Eric Clapton - Life in 12 Bars

Eric Clapton - Life in 12 Bars
LIFE IN 12 BARS

 自分の趣味が懐古趣味になっているだけだろうが、アマゾンが実に色々とその懐古趣味ロックらしきものをチョイスしてオススメしてくれててさ、そんなに短絡的な趣味でもないのだけど似た系統のを次々と出してくるからいつも目に付くものってのもあって、あまり興味はないんだけどクラプトンってまた何か出てるんだ…、って分かったんで、何だろな、なんて見てみたらなるほどドキュメンタリー映画をやったらしくてそのサントラ盤がリリースされているってことか。しかしそれにしても完全にベスト盤の様相だから面白そうだが、どうも1974年頃、即ちクラプトンソロになる辺りまでの頃にフォーカスしたドキュメンタリーってことなので、一番ロック的には面白かった頃だな、と思って聴いていた。

 Eric Clapton「Life in 12 Bars」、ってか、クラプトン関連作品集なんだろうな。Big Bill Bloonzy辺りから始まるんだから、影響度が高かった人なのだろう。もちろん次のマディ・ウォーターズも当然なのだが、そこからヤードバーズ時代へと雪崩れ込む。そういえば先日ちょっとしたバーに行ってたら小さな音でBGMが流れててヤードバーズ含む60年代のビート系が流れてて、ついつい会話が途切れがちになってそっちを聴いていてしまった(笑)。お決まりのジョン・メイオールとの作品がいくつか入ってのクリーム時代。スタジオ盤はどうにもオチャメな感じは相変わらずなのだが、ここで面白いのは1967年のアレサ・フランクリンの「Good To Me I Am To You」にクラプトンが参加した曲が入っているってトコロか。冒頭からクラプトンならではのブルースフィーリング溢れたプレイが聴けて全編に渡って弾き続けている若き日のクラプトン、やっぱりこの頃は凄い。なかなか耳にすることのない曲だし、ここでの収録はありがたいところかも。そしてクリームの醍醐味、ライブからの抜粋になってくるからこの辺からはもうロック的に面白くなってくる。ビートルズへの客演はどもかく、「Spoonful」の未発表ライブテイクあたりからはいくつも発掘ソースが駆り出されていてそのままDisc 2へと。

 デレク&ドミノスになっての未発表もいくつかあるんだけど、この辺からはなぁ…、レイドバックしてきてロック的にはちょいとズレているんであまり聴き応えは個人的にはないけど、歴史的にはなかなか魅力的な音源が揃っているんだろうな。「I Shot The Sheriff」フルレンスって…、ま、いいや。んで確かにちょいと珍しいというか面白いのが「Little Queenie」か。まぁこのヘンはいいや。やっぱり自分的には70年頃までのクラプトンなんだろうなとは思う。音楽的にはどんどん成長して発展していくから後の時代もあるんだけど、ロック的にはね、やっぱりそのヘンまで。ただ、あの状態で続けてたら持たなかっただろうから、ってのも分かるしさ。んでもこういうのは面白い編集版だ。




Cream - Detroit Wheel 1967

Cream - Detroit Wheel 1967
デトロイト・ホイール 1967

 時代は着々と変化しているなぁと。こんなもんが何でまたAmazonの通販に出てくるんだ?ってのと出てきてもおかしくはないな、ってのとあるんだが、そんな無法状態で誰でも何でも載せて良いのか?ってのを考えるとあんだけビッグなサイトなのにやっぱり所詮はな…みたいなのも思ってしまう。消費者側からすりゃ別に何でも色々なものが買えれば良いんで、そんなこと気にしないでどんどんアイテム増やしてくれってな話だろうね。自分的にもそうは思う。ただ、昔からしたらあり得ない事だし、それも堂々と誰の目にも触れるトコロでアングラ音源をネットで売りさばいちゃうってさ、良いのか?50年経過したから著作権切れてるから良いとか、そもそも誰の著作権があるんだ?とか実際アングラ音源ってのはそこまで言うなら録音した人に著作権あるんじゃないか、とか色々議論があってややこしいみたいなのだが…。

