Janis Joplin - Live At Winterland '68

カテゴリー: White Blues

 気候が変わり環境が変わり、基本的に変化を好む方ではあるけれど、それが好む方向ならいいがそうでない場合ももちろんある。そんななんとなく憂鬱な気分な時に頭の中を流れたのが何故かジャニス・ジョプリン。そういえば随分彼女の歌声を聴いていないということを思い出した。何かが彼女の声を欲しいと思ったんだろうな、なんて思ってアルバムを全部取りだしてみる。当然ながら生前にリリースされたアルバムの数よりも没後にリリースされた編集盤やベスト盤の数が圧倒的に多くて、何が良いかなぁ〜と。

Live at Winterland '68 Cheap Thrills

 「Live at Winterland '68

 伝説的な名盤「Cheap Thrills」がライブ演奏を収録していることは有名な事実なんだけど、それが1968年の3月から5月のライブからのもので、没後にリリースされた「In Concert」や映画「ジャニス」に収録されているのは1968年3月から6月というものだ。そしてこの「Live at Winterland '68」は1968年の4月12、13日のライブからの編集ということで時期的にはほぼ被っている頃。ライブ盤ってのは一公演丸ごと収録したアルバムの方がよいのか、やはりベストトラックを抽出して繋いだ方が良いのかどちらも甲乙付けがたい部分はあるけど、「Cheap Thrills」なんかは後者で名盤と呼ばれているのだからやはりベストトラックをチョイスして作った方が作品的にはよくなるんだろうな。ミックスとか繋ぎとか違和感なければ聴く側はその方が圧倒的パフォーマンスを楽しめるんだから、そりゃそうか。

 この「Live at Winterland '68」も二日間のステージから選りすぐっているのでそれなりにチョイスされてはいると思うけど、やっぱ全体感としては「Cheap Thrills」には敵わない。ただライブ感というか流れみたいなものは事実こういうものだったのかな、と思う感じでライブの流れは自然。演奏はああだこうだというものでもなくって…、よくBig Brother & The Holding Companyはヘタと言われるんだけど、自分的にはそれでもパワーあるし白熱することもあるから凄くロック的で良いと思うんだよね。このライブでももちろんダレる部分もあるけど、やっぱ凄いなぁと思うところもあって、決してバンドも悪くない。ましてや時期が「」と被っているワケだからそりゃそうだよな。

 でも、やっぱり何と言ってもジャニスの迫力が圧倒的。ライブ盤でしか聴けない曲も多いし、ジャニスが如何にオーティス・レディングに近づこうとしているかよくわかると思う。シャウトとか聴いてるとかなり近い世界にいるように聞こえるしね。ジャニスを聞き尽くした人間にはこういうライブ盤もやっぱり嬉しく楽しめるものなんだ。ここから入る人ってのもいるとは思うけどやっぱりオリジナルアルバムを押さえてから来るべきトコ。

 やっぱ凄い女だ、この人は。

The Jeff Healey Band - See The Light

カテゴリー: White Blues

 トロント出身の盲目のブルースギタリスト、ジェフ・ヒーリー氏死去の方を聞いたのはつい最近のこと。ジェフ・ヒーリーの名前を聞いたのも久しぶりだったんだけど、まだ41歳という若さだったらしいが、ガンで逝去らしく盲目に加えて早くに逝ってしまうのも不運な人だったのか、満喫した人生が送れたのかわからないけど、そういえば出てきた当時はよく聴いたものだと追悼の意を込めて聴いてみました。

See the Light Hell to Pay

 1988年リリースのファーストアルバム「See the Light」。タイトルがモロに狙っているというのか、それを象徴しているんだけどアルバムリリースされた頃、話題ばかりが先行していて盲目のギタリストが膝の上にギターを載せて弾いていて、それが実に器用で素晴らしい、ということだったのでアルバムジャケットで見れるように確かに器用そうに弾いているんだろうなぁという印象はあったけど、アルバムを聴いてみると普通にモダンなブルースギターだったりして見た目と出てくる音のギャップを感じたモノの、かえって普通に聴いていたかもしれない。今の時代ならYouTubeとかで動く彼の映像を見れるので、その特異な奏法を目にして驚くこともできるだろうが、当時は全然見た記憶ないもんなぁ…、あ、MTVでプロモが流れてたのを目にしたことあるか。

