Michael Chapman - Fully Qualified Survivor

Michael Chapman - Fully Qualified Survivor (1970)
Fully Qualified Survivor

 自分の音楽の好みなんて説明しきれない。好きなバンドを並べる事はできるし嫌いなバンドを並べることも出来るけど、その差は何だって言われても実に難しい。そりゃ好き嫌いってのは何だってそういうもんだろう。説明するものでもないし、ある日突然嫌いなものが好きになることもあるだろうし、逆もあるワケだし、だから今ダメでもそのうち平気になるなんてことも普通にあるワケで、聴くタイミングだけの問題だろうと。そこまでして聴く必要があるかと言うと、ほとんどそんなことはない。ただ、ロックの名盤って皆が言うようなものは多分どこかに万人に受ける要素があって、それは良いと思われる事が多いんで自分の感性を測るには良いかもしれない。ただ、自分で好きなものをひたすら聴いて突き詰めていけばそれで楽しめると思うしね。もっともリアルな生活の中で誰かとそういう会話をする、という面においては極端に機会がなくなるとは思うけど、そんなんどうでも好きなことに邁進する、で良いんじゃねぇの、と勝手に締めくくる(笑)。

 Michael Chapmanってシンガー、知らないよなぁ…、いや自分も知らなかったし、何だろ、誰だろ、って見てたんだけどどこにも出てこないしさ、そのくせやたらとレコードでもCDでもレア盤で高値が付けられてて、そもそもそういう価値があるのか?ってのも思うけどさ、英国出身のシンガーで1970年リリースの2枚目のアルバム「Fully Qualified Survivor」なんてのがあったから聴いてみた。あったから、ってのは自分チじゃなくてYouTubeにね。それがですな、実に良いんです。いや、良いって、こんなの良いんかい?って言われるとは思うのだが、ミック・ロンソンのギターが良いんです。自分的に彼のギターはなかなか身近に感じるセンスで、結構好きなんだけど、それがこのアルバムでもアチコチで聴けて、さすがミック・ロンソン!って感じのプレイでしてね、良いんです。まるで曲に合わないくせに堂々と弾いてくれるとか、かと思えば随分繊細に弾いていたりとか、マイケル・チャップマンとの関係はわからないんだけど、ボウイとの仕事の直前くらいなんじゃないかな、だからまだ無名の頃のミック・ロンソンなワケ。最初にそこに耳が向いちゃうのは自分のキャリアのせいだろう。

 んで、作品としてのこのアルバムはと言えば、かなりアーシーなムードで始まり、いわゆるフォークだけどアシッド臭の漂う作品で、結構クラクラするのもあって気持ち良い。ホント気持ち良いってか、ひとつの世界を打ち出してるよね。B級感たっぷりなのにメジャー級と張り合えるセンスの良さ、ってのかな。ロイ・ハーパーやティラノザウルス・レックス的な感覚が大きくて、楽しめる。うん、自分的にはこういうのが良いわ。普通に聴けるポップ的なものよりもこういう尖ったのが好きだもん。もっと前に発掘されていてほしかったアルバム。最初期のハーベストはこういうユニークなのをいっぱい発掘していたんだろうなぁ…。


David Bowie - At The Beeb

David Bowie - At The Beeb
BBCセッションズ

 往年のアーティストやバンドの発掘音源がゾクゾクとリリースされ続け、もはやコレクトするのは不可能じゃないかってくらいにアチコチで様々なアイテムがリリースされている。それなりに売れるんだろうからリリースされるんだろうし、アマゾンで見ていてもこんなもん出してて誰が買うんだろ?って思うけどコレクションする人がいるんだろうなぁ、と感心する。ひとつのバンドに固執したコレクションってホントアイテムとしての価値に偏るだろうから聴くもの、とはちょいと離れていくんだろうし、何か音楽ファンというよりかはアイドル的な追いかけ方に近くて、ちょいと趣旨が違うのかもしれない。それでも中味が異なっていたりするのもあって、なかなか難しいものだ。

