Caravan - If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over

Caravan - If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over (1970)
If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over

 誰でもそうなんだろうけど、自身の音楽の好みとか食べ物だってそうかもしれないけど、好みって定義できないよね?こういう系統が好きとかキライとかあるんだけど、それでも例外みたいなのはあるし、メタルは聴かないけどベビメタは好き、とかさ(笑)、プログレはダメだけどフロイドは好き、とか。第三者からシたらCamelもCaravanも似たようなモンだろ、って言われるのは承知の上で、Camelは苦手だけどCaravanは大好きな自分です…、ってことでついでながらこっちも聴いておこう♪

 Caravanの1970年のDeccaにレーベルを移しての一作目となる「If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over」、バンドとしては2枚目の作品なワケで、最初のが全然売ってもらえなくてレーベルを変えたという経緯もあることから、こちらをバンドとしての一作目と言う言い方もあるようだけど、どっちでもいいや、ここからCaravanらしい音が始まるのは確かで、冒頭からもっさり感はあるものの、正にCaravanと言わんばかりのサウンドがアルバム最後まで繰り広げられます。歌声にベースライン、ギターにオルガン、フルートなんかの使い方、聴きやすいメロディーの旋律にフワフワする心地良さ、どうしてこういう音が出来上がるのか、どうしてカンタベリー一派ってのはこうなるのか、そんなことが一番感じられるバンドがCaravanだし、だからカンタベリーは好きだな、って言ってしまえるバンド。実際他のカンタベリー系統を聴いていてもここまでピンと来るバンドはそうそう多くはない。

 この後のアルバム郡の方が有名だし、確かに名作名盤多しなんだけど、この「If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over」は確実に今後のCaravanの原点となる楽曲をたくさん入れてあって、正に名刺代わりの一枚で存分に楽しめる。どこか切ないこの歌メロに歌声、そして無駄のない自然な楽器の音使い、決してテクニカルではないけど牧歌的な風景を目の前に映し出してくれる、そんなバンド、アルバムとして好きな作品です。



Henry Lowther Band - Child Song

Henry Lowther Band - Child Song (1970)
CHILD SONG

 70年代英国ジャズロックの世界は普通にジャズの要素を用いてきたものとフリージャズの世界の原点的なアプローチ、はたまたフュージョンへの布石だったりポップフリージャズとも言えるカンタベリーの世界など多岐にわたる展開を見せていた。それぞれひとつのムーブメントになったワケでもないけど、そういう実験精神から生まれて商売になっていったものもあるし、ニッチな世界を広げていった例もある。自分的にはこの辺何でも聞いたけど、電子ピアノとトランペットやバイオリンなどの不思議な音色で彩られる作品は浮遊感漂ってて好きな部類だ。

 Henry Lowther Bandの1970年にリリースした「Child Song」ってのは随分後になってから聴いたので一時期ハマってたカンタベリーに近いその音色にはちょいと興奮したものだ。してみればその筋では知られたトランペットとバイオリン奏者ってことでロック色よりもジャズ色が強い人だったらしいけど、「Child Song」を聴いているとカンタベリーな世界だ。電子ピアノがねぇ、いいんだよ、ホント。んでも、確かに歌は少ないし演奏ばかり聴かせているアルバムだからジャズ色強いんだよな。こういうのって聴いててハマれるかどうか、ってだけで、曲が良いとかどうのってのはきちんと言い切れない気がする。こういうジャズへのアプローチもあるロックの世界なんだな、っていう程度で聴いてみるきっかけになれば良いよね。

 美しい。ひとことで言うと上品で格調高く洗練された音がアルバム全編に渡って展開されている。粗野で無益な音はまるで皆無、ひとつの芸術作品として作り上げてる事が一目瞭然と分かるくらいに整った作品。それが故にロック的スタンスだと面白みはないけど、音楽的芸術の極みで言えばトップクラスの出来なことは言うまでもない。ず〜っと電子ピアノにヤラれっぱなしです(笑)。



