Eric Clapton - Behind The Sun

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 70年代を生き抜いてきたロックミュージシャンのとってみると80年代というのは何と生きにくい時代だったのだろうかと思う。当時の本人達は実際にそんなことを思っていたのかどうかわからないけど、今となって振り返ってみると誰もが自己を主張しつつ結局はあまり大した物が見つからなかった、というか70年代の自分達が一番輝いていたということに改めて気付いたというレベルではないだろうか。それでももちろん時代の波に乗って音楽性を変えながら生き抜いてきた人もいる。デヴィッド・ボウイやストーンズなんてのはその代表でもあるだろう。そしてもう一人、この人も激しい自己変革と共に生き抜いた、とも云える。

Behind the Sun August

 「Behind the Sun」、1985年リリース作品で、80年代になってからは「アナザー・チケット」「Money and Cigarettes」という相変わらず渋い音のアルバムをリリースしていたもののもちろんあまりパッとせず、英国は思い切り80年代ポップスの風が吹き荒れていった時代、丁度クラプトンがアルバムをリリースしなかった頃なのだが、そういう音楽シーンを尻目に色々と考えたのか、試行錯誤したのかわからんが、とにかく今までとは全く違う角度で制作したアルバムになったのが「Behind the Sun」だ。

 プロデューサーのみならず楽曲アレンジなどにも多大に貢献していたのがフィル・コリンズという話は有名。クラプトンって自分で曲とかはつくるけどアレンジなどは全部人任せらしいのは多分この辺のアルバムから始まったんだろうな。フィル・コリンズによるAOR的なアレンジは正に彼が自分でジェネシスをポップバンドに仕立て上げてソロアルバムも成功に結びつけた手法をなぞったもので、クラプトンもこれに乗ったというところか。その甲斐あってとっても聴きやすくなっているのは事実で、クラプトンのギタープレイはまるで単なるスタジオミュージシャンと同じレベルで聴けるようになっていて、歌は渋い声で歯切れ良く聴かせてくれるというもので、ロックというよりもミディアムテンポのオシャレな楽曲が並び、80年代半ばらしいゴージャスなアレンジがアルバム全編を包み込んでいる。なんつうおしゃれさだ…。

 一曲ごとにそりゃ云いたいこともあるんだけど、そうだなぁ、どれもこれもあまり得意ではない曲かな。ただ、さすがだな、って思うのは例えば「Forever Man」なんかで聴けるんだけど、一瞬だけギターソロが弾かれる小節なんてのがある時は凄くクラプトンのシャープなギターが出ているというのもある。「Same Old Blues」なんかだとちょっと頂けない感じなんだけどさ。他はまぁ、どれもこれもあれそれも…ってなトコで…。かと云って「Forever Man」という曲が良いかと云うと、決してそんなワケではないのだが。

 ファンの間でもあまり評判がよろしくないようだけど、そういったことはあまり気にしてなくって、やっぱり自分的に好みでないなぁ、と。まぁ、これで売れるアルバム作りってのがわかってきたクラプトンは次作「August」で更に洗練されてベルサーチを着こなしてダンディーになっていくのだ…。

Humble Pie - Rock On

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 70年代ロックバンドの旗手として名を挙げられるバンドも2000年代後半になってくるとますますその存在価値が稀少なものになり、そしてまた記憶から消え去っていくバンドも増えているんだろう。昔B級だと思われたバンドでも今やC級かもしれん。また70年代の代表だったバンドももしかしたらB級に格下げとか…、いやいや、そんなことはどっちでも良いんだけどふとそういうネームバリューの変化ってのはあり得ることんだな、と思いながら耳にしたバンド、しかしとんでもないスーパーバンドでもあったハンブル・パイ。

Rock On <Performance: Rockin' the Fillmore

 1971年リリースの4枚目「Rock On」、これにてピーター・フランプトンはソロ活動に進んでいくのだが、まぁ、この頃のライブアルバム「Performance: Rockin' the Fillmore」が最高に重くてタイトでハジけているライブアルバムなんだけど、今回はそのメンツでの金字塔である「Rock On」ですな。

