Chicago Plays the Stones

Chicago Plays the Stones (2018)
Chicago Plays the Stones

 秋を感じるって良いね。よく「どの季節が一番好きですか?」って質問あるけど、自分が答えるのはやっぱり秋なんだろうと思う。それぞれの季節やその境目は好きだし、その見方だと好きじゃない季節ってのは無いなぁ。日本人だな(笑)。風情や季節感、それぞれの変わり目みたいなの全てが好きだし。考えたこと無いけど、そうだな、その季節感を感じるのが楽しいというのかありがたいと言うのか、そこには食べ物もついてくるし、ここ一連の災害みたいなのもあるのだろうけど、日本って面白いし良い国だなって実感する。もうちょっと頑張れってのはあるが(笑)。

 The Rolling Stonesの楽曲群をブルースメン達がカバーするというユニークな発想によるコンピレーションは物凄くたくさんリリースされてるんで全部聞けているハズもないのだ、今回また新たにその発想で出来上がってきた作品が「Chicago Plays the Stones」だ。こちらは当人のミック・ジャガーもバディ・ガイの「Doo Doo Doo Doo Doo (Heartbreaker)」でのサビのバックで参加しているというのがユニークなコンピモノ。ちょいと前に出るってのを聴いて楽しみにしてた一枚だったんで、聴いてみたら軽い衝撃を受けた。オープニングの「Let It Bleed」からしてそうだし、超有名曲の「Satisfaction」や「Angie」ですらこうなるのか、ってのがあってそれはもうアルバム全編を通して言えるのだが、全てがストーンズオリジナル風味が消されていてブルースならではの進行やアレンジやフレーズに置き換えられている。こんな風に出来るのか?こんなリフでメロディ同じで入れるのか?メロディ変えても良いけど成り立つのか?とかそんな不思議が見事に同居してて、何で成り立つ?ってくらいに見事にストーンズの原曲をぶち壊してブルーススタンダードを持ち込んだ曲に歌詞だけがうまく乗っかってる、とも言えるアレンジだ。

 不思議なのは「Miss You」みたいに原曲を意識してあるアレンジのブルースを聴いているとちょいと面白味に欠けてしまうというところで、それでもリフが残してあるだけで曲そのものは明らかにブルースアレンジ、この流れが普通なんだろうけど、ちょっと魅力に欠ける。ん〜、こういうのが出来上がると想像してたんだけどそれを遥かに上回る超絶ブルース作品集に仕上がっているってとこか。地味な楽曲郡が後半に固まってるけど、「I Go Wild」でのこういうのもありなの?って感じるし、若手ブルースメン中心なのかなぁ、あまり名前を知らない面々だからこれからちょっと気にしてみようと。いやはや話題だけかもしれないけど、これはなかなか楽しめる作品です。






The Rolling Stones - Emotional Rescue

The Rolling Stones - Emotional Rescue (1980)
Emotional Rescue Original recording reissued, Original recording remastered Edition by Rolling Stones (1994) Audio CD

 長々とロックを聴いていると時代に変化に即反応していくことで自信の音楽性との融合を試みていくってのも重要なやり方だってこともあるし、10年一日スタイルだからこそファンが離れないというのもあったりする。自ら新しい独創性を出していくという開拓者たちもいるけど、そこはかなりのチャレンジ精神が必要になる。そんな大きな方向性をにらみながらどういうアルバム作りをしていくか、みたいなことがそれこそ会議室で行われてアルバムの制作に入るなんてのがロックバンドの世界でも当たり前だ。自分たちが若い頃に思い描いていたロックってのは…、みたいな姿ではなくしっかりと売れるものを売るために、そしてバンドの価値を上げていけるように作っていくってのがバンドの使命だ。なんだよ、それ、ってな話だけど、それを上手くやれるのが世界のトップバンドなワケ。