Henry Cow - In Praise of Learning

Henry Cow - In Praise of Learning (1976)
イン・プレイズ・オヴ・ラーニング

 いい歳になってからレコード漁りにハマっているヤツがいて、たまに顔を合わせるといつも「また買っちゃったよ〜」と嬉しそうにそして辛そうに言ってくるんだよ(笑)。何買ったんだ?とかそれどうだったの?とか会話はあるんだけど、やっぱり嬉しそうなんだよねぇ、好きなことに邁進している時ってさ。ささやかな楽しみだし、それで若い頃を思い出してそのままに楽しむとかね、今だったら割と色々手に入るし。ところが今でもレコードを探して買うワケ。見つければそりゃ安いんだろうけど、この時代でちゃんとレコード、オリジナル盤とかで買うワケよ。凄いコレクターだな〜って思うけど多分そういうジジイ、多いんじゃないかと(笑)。

 1976年作品の靴下作三枚目、ヘンリー・カウの「In Praise of Learning」。一言で言えばとっても怖いアルバム。何が怖いってジャケットの不気味な血の色もそうだけど、ダグマー・クラウゼが参加したことで戸川純のもっと怖いのが歌っているという不気味さ。ただでさえ不気味なインストものを中心として前衛的バンドだったのが普通に歌が加わるならともかく不気味なセンスの持ち主がスラップ・ハッピーとの合体で参加してきたもんだからより一層不気味になってきた。これ、言葉で説明しきれないけど、相当に不気味。でも、歌メロは割と聞きやすかったりするんで、どういう事なのかなと思う部分はあるのだが…。スラップ・ハッピーのは歌がキッチュでとっても聞きやすかったんだけど、こっちはもう行き過ぎてる世界とも言えるか。昔結構好きで聴いてたけど、今聴くとヘヴィだなぁ、これ。プログレとかカンタベリーとか言うよりも演劇世界に近い。チェンバー・ロックってのももう超えてるし、その辺とケイト・ブッシュが合わさったようなサウンドでとってもリスナーを選ぶのは間違いない。

 バンドの演奏も実に緊張感に溢れていて即興もあるだろうし、決め事ももちろんあるだろうけど、研ぎ澄まされたセンスと音世界の中でお互いの出処見ながらアンサンブルを創り上げているような感覚。そこにこの歌だ。よく歌えたものだ、って部分もあるけど、この緊張感とか緊迫感とかは何かしながら聴くなんてのは無理で、集中してコイツを聴く…ってか聴いちゃう。そうじゃないと全然わかんないでしょ、これ。




Phil Manzanera - Diamond Head

Phil Manzanera - Diamond Head (1975)
ダイアモンド・ヘッド (SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様)

 昔レコードを一生懸命探しまわってはコレクトして聴いてた頃ってもちろん様々な理由で手に入れられなかったモノもお会ったし逆にどこでも見かけるようなレコードもあったりして、結構勘違いしてたこと多かった。どこでも見るようなレコードは今買わなくてもいいだろうから後回し、きっとつまらないから皆中古で売るんだろう、って思ってたしさ(笑)。だからほとんど見かけることのないのを見つけて喜んで買ってくるって方が多かった。後はまるで見かけないとか高くて到底買えないとかそういうのもあったけど、後者はやっぱり記憶に残ってるなぁ…。そんな中で割とどこでも見かけてたのとジャケットが全然好みじゃなかったのがあって買うのが全然遅くなっていたアルバムの一つがこれ。

 フィル・マンザネラの「Diamond Head」、1975年作品で、先のロバート・ワイアットの「Ruth Is Stranger Than」とはほぼ兄弟的なアルバムとも言えるか。参加メンバーも結構被ってるし、主役の違いはあるけど音楽性も結構近しい…そりゃそうか、といつもこの手のを聴いて思うのはイーノの存在感だったりするのだが…、それはそれとしてこの「Diamond Head」、ジャケットがホントにそそらなくて、絶対つまんないに違いないって偏見と、どこでも見かけたからより一層つまらないんだろうと思ってたワケです。カンタベリー一派の作品としてよく出てきたからまたこれか、って思ってたけどね。そのウチ流石にそろそろ聴くか、なんて偉そうに思って聴いたんだけどね、冒頭のロバート・ワイアットの歌からしてかなりインパクトあって、もっと早く聴いておけば良かったと思ったものだ。

