Night Ranger - Don’t Let Up

Night Ranger - Don’t Let Up (2017)
ナイト・レンジャー『ドント・レット・アップ』【初回限定盤CD+ボーナスDVD(日本盤限定ボーナストラック/歌詞対訳付き/日本語解説書封入/日本語字幕付き)】

 明るくてヌケが良くて快活でドライブするロック、ってのがアメリカのロックのイメージで、色々な方向性があるけど概ねこの部類に入ってくるんだよね、アメリカってさ。近年はメタル勢があって、こういう概念下には入らないものも多くなったけど、元々アメリカってのはそういうロックだった。キャッチーさももちろんの事ながら上手さってのも当然あって、人様に聴かせるモノなんだからきちんと作り上げた作品にしてある、ってのも鉄則。その中でバンドらしさとかを出していくんだからそりゃハイレベルなラインでの作品作りになってくるのは当然で、それが面白くないってのはやっぱり好みによるトコロが大きい。

 Night Rangerの2017年新作「Don’t Let Up」。80年代序盤に出てきて紆余曲折あったものの、現在ではオリジナルメンバー3人が名を連ねている状態であのアメリカンハードロックを徹底的に打ち出した作品をいくつもリリースしてきたけど、この新作も相変わらずの快活なハードロックをそのまま出してきた良作。よくもまぁここまでそれらしい作品が作れるものだと思うくらいにナイトレンジャーらしい作品から始まるアルバム。序盤に飛ばしてちょいと落ち着きながら、ってのも相変わらずのナイトレンジャーらしい展開。新しいギタリストにはこれもまたキャリアは長いケリー・ケリーだし、結構息の合ったギターを訊かせてくれてて、もっともナイトレンジャーに入ってるからそれに合わせたプレイにはなるのだろうけど、違和感なく溶け込んでいるようだ。聴いてて浮いたトコロが訊かれないんだからそう思うんだけどね。

 んで、この歌と曲、本質的に何も変わらずのそのまま、どっから切ってもナイトレンジャーっつうスタイルはこんだけ幅広いアメリカンロックの中でも際立っているってことで貴重な存在か。こういう快活なハードロックを出すバンドが今じゃ他には多くないってところで生き残っているというべきか、そもそも人気のあったスタイルの創始者として継続しているから成せる業か、アメリカのバンドは多くが変化しないスタイルなのはようやく確立できたスタイルを変えるとその分野でのトップと競争することになり、結構なリスクが伴うから、ということだろう。そんなに隙間は多くないしね。だから確立した分野でしかkりと立ち位置を確保するってのが一番ファンにとってもバンドにとっても良い選択肢になっているのもある。どうあれ、ナイトレンジャーもそういうスタンスで良い作品を続々とリリースしてくれているので楽しめるバンドってのは確かだ。







Leslie’s Motel - Dirty Sheets

Leslie’s Motel - Dirty Sheets (1972)
Dirty Sheets

 しかしこんだけブログ続けててまだブルースロックで聴くものがあるのか、ってのが不思議に思うくらいにはブルースロックってのは色々あるようだ。そりゃB級のものまで抑えていけばとことん深くまであるだろうから際限があるとは思っていないし、全部聴けるとも思ってない。ただ、その度に深く追求しながら楽しめる音に出会えると良いなぁみたいなトコロか。実際それなりに面白い発見に出会うことも多いし、そ一方でどんどん忘れ去っていくというのもあるのだが(笑)、それは何度でも楽しめるという意味で良いのかもしれない。ただバンド名とか印象ってのはずっと覚えているモンだからなぁ…。

 B級どころかC級なのかもしれないLeslie’s Motelってバンドの1972年のアルバム「Dirty Sheets」。何でも当時録音されつつもリリースされることなくして終わったが2009年になって再発見されてリリースとなったバンドの作品らしい。結局これで食えなかった人達のアルバムなので、今更評価されてもなぁってのが本人たちが言いたいことのような気がするけど、こんだけの作っておきながら未発表のままにしておいたのもこれまた勿体無いお話じゃないか、ってくらいには面白い取り組みをしているブルースロックバンド。オルガンも入ってて演奏だってそれなりにしっかりしててアレンジも普通に出来上がっているんだから何でリリースしなかったんだろ?って首を傾げるくらいのシロモノだ。ツインドラムスってのも時代風で良かっただろうにね。