 The Rolling Stonesの1980年リリースのアルバム「Emotional Rescue」。録音はもうちょいと前で、正に英国にレゲエやスカ、ダブなんかが思い切り入り込んできて一大ブームともなっていた頃だが、あのストーンズですらアルバムの方向性のひとつとしてこのジャマイカンな要素をベースに持ち込んだという奇作。ストーンズなら何をやっても許されるのか…、許されたんだな、これがまた。ストーンズの全アルバムの中で最も異彩を放っているアルバムなのは異論はないのだが、一方で「Emotional Rescue」を好むリスナーが多いことも知られている。何でだろ?って思って何度も聴いてたんだけど、ストーンズってバンドの本質が出ているからじゃなくて、ストーンズが流行を取り入れてやってみたら案外相性良くて面白いのが出来上がった、そんな異色の作品だから面白い、唯一ストーンズがブレた作品だから、とも言えるか。

 そんな背景論はともかく、作品の音だけに絞ってみると何がそんなにレゲエ、ダブ風味なんだ?ってなるが、やっぱりビル・ワイマンのベースラインの作り方が著しく異なるような感じだ。ここまではっきりとした感じで弾いていたことは無かった、もしくはこんだけ前に出したミックスってのも無かった感じだから目立っている、って事かもしれない。ほかは正直、そんなにストーンズとかけ離れた感はないし(当たり前だが)、じゃ、何がこの特異な音作りになるんだ?って話。チャーリーのドラミングもあるかな。ギター陣営はある意味いつも通り。ミックも同じく。う〜ん、それでいてこの音か。面白いバンドだ。デヴィッド・ボウイなんかは自分が異なるサウンドをやりたい場合はバンドをまるごと変えちゃうんでわかりやすいんだが、ストーンズの場合はそうもいかないんだからやっぱりメンバーのスタイルをちょいと変えていくしかないもんな。やっぱりストーンズは器用なメンバーの集まりなのかと違う側面で感心してしまったという…。なるほどストーンズファンから評価が高いアルバムのはずだ。






The Rolling Stones - On Air

The Rolling Stones - On Air
【早期購入特典あり】オン・エア(2CDデラックス)【特典:特製下敷きカレンダー+クリアファイル1枚】

 ロックってカッコイイよ。そんなふうに思う瞬間ってのがよくあって、多分このブログでもこういう始まりってよくあるんじゃないかな(笑)。つくづく聴いててロックってカッコイイな〜って思うことがあってね、だから聴いてるんだけど、それにしてもこの期に及んでもまだカッコイイって思っちゃうんだもんな。何回も聴いてるし知ってる曲だろうし今更衝撃もないだろ、ってわかってるのにカッコイイわ〜ってなるから始末に負えない。先日のヤードバーズなんかもやっぱ凄いな〜かっこいいな〜、って沸々としていたんだけどね、今日はもうなんてったってストーンズですよ。

 The Rolling Stonesの期待の初期BBCセッション集「On Air」。アングラでもネットでも聴こうと思えばいくらでも探せるし聞けちゃうんだけど、オフィシャルでまともにリリースするとなるとその聴かれ具合っつうかファン層の広さが凄いから知ってる人も知らない人も聴くし、そのカッコよさにまた唸らされるってなもんだ。自分もその一人でブートなんかで聴いていたときは貴重さと言うか、そういう感覚で聴いてるから音の良さもそこまで求めてないしそもそも60年代の音なんだからたかが知れてるワケでさ、知ってる知ってるなんて言うだけだったんだが、オフィシャルで思い切りリマスタリングして現代の技術で50年以上前の録音が復活しているんだからこれはもうとんでもない音質なんだよ。どうやってここまで深みのある生々しい音に仕上げることができるんだ?ってくらいに立体感と臨場感と自然っぽさを感じられる音でBBC音源が聴ける、言い換えると60年代初期のデビューしたばかりの頃のストーンズのライブが聴けるってことだ。このままのスタイルで英国でライブやってたんだろうなぁ…、そう思うとものすごく感慨深いのと生々しいストーンズが格好良いのだ。

