール・モッド・コンズ

 誰もが皆誰かの音楽の影響を受けていて、そうなりたいそういうのがやってみたい、自分ならこうだ、ってのが色々あって、更に才能がそこをプッシュする形で初めて自分自身の音楽的なモノってのが出てくる。それは新しいものになる事もあるだろうし、所詮は何かをなぞるものでしかないのかもしれない。面白いことに才能のあるミュージシャンって大抵はそれほど多くの音楽を聴いてなかったりする。才能があるってのはそういうことだからさほど他人の音楽を聴いてそこから吸収するなんてことをしなくても自分の音楽が出てくるんだろうね。もちろんそうじゃなくてコレクター気質な人もいるんで一概にとは言えないけど、たくさんの音楽を聴いてオリジナリティを探すのではなくって、何かのきっかけで音楽を始めて勝手にオリジナリティが確立されるのがミュージシャン。…意味不明だ(笑)。

 The Jamの1978年サード・アルバム「All Mod Cons」。パンクシーンの流れにノッて出てきたバンドと思われがちではあるけど、元々はモッズバンドとして確立していこうとしていたのは有名な話。モロにThe WhoやThe Kinks、SMall Facesからの影響を受けてて、そのまんまのサウンドをちょっとソリッドにした形で出している、それが若気の至りとパンク的アプローチが強かったから丁度シーンで受けたって事だ。とは言え、しっかりと独自性を打ち出して生き残っていった数少ないバンドのひとつだし、今じゃポール・ウェラーって言えば大御所ミュージシャンの一人なワケで、まぁ、そこからThe Jamを思い出す人も多くはないんだろうけど、それくらいThe Jamよりもポール・ウェラーの方が有名になってしまったってことで、良かろう。

 さて、この三枚目のアルバム「All Mod Cons」では相変わらずの尖ったパンク的エッセンスに包まれたビートの聴いたサウンドが繰り広げられており、そのスタンスはデビュー時からあまり変わっておらず、どころかむしろソリッド感が増してThe Jamって個性がどんどん出されているかのように思える。それでいながら英国ロックさながらの風味はしっかり出しているからししっかりとそこに根を張っているのも分かる。要するにロック的なアルバム、ってことでカッコ良い。面白いのはそれだけじゃなくてきちんとチャレンジもしていたり、正に英国ロックと言わんばかりのメロディラインを打ち出したロックもあったりして、そりゃ好まれるわな、ってニヤリとしてしまう。ある種全然昔と変わらないロック魂そのまま、自身の曲をオマージュに入れ込んでみたり逆回転やったり、色々と楽しんでるなぁ…。


The Damned - Music for Pleasure

The Damned - Music for Pleasure (1977)
Music for Pleasure

 英国人が一番最初にパンクなるものに触れた瞬間って大抵はダムドだったんじゃないだろうか。ピストルズやクラッシュってのはその後に出てきているし、もちろんピストルズのセンセーショナルな言動がテレビを賑わせたことでパンクって…みたいなイメージを強烈にしたのは間違いないだろうが、音として一番最初に聴いた妙なサウンドってのは多分ダムド。音楽シーンに敏感であればあるほどダムドを最初に聴いたんじゃないだろうか。そして「何これ?」ってなったんじゃないかなぁ…と勝手に想像。その勢いや適当さ加減、それでいて妙に尖ったスタイルと元々ロックが持っていた反抗心みたいなのが思い切り出ているというのかね、それこそロックだよ。

 The Damnedの1977年にリリースされたセカンドアルバム「Music for Pleasure」。これにて翌年に一旦ダムドは解散している。恐ろしく短命なパンクバンドだったが再結成までの時間も早かった。やっぱり適当と言うか考えてないっつうか、勢いだけって感じなのか、とにかくそれでも英国ロック史では音楽的にも重要な役割を担っていくことになったんだからこの後の復活劇は良かった出来事と見るべきだろうし、実際自分的にもその辺のダムドって好きだからね、良かったんだよ。んで、一方このアルバムをリリースした時のバンドの状態はあまりよろしくなかったようだ。そもそもプロデューサーにシド・バレットを要請したってさ、どうしんだよ、ってな話だけど、それ自体はダムドらしい。結果的にはニック・メイソンになってしまって、しかもその流れからロル・コックスヒルまで参加するという英国ロックの歴史でこんな融合を果たしたことはまずないだろうし、これからも多分無かろうと思う。パンクとプログレがくっついてんだぜ?

 それ自体は驚きだけど、中味は明らかにパンクが勝ってる(笑)。いや、プログレ的にパンクを処理しようとしても無理だからさ、結果的にパンクエッセンスが出ちゃうんだよ。それを制御なんて出来ないもん。最後の「You Know」くらいかな、ロル。コックスヒルのサックスが出てきてるからちょいと落ち着いたロック的に聞こえるのは。他はもう相変わらずのダムド節。全体的にレベルアップしてるってのもあるんだが、粒ぞろいになっちゃった感が強くて飛び抜けた曲が見当たらないのがちょいと残念。聴き込んでいくとなかなか練られてるしエッセンスはしっかりパンクそのものというのは分かるんだが、キャッチーさが足りなかったか。んでもさ、案外ギターが生々しくって良い音してるんだよね。ヘンに処理されてないからこれはこれで好きなサウンドです。


UB40 - Live

UB40 - Live
Live

 今の時代にどういうサウンドが流行っているのかってのは実はなかなか分かりにくい。特徴的なのがひとつふたつなら分かるのかもしれないけど、水面下では色々なことが同時進行で起きていて、後にそれがシーンの始まりだった、なんてこともあるから今って時代の水面下なんてのを知らないと分からない。それはもちろん昔も同じで、その時はシーンを作ってるなんて思ってなくて色々なことを組み合わせてやってただけだ、面白いからやってただけだ、みたいなもんかもしれない。ロックやポップスとレゲエの融合なんてのはそのひとつで、昔からそういうのはあったけど、もうちょっと本気で混ぜてったのが70年代後半からなのだろう。それが2トーンやスカって形で出てきていたんじゃないかと。

 UB40の1982年のアイルランドでのライブを収めたアルバム「Live」。既に何枚かアルバムをリリースした後のライブで相当に盛り上がっていたんだろうなぁってのは分かる雰囲気のライブ。それにしても随分リラックスした感じで良いな…、このリラックス感が気持ちよくて皆レゲエってのに走るんだろう。UB40の場合はロック側の人間から聴くと思い切り黒いレゲエしてないから聴きやすいし、その分間口が広がってるのが売りで、ポリスやクラッシュってのはもっとロックに近いから、UB40の方がレゲエに近い。それでもまだポップス領域にあるから随分馴染みやすいのはいいね。それにしてももうちょっと夏に近い時期にこの辺に入りたかった(笑)。

 時期的には表舞台ではThe Clashがアメリカ制覇中、The Policeも世界制覇中という時期、UB40はもちろんそこまでの舞台には立たなかったが、その分英国のリスナーの心を掴んでいたようだ。このライブアルバムではバンドが元来持っているスタイルそのままをさらけ出していて、ホーンセクションも含めてのフルライブで聴いて楽しむと言うよりはその場に参加して楽しんでいればというような思いが強く出てきてしまうようなアルバム。何だろね、これ、聴いてても気持ち良いけど参加してたかったな、っていう感じ。多分演奏も見たいんだろうし、ノッてもいたい、っつうのか…分からんね。ただ、ひたすらこれ流してるとトリップしてくるんだもん(笑)。


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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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