Noel Redding Band - Clonakity Cowboys

Noel Redding Band - Clonakity Cowboys (1975)
Clonakity Cowboys & Blowin'

 つくづく自分の知識ってのは甘いモンなんだと痛感する。色々と漁っていきながら常に新しい発見があるワケで、そんな事も知らなかったんだ、とか忘れてるだけなのかもしれないけど、ネット時代になって何でもググって調べられるってのがやっぱり大きいわ。書籍やライナーからとかだけで情報収集するよりも一瞬で怒涛のような情報の洪水が得られるワケだし、そりゃま、知らない事の方が多いことに気付かされるだろうよ。Thin Lizzyのエリック・ベルがジミヘンとこのノエル・レディングと一緒にバンド組んでアルバム数枚リリースしていたってのは知らなかった。ノエル・レディングがバンド組んで活動してたのは知ってたけど、そのギタリストがエリック・ベルだったとは…。

 1975年リリースの「Clonakity Cowboys」なんてのから聴いてみようじゃないか…、ってNoel Reddingって人は果たしてどういう音楽的才能と言うか趣味志向の持ち主だったんだろ?ってトコから始まるのだが、ジミヘンが凄すぎて、そこに無難に普通にハードに着いていけてるだけでそりゃ才能というかプレイヤーとしての資質は余りあるのだろうけど、作る側になったらどういうのが趣味なのか、どういう音楽性を求めているのかってのは分からないからさ。その意味もあって聴いてみると、まずはそのキャッチーさにびっくりする。基本ビートルズだったんだな、って気がするもんな。そこに今度はエリック・ベルが加わっているワケで、その意味合いは?ってなトコもあるんだが、きっちりと仕事こなしてます。どころかかなり良いギター弾いてるのもあって、割とエリック・ベルもこういうのやりたかったのかな、なんて気もする。

 いずれも有名なバンドでやっていながらも地味な存在でしか無かったという共通項目もあったのか、気が合ったのかもなぁと余計な妄想。ジミヘンのバックの人達の存在や個性なんて誰も気にしてなかったんだから本人からしたらそりゃ辛いだろう。ミッチ・ミッチェルは一緒にやってたのを嬉しく思っていたという単純さはあるが、ノエル・レディングは自分のやりたい事もあったんだろうから、ジミとは離れたってのもあるだろう。その結果は売れなかったにしても一応やり遂げているのかな、という事か。アルバム的には統一性もないし中途半端な印象が強いんで残りようもないと思うけど「After All」って曲、かなり哀愁漂っててエリック・ベルのギターも見事に冴えてる。





The Human Instinct - Stoned Guitar

The Human Instinct - Stoned Guitar (1970)
Stoned Guitar

 近年トリビュートバンドって存在が市場価値を高めている。昔は単なるフォロワーとかモノマネという意味合いでしかなかったものが、トリビュートという意味合いから尊敬の念に変わってきていて、それがここのトコロではオリジナルのバンドそのものがメンバー死去してたり再結成とか言ってやっててもロクロク往年のスタイルなんて出来ずにヒット曲集になってたりと、そのバンドそのものが持っていたパワーとかカッコよさとかステージでの振る舞いとかそういうのがないから…ってことでトリビュートバンドの存在意義が出てきている。彼らは基本的に夢の世界の再現だから70年代のバンドのライブの姿をそのまま見せてくれる。だからその次代にトリップできる、オリジナルのバンドの方はそんなことするハズないからここで楽しむ、みたいな市場が出てきている。ジミヘンやツェッペリンなんてのもそういう領域にあるしね。

 ニュージーランドのジミヘンと異名を取っていた、(らしい、だってそんなの知らないもんね)Billy TKというギタリストが参加していたバンド、The Human Instinctの1970年のアルバム「Stoned Guitar」。いや、見事なまでにジミヘンそのまんまをニュージーランドでやれたモノだ。生のライブとか見てた事あるのかな?ニュージーランドなんて行ってないんじゃないだろうか。だからBilly TKがどっか行って見てたか、だけどロックでこんだけギター弾くヤツが見に行けるカネあるようにも思えないし、フェスで共演ってのもピンとこないし、それでこんだけフォロワー出来てたらやっぱり凄いと思う。本質的に音楽の才能無きゃ出来ないだろうし、バンドとのグルーブも必要出し、そのヘンもきちんとジミヘンしてるからバンドみんなが感性を養っていったんだろう。見事なまでのジミヘンスタイルバンドです。

