Evanescence - Synthesis

Evanescence - Synthesis (2017)
SYNTHESIS(デラックスエディション)

 ミュージシャンにしても画家にしてもクリエイティブな世界に関わる人は一旦商品として市場にリリースされた自分の分身について、いつでもやり直したい、今ならこうする、もうちょっとこうしたかった、というさらなる高みへの欲求は常に持っていると言われる。自分みたいにそういう気質がない人間はさっさと忘れ去っていたいとか、やっと追わってくれた、とかそういうふうにしか思わないんだけど、そこが本気のアーティストとの差だよなぁ…。バンドでもあのアルバムは時間がもうギリギリで、とか色々理由がある仲でリリースされているものもあって、インタビューなんかでもそういうのを見かける。そういうモンだってのあるけど、じゃ、そういう修復した作品って聴いてみたいな、とも思うんだがそれはなかなか聴けない。ライブアルバムなんかで聴けるくらい。再録なんて贅沢なのはなかなかないし、アーティスト側もそれなら新しい今の姿を作りたいって思うだろうしね、だから現実に昔の曲を作り直しましたみたいなアルバムはそうそう多くはない。

 ところが、Evanescenceというまだまだ若いバンド、ってかAmy Leeなんだけどさ、彼女の思いだけで作られているバンドだから出来たんだろうが、90年代からアルバムは三枚しかリリースされていないのに、自分流儀のアレンジで再録したかったっていうことで作られたこの「Synthesis」というアルバム、なかなかに贅沢な仕上がりだ。全16曲中2曲の新曲以外は過去作品、アレンジだけで言えばほぼピアノとオーケストラ中心のクラシカルな世界への接近によるアレンジ。もともとエイミー・リーって女性はその世界にいた人だから彼女の曲は基本的にはピアノで作られているし、過去作品でもそういう要素はあった、それが本人の中で大きく膨れ上がった事で今の自分がやっておきたい表現方法で作り直したという作品だ。

 んで、これが、凄い。

 エヴァネッセンスのライブでもピアノだけで歌い上げるアレンジに進化している曲も多かったからその延長線上なんだが、エイミー・リーの歌唱力の太さと表現力が余すことなく発揮されていて、さらにそこに深みとツヤが乗ってて、唯一無二な詩世界が出来上がっている。もうメタルとかゴシックとかの世界を明らかにはみ出ているパワーボーカリスト、しかもしっとりとも歌える歌手として存在している。自分的にはやっぱりこの歌声好きなんだよな。賛否両論だと思うけど、こういう歌って彼女以外で聴かないもん。

 新曲2曲は本気でコレがエヴァネッセンスとしての曲だとしているとなると、バンドの方向性はかなりヤバいかも。歪んだギターも無ければエモーションも感じられないアレンジだから、まるで好みじゃない。いや、さっき歌声べた褒めしててコレかよ、って話だけど、そりゃ別物なので(笑)。こういうオーケストラアレンジの作品に入れる新曲だからこういうアレンジにしてるんです、ってんなら話分かるけどね、ま、そのヘンは次があれば次を待つしかないか。それにしても過去作品の出来映えのセンスの高さは凄いな。改めてこうしてじっくり聴いてると駄作がない。アレンジがつまらないとかあるけど、圧倒的にエイミー・リーの歌声による表情の変化で曲の大半が生き生きとしてきている。見事。またアルバム全部聴き直そうって気になった。




Sons of Apollo - Psychotic Symphony

Sons of Apollo - Psychotic Symphony (2017)
サイコティック・シンフォニー

 スーパーバンド的なプロジェクトってのはメンツの実力でリスナーの興味を引くってのが売りになると思うんだけど、その時に出てくる音がリスナーの期待しない音って場合もあるのは当然だろう。それでも裏切ることなく期待通り、もしくは期待どおり以上の裏切りならばアリなんだろうね。やってる側もそういうの分かってるから楽しみながらも個性を存分に発揮するメンツでのセッションってのが望ましいのだろう。更に言えばそれでいながら楽曲レベルが高ければ音楽的に腐らないという価値が乗っかる。それくらいは意識してるだろうなぁ。