 んでアルバムはと言えば、しっかりとこの時代にしてはやや古い感じがするもののオルガンとブルースギター中心のちょいと骨太なロック、ブルースロックでありそうで無かったバンドなんじゃないか、ってところだ。ルイジアナからってのはちょいと意外ではあるけど、サンフランシスコのシーンに殴り込めそうな勢い。聴きやすくまとめられているのもしっかりしてるし、普通に楽しめます。歌が少なめで演奏中心のものが多く、サイケ時代からの延長線とブルースロックを掛け合わせているかというような感じで、そこを強烈なギターが繋いでいくというパターン、フレーズはもちろん古めかしいものの連発でまったく時代そのものの音を味わえます。



Slipknot - The Subliminal Verses Vol.3

Slipknot - The Subliminal Verses Vol.3 (2004)
The Subliminal Verses Vol.3

 今でもシーンはそうだけど、色々な音楽をミックスして出来上がっていく、そこに最先端のスタイルが入り込むことで次の最先端を作り上げていく、そうしてどんどん機材の最新世に伴って新たに使う連中が出てきて予想しない方向の作品が出て来る、それがまたムーブメントになって音楽産業全体に広がっていくことで、どんどんと革新的なスタイルが開発されていく、この繰り返し。だからジャンルなんて関係なく新しくて刺激的なモノなら皆が皆何でも取り入れてスタイルを作り上げていくんだな。ロックの世界ってのはそこに行くことよりも古き良きスタイルに固執する傾向もあるので、なかなか進みにくい部分もある。ダンスやポップの世界でではそういうのがどんどんと進められていくから常に流行というものが出てくる。そこを上手く突けるかどうかでロックの世界は変わっていくんだが…。

 Slipknotの3枚目の作品「The Subliminal Verses Vol.3」は2004年にリリースされている。このバンド、いつしか大御所になってしまっているけど、活動歴に割には作品がそれほど多くはない。バンドの人数も多いからか常にタイトロープ的な人間関係が張られているとか…、実際はどうか知らないけど、ある程度売れてしまって音楽やバンドに拘る必要がなくなってくるとモロに人間関係ってのは影響する傾向が大きいのは当然だろう。そういうのを超えた先に出てくるアルバムってのは充実度が高い事が多いんだけど、その分初期衝動みたいなのからは離れていくからバンドは難しい。このアルバムでSlipknotはどうなったか、前作「Iowa」での超絶アグレッシブなスタイルからはさすがにもうちょっとメジャー路線的な所での音となった気がするけど、それでも相変わらずのスタイルを継承しているし、これはもうSlipknotしか出来ないだろうというレベルにあるのは間違いない。このボーカルもホント歌上手いよなぁ…、どういうスタイルでも歌いこなせるし、しっかりどこで聴いてもコリィだな、っていう世界があるから分かるし、このメロディラインもSlipknotだなっていうのもある。実はとんでもなく才能あふれるミュージシャン達が集まっているバンドで、更にコンセプトやイメージなんかも含めてトータルで売り出すためのプロフェッショナルが揃っているというのもアメリカらしい。その分、凄く良い作品に仕上がってて、スキが無いわ。見事。

 バラードから始まるアルバムという彼らからしたら奇抜さを狙ってて、そこから一気にアグレッシブなスタイルのオンパレード、グイグイと引き込む歌と曲の攻撃性、暴力性、それでもきちんと聴かせる部分を魅せてくれるという素晴らしさ、こんだけうるさくて気持ち悪いハズなのに、それを感じさせずに何か惹き付けられていく、その不思議な吸引力はメタルというカテゴリでもなくラップでもなく、明らかにSlipknotのメロディライン。その意味ではかなり独自性を持ったセンスが生きている。だからこそ強いんだろうと思う。妥協のないサウンド作りとバンドコンセプト、どのアルバム聴いてもそういうところが見事。