 自分的にはストーンズってファーストアルバムが一番好きかもってくらいには最初期が好きなので、正に1963年の「Come On」から始まるなんてもうそれだけでロックはカッコイイな〜ってなるんです。んで「Satisfaction」でしょ?もう言うことないよ。この後アルバムにも入っていないカバー曲なんかも連発してくるし、これこそ60年代のバンドの普通の姿、皆が皆オリジナル作るなんてことよりもカバーやってた頃だしね、そこに入ってくるストーンズクラシックな曲はやっぱりちょいと異質感ある。うん、だからこそ格好良い。でも、カバーで熱く演奏しているストーンズのカッコよさは堪らない。ブルースに熱中している若者たちのそのままの音、誰もこの時点でストーンズが有名になるなんだこと思ってもなかったし、単なるブルースバンドのひとつでしかなかったし、それが今こうして聴ける…、ロックは良いよ。


The Rolling Stones - Sticky Fingers Live at the Fonda Theatre 2015

The Rolling Stones - Sticky Fingers Live at the Fonda Theatre 2015
ザ・ローリング・ストーンズ『スティッキー・フィンガーズ~ライヴ・アット・ザ・フォンダ・シアター2015』【初回限定盤Blu-ray+CD(日本先行発売/日本語字幕付/日本語解説書封入)】

 往年のジジイ達の近年の作品はホントに侮れない。近年の作品っても最近のライブをそのままリリースなんてのだから今の姿そのままなんだよね。んで、そこにはレトロ感やノスタルジー感だけじゃやっぱり面白いモノにはならなくて、どこか現役感があって初めて楽しめるモノになっている、ことが多い気がする。それにしてもThe Rolling Stonesの現役さ加減は実驚くばかりの素晴らしさだ。ミック・ジャガーはあれでもう70歳中盤を過ぎているんだよな?70歳だぜ?それであの声とパフォーマンスなんて普通考えられないだろ?あのスタイルもそうだけどさ、とんでもない化け物だ…。

 ロック史上に残る名盤の一枚でもある「スティッキー・フィンガーズ」を2015年になって丸ごと再現してみましょう、って企画から始まった特別ライブ「Sticky Fingers Live at the Fonda Theatre 2015」で、いつもはデカい会場を満員にしてショウマンシップたっぷりの一大イベントばかりをツアーしているストーンズだが、ここぞと言う時のライブでは割と小さなハコで昔ながらのライブ感をやってくれることもある。今回の「スティッキー・フィンガーズ」再現ライブは正にその小さなハコでのライブ、フォンダシアターでのショウで、「スティッキー・フィンガーズ」そのままかと思いきや、初っ端から「Start Me Up」で始まるというずっこけた話なのだが、そこからはもう「スティッキー・フィンガーズ」に収録の曲が乱発される。乱発ってのはアルバムの曲順通りじゃないからさ、馴染みのある曲順じゃなくってそれはそれで楽しみ。んでも見てるとねぇ…、ミック・ジャガーの驚異的な体力と歌声もあるんだけど、キースのギターがカッコ良い。とにかく凄くカッコ良い。どんなギターを弾いても独特のトーンとフレーズと言うか、もうコードから離れてコードトーンを鳴らすワザにまで入っているから何弾いてるか分かんないもん(笑)。面白いのはロニーも同じようなブロークンな弾き方になってて、随分と贅肉の削がれたギタースタイルで成り立っているバンドになってるのだな。アルバムとの印象の違いはもちろんだけど、今のストーンズだからこその音、そして当時のライブよりも完成度が高くてカッコ良いという…。スライドギターもアコギも何も全部出てきて、やっぱり70年代を生きてきたバンドだからこそのプレイスタイル、世界最高のロックバンドってのはホントにそう思う。ここにはたどり着けないんじゃないかな…。

 ミック・ジャガーもギター弾いたりするし、アドリブで「You Gotta Move」のコーラスが突然繰り返さりたりするし、やたらと楽しめる。一番はストーンズの原点であるブルースってのをここまでたっぷりと味わっていられるライブってのもないし、セットリストもヒット曲からちょいと離れてマニアックな曲ばかりでのライブ、皆練習したんだろうと思うけど、だからこそ何とも完成度の高いライブに仕上がっている。古い過去のアルバムで出来るものなら幾つかはこうして再現ライブなんてのをやっってほしいものだ。ミック・テイラーだって呼べるだろうしね。そしてストーンズの現役感がたっぷり出ているライブで、さすがのストーンズ、スゲェかっこいい。






