Circus of Power - Circus of Power

Circus of Power - Circus of Power (1988)
Circus of Power

 昔は違うジャンルのバンドとしてカテゴライズされていたのが、いつしかこういうカテゴリのジャンルに属しているんだよ、みたいな事が起きる。ジャンルやカテゴリの細分化によるものだったりブームから名付けられたカテゴリなんてのは後になればきちんと音楽性に準じたカテゴリに戻されるというような事も多い。それでもその時代で聴いていれば何でそんなカテゴリになるんだ?なんて思うのもあったりしてなかなか頼もしい。カテゴリってのは識別するものとしては便利なんだよね。

 Circus of Powerって80年代末期頃に出てきたバンドのファーストアルバム「Circus of Power」。何でまたここで登場かってぇと、ちょいとサザンロック系列でワイルドなの何かないかな…ってググってたら何故かこのバンドがヒットしてきて、何でこの入れ墨だらけの当時R&Rバンドと呼ばれたのが出てくるんだ?って見てたら、いわゆるバイカー、バイク乗り連中の入れ墨野郎バンドだったってことで、サザンロック的なワイルド感の中に入っているらしい。いや、そういう位置付けとしても捉えられることがあるらしい。んで、今また再結成して復活アルバムをリリースしてもいるらしいから現役バンドになってるみたいだが、このままの音で現役感あるバンドになっていたら結構アメリカン・ロックを代表するバンドの音になってるだろうな。そのウチ聴くようにしよう。

 今回は1988年リリースのファーストアルバムだけど、当時ちょこっと耳にしていた程度であまり聴いてはいなかった。何か怖そうなバンドってイメージがあっただけで、その後あまり目にすることなかったからかな。んで聴き直してみると、かなりシンプルなR&Rで確かにアメリカンな大陸的サウンド、ワイルド感もあるし大らかな雰囲気でのR&R、ハードロックテイストなサウンドでサザン系と言われても納得感ある。フックのある曲があまりないからか地味に印象に留まってしまうけど、カッコよさはあるし、風格も出ているが、ウリ文句に困るってトコだ。


The Agonist - Prisoners

The Agonist - Prisoners (2012)
Prisoners

 昔はこんなん全然聴けなかったし、聴きたいとも思わなかったなぁ…ってのを聞いている自分がいて、それはもう色々なバンドに対しても同じ。自分のブログながら過去記事見ても全然今と違う感覚の事が書かれていたりもするし、その時その時の記録を克明に取っておくのもこのブログの目的でもあるからそれはそれで良いんだが、いや、そういうモンかとシミジミと思う。古いロックでも同じような事はよくあるんで今更のお話だけどさ、普通はそこまで聴き続けることもないし、そんな使命もないから幅を広げるみたいなことって必要ないもんね。昔良く聞いてた、ってのを何度も深く聴くってのがニッチなあり方だもん。ところがひたすらに幅を広げていってしまう、苦手だと思ってたものでもいつしか聴けてしまう、とか。面白いモンだ。

 the Agonistの2012年リリース3枚目のアルバム「Prisoners」。ボーカルのアリッサ嬢は今では割と有名な女性シンガーになってしまって、アチコチのジャムなんかでも見かけるようになっているけど、Arch Enemyのボーカルになってる。こないだも来日公演してたし、堅実な活動してるようだ。そのアリッサ嬢は元々The Agonistってバンドでカナダから出てきていて、割と評判になってたんで自分もどこかで通ったらしいが、あんまり印象になかった。ただ、今回聴き直してて、そういえば普通のクリーンなボーカルとデス声と両方を使い分けて歌ってたバンドあったな…ってのがこのThe Agonistで、そっかアリッサ嬢だもんな、なんて納得。んで聞いてたんだけど、こんなに凄かったんだ、と改めて驚いた。演奏も上手いし歌も上手いし、そもそも普通の歌手としての上手さとか声の伸び具合やパワフルさなんかも凄い一級品で、そこにデス声も出来るよなんてのが加わっているだけで、決してデス声がメインではなくても良いハズなんだが、Arch Enemyはそういうバンドなので、今のところしょうがない。その魅力が引き出されているのがThe Agonist時代のアルバムで、こりゃ凄いわってな話。

 曲もアルバムを通してやたらと複雑…ってか戻ってこない展開なんてのもあって、どうやって曲覚えてるんだろ?プログレの域にあるくらいの曲で、そこに弱くなること無く普通にボーカルも乗っかってて、その意味でもかなりの実力派なバンドメンバーとアリッサ嬢という図式が見えてて、見事なアルバムだと。あぁ、書き忘れてたけどもちろん超うるさいメタルです(笑)。メタルコアってのらしいけど、そのヘンジャンルの違いが分からないんで、メタルです。それでもこんだけのパワフルさはそうそう無いんじゃないか?ってくらいのボーカルスタイル。更に演奏陣営。このアルバムがThe Agonistの中でかなりの秀逸作となっているとは思うけど、ハマれれば凄さが分かるかも。ただ、ハマれない人も多いハズだからその意味では勿体無いけど、ユニークな存在。今はアリッサ嬢抜けてしまって違うボーカルで頑張っているとのことなので、そのヘンもいずれ聴こうかな。