Korn - Follow The Leader

Korn - Follow The Leader (1998)
FOLLOW THE LEADER

 何かの拍子でふと耳に入った時に、あ、こういうの面白いのかな?なんて昔だったらそれが何なのか即座に知ることも出来ず、ああいうのこういうのを一生懸命調べたりしないといけなかったんだけど、最近はもうそういうのも全てiPhoneで判明させちゃえるんだからラクなもんだ。割とアチコチでshazamして判明させてるんだけど、これ凄いよな。ある程度のならきちんと聴いて判別してくれるから助かる。昔もこういうのあったらもっと苦労しないで色々と判明したのに…なんて思うものだ。

 さて90年代からリアルタイムでも名前はよく見たし、レコ屋でもオススメでよく置いてあったし、何度か聴いたりもしたけど全然ピンと来なくてそのまま放置してたようなバンドのひとつにKornってのがある。アメリカのメタルとラップの融合みたいなバンドってことでね、やっぱりどこか自分的にはハマらなくて流してた。それがちょこっと良いかもね、ってのを耳にしたのでそれをアルバム単位で聴いてみたところ。アルバムは3枚目の「FOLLOW THE LEADER」。1998年リリースだから90年代末期のか…、ってジャケット見ると、よく見たしプッシュされまくってたアルバムじゃないかと。自分的な感性ではひっかからなかったが、時間が経てば面白くもなるのか、それともメタル的なのも聴けるようにはなったからか。

 ベースが凄いくてメタルという枠では括れないし、ラップ的なエッセンスも強くて…ってかラップというよりもああいう手法での攻撃性を使っているという所か。凄く攻撃的に歌っていくところやエッジを立てて曲ごとぶつかっていくようなのも多いけど、その実ものすごく繊細な部分があって、音楽面でも実にその辺は上手く反映されているようだ。バンドの的ニックはもちろんのことながらボーカルの歌の巧さが際立つ。上手い上でああいう攻撃的なスタイルが出来ているんだからそりゃ才能だ。時代を反映したバンドで、こういうのだったんだ、と改めて知った次第ではあるけど、自分的な好みかどうか?感からするとちょいとやっぱり違ったのかな、とも思う。ただ、いくつかのシーンでカッコ良いんじゃね?ってのはあったから引っかかったワケで、まだよく分からない。ミクスチュアって全部が全部好まないからそういうとこが難しいんだよな。



Steve Vai - The Ultra Zone

Steve Vai - The Ultra Zone (1999)
ウルトラ・ゾーン

 ロックの歴史を追いかけているとやっぱりギタリストという存在は大きくて、それこそがロックの歴史だろ、って思うくらいの比重がある、と思ってる。その代表的なギタリストと言われる存在が60年代から大きく変わっていないのはなぜ?とも思うし、それ以上の革新的な刺激的なギタープレイを魅せてくれる人が多くないということだろうか。3大ギタリストとジミヘンを凌駕するレベルのロックギタリストってことになるんだけど、冷静にどうなのかなぁ…、テクニックだけならとうにそんなの超えてる人ばかりだけどね。その違いってのは歴史、か。

 この人もキャリア30年以上になってきているから歴史になっているのだろうけど、どうにも器用すぎて方向性とか指向性というものが醜くなっていて掴みどころのないスーパーギタリストという印象があるけど、やっぱりザッパからメタルシーンという変化そのものがそういうものとして定着していてソロ作を何枚か聴いててもその多様性がいつもクローズアップされる。果たしてどういうスタイルが自分に似合うのか、と言うよりは、多彩なスタイルに挑戦することで自身の可能性を試しているという感じか。その意味ではベックと同じような方向なのだろうから、ちょいと器用すぎるってだけか。

 1999年のSteve Vaiの作品「The Ultra Zone」。歌が入ってるから聴きやすいというのはあるだろうけど、こんだけやってると歌が邪魔とも思えるフシが多くて…、ギターだけで突っ走るには音楽性の多様さが物足りなさ感を覚えるという部分が出ちゃうのかな。聴いてて不思議な世界観に囚われることしばしば。何聴いてるんだっけ?って感じ。曲ごとにカラーが変わるから追求していくには頼もしいアルバムで、ゲスト陣営もそれなりに楽しめるからさすがのプロ、と思えるアルバム。ギタープレイ云々とかはもう言うことないから、どうしても作品としてのどうなの、って聴いちゃうのかな。その意味ではいつもながらよくわからない。本能的には何度も聴くかって問われるとそうでもないし。この辺がベックとかとの違いなんだよな、と冒頭の文章になるのだな。





