The Struts - Young & Dangerous

The Struts - Young & Dangerous (2018)
YOUNG&DANGERROUS

 ココ最近のいくつかの新しいバンドのアルバムを聴いていて思うが、案外まだまだロック、捨てたもんじゃないのかもしれない。そこでしっかりとリスナーが着いていけばいいな、と思う。もっとも自分が好んで聴くのはどうしたって70年代のロックの風味やテイストがオマージュされているものが多いので、結局はそこに幻想を見ているだけなんだけど、それでもロックそのものが持つ勢いやパワー、ってのが聴けるから、そうだよなぁ、ロックって格好良いモンなんだよ、と。んでどこか着いて行きたくなるカリスマ性だったり求心力だったりがあるからこそ魅力的なんだし、スターって言われるワケなんだ。そんな幻想を思い出させてくれたのがこれ。

 The Strutsの待望の2枚目のアルバム「Young & Dangerous」。2014年のデビューからの二枚目だから4年目での新作というペースでその大物感が味わえるのだが、実際はそんだけ苦労していたとも言えるのか。ライブで地道に実力を付けて自分たちの可能性を更に模索して音楽的な側面でも磨きをかけていったのかもしれない。そう思えるくらいの成熟した今の彼らを出し切っているアルバムなんだろうな、というのが聴いてて分かる。多分絶頂期。サウンド的には改めて書けば、ポップスの歴史のラインにあるロック、スター性のあるロックソング。今のメタルとかコアなものを好む連中からしたらテイラー・スウィフトと大して変わらないのかもしれないけど、昔のロック、ってこういうもんだったし、それをそのままやってるとも言えるし、当然昨今の流行も取り入れているとも言える。ギターで攻めるぜ、なんてロックじゃなくってしっかりそれぞれの役割がここ一番で出てくるようなロックソング、そんな使い方。

 やっぱり何よりもThe Strutsの魅力はボーカルにあるだろう。ここまで伸びやかに歌が出てくるバンドもそうそう見当たらない、そうクイーンのフレディ・マーキュリーのように。どうしたってダブった姿がイメージされるんだけど、それはそれで良しとして新たな若かりしフレディ的な歌を味わえる魅力。楽曲はちょうど70年代中後半のグラマラスなポップ・ロックバンドのあたりを彷徨いていて、コーラスワークやキャッチーな旋律が見事。ライブでの力が本当に付いてくると物凄いバンドになるんだろうけど、ちょこっと見た昔のライブパフォーマンスはまだまだ貧弱なものだった。どんだけ化けてくれるかなという期待感満載のバンド、アルバムはひたすら流しまくるくらいに格好良いので文句なし。気持ち良い。







Queen - Bohemian Rhapsody (Original Soundtrack)

Queen - Bohemian Rhapsody (Original Soundtrack) (2018)
【早期購入特典あり】ボヘミアン・ラプソディ(オリジナル・サウンドトラック)【特典:ステッカー付】

 やたらとリリースされるリミックスやらリマスター盤、それでも冷静に見ていれば90年代末、2000年代、2010年代、と3代くらいのデジタルでの時間差があるワケだからテクノロジーの進化は早いものだし、だからこそ割と何度もリマスタリングされていったりして、その度に良し悪しが語られ、基本的には情報量が豊富になればなるほどにナチュラルな音の質感がどこまで表現されているか、ってのが問われていくのとついでにボーナストラック論がある。古くからのリスナーは何度目だよ、となるけど常に若い世代、新しく入ってくる世代もいるんだからそれはそれで役に立っているものだろう。それよりもそんだけリスナーがついてくるバンド、って存在感の方が大きい。ロックは終わった、のか語り継がれて生き続ける、のか、って話だ。