 ここまで来るとジミヘンというジャンルもありなんだろう。スペイシーなイントロや間奏があって、それもギターで音を作っていて、疾走感溢れるギタースタイル、更に微妙なカッティングも特徴的だし、また美しいソロプレイも聞かせる、歌は適当につぶやくスタイル、みたいなね、それで出来上がりってか。ただ、楽曲についてはパターンキメられないからセンスだろうね。どれ聴いてても似た雰囲気あるから相当血肉になっているんだろうが、ここは好きだったら出来るかも。いや〜、聴いててジミヘンじゃないの?ってくらいにはジミヘン。見事。




Velvert Turner Group - Velvert Turner Group

Velvert Turner Group - Velvert Turner Group (1972)
Velvert Turner Group

 そうそう先日Apple Store行ったらイベントセミナーやってるトコロで、ちょうどGarageband使って音楽簡単に作れます、みたいなのだったんだけど結構皆さん熱心に聞いてて使い方知りたがってるってのか、楽しんでるってのか、それでもかなり真面目に聞いてた感あるから凄いなぁと。こういうワークショップ型セミナーってこんなトコロでもやってて物凄く市場に敏感な対応と実験精神旺盛なのを間近で感じたね。そこでボーっと思ってたのはこんだけ音楽作りたい人達がたくさんいるのに出てくる音楽が格安で提供されたり売れなかったり、魅力的じゃない市場になってるのは何故だ?それとも皆が出来る事だから商品にならないレベルにまで上がってしまっているのか、何ともシュールな話だな…と。ある種カメラと写真みたいなモンではあるか。

 ジミヘンから直々にギターを教わった事のあるギタリスト、ってのを売りにした見事なフォロワーでもあるVelvet Turner Groupの唯一作「Velvert Turner Group」、1972年リリース。簡単に書けばジミヘンそのもの。歌もギターも見事なまでにそのもの。雰囲気やゆるさや歌い方も宇宙観も曲もそのまま。だから発展していかないジミヘンを聴きたければこのヴェルヴェット・ターナーは最高だ。初期ジミヘンそのままを味わえる。ここまでジミヘン出来るもんかね?ってくらいの作風に驚くばかり。2曲目の「Talkin' Bout My Baby」なんてそのものだし、アルバム全編がギターなんてのは見事にそのまま。どういう経緯で出てきたのか分からないけど、当時のジミとは友人だったことで目の前で色々見てたりしたんだろうなぁ、そういう衝撃を生で、しかもステージじゃないトコロでも見ていたってのは影響度が大きいのは当たり前だろうか。ここでミッチ・ミッチェルあたりと一緒に組んでてくれたらスゲェ面白くなっただろうに…、当然リバイバル的な意味でしかないが。

 アルバムジャケットだけ見てるとサミュエル・L・ジャクソンなんだが、これ、ヴェルヴェット・ターナー本人なんだろうな。この威風堂々感もジミヘン的でコレ見てアルバム聴いてるとホント、面白い。普通に楽しめるレベルの作品でもあるし、ジミヘンでもあるし、楽しめます。もうちょっと話題を取っても良い人だったんじゃないだろうか。ロビン・トロワーとかランディ・ハンセンとかウリ・ロートとかよりももっとジミヘンに近いもん。




Billy Cox Nitro Function - Billy Cox Nitro Function

Billy Cox Nitro Function - Billy Cox Nitro Function (1970)
BILLY COX'S NITRO FUNCTION POST HENDRIX REMASTERS

 iPhoneがシーンに登場した時のインパクトとイノベーション、そう昔の話じゃないけど楽しい時期だった。iPodから息を吹き返してiPhoneで世界の頂点に君臨したという感じがね、どこか近未来を見せてくれているというのも魅力的だし。さすがに10年も経過するとiPhoneやスマホみたいなのが当たり前になって社会への害悪みたいなのが目立ってきたりもして新製品リリースってもさほど変化も伴わないから以前ほどの熱気は見られない。何でもそうなんだけど成熟しつつあるとそこからどうするか、だよね。Appleが強いのはデザインという高級感があるから消費合戦にならなくても良いのだろうけど、それでもその分機能面や驚きが期待されるからそれはそれで大変だろうし。これからもこのスマホ的なものが固定的になっていくだけだろうか、もっと発展してどうにかなるのだろうか?ちょっとイメージ沸かないから期待はしているんだけどね。