Black Star Riders - Heavy Fire

Black Star Riders - Heavy Fire (2017)
Heavy Fire

 やっぱ軽いの聴いてるとガツンとしたのが欲しくなる。何かエネルギッシュなロックが聴きたいな、ってことでそういえばそういうの忘れないように自分チのアマゾンリンクに貼ってあるんだよな、ってことでしっかりと思い出したのがBlack Star Riders。元Thin LizzyってかThin Lizzyのトリビュートバンドから派生していって出来上がったバンドだからその筋から外れることのないバンドの音が出されているという貴重なDNAと言えるか。こういうのも珍しいバンドだよね。そこにはスコット・ゴーハムという70年代ロックの生き証人も参加しているワケだから真実味が増す。

 こないだリリースされたばかりのBlack Star Ridersの3枚目のアルバム「Heavy Fire」。相変わらず生きの良いストレートなThin Lizzy風ハードロックが展開される所はまるで変わらず、どうしてこういう枯れた音が出て来るのか、こうなってくるとセンスなんだろうなぁ、としか思えないんだが、どの曲でも思い描くThin Lizzyの風味なんだよね。ガツンと来るところもそうだし哀愁を感じるところもあるし、ちょいと掠れた感じの曲調と言うかさ、そりゃもっとゴージャスになっている部分はあるけど、それでも今時の時代からしたら珍しいくらいのトーン、しっかりと響くサウンドに仕上げてくれてるのは嬉しい限り。こんだけの音作れるってホント、何だろ?

 スコット・ゴーハムが気合い入れてこのバンドに懸ける意気込みっての、分かるな。Thin Lizzy好きな連中が集まってきて、そのトリビュートやってきて、曲作ってみたらそのまんまの音が出てきて、しかもそこで自分のエッセンスを入れてみたらぴったりハマって…、他の連中だってそりゃ、そういう音になっちゃうんだから楽しいだろうし、それなりにリスナーもファンも付くから悪くない。しかも評論家からも多分相当に評判良いんじゃないだろうか。男気のあるハードロックだけど、しっかりとそれらしい風味を漂わせてくれるサウンド、これまでの2枚のアルバムもそうだけど、この作品も同じくだ。そういう意味ではアルバムごとに差がそれほどなくどれも高品質ってことだけど、名盤ってどれになるんだろ?ってのはあるか。こういうの聴いてるとロックってどこに行っちゃうのかなってのもちょっと思う。ま、そんな事気にする必要のないくらいにあのサウンドを楽しめる作品です。





Slayer - Show No Mercy

Slayer - Show No Mercy (1983)
Show No Mercy

 往年のスラッシュメタルバンドの初期を聴いていると日本のシーンも同じ時期に進化していたんだなぁとマジマジと実感。いずれも自分の趣味という世界からは離れるんでさほど詳しくはないけど、それでもこのシーンは正に進化している過程だったんだろうし、そういうのを目の当たりに通ってきていたってのに気づいたのはもちろん後になってからだ。ハードコアパンクとテクニカルなスラッシュメタルの台頭と融合、その攻撃性とメッセージ、更に演奏力だったりイメージだったりが加わって世間的にそのバンドをどちらの軸で出していくのか、みたいな感じか。日本はスラッシュという軸よりもパンクの世界の発展系だったし、アメリカはメタルからの流れになってた。テクニカルだったのはあるけどね。

 そんな筆頭格のSlayer、帝王と呼ばれる彼らにも最初という時期は存在していて1983年のアルバム「Show No Mercy」でシーンに登場してきた、その前のオムニバスアルバムでシーンに出てきてはいたみたいだけど、この「Show No Mercy」でフルレンスのアルバムは初登場、それでこれか、と驚くばかりの代表的スラッシュメタル…、いやスレイヤーそのもの、と言った所だ。吐き捨てるようなボーカルスタイルと悪魔主義に加えてのスラッシーなギターリフと速さ、圧倒的に攻撃的なスタイルがバンドのイメージをそのまま出してきていて、加えてテクニカルなバンドサウンドだ。もっともドラムの音だけはどうにもならんのかと言う所ではあるが、ここまで殺人的なギターサウンドってのはほぼこれまで聴かれたことはなかっただろう。それでいてテクニカルだし、そりゃ注目されるでしょ。そもそもスラッシュメタルって上手くないと出来ないからね。