 先のロバート・ワイアットの「Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard」にも「Tean Spirit」って曲があって、それのスペイン語バージョンがこのアルバムの「Frontera」になるんだけど、どうも歌詞は全然違うらしい。それにしても冒頭からこの声で歌モノで一体誰のアルバムなんだ?ってなモンだけど当時はそんなことも気にならなかっただろう。アルバム聴いて、クレジット見て、これってロバート・ワイアットかな、とか空想をふくらませるのが楽しかっただろうし。更にイーノも歌ってるからどんなモンやら…、フィル・マンザネラはこういう音楽がやりたかったんだろうか?と疑問に思うのだが、多分その時身近いた仲間と作ってたからひとつのプロジェクトみたいな感じだったんかもな。主役がギターだからもうちょっとギター的なのかという期待はあったんだけど、そんなに出て来ない。






Robert Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard

Robert Wyatt - Ruth is Stranger Than Richard (1975)
ラス・イズ・ストレンジャー・ザン・リチャード

 ユルユルなケビン・エアーズの歌に対して内省的でしっとりと心に染み入る曲を歌うロバート・ワイアットの世界観は方法論も音楽も違うけど、とっても親しいモノを感じる。何だろな、これは…、そこがカンタベリーなトコロなのかもしれないけど、やはり同じ釜の飯を食ってた仲間というトコロ故なのかな。気分的に楽観的に聴くならケビン・エアーズだけどしっとりと聴いてみようとするとやっぱりロバート・ワイアットだし、それはもうマッチング・モウルやソフツの世界でも一際浮いている世界観、今更なお話か。

 ロバート・ワイアットの半身不随な事故から2枚目となったソロアルバム「Ruth is Stranger Than Richard」はアナログ時代のA面とB面でテーマをワケてのスタイルで録音されたアルバムで、曲によってはイーノの影響がとっても強いものもあって決して一言で聴きやすいアルバムとは言えないけど、深みのある、そしてロバート・ワイアットらしい哀愁のある作風になっててその世界好きには堪らなく魅惑的な作品に仕上がっている。この人のこの愛おしい感じの歌声とメロディラインってやっぱり才能だよ。そこにジャズ紛いなバックがついてくるのも見事で、そりゃもうフレッド・フリスやビル・マコーミックがいたりするのもあるだろうし、曲はブライアン・ホッパーやマンザネラが提供してたりするし何か凄い世界。それが皆友人なんだから面白いよなぁ。

 そして楽しみなB面、これがまたロバート・ワイアットの世界全開で正にプログレッシブな世界、フレッド・フリスのピアノでしっとり進めていく独自世界でねぇ…、なんとも言えない感じ。ジャズじゃないしロックじゃないしもちろんポップスでもないし、やっぱりカンタベリーポップなんだろうな、これ。この感覚久しぶりなのでやっぱりちょっと衝撃を受けた。聴いてるとだんだんそうだったなって思い起こしてきたけど、こういう風にまた衝撃を感じられるのはいいな。面白いし、やっぱりその意味ではロック的な音なんだな。






Kevin Ayers - Yes We Have No Mananas

Kevin Ayers - Yes We Have No Mananas (1976)
きょうはマニャーナで+9(SHM-CD/紙ジャケット)

 前は毎日飲んでても毎日かったるいなぁ〜って程度で適当に生きていられたんだけど、最近連チャンで飲みに行くとそれなりに疲れたりモタれたりしてて、やっぱり年齢を重ねると体力なくなるんだろうななんてのを実感しつつある。まぁ、今じゃ徹夜で遊ぶのもしないし騒ぎまくった一晩ってのもあまりないし、そりゃそういうのもあるけど長時間持たないんでどっかで降りちゃってるもんね。まぁ、それでも騒いでる方かなぁ…、ダメだ、やっぱりくつろぎながらロック聴いてる方が健康的だ。ロックが健康的って…、ね。

 こないだちょいと気になったギターのロジャー・サンダースって人、どうなんだろ?って漁っちゃってね、Medicine Headでサポートギター弾いてたりとかアコースティクなソロアルバムあったりとかなかなか楽しめたんだけど、意外なトコロでKevin Ayersの1976年の作品「Yes We Have No Mananas 」にギターで名前がクレジットされてる。でもメインのギターは当然ながらオリー・ハルソールなワケだからリードギター以外の職人技なギターを弾いているのだろうか。どうなんだろ?って興味津々に聴いてた。要所要所でのオリー・ハルソールのギターがいちいち心に染みるんで、バックのギターの技なんてのは全然気にならないんだけど、多分ホントに職人芸的に弾いてるギターなんだろうな。英国ロックはこうして全部つながっていくのが面白くてね、それだけで色々な音楽が聴けるんです。