 Sons of Apolloなるプロジェクトのアルバム「Psychotic Symphony」。元Dream Theater組のドラムと鍵盤が中心なのか、そこにビリー・シーンとガンズでギター弾いてる人、それにジェフ・スコット・ソートーが歌っているという不思議、イメージ的にはなんとなくドリムシ感あるけどジェフ・スコット・ソートーの歌ってことはそれなりに歌があるんだろうし、ガンズのギターの人って全然知らないから分からんが、テクニカルなんだろう、ね、きっと。ガンズでテクニカルってどうしようもないけど、そういうメンツで固めてるハズだし、勝手にそう思ってる…、さて、それで出て来る音はと言えば、割とストレート…にハードロック…、歌ものメタル…メタルじゃないか、ハードロック的要素かなぁ…、どっちでもないか。変拍子はもちろんあるけど、歌いやすいレベルの中にあるからそんなに意識しなくても、何か引っ掛かるヘンなリズムの曲、みたいな感触。ジェフ・スコット・ソートーの歌も図太くしっかり全編に入ってるからポップ寄りのバンドではあるね。

 まぁ、相変わらずビリー・シーンのベースの凄まじさは所々で驚異的に響いてくるのと、ガンズのギターの人、スゲェ上手いし面白い。超絶テクニカルでびっくり…ってかテクニカルってのもあるけどユニークなギタープレイヤーでもうVaiみたいな人ってたくさんいるんだね、って感じ。ドリムシ組はいつも通りそりゃそうだろ、って感じだからさ。聴いてて思ったけど、コレ、なんというタイプの音楽なんだろ?ロック、ハードロック、メタル、どれも当てはまらない…、ハードプログレでもないし、一番近くて歪んだフュージョン…?音楽は広がっていくもんだ。




Revolution Saints - Light in the Dark

Revolution Saints - Light in the Dark (2017)
ライト・イン・ザ・ダーク【デラックス盤】

 ロックバンドの連中も昔のジャズメンみたいにそれぞれの領域のプレイヤーとのジョイントやセッションによってプロジェクトバンドを組んでアルバムをリリースしたりする傾向が割と多くなってきている感じだ。どれもこれも使い古された「スーパーセッション」という単語で括られたりするのが何とも悲しいんだが、卓越したプレイヤーがそれぞれのバンドの作品で似たような雰囲気を感じてやったり、レーベルやプロデューサー絡みでプロジェクトやったりとなかなか多彩な活動が出来るのはプレイヤー気質の高いミュージシャンにはありがたい時代か。バンドのケミストリーを信じる派には少々エネルギー不足感はあるのだが、そこはテクニックでカバー、かな。

 Revolution Saintsというプロジェクトでの2枚目の作品「Light in the Dark」、ジャーニーのドラマー、ディーン・カストロノヴォとナイトレンジャーのフロントマン、ジャック・ブレイズ、ギターはダグ・アルドリッチというトリオでの編成で、内容はテクニカルなセッションバンドかと思いきやそんなことがあるはずもなく、イタリアのプロデューサーがジャーニー的なAORハードロックを作り上げたかったのか、そういう人脈だったのか、曲作りからアレンジまでを施してこの面々にやってもらった、に近いくらいのプロジェクトのようだ。即ちプレイヤー側の音楽的才能はともかく、ミュージシャン的力量のみを期待したプロジェクトってトコですな。ま、別にそれでも出て来る音の完成度が高いからミュージシャン側も文句なしでプレイするのはあるのだろう。どの曲も見事なまでにジャーニーと言えばジャーニー的な快活なAORだけど、ヨーロッパ的なエッセンスは入っているので、単純にアメリカンなAORにはなってない所が割とキモで、ありそうで無い雰囲気ではあるか。

 それにしてもこの辺の人達が歌っててこんだけ湿っぽいってのもそうそうないのはあるなぁ…、そういう意味ではチャレンジだったのかもしれん。楽曲レベルの高さはその辺の似たようなバンドからしてもかなりのシロモノだし、自力で出てきてたら結構なバンドだったろうに、そういうのが無かったが故のプロジェクトだったのか…、なんかその辺がやっぱり気になって素直に聴けてない自分がちょいと小うるさくて悲しい(笑)。