 全編に渡って殺戮を醸し出すかのような攻撃的なプレイは実に疲れる。音が良くなくても疲れる。それこそがスレイヤーの狙っていた所だろう、若さに任せての勢いある作品、今から35年くらい前の話だけど、シーンでは超異端児として扱われていたけど、カルト的な人気を博していたと思う。リアルタイムで接する機会もあったけど、無理だったもん(笑)。ただ、ハマるヤツはしっかりハマってた。ギターにしてもサウンドにしてもこのパワーにしても。敏感な連中だったんかな。ヤバいんじゃね?って思ってたくらいだけどさ。今聴いててもこの攻撃性とかはやっぱり斬新だし、通じるし、やっぱり凄いのをやってたんだ、という感覚。



Anthrax - Spreading The Disease

Anthrax - Spreading The Disease (1985)
狂気のスラッシュ感染

 破壊力があるバンドとかアルバムってメタルだ、っていうのは全然無くてさ、一般的にうるさい音として認識されているのだろうけど、割とそうでもなくてガツンと来るような音の作りにはなっていないものの方が多い。それはバンドそのものがうるさいからアルバムでは音を軽くして聴きやすくしているのもあるだろうし、やっぱりロックの重さってのとメタルのうるささってのは意味合いが異なるってのも大きい。だから両方の部分で重さを持っているバンドはホントに重い音のバンドになるんだろうけど、そうそう多くない。スカッとして聴きたいから、とか車で走りまくるぞ、みたいなのにはピッタリこの軽さとスピード感が似合うのかもしれない。

 1985年にリリースされたAnthraxの出世作「Spreading The Disease」。初っ端からしてひとつのスタイルを確立した事が分かる作品で、ザクザクした質感のギターとスピード感溢れる楽曲の中に歌の上手いボーカルが宙を舞ってくれているというパターンはかなり珍しい展開だった。ある種ハードコアパンクとの融合を果たしているとも言える作品の質感は1985年という時代にはやや早かっただろうけど、きちんと売れ線まで持っていけたって所は凄い。キャッチーさがあると言うのはあるのだろうけど、快活な音のヌケ感が凄くて、ドロドロした所がないから、アメリカで聴くにはホントにスカッと聴けるバンドなんだろう。複雑さもないから聞きやすいし。

 実はこのアルバムは当時聞かされた事があって、何だかよく分からずに拒否してた(笑)。多分音が悪いと言うか、聴きにくい質感の音で、子供の耳には辛かったんだろう。今聴くと、これこそヘヴィメタルっていう曲が並んでて信者が多いのもよくわかる。スラッシュメタルとして分けなくても良かったんじゃない?ってくらいには普通にメタルな感じもあるけど、多分この頃のメタル=LAメタルって風潮だったからそうじゃない、ってのを線引したかったんだろうね。ま、分かる。今で言うところのヘヴィメタルのスタンダードな形がここにあると言えるのかもしれない。





Megadeth - Rust in Peace

Megadeth - Rust in Peace (1990)
ラスト・イン・ピース

 ロックの発展系ってのを考えてみたことモないけど、常に深化変化して発展してきた50年間だったワケで、これからだって発展していくだろう。今あるロックの世界を見渡して、今後の将来像を考えた時にこういう系統のものが発展していくんだろうな、みたいな予兆があるバンドってのもあるのかもしれない。自分的にはそういうのは全然分からないけど、多分あるハズ。それはもう常にシーンにそういうのがあったんだからさ。そんな中のひとつだったんであろうバンドのひとつが多分Megadeth。

 1990年リリースのMegadeth最高傑作と謳われている「Rust in Peace」。自分的にはメガデスって名前は当時から知ってたけど、ほぼ通ることなかったバンドなのでじっくり聴いたのはそう古い話でもない…、って今2017年?ん〜、そっか(笑)。「知的なメタル」とか「スラッシュ四天王」という肩書があったことで、そうそう簡単に音が聴ける時代じゃなかったのもあって後回し感強くて結局そのままだったからさ。今にして思うと、「スラッシュメタル」ってのは自分の解釈だと速くてドカドカしててうるさいメタル、という概念しかなくて、まさかこういう変拍子や構築美をメタルベースの音でやっている、っていうのをスラッシュメタルと呼んでいたとは思わなかった。同じ部類に入れて語るなよ、って思うけど時代的にはしょうがないんだろうな。