 GWだし、ちょいと目新しいシリーズやってみるかなってことでやっぱり自分のロック好きの原点ともなる70年代前後の王道ロックバンドの音源漁り。オフィシャルでも発掘シリーズ出てきたり、到底オフィシャルじゃないだろ、ってのからも出てるけどアマゾンで誰でも買えるんなら立派にオフィシャル権あるんだろ、って解釈でいいかと。そんなことで目についたものを片っ端から…ってか昔からその辺のアングラものを聴くのも普通だったし、往年のリスナーはどうしてもそっち入っちゃうでしょ。それが万人が聴けるものになったってことは喜ばしいことでもある。ただ、ミュージシャン側への印税が入らないだろうな、ってのは気が引けるので大々的に紹介ってのはあまりしない方が良いんだろうなと本能的には思ったわけで。

 Creamの「Detroit Wheel 1967」。オフィシャルのクリームのライブ音源はほぼ1968年のライブソースからのもので、割と落ち着いた演奏、あれでもね、まだ落ち着いている、というか完成している演奏を収録しているんだけど、1967年頃ってのはまだまだ荒っ削りで魂迸ったプレイだけでアドリブをガシガシやってるんだな。いや、68年はもっと完成してたけど、バトルにまで発展しちゃったじゃない?ここではその手前、まだバンドアンサンブルというかホントにアドリブのぶつかり合いを楽しんでいるという様相が聴けてクラプトン圧倒的に有利、という感じでどの曲もプレイされている気がするもん。ジャック・ブルースももちろんブイブイ出てきてるけどさ、クラプトンスゲェよ、ここは。こんなのやってたら命削るだろって思うんだが今でも健在っていう不思議。ジミヘン並みの激しさをガンガンに出しててこりゃもう聴いてるモン皆が皆唖然としてたに違いないっていうライブ。普通にクリーム好きだな、あのライブ盤かっこよかったもんな、なんて思ってる人がコレ聞いたらもう戻れないよ、間違いなく。オフィシャルのライブ盤がつまらなく思えてくるからさ、それくらいの衝撃ってのを覚悟してほしい。ってかオフィシャルで出してくれよ。

 ライブアルバムリリースも目論んでいたんだったら分かるんだけど、しっかりと聴きやすいっていうか普通に卓録されたテープが元音源だから生々しさはそのままだけどしっかりと音源に集中できるレベルのクォリティで真面目にライブにハマっちゃう見事なライブ。こういうのがロックだよ、ホント。今の時代ではまずあり得ないロックの熱さ、魂のぶつかり合い、みたいなのがココにある。

Live in Detroit '67

Steve Marriott's Packet Of Three - Live In London 1985

Steve Marriott's Packet Of Three - Live In London 1985
ライヴ・イン・ロンドン 1985 (生産限定紙ジャケット仕様)

 文明の利器はどんどん発展しているけどコンテンツの方が追いついていないんじゃないか?そりゃどんどんと高機能なガジェットが出てきても、その分コンテンツ作るのって高精度で高機能でクォリティの高いものが求められるワケだから作るのに時間がかかるようになるんだからどうしたってコンテンツの方が遅くなり少なくなるってもんだ。だからユーザー側も飽きてしまうだろうし、となるとハイスペックなガジェットなんて要らないってことになるし、適当なバランスで落ち着いて進化していくのかもしれない。ソフトウェアから進んでいくというのもあるんだろうけど、それにしても同じ現象に陥る。んで、結局古くからあるコンテンツを別に文明の利器の恩恵をさほど受けなくても楽しめるのだが、敢えてそれを楽しむという意味のないお話…。

