Pete Townshend - Scoop

Pete Townshend - Scoop (1983)
SCOOP(紙ジャケット仕様)

 自分でギター弾けるようになって色々と楽しみが出てきて、バンドなんかやったりするでしょ、そんで自分達の曲なんてのをやってみたくなるんだけど、誰が曲なんて作るんだ?って、その時点既に素人でしかないんだけど、そうなってくるとギター弾くヤツが普通は曲ってのを作るんだよ、ってなるし自分でもそうなんだろうなぁと思ってたし、果たしてどうやって曲なんて作るんだ?って所から始まるのだな。その時点でやっぱり才能ないんだけど(笑)、ま、曲らしきものを作る、ってかギターでかき鳴らすとかリフみたいなのを弾いてそれらしくしていくなんてのは出来たりすると思う。ただ、問題はどう作ってもバンドのメンバーにどうやって伝えるんだ、これ?って。テープ録音するってもギターだけだろ?仮歌メロなんて…ね、ヤだしさ(笑)。そもそも考えてないとも言えるが…、4trマルチとか知らない頃のお話でした。

 だからPete Townshendの「Scoop」ってアルバムは相当驚いた。1983年のリリースだからThe Whoが正式に解散してしばらくしてからこんなお宝物をリリースしたんだ…、ギタリストのソロアルバムなんてさほど面白いものが多くないんだが、こういうお宝モノなら受けただろう。一般的なファンの獲得じゃなくてThe Who好きだった人たちへのプレゼントでもあるか。内容はですね、シンプルに本当の意味でのソロアルバムとも言えるんだけど、ピート・タウンゼントが自宅で録音していたThe Whoの頃の楽曲とかのデモテープそのもの。ソロアルバムのもあるけど、どっちでもピートが自分で曲作ってリズムマシンや自分でドラム叩いたり、ベースもギターもピアノも効果音ですらも入れてしかもあのまま歌っている、完全にバンドのメンバーにはこれを聞かせて、やるか?くらいのもの。やるならそれはこのデモテープのコピーだからな、ってレベルだ。バンドメンバーはこの才能を凄いと思っていたんだろうけど、ここまでヤラれると単なるプレイヤーでしかない、っていう感覚でもあったんじゃないだろうか。もっとも単にその通りにやるだけではないし、あのメンバーがこのデモを独自の解釈で叩きつけてくるからこそのバンドのパワーになるのだが、それでもこのデモテープのクォリティの高さというかそのままリリースできるレベルであること自体、それを物語っているけど、ホント、ここまでしたら自分の音世界を他人に伝えるという意味では最強。ものすごい時間かかるだろうけど、もう楽曲が頭の中で全部鳴ってて完成しているんだろうな。それを再現するだけってのが中心で、そこでいじっているウチに新たにアイディアや流れが飛び出してくるっていう感じかな。機材オタでもあったようだけど、それでも凄いわ。ちゃんとミックスもしてたりエコーがかかってたりもするんだから、もうこういう雰囲気で作るんだ、ってのまで指示してる。プロデューサーにすらイメージを伝え切ってるのだ。

 自信のソロアルバムで使われている曲もあるしThe Whoのもあるし、これでしか聴けないのもあったりするんで、ピート・タウンゼント作曲の未発表曲をバンドで迫力増してやったら何か凄いかも、なんて思ったり(笑)。コレはピート・タウンゼントのホントにお宝の一角でしかなくって、このあと幾つかデモテープ系の作品がリリースされるし、果てはThe Who時代の「Lifehouse」や「Tommy」「四重人格」までもデモテープをリリースしてて、ホントに、コンセプトから歌詞から曲、ストーリーや諸々まで全てピート・タウンゼントが作って仕切っていたのがもう明らかで、それでいてあのライブパフォーマンスってのもまたギャップがあって分かりやすい。そんな事を実感するお宝アルバム、しかもアナログ時代は2枚組だからね。







The Who - Tommy Live With Special Guest

The Who - Tommy Live With Special Guest
Tommy & Quadrophenia Live With Special Guest [DVD] [Import]