 これがまた素晴らしく重くてタイトでソウルフルでブルージィーでかっちょよい70年代英国ハードブルースロックの極めつけと言った感じのアルバムで、スタジオ作品の中では一二を争う出来映えではないかと思ってる。クレム・クリムソンが参加した作品となれば「Smokin'」ってのが有名なんだけどさ、いやいや、どうして、コイツもかな〜り良い作品で、ヘヴィーだよ。初っ端の「Shine On」がピーター・フランプトンとはあまり思うまい。やっぱスティーヴ・マリオットの好みだよなぁ〜なんて思って聴いてたら、「あれ?」ってな感じでこれ、フランプトン??みたいなね、そんな感じでさ。ただサビのコーラスの使い方とか聴くと「あぁ、やっぱりな」って思えるから面白い(笑)。もちろん当時リアルで聴いていたらそんなのわかんないかもしれないけど、後追いだとさ、聴く順番変わるからわかるんだよ…。

 それにしてもアルバム全体からスティーヴ・マリオットの雰囲気がガンガン出てきていて、もう曲聴いているだけでマリオットのハイトーンながらもソウルフルな歌がガシガシ響いてくるしさ。「Stone Cold Fever」から「Rollin' Stone」のあたりはもう絶品ね。逆にフランプトンの曲も一発でわかってしまうけど、それでもマリオットの意地に歩み寄ったフランプトンとの化学反応は見事で、意外と器用なギタリストという面を発揮。これでマリオットも安心したと思ったらねぇ、残念。

 しかし、この辺の香りっつうか空気はやっぱり良いなぁ…。親しんでいるからだろうけどロック的に一番落ち着く雰囲気♪

Alvin Lee - Pure Blues

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 自宅発掘音源シリーズ、まだまだ山のように出てきた(笑)。いや、全部それでもいいか、と思ってるんだけどさ、ほとんどのCDとかレコードってのは割ときっちりとアルファベット順とジャンル別にしてそれなりに整理してあるので探しやすくなってはいるんだけど、そこかしこで入手してきたモノの特にCDは棚の中にひたすら並べてあるだけで未整理になっているものもけっこうあったりしてなかなか整理整頓を始めると面白い。そんな中から多分いらないと思ってまとめてあるCDの山もあったりします。で、そこを漁ってて出てきたのが今日の作品。

Pure Blues Let It Rock

 1995年リリースのソロ名義でのライブか新録音か何かかと思って入手したんだと思うが…、「Pure Blues」というタイトルの作品。アルヴィン・リーって結構好きなギタリストで、フレージングやテクニックもともかく、音色が自然でギターの落としているのが好きかな。マイルドなトーンだしね。まぁ、そのヘンはセミアコ使ってるからだろうけど…、あとはやっぱり驚異的な早弾きのセンスだよねぇ。単純にかっこいい、って思わせてくれるもん。もちろんブルースもあるけどジャズの影響なんかも多いし、思い切りロックンロールって側面もあるので、テン・イヤーズ・アフターというバンドが初期は面白かったんだよ。

 バンド解散後も一応ソロ活動してたりしたのでその延長線上の作品かなぁ、と思って裏ジャケを見ると何となく知った曲目が並んでいたので、まぁ、ベスト盤か、ライブ盤か、ってなトコロで後者だろうと踏んだんだが、敢えなく敗退。単純にアルヴィン・リーの作品からアルバムタイトル通りブルースに根ざした曲ばかりを全年代の作品からチョイスして作られたブルース基準のアルバム。最初のアルバムから名盤「Ssssh」、再結成作品の「About Time」からの曲も含めたTYA時代のもの、それからソロ作時代の曲が入っていて、最後の一曲だけデモテイク収録っていう珍しいベスト盤。それでもブルースに根付いた作品が多いので楽しむことはできる。まぁ、ここから入ることはお薦めしないけど、悪い編集ではないかな、と。

 しかしこうして全年代を通して聴くとやっぱりTYA時代って密度が濃かったんだなぁと思うね。どこか神がかっていたっつうかさ、そういう空気感の違いってのはよく感じられるね。そんなことだったのでどうもお蔵入りCD群の中に紛れていたらしい。実際TYAの大半を所有していれば不要なタイトルではあるが…。

