Tyrannosaurus Rex - My People Were Fair and Had Sky in Their Hair... But Now They're Content to Wear Stars

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 早すぎた死を迎えたロックスターの数々。しかしその死を最初から予言していた人はほとんどいないだろう。アイツはそのウチ死ぬに違いない、みたいに言われていた人はたくさん存在していて、結果まだ生きているというキースやクラプトンという人物も当然いるワケで、そりゃまぁ、皆が皆ドラッグによるもので目の当たりにすると信じられない光景だったり、情景を生き抜いてきたってことなんだろう。しかし自ら「30歳まで生きられない」とか「これが最後のシングルになるだろう」とかさらりとさりげなく言ってしまう人も珍しいと思う。そして実際にそうなってしまったのがマーク・ボランです。

ティラノザウルス・レックス登場!!+7 神秘の覇者(紙)

 キャリアは長くてティラノザウルス・レックスの前にジョンズ・チルドレンっつうバンドでギター弾いてたり、その前もあれこれとプロになるための修行、例えばパリで魔法使いと同居して黒魔術を学ぶとか、そういったことをやっていた変わり者で、プロになってからもクラプトンにギターを習いに行ったりとかね、それにビートルズ…、有名なのはアルバム「The Slider」のジャケット写真はリンゴスターがジョン・レノンの家の庭で撮ったものだったりとかさ。その魅力というかそういう運命に持っていくこと自体が彼の恐ろしいところで、21世紀となった今でもCDだて何度も再発されるくらいにカリスマ的人気を誇っている。決して音楽的にレベルの高いことをしているワケでもないのに、完全にカリスマ化されているもんね。1972年の初来日当時は後光が差していたとか…、多分ホントだと思う。それくらい持ってても不思議じゃないもん。

 そんなマーク・ボランがティラノザウルス・レックスとして最初にシーンに出てきたのは実は1968年のこと。有名なシングル「Debora」がデビュー作品で、すぐにその「Debora」が入っていないアルバム「ティラノザウルス・レックス登場!!」をリリース。これがまた実に不思議なアルバムで、英国の1968年と言えばもうサイケデリックムーヴメント真っ只中ではあるけれど、アシッドフォークをモロに実践していてさ、しかも相方はスティーヴ・トゥックのパーカッションだけなのでもの凄く土着的というか精神的に高揚する民族音楽的な側面も持っていて、そこにマーク・ボランの浮游的で揺れまくっている軽い歌声が呪文のように囁いてくるという何とも独特の雰囲気を持った作品で、後のおもちゃ的サウンドとは異なる、というかどうしてT-Rexってどこか影があるんだろう?って思う人はこの最初期を聴いて下さい。ルーツと彼の裸の姿がわかります。

 この浮游的傾向はセカンドアルバム「神秘の覇者」まで続いて、やっぱり英国的というのか、しっかりとシングル作品はアルバムに入っていないので、別に揃える必要ありというのがしばらく続く。だからまともなT-Rexのベスト盤を入手すると大体数曲だけこの時期の妙〜なサウンドが入っているので、耳を惹く音であってほしいなぁ。「Debora」とか「One Inch Rock」とかあると思う。

 CDでは何度か再発されているらしく、オリジナルのモノ音源に加えてステレオ音源を丸ごと加えて更にシングル三曲を加えたものなんかが出ているのでたっぷりと堪能できるくらいのボリュームだね。紙ジャケにもなってるし、まぁ、やっぱり伝説的英雄です。

Sweet - Desolation Boulevard

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 何となく前髪のインパクトで衝撃的だったバンドって他にもあってさ、スレイドとかスイートとか強烈だったよなぁと思い出したので…、スイートで進めようかな、と。っても名盤「Give Us a Wink」は過去に既に書いているので、彼等の中でかなり好きな曲に位置する「Fox On The Run」が入ってるアルバム「Desolation Boulevard」。

