Judas Priest - Turbo

Judas Priest - Turbo (1986)
Turbo


 問題作と言われる作品をリリース出来ないバンドは大成しない、とは言い過ぎだが、常にチャレンジの姿勢こそがロックでもあるしミュージシャンの本質でもあろうと。面白いのは英国ロックではそれが普通の事なのだが、アメリカのロックへ行くと案外チャレンジはなく、売れたらその路線を着実に継承して確実に売っていく、故に10年一日的なバンドも多数存在するという事実。商業的に見ればそりゃそうだろうし、どっちも有りなんだろうとは思うけど、やっぱり新しいことにどんどんチャレンジしていく姿勢ってのは後から思えば面白いし、刺激的だ。だからと言って売れるかどうかってのは分からないトコロが難しくさせるのだが…。一回り二回りしちゃえばどうでも良かった話になるんだけど、やっぱりきちんと現役で商売している時はそうもいかないだろうよ。

 Judas Priestの1986年リリースのそれこそ当時問題作と言われた「Turbo」なんてのもその部類に入るのだが、オープニングから明らかに誰もが「何じゃこりゃ?」って思ったに違いないほどのシンセ色がたっぷりするヘヴィメタルの重鎮。あり得ん。ということでジューダス・プリーストの問題作として挙げられたものだが、その実じっくりと作品を聴いていくと、さすがに全盛期のジューダス・プリーストならではの楽曲のレベルの高さ、演奏力、ロブの歌声にしても絶頂期だから悪いはずもなく、ギターシンセ的な音色なんてのは単なる色付けでしかなくって本質的な音楽の部分では明らかに昔ながらのヘヴィメタルを保ってるし、何ら異色作として取り上げられる作品ではなかった。まだまだリスナーの耳が肥えていなくてピュアに聴いてしまっていたんだろうなというのが今から思えばのお話。

 と言っても実際シンセサウンドは耳につくし、軽やかでキャッチーな作風に聞こえるのも事実で、その意味ではどこか魂売ってるだろ、ってのがある。それを払拭するかのような意味合いもあっての次作ライブアルバム「プリースト・・・ライヴ!」を聴いてみろ、ってのもジューダス・プリーストの問題作としての払拭の意図もあったんだろうな。今30周年記念盤としてリリースされた3CDのライブでも正に絶頂期のライブを収録していて、アルバムそのものはライブだとこんだけ化けるんだ、ってのを示していて音作りの上手さに騙されるなと言わんばかりの記念盤に仕上がっている。相変わらずのツインギターのメタリックさ、ロブの歌声の充実度、どこを取ってもさすがジューダス・プリーストってのが堂々と感じられる傑作。


Tank - Breath Of The Pit

Tank - Breath Of The Pit (2013)
Breath Of The Pit

 雑誌が売れない、新聞も売れない、テレビも見なくなる、全てスマホ系に移り変わっていくという始末、それはそれで便利な方向なのだろうけど、本をゆっくり読むにしても何にしてもスマホやiPadなんだから始末が悪い。それひとつでやることが移り変わっていくんだからラクなんだが、依存症のようになってしまうんだな。そんなのが世間に山ほどいる。多分これからの時代は支払いやカードなんかもそっちに移っていくだろうし、ますます依存型が進むんだろう。ある種怖い気がするから自分的には色々と分散しておきたいな、とは思う。ただ、少数派だろうから残れないだろうな…。

 Algy Word's Tank、昔のTankからアルジー・ワードが抜けたんでTankは解体かと思われたらミック・タッカー達はそのままオリジナルメンバーがいないままでTankを再結成してアルバムをリリースしていった。ところがその音楽性は以前の面影の欠片もなく、単に名前だけを使って新たなメタルをやっているというバンドで、Tankの面白味には欠けるものだった。それもあってか、オリジナルメンバーのアルジー・ワードは自分の方がTankだろ、ってことでメンバーを集めて別のTankで再起動、それがアルジー・ワードのTankなワケだが、ややこしい。そのアルジー・ワードの再起動Tankの最初のアルバム「Breath Of The Pit」、2013年リリース作品。ちょっと待て、2013年でこの音か?いいのか?80年代のあの頃のアルバムと同じくらいのドンシャリ音でのアルバムだぞ?狙ってるんだろうな、きっと。だって、ボーカル同じ人だから衰えなんてこれじゃ分からないし、バンドの音も潰れてるから昔のTankの音に近いし、もちろん楽曲も昔のTankの勢いと攻撃性を保ったままの作品なので1986年の発掘アルバムっても皆信じるレベル。それくらいに見事な出来映えでこの手の音が好きなリスナーには受けるはずだ。