 しかしそれくらい普通に聴けてしまうくらい別におかしくもなんともないブルースギタリストのアルバム。一曲目から思い切りマイルドで艶やかなギタートーンとフレーズで攻め立ててくるブルースソングで心に染み込む音が心地良い。アルバム全体としてもちろんギターは同様に鳴っているんだけど、ヘンにブルースしすぎてなくって聴きやすいモダンな音になっているのでおしゃれとも云えるかもしれないな。ブルースしすぎないってのは狙ったと思うけど、同時期に活躍していたロバート・クレイやスティーヴィー・レイ・ヴォーンのギターのトーンや曲調とは明らかに異なり、まぁ、カナダらしいとも云えるのかもしれないけど野生っぽいのではない(笑)。

 しかし今映像見て音を聴くとどうやって弾いてるんだこれ?って思うような弾き方で…、確かに1歳で視力を無くしていればどうやって人がギター弾いているか見たことないワケだから独自でこうなったんだろうなぁ。普通に弾いてみたら凄く巧かったりしてね。出てきた当時は話題も多かったけど以降はどんどんブルースマニア向けの人になっていったのかほとんど名前聞かなかったので、ほんと記憶から消えていた。こんな形で記憶が甦るのも良くないんだろうけど、久々にしっとりと聴いてみました。「Angel Eyes」の切なさを聴きながらね。



Stevie Ray Vaughan - Couldn't Stand the Weather

カテゴリー: White Blues

 今や伝説のブルースギタリストとして名を馳せているスティーヴィー・レイ・ヴォーンで、もう彼の生前すらをも知らない世代がロックを聴き、レイ・ヴォーンを聴いている時代だろうなぁと。自分的には少なくともレイ・ヴォーンはリアルタイムで聴けてよかったなと思えるのだが(笑)。

Couldn't Stand the Weather Live in Tokyo

 1984年リリースのセカンドアルバム「Couldn't Stand the Weather」。日本ではコイツがデビューアルバムだったんじゃなかったかな。デヴィッド・ボウイの「Let's Dance」に参加したギタリストとして一躍有名になった時にリリースされたハズで、聴いてみて皆びっくり、こんな本格派のギタリストだったのか?とうなり声を挙げたもんだ。丁度その頃はこういう骨太のブルースギタリストっつうのはなかなかいなくて、ちょっと後に軽めだがロバート・クレイってのが売れた時期に重なってくるのかな、でも全然レイ・ヴォーンの方がロックに近くてかっこよかった。

 そこにこの「Couldn't Stand the Weather」が来たワケでさ、もうねぇ、最初の一発でヤラレまくりです。「Scuttle Buttin'」ね。その頃ってヘヴィメタのイングヴェイ流の早弾きってのはあったけど、こういう早弾きなんてなかったからとにかく驚いて、これこそホントの早いフレージングだ、と認識したし、普通のヘヴィメタ系の早弾きなんてもう全然響かなくなちゃって(笑)、ひたすらコピーしてたけどもちろん弾けませんでした(涙)。いや、凄いんだよ、この一曲目は。そんでそれに続くアルバムタイトル曲「Couldn't Stand the Weather」もさ、それまで聴いたことのない曲調で、へ?ってなもんさ。次の「The Things (That) I Used To Do」にしたってもうグイグイ引っ張られるギターフレーズと音でブルースってこんなんなの?というかこれってロックかなんかわかんないけどすげぇ!って感じで惹かれたもんさ。心地良いし、ギターの音もストラトなんだけど凄く太いし…、それは多分弦の太さのせいだろうけど、かっこよかったぁ〜。A面最後の「Voo Doo Chile (Slight Return」なんてさ、最初はまだジミヘン知らない時に聴いたからこれが先で、圧巻、の一言だった。何だこのかっこよさは?って感じ。最も多感な頃に聴いたから衝撃も凄かった。

