Natur - Head of Death

Natur - Head of Death (2012)
Head of Death

 Black Sabbathが現在のシーンに与えた影響ってのはホント、とんでもなくデカいんだろうと思う。もちろんLed Zeppelinなんかも凄い影響力があるんだろうけど、ああいうバンドってのはもう出来ないからかそうそうクローン的なのが出てくる事もないし、発展させてそれらしいってのもなかなか見当たらない。それくらい唯一無二の孤高のバンドなのだが、もうちょっと汎用的になっているのがサバスだったりユーライア・ヒープだったりするんだろうか。多分あの半音下りの悪魔進行的なコードチェンジとあそこまで遅いリズムをヘヴィに仕上げてしまう技ってのは表現しやすいのかもしれん。もともとが悪魔主義的なものってのが暗黒ロックに結びつくのは何ら不思議ではないからそういうバンドも多く出てくるのだろうけど。

 Naturというこれもまたアメリカのバンドの2012年ファーストアルバム「Head of Death」なんてのを。これがまた良く出来てるデビューアルバムでね、タイトル曲が8分半あるんだけど、序盤にバンド登場のインスト的なテーマが流れてって、そのあと強烈なNWOBHMなリフ、それもまた80年代風なダサかっこよい入り方でガツンと来る。アルバムジャケットでお墓を使っているからかどうしてもドゥーミーなスタイルに思われがちだけど、コミカルなジャケットだったら明るく元気一杯のハードロックバンド、として紹介されたことだろう。真逆のジャケットを使ったことでNWOBHMの流れを組んだドゥーミーなバンドとして暗黒的に言われているようにも思う。音だけ聴いてると普通にNWOBHMサウンドでしかないしね。

 その意味では何ら新しい試みが行われているようには聴こえないというのはニッチなリスナーしか獲得出来ないんだろうとは思うものの、その完成度の高さがオールドファンも虜にする魅力がある。こんな世界を今の時代に再現してくれるバンドがあるってこと自体、シーンとしては面白いし、やっぱりこのパワフルなスタイルってのはいつの時代も若者を魅了するもんなんだろう。軟弱なの聴くくらいならこういうのでガツンと味わってほしいもんだ。正直、カッコよいです。






Brimstone Coven - Brimstone Coven

Brimstone Coven - Brimstone Coven (2014)
Brimstone Coven

 アルバムを聴いていてどんなギター使ってるのか何となくは分かる気がする。ただ、近年はもうギターに囚われない音が作れてしまうものもあるから分かりにくくはなってる。一方でギターそのものの音をきちんと出す人たちもいるから捉え方なんだろうね。わざわざ思いレスポールを使わなくてもレスポールらしい音は出せるだろうし、もっとマルチに音を出したいならフットワークの軽いギターを使う方が応用が効くっていう事だ。スタジオでは使うけどライブでは使わないギターってのも出てくるだろうし、必ずしもライブで見たギターがアルバムで使われているとも限らない。色々な聴き方があって面白いもんだと。

 Brimstone Covenというアメリカのバンドの2014年リリース3枚目の作品「Brimstone Coven」。どこでこんなの拾ってくるのか知ってる人は知ってるワケで、そんなトコロからのスジで知ったんだけど、偏見なしでアルバムを流してみるとこれまたヘヴィーそうあ印象があるものの、ギターがとっても粒の粗いディストーションサウンドで、スカスカ感すらあるのでもしかしてSGか?って思って映像見たらやっぱりSGだった。SGでアンプ直で歪ませるとこういう音になるから、そうか、そのまま弾いてるんだな、なんて納得。バンドはもちろんBlack Sabbath系なストーナーというか暗黒系なサウンドなんだけど、メタルっていうにはちょいと程遠い。正にサバス系でもちろんZeppelin的なヒネた感覚は入っていたり、暗黒系バンドのスタイルは継承しているものの結構音自体は軽めですらある。歌い方やメロディなんてのはモロに暗黒系なんだが、やっぱりギターの粒の粗さとSGの軽さがバンドを重々しくしなくて済んでいるようだ。