 どうしても新しい録音のアルバムってのは昔と比べると云々なんて思うんだが、そんなこたない、しっかりと面白いです。ってかこういう音を出してくれるバンドがなかなかいないから楽しませてくれる。楽曲のレベルそのものは昔に比べりゃ、イマイチ感はあるが、それでもこのレベルなので文句も出ない。ガンガンやってくれ、とばかりにロックしてくれている。物事の流れ的にはあっちのTankが本流なのだろうが、音的にも声的にもこっちのTankの方がど真ん中。


Warfare - Metal Anarchy

Warfare - Metal Anarchy (1985)
Metal Anarchy

 どのミュージシャンもそうだろうと思うのだが、自分がこのジャンルをやりたいとか極めたいとか思って始めている人もそれほど多くないだろうが、結果的にはどこかの何かのジャンルに括られていくものだ。それが今思えば新しいジャンルの創始者だったと言われることはあるだろうけど、それでもどこかに属する。先日モーターヘッド聴いてて、彼ら自身はパンク的なバンドという認識だったんだろうが、結果的にはメタルの世界と同列で扱われることが多かった。それはロゴインパクトだったり音のヘヴィさなんかもあっただろう。そうやって括られるのもよろしく思っていなかったみたいだけど、どうしようもないもんなぁ…、自分たちで発信するしかないけど、そんなもんイチイチ語ってられるかってのも男らしく黙って音楽聴け、的なトコもあったし、なかなか難しい。ただ、ファンは分かってるからそれで良しとしていたんだろう。ジャンルの間にいるバンドはなかなか悩ましいトコロもあろうかと。

 Warfareってこれもまた英国のバンドの1985年のセカンド・アルバム「Metal Anarchy」。何とプロデュースにレミーが参加してて、元motorheadの肩書を持つメンバーも参加しているという作品で、Warfareの最高傑作と言われるアルバム。さてさて、なんて思ったらこのジャケットだ。再発盤じゃ随分スマートにカッコよくまとめられているけどオリジナル盤は色鉛筆でのメンバーイラスト…、う〜ん、センス無さ過ぎってウケただろうなぁというか言いたいこととかバンドのポリシーとか分かる気がする。やったるで〜的なメッセージを感じるもんな(笑)。このインパクト通りにアルバム全体感としてはハードでスラッシーで暴力的なサウンドが正にモーターヘッド的なスタンスも含めて収録されてて、決してハイトーン金切り声ではなく、さすがにレミープロデュースと唸らせるモーターヘッド直系サウンドが詰め込まれている。難を言うならばこの時代のこの手の音の処理の仕方がよろしくおなくって、ドンシャリな音になってる事だ。楽器の音聞こえないだろ、これじゃ、って感じ。

 一般的にはスラッシュやなんとかメタルの出だし、みたいな言われ方もされているし音を聴くとそれもよく分かるんだが、やっぱりモーターヘッド的、というのと案外共通項を見いだせているのがGastunk。パンク+ハードコア+メタル的要素ってのはGasyunkもかなり世界に先駆けてカラーを作っていたから、ここで世界的なレベルでの同種が表れていたとも言える。しかもレミーの手を経て、ってのは面白い。このWarfareの傑作も聴いているウチにやっぱり名盤ってことに気づくし、パワーがひたすら詰め込まれているのもともかく、しっかりとそのサウンドを作り込んでいるってのも見えてくるし、名盤って言われるのが納得。面白いもん。