 B面に入ってもそういうノリの凄さは変わらないのでCD時代になって一気に聴いても全然疲れなくてひたすら口ずさみながら聴いてしまうな。「Tin Pan Alley」の哀しいフレーズというか音色で表現される感情ってのも凄くて…、普通に音楽として聴いていてもしっかりと伝わってくる「感情」がきっちりとギターに込められているだよ、だから凄く伝わってくる。素晴らしい…。

 こんな書き方をするはずじゃなかったんだけど聴いているウチになんか客観的ではなくて主観的に書いてしまった(笑)。たださ、やっぱこれ凄く良いアルバムだよ。全作品中一番かもしれない。基本的にこの人の場合はライブの方が面白いからライブばっか聴いててアルバムをマジメに聴くってのが少なかったから、久々に聴き直して惚れた。うわぁ〜、ブルースいいなぁ〜!!

Michael Bloomfield - The Live Adventures of

カテゴリー: White Blues

 ホワイトブルースの第一人者、ポール・バターフィールドとマイケル・ブルームフィールドのアバンチュールはどういうワケか数年程度しか続かず、二人は袂を分かっている。アルバムにして二枚しかないが、その間には実は数多くのセッションを二人揃って行っていることもあって、結構積極的に動いていた故にか、その寿命を縮めてしまったのかねぇ。そのマイケル・ブルームフィールドがブルースギタリストとして最も輝いていた時のライブの産物が歴史的名盤として残されているというのは実に幸いなことだ。

フィルモアの奇蹟 Super Session

 もうねぇ、ジャケット見ただけで「あぁ、あれか…」と言わんばかりの輩も多いはず、であってほしいけど、そう、これ、「フィルモアの奇蹟」。アルバム「Super Session」で一躍スーパースターになってしまったマイケル・ブルームフィールドを上手く担ぎ出してライブを実現させてしまおうという目論見か、はたまた歴史的イベントか…。結果マイケルは三日間の強行スケジュールをこなせなくて体調不良を起こしてアルバムのセッションにも参加できなかったという敬意があり、おかげでデビュー前のカルロス・サンタナが参加したり、バターフィールド・バンドの同僚でもあったエルヴィン・ビショップが助け船を出したりして成り立ったライブ。そういうのあり?とか思うけど、現実的にフィルモアってのはそういうトコロだったらしい。凄いよね。全く予定されてない人達が即席でステージに立ってライブやっちゃう、って。曲知ってるのかよ、ほんとに、とかさ。別にバンドの一体感なんてのは関係ないし、個々のテクもあるからいいけど、そんな短期間で出来るもんなのかねぇ、と。

 それはともかく、少なくともマイケル参加のライブは正直言って「これぞマイケル・ブルームフィールド!」と言わんばかりに情緒溢れるフレージングのオンパレードで、一発でわかるね。次のフレーズ読めるもん。覚えてるとかじゃなくて読める。ああこう来るだろうなぁ、って。それがまた華麗に来るのでハマるんだけどさ。ちなみにここでの選曲はカバー曲ばかりで残念ながらアルバム「Super Session」での曲はやってないんだよねぇ。残念。いや、もともとあれも即興ライブだからいいんだけど、拡張したライブだとどうなるのかなぁなんて興味津々だったりね。慣れない人には少々ダラけている感じでかったるい感じがするかも知れないな、こういうの。時代が時代だからしょうがないけど、まぁ、こういうのにも慣れてみると面白いの出てきそうだけどね。

 ここで聴けるプレイも正にホワイトブルースのプレイで、黒人のそれとはやっぱり一線を画すものだ。マイケルは多分レスポールを使っていると思うけど、レスポールの音色もこの人のこの時代はかなり特殊、と言うか本来のギターの音色をちょっと太くしたような音でハードロックのそれとは大きく異なるレスポールらしい音で、凄く艶っぽいんだよ。このいやらしさが良いんだな(笑)。しかしこのアルバムこそ完全版リリースされないかなぁ…。

Johnny Winter - Johnny Winter

カテゴリー: White Blues

 1960年代末、世界中が変化していた最中にロックの世界も激変していたことは既に周知の事実。殊にアメリカではベトナム戦争の真っ只中ってのもあって妙〜な時代だったんだろうなぁ。だからこそサイケデリックなものやドラッグでトリップしまくるなんていう文化が世界中に根付いてしまって(笑)。まぁ、関係ないんだろうけど、後に知った知識だけで判別してもヘンなの〜って感じだ。

