Peter Straker ‎– This One's On Me

Peter Straker ‎– This One's On Me (1977)


 Queenネタってのは色々あるんだけど、どれもこれもってトコロで、こいつはかなりホンモノ、っつうかフレディ・マーキュリーの彼氏(?)のアルバムなワケだからプロデュースにも力が入るってなモンだ。元来の才能がこういうトコロで生かされてて、しかもそこに「愛」しかもピュアなのが入るワケだからそりゃあんた、悪いものになるはずないでしょ、と。しかも元々がそういう才能のあるナルシストな役者さん上がりなワケでしてね、そこにプロデュース業のプロ、ロイ・トーマス・ベイカーまで引き込んでの力作が仕上がっているんですな。知る人ぞ知る、ってアルバムで何と未だにCD化されたことのないアルバムの模様。

 Peter Strakerの「This One's On Me」、1977年作品、どっからどう聴いてもフレディ・マーキュリーそのものを感じるワケで、しかもフレディ・マーキュリープロデュース、しかも愛人、何も言うことないだろ、ってなお話しかない。作曲も演奏もフレディ・マーキュリーは絡んでいないのになぁ、どうしてこういうQueenらしいアルバムが出来上がるんだろうか?しかもどのアルバムみたいとか言うのではなくって全てにQueenらしさが詰め込まれているというのが面白い。やっぱり愛あるが故の作品なのだろうか?ただ、それを意識しなくて聴いても普通に素晴らしい作品なんですな、これがまた。Peter Strakerって人、ジャマイカ人の元々ミュージカルとか出てたらしく、あの有名な「ヘアー」にも出ていた役者さんなので実力はもちろん普通のミュージシャン以上です、だから故にこの力量は分かるんだけど、どうしてこうなる?ってのが不思議。

 多分コーラスとかフレディ・マーキュリーも参加してるんじゃないかなぁ…、もしかしたらデモ段階では歌ってるのかもしれない。それにしても1977年リリースって事はQueenもちょいと悩ましい時期に入りつつあった頃か?その狭間での息抜き制作作品にしては出来過ぎ。こういうトコロから影響も受けて「Mustafa」とか出来てきたんだろうなぁ、なかなか周辺の環境を知ると面白い。







Brian Eno - Before & After Science

Brian Eno - Before & After Science (1977)
Before & After Science

 意外な発見と感動はまだまだたくさんある。常にチャレンジしてみる、新しいものに取り組んで見る、現状に満足してしまわない、みたいな事は意識しなくても人間ってのはそういうモンなのでネガティブであってもそこに拘れることもなく結果的には前進せざるを得ない状況にはなるので、音楽を聴くと言うことに関してもそうなっていくものだろう。じゃなきゃもう既に飽きまくって音楽なんぞ聴かない、こんなブログなんて見てもしょうがない、って人の方が多くなってるハズだ。実際色々取り組んでみると面白い発見多いしね。

 Brian Enoの1977年の作品「Before & After Science」。ボウイの作品をプロデュースしていたドイツに影響を受けまくってた頃の今度はイーノ自身のソロアルバムだ。完全にイーノその人の趣味の世界になってるのだろうと思いきや、アンビエントミュージックではなく、意外な事にあの路線、ボウイの作品群で見せたように鋭い切れ味で研ぎ澄まされた音の世界をここでも実現、更には後の80’sポップス郡、ニューウェイブ郡に通じる世界観の提示、これが新しい実験でもあったのだろう、エイティーズの音はほとんどこのまま展開されていると言える、その原型が繰り広げられている。もちろんイーノのこのアルバムがそこで見直されることはなかったのだが。

 普通にロックバンドの音で歌もあります、バックは凄いです、フィル・コリンズ、パーシー・ジョーンズ、デイヴ・マタックス!、フレッド・フリス、アンディ・フレイザー!、フィル・マンザネラにロバート・フリップ、ビル・マコーミックなどなど、とんでもない面々でクラウトロックに近い世界とエイティーズの原型を繰り広げてる。ものすごく攻撃的なロックだし、他では聴けない鋭いセンス、さすがに名前が轟いている人の作品だ。こういうのがあるからアーティスト達に好まれるんだろうな。単なるアンビエントな人というワケじゃなかったってことです。その辺の誤算が自分にはあったので、こういうの聴いて驚くってのはありがたい話。