 ケビン・エアーズを今更どういう人って言う事もないんだけど、やっぱりこの頃とかは本気でユルくて良い。ロックバリバリだぜ、って時にはこういうの聴けないし、プログレだぜ、って時も聴けないけど何気なく聴いてみればとっても取っ付きやすいアルバムだし歌声だし楽曲。でもやっぱりどっかヘン。フワフワしてるのに何かポップスとは違うんだな。歌詞が分かったらもっとそういうの実感するかもしれないね。かと言ってロック畑な人?って思っちゃうくらいの曲や歌でもあるけど、メンツ見ればそういう筋って分かるでしょ。トニー・ニューマンがドラム叩いてたりさ、まぁ、カンタベリー派はほとんどいないからもっと純粋にミュージシャンシップで集まってる感じだけどユニークな世界観が人生の豊かさを提供してくれる感じ。






Quiet Sun - Mainstream

Quiet Sun - Mainstream (1975)
メインストリーム (SHM-CD生産限定紙ジャケット仕様 豪華ブックレット付)

 深みにハマると楽しくなってどんどん突っ込んでいきたくなるのが英国ロック、そして特にその中でも泥沼化していくのがカンタベリーかもしれない(笑)。一律にカンタベリー一派と言われるものの、その幅はかなり広くなっていくので、音楽的ジャンルでは括れない状況になっていくのだった。じゃ、何?ってぇと、まぁ、ある種の淡々としたテイストにユーモア、ポップセンスに浮遊するジャズ感覚を持ち合わせた技術集団的音楽…か。元祖はソフツやキャラバンなので、その辺の影響下にあるケースが多いのだろうけど、独自解釈で幅を広げていくのは音楽の宿命。中でも異色な振れ幅を引き起こしてシーンどころかプログレロックの中でも特異な地位を発揮したアルバムがこいつ。

 1975年リリースのQuiet Sunの唯一作「Mainstream」。メンツはご存知フィル・マンザネラ中心でカンタベリーと言われる所以はビル・マコーミックの参加によるものだ。一方ではここでシーンに名を広めたドラマーのチャールズ・ヘイワードが以降のキーマンとなる。ご存知、This Heatへとカンタベリーシーンを引き込んでしまうワケで、そこからはもう歯止めなし…ってか追いかけ切れてないからよく知らん(笑)。話は戻してこの「Mainstream」、カンタベリー的浮遊感は要所要所で聴かれるものの、フィル・マンザネラの歪んだギターとこれまた硬質なチャールズ・ヘイワードの変態的ドラムが軸になっているからか、相当にクリムゾン的暴虐さを表現しているようにも感じるし、一方では確実にソフト・マシーン直系の音世界の伝承者とも言える手法を繰り広げていて決して初心はが取り付きやすい音楽を奏でているワケではない。イーノの変態的センスももちろん振り掛けられているので更に妙な世界に仕上がっていると言う奇跡のセッションとも言える作品。だからこその唯一作になったんだな。

 しかしホントどうやってこの変拍子や展開を即席に近いバンドで組み上げられるものなのか。何が最初に出来上がってメンバーでジャムれるのか、不思議でならない。そんなにしょっちゅうスタジオで顔合わせてジャムってて出来上がるってんでもないだろうし、才能なのかな、それでいて新しい世界をきちんと作り上げていくというのもあって、聴けば聴くほどに不思議感は増すけど惹き込まれていってしまうアルバム。結局自分はこういう攻撃的な音が好きなのだ(笑)。



Egg - The Civil Surface

Egg - The Civil Surface (1974)
The Civil Surface

 音楽とロック、プレイヤーとロック、自分が好きなのはどっちかっつうと絶対にロックであって、音楽やプレイヤー部分ではないのだろうなと思う。何を言ってるんだ?って事だけど、結構そう思うと納得する事が多くてね…、それはアルバム聴いてたりライブ見てたり会話したりしてて思うこと。人間がロック、ってトコ、あるじゃない?そういうのは全部じゃないけど好きになる要素が結構多い気がする。一方音楽的だったりしているのも好きなので表面的にはその差はそんなにないんだけど、やっぱりガツンと聴きたくなるってのはロック的な側面を欲しているんだろうと。そんな解釈してるだけって話で意味は無いです。ふとココの所やけに音楽的なの聴いててホッとしてる部分あるんだけど、そこって何だろ?って思ってね。あぁ、そうか、ロックしてるんだ、と思うと凄く納得するワケ。カンタベリーであってもね。