Mick Taylor - Stanger In This Town

Mick Taylor - Stanger In This Town (1990)
STRANGER IN THIS TOWN

 渋いイメージのギタリストってぇと結構思い付いたりしてみんなどうしてるんかなぁ〜なんて知り合いでもないくせにその動向が気になったりします(笑)。こんだけロック聴いてるとさ、昔聴いて今は聴かないのとか、あったなぁ〜ってのも多いワケで、そうするとこうして色々と聴いてるとそういう懐かしさと言うか感慨深さみたいなのも出てきてですね、妙に親しみを覚えていたりするものなんです。

 そうそういぶし銀というには有名すぎるし渋いイメージってもちょいとメジャーすぎるんだけど、それでもやっぱりストーンズという晴れ舞台に参加するには渋すぎたし、その舞台を降りてからの活動もほとんど目立たない中、まだまだミュージシャンとして今またストーンズの舞台にも参加したりしているという不思議な人、もっともその頃に相当稼いだから生きていられるのかもしれないけど、実際はブルースギターの好きな人でそれだけだったんだろうなぁとも思う人、ミック・テイラー。ソロアルバムらしいのは実はあんまり出してなくって、ひたすらライブプレイに活動を置いていた人なんだろうなぁ、それこそブルース好きって話だ。んで、そんな活動をまとめているのが1990年にリリースされた「Stanger In This Town」というほぼカバー曲ばかりの寄せ集めライブアルバムだ。

 これがまた確かにストーンズに在籍していた人だもんな、そうかそうか、ってくらいにブルースプレイしている。歌って弾いて楽しんで、思い切り演奏してるね、ってのがたっぷり入ってるアルバム。脱退時には音楽性の方向性の違いと言いつつもこんだけのブルースソングばかりで何が違ったのだろうか?と不思議に思うが、もうちょっと真面目なブルースやりたかったのかもね。入ってる曲はブルースロック好きなら大抵知ってるのばかりで、曲はともかくギタープレイに耳が行ってしまうトコロだけど、やっぱりさすがだよね。出て来るフレーズがもうああいうのだもん。ただ、出しゃばらないってのがやっぱり第二の男的スタンスと言うのか、ギターヒーローにはならなかったオトコのスタンスと言うべきか、渋いギターをたくさん聴かせてくれるライブアルバムです。








Rod Stewart - A Night on the Town

Rod Stewart - A Night on the Town (1976)
Night on the Town

 新しいバンドなんかもちょこちょこ聴いてるんだけど、どうもどこかピンと来なくてね。好き嫌いって話だけなんだろうけど、一旦は聴いてみたりして自分に合わない理由が何かってのをはっきりさせておきたいとも思うけど、なかなか大部分が合わないんだからしょうがない。ところが70年代のだと昔は聴かなかったので、すんなりと馴染んで聴けるんだから不思議なものだ。近代の良い音質が苦手ってワケでもないだろうし、70年代のが特別何かってんでもない…、だから単純に良い音楽かどうか、なのだろう。作り込みすぎていない音の方が好みなのかな…、それはあるかも。

 Rod Stewartの1976年のワーナー時代の作品「A Night on the Town」。最後のロッドR&R時代の作品とも言えるのか、既に終わってるのか…、まだチャラい方向には進んでいなかった最後のアルバム。古くからロッドを知ってる人はロック謳わせたら天下一品みたいなの知ってるだろうけど、ヒット曲あたりから入った人はそんなイメージないしねぇ…、自分も得意な人ではないって思って思ってたし。昔ロック本なんか見てて、ロッドならこのアルバムも良いぞ、みたいなのでこのジャケットがあってね当時中古レコードでたまたま見つけたから安く買ってきて聴いてたことがある。とにかくヤワくて面白くないアルバムで、一回全部聴かないウチにお蔵入りしてて忘れてたアルバムのひとつだ(笑)。