Iggy Pop - The Idiot

Iggy Pop - The Idiot (1977)
イディオット(紙ジャケット仕様)

 偏見なしにアルバムに入っている音を聞いてみる、するとたまに自分は何聴いてるんだっけ?って思うような雰囲気の作品に出会うことがある。ロック聴いてるハズなのにジャズだったりとか…、まではないにせよ、ハードロックだと思ってたらアヴァンギャルドに近いロックだったりとか、フォークになってとかそういうのね。古い作品ってのは割とそういうのも既に位置付けられているから予備情報付きで聴けてしまうんだけど、それでも改めて聞くと何だっけ?みたいに思うものに出会うもんだ。

 Iggy Popの1977年作「The Idiot」、ファーストソロアルバムになるのか、ご存知David BowieプロデュースによるほとんどBowie陣営のバンドメンバーと制作布陣が全員集合してそこにイギーが入ってるだけどいうようなもので、歌い手が違うからアルバム違います、というだけの作品。故に名盤として名を残すアルバムに仕上がっていることは言うまでもない。なんせボウイが目一杯ヨーロッパに傾倒していた時代で、自身も名盤「ロウ」「ヒーローズ」あたりを残していた時期だ。ボウイ作の「SIster Midnight」や「China Girl」などはボウイ自身でもアルバムに入れたりしているという愛着ぶり。旗から見てると何で?って思うけどそんな経緯なので普通にボウイが自分の曲を自分のアルバムに入れただけとも言えるのだが、アレンジが異なるからパッと聴いてわかりにくいだろうけどね。イギー・ポップはどういう心境だったのかな…。

 そんな人間模様と作品の背景ではあるが、アルバムそのものは確実にクラウトロックのひとつと言ってもおかしくないくらいに実験的な作風と研ぎ澄まされた空気感に包まれた鋭い作品で、そこにイギー・ポップの本能的には攻撃性をヒメているが敢えて落ち着いている静かな歌とも思わせるような歌唱、時折出て来る野獣のような攻撃的な歌い方がその凶暴性を垣間見せるが、その鋭さが見事にこのボウイ流のクールなロックの中でボウイには出せない味として出て来る、それこそがこのアルバムの持つ野性味。そこが大きく違うんだな、ボウイさんとはさ。

 アルバムジャケットも一体なんのポーズなのだろう?意味はないさ、と言うものではあろうが、その不思議さってのはいつまでも残る。あのイギー・ポップがこれか…というような音の反応だったと思うけど、こういう出だしだったからこそイギー・ポップというアーティストの立ち位置もきちんと出来てきたとも言える、かなり正しいスタートだったアルバム。



David Bowie - Lodger

David Bowie - Lodger (1979)
ロジャー

 意外なところで人脈が繋がっていた、ってことをこないだも実感。仕事上の知り合いとロック話、自身の弟さんがマニアだそうで、ってことで話を聞いてるとそれは自分のバンドの連中のことと繋がるから聞いてみたらその通り。いや〜、狭い世界だ、と実感したものだが、きっとそんな感じで繋がっていくのもロックの良さか。そんなこんなで最近はロック話でのアルコールも多くなってるから刺激的でよろしいですね。

 David Bowieの1979年作「Lodger」、通称ベルリン三部作の三部目ってことになるのだが、別にベルリンで録音されてるワケじゃないから、イーノとのコラボが三枚続いていて、その三枚目ってことでヨーロッパに回帰したボウイのイーノとの作品なだけだ。作ってる時の本人達には当然三部作なんて意識はなかっただろうしね。ここにロバート・フリップでも参加してたらまた違った印象もあったんだろうけど、今回はいなくて、ギタリストにはエイドリアン・ブリューが参加している。クリムゾンとボウイってのはつくづく繋がるのだが、どっからどう切ってもその繋がりはよく分からんな…というこの二組のアーティスト像。