Attick Demons - Let's Raise Hell

Attick Demons - Let's Raise Hell (2017)
Let's Raise Hell

 ガツンとしたのが好きだ、これはもう昔から変わらないなぁ…、今に至るまでそんなのばっかり好きだとか言っててどうすんだ?大人になったらジャズ聴いて髭生やしてコーヒー飲んでるもんだろ、なんて思ってたんだが、未だにそんな傾向は微塵もなく、コーヒーは飲むけどさ、相変わらずのガツンを楽しんでいるという人生、ロックする連中は減った気がするがロックな連中は多数いるし、仲間もたくさんいる。んでもって教えてくれる人達もいれば、本人にその気なくてもつぶやいているのを気にしてチェックするという覗き見的な情報収集もあってそれなりには聞き耳立てているのだが、そんな中、こんなバンドあるんだ〜、って驚いたのがこれ。

 ポルトガル出身のAttick Demonsの二枚目のアルバム「Let's Raise Hell」。いやはや、ボーカルが完璧にブルース・ディッキンソンだからバックの音の出来映え云々に辿り着く前にどうしてもボーカルに耳が向いてしまってまっとうな聴き方が出来ないという珍しいパターン。それでも数回聴いていると、なるほど、ボーカルの迫力だけにとどまらず割と多彩なサウンドにチャレンジはしているのかな、という気はするけど地力がどこまであるかはまだまだ分からないな。バンドそのもののコンセプトがしっかりしてこないと寿命短く終わっちゃいそうだけど、ここから彼らなりの作風を作っていけるかどうかがキモだ。少なくともこのアルバムではそういうのを無視して単純にメタルを楽しむという面で成功しているし、迫力の歌声も生き生きしてて素晴らしい。

 ポルトガルだからひたすら熱いプレイとパッションはそのまま信条だろうし、表現するのにこういうメイデン風サウンドはぴったりだろう。メイデンだって南米じゃとんでもないライブを多数繰り広げているんだから、その信者たちからこういうのが出てきたって何ら不思議はない。そしてメイデンよりも全然若いからこそのパワーとエネルギーを炸裂させてくれてて、メイデンを彷彿とさせてくれるのも良い。更に近年のパワーメタル的なスタイルを中心としたバンドの音、メロディアスに進むかゴリゴリ行くのか…、どっちにしてもこの勢いをそのまま維持してガンガンやってほしい期待のバンドです。


Night Ranger - 35 Years & A Night in Chicago

Night Ranger - 35 Years & A Night in Chicago
35 Years & A Night in Chicago [Blu-ray] [Import]

 この時期に台風ですか…、秋雨前線による天候不具合に加えてのトドメの一撃、スカッとした秋晴れの空の下でお散歩したいですねぇ…。お散歩ってお散歩じゃないけどさ、雨や曇り空ばかりの日々ってどうしてもどことなく陰鬱になっちゃうじゃない?キライじゃないんだけど長すぎる。ロンドンなんてのはそんな天候ばかりだからああいう湿った音が出来上がるってのあると思うんだが、日本もやっぱりあるんだろうね。そこへ行くとアメリカってのは逆にああいう土地と天候だからそりゃ州ごとに違うだろうけど、アメリカらしいサウンドってのが出来上がる土壌もあるワケだ。

 Night Rangerって来日してたの?って友人からの問いかけに「いや、知らない」って話になって、ホントに来日してたっていう…。大体が来日情報発表してから実際ライブやるまでの期間が長いとすっかり忘れてるんだよね。その時にチケット取ってれば良いけどさ、そんなのがあったんでちょいとNight Ranger見たいな、ってことで35周年記念ツアーからのライブ映像「35 Years & A Night in Chicago」を見てみた。何とも素晴らしきアメリカンハードロック、AORに近いバンドなんだが、快活で心地良い、そして正にアメリカンなスタイルとそれ以外の何者でもないサウンド、メンバーの気性もきっとそんなアメリカンなんだろうなぁと思ってるけど、オリジナルメンバーはジャック・ブレイズにブラッド・ギルズ、ケリー・ケイギーの3人、ジェフ・ワトソンがいないのはやっぱり残念だけど、それでも全盛期を支えてたメンバーが一緒にやってるんだから迫力は昔のNight Rangerそのものと言って良いんだろう。