Desolation Boulevard Give Us a Wink

 1974年リリースのアルバム。この頃のスイートって一番脂が載ってた時期で、このアルバムとこの後の「Give Us a Wink」が一番ポップでキャッチーでロックでインパクトの強い時代。「Action」なんかもこのちょっと後だしね。当時本気でこのバンドを好きだった人ってどれくらいいたのかわかんないけど、凄いセンスしてると思う。ある種アイドル的に好きだった人ってのもいるとは思うけど、ロックバンド的にはどうだったんだろうねぇ。今聴き直して見ると狙ってたんだろうなぁと思えるくらいに的確にキャッチーに作っていたって感じはするからわかるんだけど、それにしても面白い。こういう商法があったか、っていう最初の頃のバンドなんじゃないかな。

 とは云え、結構苦労していたバンドで、その辺の来歴は前にも書いたので割愛するけどロジャー・グローバー絡みの流れにあるバンドで活動歴も結構長い。その果てにこのサウンドになって一気に火がついたってとこなのでよかったんじゃないかな、と。しかしこの「Desolation Boulevard」っつうアルバムも改めて聴き直すと名曲揃ってるなぁ。初っ端「The Six Teens」から何とも軽快なこと。アルバム全体の短さも改めて感じだけど(笑)、今はボーナスがいっぱい入っていてかなりお得なんだね。

 昔、初期の頃のベスト盤買ってあまり良い印象なかったので手を出すのが結構遅かったバンドではあるんだけど、こんな流れで聞くと妙にロックだから面白い。軽くてキャッチーで冗談みたいなバンド、たまには良いのだ。

Cockney Rebel - The Psychomode

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 一括りにグラムロック的アーティスト/バンドとして括られることで大いなる誤解を生んだままというバンドは幾つもあるんだろう。グラムロックっつったって緒戦は70年初頭に出てきたものなので、当然英国内の音楽シーンではまだまだ発展途上中だったため、ジャンルで括れない人も数多くいたと言うことだ。まぁ、それでもロックンロール寄りのバンドだったりポップ寄りのバンドだったりはするワケで、そもそもグラムロックっつうものを音楽では括ろうとすること自体が難しい選択で、どちらかと言えばファッショナブルなラインで括るべきだろう。音的にはあまりにもどれもこれもが違い過ぎてる(笑)。

The Psychomodo ヒューマン・メナジュリー
Cockney Rebel & Steve Harley - The Cream of Steve Harley & Cockney Rebel The Cream of Steve Harley & Cockney Rebel

 そんな中、被害に一端を被ったバンドにコックニーレベルっつうのがある。スティーヴ・ハーレー率いる、と言った方が懸命なんだろうか。中でもグラムと言うかニッチなポップ路線っつうか…、デカダンの走りと言うか…、こういうのも英国ならではなんだろうなぁ、としか言えない、敢えて言うならばロキシーミュージックとか同じなんだろう。このワケの分からないポップさとニッチな香り…。キッチュっつうべきなのか。いやぁ、昔少し聴いた時期があったんだけどどうにもロックじゃなくって面白くなかったバンドのひとつ(笑)。久々に聴いてみると…、へぇ、英国的で面白いじゃん。こういうのこそまだまだ楽しめるものなんじゃない?って感じで割と喜んで聴いてます。ファーストアルバム「ヒューマン・メナジュリー」は割と耽美系ってことらしいけど有名なのはセカンド「The Psychomodo」かな。邦題「さかしま」ってよくわからんのだが(笑)、まぁ、これが良いんだな。う〜ん、今ならキンクスのレイ・デイヴィス風センスと言えるんだろうけど、それだけで英国的でしょ。ポップでキャッチーで且つどこか冷静にヒネてる、みたいな。でもメロディセンスは抜群っつう…、いいなぁ、こういうの。日本ではあんまりウケないんだろうけど、良い曲揃ってます。

 …が、これでこのバンド終わりなんだよね。以降はスティーヴ・ハーレー&コックニーレベル名義になるんだね。以降は聴いたことないのでわからんけど、このまま場末のライブハウスあたりでやってるなら結構聴いてみたい気がする、しかも英国のパブかなんかでね。そういう人かなぁ。