 この「Lodger」、自分はあまり得意ではないアルバム。A面はエスニック風味な実験的な作品が並び、ボウイらしさはほとんど聴かれず、正に実験のためにやってるかのような作風だ。それが後に影響しているか、ってんでも無さそうだし、その結果このA面の評価は評論家のためには良いのだろうけど、一般的にはさほどなかったと思う。ところがB面に入ってみると一気にいつものボウイらしい曲が並ぶ。ツアーでも謳われることの多い曲が並んでいるし、それがこのアルバムからの曲というのを意識すること無くシングルでのヒット的な扱いになっているものばかりなので、そういう見方からしたらこの「Lodger」はヒット曲が多数詰め込まれたアルバムという位置付けになるハズなのだが…。最後に入ってる「Red Money」がやたら暗めなトーンで…って思ったらイギーのアルバムへの提供曲だったか。

 ジャケットのよく分からなさもあるんだろうな…、どっちが表なのか、縦型にすれば普通なんだろうけど、アルバム歳ぞからするとこれは顔が見えるべきなのか脚から下のアルバム名が出るべきなのか…、そういうところも問題の投げかけって意味でボウイらしいか。それにしてもこのアルバム、好んで聴く程の作品ではないけど無視は出来ないアルバム、どうにも困る題材だったワケで、だから今まで書いてなかったのかと自分でも納得(笑)。



Brian May + Kerry Ellis - Golden Days

Brian May + Kerry Ellis - Golden Days (2017)
Golden Days

 すっかりQueenネタだけで生きていると思ってたブライアン・メイが、まさかこんなクリエイティブな活動をしているなどとは知らなかった。そもそもケリー・エリスって誰だ?ってなトコロから始まるんだけど、どうもミュージカル「We Will Rock You」での出演者でその歌声に惚れたブライアン・メイが一緒にやらないかってな事で始まったらしいプロジェクト。ライブの映像なんか見てるとブライアン・メイのアコギとの二人だけでやってるのがあったりバンドでのヤツがあったりと形態は多彩だけど、きっちりと歌声を活かすというトコロに注力しているのは相変わらずのブライアン・メイ。

 その二人の2017年新作が「Golden Days」としてリリースされて、PVなんかもあるんだけどかなり驚いたのはゲイリー・ムーアの名曲「パリの散歩道」のカバー。そのまんまなんだけど、ケリー・エリスの歌声がサラリと入ってきてかなり良い感じに仕上がってて、これは誰が聴いても名曲だろうってのが分かるって話。しかもブライアン・メイのギターがもうゲイリー・ムーア以上にゲイリー・ムーアに成り切っててさ、完コピでもあるしそれ以上でもあるしそこまでじゃないってのもあるけど、ただ完全に作品として昇華されているカバーであることに間違いはない。素晴らしい。もちろんそれ以外のオリジナル曲も結構軽快にやってくれちゃってるし、このお爺さん、見事なまでに現役感丸出しでケリー・エリスにどっぷりとつぎ込んでる。

 リッチーで言うところのキャンディス・ナイトなんだろうか、女性の抜けた歌声でのクイーンのカバーも平気でやっちゃうし、往年の曲のカバーなんかも普通にやっちゃってて、とにかく何か出来ること全部やっちゃうよ、好きなだけね、ってな感じで創造性を発揮しているブライアン・メイ。もうちょっとプロモートしてくれよ、結構良い作品に仕上がってるしさ、クイーンにこだわらない姿も見せて欲しいモンだし、こんだけの見事なボーカルと作品ならクイーンファンだって悪い気しないで聴けるぜよ。実に英国チックな品格のある雰囲気も○。







David Bowie - Lazarus

David Bowie - Lazarus (2016)
Ocr: Lazarus

 ちょっと前にリリースされてて、もちろん聴いてたんだけど、どう聴いたもんかな、ってので消化しきれなかったんでそのままにしていたアルバムが「Lazarus」という作品。ボウイの遺作が入ってるとして知られているし、さらに言えばBowieが亡くなる間際まで参加していたミュージカルの出演者によるボウイカバーアルバムとも言える作品でもあるし、ミュージカルのサントラとも言えるのだろうか、そんなアルバムなんで、曲は全部ボウイのだからそりゃ知ってるし、聴いているとどうもその雰囲気なども似ているのがあって、本人?みたいに思うレベルのもある。本人も混じってるからそりゃ事実かもしれないけど(笑)、よく出来たカバー作品で、聴いてると無性に辛くなるのであまり聴きたくないのが本音。んでも、レベルはかなり高いカバー集。