 Steve Marriott'がHumple Pieの解散後に何かやんなきゃってことで組んだバンドがSteve Marriott's Packet Of Threeってバンド。ドラムは盟友ジェリー・シャーリー、ベースはセッションマンのジム・リヴァートンって人で、3人編成でシーンに出てきた。あいにくオリジナルアルバムを作るまでバンドが持たなかったのか、アルバムのリリースはないんだけど、ロンドンでのライブを収録したCD「Live In London 1985」なんてのが発掘音源としてリリースされてて、YouTubeで探してみたらテレビ放送だったようで、インタビュー付きでのライブ映像があったんで、これが元ネタかと。狭っ苦しいところで白熱のライブを繰り広げているんだが、これがまたさすがスティーブ・マリオット、上手いよなぁ。迫力満点だし歌声もあのまんまだし、んで、こんな狭いトコロでやってるもんだから迫力が凄い。やっぱり世界レベルを制したオトコのライブは凄いわ。改めてそんなことを実感したのだが、やってる曲はこれまでのキャリアの集大成的なものと自身の趣味要素が強いのかな、それでも十分に迫力を楽しめるんで良いのだが。ブルースやらせりゃホント天下一品のプレイと歌を聞かせてくれるのもここで堪能できるし、ホント、良い感じ。

 しかしこのセッションベーシストのジム・リヴァートンさん、歌も歌うし結構器用な方でマリオットとの相性も良さそうだな。そんな事を思いながらも映像を見ながらライブを堪能してしまった。CDはオフィシャルかどうかも怪しいけどアマゾンで帰るからいいか、ってことで一応載せてます。iTunesにもあるから多分オフィシャルなんだろう。まぁ、大半はライブ映像見て楽しむのだろうな。そりゃもうCDってなかなか売れないわ…。


Alvin Lee - Pump Iron

Alvin Lee - Pump Iron (1975)
Pump Iron

 職人芸のミュージシャンは昔も今も多数いるし、それぞれの仕事は追いかけていくとホント、キリがないのだが、そんな関係性が面白くて色々と繋がっていくのも英国ロック。たまたまではあるけどアンディ・パイルって確か…ってちょこちょこと調べてたら実に色々なトコロで名前が出てきてて、そっか、それで何となく記憶にあったのか、なんて事が判ってね、やっぱり英国ロックの楽しみってのはこういうトコロにあるのか、なんてフムフムって思ってたトコロ。

 アンディ・パイルさん、セッション活動も盛んだったことからパートナーとして認定されることもあったようで、今度は我らがアルヴィン・リーに抜擢されていて、アルバムとしては1975年のAlvin Leeのソロアルバム「Pump Iron」に参加している。アルヴィン・リーもこの頃ってのはTYA解散してどうすっか?ってな時期だけど、やっぱりながら本人大得意のオールドタイプなR&Rスタイルをひたすらにやりまくるという作風に始終したアルバムに仕上がっている。そりゃさ、得意なんだからそれが一番なんだけどオリジナリティに欠けるってなモンでして、その辺の選択も時代と合わなくてなかなかシーンでももがき続けたという印象はあるが、ギタープレイを聴いているとそりゃいつも通りでTYAの頃の速弾き感ではないけど、さすがに弾いてるんで心地良いのは心地良い。

 ちなみにアンディ・パイルもかなりのランニングベース的に弾いていてそりゃ気があったんだろうなぁというのがよく分かる。TYA時代からそういうの好きなのは見えてたし、そこでこんだけ追随するベーシストだったら一緒にやろうってなるわな。ちなみにこのアルバムではイアン・ウォルラスやメル・コリンズ、ボズ・バレルなんて強者達も参加していて、実はアルヴィン・リーってキング・クリムゾン連中と仲良かったのか?とも思えたりするのだが、まぁ、クリムゾンからハジかれた連中ばかりとも言えるんで、そのヘンはR&Rやブルース好きな連中だったからこそって話だろう。

 ちょいとアルバムとしては曲調がワンパターンになりつつあって、飽きてくるのとギタープレイが凄いんだけどあのアルヴィン・リーを彷彿とさせるほどのプレイにも感じられないというちょいと残念な作品か。