 Queenの映画が公開されるようで、宣伝用の映像を見たこともあるのだが、なるほど、そっくりと言えばそっくりだが、滑稽と言えば滑稽でしかない役者が可愛そうでもあるが、ストーリーは至ってクィーンな話だし、別にウソでもない、なるほどハリウッドも映画のエンタメネタが無くなった事からこういう伝記映画という手法を取って来たかと。なんせ、今度はエイミー・ワインハウスの自伝なんかも映画化されるらしいし、何でもありなワケだ。そのQueenの映画のサントラ盤がこれ「Bohemian Rhapsody (Original Soundtrack)」だけど、そこはもうブライアン・メイ、単にサントラリリースしますってだけに留まらず、せっかくのQueen名義のアルバムが話題と共にリリース出来るってタイミングを逸するハズがなく、ここぞとばかりにレアアイテムを突っ込んできた。

 20th Century Foxのファンファーレにブライアン・メイのあのギター重ね録りを仕掛けて「らしさ」を演出、既存曲の音の良さもさる事ながら、「Doing All Right」をオリジナル・メンバーを集めて再録音、なんでここに入るんだ?って話だが、そこが面白さ。その意味では「Don't Stop Me Now」もわざわざどうしてかブライアン・メイが今のギターていくをオーバーダビング、ってか替えてる。意味ないなぁ、と思うが、これもやり直したかった曲なのだろうか。その他はライブバージョンだね。なんてったってリオの「Love of My Life」=観客全コーラス歌いまくりバージョンが最高。どんだけクイーンが神だったのかが分かる。そしてもちろんライブエイドの圧倒的パフォーマンスは音だけで聴いても圧巻。細かいところでは79年2月パリのパビリオンでの「Fat Bottomed Girl」から初登場ライブ、とは言え映像含めて流れてるけど。珍しいところでは「We Will Rock You」のスタジオバージョンからライブバージョンを重ねて繋いたヤツ…、そうですか、って感じ(笑)。

 書くとこんな感じになっちゃうんだけどさ、実際はアルバム冒頭から聴いてて、これがちゃんと飛ばすこともなく最後まで聴いちゃうんだよね。ほとんど頭の中で再生できるのに、やっぱり格好良いんだよ、クイーン。んで、どの曲もしっかり出来てるし音も今時の音だから聞きやすくて古い音とは思えないサウンドに仕上がっているから迫力も音圧もあるし、何よりもフレディの歌声の素晴らしさに圧倒されてしまって存分に堪能した。やっぱりそこいらのバンドの凄いボーカリスト、ってのとは一線を画していて、存在そのものが違う。だからやっぱ凄いんだよ。





David Bowie - Serious Moonlight

David Bowie - Serious Moonlight (1983)
シリアス・ムーンライト [DVD]

 David Bowieの名前を80年代に知った人も物凄く多いと思うし、それでボウイのファン層は確実に広がった。まさかこの人が70年代から、もしくは60年代からのヒーローだったなんて80年代から入った人は想像もしなかっただろう。そんなジジイなのか?って話だが、テレビに出てきて同時期のヒットチャートを賑わせていた人で、同じようなサウンドというかキラキラポップをやってるんだからそんなに差があるなんて思わなかっただろうし、ちょっと老けてるけどカッコよいからいいんじゃね、程度のものだったろう。そう思わせてしまったのも凄いし、そこまでシーンにしっかりとハマったってのもボウイならではだろうか。パッと見てロックな人に思えないからそういう売り方も出来たんだろうけど、無茶苦茶ロックな人だったからなぁ…。

 David Bowieのポップスターとしての全盛期でもある1983年の大ヒットアルバム「レッツ・ダンス」を引っ提げてのツアーのひとつを記録したオフィシャルのライブビデオ「Serious Moonlight」、当時から発売していて今でもDVDでリリースされているから見るもの容易だし、見てもらうとこの頃のボウイの裏切り具合…じゃなくてポップスターとしての地位確立ってのがよく分かるライブ。こんなに器用に踊れる人だったんかい、ってのとかここまで金色に髪の色抜いてイメチェンしてスーツに身を包んでのスター然としたファッションで、明らかにロックからポップスに魂売った的なトコ、よく分かるから。しかも昔の曲もやってるんだけどここまでポップ的に音を変えれるのか、ってくらいにバンドアンサンブルから何から全部変えてしまっての超ポップス的アレンジにホーン・セクション、いやはやこんだけやったら売れるだろうよ、ってな具合。今となってはそれもひとつの楽しみなんだが、当時リアルタイムでこれを見ている時は思い切り80sポップスの一員でしかなかった。他と何の差もなくチャートにいたポップスター。