 2枚組で最初のディスクはそういうカバー作品ばかり中心。2枚目は正にボーナストラックでウワサのボウイの最期の録音作品が入ってる。狙いはこちらなので、じっくり聴くんだけど、当然と言えば当然ながらも「Blackstar」と同じ経路の作品が並ぶ。ただ、こちらの方がもっとアグレッシブなロックテイストが強いかな、「Blackstar」がジャジー色が強いのとはちょいと違う感じではある。ただ、色としては同じトーンで、斬新なカッコ良さを誇るさすがにボウイの作品だし、最先端のカッコ良さを放っているところも見事。こういうのは他の誰にも出し切れないワザだからね。1枚目のカバーの方はそこまで思い入れ無い人なら聴きやすい、というかオススメしたいくらいによく出来たカバーアルバム、さすがミュージカル連中なだけあって、上手く表現しているしね。

 「Lazarus」ってミュージカル、見れるのかな。ニューヨーク行かないと見れないのかもしれないし、そもそももうやってないかもしれないし、そもそも上演しなかったのかもしれないし、程度の事しか知らない。どういう話なのかとかも知らないなぁ…、ダメだね、そういうのから調べてこれ聴かないと面白味半減なんじゃね?とか。ま、そういう興味が沸かないんだからしょうがない。単に「Lazarus」のボーナス聴いて、そうかぁ…と思ってるのが精一杯。もうじき一年経つのか…。





Queen - On Air

Queen - On Air
オン・エア~BBCセッションズ(通常盤)

 QueenってのもPink Floydと同様に英国ではビートルズに並んでの人気、もしかしたらそれ以上かも、みたいに言われることもあるバンドで、コレクター的にもかなり多々あり、集め甲斐があるバンドのようだ。もちろん好きは好きなんだけど、Queenって良い曲と捨て曲との差が大きくて、良いのはとことん有名でヒットしたりアチコチで使われたりしてるんでその人気や知名度も納得なんだけど、そうじゃない曲ってかなり多くてね、そっちはどうなんだよ?と。その辺がとことんまで追求したことない所かな。

 Queenの「On Air」。タイトル通りBBC音源の蔵出しで、以前に「Queen at the Beeb」ってのがリリースされてたけど、まぁ、怪しげなリリースではあったんで、今回の「On Air」は明らかにオフィシャルで2枚組に出演ソースをひたすらに収録してあって嬉しいクォリティでリリース。それにしてもBBCのライブ音源でこんだけオーバーダブ被せてたってのは珍しいバンドだろうな。だからオフィシャルでBBCソースとしてリリースされるのも遅かったのかもしれない。特にギターのオーバーダブが激しくて、堂々と数本のギターが鳴っているワケです。作品として捉えればそりゃそうだけどね、よくやるわ。

 1枚目のディスク分は概ね以前からリリースされていたソースが多く入ってるので、何となく聴き慣れていた人も多いか。2枚目のソースは初登場なのでなるほど魅力的。デラックス盤では更に73年9月のライブや81年ブラジルや86年マンハイムのライブなんてのも抜粋されて入っててお得なようだ。しかもCD3枚に渡ってアチコチのインタビューがまとめて入ってて英語が堪能な方なら楽しめるアイテムに仕上がっているみたい。自分なんかは逆にその辺要らねぇな、ってことで通常盤でいいか、って話だけど。やっぱりね、全盛期のバンドの演奏は波はあるけどひたすらに前向きでパワーが有るライブをやってるよね。だから艷やかだしそのスタンスが聴いてて伝わってくるし、良いわ。それこそ70年代のロックの面白さ。







Mick Ronson - Heaven & Hull

Mick Ronson - Heaven & Hull (1994)
Heaven & Hull

 ボウイの右腕ギタリストとして常に名が挙がるのはミック・ロンソン、自分的にはそれほどかとは思わないんだけど、やっぱり黄金のジギー時代を支えた美青年ギタリストってことで根強い人気があるのだろう。ボウイ遍歴の中でのギタリストって結構多彩なメンツとやってるので面白いし、かと言ってそんなにギターに依存した曲が多いというワケでもないので、やはりクリエイターとしての作品ありきでギターも必要であれば使う、という感じだろうか。それでも一緒に仕事をした面々に対しては常にリスペクトしている節が多く、仲違いしたというのはほとんど無さそうだ。さすがプロの仕事人。