Blodwyn Pig - Getting To This

Blodwyn Pig - Getting To This (1970)
Getting To This

 iPhoneを水没させてしまったのだが、それが一瞬だったからかほとんどの機能が無事に使えててラッキーだなぁ…なんて思ってたら音が出ない、のと当然ながら電話ができないって事が発覚して、さてさて困ったと。それ以外は使えるワケだが、携帯電話が電話機として機能しないってのははたして価値があるものなんだろうか?それってiPod Touchと同じじゃないか?みたいな事を思いつつどうしたものかと新しいiPhone見てニヤニヤしちゃってたんだけどそんなにカネ出す価値もないしなぁ、ってことで密封パックにシリカゲル入れて一晩放置してみた。スピーカー部分だろうから乾けば何とかなるだろうという目論見だったがこれで見事に復活したのだな。ならばもうちょっと使い倒してから新しいのにしようと決めた今日このごろ、何はともあれ良かった良かった…。

 1970年にリリースされたBlodwyn Pigのセカンド・アルバム「Getting To This」。ご存知Jethro Tullの初代ギタリストだったミック・エイブラハムがTull離脱後に組んだ自身のバンドで、ここのメンツが後にJucy Lucyに行ったのだが、こちらのBlodwyn Pigでのサウンドスタイルがこれまた結構Jucy Lucyにも通じている部分多くて、妙にメンバーの入れ替えに納得しちゃったんだが、そのルーツはと言えばやっぱりジェスロ・タルでして、そこは当然だけどミック・エイブラハムのセンスが大きく貢献していたんだなぁと納得。その玉石混交的なセンスがここでも生かされていてどんなバンドかはそれで想像付くんじゃなかろうか。もちろんギターそのもののクローズアップが大きいんだが、ベースにしてもドラムにしてもフルートにしても大活躍してのごちゃごちゃの音、それでも妙に美しく聞こえるというのはセンスの問題か計算されたアンサンブルの賜物か。

 ファースト「Ahead Rings Out」に比べてセカンドの方が明らかにバンドの音としては進化していて、多様性も一層増しているように感じるが、その分バンド内での人間関係が微妙になってきてしまったらしく、結果的にミック・エイブラハムが脱退することになって解散状態へと進んでしまうのが残念だ。この路線で一丸となったバンド活動していたら結構評価されたんじゃないかなぁ…、正にロック的なジャズスタイルで、いや、ロックでしかないけどジャズな取り組みしているって音でもしかしたらジェスロ・タルよりもハードロック、ギター寄りで分かりやすいと言うか聞きやすいと言うか…、そんな気もするからさ。アコギにしてもフルートにしてもきちんと美しく入ってるし。うん隠れた名盤ですよ、これ、多分。


Jucy Lucy - Pieces

Jucy Lucy - Pieces (1972)
Pieces

 世の中の評判がよろしくないからと言って自分が聴いてみて同じような感想を抱く必要もない。いや、そう思うのはあるのかもしれないけど、だからと言ってそういう聴き方をする必要もないし偏見を持つこともない。自分がそれでもこいつは格好良いぜ、って思うアルバムなんてのはいくらでもある…、のは一般からズレてるってことかもしれんが、所詮ロックなんて嗜好しかないんだからそれで良いじゃないか。万人と同じ感性なワケないんだしね。久々にそんな事を感じたアルバムがこれ。

 Jucy Lucyの1972年リリースの4枚目のアルバム「Pieces」。既にオリジナルメンバーは全員離脱していたにも関わらずJucy Lucyというバンド名を継承したまま活動していたというバンドで、その中心にはポール・ウィリアムスとミッキー・ムーディがいたわけだ。当然ながら色々な方向に散らばっていくこの個性がここで一瞬だけ光り輝く作品を出してて、歴史に埋もれているのはやや残念か。かく言う自分もJucy Lucyの三枚目までは一気に聴いていたけど、この「Pieces」は全然聴いてなかった…ってか手に入らなかったのもあったんだが、聴けてなかったもん。そもそもオリジナルメンバーもいないから作品としてきちんと数えられてなかったっつうか取り上げられる機会も少なかったんじゃないだろうか。上記二人に加えてBloodwyn Pigからのリズム隊を加えての作品で、果たしてどうなっていることやらと思って楽しみにしていると…。