 A面はソフトな楽曲集でロッド作が多い、B面はR&R作品集でカバーが多い…ってことはやっぱヤワいんじゃないか、なんてのあるけど、この人の場合自分の曲だろうが人の曲だろうが何歌ってもロッド・スチュワートになってしまうんだから構わないんだろうなと。それだけ天性の歌声が特別な人だし、このアルバムでも見事に自分のモノとして統一された歌声と作風を披露してくれているからそれなりの名盤として語られているものだ。自分の才能に自信が溢れてるもん。しかも「Atlantic Crossing」でヒット出したばかりだし、プレッシャーってよりもゆとりだよね。この後はディスコでも売れる人になるし、いやはや才能豊かな人だから出来るワザ、それでもこのアルバムも軽快で悪くない作品。



The Rolling Stones - Ladies and Gentlemen CD

The Rolling Stones - Ladies and Gentlemen
レディース&ジェントルメン(限定盤)

 昔ストーンズのビデオを見ていて1972年のライブの映像が一部使われてて、それがとてつもなくカッコよかった事からストーンズで一番良いのは1972年のライブなんだろうな、って思ってた。1990年に初来日公演が実現したんだけど、その時はもうジジイのストーンズって感じだったから、1972年のストーンズの姿なんて到底見れるワケもなく、あのライブ映像見れるもんなら見たいモンだ、なんて思ってた。まぁ、その後裏世界に入ると普通にあるシロモノだったんだけど、ストーンズの裏モノに手を出すほどゆとりもなく割とスタンダードなもの以外は手を出さずにいたからまともに見たのはオフィシャル化されてからになるのかな。

 The Rolling Stones「Ladies and Gentlemen」のサウンドトラックという位置付けになるのか、1972年6月24,25日にテキサスで行われたライブからの抜粋映像と音源になるんだが、差し替えなども発生していて今回どうなってるかまでは検証してないしする気もないけど、単純にあのストーンズ、全盛期のストーンズが楽しめるのか、ってことでちょいとワクワクしながら聴いてみる。映像もついでに見てるんだけど、この頃のヤツって暗くてカメラもワケの分からないトコロを写したりしててカッコ良さは通じるものの見ている分にはちょいとツライのも多い。もちろん貴重な記録だし、とにかく若々しいしバンドとしての勢いが凄いのは一発で分かるでしょ。ミックとキースも仲良さげにステージでライブしてるし、ミック・テイラーのギターの音色の美しいこと…、キレイなギター弾くよねぇ、この人。

 もっと早くにリリースしてほしかった作品だ。そしたらもっとストーンズにハマったかもしれないのにな。しかしまぁ、皆絶好調で、とになくカッコ良い。こんだけ毒々しい雰囲気を出しながらライブやってるバンドもそうそうないだろうよ。やっぱロック的に凄い。ブルースからの逸脱、ストーンズ流ロックの確立、カントリーへの接近と貪欲に音楽的に広げていった時期、その傑作が「Exile on Main Street」というアルバムに集約されているのだが、正にその頃のライブで、悪いはずも無かろうよ。カッコ良いな。





Small Faces - Playmates

Small Faces - Playmates (1977)
プレイメイツ

 70年代の日々はアーティストやバンドにとってとても早く過ぎ去り、命を削る日々とも思えたんじゃないだろうか。あまりにも早く過ぎ去っていった事で革新的なスピードでロックは発展し、繁栄し、栄化を誇り、そして衰退していった。ビジネス面でも器材面でも産業としてもロックは猛スピードで駆け巡っていったのが70年代。60年代からそれは続いていた事で、多くのアーティストがどこかの時点でレイドバックした作風に走る事になるのも特性か。80年代以降ってそういうのあまりないでしょ?アンプラグドシリーズはあったけど、レイドバックとはちょっと違う。だから70年代のロックバンドは命削ってロックしてたとも言えるんじゃないか、と。