Johnny Winter Live Bootleg Series, Vol. 1

 そんな時代の中にあってもブルースってのは変わらずに継承者が出てきて必ずいつの時代でも注目されるってもんだ。60年代末期、ロックの世界ではブルースがもてはやされ、どんなバンドもがブルースをベースにしたロックを奏でていた。が、それは主に英国でのお話で、それ自体は凄いことなんだがやっぱりホンモノをリアルで間近に経験してブルースを奏でるヤツはひと味もふた味も違うもんだ。その代表にはポール・バターフィールドとマイク・ブルームフィールドという著名な二人がいるのだが、ちょっ遅れて出てきたのがジョニー・ウィンター。やっぱ凄いねぇ〜。

 今月のレココレ誌ではツェッペリン特集が組まれていて、ジミー・ペイジのパクリネタという事実と推測を合わせたような記事が載っててさ、その中の「Travelin' Riverside Blues」のアレンジがジョニー・ウィンターの「I'm Yours And I'm Hers」と一緒だって書いてあって、そうだっけ?と思って聴き直してたら結構ハマっちゃって(笑)。この話自体はどっちでもよくって、まぁ、似ているって言えば似ている部分は大きいけど同じ発想してもおかしくないし何とも言えないなぁという程度。それよりも二曲目に入っている「Be Careful With A Fool」ってのがさ、もうホワイトブルースの典型的な例で、こういうのこそがブルースだよ、って言うか、好みの問題だけど、正にホワイトブルース。こういう曲というかフレージングこそジミー・ペイジは影響されているのではないかと思うもんね。このアルバムが名盤だと呼ばれる理由だろうなぁ。この人のファーストアルバムもダイヤの原石並みに本質を物語っている。セカンドまではこの路線だからモロにホワイトブルースメンの筆頭だよね。

 そう思って見ているとジャケットも凄くかっこよく見えてくるし、もちろんアルバム全曲がシンプル且つブルージィーに、当たり前だけどできていて、そこに楽曲の良さというのはあまり見えないけど歌とギターの良さが一際光ってる。なんかこういうのを秋冬の朝方に聴いていると寒くて良いかも(笑)。

 今はライブブートレッグシリーズってことで古き良きライブがオフィシャルでリリースされつつあるのでこの人の本来の持ち味を発揮できるライブを楽しめるのは嬉しいね。

Johnny Winter - Pieces & Bits

カテゴリー: White Blues

ロックン・ロール・フーチークー~ベスト・ライヴ Live in Times Square 狂乱のライヴ

 割と知られていないことではあるが、100万ドルのブルースギタリストと呼ばれたジョニー・ウィンターがあの伝説のロックフェスティバル「Woodstock」に出演していたという事実がある。映画に収録されなかったというだけでその事実は簡単に忘れ去られてしまうのだから如何に映画というメディア効果の力が大きいことかと実感するだろう。ジミヘンがウッドストックで確立した地位の凄さを思うとジョニー・ウィンターがここでデビューしたてとは言えメジャーに一気に躍り出なかったのは実に残念。残された映像をYouTubeあたりで見てもジミヘン並みの凄さを既に持っていることが聴いていてわかるだけに勿体ないことだ。まぁ、そこまでいわなくても同じウッドストックでの脚光を浴びたテン・イヤーズ・アフターのアルヴィン・リー並みには取り上げられてもよかったものだろう。



 いや、人間的なモノを聴きたくなって、やっぱりブルースという実に人間クサイものに手を付け始めた時にジョニー・ウィンターの映像があってさ、それを見ていたらやっぱり凄いかっちょいいサウンドじゃねぇかってことに気付いてね、アレやコレやと聴いたり見たりしてたんだけどこの人の場合音はまぁ、そこそこあるのでライブ盤でも楽しめるんだけど、映像となると全然少なくてね。昔レーザーディスクとかでリリースされていた「Live!」ってのは既に入手困難でDVDにはなってないし、今入手できるのは「ロックン・ロール・フーチークー~ベスト・ライヴ」というDVDだけらしいが、これはまた見てないのでわかんないけど、どうやら色々な時代のライブ映像が入ってるらしくて、多分アチコチのテレビ放送映像とかをまとめたのかなと思う編集盤でしょ。ネットでも結構テレビ放送映像は散らばっているので適当に入手して見ているんだけど、それだけでも十分にこの人の凄さが楽しめる。YouTubeにある映像だけだってとんでもないことは一目瞭然だし、久々にYouTubeを片っ端から見てしまったもんな(笑)。