 初っ端から強烈なグラムロック風味のR&Rが出てきてもう最高です♪ 実力派のポール・ウィリアムスなんだから言うことなしの迫力だし、ミッキー・ムーディもこんなギター弾くんだなぁと思うくらいの泥臭いR&Rスタイルのプレイ、カッチョ良いです。この初っ端でこのバンド、まだまだイケる、って思ったもん。まぁ、それ以降はちょいとパッとしなくてやっぱり快心の一発は一発でしかなかったか、というのはあるとしても、決して悪くないアルバム。ただ、どこに向かうのか、ってのが見えきれないままのバンドになってしまったんで、どうしようもなかったんだろうなぁとは思う。ただ、自分的にはどこかSilverhead的なグラムロックスタンスと共通のものを感じるアルバムなので、割とお気に入りですね。

Killing Floor - Killing Floor

Killing Floor - Killing Floor (1969)
Killing Floor

 ブルース・ロックに取り憑かれた連中が何人も周囲にいて、皆が皆夢を見てバンドを組んでライブハウスに出たりメンバーとセッションしたりして、ってのが60年代末のロンドンのシーン。他にも勿論色々なシーンはあったけど、ブルース・ロックは主流だったしね。んで、いち早く一番若いFreeってバンドがヒットを放って飛び抜けた存在になっちゃったけど、その周囲にはBlack Cat Bonesで残された連中もいたし、ポール・ロジャースとサイモン・カークの友人だったKilling Floorのステュアート・マクドナルドもいたワケだが、旧友を知るステュワートからしてみたら自分もベースでFreeに参加していれば人生違ったのに、ってのもあっただろうなぁ。友人が成功するステップを見事に目の前で見せられて、自分が埋もれていくのも同時に実感して…、なかなか辛かっただろうに。それでもPeaceでポール・ロジャースが何かやろうって時には一緒に付いていって、また捨てられて…と、最初の選択が異なると人生変わるってな見本みたいなものだ。別にこの手の話はビートルズに限ったことじゃない。ストーンズでもキンクスでもフーでもあるが、もっとマイナーなトコロでも多数ある話。

 Killing Floorの1969年デビューアルバム「Killing Floor」。それこそ友人たちと同じレベルでシーンに出ることが出来ていたワケだからこの時点では何らフリーと、ポール・ロジャースやサイモン・カークと比較して負けてることはない、むしろKilling Floorの方が圧倒的にブルース・ロック、ギタリスト的にもロック的にも味と油の乗ったブルース・ロックを繰り広げていて食いつきが良かったんじゃないだろうか。今聞いても結構な迫力と演奏力を持ったサウンドだと思う。一方のフリーはそこまでキャッチーではないし食付きが良いとはいえないサウンドでもあったはず。ところがそのKilling Floorも出だしほどでもなくいそいそとセカンド・アルバムも同年にリリースして何とかシーンに残ろうとしていたが、ここからが難しい。フリーは天才が数人いた集団だったから勝手に音楽性が広がっていったことでバンドが解体していったが、Killing Floorはブルース・ロックしか出来なかったし、それが売りだったからこれが受けなくなると勝手に衰退していくのだな。もちろんそんなのは瞬時にして衰退していったので、鳴かず飛ばずの状態になってバンドは崩壊。フリーはその後ブルース・ロックから飛躍した楽曲で世界中にブレイクしていったという明暗。

 こうやって書くと分かりやすいよね。こだわりとプレイの旨さ確かさと音楽センスと先見の明、バンドや個人のセンスによる運命の分かれ道、ほんの紙一重の違いなのかもしれないけど、はっきりと分かれてしまう人生の道筋。今じゃカルトバンドのレアアルバムとして名高くはなっているが、本人達が欲しかった勲章ではないだろう。そういうのも含めてこのアルバムを聴くと、熱いだけのロックは実に短命ながらも、聴く側にするとホントに熱く魂を聴かせてくれる傑作で血湧き肉躍るアルバムだ。ブルース・ロックでこんだけ聞かせてくれるのもなかなか見当たらないし、格好良いアルバムだよ。悲運の人生と共に共鳴する作品。