 ミック・ロンソンの遺作となった「Heaven & Hull」は結果的に生前完成に間に合わず、ほぼ出来上がっていたマテリアルを友人たちで仕上げてリリースされたアイテム。1993年の製作中での出来事からこの作業を行い、翌年にはリリースしているのだから当時も話題性は高かった。更に言えば前年の春にはフレディ・マーキュリー追悼ライブでボウイやミック・ロンソン、イアン・ハンターやジョー・エリオットなどもそれぞれに仲良く共演していたワケで、その流れでの合流とサポートだったのだろう。なかなか涙混じりになってしまう遺作なので、レベル的にどうのとか言う話じゃないんだろうな。それでも久々にリリースされたソロ名義の作品としてはかなり気合の入った力作だし、作り上げた連中の腕の確かさってのもあるからか、引き締まったスタンスのアルバムに仕上がっていると言えるんじゃないかな。冒頭二曲は圧巻の出来映えだろうし、ボーナストラックでのライブも聞き所だ。

 タイトルは文字通り天国と英国のハル出身のミック・ロンソンだからハル、なのだろう。相変わらずなロックギタリストになりたがっているギタープレイ、どこか安定しないアマチュア的な側面を持つプレイで、そこが自分的にはどうも、っていう点なんだけど、愛らしいプレイなのかもしれない。ミュージシャンというよりは明らかにギタリスト、ギター好きな人のプレイで曲作りにしてもゼロベースってよりはあるものいじる方が上手そうだし、だからこそソロ作が少ないと言うか、20年位の沈黙があったのか…。いやいや、それでもボウイをして一番のギタリストだったんだからね。





David Bowie - Heathen

David Bowie - Heathen (2002)
Heathen

 大して線の太くないところでも何故か繋がっていて仕事になっていくとか、ふとしたきっかけで会話が弾むとかある。普段接してても全然流れない会話と比べてみるとどちらが自分の日常なのか、なんて思ったりもする。徐々に普通の日常に制されつつあるんだけど、どうにかして脱出して夢の世界で生きたいなんて気がしてるけど、到底無理だろうし、じゃ、一時の夢を見るような生活にしていきたいけど時間が許せるか?みたいなトコだな。時間は作るもの、と言うけどね、それでも足りないってのは大いにあってさ、レコード聴くとかってのはやっぱりそれなりに時間がかかるし、そのために忙しい中で聴くのと、じっくり聴くのでは心構えも準備も違うんで、必要最低限の時間ってのが自分の気分も含めて調整できるか?ってな話。

 ピート・タウンゼントが参加したってことでちょいと面白い話題にもなったDavid Bowieの2002年のノスタルジー感たっぷりな「Heathen」という作品。元々メロディセンスには事欠かない稀代のソングライターでもあるボウイなので、この手の作品を作るのは全く容易な事だったんじゃないだろうか、とも思えるし、以降の作品も含めて実に自然体での曲作りなんだろうなぁと思わせるものが多い。この「Heathen」について言えばビートのある曲そのものがほとんど見当たらない、すなわちガツンと来るようなロックというものではない、ってことだ。じゃ、踊れるようなのがあるか、ってぇとそれもない。普通にポップス的な作品ってのもの見当たらないので、じゃ、どんなんだ?ってなるような感じで、結局唯一無二な作風の世界にいるんだよ、ボウイってさ。歌を聞かせるってほど歌がうまいワケじゃないしさ、曲が無茶苦茶良いか、ってぇとそういうんでもない…、いや、すごく良いのが並んでるからそう聞こえるんだが…、はて、それでは一体この作品は何なんだ?と。

 アルバム単位で聴けば名曲揃いの歌曲揃い、歌唱力にしても表現力にしてもアレンジにしても雰囲気にしても全て見事に作られたハイレベルな作品で、自分的にも実に好きなアルバムのひとつだしね、その要素がボウイだから、って一言に集約されちゃうワケ。味があってどんどん染み渡ってきて、繰り返し聴いて、また忘れた頃に聴いて、って感じでそれでも飽きずに入ってくる深さ。好みだけじゃない気がするけどなぁ。んで、ピート・タウンゼント参加の「Slow Burn」なんかは冒頭からギター弾きまくりの掻きむしってるサウンドがその存在感を際立たせている。この二人の関係性ってのもいまいちよく分からないんだが、ボウイがロック的なのを求める時ってThe WhoやStonesなんだろうな。その期待を全く超えたギタープレイを披露してくれるのがピート・タウンゼント、いやいや、こういうギターを弾けるのはもちろん知ってるけど、やっぱりギタリストとしても素晴らしいプレイヤーであることの証明がこんなところでも聴ける。