 当時からやっぱり好きな部類のアーティストだった。70年代のボウイは後追いで知ったから80年代になってここで知ったのが最初だし、ポップスターだったけどどっかやっぱりロック的に聞こえてたのかもしれない。それは昔の楽曲だったのかもしれないけどさ。今はもう全部知ってるからこの時代もアリだけど、いや〜、Duran Duranと大して変わらない扱いだったもんなぁ。んで名前知ってからは坂本龍一さんと仲良いとか「戦場のメリークリスマス」に出てくるとか何かと話題豊富でへぇ〜、なんて言ってる内にボウイの過去を色々と知るんだよね。面白かったなぁ。




Queen - Rock You From Rio

Queen - Rock You From Rio
Rock You From Rio by Queen (2009) Audio CD

 以前はビデオでリリースされていたが今のDVDやBru-Rayではリリースされていないアイテムなんてのも多数存在する。画質が耐えられないものだったからとか、そもそもライブがあまり良くなかったから、とかリリース当時とは権利関係が変わっているからリリース出来なくなったとか様々な理由があるようだが、アーティストやバンドのディスコグラフィとして存在していたならきちんと今のメディアでもリリースしてもらいたいとは思う。これからの時代になるとCDやDVDってメディアもほぼ消えていくんだろうから、映像にしても器は何でも良くってオンライン上できちんと過去のも含むアイテムが手に入るようになると良いな。そこら辺って全然整備されていなくて見れないモノばっかりなんだよな。その分YouTubeなんかで見れるだろ、って話なのだろうが、それはそれでクォリティが著しく低いものも多いし、作品としてはどうなんだ?ってのもね。そうは言ってもそこで楽しんでしまっているのも事実、か。

 Queenの1985年のリオでのライブは以前ビデオやLDでリリースされていたがオフィシャルな所からDVDなどは今のところリリースされていないようだ。一応CD「Rock You From Rio」やDVD「Rock in Rio」なんてのがアマゾンにはあるが、どうだろうなぁ、オフィシャルからじゃないんだろうと思う。何でこのライブをリリースしないんだろ?Queenのライブ映像って何だかんだとリリースが結構遅かったりするんで忘れ去られているのかもしれないが、思い切り全盛期のライブで南米なんだから超盛り上がってるし良いライブだと思うけどな。1981年のブラジルでのライブもスゲェ勢いと迫力があって好きなんだが、こっちの1985年のはもっと完成度が高くて見事なライブをいつものQueen節で続々と歌い上げてくれるし、この疾走感なんかは見事なものだ。こういうライブもリマスターされたきちんとしたアイテム化を望みたい。

 Queenの場合はジワジワと年代別にライブ音源や映像がオフィシャルでリリースされていて、74、75年あたりも出てるし、81年以降も結構あるから後は76年から79年頃のかな。77年のEarl's Courtなんか出てくる可能性は高いし、多分そのうち出て来るとは思うが格好良いんだろうな。昔はこういうのちゃんと追いかけてたからちょこちょこ聞いたり見てたりしたけど、もう最近はすっかり忘れ去ってきているからリリースニュースでもあれば久々にそれが見れる、聴けるってな喜びになってて、本来のファンである様子になってきてるからね、楽しみなんです。いつでも見れるし聴けるけど、そうしない、っていう贅沢(笑)

Rock in Rio [DVD] [Import]