 Small Facesの1977年再結成してから最初のアルバム「Playmates」ってのを。スティーブ・マリオットがHumble Pie解散してしまってふと周りを見渡してみると昔のメンツが皆ヒマそうにしてたんで、じゃSmall Facesやろうか、ってなことで始めたらしいけど、常にどこか浮いたロニー・レインが早々に離脱してしまってオリジナルメンバーでの再結成アルバムにはならなかったのが残念だけど、そうなるともちろんスティーブ・マリオットが主権を握っての作品になるのは必然で、どっちかっつうとスティーブ・マリオットのソロアルバム的な捉え方をされるアルバムみたい。実際に聴いてみるとなるほど、昔のSmall Facesのモッズアルバムなんかとは全然異なるスティーブ・マリオットの歌声を中心としたレイドバック気味のメロウな作風とも言えるゆったりまったりした作品。もちろんSmall Facesらしい、というかシンプルなロック調なのはあるからメンバーがこの面々っていう理由はあるんだろうけど、クリエイティブな側面での活躍ってなるとどこまであったのか…。

 ロックは初期衝動、っていうのあるんで、こういう狙った再結成劇だとその初期衝動ってのが無いからどうしたってロック的なものには仕上がらないか、スティーブ・マリオットの歌が相変わらずなソウルフルボーカルでまだまだその歌を発揮できるのになぁ、こういうんじゃちょいと物足りない。とは言え、唯我独尊な歌とギタープレイで楽しませてくれるんで、バンド名ほどの期待は返ってこないけど、かなり良質な部類の作品が詰め込まれているのでその印象だけでスルーしてるとちょいと勿体無いか。かと言って何度も聴く、っていうアルバムではないだろうけど。



The Rolling Stones - Blue & Lonesome

The Rolling Stones - Blue & Lonesome (2016)
【早期購入特典あり】ブルー&ロンサム(通常盤)【特典:ザ・ローリング・ストーンズ特製2017カレンダー(B2ポスター仕様)】

 ストーンズがブルースカバーアルバムをリリースする、ってのは随分前から話題になってたので、割と楽しみにしていた。元々がそういう出自のバンドだし、初期のアルバムなんかはモロにそのままだったのもあるし、それでカッコ良かったしね。初期のアルバムって大好きだからさ、まさかああいうのにはならないだろうけど、やっぱり原点回帰ってのは楽しみでもあった。クラプトンにしてもそういう回帰はちょこちょことやってるからネタ的にもありだろうし。とは言え、どういう風にやるんだろ?ってなるとあまり考えることもなく、そんなにアレンジもしないだろうし、そのままストーンズなんだろうと漠然と思ってた。それをいよいよ聴けるってのは嬉しい限り。

 2016年リリースのThe Rolling Stones「Blue & Lonesome」。正に昔のラジオで鳴っているかのようなモノラルみたいな音で、しかもラフなスタジオでのチープな録音を再現しているカネ掛けた安っぽい音作り(笑)。どうも馴染みやすいなと思ったらこの音だ。ブルースにはこういう音作りがちょうど良い。ハイファイな音だとどうにも味気ないし、そもそもがスカスカの音楽なんだから音が分離してるとスッカスカになっちゃうから、こういう真ん中に音を集めたのが良い。実際はきちんとステレオなので上手い定位で鳴らしているので楽器ごとの音は聴きやすいしね。それでいてこのガレージサウンド…、一発録りに近いんだろうなぁ、これ。マイク並べてせーの、で録音みたいな。ドラムの音だって生々しく鳴ってるし、シンバルだって、近年こういう音でのなんて聴いたことないしな。ウソかホントか知らないけど、録音している時に隣のスタジオにクラプトンがいたからゲストで参加してもらって、ってのも話題のひとつ。ちょこっと弾いてるだけで無茶苦茶引き締まるのはさすがの風格で、アトランタのライブの様相を思い起こす。同じブルース好きでのブルースルーツのスタイルなんだからもっとマッチするかと思いきや、割と水と油的なスタイルの違いがユニーク。