Humble Pie - In Concert 1973

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 棚の中からの発掘音源シリーズ(?)と題するべきか…、立て続けに出てくる出てくる気になる音源♪ 1970年代の英国ロックが最も熱くて楽しい時代だったことはロックファンならば当然周知の事実ではあるが、埋もれているバンドや後に発掘音源としてリリースされたものには当時リリースされたアルバム以上に凄いものってのがあるのだ。だから今は結構良い時代かもしれないね。もちろんリアルタイムでアルバム聴けた方が絶対良いんだけどさ。

King Biscuit Flower Hour: In Concert Performance: Rockin' the Fillmore

 ハンブル・パイの傑作と言えば誰に聴いても多分「Performance: Rockin' the Fillmore」というライブ盤だと思う。このライブは本当に英国のロックバンドか、これ?と思うくらいに激しくかっこよくそしてパワーと自信に溢れている作品で以前このブログにも登場しているんだけど、1996年になってこのライブアルバムを凌ぐほどのハンブル・パイの全盛期のライブがリリースされたのだ。先の「Performance: Rockin' the Fillmore」のライブはギタリストがピーター・フランプトン時代で1971年のフィルモアのライブを収録しているんだけど、この「King Biscuit Flower Hour: In Concert」はギターがクレム・クリムソンに変わって、1973年5月6日のサンフランシスコでのライブを収めている。うん、キング・ビスケット・フラワー・アワーというアメリカのラジオ番組で放送されたものがこうしてCDになったんだけど、これがもう凄い迫力なんだよ。ちなみに来日公演直前のライブだったので当時を知っている人は思いっ切り記憶が甦ること間違いナシの発掘ライブ音源でしょ。

 うん、とにかく凄い迫力で音圧で攻めてくるライブで、これぞハードロックバンドだよ。マリオットのソウルフルな歌声はもちろんギターもマイルドなトーンで凄く良い音してるし、これはクレム・クリムソンの音がそうなんだろうな…、やっぱレスポールの音は素晴らしい!絶対にアメリカを制覇できたバンドだし、世界をも制覇できるパワーを持つライブのエネルギーがしっかりパックされているので、今更って気もするけど絶対オススメ♪

 ハンブル・パイって初期から追いかけているとなかなか不思議なバンドで…、サイケデリックから始まってヘンなロック行って、そしたら思い切りハードロックで…、うん、そういうところは凄く英国らしいかな(笑)。しかし思い切りブルージィなギター弾いてる中にザクザクと切り込んでくる音ってのもロックだ…。これこそロックの正しい音です。

Peter Green's Fleetwood Mac - First Album

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 今はゲイリー・ムーアが所有しているピーター・グリーンの59年製のレスポールだが、今でもバリバリに使っているワケで、そりゃまぁ名器だから良い音がするということで当たり前なのだが、まだピーター・グリーンが自分でそのギターを使っていた頃のアルバムがフリートウッド・マックの初期の作品群。中でもやっぱり最初のアルバムが一番雰囲気出てるし、モロにブルースばっかで興味深いかな。

ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック(紙ジャケット仕様) ミスター・ワンダフル(紙ジャケット仕様)

 「ピーター・グリーンズ・フリートウッド・マック」1967年リリース、なのかな。メンバーはミック・フリートウッドとジョン・マクヴィー、ピーター・グリーンの三人に加えてジェレミー・スペンサーという器用なギタリストの四人組。もちろんモロに黒人ブルースをカバーしているというかモチーフにしているというかそのままと言うか…、雰囲気をしっかり出している点では凄いんだけど音楽的個性という面から見ると、少々物足りないのも事実。だが時代も時代なので英国三大ブルースバンドとして数えられるものだ。それでもこれだけのブルース作品を老いジナルも混ぜて作れるってのは相当好きじゃないと無理だろうから、才能は凄くある人達だったんだろうなぁと。

 昔なかなかこのファーストアルバムって見つからなくって…、あまり注目された時期じゃないから再発とかもされてなくて入手に苦労した。入手したらこんなにチープなブルースなのかと思った記憶があるもんなぁ。でもギタリスト的にはジェレミー・スペンサーの派手な音を聴かせるギターと噂のピーター・グリーンのレスポールサウンドは結構痺れた。レスポールってやっぱ良い音するんだなぁって。「Shake Your Moneymaker」のカバーはバターフィールド・ブルース・バンドもやってたので選曲のセンスが似てたのかなぁ、面白いよね。あれだけ色々なブルースの曲がある中で似たようなのを選んでくるってのはやっぱロックミュージシャン的にやりたくなる曲調ってのがあるんだろうな。