Michael Chapman - Fully Qualified Survivor

Michael Chapman - Fully Qualified Survivor (1970)
Fully Qualified Survivor

 自分の音楽の好みなんて説明しきれない。好きなバンドを並べる事はできるし嫌いなバンドを並べることも出来るけど、その差は何だって言われても実に難しい。そりゃ好き嫌いってのは何だってそういうもんだろう。説明するものでもないし、ある日突然嫌いなものが好きになることもあるだろうし、逆もあるワケだし、だから今ダメでもそのうち平気になるなんてことも普通にあるワケで、聴くタイミングだけの問題だろうと。そこまでして聴く必要があるかと言うと、ほとんどそんなことはない。ただ、ロックの名盤って皆が言うようなものは多分どこかに万人に受ける要素があって、それは良いと思われる事が多いんで自分の感性を測るには良いかもしれない。ただ、自分で好きなものをひたすら聴いて突き詰めていけばそれで楽しめると思うしね。もっともリアルな生活の中で誰かとそういう会話をする、という面においては極端に機会がなくなるとは思うけど、そんなんどうでも好きなことに邁進する、で良いんじゃねぇの、と勝手に締めくくる(笑)。

 Michael Chapmanってシンガー、知らないよなぁ…、いや自分も知らなかったし、何だろ、誰だろ、って見てたんだけどどこにも出てこないしさ、そのくせやたらとレコードでもCDでもレア盤で高値が付けられてて、そもそもそういう価値があるのか?ってのも思うけどさ、英国出身のシンガーで1970年リリースの2枚目のアルバム「Fully Qualified Survivor」なんてのがあったから聴いてみた。あったから、ってのは自分チじゃなくてYouTubeにね。それがですな、実に良いんです。いや、良いって、こんなの良いんかい?って言われるとは思うのだが、ミック・ロンソンのギターが良いんです。自分的に彼のギターはなかなか身近に感じるセンスで、結構好きなんだけど、それがこのアルバムでもアチコチで聴けて、さすがミック・ロンソン!って感じのプレイでしてね、良いんです。まるで曲に合わないくせに堂々と弾いてくれるとか、かと思えば随分繊細に弾いていたりとか、マイケル・チャップマンとの関係はわからないんだけど、ボウイとの仕事の直前くらいなんじゃないかな、だからまだ無名の頃のミック・ロンソンなワケ。最初にそこに耳が向いちゃうのは自分のキャリアのせいだろう。

 んで、作品としてのこのアルバムはと言えば、かなりアーシーなムードで始まり、いわゆるフォークだけどアシッド臭の漂う作品で、結構クラクラするのもあって気持ち良い。ホント気持ち良いってか、ひとつの世界を打ち出してるよね。B級感たっぷりなのにメジャー級と張り合えるセンスの良さ、ってのかな。ロイ・ハーパーやティラノザウルス・レックス的な感覚が大きくて、楽しめる。うん、自分的にはこういうのが良いわ。普通に聴けるポップ的なものよりもこういう尖ったのが好きだもん。もっと前に発掘されていてほしかったアルバム。最初期のハーベストはこういうユニークなのをいっぱい発掘していたんだろうなぁ…。


David Bowie - At The Beeb

David Bowie - At The Beeb
BBCセッションズ

 往年のアーティストやバンドの発掘音源がゾクゾクとリリースされ続け、もはやコレクトするのは不可能じゃないかってくらいにアチコチで様々なアイテムがリリースされている。それなりに売れるんだろうからリリースされるんだろうし、アマゾンで見ていてもこんなもん出してて誰が買うんだろ?って思うけどコレクションする人がいるんだろうなぁ、と感心する。ひとつのバンドに固執したコレクションってホントアイテムとしての価値に偏るだろうから聴くもの、とはちょいと離れていくんだろうし、何か音楽ファンというよりかはアイドル的な追いかけ方に近くて、ちょいと趣旨が違うのかもしれない。それでも中味が異なっていたりするのもあって、なかなか難しいものだ。

