Walter Trout - We're All in This Together

Walter Trout - We're All in This Together (2017)
We're All in This Together

 ブルースメンの世界ってのはやっぱり同じような場所で同じようなのをやっているからアチコチで会ったり意気投合したりするのかね。皆それなりに知り合い的なコミューンになっているようで、アチコチの人のアチコチのアルバムに誰かが参加してたりして割と面白い。今の時代でもそうだし、多分昔もそのままだったんだろうから、今回のウォルター・トラウトの作品のように新旧織り交ぜての超ベテランから同期まで含めての交流をひとつに纏めちゃいましたってアルバムはなかなかユニークで面白い。

 2017年リリースの「We're All in This Together」。モノの見事にすべてが誰かとセッションしているというアルバムで、そこに連なる顔ぶれは今の時代のブルースメンを筆頭としてシーンそのものを象徴するかのような面々が並んでいる。

Kenny Wayne Shepherd / Sonny Landreth / Charlie Musselwhite / Mike Zito / Robben Ford / Warren Haynes / Eric Gales / Edgar Winter / Joe Louis Walker / John Németh / Jon Trout / Randy Bachman / John Mayall / Joe Bonamassa

 古い所ではジョン・メイオールやランディ・バックマン、ロベン・フォード、エドガー・ウィンターあたり、途中はゴソッと抜けてボナマッサあたりからの世代が並ぶ。まぁ、実際作品を聴いているとそこまで意識しなくても何となく、あぁ雰囲気違うのが入ってきてるな、なんてのは分かるからゲスト陣営の目立ち具合は結構くっきり出ている。そもそもウォルター・トラウト自身が目立たなくなってるのか?ってのもあるけど、多分そうでもないんだろう。話題的には十二分な作品だったんだけど、自分的には全然知らなかったな。やっぱり定期的になんかこのヘンも漁らないとこういう面白いアルバムに出会えない。良かった。

 さて、中身の熱気ぶりはどの曲もバトルが繰り広げられるのでやっぱり楽しいよ。ブルースロックの醍醐味のひとつにこういうバトルってあるワケで、ハープとのバトルもあるしギターとのバトルもあるし、ただそれもバトルじゃなくて一緒に熱演していくっていうんでカッコよく仕上がっていくし、そこはもう曲というよりもプレイヤーの楽しみってなるし、聴いている方もそのバトルらしい展開にどうしても耳を引っ張られる。こんなセッションアルバム、なかなか聞けないんで久々にブルースギター好きな側面がクローズアップされて燃えたぎった作品。







Alastair Greene - Dream Train

Alastair Greene - Dream Train (2017)
Dream Train

 イヤフォンを耳に挿しながら歩いていたり電車に乗っていたりする人って凄く多いんだけど、やっぱりみんな音楽なんかを聞いているんだろうな。YouTubeなんかを見ながら、とか英会話レッスンしているとかってのもあるんだろうけど、大抵はなんか聴いているようだし。こんだけ音楽があって手軽に聴ける環境になっているし、色々なサービスがあるからそんだけ需要があるとは分かってるけど、自分からしたらどんなのが聴かれているんだろ?ってのはちょいと気になるよね。電車なんかに乗った時に周りのスマホの画面って見えるから見ててもさ、やっぱり自分がしってる音楽世界を聴いているようなのってほぼ見ることがないんだよ。ロックの世界なんてそんなモンだろうなぁ、ってかやっぱり狭い世界しか知らないんだろうなぁ、と。それでもこんだけあるワケで、一般の世界に出るとどんだけあるんだ?って不思議になる。凄い広い世界なんだろうと。

 ブルース・ロックは心地良い。そんな事で眺めていたらこれもジャケットからして結構な弾き方するんじゃない?って気になって聴いてみたのがAlastair Greeneって人の2017年アルバム「Dream Train」。カリフォルニア出身のギタリストで、アラン・パーソンズん所でやってる人みたいだけど、あまりにも情報無さすぎてよく分からん。既に5枚目のアルバムらしいので結構なキャリアだろうし、そういうセッションやってるんだから職人的にも上手いワケで、それこそニッチな世界でのプロなんだろうと。んで、聴いてみると初っ端からご機嫌なレスポールサウンドなのかな、これ。歪んだブルース・ロックが流れてきて、しかもキャッチーでスライドも刺激的に刺さってくるパターンで、音色もやっぱり好み。ハンバッカーのこの音はやっぱり良いねぇ〜、伸び伸びとしたトーンでグイグイ来る。自分のギターもこういう音出すもんなぁ、とか思ったりして楽曲云々よりもギターの音色が嬉しい一枚だ。