 ジミヘンのBand of Gypsys時代のベーシスト、Billy Coxがジミヘン亡き後に組んだバンドのひとつにNitoro Functionってのがあってですね、同年に「Billy Cox Nitro Function」ってアルバムを一枚リリースしています。見た目がロジャー・ディーンだから結構目を引くアルバムなんだけど、これまで聞く機会は無かったんだよなぁ。何でだろ?ジミヘンから入っても、英国B級好きからしてもジャケットアートからしても入る間口はあったと思うのだが巡り合わなかった。ようやくにしてこういう時代で出会ったのはありがたい事で、またこの辺のごった煮英国ロックの世界に突っ込んでしまったが、まだまだあるんだよねぇ、こういうのは。だから面白い。うん、しかもメジャーに名前が通ったビリー・コックスがコレですよ。聴いてみるとそのネームバリューとのギャップに驚くんじゃないだろうか。ある種ジンジャー・ベイカーなんかもそうだけど、そんなんと組んでこんな音やるの?みたいなのあるじゃない。ビリー・コックスのこれも同じような印象を持つ。

 ギターとボーカルにChar Vinnedgeっていう女性を仕立てているんで、ジミヘンの替わりですね。ドラムと3ピースでのバンドだからモロにそのヘン真似です。んでドラムがおとなしいからビリー・コックスのベースラインがかっちりとグルーブしているのが良く分かる。しかしバックとも全然合ってないし、バンドの音になっていないってトコですがな。ところがこのB級性をきちんと保っているのがCharという女性の歌とサイケデリックなギタースタイル。この時代でこんだけサイケな女性ギタリストってのも珍しいし、しっかりと一聴に値するギターを弾いてくれているんで気になる。所々でジミヘンのフレーズ浸かったりストーンズもあったりするし、そもそも「You Really Got Me」やってるし…、これがまたカッコよいんだが、とにかく70年にしてはサイケすぎる嫌いのあるスタイルでビリー・コックスも色々大変なんだなぁなんて思ってしまうが、バンドの方向性としては面白いバンド。もうちょっとリハしてからにしてくれ、ってのが一番か。

Jimi Hendrix - South Saturn Delta

Jimi Hendrix - South Saturn Delta (1997)
South Saturn Delta

 先日アップルストアへ初めて行ったんだが、色々と衝撃的な場所だった。店構えも当然ながらレジカウンターも無きゃレジも無い、即ち店員がどこにいるか分からない。いや、よく見ればアップルTシャツだから分かるんだけどぱっと見ると全然分からない。それでいて当然商品は美しく並んでいるんでスタイリッシュな店内なのだが、曲があのアップルのCM通りに客も店員も多国籍な人種がウロウロしてる。自分はどこに紛れ込んだのだろうか?と不思議な錯覚を起こす。そして店員とのやり取りでのiPadとiPhoneを駆使したサポート体制、WifiでもBluetoothでもなくAppleIDだけで全て同期できちゃう不思議。自社製品での統一だからこういうのが出来ちゃうんだろうなぁ、コレ、夢の世界だったろうなぁ、ジョブスさんよ。この先端技術を目の当たりにしてしまうと、まだまだ一般に使われてきているインフラなんてのは時代遅れで発展できるものなんだ、いや、最先端を取り入れちゃうとこんなんなんだ、自分のスキルを遥かに凌駕する世界観に心打たれたね。

 Jimi Hendrixの48年目くらいの命日らしいが、せっかくなので何か書いておこうかな、ってことで自分のリスト見ると結構な数の記事が書かれている。ただ、ジミヘンのアルバムも編集盤含めれば相当な数がリリースされているから、いくらあっても書く題材はあるんだろうなと探し始めてみて、「South Saturn Delta」にした。オリジナルリリースは1997年だったんだな…、ジミヘン財団が出来てアレコレリリースし始めた初期の頃だった気がする。それで、この「South Saturn Delta」ってタイトル、どころか未発表曲が何だろ?ってのが一番の売りでそれまでは一応リリースされた事がなかったんじゃないかな。もっともどこかのセッション集なんかに入っているレベルだと分からないけど、多分ここで初リリースだろう、だからこそのアルバムタイトルなんだろうし。それにしても音源管理する方もこのデータベース管理って大変だろうなぁ。今はPCあるから良いけどさ、それでも録音ソースを日付と曲とセッション数で並べて、それぞれがどの編集盤に収録されてる、とか記録しておかないとこれが本当の未発表だ、なんて言い切れないだろうし。そういうの面白そうだけど。