 それとこのアルバムのジャケットって、縮小されていたりするものもあって、多分これがオリジナルのサイズなんだと思う。なかなかうらぶれた雰囲気が良いね。ヘヴィー過ぎないブルースを奏でていた最初期のマック、ボーナストラック付きの限定版は更に迫力あるのが聴けて楽しめるもんだ。

Gary Moore - Still Got The Blues

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 少々変わったところでブルースをお手の物にしてしまった人、というか元々は器用な泣きのギターを弾く人として有名だったテクニシャン、ゲイリー・ムーア。1990年リリースのアルバム「スティル・ガット・ザ・ブルース」からブルース回帰宣言して、非常に売れてしまったためこの路線で作品を作っていくことにしたらしい。

スティル・ガット・ザ・ブルース ライヴ・アット・モントルー1990

 それまではもちろんハードロックバリバリのギタリストで、ストラトサウンドで弾きまくっていた、というかその前はもちろんシン・リジィ、コラシアムII、スキッド・ロウなどなどと多岐に渡る活動をしていて、よく知られているところではあのピーター・グリーン(フリートウッド・マック)の一番弟子で、彼が病んでしまった時にレスポールを譲り受けて所有しているというなかなかあり得ない関係も持っている人。

 うん、それはまあ良いとしてだ。「スティル・ガット・ザ・ブルース」というアルバム、緒戦はハードロックギタリストがブルースらしく弾くだけだろうと思っていて、全然聴かなかったんだけど、何かの時に耳にしたら「誰これ?」って話になって、そこから見直した。もちろん元々の育ちがあるから歪んだギターで弾きまくるというスタイルに違いはなく、フレージングがブルース的というだけで早弾きもあるし、ブルースというよりもお得意の泣きのギターもバンバンと入ってくる。特にタイトル曲は泣きまくりで有名で、ほんとにこの人お得意の下降旋律をなぞった泣きのギターソロ、言うならば演歌調…ではなく哀愁のメロディが炸裂している。

 一方では「Too Tired」みたいにシンプルなブルースギターっぽく弾いているものもあって、多分この人普通にブルース弾こうと思ったら簡単に弾けるんじゃないかなと思う。でも独自性をそこに付加してこういう形でのブルースなんだろうなぁ、と。往年のブルースメン達、特にアルバート・コリンズやキングなんてのが一緒に参加しているのを聴くとスタイルが似てるんだよね。するとフレーズというか音とか早弾きみたいなところで独自性出しているんだろうなぁと。ま、ちょっと弾きすぎなんじゃないかとは思うが、それはしょうがないだろうな(笑)。

Eric Clapton - From The Cradle

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 ブルースメンとして個人的にはそんなに認識がないのだけれど、一般的にもマニア的にもかなりの度合いでブルースメンとして認知されている人、エリック・クラプトン。いやぁ、ブルースロックギタリスト、なんだよね、自分的には。もちろんヤードバーズからクリーム、デレドミあたりまでとかソロもいくつか…、っつうか大体持ってたし聴いたなぁと思う。でもやっぱりどうもホンモノ的香りがしないのか、あまりそういう認識はないんだよねぇ。