 アルバムの中身的にはブルース・ロックだけどロック寄りなスタンス、かな。ある種とっても自然にギターを弾いたロックバンド、凝った展開もなく普通にギター持って弾いたらこういう音になるよってくらい。自分だけがそう思うのかもしれないけど、そういう印象でね、ギターソロにしても色々なスタイルでの入り方とかプレイスタイルなんてのは研究している感はあるけど、基本本能に従ってのプレイかね。一曲ギターソロの掛け合いみたいにやってて、なかなか熱気あるので誰が参加してるのかと思ったらWalter Troutだった。なるほどそういう交流もあるわけか、と。こういうのは聴いてて燃えてくるね。あとはやっぱり大らかなカリフォルニアの大陸感は漂っているからいかにもアメリカン、というのもあってサザンロックじゃないけど、そういう気質的なのは出てくるんだね。色々な意味で聴いていて馴染みやすい音で英国のとは違うけどアメリカらしい、ブルース・ロックらしいサウンドを出しているナイスなアルバム。









Sean Chambers - Trouble & Whiskey

Sean Chambers - Trouble & Whiskey (2017)
TROUBLE & WHISKEY

 iPhoneのタッチIDが使えなくなってしまって、パスコード入れるのなんてもう面倒で面倒で…。慣れってのは怖いモンだ。しかしそれ以外は普通に使えているから修理出すほどでもないし、そもそもこないだバッテリー交換してからおかしくなってるんだから、と言いたいけど、その因果関係が証明できるワケでもないし、そのままにしとこうかと。新しいのにするかとも思うけど、10万も出して替えるのもね、そこまでの理由もないし、かと行ってホントに壊れてしまってからだと何かと不便だろうし、実は買い替えタイミングって結構難しいのかも。その意味で無条件に2年縛りで交換ってキャリアの戦略はアリなのかもね。

 ブルース・ロックってのはいつの時代もそれなりの人間たちがやっていて、いつも色々と探したりしているけど常に誰かを発見したり発掘したりしてとことん深い世界だと実感するが今回もそのヘンをちょこっと漁ってみるとまだまだ出てきます。Sean Chanbersというフロリダ出身のブルース・ロックギタリストで2017年リリース作の「Trouble & Whiskey」てのを。アルバムデビューは2003年頃って話だし、既にアルバムも何枚も出しているし、ヒューバート・サムリンとツアーもしていたっていうツワモノとのことで、そんなキャリアあってもなかなか知られてないモンなんだよね。このアルバム聞いてみようって思ったのはもちろんこのアルバムジャケットの熱血ぶり。どう見たって暑苦しく弾くブルースメンの姿じゃないですか。こういうの、ハズれないでしょ。

 ってことで聞いているんだけどもちろん想像通りのブルース・ロックそのまま。何ら変わったことのない曲調にギターフレーズ、熱いプレイに熱いボーカルスタイル、お決まりの進行とパターンで堂々と攻め立ててくるという素晴らしき熱血漢。ここまで想像通りに来てくれると実に心地良い。ギターソロはこう入るんだ、とか次の展開はこうなんだ、とか大抵のパターンは自分の思い通りに出てくる、すなわち自分ではテクニックがないから出来ないけど、彼がそのまま弾いてくれているというのか(笑)、だから心地良いんだよ。意外性はないけど、ホントにブルース・ロック、そのまま。オールドタイムなファンは疑うこと無く馴染むギタリストで味わえる人です。





Danny Bryant - Big

Danny Bryant - Big (2017)
BIG

 元々がアメリカの奴隷制の中から出てきた土着音楽のひとつでもあったブルースが徐々に市民権を得て英国の小僧達にそのカッコよさを見込まれて、その小僧たちがポップシーンにそれを持ち込んだ。そこから小僧とオヤジの交流が始まり、世界に飛び火していった。今じゃその遺伝子が更に世界各地に散らばっていて、その間でジミヘンやSRVのようなカリスマ伝道師の影響が大きく響いたことですでにアメリカという国のものではあったけど、世界中でブルースという形態は解釈されて根強く受け継がれていると言えよう。