Silverhead - Silverhead

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 我らがグラマスロックと言わんばかりに当時は凶暴さと美学を体現していたバンドと言えば何と言ってもシルバーヘッドでしょう。他のグラムロックバンドがどこかおもちゃのような、そしてコミカルなイメージがあったとは正反対に古くからのロックンロールを踏襲したトゲのある、そして毒のあるロックンロールバンドだったシルバーヘッドはグラムロックのカテゴリに括られなければもうちょっと息の長いバンドになったんじゃないだろうか。ニューヨークドールズのような毒々しさをもったこのバンドは当時日本では大いに受け入れられたと聞く。うん、そうだろうなぁ、それで日本独自のライブ盤が二枚も出ているワケだし。そんな最高のロックンロールバンド、シルバーヘッドのファースト、行ってみよう♪

Silverhead 熱狂のライヴ(SHOW ME EVERYTHING) 16 and Savaged

 もうねぇ、最初っから飛ばすよっ!基本的にこのバンド、どこからどう切ってもテクニカルではないシンプルでダーティなロックンロールを演奏するバンドで、それでもどこかキャッチーな面は残しているしケバさが音にも出ている。なんつうかね、ノリが凄くワイルドで大きなノリなのでついつい体が持っていかれるようなロックンロール。うん、このノリがロックンロールの中でも一番好きかな。最初の「Long-Legged Lisa」からそんな独自のノリで引っ張っていくし、続く「Underneath the Light」でもノリは変わらずなのでかなりゴキゲン。このアルバムってメンバー募集してから6ヶ月でリリースされているっつうからバンドとしての上手さっつうのはあんまり出てないけどバンド感が凄いある。しかしベースのグルーブとラインはかなりインパクトあるしセンスもあって結構耳がそっちに吸い寄せられる。盛り上がってくるとベースでも引っ張るんだもん。結構特徴的。で、3曲目シングルヒットにもなった「Ace Supreme」。こうして並べられるとそれほど突出した出来というワケでもなく…と言うか、ここまでの曲のどれもがシングルヒットしてもおかしくないレベルのノリだったりするので違和感ないだけかも。そして美しきアコースティック曲「Johnny」。マイケル・デ・バレスの生の素晴らしさが一番発揮されている曲でやっぱり英国人なんだなぁと思う旋律がさすが。ご機嫌なロックンロールって言えばB面最初の「Rolling With My Baby」もいいね。こうして聴くとどれもこれもがキャッチーなロックンロールでまったく時代がもうちょっと早ければなぁ、と思う。まぁ、そしたらドールズいなかったからこうはならなかったんだろうけど。それは最後の「Rock And Roll Band」っつうそのままの曲にも言える話だね。

 う〜ん、やっぱロックンロールはこうじゃなきゃいかん。日曜の昼下がりにガンガンとコイツを書けているとエラク心地良くてノリまくってしまったぜ(笑)。願わくば彼等のライブ映像でも見てみたいものだ。どこかDVD出してくれないかなぁ。ライブCDだったら日本独自企画で75年に一枚、2001年に一枚出ているワケだからやっぱりDVDも日本からリリースしてもらいたいなぁ。紙ジャケでの「電撃のライブ」も出して欲しい。未だに未CD化作品なんて数少ないでしょ。是非是非♪

Sweet - Give Us A Wink

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 グラムロックバンドの一角として英国では割と有名になったものの、バンドの実質的なサウンドとして確立されてきたのはアメリカマーケットを意識し始めた1975〜6年あたりで、何と言っても最大のポップソング「Action」に尽きるのだろうが、その実バンドの歴史は古く60年代末期から存続していたようだ。しかも驚くことに当時のバンドメンバーにはイアン・ギランやロジャー・グローヴァーが参加していたワケで、どっちかっつうとパープル人脈へと派生するものだったのだ。1976年頃のライブにはリッチーが飛び入りでギターを弾いたという実績もあって、バンドのイメージと大きく異なるパープルとの兄弟的人脈。う〜む、これだから英国は恐ろしい(笑)。