フロム・ザ・クレイドル ライディン・ウィズ・ザ・キング

 …なんていう自分の認識を大きく覆してくれそうになった思い切りブルースアルバム「フロム・ザ・クレイドル」は実に楽しめた。リリース当時、ボロい車のラジオからこれが流れてきてさ。多分一曲目の「Blues Before Sunrise」だと思うんだけど、カーステなんて豪華なもんじゃなくってAMラジオレベルのオモチャみたいなラジオスピーカーだったから音悪くてさ、それでこのスライドギターからのイントロが流れてきて、「おぉ??」って思ってボリューム上げて聴いてたんだよね。そしたら凄く図太い声で歌が始まってさ、ソロももちろんブルースそのものでかなり感動したんだけど、何となく本能的にどこか違うなぁ、黒人のホンモノではないな、これは、ということはすぐに察知できて、となると白人だと誰がこんな渋いのやるかなぁ…なんて考えてたらさ、「エリック・クラプトンの新作より」なんて言うから驚いた。言われてみればクラプトンのギターなんだろうけど、この歌声が?とかこのスライドがクラプトン?やるなぁ〜と改めて見直したって感じが強かったね。それで速攻買いに行って聴きまくりました。まぁ、音そのものが90年代なのでちとノスタルジックさはなかったんだけど、このギターと歌はかなり凄いぞ、と面白かった。ここまでギター弾きまくったアルバムってそんなにないんじゃないかな。しかもオリジナルの本人に近いようなフレージングでクラプトン節もしっかり効かせてるという奥の深さ。何曲かギター二人で弾きまくれば良いのになあと思うけど、まぁ、それもよし。

 カバーの原曲ってのがもちろんあるんだけど、渋いんだよなぁ、ほんとに。主に50年代の作品が多いけど、1945年生まれのクラプトンがリアルでその頃に聴いていたワケではないので趣味的にそのヘンなんだろうね。それにしても偏ってるのは自分のスタイルに近いからなのかな。結構選曲は不思議だけど、作品は良いモノに仕上がってるから良し、か。ローウェル・フルソンとかエディ・ボイド、リロイ・カー、ジミー・ロジャースが何曲か。んで、自分も好きなんだけど、そしてクラプトンのセッションしたアルバムがあるフレディ・キング。いやぁ、話逸れるけどフレディ・キングは最高にかっこよいブルースギタリストだよ、ほんとに。ポール・ロジャースの「マディ・ウォーター・ブルーズ」が1993年にリリースされているけど、それとはかなり趣が違うカバー曲ってのもなかなか面白いよね。やっぱクラプトンの方が年上ってことか、趣味の問題か…。ストーンズもこういう作品作れば良いのにね。そしてクラプトンのこの作品、ほぼ全曲ライブレコーディング一発ってことでオーバーダブなしってのも適度な緊張感とグルーブ感があるんだよね。やっぱバンドっつうかブルースロックってのはそういうのが良い。

 ってなことで久々に聴いたけど、やっぱり偽物のブルース作品(笑)。でも白人ブルース的にはかなり素晴らしい作品で、好きだな、こういうの。成り切れないがために成り切る、成り切りたい、っていう姿勢が良いのかもしれない。これでB.B.キングあたりがゲストで参加してチョーキング一発弾いたらクラプトン一瞬にして負けるもんな(笑)。だから英国のブルース好きな連中はいつまでたっても夢を追いかけていられるんだよ。

Maggie Bell - Live At The Rainbow 1974

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 ようやく週末…、今週も大変よくアルコールに付き合った一週間だったもんだ。このブログのネタも少々途切れてしまったのが残念なんだけど、まぁ、またガシガシ書くから大丈夫でしょう。ちょこっとテーマを見失っている面もあるんだけど、多分皆が皆楽しめる内容をどんどん持ち込んでくる予定。まぁ、気分次第なので突然訳の分からないモンが登場することもあるでしょうが…。

 さて、そんなことで先週くらいに中古CDショップであれこれ物色していて結構CDを入手してしまったのでその断片も一部紹介しながらまだまだ書き連ねていこうかな、と。

Coming on Strong Live at the Rainbow, 1974 Live Montreux July 1981

 マギー・ベル。英国スワンプの女王と呼ばれたボーカリストで、古くはストーン・ザ・クロウズというバンドのフロントを張っていた女性で、その歌声はジャニスよりも太く、魂はジミヘン並み、とは言わないがかなりソウルフルな歌を奏でる人ですな。で、そのバンドが1973年にギタリスト感電死という悲劇を迎えるに当たってバンドは存続を頑張るモノのやっぱり解散に追い込まれたようで、その後すぐにマギー・ベルはソロ活動を開始。恒例のレコード会社の思惑なのかと思うけど、まぁ、それでも良いじゃないか。ってなことでニューヨークで録音したファーストアルバム「Queen of the Night」が有名。その後は英国に戻ってセカンドアルバム「Suicide Sal」というこれまた名盤が登場するんだけど…、なんてったってゲストにジミー・パイジがいたり、フリーの曲なんかもカバーしていたりしてなかなかマニアには喜ばしい作品なんだもんね。それが1975年のリリースなんだけど、その前の1974年にロンドンのレインボウで行われたライブの様子を収録していてあるのが二枚組のライブ盤「Coming on Strong」。