 ただ、ライブなんかで見てたらその雰囲気でかなり重くておどろおどろしい感触になるだろうし、そういう曲が並んでいるから余計にそうなるだろう。そのヘン上手く作られてる感じ。曲そのものはもちろんキャッチーさがあるワケでもなく、延々と暗黒スタイルが続くんだが、割と楽曲のバリエーションは幅広くなっていて、だからこそ何枚もアルバムをリリースするバンドになっているのだろう。ニッチなリスナーはかなりハマっていくバンドなんだろうね。






From Autumn To Ashes - Holding A Wolf By The Ears

From Autumn To Ashes - Holding A Wolf By The Ears (2007)
ホールディング・ア・ウルフ・バイ・ジ・イヤーズ

 好きなバンドの音源をとにかくひたすら聴きまくってとことん楽しむ、いつしかマニアになっていくみたいなのとそこまででもないけど気に入ってるからアルバムはそれなりに大抵聴いている、もちろん何度も何度も聴いててそれなりには知ってるし、やっぱ好きだ、ってのもある。ところがいつからか幅広く聴き始めてってそういう観点とは異なる聴き方、これどんなんだろ?こういうのあるんだ、スゲェな、好きかも、って気づく、みたいなね。そこから何度も何度も聴くのもあるけど、そうなっていくのは多くはない。やっぱり思い入れの度合いなんだろうからあまりよろしい聴き方ではないのは確か。どうせならアルバム一枚をじっくり聴いて、他のアルバムも聴いてそのバンドを知るってのが良いよね。いつしか何度も聴いてるってのもアリだ。

 From Autumn To Ashesというロングアイランドのバンドの2007年リリース4枚目の作品「Holding A Wolf By The Ears」。メタルコアって言われているジャンルになるのか?Bring Me The Horizonみたいなバンドだなぁって感じなんだけど、その元々で言えばそっか、ガスタンクでもあるのかってことに気づく。楽曲はもっと洗練されてるから違うんだけど、歌の使い分けなんかはやっぱガスタンクが元祖なんだろうなぁと。それでさ、面白いのはそんなメタルコアで歪み系なボーカルがあったりするんだけど、自分的には好きなんだよね。何でだろ?メロディはしっかりしているってのはあるが、それでも吐き捨てるかのような歌い方だし、音は思い切りメタリックで疾走感溢れる…、その疾走感とメロディってのが好きなのかもしれない。ちょっと前だったらそういうのも全然聞けなかったんだけど今はある程度なら全然平気、どころか好きなんだから困る(笑)。新しい時代の音に付いていきましょう、ってな事だ。

 このアルバムからボーカルやドラムが変わったりといろいろとあったみたいだけど、その分気合の一枚になったようで、名盤として評価されているみたい。実際聴いてみてそのレベルにある作品だろうな、って思う。どこまで必要か、ってなるとアレだけど、聴いているとそのスタンスはカッコよいな、って。この手のバンドって生き残るの大変だからいつまでもってワケにはいかないだろうけど、こういうメタルコア的なのはもうちょっと自分でも掘り下げても良いのかもなぁと柄にも無いことを思ったりする。まだまだ深いです。




The Autumn Offering - Requiem

The Autumn Offering - Requiem (2007)
Requiem

 バンド名決めるのってやっぱり気合入るモンでしょ。プロが集まってやるようなプロジェクト的なのは冗談みたいなのとか付けられるけど、アマチュアのそれなりのバンドで活躍してってプロ目指すぜ、的な段階とか特にコミック的なバンドを狙うんじゃない限り、それなりにこだわりはあるバンド名にはしたいと思ってるだろうし。そこに季節感あるネーミングを入れるってのは季節が持つイメージを音で表すバンドという偏見がまず入る。「秋」と言うキーワードだとやっぱりそれは切なさとか哀愁とか微妙な雰囲気を体現するという意味合いが強くなるんじゃないだろうか。実際そういうバンド名やアーティスト名だとそういう要素多い気がするもん。