 てなことでこの「South Saturn Delta」はスタジオ未発表・未編集作品の寄せ集めというコンセプトで作られている。既発曲でも「Littel Angel」みたいにまるで異なるデモソースレベルまで入っているから、どこまで曲という概念に沿っているかってのはあるんだが、ジミヘンがバンドでやってるのは確かなので、それらを曲という単位で聴けるものにして出したんだろうね。曲そのものは未編集のままとは思うが。だからインパクトのあるアルバム、というニュアンスはなくて珍しいのが聴けるよ、という資料的価値の高い編集盤に仕上がってる。その意味での価値はそりゃ高かったんじゃないかな。自分的にはジャケット見て、こういうジミヘンってのもなかなか見ないし、珍しいから中身もそうなのかな…って手に取ってた記憶がある。聴いてると知ってるようで知らない曲みたいな感じで不思議なんだけど、そのジミヘンのプレイがやっぱ凄い。単純にプレイを味わうという意味でもどんだけギター弾けるじゃい、この人ってのは十分に分かる。いや、聴いてたらどんどんハマってきた(笑)。

Jimi Hendrix - Both Sides Of The Sky

Jimi Hendrix - Both Sides Of The Sky (2018)
BOTH SIDES OF THE SKY

 アングラ音源があまりにも数多く出過ぎててオフィシャル側が自分たちがリリースする音源に苦労するというミュージシャンもいたりするのは良いことなのかどうか…、ってのはあるんだがジミヘンなんかも没後に無茶苦茶なリリース状況になっていって、オフィシャルだろってのも実はアングラリリースだったり、権利関係が複雑になってて玉石混交状態でリリースされまくってた。それもまた面白く集めてたものだが、90年代頃からは遺族が中心になって音源の権利関係を整理してって、そこに馴染みのエディ・クライマーとかも巻き込んでジミヘンコレクションを整理しつつ市場を見ながら着々と残された音源をリリースしていってくれている。おかげでリスナー側も安心して集めていける状況にはなったんだが、それでも色々な纏め方があって、そう来たか、みたいなリリースもあったりしてまだまだ混乱は収まらずにリリースされ続けている状況。

 世の中がiPhoneとかSNS中心になってしまった事でWebでのブログや普通のネットの情報蓄積が薄れてきて、近年、特にココ10年くらいの例えばジミヘンのリリースされた音源が曲単位でどのアルバムにどのソースが入っているのか、みたいなマニアックなサイトが更新されることもなく、放置されてしまっていることから今の状況を知る事が簡単にはできなくなっている。結局は好きな人が自分なりに情報を整理してまとめてコツコツと続けていくしかなくて、本来のマニアックな楽しみ方に戻りつつあるのかもしれないな。海外サイトまで漁ればあるとは思うけど、例えば今回未発表って言ってる音源って、オフィシャルのあのヘンのアルバム(編集盤)に入ってるけど、録音日が違うとか、アングラ音源まで含めて出回っているソースだとこうだああだ、ってのも含めて情報としては整理したいじゃない?ん?そんなこと思わないって?ま、そうかもな…。

 Jimi Hendrixの個人的にはかなり快心の編集盤だと感じた一枚「Both Sides Of The Sky」がリリースされた。未発表バージョンの感動ってのもあるけど、音が良い。ここまで音良く復元出来てジミヘンのギターも迫力満点に再現出来ているんだから素晴らしい。今時の録音っても通じるんじゃないか、ってとまでは言わないけどさすがのサウンド。作り上げたメンツにエディ・クライマーがいたからこその音なのか、凄いなぁって感動。そこに来て初っ端からしてあまり耳にした事のないスタジオ録音の楽曲が続く。この編集盤の売りは全部スタジオ録音ソースってところで、それもセッションレベルじゃなくってきちんと楽曲の体を成している、即ち普通にスタジオ録音アルバムとして位置付けられるソースばかりということで、なるほどオリジナルアルバムとしての色が強く、これまでの「ピープル、ヘル・アンド・エンジェルス」とか「VALLEYS OF NEPTUNE」の続編、言い換えれば3枚目の没後オリジナルアルバムみたいなもんだ。ほとんどBand of Gypsysの演奏中心だしね。そこへ来てスティーブン・スティルスやジョニー・ウィンターとのジョイント、ちょいと知名度落ちるけどロニー・ヤングブラッドも一緒にやってるね。んで、もちろん目玉にもなってる「Here My Train a Comin'」はExperienceの二人が参加しての録音という、50年経ってもまだこんだけのアルバムがリリース出来るのかって驚きの方が大きいが、実に素晴らしいアルバムが届けられた。普通に作品としても多様なアプローチの音楽が詰め込まれていてゲスト陣も豊富で、良いアルバム、アメリカの情景を思い起こさせるサウンドが聞こえてくる名盤だ。