 エンターティンメントとしてのロックショウが栄華を誇った時代があった。80年代なんてのはモロにそんな時代で、90年代になるとその反動で一気にダークな世界へと時代は変わっていくんだけど、80年代はホント、今思っても何かとバブリーな時代だったな。ロックらしいロックってのがほとんど出て来なくてどれもこれもチャラチャラしたのが目立っててね、大物ロックバンドもそんな流れに呑まれてたというか…。そのおかげで妙にゴージャスなライブが見れたりもしたし、珍しい組み合わせだったりホーンセクションがいたりするバージョンってのも見れたりしたけどね。

 The Whoが1989年に行った「Tommy」再現ツアーのライブ映像としてリリースされた「Tommy Live With Special Guest」は結構面白くて当時よく見てた。今はDVDで1996年の「四重人格」ライブとセットものになってリリースされているので二度美味しい作りになってるけど、昔はもちろんラスベガスのショウ単体でのリリースだったからね。オープニングから「Tommy」完全再現に加えて後半はベストヒットパフォーマンスになっててかなりお得に感じたものだ。ゴージャスなホーンセクションに英国人ならではのゲスト陣…、フィル・コリンズのおちゃらけた姿やビリー・アイドルの役者ぶり、パティ・ラベルの圧倒的な存在感にスティーブ・ウィンウッドのブルーアイドソウル感たっぷりの歌いっぷりなどなど、見どころは多数あるが、何よりも最初に目立ったのがジョン・エントウィッスルの金色ベース弦。ヘンな趣味の人っってのは有名だけど、金色のベース弦を張ってる人って実はほとんど見たこと無くって、そもそもがバブリーな時代だったんだな。キラキラの衣装は元々としてもさ、いや、何かと突っ込みどころ満載なショウ。

 元々ピート・タウンジェンドがソロツアーやってたからバンドのメンバーはほとんどそのままでロジャーとジョンが合流した事でThe Whoの再結成になっていったという経緯のようだ。まぁ、ジョンがカネに困ってたから再結成で稼いで借金を無くしてやろうみたいなのが本当の動機だったらしいけど、それでもこんだけ楽しめるものが見れるんだからいいでしょ。ドラムはサイモン・フィリップスの超手数の多い安定した音でThe Whoってこんなに安定的な音が出せるバンドだったのか?みたいなショウ。ここからだろうなぁ、The Whoってのが今後の進化を決めていったのはさ。単発の企画ツアーとかライブで過去の遺産をきちんとやり切ってって、ライブバンドとしてまたその価値を高めていって…、うん、振り返ってみればなかなか面白い復活劇だし、今でも活躍してくれているししっかりとロックを体現してくれているバンドだ。



The Kinks - Face to Face

The Kinks - Face to Face (1966)
Face to Face

 天気予報が当たらないと結構困ることもある。大抵気にもしてないんだけど、何かのイベントを入れていたりした時なんぞは何でこうなる?みたいな事もある。ちょっと前に日の出前に家を出る事があって、出掛けたんだけど、その時の予報では日中は晴れて暑いから…ってなモンだったんで、朝寒かったけど割と薄着で出てったんだが、結局寒いままで、しかも雨が降ってきた…、何だそりゃ?って途中で天気予報見ると変わっててさ、寒いまま過ごしていたという…。昔の方がもうちょっと予報が当たってた感じがあるけどなぁ。

 The Kinksの1966年リリースの「Face to Face」、オリジナリティを積極的に打ち出した初期の作品ってことでその価値を高めているが、それも含めてその楽曲郡のオリジナリティのレベルの高さがレイ・デイヴィスを天才と言わしめる所だ。どの曲を取っても正直名曲。初っ端からパンチの効いた「Party Line」で攻め立ててメロウに流れていく、そのメロウなラインのセンスがさすが天下一品のソングライティングセンスとしか言えない代物。楽曲を彩る楽器の音もこれしかないだろ、ってな具合に鳴っててシンプルだけど正に名作、1966年だからね、普通のバンド何してた?ってくらいでさ、The Beatlesくらいなもんです、これくらいのアーティスティックな作品を作れていたのはさ。もちろん売れなさ加減では圧倒的にThe Kinksに分があるのは言わずもがな。