 The Autumn Offeringってフロリダのバンド、2007年リリースの4枚目のアルバム「Requiem」がもちろんジャケットが目に付いたのでちょいと…ってことです。聴いて最初に「やっぱりな」って思ったのはアルバムジャケットの女性が歌っているワケではない、ってこととスゲェメタルバンドだ、っていう事だ。こういうジャケットなんだからそれは予想して然るべきだったんだけどね、その前がEmilie Autumn聴いてたからそういう印象もあったワケですな。だからと言って何か残念だったかってワケではなく、ジャケットとバンド名で選んだ割にはメロディアスで美しさも持ち合わせたガナリ声のメタル…メタルコアってのか、そういうんでブルータルさもかなり強烈で、実は結構好みの音だったりする(笑)。いや、早い話がArch Enemy的な音でしてね、メロディもあるし暴虐さもあるし、ギターは際立ったプレイするしさ。ちょいと粘っこさが足りないのはフロリダだからしょうがないだろうけど、畳み掛けてくるようなスタイルも面白いし、結構なバンドだったんじゃないだろうか。

 2012年くらいに解散しちゃってるみたいで、それも最初期から最後まで結構音楽スタイルが微妙に変化していったらしく、更にコレっていう個性が生かされなかったのもあってこの競争の多いジャンルの中では難しかったようだ。こういうのばかり聴いてる人にしてみれば当然そうなんだろうけど、稀にたまたまこういうバンドを聴いた人間からすると結構味わえるバンド、アルバムで楽しんでいる。集めて聴くかって程じゃないんだけどね、やっぱり凄いパワーとエネルギーがあるし、それはもう実感してて気持ち良いもん。






Aerosmith - Honkin' On Bobo

Aerosmith - Honkin' On Bobo (2004)
ホンキン・オン・ボーボゥ

 延命措置でどこまで人を生かしていくかという事を追求しているのが日本、欧米他は多分そこまで生かしておく感はなくてある程度までの処置の後は自然の摂理に任せておく、という感覚で無理な延命はしないという感じだ。宗教観の違いなのだろうけど、どっちが良いのかよく分からなくなってくるのはある。長生きして動けて人生を楽しめるならそりゃ長生きの方が良いんだろうけど動けなくて、となると難しい。かと言って…ってのもあるし答えは無いんだろうけどさ、ロック聴けない状態になってしまったらもういいや、って自分なんかは単純に思ったりもするけど(笑)。

 ふとAerosmith聴きたい、って思ったんだよ。何でかってのはもちろん分からないんだが、それで三枚目の「TOYS IN THE ATTIC」を聴いてたんだよね。やっぱりドラッグまみれの頃のエアロって独特の危うさがあってカッコいいな〜なんてね、んでアルバムも良いし、そういえば…って思ってまだ書いてないエアロスミスのアルバムって何かあるのかなってことで見つけたのが2004年リリースの話題作「Honkin' On Bobo」。エアロスミスがブルースアルバムをリリースするってことで話題になってて、それが実際リリースされてみるとたしかに曲は原曲に忠実にカバーされているんだけど、どっからどう聴いてもエアロスミスのロックでしかないという見事なまでの融合作に仕上がっていて、案外普通に楽しめてしまう作品になったと。ストーンズがブルースカバーやったのはあまりにも原曲になっちゃって面白くなかったのに比べるとエアロスミスのコレはホント、エアロってこういうバンドだもんな、ってくらいにブルースに根ざしててロックしてる姿そのまま。見事。