 見事に以前は全然聴けなかったバンドだったけど、今にして聞いてみるとアルバムの良さがわかってしまうくらいになってる…、人間経験です(笑)。


Metallica - Reload

Metallica - Reload (1997)
Re-Load

 考える、発想するということは誰でも出来るものだし、そうしないと生きていけないだろ、ってのもあるけど実際生きていく中でレベル差はあれど、そこまで考えてない、発想していないって人も多い。特に今時はiPhoneやGoogleのおかげで考える前にググレ、みたいになってるし、発想する前にググレ、でもある。故に考えるよりも調べるになる。考えるってのは調べるではなくて、考える、なんだから考えろ、と言いたい事が多くてね。何言ってるか良く分からんが、裏まで深読みすれば面白いし、なるほど感も出てくるから世界に対して冷めた目線が出来るのかもしれない。それを知った上で生きる方が楽しいんじゃね?っての思ったり、なんだか分からん…。

 Metallicaの1997年リリースの問題作と言われて久しい「Reload」。まぁ、正直に書けばこの最初のシングル「The Memory Remains」あたりがメタリカをまともに聴くようになったきっかけだったかも。いわゆる初期メタリカのサウンドは聴き辛かったもん。ところがこの頃になると恐ろしくサウンドプロダクションがしっかりしてきて、普通に聴けるレベルになってきて手作りから脱出している。バンドの音楽そのものも大きく変化しているんで合わせてメタリカが魂売ったと言われる所以なのだろが、自分自身はここでやっとメタリカに対峙出来たね。音に深みが出てきてて、ロックバンドとしてのメタリカのステータスが大きく築かれたと思う。スラッシュメタルバンドのメタリカとしてはNGだろうけど。だから一般のメタリカリスナーとは全然会話が出来ないんですが…(笑)。

 そもそも「The Memory Remains」のコーラスがマリアンヌ・フェイスフルって…何考えてんだ?しかもこんな歌声で登場させてるってさ…、なかなかあり得ない展開。メタリカについてはそういう展開が割とあるんで意外性とか奇想天外なのが好きなバンドなんだよ。だからパイオニアでもあるし、このアルバムのチャレンジについても多分そういう意思の表れだったろうし、結構な名盤に近いアルバムだと思う。ちょいとダレる曲もあったりするからもうちょっと短いサイズで良かったとは思うけど、引きつける楽曲も多いです。敢えて反論を厭わずに書けば。「The Unforgiven II」だって格好良いし、メロディがしっかりあるのが珍しかったんだろうか。今聴き直してみればしっかりとしたアルバムだと思うけどな。




Evanescence - Synthesis

Evanescence - Synthesis (2017)
SYNTHESIS(デラックスエディション)

 ミュージシャンにしても画家にしてもクリエイティブな世界に関わる人は一旦商品として市場にリリースされた自分の分身について、いつでもやり直したい、今ならこうする、もうちょっとこうしたかった、というさらなる高みへの欲求は常に持っていると言われる。自分みたいにそういう気質がない人間はさっさと忘れ去っていたいとか、やっと追わってくれた、とかそういうふうにしか思わないんだけど、そこが本気のアーティストとの差だよなぁ…。バンドでもあのアルバムは時間がもうギリギリで、とか色々理由がある仲でリリースされているものもあって、インタビューなんかでもそういうのを見かける。そういうモンだってのあるけど、じゃ、そういう修復した作品って聴いてみたいな、とも思うんだがそれはなかなか聴けない。ライブアルバムなんかで聴けるくらい。再録なんて贅沢なのはなかなかないし、アーティスト側もそれなら新しい今の姿を作りたいって思うだろうしね、だから現実に昔の曲を作り直しましたみたいなアルバムはそうそう多くはない。

 ところが、Evanescenceというまだまだ若いバンド、ってかAmy Leeなんだけどさ、彼女の思いだけで作られているバンドだから出来たんだろうが、90年代からアルバムは三枚しかリリースされていないのに、自分流儀のアレンジで再録したかったっていうことで作られたこの「Synthesis」というアルバム、なかなかに贅沢な仕上がりだ。全16曲中2曲の新曲以外は過去作品、アレンジだけで言えばほぼピアノとオーケストラ中心のクラシカルな世界への接近によるアレンジ。もともとエイミー・リーって女性はその世界にいた人だから彼女の曲は基本的にはピアノで作られているし、過去作品でもそういう要素はあった、それが本人の中で大きく膨れ上がった事で今の自分がやっておきたい表現方法で作り直したという作品だ。

 んで、これが、凄い。

 エヴァネッセンスのライブでもピアノだけで歌い上げるアレンジに進化している曲も多かったからその延長線上なんだが、エイミー・リーの歌唱力の太さと表現力が余すことなく発揮されていて、さらにそこに深みとツヤが乗ってて、唯一無二な詩世界が出来上がっている。もうメタルとかゴシックとかの世界を明らかにはみ出ているパワーボーカリスト、しかもしっとりとも歌える歌手として存在している。自分的にはやっぱりこの歌声好きなんだよな。賛否両論だと思うけど、こういう歌って彼女以外で聴かないもん。