 キースがこんだけギター弾いてるのをじっくりと聴けるのもいいなぁ…、こうして聴いてると割とロニーとのギターの違いが顕著になると言うか、そんなに違いを追求したことなかったけどわかるモンだな、多分(笑)。テレキャスなのかな、これ。どの曲も二人のギタリストがこうしようああしよう、なんて決めて弾いている風は全くなくて、曲決めてそれぞれのスタイルでカバーしてそのままの解釈で鳴らしているというか、だからふたりのギタリストがそれぞれの思いで弾いているからユニークだよね。ソロパートはどっちって決めてるからそういう鳴り方だけど、やっぱりさすがだ。しかも凄いのはどの曲もストーンズなんだ、当たり前だけど。ミックなんかもう何歌ったってストーンズだもん。ハープ吹きまくりが楽しかったんだろうかね、リトル・ウォルターのカバーがちょいと多めに見えるし。チャーリーのドラムも、いつもとは全然違って鳴りが良いからか、生な音で響いてくるから全然ストーンズらしくはないんだけど、全体としてはやっぱストーンズ。案外バンドらしさが出ちゃってるのも面白いな。

 総じてストーンズはやっぱりストーンズだったし、ここまで完全にブルースをロックにしちゃったバンドはいないし、原点回帰してみたら自分達がブルースを飲み込んでいたってのがアリアリと分かる作品。50年やっての原点回帰だもんな。スゲェわ。こういうの聴いてるとこのジジイ達まだまだやれるんだろうな、って思う…ホントかよ(笑)。さりとていつもの如く、この手のアルバムはギター的には結構何度聴いても楽しめるしじっくりとフレーズを研究するには持って来いのアルバムだけど、リスナー的には何度も聴けないアルバムになるのかな。そこはブルース、やっぱり満腹にはなる。





The Rolling Stones - Havana Moon

The Rolling Stones - Havana Moon
Havana Moon (2CD+Blu-Ray)

 特に前情報もなく、YouTube漁ってる時に見つけたストーンズのキューバ公演のライブ映像、キューバでやったんだ…って思って凄いたくさんの人の中でやってる映像がいくつもあってね、それを何となく見てたらエラくかっこよく見えて…、多分ホントにカッコ良かったんだけど、あぁ、ストーンズってやっぱスゲェな…と。しばらくしたらもっと映像がキレイなのが幾つかあって、オフィシャルからリリースされてたのを見てて、こりゃまたやっぱスゲェなと。そしたら映画館上映とその後にはBru-Rayのリリース、ついでにCDもリリースみたいな話で、新作前にこんなライブが届けられたので早速。

 「Havana Moon」、2016年3月にキューバのハバナでのライブって…、こうやって世界はひとつになっていくんだ、みたいな姿だったら嬉しいんだけど、実際はそんな単純じゃない。でも、こんな事でひとつになれてる瞬間ってのはあるワケで、その時間は重要だし、可能性を見せてくれているのかもしれない。そんな大人の意思はともかくながら、演奏するストーンズ側ももちろん気合の入った姿を振り絞ってくれているからなのか、いつもの姿そのままなのか、とにかく呼吸の合ったライブパフォーマンスを味わい深く見せて聞かせてくれてて、ココ最近で見たストーンズのライブの中ではダントツ出来映えなんじゃない?まぁ、実際ライブの音だけ聴いてるとこんな下手だっけ?みたいなのは多いんだけどさ、それでもやっぱりスゲェな〜と。

 ミックの歌い方にしても息継ぎは多いし、ロンやキースだって何かもう音出てないし…っての多いし、チャーリーのドラムもパワーなんてないし、鍵盤やベース、コーラス陣営なんかは相当に頑張っているんでバランスは保てているんだけど、やっぱりロックバンドのパワーとしてはジジイ的でちょいと寂しいが、それでもやっぱりストーンズ、きちんとカッコ良さを伝えてくれてる。ロニーのスライドとかやっぱりかっこよいなぁ〜とかキースもここ一発のギターとかやっぱり圧倒的なカッコ良さだし。70過ぎたジジイ達のプレイじゃないだろ、ってのは確かだ。こんなん見せられると他のロックバンドってツライよな。そういうのも含めてストーンズってのは革命者だし唯一無二の存在だしっていう存在感を見せつけてくれているようだ。今度リリースされる新作「ブルー&ロンサム」も楽しみだな。







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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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