 David Bowieの2000年にリリースされた「At The Beeb」。当時はようやくボウイのBBCセッションがまとめて聴けるようになった、ってのが大きくて、2000年のライブが収録されていてもちょいと軽視されていたかもしれないな。自分的にはこの2000年のライブは結構好きで、その実風邪気味な体調で挑んだライブでもあり、さすがにCDには入ってないけど放送された映像ではボウイがなんかの曲の途中で演奏をやめてやり直したりしているのもあったんで、色々プレッシャーもあってリリースせざるを得ないんだろうなぁなんて思ってた。それでもこのCDで聴けるライブはそんなことを感じさせないくらいのクォリティなんだからプロは違う。正に15年ぶりくらいに聴いたんだけど、これ、かっこいいな。この人の不思議な魅力はやっぱり楽曲のレベルの高さなんだろうか、歌が特別うまいってんでもないしね。ロック好きだぜ、って人からするとなかなかどこがロック?みたいな面あるじゃない?70年代はともかく80年代はね、アレだし。ところがこれがまたロックなんだよ、ってかロックの1ページに刻まれている人なんだからさ、ここでもそういうマインドを感じるしね。

 古くからのBBCライブ音源は大幅にスタジオ盤と変わるものでもないし、初々しい時代からバックのメンツが全然違うとかあるけど、やっぱりジギー時代の演奏が一番気概があって頼もしいか。自分的にはそれ以前の曲、アコースティック調の時代ね、その頃のも好きだから新鮮な響きではあった。そう思うとこのBBCセッションってジギー時代までのボウイの歩み、みたいな集大成になってるんだな。ひとつの最全盛期までのストーリーって捉えると良いところで切れてて満足感が高い。久々に聴いてたけどやはり素晴らしいアーティストだ。良く出来てる。


Queen - The News of The World 40th Anniversary Edition

Queen - The News of The World 40th Anniversary Edition
世界に捧ぐ(40周年記念スーパー・デラックス・エディション)(完全生産限定盤)(DVD付)

 今回の様々な反省点…コンテンツのバックアップは手作業でしっかりと確認しながら別のHDDに入れていきましょうってことだ。大体がもう必要なファイルって音楽と映像、写真くらいしかないしさ。メールとかもうどっちでも良いし、iPhoneでアドレス帳は管理されているんだろうし、だからCloudって上手く使えば実に有用ではあるってのは分かる。しかし、自分みたいなコンテンツのボリュームになるとCloud管理なんてのはもう非現実的でさ、テラバイト単位でのCloudストレージってもそうそう安くもないし、そもそも別のHDDにちゃんとあれば良いじゃないか、って思うわけです。今回はなぁ…、失敗。また集められるモノなら別に良いんだけど、もう見つからなそうなのも多いし、気づかなかったことにしたい。

 Queenの「The News of The World 40th Anniversary Edition」が40周年記念ってことでたっぷりのボリュームでリリースされている。とは言っても気になるのはアウトテイクス系くらいかなぁ、ってことでそいつを狙いに聴いてみる。オフィシャルでこうやって出てくるアウトテイクス系ってのはそれでもやっぱり聴ける範囲ないのアウトテイクスしか出てこないからやっぱり最終一歩前あたりのきれいなのなんだよな。生々しいアウトテイクスや制作過程のデモなんてのももっと出てくると面白いんだけどね。どうしたってオルタネイトテイクレベルになっちゃうのは致し方ないか。本作のボーナストラックディスクにしてもきちんとアルバムの曲順に習っての別バージョン集になってて、それはそれで聴き応えもあるし、新鮮な発掘でもあるので十分に楽しめたのは間違いない。ただ、何度も味わえるって代物じゃないのがこの手のボーナスの悩ましいところ、それでもやっぱ聴きたいという欲求があるから商売が成り立つんだが。

 冒頭から如何にもなアウトテイクス感満載でフレディの自然な話し声でスタートする「We Will Rock You」、聴いてると対して変わらないじゃないかって思うけどギターが入ると別物、ってか一本だからこうなるのか?まぁ、それでも新鮮は新鮮、次の「We Are The Champion」はもう完成版に近いから歌い回しとかちょいと違うか、くらいでピアノなんかもそりゃ違うけど、やっぱり良く出来てるレベル。んで「Sheer Heart Attack」は歌なしバージョン、ラフミックス、ね。自分で思い切り歌って被せてwith Queenで楽しみましょう(笑)。「Spread Your Wing」あたりもほぼそのままだけど別物だから微妙に楽しめる。フレディが気持ちよく歌ってるもんなぁ…とかね。「Get Down Make Love」は正に初期バージョン、って感じでこれからどんどん進化したんだなぁってのが分かる。多分これでも完成形に近いバージョンだったんだろうね。練回してアレだったのか、ってのはあるけど、クリエイトな視点で見ればユニークな制作過程。