 David Bowieの2000年にリリースされた「At The Beeb」。当時はようやくボウイのBBCセッションがまとめて聴けるようになった、ってのが大きくて、2000年のライブが収録されていてもちょいと軽視されていたかもしれないな。自分的にはこの2000年のライブは結構好きで、その実風邪気味な体調で挑んだライブでもあり、さすがにCDには入ってないけど放送された映像ではボウイがなんかの曲の途中で演奏をやめてやり直したりしているのもあったんで、色々プレッシャーもあってリリースせざるを得ないんだろうなぁなんて思ってた。それでもこのCDで聴けるライブはそんなことを感じさせないくらいのクォリティなんだからプロは違う。正に15年ぶりくらいに聴いたんだけど、これ、かっこいいな。この人の不思議な魅力はやっぱり楽曲のレベルの高さなんだろうか、歌が特別うまいってんでもないしね。ロック好きだぜ、って人からするとなかなかどこがロック?みたいな面あるじゃない?70年代はともかく80年代はね、アレだし。ところがこれがまたロックなんだよ、ってかロックの1ページに刻まれている人なんだからさ、ここでもそういうマインドを感じるしね。

 古くからのBBCライブ音源は大幅にスタジオ盤と変わるものでもないし、初々しい時代からバックのメンツが全然違うとかあるけど、やっぱりジギー時代の演奏が一番気概があって頼もしいか。自分的にはそれ以前の曲、アコースティック調の時代ね、その頃のも好きだから新鮮な響きではあった。そう思うとこのBBCセッションってジギー時代までのボウイの歩み、みたいな集大成になってるんだな。ひとつの最全盛期までのストーリーって捉えると良いところで切れてて満足感が高い。久々に聴いてたけどやはり素晴らしいアーティストだ。良く出来てる。


Queen - The News of The World 40th Anniversary Edition

Queen - The News of The World 40th Anniversary Edition
世界に捧ぐ(40周年記念スーパー・デラックス・エディション)(完全生産限定盤)(DVD付)

 今回の様々な反省点…コンテンツのバックアップは手作業でしっかりと確認しながら別のHDDに入れていきましょうってことだ。大体がもう必要なファイルって音楽と映像、写真くらいしかないしさ。メールとかもうどっちでも良いし、iPhoneでアドレス帳は管理されているんだろうし、だからCloudって上手く使えば実に有用ではあるってのは分かる。しかし、自分みたいなコンテンツのボリュームになるとCloud管理なんてのはもう非現実的でさ、テラバイト単位でのCloudストレージってもそうそう安くもないし、そもそも別のHDDにちゃんとあれば良いじゃないか、って思うわけです。今回はなぁ…、失敗。また集められるモノなら別に良いんだけど、もう見つからなそうなのも多いし、気づかなかったことにしたい。

 Queenの「The News of The World 40th Anniversary Edition」が40周年記念ってことでたっぷりのボリュームでリリースされている。とは言っても気になるのはアウトテイクス系くらいかなぁ、ってことでそいつを狙いに聴いてみる。オフィシャルでこうやって出てくるアウトテイクス系ってのはそれでもやっぱり聴ける範囲ないのアウトテイクスしか出てこないからやっぱり最終一歩前あたりのきれいなのなんだよな。生々しいアウトテイクスや制作過程のデモなんてのももっと出てくると面白いんだけどね。どうしたってオルタネイトテイクレベルになっちゃうのは致し方ないか。本作のボーナストラックディスクにしてもきちんとアルバムの曲順に習っての別バージョン集になってて、それはそれで聴き応えもあるし、新鮮な発掘でもあるので十分に楽しめたのは間違いない。ただ、何度も味わえるって代物じゃないのがこの手のボーナスの悩ましいところ、それでもやっぱ聴きたいという欲求があるから商売が成り立つんだが。