 コレ一発録りなんだろうな…、バンドのグルーブ感が物凄くてユラユラとドライブしてる。それとスティーブン・タイラーの圧倒的なボーカルパワーが冴えまくり。ジョー・ペリーとの2枚看板って印象が強いけど歳を重ねていけば行くほどにスティーブン・タイラーの圧倒的パワーの強いバンドになってきた。バンドのパワーバランスも変わってきてるのはそのヘンあるだろうなぁ。ロック好きさ加減ではジョー・ペリーダントツなんだろうけど、音楽的センスとビジネスセンスではスティーブン・タイラーだもん。話戻してこのアルバム、割と勝手知ったる曲ばかりなので余計にこのカバーのセンスの良さが分かるんで、ぜひ原曲探して聴いてみるのも良いと思う。とは言っても自分も原曲ではなく、その第一次カバーなんかを聴いている方が多いが。ちなみにThe Whoが「Road Runner」「Baby Please Don't Go」あたり、後はストーンズやFleetwood Macらヘンかな。ま、ここでのエアロカバーでまとめて聴いてればそんで良いのかもね。案外味のあるアルバムに仕上がってたんでオリジナルアルバムライブラリに加えても良いアルバム。




Alice Cooper - Live Alice Cooper Show

Alice Cooper - Live Alice Cooper Show (1977)
Live Alice Cooper Show

 ロックの歴史に於いてショーアップの狙いから大道芸との融合による劇化現象へと進んだのは何も誰かが起源だったというモノでもなかろう。昔からエンターティナーの中では仮装やメイクなんてのは普通にしていたワケだし、そりゃもうサーカスとかマジックとかもそうだしチャプリン見てたってそうだし、オペラや演劇でも当たり前だしね。だからロックの世界でそういうのが…みたいなのは自然な流れ。ただ、それを大々的に広めて認知させたのは多分キッスとこのアリス・クーパーなんじゃないだろうか。時代的にはまだこういうのが珍しかったワケで、昨今の誰もがヘンなメイクしているという時代とは異なってて、それなりに世間体に対する挑戦というのもあっただろう。今とは意味合いが雲泥の差があるかも。

 Alice Cooperの1977年リリースライブアルバム「Live Alice Cooper Show」。そこそこ人気のある曲のオンパレードだし、バンドの演奏も当然かっちりしているし、アリス・クーパーの歌だって情緒あるもので、集大成的な意味合いではかなり役立つライブアルバムだと思ってる。かと言って何度も何度も聴いたアルバムか、ってぇとそうはならないんで名盤というのでもなかったのかな。改めてそれこそン十年ぶりくらいに聴いてるけど、よく出来てるなぁと思う。やっぱりボブ・エズリンの仕上げってのはあるだろうし、妥協を許さないアルバム作りになってるのは確かだ。ただ、その分本当のライブ=生の感触というのはちょいと少なくなっているようだ。逆に言えばアルバム的な完成度を上げている、ということにもなるが、そこは聴く側の意識がどっちに向いてるかによるんだろうな。

 自分的にはベスト盤的に聞けてたのとやっぱりそれでもライブ感あったのとギターが出る時は前に出てきてて、やっぱりバンドとしてはすごいんだなってのも感じるから納得しちゃうアルバム。やっぱり「Welcome to My Nightmare」あたりのアルバムって良く聞いてたから、そのヘンがライブ盤で聴けるのは楽しみだったもん。それにしてもこの人の演劇じみたショーってのはメイクも含めて一つの流れを創ったのは事実。それを今でもやってるってのは驚きに値するものだ。




Van Halen - In The Club 1976

Van Halen - In The Club 1976
IN THE CLUB

 どんな大物バンドでも若かりし頃にはそれこそ誰かに憧れてバンド始めたりしてるワケで、そりゃもう誰だって一緒でしょ。元々がミュージシャンになるんだ、っていう英才教育を受けてきたヒトなら別だけど、あんまりそういう人もロックの世界には多くないだろうし、やっぱりテレビ見て衝撃受けたとか何かで聴いてぶっ飛んでハマったとかそういう人多いでしょ。そこからどんだけ追求するとかセンスがあるとか天才だったとかそういうのが人生を分けて行くことになるんだが、そもそも天才がそういう衝撃を受けてやり始めると歴史が開かれていくのだな。今でもギタリストという歴史の中では圧倒的な輝きを放っているエディ・バン・ヘイレン、この人もそういう閃きから天才を活かしてきた人だ。