 途中活動が途切れていたバンドだけど復帰してきてからはコンスタントに活動していて、それこそ来日公演もそれなりに成功させているんだから息の長いバンドになるし、80年代の黄金組からしたら今でもそんなに劣化しないで活動しているバンドなんてのはないんだから貴重な存在ですね。その辺はAORの強みか。そんな事を思いながら見ていたんだけど、やっぱりメロディはしっかしているしボーカル専門員を置かないでも二人の秀逸なボーカリストを抱えていて、演奏力もしっかりしているという、確かにバンドとして見ると売れない要素は無いし、今でも活躍できるのも当たり前。懐かしい曲が並ぶこのライブ映像はそんなバンドの現在進行形を証明しているし、ノスタルジック感で売っているワケでもないというライブが見られる。それにしても知った曲が多いこと多いこと。


Steve Vai - Modern Primitive

Steve Vai - Modern Primitive (2017)
Modern Primitive

 基本的にギタリストのアルバムってのはチャレンジ的なのが多いから自分的にはそんなに面白みのあるアルバムだなぁって思うものは多くはない。バンドでやってる音が好きなんでギタリストだけのアルバムだとどうしてもちょいと方向が変わるしね。だからそれだけで食ってる人達って凄いなぁって思う。インギーにしてもヴァイにしてもさ、ギタリストの名前でアルバム作ってバンド組んでアルバム作ってるけど、もちろんバンド形態ではあったりするものの、あまりにもバンドになっちゃうとギタリスト名義の意味も無くなるし、その辺のやり方ってもちろん出来てるんだろうけど、ギター弾くと言う側面だけじゃないもんな。

 スティーブ・ヴァイの新作「Modern Primitive」、2016年リリース。日本盤だと「モダン・プリミティヴ/パッション・アンド・ウォーフェア25周年記念盤」ってカップリングもあるみたいだが、どうにもその当時から書き溜めていた、ってか残ってた楽曲郡をまとめてのリリースというお話。まぁ、どこがどうで、そういうもんか、みたいなのはよく分からん。ただ、相変わらずいつものように変幻自在にギターが歌っているアルバムと、さほど面白味を感じることのないインストばかりでどうにも自分的にはなじまない人、もっと真摯にギターをプレイしている人には響く作品な気がする。だってどうやってこういう音弾いてるの?とか出してるの?って全然想像できないレベルの音色が多数あるし、プレイだって伸びやかなサウンドから速弾き、シャカシャカなバッキングとかメロディアスなプレイなどなどホントになんでも出てくるからカラフルです。ひとつの曲でも10人くらいが歌っているかのように10通りくらいのギターの音色とプレイが鳴ってくるのもある。一体何なんだこれ?ってくらいには理解不能な作品。この領域まで来てしまうと、ホント、どこ目指してギター弾いていくんだろ?バンドとか恋しくなるのか、それともバンドなんぞやってるよりも思う存分音楽世界を構築する方が楽しいのか…、Zappaの世界に近いとも言えるのかな、さすがはヴァイ。

 ってもね、聴いてると結構BGM的にも馴染みやすいサウンドではある。歌入りもあるしさ。あまりにもテクニカルすぎるBGMだけど、決して暗くない、明るいムードの楽曲が多いから結構当てはまるんじゃないかな。耳の肥えてる人とかが聴いたら気になってしょうがないけど、普通には妙な雰囲気で面白いかも。そういう音楽じゃないけどね。それにしてもベースもドラムも凄いし、どうやったらこういう音楽を作っていけるのか…。ある種ジェフ・ベックと同じ世界に到達している感もあるな。






Pat Travers - Makin' Magic

Pat Travers - Makin' Magic (1977)
Makin' Magic

 昔はよくロック聴いてたよ、みたいな話はよくあるし自分よりも年上の方々と話してると普通にそういうのが出てくるし、そりゃ、中高生の頃に流行ってたのを聴いてたら自然にロックだったりしたって話だろうから時代の成せるワザでもある。後からそれを追求していくってのはやっぱりニッチな世界を探求する人だし、強いて言うなら今追求してっても当時を知ってる人達の方が明らかに時代感を知ってるんだから一刀両断されることも多い。年取ってりゃ偉いってもんじゃないけど、経験値と時代感は年には敵わない(笑)。