 冒頭から如何にもなアウトテイクス感満載でフレディの自然な話し声でスタートする「We Will Rock You」、聴いてると対して変わらないじゃないかって思うけどギターが入ると別物、ってか一本だからこうなるのか?まぁ、それでも新鮮は新鮮、次の「We Are The Champion」はもう完成版に近いから歌い回しとかちょいと違うか、くらいでピアノなんかもそりゃ違うけど、やっぱり良く出来てるレベル。んで「Sheer Heart Attack」は歌なしバージョン、ラフミックス、ね。自分で思い切り歌って被せてwith Queenで楽しみましょう(笑)。「Spread Your Wing」あたりもほぼそのままだけど別物だから微妙に楽しめる。フレディが気持ちよく歌ってるもんなぁ…とかね。「Get Down Make Love」は正に初期バージョン、って感じでこれからどんどん進化したんだなぁってのが分かる。多分これでも完成形に近いバージョンだったんだろうね。練回してアレだったのか、ってのはあるけど、クリエイトな視点で見ればユニークな制作過程。

 などなどオリジナルアルバムを再度じっくり聴いてからの楽しみ方が一番だろうね。自分も終盤はちょいと忘れかけててそんなに違うっけ?って聴き直しながらの楽しみだったし。それにしてもフレディの声がホント素晴らしい。このあたりでこんなに艷やかな歌声だったっけ?ってくらいにそっちの味わいを楽しんでしまった。やっぱりQueenは面白い。




Peter Straker ‎– This One's On Me

Peter Straker ‎– This One's On Me (1977)


 Queenネタってのは色々あるんだけど、どれもこれもってトコロで、こいつはかなりホンモノ、っつうかフレディ・マーキュリーの彼氏(?)のアルバムなワケだからプロデュースにも力が入るってなモンだ。元来の才能がこういうトコロで生かされてて、しかもそこに「愛」しかもピュアなのが入るワケだからそりゃあんた、悪いものになるはずないでしょ、と。しかも元々がそういう才能のあるナルシストな役者さん上がりなワケでしてね、そこにプロデュース業のプロ、ロイ・トーマス・ベイカーまで引き込んでの力作が仕上がっているんですな。知る人ぞ知る、ってアルバムで何と未だにCD化されたことのないアルバムの模様。

 Peter Strakerの「This One's On Me」、1977年作品、どっからどう聴いてもフレディ・マーキュリーそのものを感じるワケで、しかもフレディ・マーキュリープロデュース、しかも愛人、何も言うことないだろ、ってなお話しかない。作曲も演奏もフレディ・マーキュリーは絡んでいないのになぁ、どうしてこういうQueenらしいアルバムが出来上がるんだろうか?しかもどのアルバムみたいとか言うのではなくって全てにQueenらしさが詰め込まれているというのが面白い。やっぱり愛あるが故の作品なのだろうか?ただ、それを意識しなくて聴いても普通に素晴らしい作品なんですな、これがまた。Peter Strakerって人、ジャマイカ人の元々ミュージカルとか出てたらしく、あの有名な「ヘアー」にも出ていた役者さんなので実力はもちろん普通のミュージシャン以上です、だから故にこの力量は分かるんだけど、どうしてこうなる?ってのが不思議。

 多分コーラスとかフレディ・マーキュリーも参加してるんじゃないかなぁ…、もしかしたらデモ段階では歌ってるのかもしれない。それにしても1977年リリースって事はQueenもちょいと悩ましい時期に入りつつあった頃か?その狭間での息抜き制作作品にしては出来過ぎ。こういうトコロから影響も受けて「Mustafa」とか出来てきたんだろうなぁ、なかなか周辺の環境を知ると面白い。







Brian Eno - Before & After Science

Brian Eno - Before & After Science (1977)
Before & After Science

 意外な発見と感動はまだまだたくさんある。常にチャレンジしてみる、新しいものに取り組んで見る、現状に満足してしまわない、みたいな事は意識しなくても人間ってのはそういうモンなのでネガティブであってもそこに拘れることもなく結果的には前進せざるを得ない状況にはなるので、音楽を聴くと言うことに関してもそうなっていくものだろう。じゃなきゃもう既に飽きまくって音楽なんぞ聴かない、こんなブログなんて見てもしょうがない、って人の方が多くなってるハズだ。実際色々取り組んでみると面白い発見多いしね。