 ロックンロールとブルースの中間を走る70年代の頃がやっぱり面白いんだけど、ライブの中では必ずギター一本でブルースをやるシーンがあって、それがまたとんでもなかったりするのでホンモノだ〜っていうことになるんだな。フィンガーピッキングでもスライドでも早弾きでもお手のモンでさ。見たことないのはアコギでのプレイくらいかな。あ、でもこの人ドブロ弾くから一緒か(笑)。それとバックバンドは割とロックミュージシャンが多いってのも面白い。その辺はジミヘンと一緒かもしれないね。いやぁ〜暑い夏にこれだけ暑いブルースロックを聴けるってのはホントに熱くなる。いいねぇ〜。

Roy Buchanan - When A Guitar Plays the Blues

カテゴリー: White Blues

 ロイ・ブキャナン。キャリアとしては相当古くまで遡ることとなる人で、エルヴィスのバックでギターを弾いていたジェームズ・バートンと仲良くなってしまうくらいなのだ。50年代後半からは既にプロとしてツアーに明け暮れたりレコーディングに参加していたりと割とマルチに弾けるギタリストとして重宝されたようだ。そのギタープレイはマニアには絶賛されることが多く、クラプトンあたりも60年代にはこぞって見に行ったらしい。そんな来歴からかロックとの絡みも幾つか発生していて、ブライアン・ジョーンズ没後にストーンズの誘われた話なんかは有名なところ。結局ミック・テイラーが参加したことを思うと当時ロイ・ブキャナンに声がかかっていてもおかしくはないでしょ。ストーンズはこの頃巧いブルースの弾けるギタリストを探していたワケだしね。そして驚くことにジェフ・ベックの名曲「Steve Booke - Rewired: Tribute to Jeff Beck - Cause We?ve Ended As Lovers (Steve Booke) 哀しみの恋人達」のクレジットにロイ・ブキャナンに捧げるというモノがついたおかげで大ブレイク?一般のロックファンにこの人は何者だ?と波紋を投げかけたのだった。

When a Guitar Plays the Blues Street Called Straight Roy Buchanan

 で、前説とはまったく無関係なアルバムなんだけど1985年リリースのコイツ「When a Guitar Plays the Blues」がなかなか面白いのだ。いやぁ、最初期の二枚はアメリカ的なサウンドで割とごっちゃごちゃになったような音楽なのでドクター・ジョンとかデヴィッド・リンドレーあたりにも通じるんだろうなぁってのがあるんだけど、個人的にこのアルバムの一曲目でやられたのでご紹介♪

 初っ端の「Roy Buchanan - When a Guitar Plays the Blues - When a Guitar Plays the Blues When A Guitar Plays The Blues」に尽きる。ロイ・ブキャナン独特の個性とも言えるバイオリン奏法が駆使されまくってエコーもたっぷりで雰囲気バリバリのイントロに導かれて、テレキャスの線の細い、それでいて腰のある単音での刺さりまくるような音色が耳に入ってきて感情溢れまくりのギターフレーズが炸裂〜みたいな感じでね、モロにゲイリー・ムーアのギターと被るんだよ、こういうの。まぁ、ジェフ・ベックなんかも同じ類になるんだけど、みんな泣きのギターフレーズだけで曲を創り上げてしまった人達だから被るんだと思う。しかしコレ、バックってシンセドラムなのかな、人間臭さを感じない音だしギターともイマイチ合ってなかったりするしさ(笑)。ちょっと前に出した「Roy Buchanan - Sweet Dreams - The Messiah Will Come Again メシアが再び」っていう曲もロイ・ブキャナンの代表作なんだけどね、やっぱり似たようなフレージングで泣けるしね。そして二曲目以降もかなり多様なサウンドを聴かせてくれていて、「Stevie Wonder - ベスト・コレクション - 迷信 迷信」みたいなノリだったり、ああ、この辺もギターフレーズとしては凄く魅力的♪ この人ってテレキャスメインなんだけどそれでいてピッキングハーモニクスとか平気で使うから面白くてさ、だからロックギタリストにも人気があるんだろうな。早弾きも平気でやっちゃうしこのアルバムではライトハンドみたいなのもやってくれちゃってるんだもん。