 などなどオリジナルアルバムを再度じっくり聴いてからの楽しみ方が一番だろうね。自分も終盤はちょいと忘れかけててそんなに違うっけ?って聴き直しながらの楽しみだったし。それにしてもフレディの声がホント素晴らしい。このあたりでこんなに艷やかな歌声だったっけ?ってくらいにそっちの味わいを楽しんでしまった。やっぱりQueenは面白い。




Peter Straker ‎– This One's On Me

Peter Straker ‎– This One's On Me (1977)


 Queenネタってのは色々あるんだけど、どれもこれもってトコロで、こいつはかなりホンモノ、っつうかフレディ・マーキュリーの彼氏(?)のアルバムなワケだからプロデュースにも力が入るってなモンだ。元来の才能がこういうトコロで生かされてて、しかもそこに「愛」しかもピュアなのが入るワケだからそりゃあんた、悪いものになるはずないでしょ、と。しかも元々がそういう才能のあるナルシストな役者さん上がりなワケでしてね、そこにプロデュース業のプロ、ロイ・トーマス・ベイカーまで引き込んでの力作が仕上がっているんですな。知る人ぞ知る、ってアルバムで何と未だにCD化されたことのないアルバムの模様。

 Peter Strakerの「This One's On Me」、1977年作品、どっからどう聴いてもフレディ・マーキュリーそのものを感じるワケで、しかもフレディ・マーキュリープロデュース、しかも愛人、何も言うことないだろ、ってなお話しかない。作曲も演奏もフレディ・マーキュリーは絡んでいないのになぁ、どうしてこういうQueenらしいアルバムが出来上がるんだろうか?しかもどのアルバムみたいとか言うのではなくって全てにQueenらしさが詰め込まれているというのが面白い。やっぱり愛あるが故の作品なのだろうか?ただ、それを意識しなくて聴いても普通に素晴らしい作品なんですな、これがまた。Peter Strakerって人、ジャマイカ人の元々ミュージカルとか出てたらしく、あの有名な「ヘアー」にも出ていた役者さんなので実力はもちろん普通のミュージシャン以上です、だから故にこの力量は分かるんだけど、どうしてこうなる?ってのが不思議。

 多分コーラスとかフレディ・マーキュリーも参加してるんじゃないかなぁ…、もしかしたらデモ段階では歌ってるのかもしれない。それにしても1977年リリースって事はQueenもちょいと悩ましい時期に入りつつあった頃か?その狭間での息抜き制作作品にしては出来過ぎ。こういうトコロから影響も受けて「Mustafa」とか出来てきたんだろうなぁ、なかなか周辺の環境を知ると面白い。







Brian Eno - Before & After Science

Brian Eno - Before & After Science (1977)
Before & After Science

 意外な発見と感動はまだまだたくさんある。常にチャレンジしてみる、新しいものに取り組んで見る、現状に満足してしまわない、みたいな事は意識しなくても人間ってのはそういうモンなのでネガティブであってもそこに拘れることもなく結果的には前進せざるを得ない状況にはなるので、音楽を聴くと言うことに関してもそうなっていくものだろう。じゃなきゃもう既に飽きまくって音楽なんぞ聴かない、こんなブログなんて見てもしょうがない、って人の方が多くなってるハズだ。実際色々取り組んでみると面白い発見多いしね。

 Brian Enoの1977年の作品「Before & After Science」。ボウイの作品をプロデュースしていたドイツに影響を受けまくってた頃の今度はイーノ自身のソロアルバムだ。完全にイーノその人の趣味の世界になってるのだろうと思いきや、アンビエントミュージックではなく、意外な事にあの路線、ボウイの作品群で見せたように鋭い切れ味で研ぎ澄まされた音の世界をここでも実現、更には後の80’sポップス郡、ニューウェイブ郡に通じる世界観の提示、これが新しい実験でもあったのだろう、エイティーズの音はほとんどこのまま展開されていると言える、その原型が繰り広げられている。もちろんイーノのこのアルバムがそこで見直されることはなかったのだが。