 Danny Bryantという英国の若者がロリー・ギャラガーやウォルター・トラウトなどの熱いブルースギタープレイに夢中になってギターを手に取り、プレイし始めていたが、今じゃすっかりダニー・ブライアントありきという位置にまで成り上がっているようだ。日本じゃ全然知名度無いからどうにもわかりにくいんだが…。定期的にアルバムはリリースされているんで、さてさてってことながら「Big」という2017年リリースのライブアルバムを聴いてみた。いやはや、しっかりタイトル通りにデカくなってしまっていた英国人のダニー・ブライアント、ギターがストラトなんかだと小さくて小さくてしょうがないが、アルバムに収められているサウンドの白熱ぶりはさすがに大御所への道まっしぐらのブルースメンなだけあって、密度が濃い。歌にしても重みのある歌声でしっかりと聞かせてくれるし、ギターに至っては、いいね、こんだけ弾いてくれると気持ち良いよ。ロリー・ギャラガー並みに弾きまくってくれてて心ゆくまでギターが聴ける。

 ホーンセクションや鍵盤ももちろん当たり前に導入されているからゴージャス感もあるし、重さもあるし明らかにこれはもうブルース・ロックそのままの今バージョン。もっともっと知名度上がってきても良いんだけどな。そのヘンもロリー・ギャラガーと同じような意味合いで売れ線が出来る曲が無いってことかもしれない。それでも気づいてしまえばこのギタープレイはホント、メチャクチャ熱くてハードなので超満足出来るのは間違いない。






The Marcus King Band - The Marcus King Band

The Marcus King Band - The Marcus King Band (2017)
マーカス・キング・バンド登場!

 新しい世代のロックも聴いていかないと古い世代のロックばかりじゃ終わっちゃう。もうほとんどのバンドの爺さんたちが終わりに向かってるトコロだろうし、時間の問題でしょ。でもロックってのは面白くて残っているんだから新しい世代のをきちんと聴いて探して刺激して楽しんでいかないといつまで経っても古いロックの遺産ばかりを聴くだけになるし、そこには新しさはなくって時代の空気感のパッケージとの出会いしかない。やっぱり今でも新たに融合を果たした熱いライブなんてのを楽しむ事もしたいし、刺激を受けて奮起したいってのもあるだろうし、若くて勢いあるのがたくさん出てきている。どんだけ後世に残るかってのは別として自分たちの琴線に触れるサウンドってのはあるもんだ。

 The Marcus King Bandの2017年リリース2枚目の作品「The Marcus King Band」。メジャーデビュー最初のアルバムになるようだが、それがすでに元オールマン・ブラザース・バンドのウォーレン・ヘインズのプロデュースによるもので、曲にも参加しているが、更にデレク・トラックスまでもが一曲参加してて、それがまた二人して弾きまくっててスライドが凄まじいことになってる。肝心のマーカス・キングその人のギタープレイもそつなく流れていく南部系なプレイで、歌声はちょいと線は細いけど高域まで出てくる歌声で男らしさとはちょいと違うが、マズマズな歌声。ジャニスの軽やか版って感じかな。やってる曲は案外聞きやすい南部系だけどブルース一辺倒じゃないし、サザンロックともちょいと違う。個性的なスタイルで、ギターに頼るんでもなく、歌に頼るんでもなく、割とアンサンブルを意識したコンテンポラリー感溢れる作品で、このヘンはデレク・トラックスと同じようアプローチなのかもね。

 そこで出てくるギタープレイの的確な音が邪魔すること無くしっくりと曲にマッチしてきて品のある楽しみ方が出来るトコロはなかなか新人とは思えない出来栄え。ホーンが入ったり鍵盤が入ったりと、古き良きブルース・ロックの退廃的な雰囲気も持ちながら現代の新しいスタンスも取り込んでいる作風。見事だな…、この世界でこんだけ新しい風を送り込める作風を出せるってのもだし、どういう理由か、それがオールドタイムなリスナーにも受け入れられやすい手触りに仕上がっているのも見事。