 今時初めてThe Kinksを聴くって人はこういう作品をどう思うのだろう?聴き続けて気に入る事があるのだろうか?いや、あるだろうけど、数多くパンチある楽曲やアルバムがある中でこのヘンがフェイヴァリットになるって…、あるのかなぁ、なんて思ったり。昔々はモノ盤レコードか何かで持ってて何かで輸入盤買ったらステレオ盤だったりとかした気がする。その後CDになって色々出てきて、今じゃ2CDのデラックス盤なんてのもあって曲入りすぎててなんだかワケ分からないんだけど、多分全部違うのだろう。そんな紐解きもしながらじっくりと一曲づつ聴き比べていきたい所だな。そういう事をする価値のあるバンドだと思ってるしね。それでいてキャッチー、且つ媚びない。うん、ロックだ。




The Kinks - Kink Kontroversy

The Kinks - Kink Kontroversy (1965)
Kink Kontroversy

 60年代に出てきたビートバンドも数多くあったし、ここのトコロその周辺のイミディエイトレーベルをまとめて聴いてたけど、改めてこういうブームだったんだろうななんて思ってしまったが、それが故にThe Kinksの「You Really Got Me」のファズってのは1964年って年からしたらとんでもなく早熟なファズサウンドだったんだろうと。そこにはジミー・ペイジがセッションで参加していたってのも知られた事実だけど、あのファズギターの音は間違いなくデイヴ・デイヴィスの発見で出てきたもののようだ。とするとこの音ってのはあまりにも早熟なヘヴィロックサウンドの開拓者ってことになっていくし、同時代のバンドとは明らかに一線を画すサウンドを出していたってワケで、なるほどやっぱり違うなぁ…と。

 そんなThe Kinksの1965年暮れにリリースされた3枚目のアルバム「Kink Kontroversy」。既にこの時期のアルバムにしてはほぼオリジナル曲ばかりでその意味でも同時期のバンドとは一歩進んでいたのだな。そしてホントにメロディも音もアレンジもアイディアもひっくるめて革新的で創造的な天才レイ・デイヴィスがいたからか、かなりの高水準で仕上がっているアルバムなんだけど、the Kinksの歴史の中ではそれほど重要視されていないアルバムでもあるか。このギターの音とかやっぱり凄いんだけどな。曲にしても既に独自路線はかなり出来てるし、一方ではハードロックの布石にもなる「Till The End of the Day」なんてのもあるしさ、なんせVan Halenがカバーしてた「Where Have All The Good Time Gone」ってのもあるしさ、まぁ、今の基準で普通に聴いてたってさほど印象に残るアルバムじゃないのは確かではあるか。

 わかりにくいバンドであるのは確かだ。だから故、the Kinksを制覇するといっぱしの英国ロック通な気がしてくるというバンド。同じような括りでのThe Whoはもっとハードロック的にわかりやすい部分があるからまだ入りやすいんだけどThe Kinksはそこがちょっと違ってて、取っつきにくいんだろうね。特にこんなアルバムからじゃ絶対に入れないし(笑)。ベスト盤じゃちょっと本質の良さは伝わらないし、じゃ何?ってのがさ、伝えにくい。でも、基本的に美しいメロディラインの曲ばかりだし、リフにしても印象的なものが多いし、それでいて独特のラインが今でも変わらないし、聴いてると幸せになれるバンドです。誰も知らないだろうけど「The World Keeps Going Round」なんて美しい曲があったりするしねぇ。




The Who - Live In Hyde Park

The Who - Live In Hyde Park (2015)
ライヴ・イン・ハイド・パーク〈デラックス・エディション〉 [DVD]