Jeff Beck - Live At The Hollywood Bowl

Jeff Beck - Live At The Hollywood Bowl
LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL [2CD+BLU-RAY]

 一体何歳までロックをやり続けるんだ?ってくらいにジジイロッカー達の活躍が止まらない。しばし姿を見せないことはあってもふとしたことで大きなイベントやライブを行ったりして、健在さを見せつけてくる。もっともそのライブの観客の方も随分な年齢の方々が多いのでお互いそういうペースくらいが良いのだろう。それにつけてもどうしたってノスタルジックな演奏会になってしまうムードは否めないが、新しい取り組みを持って挑んでいる今でも現役なミュージシャン、即ちレトロに縛られない発展途上系のミュージシャンやバンドってのもあるのが凄い。中でもジェフ・ベックのアグレッシブさは90年代終盤から一気に駆け上がってきて20年、そのままライブとアルバム、DVDリリースなどと枚挙に暇がない。

 Jeff Beckの「Live At The Hollywood Bowl」の映像がリリースされた。ゲスト陣も爺さんばかりだけど、ビリー・ギボンズ、バディ・ガイ、ステイーブン・タイラー、ヤン・ハマーの参加などなど、更には女性ボーカルも迎えベースはロンダ・スミス、なるほど。一応アルバム「」のお披露目ってのがメインだからその辺から始まるけど、歌ってるお姫様と観客の年齢差がありすぎてどうにも拍子抜けと言うか調子っぱずれと言うか…、そんなのはあるけど、久々にこんだけブルースやロックレベルのプレイをするベックを見たかも。もっとテクニカルフュージョンロック的なのが多かったし、ゲスト陣とやる時くらいしかスタンダードなのはやってるの見ることもなかったし、それにしては勿体無いバンドの面々だなと思いつつもやっぱりカッコ良い。どこにも属さないジェフ・ベックというギタージャンル、どんだけビリー・ギボンズやバディ・ガイが弾こうがその斜め上を行ってるベックのプレイ、そりゃもう流石ですわ…ってな具合。スティーブン・タイラーが歌った「Train Kept A Rollin'」や「Shapes of Things」なんかはやっぱりロックスターなんだなぁ…、一気にステージの主役に躍り出てしまうし、ベックももり立てるし、二人が近寄ってジャムってる姿はやっぱりカッコ良いしサマになってる。ジジイと言うのが無いんだよね、そこには。ロックスターが二人、って感じで貫禄と圧巻のセッションだった。スティーブン・タイラーからしても憧れのベックとのプレイだけど、当然そんなのは場馴れしてるから見せることも臆することもなく、ただただカッコ良いステージを見せてくれた。バディ・ガイはなぁ、ワンパターンだけど迫力は凄いね。ビリー・ギボンズも然りだけど、こっちのがまだバンドに馴染んでいるか(笑)。

 んでもってプリンス追悼ってのもあっての「Purple Rain」を歌うのがBEth Hartって実力派の女性ボーカル。歌メロの崩し方がハンパないが、さすがの歌声。期待してたのはベックのギターソロなんだけど、そこまで気合い入れて弾いてはいないからサワリ程度のプレイでちょいと残念。プリンスってホント、ミュージシャンから慕われていたミュージシャンだったんだな、と。天才は天才を知るってところか。御大71歳、それこのプレイ、バディ・ガイなんても75歳くらいなんじゃないか?一体どうなってるんだロックってのは。いやいや、終わってるのは間違いないが、随分楽しませてくれるものだ。そんな余計な事を思いながらじっくりと見てこのパフォーマンスを楽しめたライブ。素晴らしい。