Rainbow - Straight Between the Eyes

Rainbow - Straight Between the Eyes (1982)
Straight Between the Eyes

 産業全体が売れ線に走っていくのは当然金儲けという資本主義的思想から出てくる発想なワケで、純粋に音楽だけを云々という人ももちろんいただろうけど、時代的にはそれらを大衆化させる方向が強まっていたってことか。だから故少しでもその恩恵に肖ろうとして産業ロック的な路線にシフトして一般大衆に受ける方向を模索していったのだな。そういうバンドは数多い。簡単に言えば英国のロックバンド達がアメリカンな要素を入れて演奏し始めたというような話だ。あ、自分的にはアメリカからの視点はあんまりなくって、それはアメリカではある種当たり前だからという理由だ。アメリカってそもそも国がデカいからヘンな形ではそもそもシーンに登場し得ないと思ってるから。ところが他の国はそこまで気づいていないから何でも出て来る。これが面白かったのだ。

 Rainbowの1982年の作品「Straight Between the Eyes」。ご存知アメリカ人のジョー・リン・ターナーがボーカルとなってからのアルバムで、一般的にはすごぶる評判のよろしくないアルバムとして知られているものの「Death Alley Driver」のように知られた曲もあったりしてバッサリと切り捨ててしまうアルバムという程でもないのが悩ましいアルバム。悩ましいのは80年代のリリースにもかかわらず、まるでそんな風潮を感じさせることのない70年代のままの音で作られているという時代錯誤感溢れる作品という点か。いや、そう聞こえるんだよね、レインボウだからか、ってのはあるが…。んでもやってることは産業ロックへの迎合、とは言わないけどジョー・リン・ターナーのゴリ押しによるアメリカナイズ化、もしくはアメリカンなセンスの曲が入り込んできたというトコロ、これはリッチーが期待していた事だったのかどうかだけど、出てきたアルバムや楽曲がそうなんだからやっぱり市場を取るにはこういう快活なのも必要だろうという判断だったのは確かだろう。

 ん〜、序盤は悪くない、どころかリッチー、やっぱりスゲェなぁ…、こんだけ弾けるししっかりカッコ良いじゃないか、と来て、「Stone Cold」でもキレも良いしやっぱり違うな…って思ったけどそこからが結構残念。ギターは悪くないんだけど、曲そのものがアメリカンへ向いてきた。それにしては貧弱なプロダクションというアンマッチな音作りもあって70年代風になっちゃうんだな。しかしボーカル替わって作風変わるとバンドってのは変わるもんだな、当たり前だけどそこを感じさせないだけのプレイがあれば良いのだが、それも結構難しい。この辺も何聴いてるんだろ?って感じになる曲あるし…、リッチーのギターだけで救われてるからやはり見事なものだ。いや、アルバムとしては悪くもないと言うかギタープレイと幾つかの曲では相変わらずのレインボウ節なので良いのだが、捨て曲もいくつもあるのが難点なだけ。




Whitesnake - Slip of the Tongue

Whitesnake - Slip of the Tongue (1989)
Slip of the Tongue

 やっぱりメジャーな世界で大成功を達成するレベルのアルバムってのは出来栄えが全く違う。ましてや80年代以降、即ちデジタル技術が出てきた事と音楽産業が思い切り伸び盛りだったことがその発展に拍車を掛けた事はあるだろうけど、それに乗っかったバンドやプロデューサーもあって、そんな作品を聴いてみるとそりゃもう明らかに違うワケよ。何がって、音の作り方からエフェクトから作品の取り組む姿勢も何も音も作り方も全て。やっぱりバンドが曲作りました、出来ましたアレンジして録音しました、ってレベルだけではこれは達成仕切れないものだ。そこでプロデューサーの出番、そんな素材をいじりながら全米達成出来るレベルの作品にまで仕上げちゃうというワザ。見事な仕事です。それによって損する人はいないんだから商売考えたらやらない理由はない。が、ロックバンドというのはそういうトコロに目線を置かないでどうしても自分たちというのを優先してしまうキライがあるので大抵のバンドはそこまでたどり着かない。やっぱり魂売らないと成功しないんかもね(笑)。