 結局この頃のボウイはちょっと自分の歩みをゆっくりしていた時期で、だからこそ自身の60年代の作品を再録音したアルバムを出そうとすらしていた時期で、いくつかはアチコチに断片が入ってるけど、そういう自身の初心の楽曲が同時にマッチするような時期だったんだろう。言い換えると40年くらい前と同じような事をこの時代の楽器とアレンジでやってみた、というお話なのかもしれない。それでも60年代の楽曲群の素晴らしさは改めて知らされることとなったんだけどね。自分自身コレ聴いたのってリリースされた2002年当時くらいで、十数年ぶりに聴いたけど、こんなに良い作品だったのかと驚いてる。この人の場合は70年代とか限定する必要なく、21世紀の作品だって完璧なクォリティの作品が並んでいるんで、まだまだ楽しめそうだ。最終作の「Blackstar」だってまだ全然聴けてないしな…。





Queen - Live in Budapest

Queen - Live in Budapest
Hungarian Rhapsody: Queen Live in Budapest [Blu-ray] [Import]

 リオデジャネイロって単語をよく聞くのだが、そうか、オリンピックの開催地か、って程度にしか世間ごとに興味が無い俗世から切り離れた感覚がヤバい気もするが、リオって言えばさ…ってどうしてもロック的なイメージしかないし、熱狂的な国という印象で、あんなに激しく熱いファン層のいる国もそうそうないだろうと。それでもやはり辺境の地の一つという勝手な解釈ではあるのだが、辺境の地でのライブを成功させていったバンドのひとつにクイーンがある、と言うか自分的にはそういう辺境の地の地名を知るのはクイーンあたりからだったんじゃないかなと思うし、それくらい革新的だったんじゃないだろうか。

 Queenって1981年頃にはブラジル方面でライブもしてたし以降もリオやら何やらとやってたんでそういうの漁って見るとなるほどとも思うけど、まともにビデオになって人気を博したのは1986年にブダペストで行われたライブ「Live in Budapest」。昔はビデオとかLDでリリースされてたんだけどDVD時代になってからは全然出て来なくて、かなり遅れてのリリースだったみたい。確かに1986年のライブだから「Live at Wembley」と重なる部分もあるからなのかな。ただ、Queenのアイテムって出せば出すだけ売れるとは思うんでどんどん出して欲しいもんだ。さっきのブラジルとかリオとかさ。日本公演モノだってあるしね。

 そのライブ、「Live in Budapest」を久々に見た所だが、1986年だからQueen最後の年だと思ってたけど、全盛期の頂点でもあったんだな、ってことに気づいた。だからバンドの勢いや安定感、演奏力やパフォーマンス、特にフレディのパワフルな歌は正にQueenと言わんばかりのエネルギッシュなライブで、広いステージを所狭しと暴れ回り、大観衆を自在に操っている。お得意のポーズも今は懐かしい、圧倒的な貫禄と存在感を示し切っているステージを収めた傑作ライブ。バンド的には70年代の方が好きだけど、Queen的には多分80年代の方が売れてて洗練されているから一般的に受け入れられるスタイルで、好みは分かれると思うけど、ショウビジネスだからね。今じゃこれもQueenだし、正にフレディだし、こういうバンドだったんだよ、というものだ。

 それにしても圧倒的だな、このライブ。ど真ん中のフレディのエンターティンメント魂が会場とステージを引っ張ってるし、皆がそれに従って楽しんでる。東欧の辺境の地、共産圏でのライブでファン側も情報量が少なかっただろう時代にこんなライブを実現していた事、それはそれは結構な苦労だっただろうし、それに見合うパフォーマンスを提供してしっかりと見合ったショウを提供しているし、いや、良いライブだ。こんだけパワフルな歌声聴くと気合入るわ。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2005年 10月 【20件】


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