 カナダの白熱ギタリスト野郎から英国へ渡っての白熱ギタリスト野郎になってからの方が知られているだろうし、そもそもカナダ人だったの?って世代もいるのだろうPat Travers。もちろんあのライブ盤「ライヴ!」が一番なんだけど、既に登場しているので以外なことにコイツもカッコ良いんだぜ、とばかりに1977年のセカンド・アルバム「Makin' Magic」をお届けしようじゃないか(笑)。まぁ、ジャケット見てコイツ、アホだろうなぁ…ってのは想像できちゃうでしょ?いや、そうかどうかはもちろん知らないけどさ、ナルシストでもなきゃこんなジャケットで自分の二枚目のアルバム出そうなんて思うか?思うんだからやっぱりカナダのセンスなのか?なんて思うけど、多分そうだ。繊細さとか芸術性ってのには割と無頓着だったりするんじゃないかと。そんな事を思ってしまうもんだから当時のリアル世代以外では手に取るのはついつい後回しになるってモンだ。やっぱりジャケットの印象は重要。

 しかしだ、聴いてみるとこれがまた凄い白熱した傑作アルバムだったりするから困る。もっと早く聴いておきゃよかったじゃないか…なんて。ロックってこういうダサさと白熱ぶりと熱血少年的なのがあるしそれをそのままやってくれてるというヒーローでもあったワケよ。ギターもバリバリ弾いてるし歌も熱血だし、ライブ盤だけじゃなくてスタジオ盤でもこんだけ熱いのか、と、ついつい引き込まれていったアルバム。ギターロック好きだったら間違いなくハマる。それにギターのエフェクターにしても結構色々な音色使ってるし、探求し甲斐のある人だね、これもまた。多分自分の中でこういうロックの音ってのが一番しっくりとハマっていて、本能的にカッコ良いって思っちゃうんだろう…、このジャケットでも(笑)。



Mahogany Rush - Live

Mahogany Rush - Live
ライヴ(期間生産限定盤)

 時代が変わった、、と言うか文化を知っている連中がジジイになってきたから昔で言う大人がバカにする子供の文化ってのが本人達が大人になってしまったことで自分も好きだから、という世代になってしまって、大人が子供になっていると言うのか…、そうすると今の子供は、みたいな風潮がなくなってきてて理解を示しながら共存するみたいなことになっている。何か良いのか?って思うけど、そういうモンだからそれで世界は成り立つのだろうし、だからと言ってどうというモンでもない。要するに自分の持っている価値観を変えていくだけの話で、そういう事柄は他にもたくさんある。

 ロックなんてガキの聴くモンだ、ってあるんだけどさ、所詮ジジイが聴いたって分かんねぇだろ、って思ってたしね、それが今でも自分がロックを聴いている、というか拘ってきているという事実。ん〜、でもそういうモンだ(笑)。んで、本日、Mahogany Rushの名盤「Live」だ。1978年リリースのライブ盤、これ一枚しか知られていないんじゃないか?ってくらいにマホガニー・ラッシュっつうとこのアルバムが出て来る。アルバムジャケットを眺めていても確かに他のアルバムジャケットで見かけたなぁってのは数枚あるかないか…まぁ、そういうモンだ。でもさ、それだけコイツが突出してるって話でね、聴いてみると一発で分かります。うん、やっぱりロックはパワーだしエネルギーだし、白熱したプレイがどんだけ出せるかってモンで、ライブこそそれが光るってのは当たり前なお話。

 冒頭からぶっ飛ばしてくれる傑作ライブアルバムなんだけど、凄いのは中盤のハードブルースから更に有名な「Johnny B Goode」での超絶白熱プレイ、そしてその勢いで進んでいってトドメにはジミヘンの「Purple Haze」というダメ押し、いや〜こいつらスゲェ!ってなるんだけど編集ライブ盤だから実際は波があったのかもしれない。それでもこの白熱プレイは聴くと熱くなるものが必ずあるからね、聴いてみてほしいですよ、ホント。しかも写真とか見てると一体何だこのSGは?ってなるんでね。今の時代それもネットで調べられるから便利だけど、SGのふりして中身メロディメイカーだったりストラトチックだったりと色々と改造されてるし、そもそもエフェクターも凄いし、ギターマニア的には追求し甲斐のある人だろう。



Rush - Fly By Night

Rush - Fly By Night (1975)
Fly By Night

 カナダのバンドで世界的に知られているバンドはたくさんある。地理的文化的にアメリカの影響もあるのかなぁ、ひとつの国として存在してるんだけど、どっかアメリカと同義みたいなトコロあるから世界に出てきやすい環境なんてのもあるのだろうか?アメリカで売れると世界中に知られるのと同様にカナダで売れるとアメリカでも知られて、結局世界中に知られるというような…、あるんだろうなぁ、多分。