Give Us a Wink Desolation Boulevard ヴェリー・ベスト・オブ・スウィート

 そんなスウィートの数ある作品っつうかシングル曲をまとめて聴くにはもちろんベスト盤が一番であれやこれやと多数リリースされているので適当に入手してみるのが一番なんだろうけれど、ここは一発大ヒット名作アルバムで進めてみよう♪ 「Give Us a Wink(邦題:甘い誘惑)」なんてのが一番だろうなぁ…それと言うのもやっぱり「Action」に尽きるんだけど、何のかんのとサウンドが一番しっかりしているような気がするもん。しかし、このバンドの音に触れたことのない人には是非お勧めしたいんだけど、驚くばかりのポップさと明るさと軽さキャッチーさには全く度肝を抜かれるはず。いわゆるロックバンドと呼ばれるバンドでここまで軽いノリっつうのをきちんとした歪んだギターを使っているにもかかわらず出せるバンドはまず、ない。踊りたくなるくらいユーモラスで軽快なノリ、そして全くクィーンばりとも言えるキャッチーなコーラスワーク、堪らん(笑)。今の時代、こういうのウケるんじゃない? その実結構ハードロック的な音だったりするんだけど、とてもそんな風には聞こえないという特徴を持っているし、かと言って演奏なんかも別にそこそこなものだしね。たまに聴くと凄く楽しくなってくるバンドのひとつ。

 う〜ん、やっぱシングル曲を集めたベスト盤とコレがあればいいのかなぁ。この前のアルバム「Desolation Boulevard」もかなり良質な作品で正直云ってこの二枚あれば十分に事足りるとは思う。グラムロックって一体どんな定義なんだろうねぇ…。まぁイメージとかルックスの方が重要視されるバンド群って感じなんだろうけどさ。しかしルックスも全然良いとは思えないしな(笑)。昔高校生の頃、このバンドの名前を知ってレコード屋を駆け巡ってようやく入手したのが二枚組のベスト盤で、今思えば結構色々と詰め込まれたアルバムなんだけど、当時それを二回くらい聴いて、とてもロックに思えなくて全然受け付けなかった。それ以来このバンドは全然手を付けなかったんだけど、とある時Beat Clubか何かを見ていてえらくゴキゲンで面白いバンドがあったので見てたらスウィートだった。それでまた聴き直したというパターンだね。それでも今回久々に聴いたんだけど…、意外と面白い(笑)。ちょっと気分直しには最適なバンドかもしれんな。

Ian Hunter - Ian Hunter

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 圧倒的なカリスマと共に仕事をすることの多い、そしてそのカリスマに気に入られる程の美男子…と云うのか好青年と云うのか、どうにも不思議な存在が、そして大してギターの腕前も優れているワケでもないのに重宝がられるというミック・ロンソンだが、デヴィッド・ボウイという稀代のスーパースターとの仕事でロック界の貴公子としてもてはやされ、その後も伝説的ですら合ったモット・ザ・フープルにミック・ラルフスの後釜として加入、そして更にユニークなことに、そのモット・ザ・フープルの圧倒的カリスマだったイアン・ハンターがバンドから離脱する際に引き連れていったのもミック・ロンソンだったワケだ。この二人はミック・ロンソンが亡くなるまで続いていた友情で、かなりウマがあったようだ。

Ian Hunter You're Never Alone with a Schizophrenic Just Another Night: Live at Astoria

 そんなイアン・ハンターが1975年にモット・ザ・フープルを脱退して最初に作ったアルバムがセルフタイトルの「Ian Hunter」というアルバム。自分が探していたアナログ時代にはほとんど見かけたことがないアルバムで、こんなジャケットだったんだなぁとしみじみCD時代になってから痛感する一枚でもあるんだけど、およそイアン・ハンターらしくはないジャケ。でもねぇ、やっぱりモット・ザ・フープルの顔だったイアン・ハンターのファーストソロアルバムなワケで、そもそもこういう音を続けたくてバンドを離脱したワケだからこの人のソロ作品が最もモット・ザ・フープルに近いサウンドになるのは当然と云えば当然のことで、これこそモット・ザ・フープルの音楽性だろ、と突っ込みたくなるくらい。強いて云えばちょっと垢抜けたっつうかイアン・ハンターらしさが出ているってトコかな。冒頭の「恨みつらみのロックンロール」だっけ?凄い邦題だよなぁと思うんだけど、確かそんな感じだったと思う。以降彼の代表曲になっていったしね。正にモット・ザ・フープル調の軽快なロックンロールで妙なテンションの高さも良いねぇ。別に誰にでもオススメっていうアルバムじゃないけど、こういうのにハマっていくとロックンロールの面白さって倍増するような、ね。