 さて、マーティ・フリードマン加入しての最初の「Rust in Peace」、冒頭の曲からしてかなりびっくりしたアルバムで、変拍子に複雑に構築された世界、静と動の巧みな使い方、メロディアスでインパクトのあるギターソロにリフ、こういう音に出った人は、どうメガデスを表現していいかわからなかっただろう。以降こういうバンドは雨後の筍のように出てくるワケだから、明らかにパイオニア。それでいて聴きやすさを伴う完成度の高さ、幅広く受け入れられる土壌を持ったバンドだけど、ちょっと入り口が入りにくかったのがスラッシュメタルという称号か。ドリムシなんかと同列に語られれば違った面もあったんだろうが…。

 しかし、この音、Doomを筆頭に日本のインディーズシーンで繰り広げられた音世界に端を発していたのだろうか、とも思える類似性、当然世界としちゃメガデスになるんだろうけど、何か聴いたことのあるような感覚と質感だなぁ…と思ってたんだけど、そんな風に思うのは偏屈な人間だからだろう(笑)。明らかに名盤の域にあるアルバムだけど、自分的には最後までそのテンションが持たないのは、やっぱり得意じゃない世界なのか、聞き込みが足りないのか…。





Guns'n Roses - Use Your Illusion 2

Guns'n Roses - Use Your Illusion 2 (1991)
USE YOUR ILLUSION 2

 BabymetalがGuns’n Rosesの日本公演のオープニングアクトを務めるとな…、何とも凄い事になってきたものだ。更にBbaymetalは韓国でのMetallicaのオープニングアクトまでも務めることになっているし、今はRed Hot Chilli Peppersのオープニングアクトで英国ツアーしてるし、いや〜、ホント、そんなことが出来ちゃうって、しかもオファーされて来ての仕事ってんだから驚く。日本でのGuns’n Rosesのオープニングアクトなんてねぇ…、ってそもそもガンズってさ、なんて思ってふと聴いてみようかなと。リアルタイムだったけどファーストくらいしか通ってないしさ、どうなんだろ、と。

 Guns’n Rosesの1991年作「Use Your Illusion 2」。最初に書いておくと、ここまで良い作品だとは思わなかった。かなり自分自身でそう思うことにも驚いているくらい。何だろうな、ロックなのかな、音もエッジが立ってるし、そもそもバンドの全盛期だからってのもあるのか、余裕も貫禄も実力もエネルギーも充実度も艶っぽさも何もかもを感じさせる、詰め込まれている作品で曲はともかくアルバムとしてのムダがない。作り込まれてる。アメリカの凄いのはこういうところの妥協ってないんだよな。徹底的に作り込むなら作り込む。妥協した作品ってのは売れないから出さない。それよりもやっぱりバンドの充実感なんだろうなぁ、この満たされ具合は。決して好きだという程のバンドじゃないけど、これは見事なアルバムだわ。ギターのからして好みだもん。んで歌声はもちろんアクセルのあの声が全開だからなぁ…この声は天性のものだから凄いし、それをどの曲にもきちんと情感豊かに聖域を使って歌っててパフォーマー、アーティスト的に素晴らしいもんね。

 曲はねぇ、ダレるとかあるし言われるけどこんだけ引き締まった作品ならそういうのも今は当てはまらないんじゃないかな。かなり充実した傑作だと思う。単なるハードロック的なものとはちょいと一線を画しているし、見事なまでにカッコ良い曲も散りばめられてるし、やっぱギターが良いんだな…、やっぱり騒がれてそれだけで生き残ってる人だから、そういう所はすごかったんだって改めて認識。ちょいと映画的な効果音というかMCとか入ってるのが邪魔と言えば邪魔だけど飽きさせないという部分では効果的か、その分歌が引き締まる。オチャメな遊びもたっぷり詰め込まれているし、ドライブしてるし、いや〜、驚いたなぁ、こんなに良く出来たアルバムとは…。昨今色々聴いてるし幅も広げているけど、こんだけのアルバムはなかなか聴けないわ。やっぱり凄いバンドです。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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