Jimi Hendrix - Machine Gun

Jimi Hendrix - Machine Gun
MACHINE GUN JIMI HENDR

 つくづくと、ジミヘンの存在感の独特さを実感する。ジミヘンが出てきてから50年、今でもそういう輩は出てこないし今でも生きてるかのように普通に名前が出て来る人だし、ジミヘンという黒人が奏でたロックスタイルは今の黒人からも出てこないし、白人が一生懸命アプローチしてはいるけど、それはそれという感じだしね、やっぱり偉大なロックギタリストだったのだ。ウチのブログでも結構な数が書かれているし、アルバムやライブ盤だって常に何かしらリリースされてるし、まぁ、どんどんと出してくれるとありがたいけどね。

 Jimi Hendrixの「Machine Gun」というライブアルバムが2016年にリリースされている。内容は1969年12月31日〜1月1日にそれぞれ昼夜2公演づつ行われたライブショウの中から12月31日の最初のショウを丸ごと収録したライブアルバムで、これまでアチコチでリリースされてたりしたものとは被らない曲が8曲、即ち8曲の未発表ライブ盤を含めたBand of Gypsys時代のライブアルバムってことだ。もちろんメンバーはビリー・コックスとバディ・マイルス、しかもやってる曲は初期のエクスペリアンス時代の曲はまるで無しという有様。明らかに新しい取り組みにチャレンジするぜ、的な意思が見える曲を揃えていて、それを見せるためにもこのお披露目的ライブの最初では新曲ばかりを披露しているということだ。この時リアリタイムでジミヘンを追ってた人はどう思ったんだろうか?知らない曲ばかりでメンバーも変わってるからイマイチだなぁ…、大人になったジミヘンなんて面白味に欠けるんじゃないか、なんて感じだったのだろうか。ライブで見てればそんなこと感じない迫力だったんだろうとは思うが。

 自分もねBand of Gypsysの時代って割と苦手で、それでも70年途中からはライブだとドラムがミッチ・ミッチェルになるから良かったんだけど、モロにバディ・マイルスとビリー・コックスだとどうにもバックが普通で迫力に欠けたんだよ。今でもそれは思う。ただ、バックが普通の方がジミが弾きやすかったのかもな、ってのはあったのかも。爆発的なロックから意味深な宇宙サウンドへ進化していったジミヘンのスタイルをきちんと音楽として打ち出すにはこういうバックの方が良かったというのかな、安定したリズムとタイトなスタイルってギター弾く時って凄く安心するもん。それとバディ・マイルスって歌も歌うからジミヘンもラク出来たのかもしれん。単なるギタリストやってる時のジミヘンって行き来してただろうしという想像もある。

 そんな事を思いつつ聴いているんだが、何だよこれ、とんでもなく良いライブじゃないか。アルバムで聴いてた時はどうにも、って感じだったけどなんで未発表にしてたんだ?って思うくらい丁寧に弾いててバンドとしても安定してるし、ジミヘンもしっかり弾いてて迫力もあるし、かなり良いライブ。昔の曲だと弾きまくりで走りまくるスタイルだったけど、ちょっと進化した感じの曲ばかりだから勢いに任せたプレイにならずに済んでいるのかもしれないね。面白い。中でもアルバムタイトルにもなってる「Machine Gun」のベトナム戦争の銃弾の音をイメージしたイントロから激しく撃ちまくるかのような宙を舞うプレイに至るまで、思うトコロが大きかったのか、雰囲気にしろ演奏にしろ正に真骨頂と言うべき瞬間が訪れている。毎日聴いてたら疲れるけど、たまにジミヘンのライブを聴いているとやっぱりその凄さに感動しちゃう。





Jeff Beck - Who Else

Jeff Beck - Who Else (1999)
Who Else

 調べる、突き詰める、調査する、発見する、謎が解ける、新たな世界が広がる、みたいなステップを積んでいくことが楽しいと知っている人と、いつしかそういうのを忘れてしまっている人ってのがいる。後者に出会うと、なんでまたそんな?面白いこと沢山あるし時間の限り楽しめることも沢山あるから勿体無い、って思うけど、そうじゃないんだろうな。考える事、探求していくことを面倒だと思っちゃったりしたんだろうと、何かのどこかの時点で、もしくは長い時間かかって忘れ去ってしまったりして新たなことに進めない、とか。結局は人間その人の思想や考えによるお話だもんな。