 1974年に3枚目の作品、再結成しての作品となるEggの「The Civil Surface」なんてのを。メインはデイブ・スチュワートでモント・キャンベルとクライブ・ブルックスはもちろん参加してて、その他ゲスト陣営にて制作されているけど、それももちろんカンタベリー筋からのゲスト陣なので音そのものは明らかにカンタベリーサウンド。ただし、ここで聴ける音世界はフワフワ感というのではなくってもっと硬質で淡々とした…淡々ってのはカンタベリー的だけど、無感情的と言うのか、無機質な音にすら聴こえる。ソフトタッチの楽器があまり登場しないことが要因かもしれないけど、かなり硬い感じがする。そもそもEggな世界はそうなんだけど、このアルバムは特にそんな感じだ。それだけきっちりと計算されて作られているとも言えるので、作品としてのレベル感は相当高いモノに仕上がっているのは当然か。

 それでいても感情面をコントロールする楽器はゲスト陣で奏でているので、音として存在していないワケじゃない。ただ、やっぱりソフト面は表面の音でしかないというのか、根幹的に硬質感たっぷり。モント・キャンベルってこんなベースだっけなぁ…とか思うんだが、きっとそうなのだろう。自分があまりそういう聴き方してなかっただけだし。ドラムのクライブ・ブルックスなんてGroundhogsに参加してたんだからこんなテクニカルなドラマーというイメージは無かったんだが…、細かく覚えてないけどさ、やっぱバンドでガラリと印象が変わるのは当たり前なのかな。アレコレ言いつつも結構じっくり聴いちゃう作品で、前2枚と同じくらいのテンションで聴けるんだけど、何かが足りない…その辺がイマイチ聴く気にならない部分、多分それはカンタベリー的キャッチーさ、ポップさなんだろうと。やっぱね、そういうオフザケ面ってのはあってほしかった。無くてもカンタベリー的だけど、ちょっと真ん中からは外れているね。



Gilgamesh - Another Fine Tune You've Got Me Into

Gilgamesh - Another Fine Tune You've Got Me Into (1978)
Another Fine Tune You've Got Me Into

 ジャズにしてもカンタベリーサウンドにしてもだけど、作曲する人ってどういう作り方するんだろうな。結果論としてバンドの演奏を聴いてるからその過程がなかなか見えなくてね。コード旋律とか主メロディーが書かれてる、その間のフリー部分とテーマ的なのは決まってるなんてのは分かるんだけど、実際聴いてるとそんな簡単じゃない曲構成だし演奏だし、それでいてビシッと合う所は合わせてくるし、そこまでじゃないけど雰囲気的に盛り上がる箇所ではメロディ楽器が同じラインを奏でてくるなんてのもある。偶然じゃないんだろうし、旋律もたくさんあるから全部覚えてられないだろうし、一体どういう作りになってどういう演奏になるんだろ?こういう感じのバンド経験はないから分からないんだよなぁ。

 ギルガメッシュの1978年リリースのセカンド・アルバム「Another Fine Tune You've Got Me Into」。こちらももちろんアラン・ガウエン主導のバンドで、こっちがメインな印象だけど、数年間バンド解散しててのアルバムリリースなため、ギターのフィル・リーとアラン・ガウエンだけがオリジナルメンバーで、他は手近な所での寄せ集めか?ってもベースにはソフツで知られているヒュー・ホッパー、ドラムはトレバー・トムキンスってなトコで何ら問題もないメンツになるのだが、それでもこんだけの演奏出来ちゃうって曲がどこまで仕上がってての話なんだ?って思うんですよ。上昇フレーズなんかも突然同時に出てきたりするし、静と動なんてのは当たり前、全体のムードもきちんとバンドが支配しているし、見事な作品としか言いようもない。アメリカのジャズはまだ分かるんだけどカンタベリーのこの世界は心地良いだけにそんなこと考えることもないんだけど不思議。心地良いからいいけどさ。