 Van Halenももちろんバンド組んでから当面は偉大なるバンド達の曲をひたすらカバーしてクラブ周りをしていたってことで知られてて、その数ざっと300曲などと言われたものだ。実際どうなのか知らないけど、あの才能からシてそれくらいは軽くコピーして弾けただろうし、バンドもそんくらい出来たんだろうな。そんな逸話の一部が確かめられるのがどういうわけだがバッチリのFMラジオソースレベルで残されている1976年の、とあるライブのワンシーン。どういうワケだがアマゾンでもこのアングラソースが「In The Club 1976」で手に入るので聴いてみるとこれがまたやっぱり天才のカバーなワケで驚く発見ばかり。キッスにZZトップ、ツェッペリンにエアロスミスなどで、当時流行していたのを続々とカバーしてやってたようなモノで、そこはやっぱり熱いウチに熱いものをオーディエンスに届けることのショウマンシップか、見事な選曲だなと思うと同時に凄いなって思わせられるのはデイヴの歌声の幅の広さと余裕のパフォーマンス。この人、こんなに歌声の幅広かったんだ?全部どの曲も余裕でこなしてるじゃないか、っていうボーカリストとしての凄さが印象的。まだまだ上手いワケじゃないが、それでもあのパフォーマンスはもうこの時点で健在だし、それでいてこの歌だから驚く。

 そしてやっぱり圧巻なのはエディのギタープレイ。どんな曲だろうときちんとコピーされているのは当然なんだけど、それでももうあのエディのギターの音になってるし、更にはLed Zeppelinの「Hots On Nowhere」なんてヘンな曲をカバーしてるんだけど、これもレコード出てすぐくらいのコピーでさ、それでもこんだけライブでやっちゃうワケ?ってくらいな変拍子にも聞こえるヘンなリフをいともやすやすとアレンジしながら弾いてて更にはデイヴもあんなヘンなトコロでしっかり歌が入ってくるというぶっ飛びなカバー、しかもそれを軽くやってるのが凄い。他の曲はそんなにヘンでもないんだけど、この曲は相当ヘンなのにこんだけやっちゃってるんだから驚くばかり。やっぱり時代を変えたバンドだったんだなぁ…とつくづく。このCDだとカバーだけでなくってファーストやセカンドに入ってくる曲もプレイされてて、そっちの方はもちろん自分たちの曲だからか最初期のVan Halenのライブとしてものすごい勢いを見せつけられるかのような演奏で、どこを斬ってもスゲェや、っていう単語しか出てこない。音の多少の悪さはどうでもいいや、って思えるパフォーマンス力の勝利、そりゃ世界を制するわ。

Kiss - Creatures of the Nignt

Kiss - Creatures of the Nignt (1982)
クリチャーズ・オブ・ザ・ナイト(暗黒の神話)

 何となくロックってのはどこか社会的には反抗心があったり反骨心があったり、社会体制に不満を持っていたり、そこまでじゃないにしても若者の怒りを発散しているみたいなのがあって、それこそが原動力みたいなイメージを持っている。それは多分日本のロックがそういう歴史的背景から強く出てきているからだろうけど、当然プレスリーから出てきたロックのスタンスってのはやっぱり親からは嫌われるものだったワケで、若者のモノだったんだよな。そこから出発して、それが産業となり、もちろんそこにはプロ集団がいて、しっかりと商売になり音楽的レベルも高まり、みたいな図式を辿っていくのだが、しっかりとその先を見据えてのバンド事業を進めていった数少ないバンドのひとるがキッスになるだろう。