 普通にロックバンドの音で歌もあります、バックは凄いです、フィル・コリンズ、パーシー・ジョーンズ、デイヴ・マタックス!、フレッド・フリス、アンディ・フレイザー!、フィル・マンザネラにロバート・フリップ、ビル・マコーミックなどなど、とんでもない面々でクラウトロックに近い世界とエイティーズの原型を繰り広げてる。ものすごく攻撃的なロックだし、他では聴けない鋭いセンス、さすがに名前が轟いている人の作品だ。こういうのがあるからアーティスト達に好まれるんだろうな。単なるアンビエントな人というワケじゃなかったってことです。その辺の誤算が自分にはあったので、こういうの聴いて驚くってのはありがたい話。



Iggy Pop - The Idiot

Iggy Pop - The Idiot (1977)
イディオット(紙ジャケット仕様)

 偏見なしにアルバムに入っている音を聞いてみる、するとたまに自分は何聴いてるんだっけ?って思うような雰囲気の作品に出会うことがある。ロック聴いてるハズなのにジャズだったりとか…、まではないにせよ、ハードロックだと思ってたらアヴァンギャルドに近いロックだったりとか、フォークになってとかそういうのね。古い作品ってのは割とそういうのも既に位置付けられているから予備情報付きで聴けてしまうんだけど、それでも改めて聞くと何だっけ?みたいに思うものに出会うもんだ。

 Iggy Popの1977年作「The Idiot」、ファーストソロアルバムになるのか、ご存知David BowieプロデュースによるほとんどBowie陣営のバンドメンバーと制作布陣が全員集合してそこにイギーが入ってるだけどいうようなもので、歌い手が違うからアルバム違います、というだけの作品。故に名盤として名を残すアルバムに仕上がっていることは言うまでもない。なんせボウイが目一杯ヨーロッパに傾倒していた時代で、自身も名盤「ロウ」「ヒーローズ」あたりを残していた時期だ。ボウイ作の「SIster Midnight」や「China Girl」などはボウイ自身でもアルバムに入れたりしているという愛着ぶり。旗から見てると何で?って思うけどそんな経緯なので普通にボウイが自分の曲を自分のアルバムに入れただけとも言えるのだが、アレンジが異なるからパッと聴いてわかりにくいだろうけどね。イギー・ポップはどういう心境だったのかな…。

 そんな人間模様と作品の背景ではあるが、アルバムそのものは確実にクラウトロックのひとつと言ってもおかしくないくらいに実験的な作風と研ぎ澄まされた空気感に包まれた鋭い作品で、そこにイギー・ポップの本能的には攻撃性をヒメているが敢えて落ち着いている静かな歌とも思わせるような歌唱、時折出て来る野獣のような攻撃的な歌い方がその凶暴性を垣間見せるが、その鋭さが見事にこのボウイ流のクールなロックの中でボウイには出せない味として出て来る、それこそがこのアルバムの持つ野性味。そこが大きく違うんだな、ボウイさんとはさ。

 アルバムジャケットも一体なんのポーズなのだろう?意味はないさ、と言うものではあろうが、その不思議さってのはいつまでも残る。あのイギー・ポップがこれか…というような音の反応だったと思うけど、こういう出だしだったからこそイギー・ポップというアーティストの立ち位置もきちんと出来てきたとも言える、かなり正しいスタートだったアルバム。



David Bowie - Lodger

David Bowie - Lodger (1979)
ロジャー

 意外なところで人脈が繋がっていた、ってことをこないだも実感。仕事上の知り合いとロック話、自身の弟さんがマニアだそうで、ってことで話を聞いてるとそれは自分のバンドの連中のことと繋がるから聞いてみたらその通り。いや〜、狭い世界だ、と実感したものだが、きっとそんな感じで繋がっていくのもロックの良さか。そんなこんなで最近はロック話でのアルコールも多くなってるから刺激的でよろしいですね。