 この人って多分凄く繊細で優しい人なんだろうなぁって思う。だからロックンロールやってても軽さもあるししなやかなんだよね。で、この後の「You're Never Alone With a Schizophrenic」っていうアルバム…これが一番有名だと思っているんだけど、こいつでは更にその優しさってのが出ていてさ…、モット・ザ・フープルってもっと攻撃的なバンドじゃなかったんかい?って思い直すくらい秀作でね。うん、この人の名義だとDVD出てるんだな、これなら簡単に見れるのか…。

Mott The Hoople - All The Young Dudes

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 グラマラスな香りを匂わせながらその実かなり暴力的なイメージをも発散させていたバンド、今でもあまりその全貌が知られていない不思議なバンド、そしてデヴィッド・ボウイ全盛期でもあったジギー時代に気に入ったバンド、そしてライブツアーではクィーンを前座に従えて悪さの限りを尽くしたと言われるバンド、更にはクラッシュのミック・ジョーンズ敬愛のバンドでもあり数多くのパンクバンドのシンボルにもなったバンド、そしてミック・ラルフスと云ういぶし銀のギタリストを輩出したバンド…、モット・ザ・フープル。

すべての若き野郎ども オール・ザ・ウェイ・フロム・ストック・ホルム・トゥ・フィラデルフィア:ライヴ71?72 華麗なる煽動者~モット・ライブ(紙ジャケット仕様)
Mott the Hoople - All the Way from Stockholm to Philadelphia - Live 71 - 72 All the Way from Stockholm to Philadelphia - Live 71 - 72
Mott the Hoople - Two Miles from Live Heaven Two Miles from Live Heaven

 1972年の出世作「すべての若き野郎ども」。タイトル曲は云わずと知れたボウイ作の名曲。恐るべくはこれほどの名曲をいともたやすく作曲し、更にどこかパッとしないがきらりと輝く物を持ち合わせていたロックンロールバンドにポンとあげてしまうと云う気前の良さと云うか溢れ出るほどの才能。もっとも受け取る側も最初は戸惑ったらしいが、やってみると自分たちのイメージに合うということであれよあれよと云うまにトップバンドの仲間入り。その辺がクローズアップされることが多いのでバンド全体を捉えられることが少ないのも残念な話だが…、やはりこのアルバムは凄いのだ。

 アルバムの最初からルー・リードの快作「Sweet Jane」という軽快で深みのあるナンバーで今までのモットとは違った印象をリスナーに与えてくれるし、軽めの生きが良いサウンドに惹かれるってもんだ。次の「Momma's...」だってまったりとしたイアン・ハンターお得意のモット節に乗せたサウンドでかなり心地良いんだな、これがまた。んでもって三曲目に「All The Young Dudes」で毛色の変わったサウンドを聴かせるというパターン。うん、それからこのアルバムのもう一つのポイントはミック・ラルフスが歌う「Ready For Love」だね。もちろんこの後バドカンに移籍する彼の曲で、そのままバドカンで花開いた一曲なんだけど、ここで聴けるバージョンもしっかりとロックナンバー調の部分は出ていたので、モットでやらなかった理由はなんだったんだろうな、とちょっと不思議に思う。イアン・ハンターの思想からはズレていたのかもしれないね。そんなことでカバー曲以外もかなりグレードアップした曲調に聞こえるんだけど、やっぱりちょっと単調かなぁという気はするか(笑)。いやいや、それでもロック史に残す名盤というに相応しいアルバムではあると思う。

 いくつか当時のライブ盤なんてのもリリースされているのでモットの真髄を聴きたい場合はやっぱりその辺をオススメした方が良いんだろうね。「オール・ザ・ウェイ・フロム・ストック・ホルム・トゥ・フィラデルフィア:ライヴ71?72」なんてのはボウイが飛び入りで参加した時のライブを押さえた歴史的アイテムだしね。あぁ、やっぱりこのバンドの全盛期のライブ映像を見たいなぁ…。