 Kissの1982年リリース作品「Creatures of the Nignt」。ご存知ドラムはエリック・カーに交代してて、実はギタリストもエースは脱退していて、ヴィニー・ヴィンセントやボブ・キューリック、ロベン・フォードなんてのが参加してて、曲作りではブライアン・アダムスまで参加しているというある種一大セッションアルバムでもあるのだが、そのくせこれまでのキッスのキャッチーでポップなハードロックからは大きくヘヴィメタルにシフトしていて、そりゃ時代的にはそっち行くしかなかったんだろうが、あまりにも一般的なメタルチックなサウンドに進んでいて驚いたもんだ。このアルバム聴いてからはこれまでのキッスの完全にオリジナルなキャッチー路線ってのが本当に貴重なバンドのスタンスだったんだなと気づいたもん。あんなキャッチーなの何でやってるんだろ、って思ったけどこういうヘヴィなのやっちゃうと普通のバンドレベルになっちゃったしさ。それじゃ面白くないだろ、ってのが単純にこのアルバムの感想。

 もっとも面白くないと言ってもキッスらしからぬという意味で、世間的なメタルバンドのレベルから見たらどうなのかはよくわからん。多分キャッチーだね、って感じはあると思う。それでもキッス史からしたらヘヴィってだけか。ただ、本人たちがどう思っていたかはともかく、時代の波に迎合した作品だと思うし、それで正解だったんじゃないかと。ある程度は狙ってたと思うが、正にこの跡の歴史を今見ていけばこれは正解だったでしょ。オールタイムなキッスファンからしたら好まれないアルバムとは思うけど、大きな変化をこういう形で示した意気込みを見せた作品。まぁ、自分的に好きかってなるとそんなこたないけどさ(笑)。


Cheap Trick - Raising Hell: the 1970s

Cheap Trick - Raising Hell: the 1970s
Raising Hell: the 1970s

 それにしても胡散臭いCDがいくらでもアマゾンに堂々と売っているのは慣れてしまったとは言っても見苦しい。アーティストやレコード会社自身はこういうの見ないのか、見てても何も出来ないからそのままなのか分からんけど、聴けるウチに聴いとけっていう解釈で良いか。そこまで無茶苦茶なのが出てくるってのは人気のバロメーターでもあるし、それくらいでどうのってんでも今更ないだろうし、って勝手に思ってるが、販促だと割り切るくらいじゃないとやってらんないかもね。なので当然ながらオフィシャルアイテムは概ね普通に入手しているというビッグネームばかりのものを漁る羽目になるのだった。

 Cheap Trickでも「Raising Hell: the 1970s」なんていう胡散臭い4枚組のライブCDがリリースされていて、何かと思いきや、1977年の地元ロックフォードのライブがFM放送されたことがあって、そこからの録音音源が元ネタになっているライブと79年のシカゴのショウも同じく、なのだが、どういうワケだから条件揃ってるのに無茶苦茶音がよろしくないという代物で、FMラジオからの録音という如何にもキレイな録音そうに見えるキャッチコピーには騙されてはいけない。古くからアングラでも有名な音源だが、ホントにFMソースか?なんてくらいにはチープで音の割れた音源なのでご注意。それでもライブそのものは精力的にライブ活動を繰り広げているデビューした年のチープ・トリックの熱き姿で、二枚目のアルバム「蒼ざめたハイウェイ」まではともかくながら、まだ未発表だったけど録音済みだったであろう「天国の罠」からの曲もいくつか演奏されていてなかなか興味深い資料的価値がある。

 ハードロックバンドにしてはやけに軽いサウンドが売り文句でもあるし、イマイチロックファンからは好まれないトコロでもあるが、リアルタイムなロック好き連中からは割と人気を誇っていたし、聴いてみれば曲ももちろんキャッチーで独特の解釈によるサウンドで嫌われる要素はあまり見当たらない。強いて言えばフロント二人のルックスが甘すぎたってところくらいだが、他の二人のオチャメさがその一方向のバンドのスタンスに走らせなくて良かった。ここで聴けるライブはやっぱり熱く演奏してて、畳み掛けるように楽曲が並んでいて聴いてても圧巻だからその場に居たらかなりハイテンションになっちゃっただろうね。