 一枚目はストーン・ザ・クロウズの1972年のライブで、正に時代を象徴するかのようなフリーアドリブに覆われたブルースロックらしい混沌としたライブが入ってるんだけど、この良さはまた次回ってことで、二枚目に入っているマギー・ベルのライブ。これがまた面白い。この人曲作りにあまり比重を置いていなくて歌えれば良い人なのでガンガンとカバー曲が入ってくるのが嬉しいね。フリーの「Wishing Well」なんてのもかなりくだけて歌ってるし「I Saw Him Standing There」っつうビートルズお決まり曲とか、後はメドレーで色々な往年の曲のカバーがあって、これも聴き応えあるね。ポール・ロジャースもそうだけど上手い人はどんなの歌ってもやっぱ自分のものにしていて、違和感なく、そしてかっこよく聞こえるもんだ。

 かなりソウルフルな歌声なので、好みは分かれるかもしれないけど英国から出てきた女性版ポール・ロジャースという感じで聴いてみるとなかなかよろしい。今でも元気らしいのでもしかしたら地元のパブとかで歌ってるのかもね。

Ten Years After - Ssssh

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 1969年ウッドストックに出演したことで一躍ヒーローの座を獲得した若き英雄アルヴィン・リー。もちろんそれ以前にアルバムデビューしており、ファーストアルバム「Ten Years After」ではまだまだサイケデリックな雰囲気も残したサウンドで、そしてセカンドアルバム「Undead」ではいきなりのライブ収録アルバムとしてリリースし、「I'm Going Home」を収録していることで有名なアルバム。まだまだサイケデリック的な印象を残したままではあるが、ジャジーに展開する秀作だよね。その後「Stonedhenge」も1969年にリリースしていて、これはかなりブルースロックの原点でもあって良い作品だと思う。

Ssssh Live At The Fillmore EastUndead

 んで、ウッドストック自体が宣伝となったアルバム「Ssssh」はウッドストック後にリリースされて、ロック名盤一覧には必ず挙がってくるくらい定番化された傑作。初っ端の「Bad Scene」から意表を突く曲展開が繰り広げられていて、バンドの一体感と曲のアグレッシヴさが目立つ入魂の一曲。ともすれば単なるキワモノバンド扱いされてもおかしくない曲ではあるが…、フォーカスみたいなおちゃらけさではないと認識されているのでマシではある(笑)。そしてその分ギターソロが滅茶苦茶かっこよい。ブルース一辺倒でもなくて結構メロディをなぞっている部分もあってまろやかに弾かれている。そしてバックのオルガンとベースとドラムとの一体感が何と言っても熱くて素晴らしい演奏。う〜ん、いいなぁ、こういうのは燃えてくるぜ。その分二曲目はアコースティックに展開した曲で、なかなか趣がある小曲。「Stoned Woman」はリフ一発、みたいな感じで時代の産物かな、もちろんギター弾きまくりなので悪くないのだ。そして入魂の一曲「Good Morning Little Scoolgirl」。ヤードバーズもカバーしていた有名曲だが、圧倒的にTYAのこのバージョンの方がかっこよいし、演奏力も違う。いや、クラプトンを向こうに回してそれは言い過ぎかもしれないが、聴いてみると絶対そうなんだからしょうがない。アレンジ力の差なんだけど、それよりもアルヴィン・リーの技量の凄さが全面に出せているってのが強いかな。ここでのギタープレイこそがブルースロックのお手本、みたいな面大きいよね。静と動、バンドとのバランス、心地良いところでリフレインに戻る、などなどZep好きの自分的にはこういうのはツボにハマるのだ(笑)。