 カナダのロックバンドの中でも既に大御所で代表的なバンドでもあるRushの1975年リリースのセカンド・アルバム「Fly By Night」。自分的にはどうにも80年代のモダンな感じのあるRushなので通ることなく過ごしてきたバンドのひとつで、アレコレ書けるほどのネタは知らないけど、幾つかの作品を聞くようにはなった。好みか?ってぇとやっぱりそうでもなくって、それはゲディ・リーの歌のヒステリックさだろうと。声質もだけどさ。そこをクリアすれば聴く機会も増えるってなこともあるのだが、どうしても生理的に受け付けないんで、もっともっと慣れないとダメだな。

 さて、この「Fly By Night」というアルバム、まだ2枚目で、ドラムのニール・パートが参加した最初のアルバム、この人の加入でRushというバンドの深みが増したとも言われている。主に歌詞面と超絶ドラムのリズムなど随分と主導している人らしい。なるほど、聴いていると単なるハードロックバンドからかなり逸脱していて、妙に凝りまくってるなぁってのはすぐに分かるだろう。全体的には明らかにZeppelin影響下一本という気がするけど、歌聴いてるとAC/DCかね?ってな感じでもある(笑)。このアルバムから組曲を導入してプログレバンドへの接近とも言われてるけど、70年代のバンドだったらこういうのってすべてごった煮になって入ってくるモンだろうし、そこまで区別するものじゃないのかも。ただ、そのセンスと壮大さや完成度の高さから世界を代表するバンドになってる。中途半端に色々聴くならこのアルバム聴いてる方が時代が何を生み出したがっていたのかってのは分かるのかも。

 そういえばトリオ編成なんだよな?鍵盤も出てこないし、いくつかストリングスが出て来るけど基本トリオでの演奏でキメがひたすらに多い、即ちリフがあちこちに出てくる…それはリフが曲を構成しているのではなくって、曲の一部にリフが出て来るというような印象で、Zeppelinのリフとは使い方が違うのかな。ベースは明らかにジョンジーよりも動き回っているランニングベースだし、割りとやってる側は気持ち良いハズ。しかしイマイチ掴みどころの無いと言うか、無条件でカッコ良いと言うバンドではないと言うか、不思議だ。この不思議なトコロに惹かれると面白いバンドになってくるんだろう。まだまだだ…。



Teaze - Teaze

Teaze - Teaze (1976)
Teaze

 カナダ出身バンドってのはいつもながら不思議だ。不思議と言うか、何のヒネリもなくって田舎臭いという共通項が面白いんだが、プレイしている姿を見ているとひたすらに熱くてこれぞR&R!って思えるのが多いし、ぱっと見てカッコ良いんだよな。ただ、やっぱり深みの無さからか人気に火がつくほどではなくいつしか…となってしまうのも多い。本日のTeazeなんてのは正にそんな典型。

 Teazeの1976年ファーストアルバム「Teaze」。軽快で快活な、疾走感のあるR&Rをこれでもかというくらいにやっててくれて、デビュー作とは思えないほどのスピード感とライブ感で誰が聴いてもカッコ良いと思うアルバムだと思う。時代は一方ではディスコ時代だけどハードロック的にはKissやCeap Trick、Aerosmithなんかも十分に出てきてて、Van Halen直前というあたりだから悪くなかろうよ。その申し子たちのAngelなんかも出てきてたしね。地元カナダではもちろん大人気なバンドで、だから故に世界デビューして出てきていたのだが、日本ではどうだったんだろ?1978年には来日公演を果たしていたらしいが、何とガラガラだったとか?ここまで外タレで客がいなかったこともなかろうよというくらいにはガラガラだったらしい。それでもその時の日本公演をライブアルバムにしてリリースしちゃってるんだから恐れ入る。

 どの曲聴いてもカッコ良いんで何でまた受けなかったんだろ?とも思うけど、やっぱり何かどこか違うんだろうなぁ。この頃はギターヒーローなんてのが求められていたのもあるからそういうヒーロー面で欠けていたのかもしれない。その感覚で行くとカナダのバンドってヒーローがいるバンド、ってなかなかないかも。バンド単位での人気というのかな、そんな印象。







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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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