Taste - On the Boards

Taste - On the Boards (1970)
On the Boards

 正月ってのは時間がたっぷり取れるから好きなのをじっくりと吟味しながら聴けるってのは毎年思うが実にありがたい休みだ。他にもすることたくさんあるだろ、ってな話だけど割とそうでもなくて結構ね、自分の性格的にはいわゆる夏休みの宿題は最初の3日で仕上げてしまって残りはすべて思い切り遊ぶという計画的な部分があって、追い込まれないとやらないというんでもないのでやんなきゃ、ってことはさっさと片付けてしまっての時間を有意義に使うって感じです。その方がすっきりとモヤモヤなく好きなこと出来るんでね、あれやこれや気にしなくて良いし。だからホント、じっくり聞く時は聴けるという幸せ。じゃ、何聴こうかなぁ〜ってのもまた楽しみだし。

 Rory Gallagher率いるTasteの1970年のセカンドスタジオアルバム「On the Boards」。そもそもスタジオ盤二枚しかリリースしてないし活動期間も1年強程度しかなかった強力なトリオだったワケで、それでスタジオアルバム二枚にライブアルバム何枚か、ってのは結構な仕事量だったと思う。ライブ盤がいくつもあるのは注目されてなきゃ録音されてないんだから、やっぱ人気も期待度もあったんだろう。ワイト島くらいなら分かるけどさ、それでもワイト島のライブに出れるってのもそれだけの注目度だったんだろうしね。もっともライブやこのスタジオ盤なんか聴いてみれば当時がいくらブルース・ロック全盛期だったと言ってもクラプトンじゃないけど、ロリー・ギャラガーが突出したプレイヤーだったってのは分かるでしょ。Tasteというバンドのアンサンブルだって結構なモンで、ロリーが引っ張ってるのはあるけど、しっかり付いてってるしさ。

 んで、この「On the Boards」ってアルバムはセカンドで、短期間でリリースしてきたのもあってか普通はファーストと似たような傾向になるんだけど、敢えて意識的にちょいと変化球を入れてきたという感じの作風に仕上げているようだ。このあとのロリーの活動を見ると決して自身の音楽性がこのアルバムで聴けるようなちょっとプログレッシブな方向にあったようには思えないので、意図的に作風を変えてきたんだろうと思う。サックスやブルースハープまで吹いているようだし、それもできちゃうってのも凄いけどさ。んで、どう変わってるかってぇとちょっと深みのある曲構成やアレンジ、多様な楽器類を用いた変化球という感じではあるけど、それでもまぁストレートなブルース・ロックそのまんま、ではある。やっぱギターを弾きまくってるのが一番格好良いもんなぁ。確かに飽きるけどさ、その意味でこのアルバムは秀逸かもしれない。物足りなさはあるけど出てきた時のギタープレイはさすがっ!ってな感じで聴けるし。

 ホント、この人、もうちょっと楽曲を磨くってのがあればなぁ…、それが無いからこそ熱いギタープレイな男、なんだけどさ。久々に聴いたこの「On the Boards」は割と冷静に聴けて色々考えてたのかなぁとかちょいと捻ってるんだろうなぁとかね、見えちゃって。それでも味わい深いアルバムだし、こういうロックが自分は大好きだし、やっぱりロックは格好良い。


Delaney & Bonnie & Friends - On Tour With Eric Clapton

Delaney & Bonnie & Friends - On Tour With Eric Clapton
オン・ツアー・ウィズ・エリック・クラプトン

 聴かず嫌いのままでほっといたアルバムもたくさんある。会話してると「え?聴いてないの?」なんてことを言われることも多いんだけど、そりゃそうだろ、全部聴いてないだろ、普通、とか思うんだけどな。ロックの名盤らしきものは全部通ってるみたいに思われてるけどさ、そりゃ聴けるなら聴いておくべきとは思うけどさ、何か性に合わないのなんて別に聴かないじゃない?特にアメリカモノではそんなの多いし、かなり聴いてないと思う。だから今この年にして初めて聴いてかんどうするようなアルバムもあるワケですよ。それもまた楽しくてね、良いです。