 David Bowieの1979年作「Lodger」、通称ベルリン三部作の三部目ってことになるのだが、別にベルリンで録音されてるワケじゃないから、イーノとのコラボが三枚続いていて、その三枚目ってことでヨーロッパに回帰したボウイのイーノとの作品なだけだ。作ってる時の本人達には当然三部作なんて意識はなかっただろうしね。ここにロバート・フリップでも参加してたらまた違った印象もあったんだろうけど、今回はいなくて、ギタリストにはエイドリアン・ブリューが参加している。クリムゾンとボウイってのはつくづく繋がるのだが、どっからどう切ってもその繋がりはよく分からんな…というこの二組のアーティスト像。

 この「Lodger」、自分はあまり得意ではないアルバム。A面はエスニック風味な実験的な作品が並び、ボウイらしさはほとんど聴かれず、正に実験のためにやってるかのような作風だ。それが後に影響しているか、ってんでも無さそうだし、その結果このA面の評価は評論家のためには良いのだろうけど、一般的にはさほどなかったと思う。ところがB面に入ってみると一気にいつものボウイらしい曲が並ぶ。ツアーでも謳われることの多い曲が並んでいるし、それがこのアルバムからの曲というのを意識すること無くシングルでのヒット的な扱いになっているものばかりなので、そういう見方からしたらこの「Lodger」はヒット曲が多数詰め込まれたアルバムという位置付けになるハズなのだが…。最後に入ってる「Red Money」がやたら暗めなトーンで…って思ったらイギーのアルバムへの提供曲だったか。

 ジャケットのよく分からなさもあるんだろうな…、どっちが表なのか、縦型にすれば普通なんだろうけど、アルバム歳ぞからするとこれは顔が見えるべきなのか脚から下のアルバム名が出るべきなのか…、そういうところも問題の投げかけって意味でボウイらしいか。それにしてもこのアルバム、好んで聴く程の作品ではないけど無視は出来ないアルバム、どうにも困る題材だったワケで、だから今まで書いてなかったのかと自分でも納得(笑)。



Brian May + Kerry Ellis - Golden Days

Brian May + Kerry Ellis - Golden Days (2017)
Golden Days

 すっかりQueenネタだけで生きていると思ってたブライアン・メイが、まさかこんなクリエイティブな活動をしているなどとは知らなかった。そもそもケリー・エリスって誰だ?ってなトコロから始まるんだけど、どうもミュージカル「We Will Rock You」での出演者でその歌声に惚れたブライアン・メイが一緒にやらないかってな事で始まったらしいプロジェクト。ライブの映像なんか見てるとブライアン・メイのアコギとの二人だけでやってるのがあったりバンドでのヤツがあったりと形態は多彩だけど、きっちりと歌声を活かすというトコロに注力しているのは相変わらずのブライアン・メイ。

 その二人の2017年新作が「Golden Days」としてリリースされて、PVなんかもあるんだけどかなり驚いたのはゲイリー・ムーアの名曲「パリの散歩道」のカバー。そのまんまなんだけど、ケリー・エリスの歌声がサラリと入ってきてかなり良い感じに仕上がってて、これは誰が聴いても名曲だろうってのが分かるって話。しかもブライアン・メイのギターがもうゲイリー・ムーア以上にゲイリー・ムーアに成り切っててさ、完コピでもあるしそれ以上でもあるしそこまでじゃないってのもあるけど、ただ完全に作品として昇華されているカバーであることに間違いはない。素晴らしい。もちろんそれ以外のオリジナル曲も結構軽快にやってくれちゃってるし、このお爺さん、見事なまでに現役感丸出しでケリー・エリスにどっぷりとつぎ込んでる。

 リッチーで言うところのキャンディス・ナイトなんだろうか、女性の抜けた歌声でのクイーンのカバーも平気でやっちゃうし、往年の曲のカバーなんかも普通にやっちゃってて、とにかく何か出来ること全部やっちゃうよ、好きなだけね、ってな感じで創造性を発揮しているブライアン・メイ。もうちょっとプロモートしてくれよ、結構良い作品に仕上がってるしさ、クイーンにこだわらない姿も見せて欲しいモンだし、こんだけの見事なボーカルと作品ならクイーンファンだって悪い気しないで聴けるぜよ。実に英国チックな品格のある雰囲気も○。