 これ、ロイ・ブキャナンの復帰作だったんだよね。この後ブルースの名門アリゲーターレーベルから後二枚出すんだけど、それでおしまい。残念だなぁ。また初期の作品みたいなのを作ってもらいたかったしね。ロック系とのセッションとか色々と絡みが楽しみな人だったのにねぇ。YouTubeには彼のそんな名曲をやっているライブ映像があるので久々に見たけどやっぱかっこいい。感動するもん。

メシアが再び


When A Guitar Plays The Blues

Ry Cooder - My Name Is Buddy

カテゴリー: White Blues

 自分の中ではドクター・ジョンと同じような位置に属している人がもう一人…、ご存じライ・クーダーさん。映画音楽を手がけることで有名だし、70年代にはいくつものそれらしい名盤を発表してきた人でそれらはルーツ音楽と言われたりブルースと言われたり、要するにアメリカ音楽的なサウンドだったりしたのだが「Boomer's Story」以外はそれほどピンとこなかったんだよね。若かったからなのかな。最近では全然聴いてなくって映画も別に音楽だけを意識して見ることもないからあぁまたライ・クーダーなんだ、なんて思ってたくらいでさ。こんな流れにでもならなきゃ多分聴き直してはいない人かもなぁ。

My Name Is Buddy Boomer's Story Crossroads: Original Motion Picture Soundtrack

 で、せっかくだから新作「My Name Is Buddy」が出てたなぁと思い出して聴いてみるのだが…、凄く良いじゃないか(笑)。自分でも驚くことにかなりハマった。アメリカンルーツミュージックと言われるだけじゃなくってしっかりとストーリーが出来ているアルバムで、それがしかも赤い猫っつうのが可愛らしい。乾いた感じの明るいサウンドで、バンジョーやピアノなどアメリカンな雰囲気たっぷりに攻め立ててくる作品ばかりでどこか「Boomer's Story」のようなモノ哀しい部分もあるし、この人の歌って何か哀愁があって好きなのかな、聴いてたらノスタルジックになってきた。あれこれ調べてみるとジム・ケルトナーとか実の息子さんとかヴァン・ダイク・パークスとか参加しているみたいでさすがにアメリカの音楽界の大御所になるべき人はゲスト陣が面白い。しかしそんなゲスト陣に支えられている作品じゃなくってしっかりとライ・クーダー自身の音が詰め込まれているアルバムになってるからかなり名作になっていると思うよ、これは。久々のソロ作っていう気合いの入り方もあるんだろうけど、2007年にしてまだ新作でこんなに素晴らしいモンを出せるっつうのが本当の音楽家なんだな。アメリカンルーツ系サウンドだけどそれくらい楽しめる。

 ライ・クーダーってスライドギターの名手ってことで名前を聞いたのが最初だったかな。その後映画「Crossroads」のサントラをやってるってことでまさかあのスティーヴ・ヴァイの強烈なギターは弾いてないだろうということだったがそれ以外は大体がこの人のプレイってことで、改めて感動した記憶がある。んで最初に買ったのが「Boomer's Story」でね。いや、これ昔よく行ってたジャズバーでかかるんだよ。そこで知ったんだけどね、いいなぁ〜って。懐かしいな。そんな懐かしさをまた楽しませてくれた新作アルバムに驚いた(笑)。

Dr.John - Gumbo

カテゴリー: White Blues

 いわゆるロックサウンドからかなり逸脱してきてはいるジャンルなのだが、この人の存在自体がかなり不思議な位置にあって、割とブルース系統の絡みもたくさん出てくるので、まぁ、やっぱりアメリカンルーツミュージックを受け継ぐべき代表的な人なんだろうなぁと漠然と思っている。それこそケイジャンとかアメリカ南部のルーツミュージックを基礎とした作品を出している人なのであまり多くを知っているワケじゃないので悪しからず〜。