 携帯電話各社ともサービスを使ったことがあるし、今もその二つは使ってるけど、まぁ、何だ、どれもこれも現場対応はあまり良い思い出がない。ほとんど店舗に行くことはないんだけど、替える時や不明な請求時などは行かざるを得なくて行くんだけど、待つじゃない?んで、出てきた対応も概ね満足した試しがなくて、なんでそうなんだ?マニュアルにあるからか?理屈がオカシイことが多いんだがそれも書いてあるからそういうモノですっていう事が多くて、如何に自分がその辺知らないかっていうことを知ってしまうからキライなのかもしれん(笑)。ややこしいこといっぱいやってるから分からんのだよね。んでカネは持ってかれるし、何とか料って名目でね。いや、商売的には当たり前だから分かるんです、でもね、やっぱり納得ができんってのも多い。こういうのってどうしようもないもんなぁ…、本社対応だと結構救われること多いんだけどね。なんて単なるグチ。

 The Whoがまたしてもライブ新作出したか…ってことでチェックしてみた「Live In Hyde Park」。2015年6月にハイドパークでやったライブを早速リリースというスピーディな技、多分最近のThe Whoはもうすべてのライブをその場で録音・録画して配布したりしてたからライブ盤作るのなんてお茶の子さいさい的なもんで、逆にこういう普通のリリース形態で出してくれるのはある意味ありがたい。一般流通で手に入るのはやはり簡単でありがたいものだ。サイトで販売ってもさ、やっぱり忘れちゃうじゃない?んで、映像を見るんだけど、最近の映像は画面サイズどうなってるんだ?これなんか超横長サイズでテレビなんかで見てたら上下半分くらい画面切られてる状態だから実質半分のサイズの画面で見ているようなお話。Macで見てても同じだけど、このサイズでフルで見れるのってあるのか?ないだろうけど、その分スクリーンサイズくらいでも見れるってことか。最新テクノロジーに対して何ら抵抗を持たずにリリースさせるThe Whoの革新性は相変わらずだが…。

 ライブの内容は、特に変わったことはないし、往年の曲をバンドがプレイしまくるだけ、さすがに往年のハチャメチャさはないが、その分プロフェッショナルなパフォーマンスを見せてくれるというThe Who。圧倒的な完成度の高さは他に類を見ないだろうし、それでいてハイドパークでこの人数だ、あますところなくびっちりと超満員の観客、スクリーン投影によるビジュアル面も凝ったものを使用して観客を飽きさせないし、往年の名曲をより一層進化させてのプレイスタイルも見事、ピート・タウンジェントのアグレッシブなギタースタイルは磨きがかかっているし、やっぱり凄いわ。圧倒的な迫力。ドラムのザックももうThe Who歴15年以上だし、いつまでも若くないハズだが、相変わらず生き生きしたプレイを見せてくれる。そして齢70歳超えのロジャーの歌声の太さ…スゲェ。そんなドラマティックなライブがたっぷりと見れる、そして思い切りロックなバンドのプレイが見れるっつう…、いやはや、やはりバンドごとにスタイル違えど感動するツボを持ったバンドはまだまだたくさんある。こいつも当分楽しめそうだ。





The Hillbenders - Tommy: a Bluegrass Opry

The Hillbenders - Tommy: a Bluegrass Opry (2015)
Tommy: a Bluegrass Opry

 アマゾンのリコメンドは良く出来てる。へぇ〜、そんなのあるのか、とついついクリックしてしまうようなのが出て来るもんな。そういえばWebの世界ってどんどん人間の思考に近づいてきてて、リコメンドなんかもそうだけどあらゆる所でその人の好みや嗜好性ってのを目ざとく見つけて出してくるのが上手くなってきてる。まぁ、そうは考えないだろうっていうのが人間で、うまいな、とは思うもののそうじゃないんだよね…なんて思うことの方がまだまだ多いのは救われる。これがそのまんま出て来るとコンピュータに支配される世界も遠くないのだが(笑)。結局それって人間が創りだすのは確かにその通りだ。