 Delaney & Bonnie & Friendsの「On Tour With Eric Clapton」、そうもちろん有名なエリック・クラプトンが参加した、ってヤツですがね、自分も大して調べてなかったのもあるけど、まず、メンツがほぼ英国人のスワンプ・ロック好きな連中ばかりで、デイブ・メイスンやボビー・キーズ、リタ・クーリッジなどなどで何でデラニー&ボニーのバンドでそうなる?と不思議に思ってると彼らの英欧ツアーのバックとして参加したのがその面々ってことね。自分たちのバンドだけじゃなくて一緒に多数のメンツでやったってことらしいけど、それにしてもデイブ・メイスンの曲演ってたりとかするし、結構な密接度合いだなぁともうちょっと背景を知っていかないと何でこういうメンツになっていったのか分かんないや。適当に音楽だけ聴いて良し悪しじゃなくってね、そういうのって自分的には結構重要。そういえばクレジットないけどジョージも参加しているとかいないとか…、それはまぁどっちでも良いけど、アメリカ南部のサウンドにブルースギターが入ったもので、まだまだその発想が斬新だった頃の創成期アルバムになるのかな。

 ん?いいじゃん、これ。 ってのが最初の感想。ボニーさんの歌い方ってジャニスみたいだしさ、熱唱型で好きですよ、こういうの。クラプトンのギターも結構エグい音で鳴ってて雰囲気出てるし、ジャニスのバンドみたいな雰囲気だしさ、ゴチャゴチャしたホーンセクションとの融合もそれらしいし、何だ、南部の音でとかレイドバックしたクラプトンの原点はここにあるとかそんな事が書かれてるのばかり読んでたから聴く気にならなかったけど、普通にサンフランシスコ風味なジャニスのバンド風味なロックじゃないか。それならもっと早く聴いてたのにな(笑)。


John Dummer Band - John Dummer Band

John Dummer Band - John Dummer Band (1969)
John Dummer Band

 なんとなくディープな英国ブルースロックバンドを漁ってったんだけど、もちろん何でもかんでも聴いたことがあるワケじゃないから改めて聴いているのもあるし、発掘してるのもある。毎回毎回そんな事してるのって、やっぱりここの所書いてるような発見や面白さってのがあるからだし、へぇ〜なんてのも多いからだろう。昔はホントに情報が少なかったのとカネも少なかったってのあるか。一言でブルースロックと言ってもそれはもうメジャーなものか遊びでやってるものもあったりするし、皆が集まって何か演るとなれば当然ブルースセッションだったワケだし、そんなのももういないか(笑)。

 John Dummer Band名義での1969年セカンドアルバム「John Dummer Band」。これがまたさ、キーフ・ハートレーもそうだけど、何でドラマーがリーダー名義のバンドが出てこれてロックの名作になってきてて、しかもそれが心地良いってなるんだ?面白い時代だ。ロックもリーダー名義でのジャズ的なセッションによるアルバムを目指していたのかもしれない。そんな事を思いつつも聴いてみるとこれが初っ端から見事なまでのカントリーブルース。何とスウィングしているブルースなんだ…と驚きを覚えるスウィング感で実に軽快。好みかどうかで言えば全然なんだが、このグルーブ感はとっっても心地良いのと曲によるけどフィドルも入ってきて何ともカントリータッチに軽快…なんだけど、やっぱり抜け切らない所は英国風味たっぷりという面白さ。パッと聴いてたら何だこれ?ヘンなカントリーアルバムだなぁ…ってくらいの作風に仕上がっていて、呆れ果ててしまうくらい(笑)。

 実に渋い面々が揃っていて、Jo Ann Kellyも参加…って、どこかで聴いた人だなぁとかさ、もうこのヘンになると色々と調べてメモってかないと分からないレベル。そんなこと気にしないで音を楽しめよってのもあるけど、やっぱり相関関係とか作品つながりとかって面白いから気になるんだよね。キリ無いからしょうがないが。しかいまぁ実にオーソドックスなブルースロック、と言うよりもブルース寄りな作品を作ったもんだ。へぇ〜、なんて思ってたらアルバム一枚さっさと聴けてしまうという手軽さもよろしい。良いギターだなぁ…。


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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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