ガンボ no image

 ドクター・ジョンの1972年の傑作「ガンボ」。ニューオリンズサウンドというのかその辺のをゴッタ煮にして彼独特のしゃがれ声でスパイスをふるった作品。なんつうのかな、民族的なサウンドがベースにはなっているけどやはり現代風味がまぶしてあるおかげで聴きやすくなってる。でも音楽の方は全くこの人以外ではあまり耳にすることの多くない土着的サウンドで、今ならどこかの1000円CDとかでアメリカンカントリーとかケイジャンとかってので売ってるかもしれないけど、そんなに原始的なのじゃなくってね、やっぱ継承者の仕事でもあるわかりやすさをきちんと出しているってもんだ。ニューオリンズってジャズやソウルの街ってイメージなんだけど、確かに黒っぽい香りのするサウンドの骨子にドクター・ジョンならではの白人らしさがあって、だからこそ伝えやすくなっている。そういう意味ではホワイトブルースが出てきた時と同じく白人が黒人の音を出すことで白人に広げていく、みたいなもんだな。そのせいか以降民族音楽的な分野っていうのはあらゆるロックの世界で広がっていって、融合が始まるワケだからさ。そういう意味ではストーンズの「悪魔を哀れむ歌」ってのは早かったんだろうね。

 明るく楽しい音、そしてジャケットからも想像できるように広大で壮大な音。ジャズともブルースとも言えないけど音からするに言いたいことは同じなんだなぁと痛感する。もっともかなり明るく仕上げているんだけどね。そんなサウンドも新たなる楽しみになると幅広がるねぇ…。ピアノってこんな風に弾けると楽しいだろうなぁ。

Mike Bloomfield - Blues Gospel & Ragtime Guitar Instrumentals

カテゴリー: White Blues

 同じくバターフィールド・ブルース・バンドの看板ギタリストだったマイク・ブルームフィールドだが、1969年までは正しくギターヒーローに相応しい活動とギタープレイを聴かせてくれていて、名盤「Super Session」と「フィルモアの奇蹟」については最早言うまでもないだろう。しかしこの人もそれ以降はどんどんとアメリカ人的なサウンドを追求していく傾向にあり、やはりカントリーやケイジャン、ブルースゴスペルやラグタイムなどと言った多様な音楽を奏でていったのである。

Blues Gospel & Ragtime Guitar Instrumentals The Gospel of Blues If You Love Those Blues, Play 'Em As You Please

 「Blues Gospel & Ragtime Guitar Instrumentals」。多分、全くメジャーではない作品で、CDがリリースされたのは1993年、もちろん彼の死後にリリースされたものなんだけど上手く纏め上げてあってさ、インストものばかりを集めたもので、しかもそれが全てブルースとは離れた音楽ばかり収録しているので一気に彼の違う側面を聴くことのできるもの。そして何よりもとってもリラックスして聴ける作品として仕上がっているっつうことが重要なんだよな。正にブルースゴスペルから始まって軽いブルース的インストゥルメンタル、そしてどこか気怠さの漂うラグタイム…、巧いなぁ、ギター。ホントに。やっぱりギターを教えていただけのことはあってマルチに多様な音楽を弾きこなせるし、ギター雑誌の教則本への提供までしていたのでさすがに見事なプレイ。この辺が独りよがり的じゃなくって良いな。そんなこと知らなくてもこの作品はギターインストものとして多彩なジャンルを楽しめるもので、全曲ギターでコピーできたら多分相当巧いギタリストになれる(笑)。

 エルヴィン・ビショップと同じようにアメリカンミュージックへの回帰をしているんだけどその取り組み方が全く異なっていて、マイク・ブルームフィールドの方はルーツに忠実に立ち返って探求していくというような感じで、編集盤ながらもこの作品を気怠い午後に流していると心地良いので結構流れている回数が多い作品。この人の場合、他にも色々と怪しげな作品が出ていてなかなか満足できるものは少ないんだけど、この編集盤はホント、凄く良い。あぁ音楽っていいなぁ〜って思うもん。ライ・クーダーとかもそうなんだけどね。