 The Hillbendersってアメリカのブルーグラスバンドなんだろうなぁ、きっと。なんでそんないい加減なモンかってぇと、単純にリコメンドでこの「Tommy: a Bluegrass Opry」ってアルバムのジャケットが出てきて、何じゃこりゃ?The Whoの「Tommy」のゴールドエディションか?なんて思ったらこのHillbendersってバンドの「Tommy: a Bluegrass Opry」だったという事で、もちろんカバーアルバムなんだろうとは想像できるけどさ、ここまでやっちゃうのってどういうんだろ?って興味も湧いて、更にバンドながどう見てもヒルビリーなブルーグラス的なダサい名前だったんで速攻でYouTube行って探してみたらプレミアムライブが公開されてた…客席音源モノだけど(笑)。

 いや〜、最初っから驚いたわ。ホントにブルーグラスなんだもん。こういう解釈と音のカバーってあるか…、なるほどなぁ〜と感心。バンドのプロモーションには良かったんじゃないだろうか。でもね、やっぱりオリジナルの呪縛からは逃れられなかったのかなぁってのが最後まで聴いてると思う。やっぱり「Tommy」は良く出来てるモンだ、と唸るもんな。ブルーグラスにアレンジってのも限界あるのか、このバンドがそこまで進めなかったのかわからんけど、もっとぶち壊しても良かったと思う部分もある。十分にバンドの個性は出しているからそれで良いんだろうけど、聴いてた人もやっぱりいつものブルーグラスライブの方がいいな〜って思ったんじゃないだろうか?もちろん楽しめるのは楽しめます。ロックはもうそういう世界あるのかもしれないな。







Pete Townshend - Pete Townshend's Classic Quadrophenia

Pete Townshend - Pete Townshend's Classic Quadrophenia (2015)
Pete Townshend's Classic Quadr

 ウチも何となく海外からのアクセスってのがあるみたいで、どうやって2バイトの日本語ブログを見れてるんだろ?なんて思っててさ、単に文字化けしてるだけじゃねぇの?なんて気がしてたんだけどひょんな事でそうじゃないって事が判って驚いた。ジュディ・ダイブルさんの記事を書いた時に本人からTwitterで「Thanks」と言われて、日本語読めたらいいのにね、って言ったら何と、グーグルで英語に翻訳させて曖昧ながら読んでる、って言われて判明したワケだ。まぁ、ジュディ・ダイブルさんとそんな会話するってこと自体もびっくりだけど、そういう風に日本語って今は訳せるのかと。2バイトと1バイトの違いがあるから無理だろうと思ってたが…、これからは日本語でもヤバイこと書けないなぁ(笑)。

 新たな驚きがこちらの作品で、The Whoのピート・タウンジェンド名義にはなってるけどこうなるともうなんだかよく分からないアルバムとも言える「Pete Townshend's Classic Quadrophenia」。タイトル通りThe Whoの「四重人格」のクラシックアレンジバージョンなのだが、本気でピートがクラシック風にアレンジしていてここまで昇華されるものかと驚いたのと、歌が本気でオペラの歌手のアルフィー・ボーが歌ってるもんだからまさしくロックオペラ。この形で残されていったら200年後でもクラシック作品として残ってるだろうし、偉大なる作曲家として歴史に残るのだろうか。全く驚いたアレンジと作風と作品。今度はこのコンサートの映像も出るらしいけど、そんな凄い所にビリー・アイドルとかフィル・ダニエルズかよってのがまたアンバランスで面白い…ってかいいのか?って話。プログレのバンドの音なんかもこうしてやれるだろうし、作品はあるんだろうけど作った本人が本気で取り組むとやっぱり違うな。

 そもそもがストリングスも入ったアルバムだったし、テーマや展開、ストーリーに沿った構成と物語なワケだからオペラ作品になったって何もおかしくなく、普通にクラシックにオペラ歌手、だ。ホントに上手い歌手が歌うとこうなるんだなぁ…とマジマジと実感するね。映像見てるとフレディ・マーキュリーみたいなモンじゃないかって思うけどさ(笑)。

 ロックファン的に書いておくと、どんだけ上手くたってロジャーの雄叫びの足元にも及ばないよ、ってのはある。パワーとエナジーで心揺さぶるんだからさ、ロックってのは。こういう音楽作品になっちゃうとそれはロックから離れたアーティストの作品というもので、もちろん素晴らしい。でも、ロックってのはやっぱさ、ガツンッ!だよ(笑)。