 Whitesnakeの1989年リリースの「Slip of the Tongue」。もちろん売れまくったのは記憶にある人も多いだろうし、そりゃもうこの頃のホワイトスネイクと言えば飛ぶ鳥落とす勢いでデフレパと双璧をなすメジャーシーンに切り込んでいけたハードロック・メタルバンドのひとつに食い込んでいった頃。このアルバムだってその何相応しい超メジャーな音作りで実によく出来てる。今聴いてもよく出来てる、って思うし古臭くないし見事な作品だ。あ、自分的に好みかどうかってのは別の話です。その意味では全然好みではないし、ピンと来るものは何もない。デヴィッド・カヴァデールがこんだけのハイトーンで歌ってくるってのが少々意外で、こんな声出るのか、とか思ったくらい。前作あたりからのメンバーの入れ替わりや本作でのメンツの変更なんかはアチコチで書かれているからくどくど書かないけど、ここでのスティーブ・ヴァイの職人芸プレイは実に素晴らしい。何らホワイトスネイクという看板に傷をつけることなくサラリと助っ人が出来てしまっている。彼にとってこれくらいは朝飯前だったろうな…。

 ヴィヴィアン・キャンベル…Dioからホワイトスネイク入ってアルバム残さず離脱、そしていまはデフレパという実はアイルランド人という人がこのあたりの架け橋になってるんだが、ここで一気にスティーブ・ヴァイに持ってかれてるな。曲自体はヴァンデンヴァーグの才能が大きかったようだが、腱鞘炎で不参加、この人もオランダ人だし、結局英国なカヴァデールと他の血を混ぜた曲をアメリカ人がプレイしたみたいな図式で、だからこそどこか英国的でもないしアメリカン、とも言い切れない感触が漂うのだろう。もっともこんだけのサウンドプロダクションされてたらアメリカンになっちゃうけどさ。英国産でこの音はまずない。アレコレ書いたけど、一言で言えばホントに良作秀作傑作。ただし薄っぺらい、かな。


Def Leppard - High 'n' Dry

Def Leppard - High 'n' Dry (1981)
High 'n' Dry

 80年代に入ってからのハードロックからメタルへのシーンって明らかに洗練されて垢抜けていった感強いんだなとつくづく思った。ココのトコロ色々聴いてて70年代のもっさり感からすると格段に突き抜けて行った感が強くて、それは音楽性の進化もあるのだろうが、機材の発展や産業の成長ってのが大きく寄与しているように思う。それに加えて履いて捨ててもまだ履けるくらいの数のバンド郡の数々によるシーンの下支えというのもあっただろう。そこから出てきてシーンに残るんだからそりゃもう才能と運と意欲無きゃ出てこれないよ。それで出てきて世界を取るってのはやっぱり相当の事。だからカネもかけるしプロダクションもきちんとしていく当たり前の構図。それでも難しのはリスナーからするとカネ儲けで魂売ってるってレッテルが貼られてしまうってことか。

 Def Leppardの1981年リリースセカンド・アルバム「High 'n' Dry」。出てきた時から一気に垢抜けてこのまま世界を取れるレベルまで抜き出たアルバムが本作とも言え、冒頭から快活に世界制覇を狙っているかのようなチューンが並ぶ。デフレパってバンドのポテンシャルをここで見せつけているのだが、その割には結果論として売上は上がっていったが、バンドとしての何と言うのか個々人の力量による知名度という意味ではほぼ達成されていない。それどころかバンドとしての知名度が高くなっていった故に単なる売れ線バンドとも思われている部分の方が大きい。その辺から自分的にはまっとうに評価できていなくて一番売れてた頃はほとんど聴いてなかったもんな。ところがこのセカンドアルバムを聴いてると野心剥き出しな姿そのままが映し出されていて、かなり心地よく聴けるという代物。その状態でのプロダクションからの期待があったからしっかりとした音作りが出来てて、なるほどこの跡売れていったのがよく分かるというアルバム。そんな先入観なしでもデフレパ歴代アルバム通してもかなりの傑作に入るアルバムなんじゃないか?今まで自分も聴いたアルバムの中では一番良いわ。