 結構昔からこのジャケットは目立ってて、ウィリアム・バロウズの作品って一発で分かる人はもちろん多いだろうし、だからこそのギルガメッシュ…ギルガメッシュっつうと「ナイト」って付けたくなるのは年の功、割とよく出て来る名前なので初めて調べてみたけど、メソポタミア・シュメール初期王朝時代の伝説的な王の名とある。ネット時代はこういうのがラクだな。辞書に出てない単語とか調べるのはそこまでの欲がないとやらなかったけど、今じゃググレ、だ。そんな事しながらず〜っと聴いてるけど、ホントカンタベリーな音だ。鍵盤とギターなんだろうな。ベースはもちろんのことながら…、あ、全部だ。夜中にじっくり聴いてると心地良いですねぇ〜、真冬の夜中とか最高だろうな、こういうの。ジャケットからは想像できないくらいにフンワカした音が聴けて幸せになります♪



National Health - Of Queues & Cures

National Health - Of Queues & Cures (1978)
Of Queues & Cures

 ふと会話してて自分で思ったんだが、もうちょっとロック聴く時に歌詞に重きを於いて聴いていたら結構感覚違ったかもな…って。すると言われたのがほとんどのロックは歌詞なんてホントにどうでもいいことしか歌ってないから別にいいんじゃね?って。ん〜、なるほどそれもそうか。そもそもロックの歌詞なんてそういうモンだもんなと言うことに気づいて納得した。歌詞に共感しました、ってのは一時期なお話が多いだろうし、ディランみたいにプロテスタント的にやってもそれはそれで時代を感じさせちゃうものだし、ってことはやっぱり歌詞ってのはその時代を映すという側面が強いのだろう。ビートルズでもストーンズでもそうだろうし、今のメタルやロックでもほとんど意味は無いんじゃないだろうか。ファンタジー物語作ってやってるのとかは歌詞ってよりも物語だし、う〜ん、ロックの歌詞ってのはそんなもんか?ジム・モリソンさんよ…と。

 カンタベリーって面白くてね、同じようなメンツがちょっとメンバー替えたら違うバンドになってたり、全然違うメンバーなのに似たよう〜な音を出してたり、兄弟姉妹みたいなバンドがアチコチにあって、それがまたそれぞれに影響を与えたりしてるもんだからバンド名ってのはその時限りの名称みたいなもんだ。ジャズみたいに個人プレイヤーでアルバム作ってけばいいのに、とすら思うのだが、そこがポップ・ミュージックである所か。National Healthのセカンド・アルバム「Of Queues & Cures」、1978年リリースだからもう結構な時期で、全くウケなかったんだろうことは想像に難くないがだからどうした?好きなことやりまくってるぜってくらいやってる。頼もしい連中だ。後のヘヴィメタル界とカンタベリーシーンをつなぐ重要なキーマンとなるニール・マーレイはここでは脱退してしまっているので、語り切れないのが残念だが、圧倒的に後期カンタベリーシーンの中で音的に重要な人物になっていったフィル・ミラーのギタープレイが心地良く聴ける一枚です。ホーン・セクションも入れての実験的展開もあるが、いまさら驚くことでもなかろう、そもそもが実験精神と即興性の場なのだから。

 んで、もちろんデイブ・スチュワートも参加してるからその手の音になるんだけど面白いのはココでHenry Cowの面々が参加してくることで、それによって更に即興性が強くなろうと言うものだ。しかも今回はベースのジョン・グリーブスという結構バンドの屋台骨を支える位置での参加になってるからブイブイとベースが引っ張ってる…引っ張りすぎてるくらいにグルーブしててどんなロックバンド聴いてるんだ?くらいには思う。着いづいするピプ・パイルのドラムが繊細系なだけどそのギャップはあるんじゃないかな〜なんて勘ぐってみたり。こちらもあまり聞き倒さなかったアルバムだからこういう感じに聴いてて面白いな〜、ちょいと硬めな音だな〜とか更にカンタベリーの深みが楽しみになってきたりして結構楽しめる。苦手な人は苦手だろうけど、素直に音を追ってると楽しいアルバムです。インストモノばかりなので普通ならプレイヤー志向作品になるんだけどカンタベリーの場合はそういうのでも名曲として仕上げてくる、と言うか単なるプレイヤーの満足度ではなくてそこからリスナーに音楽を楽しめるようになっている、っつうか…、そういう所が痺れるんだよ。「Squarer for Maud」とか最高だもん。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2005年 10月 【20件】


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