The Derek Trucks Band - Songlines

The Derek Trucks Band - Songlines (2006)
ソングラインズ

 どことなく秋の雰囲気が味わえるようになってきたんでそろそろ音の傾向もちょいと変えていきたいかななんて思う。とは言ってもそこまでガラリと好みの傾向が変わることもないので、結局刺激を求めているってのが本音だろう。その刺激ってのはどういうの、ってのもなかなか分からないから結局アレコレ聴いてみるしかないという始末。今時はその意味でもネットで色々と試し聴き出来るんだから楽なモンだ。先日もCD買う買わないの話してたけど、全く買ってないという当たり前の回答をもらってしまったりね、そりゃ普通はそうだろうなぁと。それでもどんどんと新人は出てきてシーンにいるんだから産業としては成り立つ形になってきているのかな。

 これまであんまり興味を覚えなかったDerek Trucks Band、ちょっと聴いてみようかなと思って手を出してみたのが2006年リリースの「Songlines」。初期作品だとまだ10代だったからなぁと敬遠してちょうど機が熟してきたあたりの作品を聴いてみたんだが、これがまた意外や意外の前評判とは全然異なる音楽性でかなり印象変わった。オールマン・ブラザーズ・バンドに参加したスライド・ギターの名手でドロドロのブルースギタリストという印象があったんで、まさかこんなにコンテンポラリーなサウンドが溢れ出てくる作品をソロでやってるとは思わなかった。正直言ってブルースギタリストという肩書が不要、と言うか邪魔しているくらいに才能豊かな人で、このアルバムでも初期のアルバムでもジャズの巨匠達の曲なんかをカバーしているという逆転の発想。なかなかジャズ曲のカバーなんてポップスの世界じゃ出来ないからね、その時点で発想が違う。んで、それが迫力を持って出てくるって時点で普通の感覚を超えている。見事なものだ。

 ブルースギターという角度で聴ける曲はほぼないのかもしれない。所々で入ってくるスライドやギターフレーズなんかが只者じゃないっていう雰囲気で鳴ってくるんで、そりゃデレク・トラックスって人を知ってないと、何だこれ?ってなるんだろうよ。どっちかっつうと一人の音楽家としてのアルバム作成がメインになってて、そこでの突出したギタリストという位置づけでのギタープレイなんだろう。そのインパクトはしっかりあるし、かと言ってそのギタリスト像だけに囚われない幅広い音楽性がコンテンポラリー性を出してて、いやはや驚いた。好みじゃないけど凄いなと。






Johnny Winter - White, Hot and Blue

Johnny Winter - White, Hot and Blue (1978)
White, Hot and Blue

 ギター面白いなぁと思いつつも最近全然まともに弾いてないし、スタジオにも行ってないし多分全然弾けなくなってるんだろうな。ホワイトブルースロック的なのがやりたかったのはその昔、いや今でもその手のが出来るならやりたいとは思うけど、もうちょっと色々なのやりたくて自分でギター弾いてるとちょっとそこに留まらないのを弾いてたりする。それがなにかってぇとそこまで才能ないからよく分からんけど、ブルースじゃないな。それなりになにか自分らしいのが出てきてたのかもしれないし、単に才能ないからそうなってただけかもしれない。ただ鳴らしてるの好きだし、バンドで流すのも好きだし、そんなもんだ。

 Johnnt Winterの1978年リリース「White, Hot and Blue」。ちょうどスカイレーベルへ移籍してマディ・ウォーターズと一緒に数枚アルバム作ってた頃の直後、心機一転若手集めて白人小僧達だけで作ったブルースアルバムという位置づけ。聴いているとそりゃジョニー・ウィンターはあのままでブルース・ロックやってるけど、どうしてもバックとの一体感にはちょいと乏しいか。ジョニー・ウィンターが協力だからバックがどうあれ、作品の質にはそこまで影響しないんだろうけど、やっぱり一体感的なトコロはバンドの息とかあるんで、その意味ではちょいと物足りない、っつうか落ち着いた作品にも聞こえる。この跡のアリゲーター時代はえらくグルーブしていくことを思うとやっぱりそこが弱かったか。もっともそういうシカゴスタイルのブルースを狙ったのかもしれないが。