 そういうのとは無縁な人生をひたすら歩んでいるとしか思えない脅威の超人ギタリスト、ジェフ・ベック。改めてスゲェなぁ、ホントに、って思ったのが今聴いている「Who Else」。1999年の作品なので70年代最高峰のギタリストという看板で売っていたワケじゃない。それどころか同時代のハイテクギタリスト達と並んでもまるで引けを取らないどころかそれでも最先端の先を行っていたワケで、やっぱり圧倒的に神様的存在。一体どこの誰がこんなサウンドとギタープレイを思いつく?思い付いたとしてもそれがここまでの融合体で出来ただろうか?デジタルビートとテクノビートとベックのギターの融合だ。超絶ハイテクじゃないと出来得なかっただろうけど、その発想を実現してしまったジェフ・ベックの才覚とセンスが恐ろしいほどに弾け出ている作品のひとつ。ブルースのリズムでギターを弾くなんてのは超越しているワケで、ホントに新しくて刺激的な世界で自分を進めていって楽しんでいる、楽しんでギターを弾いて皆を驚かせて楽しませる、しかもその刺激が世代を超えて時代を超えても楽しめるという味わい深さ。ここが違う所だ。上手いギタリスト達のソロ作品でもそういう類のものは割とあるけど、やっぱりここまで輝いていない。その深さがキャリアになるのだろうか、凄い。

 何も最先端の先しかやってないワケじゃない、しっかりとベックのギターを聴かせてくれるスロウなチューンもあったりするししっかりとギターという楽器の面白さを生々しく伝えてくれるのもある。ライブ録音された曲なんかはもう目の前でベックがギターを熱く弾いてくれてるかのような錯覚を覚える程のプレイそのものだ。こういう熱いのを聴き続けたいんだよ。だからギターってかっこいいし魂の伝わりやすい楽器だし、最高に痺れる。それがベックのプレイだから余計に、か。そういうのを多彩に楽しめる作品だし、衝撃と驚きと感動を教えてくれる傑作アルバムであることは間違いない。リリースされた当時はこういう方向に進んだのか〜、ダメだな〜、苦手だ…なんて思ってたけど、自分が未熟すぎただけだ。こういうの、わからなきゃダメだろ(笑)。



Hummingbird - Hummingbird

Hummingbird - Hummingbird (1975)
ハミングバード(紙ジャケット仕様)

 やっぱりさ、こういうの漁ってて一番おもしろいのが英国ロックなんだよ。他の国のでこういう追いかけ方ってしないからわかんないけど、多分出来ないんじゃないかな…、ってのは、一人のミュージシャンからの派生がどんどんと繋がっていくってこと。他の国のでももちろんどっかで繋がっていくんだろうけど、英国の70年代のはホント、面白いくらいにあっちこっちで繋がっててね、それがロックという基盤を作ってたみたいな感じでね、楽しいんです。

 それで今回はまたしてもボブ・テンチがベック・グループ解体後にそこのメンバーを中心にして組んだバンド、Hummingbirdの1975年リリースのファーストアルバム「Hummingbird」です。冒頭からモロに今想像できるベックのサウンドそのまま。あれ?いや、そうじゃなくてこのHummingbirdにベックはいないんだからそんなハズないんだけどなぁ…、でも聴いてるとそんな感じ(笑)。ボブ・テンチの歌声もここでの方が抜けきってる…やっぱベックの曲だと歌が生きないのかもね。元々実力ある人だからこういう風に伸び伸びと歌っていけば力量発揮できたんだろうけど、なんかそこまで出せてなかった気がするな。だからここでのボブ・テンチの歌はGass時代のように見事な歌いっぷり。そしてこのサウンド、クロスオーヴァーなサウンドってのかな、自分的には得意じゃないサウンドだけど、この頃出てきた音だよね。

 んで調べてみればBernie Hollandってギタリストが良いギター弾いててさ、ん?ん??って感じで…、そっか、ニュークリアスやパトゥーに参加、Judy GrindやLove Affairにも参加ってさ、正に英国B級まで入り込んでた人ってことですか、なるほど、それでいてこのギターサウンドをここで出し切っているってのは実力の出し惜しみすることなく才能発揮の場所ってとこだ。ニュークリアスやってたらこれくらいチョロいわな。しかしマックス・ミドルトンの鍵盤ってのがこんなにも個性的だとは…、だからベックの音みたいに聴こえてしまったのだろうけど、リズム隊も含めてどっぷりと楽しめるサウンド、ちょいと洗練されすぎてるかな。フュージョンに近いもんな…。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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