 ジョー・エリオットってこんなに歌えた人なの?って思ってしまったのと、そもそもギターとかメンバー違った時代の作品じゃないか、ってのあったりフィル・コリンってまだ参加してなかったのかやらドラマーはまだ両腕ある時代?とか素人がデフレパって名前から想像するネタがそんだけあるってことはやっぱりバンドとして色々な事を抱えていたんだろうね。それでも進むぜ的な意思の強さがバンドの強みになったのかもしれない。どのバンドも何かとそういう苦労話しはあるけど、デフレパの場合はちょっと次元が違うから余計に印象深い。こりゃ当時聴いてたら絶対に注目しただろうし売れても何の不思議もなく聴いてただろうと思うレベルのアルバム。これをしてブリティッシュハードロックというのはかなり抵抗があるので自分的にはそういう括り方は出来ないけど、きっとそういう位置付けになるんだろうな。この跡出て来るLA系のシーンとはちょいと違う堂々たるサウンドとでも言うべきか、ブレない姿も見事。そしてジャケットはもちろんヒプノシスという、往年のロックファンには響く要素が詰め込まれているんで自分的に気に入ってもおかしくないかと納得。


Ozzy Osbourne - The Ultimate Sin

Ozzy Osbourne - The Ultimate Sin (1985)
罪と罰(紙ジャケット仕様)

 ハードロックの時代はボーカルって個性的であれば上手いとかいう次元でなくても良かったんだけど、ヘヴィメタルという時代に入ってくるとボーカルも演奏も上手くないと成り立たないというレベルアップが図られている。意図的ではないにしてもそうじゃないと音が出来上がらないんだよ。だから速い曲なんてのは圧倒的に上手くないと全てが成り立たないし、そうじゃないにしても聴けるレベルの歌じゃないと成り立たない。そりゃプロレベルなんだからそうだろ、ってのもあるけど、事実そうじゃないのも多いから改めて売れてるバンドはその最低要素はクリアしているというものだ。その辺が70年代のバンドとの大きな違いかな。確実にシーン全体がレベルアップしてて…今の時代じゃもうかなり超越してしまっているんだが、そう思うとどういう風に進むんだろうか、と不思議に思う。

 Ozzy Osbourneの1986年リリースの「The Ultimate Sin」。ギターはもちろんJake E Leeであのフラッシーなプレイがたっぷりと堪能出来る反面、楽曲自体はかなりアメリカナイズされたキャッチーな作品として語れる事も多く、確かに少々オジーの作品の中では違和感を感じるアルバムとも言えるかも。ただ、それでも当時から割と聴いてたし、そういうモンだろってのもあったから普通だったけどね。色々とオジーを知ってからこのあたりに辿り着くと確かにこんだけ明るい側面を見せます的な作品はないかも。それでもジェイクのギターがああいうのだからそこにぴったりと当てはまってるんだよ。だからジェイクのためにはぴったりとした作品に仕上がってて、当然オジーがそんなのまで狙って作るとは思えないので、制作陣がこの布陣での最強なスタイルを導き出したと考えるべきなのだろう。そしてそれは大正解だったと思う。

 しかしまぁジェイクのギターはホント、カッコ良い。何がどうってのが明快に言えないんだけど、カッコ良いプレイとスタイルで音が自己主張して飛び込んでくる。珍しいギタリストだよね、ホント。それでいてメロディアスな部分もあるしさ、見事なギタープレイヤーです。そしてオジーも持ち前の歌い方ではあるけど、こんだけ明るめなサウンドになってくると独特のおどろおどろしさってのは影を潜めて、抜けたハイトーンボーカリスト的な歌になってくるんだから面白い。もちろんオジーの声って分かるけど、普通に高い声で歌って出てるんだもん。当たり前だが。全盛期…だったのかな。そこに若さ溢れるジェイクの活気が入ってきて良いバランスで成り立ってた時期でもある。