 そういう聞き方するとジョニー・ウィンターのプレイもこれまでのような激しいロック的ブルースプレイでもなく、スタンダードなプレイに徹しているという気はする。どっぷりとモノホンのブルースメンに浸かっていたからこうなったのか、果たしてマディ・ウォーターズからはどういう影響を与えられたのか、歌への真髄だったのかもしれないな。そういう意味で、結構スタンダードな作風でもあるし、ジョニー・ウィンターらしさが少ないアルバムとも言えるか。それだって相当のクォリティは当然キープしているので、違和感なく聴ける作品。



Roy Buchanan - Live At Town Hall 1974

Roy Buchanan - Live At Town Hall 1974
ライヴ・アット・タウン・ホール1974 ~ライヴ・ストック完全盤~

 ホントに今は21世紀も20年近く経った時代なのか?って思うくらいには70年代あたりのミュージシャンの作品がリリースされまくっている。死んでたってリニューアルしたり発掘音源出したり、まとめ直してみたり色々な手を打ってリスナーを絶えず飽きさせずに話題を振りまき、きちんと商売にしつつも歴史的発掘作品をリリースしているから買う側も文句の出ないレベルであれば問題なく拍手喝采で迎え撃つ。それもいつまでも続かないだろうが、それはそれで一つの市場形成にもなっているんだろうから、成り立っているであろうお話。聴けるんだったらそれは楽しめるだろうし、ありがたいしその分人生が豊かになるから良いじゃないかっていう考え方ではある。ただ、全て買うかってぇとそうでもないけどね。

 Roy Buchananの期待の発掘拡張版アルバム「Live At Town Hall 1974」。あのライブアルバム「Live Stock」の拡張版ってことで詳細を初めて知ったんだけど、1974年の11月27日にニューヨークのタウンホールで2セットのライブを敢行したらしいが、アルバム「Live Stock」に収められた演奏は概ねファーストセットのもので、どちらかと言えば丁寧な演奏になっていたものを収録したらしい。ところが今回の拡張版「Live At Town Hall 1974」に収録された未発表ライブってのはほとんどがセカンドセットの演奏なようで、それはもう明らかに全然ファーストセットのかっちりとしたプレイではなくって激しくテレキャスのすべてを出し切りながら弾きまくっているロイ・ブキャナンの魔術師の所以であろうプレイが存分に詰め込まれていて、当時は恐らくこういった白熱ものよりもきちんとした楽曲になっている方が好まれたからああいうアルバムになったんだろう。しかし、今の時代、こんだけのアグレッシブなプレイのライブだったら断然セカンドセットのギタープレイが本質を語っているワケで、そりゃ好まれるだろう、ってことでのリリース。

 いやはや、そもそもの「Live Stock」だけでも魔術師たるプレイはいくつも聴けたけど、更にこのはアグレッシブなプレイが出てくるとね、やっぱり凄い人だわ、って。ブルースという枠組みを明らかに超越していて、テレキャスの限界を超えたプライをどんだけ引けるか、とか音色への挑戦だったり、もちろんプレイそのものも激しく弾いているのもあるからペケペケではあるけど楽しめる。普通にボリューム奏法で入ってくるとかあるし、何気なく聴いてても「?」ってシーンは多いからちょっとギター好きな人だと気になってしょうがないライブですね。いやはや、こんなのが出てくるんだから面白い。

The Blue Poets - Live Power

The Blue Poets - Live Power (2018)
Live Power

 世界にはまだまだ無名ながらもユニークなギタリストがいるもんだ、って毎回ブルースメンを探していると思う。年がら年中ブルースに身を浸している人ならそんなの知ってるだろ、って事かもしれないけど、ロックからブルースに入っている適当なリスナーとしてはそこまでいつもいつも情報を追いかけていないから気が向いた時にフラフラっと何かないかな、って探すんだけど、それでもこんな人にぶつかることがあって嬉しんでる。良いギター弾くなぁって思って来歴見てると何だ、そりゃずいぶんな経歴だし、こんくらいのギター弾けて当たり前かもなぁとか思ったりもするけど、やっぱり職人芸でギター弾いてて生きていくって大変だろうしさ、それでも好きで弾いてるってのもありありと分かってくるし、応援したくなるよね。