David Bowie - Lazarus

David Bowie - Lazarus (2016)
Ocr: Lazarus

 ちょっと前にリリースされてて、もちろん聴いてたんだけど、どう聴いたもんかな、ってので消化しきれなかったんでそのままにしていたアルバムが「Lazarus」という作品。ボウイの遺作が入ってるとして知られているし、さらに言えばBowieが亡くなる間際まで参加していたミュージカルの出演者によるボウイカバーアルバムとも言える作品でもあるし、ミュージカルのサントラとも言えるのだろうか、そんなアルバムなんで、曲は全部ボウイのだからそりゃ知ってるし、聴いているとどうもその雰囲気なども似ているのがあって、本人?みたいに思うレベルのもある。本人も混じってるからそりゃ事実かもしれないけど(笑)、よく出来たカバー作品で、聴いてると無性に辛くなるのであまり聴きたくないのが本音。んでも、レベルはかなり高いカバー集。

 2枚組で最初のディスクはそういうカバー作品ばかり中心。2枚目は正にボーナストラックでウワサのボウイの最期の録音作品が入ってる。狙いはこちらなので、じっくり聴くんだけど、当然と言えば当然ながらも「Blackstar」と同じ経路の作品が並ぶ。ただ、こちらの方がもっとアグレッシブなロックテイストが強いかな、「Blackstar」がジャジー色が強いのとはちょいと違う感じではある。ただ、色としては同じトーンで、斬新なカッコ良さを誇るさすがにボウイの作品だし、最先端のカッコ良さを放っているところも見事。こういうのは他の誰にも出し切れないワザだからね。1枚目のカバーの方はそこまで思い入れ無い人なら聴きやすい、というかオススメしたいくらいによく出来たカバーアルバム、さすがミュージカル連中なだけあって、上手く表現しているしね。

 「Lazarus」ってミュージカル、見れるのかな。ニューヨーク行かないと見れないのかもしれないし、そもそももうやってないかもしれないし、そもそも上演しなかったのかもしれないし、程度の事しか知らない。どういう話なのかとかも知らないなぁ…、ダメだね、そういうのから調べてこれ聴かないと面白味半減なんじゃね?とか。ま、そういう興味が沸かないんだからしょうがない。単に「Lazarus」のボーナス聴いて、そうかぁ…と思ってるのが精一杯。もうじき一年経つのか…。





Queen - On Air

Queen - On Air
オン・エア~BBCセッションズ(通常盤)

 QueenってのもPink Floydと同様に英国ではビートルズに並んでの人気、もしかしたらそれ以上かも、みたいに言われることもあるバンドで、コレクター的にもかなり多々あり、集め甲斐があるバンドのようだ。もちろん好きは好きなんだけど、Queenって良い曲と捨て曲との差が大きくて、良いのはとことん有名でヒットしたりアチコチで使われたりしてるんでその人気や知名度も納得なんだけど、そうじゃない曲ってかなり多くてね、そっちはどうなんだよ?と。その辺がとことんまで追求したことない所かな。

 Queenの「On Air」。タイトル通りBBC音源の蔵出しで、以前に「Queen at the Beeb」ってのがリリースされてたけど、まぁ、怪しげなリリースではあったんで、今回の「On Air」は明らかにオフィシャルで2枚組に出演ソースをひたすらに収録してあって嬉しいクォリティでリリース。それにしてもBBCのライブ音源でこんだけオーバーダブ被せてたってのは珍しいバンドだろうな。だからオフィシャルでBBCソースとしてリリースされるのも遅かったのかもしれない。特にギターのオーバーダブが激しくて、堂々と数本のギターが鳴っているワケです。作品として捉えればそりゃそうだけどね、よくやるわ。

 1枚目のディスク分は概ね以前からリリースされていたソースが多く入ってるので、何となく聴き慣れていた人も多いか。2枚目のソースは初登場なのでなるほど魅力的。デラックス盤では更に73年9月のライブや81年ブラジルや86年マンハイムのライブなんてのも抜粋されて入っててお得なようだ。しかもCD3枚に渡ってアチコチのインタビューがまとめて入ってて英語が堪能な方なら楽しめるアイテムに仕上がっているみたい。自分なんかは逆にその辺要らねぇな、ってことで通常盤でいいか、って話だけど。やっぱりね、全盛期のバンドの演奏は波はあるけどひたすらに前向きでパワーが有るライブをやってるよね。だから艷やかだしそのスタンスが聴いてて伝わってくるし、良いわ。それこそ70年代のロックの面白さ。







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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2005年 10月 【20件】


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