Dio - Sacred Heart

Dio - Sacred Heart (1985)
Sacred Heart

 音楽ってのは発展していくものなのだ。今でも多分発展してって、新しい融合が出来上がっているんだろうと思う。シーンの流れは速いんだけど、音楽が夕ごく融合して出来上がって市場が認めてくれるまではやや時間がかかる。そしてその融合の斬新さに気づく敏感なリスナーがどれだけいるかってのも要素としては重要な要因になるし、そうじゃなきゃ単なるカルトバンドになっちゃうし、なかなか難しいところ。それでも今やヘヴィメタルは市民権を獲得しているし、もっとドギツイ音もそれなりに認知されているんだから面白い世界だ。ロックンロールからハードロック、そしてメタルへと進む流れはほんの10年強の間で歩んでいった道ではあるけど、今それを聴いてみればそれすらも大した区別なくって良かったのかもね、なんて思った。

 Dio…、もちろんロニー・ジェイムズ・ディオのバンドの3枚目の作品「Sacred Heart」。レインボウで知名度アップが出来たのもあって自身の名をバンド名にしてシーンに再登場、それはもちろんディオのやりたい世界観に溢れていて英国のハードロックからメタルへの進化系として価値ある作品をリリースしてきたが、ここに来て結構アメリカナイズされたアルバムをリリースしてきた。それでも当然ディオの歌声なので何ら違和感なく、これもありだよなってくらいには快活に聴ける。冒頭からして「あれ?これライブアルバムだっけ?」って錯覚しながらその盛り上がりにカッコよさを実感する「King of R&R」だったりする。ヴィヴィアン・キャンベルってここから出てきたんだよな…こういう風に弾けるギタリストって当時山のようにいたからその中の一人程度にしか思わなかったけど、そんなことはなくってしっかりと名を成したギタリストになっていった…、ディオってのはやっぱり見る目あるんだろうね。

 さて、作品そのものは基本的にはR&Rだよ…ってのもおかしいんだが、メタル的ではあるもののこんだけの起伏がしっかりとあってグルーブしているってのはR&Rだよなぁって感じる。当時はこれでも硬質なメタル的アルバムと思われたんだが…。まだまだ市場が熟していなかったからね、十分にハードな音だったんですよ、これも。んで、終盤ダレるんだけど前半は勢いが凄い。こんな良質なバンドだっけ?って思ったくらい今じゃ作品の印象が異なっている。う〜ん、やっぱり昔のも聴き直していかないと分からんな。昔っても80年代のヤツね。後で聴けば良いやって思ってから30年経ってるし(笑)。


Iron Maiden - No Prayer for the Dying

Iron Maiden - No Prayer for the Dying (1990)
ノー・プレイヤー・フォー・ザ・ダイング

 4月って好きじゃない人ってあんまりいない気がする。昔から期の変わり目…それは入学式や学年変わるとかから始まって新しい出会いのある時期などなどと刺激的で機構的にも過ごしやすくなる春っていう季節の到来でもあるし、ひとつの節目としてもどことなく価値が高い日だったりね。刷り込みによる洗脳なんだろうけど、それが日本だし多分皆そういう感覚あるんじゃなかろうかと。大人になってからはそういうのもさほど無いけれど、それでもやっぱり4月になったな、みたいな区切り感はあるからね。ウチのブログ的にはだからどうとかも特にないし、エイプリルフールってのも別に意味ないし、淡々と物語っていくだけで毎回思うがもうちょっと時勢に合わせて云々とかあるんじゃないかと考えはするが、流行りモン書いてもしょうがないし、結局いつも通りに戻る。