 Brian Enoの1977年の作品「Before & After Science」。ボウイの作品をプロデュースしていたドイツに影響を受けまくってた頃の今度はイーノ自身のソロアルバムだ。完全にイーノその人の趣味の世界になってるのだろうと思いきや、アンビエントミュージックではなく、意外な事にあの路線、ボウイの作品群で見せたように鋭い切れ味で研ぎ澄まされた音の世界をここでも実現、更には後の80’sポップス郡、ニューウェイブ郡に通じる世界観の提示、これが新しい実験でもあったのだろう、エイティーズの音はほとんどこのまま展開されていると言える、その原型が繰り広げられている。もちろんイーノのこのアルバムがそこで見直されることはなかったのだが。

 普通にロックバンドの音で歌もあります、バックは凄いです、フィル・コリンズ、パーシー・ジョーンズ、デイヴ・マタックス!、フレッド・フリス、アンディ・フレイザー!、フィル・マンザネラにロバート・フリップ、ビル・マコーミックなどなど、とんでもない面々でクラウトロックに近い世界とエイティーズの原型を繰り広げてる。ものすごく攻撃的なロックだし、他では聴けない鋭いセンス、さすがに名前が轟いている人の作品だ。こういうのがあるからアーティスト達に好まれるんだろうな。単なるアンビエントな人というワケじゃなかったってことです。その辺の誤算が自分にはあったので、こういうの聴いて驚くってのはありがたい話。



Iggy Pop - The Idiot

Iggy Pop - The Idiot (1977)
イディオット(紙ジャケット仕様)

 偏見なしにアルバムに入っている音を聞いてみる、するとたまに自分は何聴いてるんだっけ?って思うような雰囲気の作品に出会うことがある。ロック聴いてるハズなのにジャズだったりとか…、まではないにせよ、ハードロックだと思ってたらアヴァンギャルドに近いロックだったりとか、フォークになってとかそういうのね。古い作品ってのは割とそういうのも既に位置付けられているから予備情報付きで聴けてしまうんだけど、それでも改めて聞くと何だっけ?みたいに思うものに出会うもんだ。

 Iggy Popの1977年作「The Idiot」、ファーストソロアルバムになるのか、ご存知David BowieプロデュースによるほとんどBowie陣営のバンドメンバーと制作布陣が全員集合してそこにイギーが入ってるだけどいうようなもので、歌い手が違うからアルバム違います、というだけの作品。故に名盤として名を残すアルバムに仕上がっていることは言うまでもない。なんせボウイが目一杯ヨーロッパに傾倒していた時代で、自身も名盤「ロウ」「ヒーローズ」あたりを残していた時期だ。ボウイ作の「SIster Midnight」や「China Girl」などはボウイ自身でもアルバムに入れたりしているという愛着ぶり。旗から見てると何で?って思うけどそんな経緯なので普通にボウイが自分の曲を自分のアルバムに入れただけとも言えるのだが、アレンジが異なるからパッと聴いてわかりにくいだろうけどね。イギー・ポップはどういう心境だったのかな…。

 そんな人間模様と作品の背景ではあるが、アルバムそのものは確実にクラウトロックのひとつと言ってもおかしくないくらいに実験的な作風と研ぎ澄まされた空気感に包まれた鋭い作品で、そこにイギー・ポップの本能的には攻撃性をヒメているが敢えて落ち着いている静かな歌とも思わせるような歌唱、時折出て来る野獣のような攻撃的な歌い方がその凶暴性を垣間見せるが、その鋭さが見事にこのボウイ流のクールなロックの中でボウイには出せない味として出て来る、それこそがこのアルバムの持つ野性味。そこが大きく違うんだな、ボウイさんとはさ。

 アルバムジャケットも一体なんのポーズなのだろう?意味はないさ、と言うものではあろうが、その不思議さってのはいつまでも残る。あのイギー・ポップがこれか…というような音の反応だったと思うけど、こういう出だしだったからこそイギー・ポップというアーティストの立ち位置もきちんと出来てきたとも言える、かなり正しいスタートだったアルバム。



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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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