John Entwistle - Mad Dog

John Entwistle - Mad Dog (1975)
Mad Dog

 ベースって楽器はかなり好きだ。友人にベーシストが多かったのにも影響を受けているのだろうけど、色々なタイプのベーシストが周辺だけでもいて、それにプロのアレコレを聴いたりするんだからどんだけ幅の広い楽器なんだろっていうのがず〜っとある。自分はギター弾くんで、そりゃベースもある程度はわかるけど、やっぱりベーシストの弾き方ってのはなかなか分からない。弾き方ってか、思考回路かな。歌とか曲と一緒に盛り上がっちゃいけない役割でもあるじゃない?淡々とベースに徹する、みたいなさ。ギターって感情直情的でOKな世界だと思ってる部分あるからベースはそうじゃないってのがね、分からないんです(笑)。

 ロック界のベーシストと言えばもうジャック・ブルースかジョン・エントウィッスルかだろうと。両名ともソロアルバムってのを幾つも出してるけど、それはやっぱりソロアルバムであっても歌モノだったりロックものだったりしてベーシスト冥利に尽きるなんてアルバムは全然見当たらないのだ。その辺がロックベーシストの悲しい性だろうか、やはりポップミュージックの範疇にいないといけないというか…。その辺も4作目くらいになるともう明らかに売れないし、開き直って作ってやるぜ、ってことでジョン・エントウィッスルが1975年にリリースしたアルバムが「Mad Dog」。前はもうちょっと凝ったりヒネたりベーシストしたりしてたけどこの頃はもう普通のR&R、オフザケロック的なのばかりでベースも普通に…普通に弾いたってヘンなんで、そういう路線でのアルバムになってます。多分彼の趣味だろうなぁ…、50年代の音楽的センスをそのままやってるだけで、実際何がしたかったのか?ってのはよくわからん。ただ、自分の曲も世に出したい、もっとベースを歌わせたい、みたいな所だったのだろうか、The Whoではピート・タウンゼントという天才がいたからそこまで自分の作曲家的な所は出せなかったからね。

 そんな作品だけど、この人のアルバムの根底にはどんな音楽をやろうともいつも悲しさが漂っている。寂しさってのかもしれないけど、そういうのがあってね、別に音楽的にはどうでも良いアルバムだし趣味だろって話なんだけど、根底に流れるその暗さってか寂しさを聴くとさ、何か…いいかもな、なんて錯覚しちゃうトコあるんです。もっともっとベーシストセッションなブリブリの作品とかジャムとかあれば良いんだけど、無いんだよねぇ…。The Whoのライブが一番ドライブしてベース弾きまくってるもんなぁ…。



Roger Daltley - One of the Boys

Roger Daltley - One of the Boys (1977)
One of the Boys

 スコットランド独立選挙って面白いことやるんだなと思った。そういう施策を主張している誰かを選ぶ選挙ってのはあるけど、国そのものの独立を国民に選ばせる選挙ってのは他にもあるんだろうか?実際の内容的にはスコットランドに住んでいる外国人の投票権ありとのことで国というものの定義が非常に微妙になってしまっているみたいで、これはどこの国も難しい課題だろうなぁと。日本だってそこは難しいだろうしね。そんな事をふと思ってしまったスコットランド独立選挙、結果はともかくあれだけの接戦になるってのは戦慄を覚える部分もある。

 The Whoのマッチョボーカルとして名を馳せて続けているロジャー・ダルトリーはThe Who在籍時代からソロアルバムをリリースしていてその作風は制作陣営によって常に変わっていくものなので一貫した音楽性なんてのは無いし、スタイルもない。なんでもOKだ。ロジャー・ダルトリーって人は歌うのが仕事だから作風とかってのはホント気にしないんだろう。友人や仲間の曲なら歌うし仕事になれば歌う、もちろんヘンなのは歌わないだろうが、基本そういう人だ。自身の音楽性なんてのはまるで持ち合わせていない、んじゃないかと。1977年の三枚目のソロアルバム「One of the Boys」は正にThe whoのTommyそのものを彷彿させるジャケットでロジャー・ダルトリーという人名を強調しているかのような作品だ。当然ながら友人知人などを集めてつくろうとなればそれなりの人間が集まってくるクラスの人なので、この「One of the Boys」ではクラプトンやポール、アルヴィン・リーやロッド・アージェントなどなど多才なゲストが華を添えている。更に楽曲レベルもかなりクォリティ高く作られているのでポップ作品としては相当に良質な作品に仕上がっているのが間違いない。多分ロジャー・ダルトリーソロ作品の中では一番出来が良いんじゃないかな。