 Iron Maidenの1990年作「No Prayer for the Dying」。このあたりからアイアン・メイデンも陰りが見えてきた感のある作品な感じだけど当然そんな風潮はさほど大きなものじゃなかったのだろうか。ご存知エイドリアン・スミスが脱退して、後釜にヤニック・ガーズが参加してのアルバム、言われるほどそのギターの交代撃によるバンドサウンドへの影響は無くって、そりゃソングライティングではスティーブ・ハリスメインなんだからそうなんだけど、それもある意味怖い。ギタリストがもっと目立っても良いジャンルなんだが、その辺もアイアン・メイデンがちょいと他と異なるバンドの立ち位置でもある理由か。発売当初はあまり受け入れられなかったみたいだけど、じっくり聴いてみれば何てことはない、普通にアイアン・メイデンの力作と言えるアルバムに仕上がっている。自分もこのヘンは後回しかな、って思ってたんだけど、悪くない。そりゃ黄金期を過ぎているからってのはあるのかもしれないが、十分にアイアン・メイデンなアルバムだ。物足りないのは粗雑さやパワフルさとか勢いみたいな部分だけど、一方では完成度が高い作品とも思えるね。

 アイアン・メイデンってアルバムジャケットがチョコチョコっと変わる事が多い。それでもあのアルバムかってのが分かるような変え方だから面白いんだけど、それもこれもエディ君のインパクトによるものだろうか。このアルバムのオリジナルジャケットには亡霊みたいなおっさんが背後に居たのだが再発では見事に消されていて、エディ君だけのいつものアイアン・メイデンらしいジャケットになっている。こっちの方が良いのは確かだ。それにしてもこうもアイアン・メイデンらしい音ってのがしっかりと確立されていて、安心して良質な作品が楽しめるってのは見事なものだ。コンパクトにまとまったアルバムで聞きやすいのもありがたいし、今なら相当に楽しめるアルバム。






Samson - Head On

Samson - Head On (1980)
魔人襲来

 同じ年代のアルバムでも当然だがサウンドプロダクションにカネを掛けれる環境であれば、今の時代にも通じる良質なサウンドで録音されていたのだろうが、やはり予算が無いとか時間がないとかきちんとしたサウンドプロダクション環境下で作れない状況だとチープな音色でアルバムが出来上がってしまう。スタジオ一発録音なんかならまだなんとかなる部分もあったのかもしれないけど、重ね録りするようなスタジオ・アルバムだとあとで編集出来るのは確かだが、その時の環境によっては随分と貧弱なミックスになってしまったり音色に変わったりしてしまうのもあるだろう。自主制作盤に近い状態での録音だとそういう傾向がまま多いようだ。今の時代ならPC使いながらだからどうとでもなりそうだけど、アナログの時代はそうもいかないからやっぱり時代の音が反映される。それもカネの有無によって異なるという楽しみ付きで。

 Samsonの1980年リリースのセカンド・アルバム「Head On」は今でも再発されるくらいのNWOBHMの中でも名盤扱いされているし話題も豊富なアルバムだが、どこまで行ってもこのアルバムのチープなサウンドが変わることはない。別にどの音が引っ込んでるとかそういうんでもないから聴いてて全部の音が鳴ってて何も問題はないのだが、なんでこんなにチープなんだ?音圧の無さとかリバーブのまとめ方とか色々あるんだろうけど、このガレージ感覚がNWOBHMのユニークなトコロでもある。生々しいバンドの勢いだけをひたすらにクローズアップしてレコードにしちゃうっていうのはパンク的発想が元祖だろう。

 さて、内容的にはもう有名なお話、今のIron Maidenのボーカルでもあるブルース・ディッキンソンが参加している作品で、ジャケットは覆面ドラマーのサンダースティックが堂々たる姿を見せている。これぞNWOBHMの悪魔的雰囲気そのものでもあって、裏切ることのないサウンド。そして「Thunderburst」なるインスト曲はIron Maidenのスティーブ・ハリスも共作者としてクレジットされていることで分かるようにIron Maidenでは「The Idea of March」として収録されてる。そういった話題にも事欠かないんだけど、元々のこのバンドが持つザクザクした質感の典型的なメタルサウンドは実に好ましい。どんだけチープであろうとみっちりと魂が込められているアルバムという気がする。その辺の熱さが良かったんだろうな。


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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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