 以降はアルバムで言うB面なのだが、う〜ん、こちらはA面ほどのアグレッシヴさがなくて少々テンションダウン。まぁ、悪くないけど実験的な面が大きいのでちょっと求めてるのと違うかな、と。しかし、最後の「夜明けのない朝」という曲はもう王道ブルースロックそのもので、かっちょいいっす。リフはともかくギターのフレージングや歌の絡みやハモンドなどもひっくるめてTYAの最高作の最後を飾るに相応しい曲。スタンダードなところで期待するフレージングが必ず出てくるという裏切られない曲だから余計にいいんだろうな。英国ブルースロックとはこういうものだ、っていう象徴。

 やっぱりこの人達はライブに尽きる。「Live at the Fillmore East」というウッドストックから半年後のライブ盤がリリースされていて、これがまたかなり熱くてよろしいライブです。「revorded Live」だとちょっと大人しいから、やっぱ70年前後のが良いね。

Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard

カテゴリー: 70s UK Blues Rock

 GWの合間の仕事時間、全く持って力が入らないのは言うまでもないことで、ついつい遊び呆けてしまうのは誰も皆そうだろうと思いたい。しかし全くアルコールの抜ける日がなんと少ないことか、そしてダラダラと飲み明かす楽しみ、これもまたロックな会話だったりする。先日ミュージシャンの方と飲む機会があった。もちろんギタリストだったんだけどやっぱりどことなくオーラを発していて、特に気張っているわけでもなく色々な仲間と楽しく飲んでいただけなのだが、やっぱり好きを仕事にしている人っていうのは羨ましいな、と思ったよね。もちろんそれがツライってなることもあるんだろうけどそこはやっぱり好きで始めたし、これしかないからなんてことでサバけているのかもしれないなぁと。ウチのブログにもharukko45さんていうプロのミュージシャンの方が来てくれていて、ブログでは気さくにあれこれと書かれているのでなかなか興味深い(笑)。いつもありがと〜ございますっ!

 で、話は全く逸れまくっていたんだけど、何が書きたかったかと言うと、性格ってのがギターに表れるし、その時々の状況も音に表れるんだろうなぁ、と楽器というものの良さを言いたかったワケです…。そこでGW中と言うこともあり、ホントはベックからテクニシャンギタリストスペシャルへと進もうと思っていたんだけど、どうにもマニアックになりすぎそうだったのでメジャー路線に進みます(笑)。

461 Ocean Boulevard There's One in Every Crowd
Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) 461 Ocean Boulevard
Eric Clapton - There's One In Every Crowd There's One In Every Crowd

 ベックが世紀の一枚を発表する頃、三大ギタリストの筆頭でもあったクラプトンはと言えば、「461 Ocean Boulevard」をリリースしていた頃=すなわちレイドバック時代だったワケで、そのあまりにも差が開きすぎてしまったこの二人の音楽性というか人生と言うか表現方法と言うのか…、ジャケットからしてどこか寂れたシーサイドホテルの様相だったりして決して明るく心地良いサウンドには思えないしロックなサウンドにも思えないという佇まいだ(笑)。いや、中味はそうでもないんだけどね。…っつうかこの頃のクラプトンって私生活では散々でドラッグまみれになっていたトコロからの復帰作だったんだな。その割に出来上がっている音はかなりまとも、いや、だからまともなのか。個人的な好みではないけれど、今聴いてみるとかなりロックしてるんだ、と思った。「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - Motherless Children Motherless Children」から結構勢いあるし…ただ、やっぱりレイドバックした雰囲気が漂っているので脳天気にはならないっつうのが良いのかな。曲調的にはそれほど突出したものってあんまり入ってないアルバムだけど、結構聴いたのかなぁ、高校生くらいの頃にね。「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - Let It Grow Let It Grow」とかあんまり好みじゃないけど、やっぱりこのアルバムは「Eric Clapton - 461 Ocean Boulevard (Remastered) - I Shot the Sheriff I Shot The Sheriff」が一番マッチしているのかな。ご存じボブ・マーリーの曲のカバーね。緊張感というのか気負いは凄く感じる作品だってのは大きいのかもしれない。それはアルバム全体に云えることでもあるなぁ。でもなんであまり好みじゃないんだろ?ま、理由なんてないか(笑)。

 一応書いておくとクラプトンソロ史の70年代のアルバムの中では結構な名盤に入るハズで、こういうのもクラプトンなんだよっていうのは知っておくべきことかな、と。