Aerosmith - King Biscuit Flower Hour

Aerosmith - King Biscuit Flower Hour
King Biscuit Flower Hour(2CD)

 今じゃほとんどのバンドがどこかしらに残された良質なソースはオフィシャルでリリースしているんじゃないだろうか。以前だったらそのバンドのディスコグラフィー見てるとスタジオ盤と幾つかのライブアルバム、ベストアルバム程度だったのが、アマゾン見てそういうの知ろうと思ったらそこかしこで色々なジャケットに遭遇する。もちろんオフィシャルじゃないのもあったりするからその辺を差っ引いてみても幾つかはBBC音源やラジオソースみたいなのが残る。これがどうなんだ、と言われてもどっちでもいいや、簡単に買えるしって発想になってきて、そもそも聞けりゃ良いかって感じになっちゃうもんな。実際アーティスト側からもリリースインフォ出ているのだけがオフィシャルなんだろうけど、音源が古ければ古いほど著作権的なものが曖昧になったりしてて何か堂々とあったりする。これもまたYouTubeで聴けるからいいか、みたいになるんだろうが、その前に買ってもバンド側には収益にならないんじゃ?とか色々…。んな綺麗事言ったって結局聞いちゃうし、気に入れば買うし、そんなもんだ。

 Aerosmithの「King Biscuit Flower Hour」なんてのが出たばかりだったんで、どの辺のだろ?って思ってね。再結成後の破竹の快進撃時代とは違う、最初期のとかボロボロのエアロの方が聴いてみたかったんで、こりゃ丁度良いな、って事で聴いていたんだけど、これがまたカッチョ良い。めちゃめちゃカッコよいってくらいにカッコよい。やっぱりエアロはそういうバンドだ。そもそもが好きなバンドだったんで70年代のアルバムの曲は結構聴いてて大抵刷り込まれているから知らない曲ってのが無いんだが、そういえば初期のライブソースなんてほとんど聴いたことない、って事にも気づいてみると、この1975年のライブ音源って凄まじくカッコよいんです。バンド下手くそなんだけど、物凄く艷やかで尖ってて熱い魂ぶつけてくるってのが伝わってくるんだよ。バンドらしいライブでホント良い。まだ3枚目のアルバム「TOYS IN THE ATTIC」リリースした辺りだから曲も少ないし、それでもカッコよい曲のオンパレード、今と変わらないって言えば変わらないんだけど、ひたむきでいいなぁ…。ロックってのはこういう姿なんだよ。初期のエアロのライブってこんなかっこよかったんだ。

 もう一枚入ってて、今度は面白いことにジョー・ペリー脱退後のエアロスミスの1980年6月のライブで、同じくラジオ音源だからそこは問題ないんだけど、面白いよな、しっかりとギターが変わっちゃうと毒気が薄くなる、っつうか…、それでも自分的には「ナイト・イン・ザ・ラッツ」ってアルバムも好きだから許せるんで、その時期のライブもこれまたほぼ聴いたことがなかったからここで聴けて嬉しいね。ああだこうだと当時は色々と言われたのは当然だし、バンドが崩壊していったのも当然だったんだけど、ライブ音源と楽曲聴いている限りはまだまだイケるんじゃね?なんて思えるんだがそうでもなかったんだな。これもまた珍しい時期のライブで、何ともお得な二枚組のCDで役に立つ。好きだったくせに案外深くライブなんかは追求したことのないバンドで、それは多分そんなに変化しないからだろうな、カッコよいってのはあるがライブごとにそんなに演奏が違うんでもないだろうし。でも、久々にこういうの聴くと血が沸々としてくるね。エアロいいね。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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