 Marchs Demlというプラハ出身のストラトメインなギタリストで90年代からあちこちでギター弾いて活躍していた人らしいけど、それほどネームバリューが高かったワケじゃなかったんだろう。いくつかのプロジェクトやバンドやったりして自分が知ったのはついこないだ。それもYouTubeなかったら知らなかっただろうなぁ。こんなギター弾く人いるんだ…、しかもプラハの人で思い切りブルース・ロックそのまんまじゃないか、と感激したものだ。今回は取り敢えず今の所Marcus Deml参加の最新のアルバム「Live Power」なんかを取り上げておくけど、やっぱり本人がYouTubeにいくつも動画を上げているんで、そっちのが面白いのは確か。ジミヘンやクリームのカバーなんかもあって「Little Wing」はジミヘンを超えてるか?ってくらいの出来映えによるギタープレイが感動的。このライブアルバムは今を切り取った作品ではあるけど、ギターそのものはもうこのまんまの人。

 ジミヘン、SRV直系のギタープレイで、ストラトのトーンを上手く操っての音色が心地良い。それでいてきちんとロックのフィールドに乗せてきているから面白くてね、バンドとか楽曲というレベルではちょいと弱いけど、MArcus Demlが思い切り一人だけで引っ張ってる。そんだけの力量とカリスマ性があるプレイで、往年のロックファンなら間違いなくあちこちと聴き漁りたくなるプレイヤーです。






Tinsley Ellis - Winning Hand

Tinsley Ellis - Winning Hand (2018)
Winning Hand

 アナログ時代はアルバムのジャケットってひとつのイメージシンボルだったし、アーティストの主張なんかを表すおのという部分が大きかったんだろうけど、CD時代になって、そのインパクトは薄まり、アートとしてのジャケットは少なくなっていった。それでもまだジャケットが主張するものってのはあったんだろうが、DL時代になるとはて一体ジャケットの意味はどれだけあるんだ?ってくらいには存在意義が低くなっている。アマゾンなんかで見かけるジャケット写真というレベルにしかなっていないから、そこでの主張なんてのまで読み取れるか、ってな話だが、案外それはあるものだな、と思うジャケットもある。細かいアートワークよりももっとインパクトに特化したジャケットの方がわかりやすいという風潮になってきたのかもしれない。今時のジャケットアートはどういう考え方で作られてるのだろうね。

 Tinsley Ellisというアトランタのブルースギタリストの新作「Winning Hand」がリリースされていた。別に追いかけてた訳でもなく、アマゾンでブルース系をアレコレ探してたらジャケットが目についたのでちょいと聴いてみたという話。この人いつもジャケットにギターというキーワードが出てくるくらいにインパクトあるジャケットなんだよね。今回のもどんだけギターをクローズアップしたジャケットだよ、しかもこんな角度での写真でストラトだけ色付きっていうギター好きなジャケット。聴きたくなるよね。ってことで聴いてみるんだけど、相変わらずのスタンダードなブルース・ロックのオンパレード、音色に変化がないので多少飽きる部分はあるけど、フレーズにしても感情にしてもプレイにしても目一杯ホワイトブルース・ロックそのまんまで、今時こういう人もいてくれるんだ、っていう嬉しさがまずある。しかもこの時代にそれで生き延びてるっていうくらいだからクォリティやプレイそのものは当然レベルが高いワケで、つまらないはずがない。

 割と奇抜なフレーズを組み入れてくるってのか、どんな音色なんだこれ?っていうフレーズが突っ込まれてくるから聴いてると一筋縄で行かなくて、フレーズを追いかけてしまう。難しいフレーズはあんまりないけど味わいは見事、過去の往年のギタリスト達ってのはもう一通り体に吸収されているんだろうなっていうくらいにはフレーズが豊富。面白い事に黒人ブルース的要素はあまり聴かれなくって、ホワイトブルースからの影響が大きいんだろうな、っていう感じ。もちろん黒人ブルースメンからも影響されているんだろうが、表現としてはこっちの方に寄ってるってとこか。一般のロックリスナーには受け入れられやすいブルースに仕上がってて存分に楽しめるナイスなアルバム。








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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


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