 冒頭のバラードから始まり多種多様な幅の広いサウンドを歌い上げ、どれもこれもロジャー・ダルトリーならではの歌、バックがどうあれロジャー・ダルトリーに仕上がるってのはさすがなお話で、かと言ってThe Whoにはならない、ってのはピート・タウンジェンドの個性故だろうか、そんな作品でかなり深みのあるアルバムに仕上がっているところがいい。しかし改めて聴いてて思ったけど、今でもこの人って歌声変わらないんだなぁ…凄いなぁ…。





The Who - Quadrophenia: Live in London

The Who - Quadrophenia: Live in London (2014)
Quadrophenia: Live in London [Blu-ray] [Import]

 そういえば2002年のこの時期にThe Whoの超絶ベーシスト、ジョン・エントウィッスルがラスベガスのホテルでツアー開始前日に突然亡くなったのだったと。The Whoの新しいライブ盤「Quadrophenia: Live in London」を手に入れた時にふと思い出したんだが、それってもう12年も前の話か…、その頃からThe Whoって再活動が活発になって以降ず〜っと過去以上にライブやってるし、パワーアップしてるし多分売れたと。日本にも何回となく来てくれたし、今でも現役…ってもそろそろ終わりだろうか。そこに「Quadrophenia: Live in London」だ。2013年7月8日ロンドンのウェンブレーでのライブを丸々入れたヤツがリリース。超高画質な映像ってのもあってやっぱり楽しめるかなと期待。

 ワクワクしながら再生して冒頭からジジイ二人が…、そして既に随分前からキーが下がっている「The Real Me」で「ん?」と、そしてロジャーの歌が入ってきて更に「ん??」っと。以降のショウを見てて調子が悪いワケでもないし、多分コレが普段の歌い方と声なんだろうけど、テンション落ちた。「あれ?」ってのがあってさ、やっぱ衰えたな〜、声ってのはな〜、って感じでさ、ロックバンドってジジイになってまでやるもんじゃないってのが顕著に出てしまった感アリアリ。ちょいと幻想が壊されてしまったか、みたいに感じたもん。ただ、その後ず〜っとライブ見てたけど他は全然そんなこと感じなくてさすがだな、こんだけのライブバンドってそうそうないだろ、くらいに思ったし現役最強バンドとすら感じたから無理しきれなかっただけの話かもしれない。そりゃ1973年当時のアルバム「Quadrophenia」と比べちゃいかんけどね。

 過去にはあんだけハイトーンでしか歌わなかったピートがドスの効いた歌声になってて驚いたモンだし、一方でのギタープレイは年々技術が増しててもはやジェフ・ベック並みの驚異的プレイになってきているのも凄い。ロジャーの歌声はもう全然高い声出ないしハリもないけどロジャーらしく歌えてるからなぁ…、不思議なものだ。昔のピートのハイトーン役を担っているのが弟のサイモン、割と器用な人でギターにしても歌にしてもしっかりとサポートに徹している安全牌。そしてジョン・エントウィッスルとキース・ムーンの過去映像とのジョイントプレイでのロジャーの笑顔が堪らない。まるで今そこに生きているかのように一緒にプレイしている姿は何か感動した。更に「」の楽曲群だからさ、感動を誘いまくるワケよ。こんだけのアルバム作れる人もそうそういないだろうし、最後のThe Whoでコイツをやるってのも納得のクォリティ。ジジイ達をこんなに綺麗な映像で見てもしょうがないけどさ、やっぱりかっこいい。

Quadrophenia: Live in London
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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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