T-Rex - Electric Warrior

カテゴリー: 70s UK Glam Rock

 ようやく春というか初夏の気候を感じる日が多くなり些か暑いと感じるものだが、そんな時あまりにもジメジメとした英国の湿っぽいサウンドを聴きまくるというのもちと違うかなという気がして…、しかし現実にはそんなものが一番コレクションを占めているワケでまぁ、気楽に聴けるものでもってことで何気なく取り出したのがT-Rex。普段は全然聴かないし、昔もそんなに一生懸命聴きまくるというバンドではなかったんだけど一応ほぼ全てのアルバムは聴いているようだ。好み的には初期のアコースティック時代ってのもかなりインパクトがあっていずれ取り上げたいなと思っているんだけど、今の気分ではやっぱり軽快なブギーを奏でていた時期の傑作達♪

電気の武者 スライダー タンクス

 一般的に「電気の武者」「スライダー」「タンクス」ってのはマーク・ボランの最全盛期の作品ってことでかなり好評を博していることは有名な話。そして実際に聴いてみると圧倒的にこの辺の作品のレベルが高くって、しかも聴きやすいんだな。軽快なブギとジョン・レノンのような切ない優しさを持ち合わせたアルバムという印象が「電気の武者」。2曲目の「Cosmic Dancer」が好きでねぇ…、凄く優しくて心に染み入る曲。冒頭に書いた初夏には似合わない曲なんだけど聴いてたらそれもいいなぁ〜って(笑)。もちろん続いて流れてくる軽快な「jeepstar」でまたまた気分も帳消しになって軽快にノレるんだけどね。うん、このアルバムってやっぱ凄いな…。超有名な「Get It On」はこのアルバムに収録されているんだけどアルバム単位で聴くとそんなに傑出した作品には聞こえない、ってことは他の楽曲もかなり優れていたってことだ。静かな「Girl」もまた優しさを感じるし、不思議な雰囲気を持つ「Life A Gas」も名曲だよ。そんな一連のマーク節をたっぷりと詰め込んだ傑作。

 ただし何故か何回も何回も一生懸命聴けないのもT-Rexの哀しい性。多分軽すぎるんだろうなぁ、それこそが彼等の信条でもあるので好きな人は凄く好きだと思う。今となってはマークのルックスとか甘さってのはあまり全面に打ち出されてこないのでどうしてもサウンドで聴いてしまうからかな。かっこいいんだけどね、ちょっとハマりこめない、でもたまに聴くと偉く新鮮な音でこういう音を出すバンドって未だに出てきていないんじゃない?そう言うところがオリジナリティで凄いよな。なんてったって初期はパーカッションと二人で出てくるんだもん。元々アングラの人だから変わったこと平気なんだよね。売れたのが不思議だったりする人のはず。グラムロックって言ってもちょっと違うかなぁ〜と思うけどね。

Japan - Tin Drum

カテゴリー: 70s UK Glam Rock


 坂本龍一とコラボレーションした英国アーティストは数多くいるようだが、結構古くから今に至るまで長々と友情を保ちながら作品も出しているのはDavid Sylvianデヴィッド・シルヴィアンくらいではないかな。そもそもの出会いはジャパンの四枚目となる「孤独な影」に収録されている「Japan - Gentlemen Take Polaroids - Taking Islands In AfricaTaking Islands in Africa」という曲でのセッションから。話によれば坂本龍一がアルバム録音のためにロンドンに渡っていた時に隣のスタジオで録音していたのがジャパンで、そこからのつきあいらしい。

 …てなことでYMO坂本龍一→デヴィッド・シルヴィアン→ジャパンという系譜がなんとなく繋がっていくのであった。YMOジャパンを切り取ると、音楽的にはそんなに共通項があるようには思えないのだが坂本龍一の作品とデヴィッド・シルヴィアンの作品となるとえらく共通項があるのは不思議なところ。

 そう、超美形のデヴィッド・シルヴィアン率いる英国のバンドながらもジャパンという名を付けた日本人的には結構嬉しいバンドで、英国では全く売れなかった初期に彼等を熱狂的に待ち受けていたのはもちろん我が国の女性陣。まぁ、化粧した美形に弱いのは今に始まったことではないが、常に日本の女性が待ち受ける程の人気を誇るバンドは世界的に成功する例が多いので侮れない。ジャパンも初来日からいきなり武道館満員での公演ってことで本人達もそんなに大きなトコロで演奏したことないってくらいだと云っていたらしいので、日本での極端な人気ぶりが伺える。

 そんな初期の作品は確かにちょっとファンク的要素も含まれているけどなんか暗い、みたいな感じで英国でもウケなかった。まぁ、中途半端にバンドやってるって感じだったんだね。今聴けばそれなりに面白いけど。ま、それはともかく、個人的にはやっぱり三枚目「Quiet Life」以降かな。中でも最高に暗い…っつうかヨーロッパ的な耽美さを前面に出しながら東洋チックな雰囲気を織り交ぜた「ブリキの太鼓」がやっぱりそれらしくて良い。四枚目とどっこいどっこいの出来だと思うが、そっちはまた今度にしよう。

 ジャケットはちょっとなぁ、という気がするけどデヴィッド・シルヴィアンの美しさは相変わらず。まぁ、それはヨシとして中身だが…、やっぱり暗いのだ。いや、リズムとかベースライン、特にベースラインはものすごく面白いので聴いてみるとそういう楽しみ方はできるのだが、アルバム全体を覆い尽くす雰囲気は80年代のニューウェイヴのそれと同じく落ち着いたデカダンな雰囲気がたっぷりと出ている。そこにアジアンチックな旋律なのだから摩訶不思議なサウンドに仕上がるハズだ。シングル「Japan - Tin Drum - GhostsGhosts」が英国でバカ売れしたってのはよくわかんないんだけど、結局最後の悪あがきになっちゃったんだよな、これ。

 あぁ、言い方変えるとものすごく「オシャレなサウンド」に仕上がっているんだよね。大人の音。自分的には絶対できないし好んで聴く音でもないけど、でもこういう音って惹かれるものがあるな。多分その音の奥に秘められている人間性が惹き付けるんだと思うし、こういう表現もあるんだ…みたいな。そして80年代のダークなニューウェーヴサウンドに繋がっていくのだ…。

Slade - Slayed?

カテゴリー: 70s UK Glam Rock


 グラムロックなのかロックンロールバンドなのか宙ぶらりんながらも結構なインパクトを放っているのが愛すべきスレイド!ねっちいバンドで且つダサいんだけど、音楽はなかなか格好良いという愛すべきバンド。個人的にはなんとなくAC/DCと共通項が多いんだよね。決してスマートにかっこいいワケじゃないけど、なんかエグる良さがある。もしかしたら男にしかウケないバンドかもしれないな、なんて思うんだけど、女性陣はどうなんでしょ?(って振ってる人わかってると思うのでコメントよろしく♪)

 下手なベスト盤聴くならファーストアルバムのコイツ「Slayed?」を聴けって感じだよね。後にクワイエット・ライオットがカバーする「Mama Weer All Crazee Now」はもちろん収録しているんだけど、クワライが結構忠実にカバーしてるってこともわかって、うん、好印象。もうひとつの「Cum On The Feel The Noize」はベスト盤になっちゃうけど、こっちもいいんだよね。で、ジャニスの「Move Over」なんてのもあってさ、歌はヘタウマって感じなんだけどアクが強くて、、、やっぱB級なんかな、と思うけど思い入れのある人にはたまらんバンドだろうなぁ。昔、レコードが全然見つからなくって、結局CD時代になるまで探せなかった。最近は1000円くらいで見かけるので実に哀しいんだけど、欲しかったアルバムジャケットだったな。いや、ルックスは悪いので実際は不格好なんだけどさ。

 時代的にシーンとしてはグラムロックのカテゴリで売り出されていたけど、後のアルバムなんかも合わせて聴くと全然そんな軽くなくって、どっちかっつうとヘビメタ系なんだよね。そういうアルバムも出してるんだけどさ。「Slade Alive!」もいいなぁ…。