 新曲2曲は本気でコレがエヴァネッセンスとしての曲だとしているとなると、バンドの方向性はかなりヤバいかも。歪んだギターも無ければエモーションも感じられないアレンジだから、まるで好みじゃない。いや、さっき歌声べた褒めしててコレかよ、って話だけど、そりゃ別物なので(笑)。こういうオーケストラアレンジの作品に入れる新曲だからこういうアレンジにしてるんです、ってんなら話分かるけどね、ま、そのヘンは次があれば次を待つしかないか。それにしても過去作品の出来映えのセンスの高さは凄いな。改めてこうしてじっくり聴いてると駄作がない。アレンジがつまらないとかあるけど、圧倒的にエイミー・リーの歌声による表情の変化で曲の大半が生き生きとしてきている。見事。またアルバム全部聴き直そうって気になった。




Sons of Apollo - Psychotic Symphony

Sons of Apollo - Psychotic Symphony (2017)
サイコティック・シンフォニー

 スーパーバンド的なプロジェクトってのはメンツの実力でリスナーの興味を引くってのが売りになると思うんだけど、その時に出てくる音がリスナーの期待しない音って場合もあるのは当然だろう。それでも裏切ることなく期待通り、もしくは期待どおり以上の裏切りならばアリなんだろうね。やってる側もそういうの分かってるから楽しみながらも個性を存分に発揮するメンツでのセッションってのが望ましいのだろう。更に言えばそれでいながら楽曲レベルが高ければ音楽的に腐らないという価値が乗っかる。それくらいは意識してるだろうなぁ。

 Sons of Apolloなるプロジェクトのアルバム「Psychotic Symphony」。元Dream Theater組のドラムと鍵盤が中心なのか、そこにビリー・シーンとガンズでギター弾いてる人、それにジェフ・スコット・ソートーが歌っているという不思議、イメージ的にはなんとなくドリムシ感あるけどジェフ・スコット・ソートーの歌ってことはそれなりに歌があるんだろうし、ガンズのギターの人って全然知らないから分からんが、テクニカルなんだろう、ね、きっと。ガンズでテクニカルってどうしようもないけど、そういうメンツで固めてるハズだし、勝手にそう思ってる…、さて、それで出て来る音はと言えば、割とストレート…にハードロック…、歌ものメタル…メタルじゃないか、ハードロック的要素かなぁ…、どっちでもないか。変拍子はもちろんあるけど、歌いやすいレベルの中にあるからそんなに意識しなくても、何か引っ掛かるヘンなリズムの曲、みたいな感触。ジェフ・スコット・ソートーの歌も図太くしっかり全編に入ってるからポップ寄りのバンドではあるね。

 まぁ、相変わらずビリー・シーンのベースの凄まじさは所々で驚異的に響いてくるのと、ガンズのギターの人、スゲェ上手いし面白い。超絶テクニカルでびっくり…ってかテクニカルってのもあるけどユニークなギタープレイヤーでもうVaiみたいな人ってたくさんいるんだね、って感じ。ドリムシ組はいつも通りそりゃそうだろ、って感じだからさ。聴いてて思ったけど、コレ、なんというタイプの音楽なんだろ?ロック、ハードロック、メタル、どれも当てはまらない…、ハードプログレでもないし、一番近くて歪んだフュージョン…?音楽は広がっていくもんだ。




Revolution Saints - Light in the Dark

Revolution Saints - Light in the Dark (2017)
ライト・イン・ザ・ダーク【デラックス盤】

 ロックバンドの連中も昔のジャズメンみたいにそれぞれの領域のプレイヤーとのジョイントやセッションによってプロジェクトバンドを組んでアルバムをリリースしたりする傾向が割と多くなってきている感じだ。どれもこれも使い古された「スーパーセッション」という単語で括られたりするのが何とも悲しいんだが、卓越したプレイヤーがそれぞれのバンドの作品で似たような雰囲気を感じてやったり、レーベルやプロデューサー絡みでプロジェクトやったりとなかなか多彩な活動が出来るのはプレイヤー気質の高いミュージシャンにはありがたい時代か。バンドのケミストリーを信じる派には少々エネルギー不足感はあるのだが、そこはテクニックでカバー、かな。

 Revolution Saintsというプロジェクトでの2枚目の作品「Light in the Dark」、ジャーニーのドラマー、ディーン・カストロノヴォとナイトレンジャーのフロントマン、ジャック・ブレイズ、ギターはダグ・アルドリッチというトリオでの編成で、内容はテクニカルなセッションバンドかと思いきやそんなことがあるはずもなく、イタリアのプロデューサーがジャーニー的なAORハードロックを作り上げたかったのか、そういう人脈だったのか、曲作りからアレンジまでを施してこの面々にやってもらった、に近いくらいのプロジェクトのようだ。即ちプレイヤー側の音楽的才能はともかく、ミュージシャン的力量のみを期待したプロジェクトってトコですな。ま、別にそれでも出て来る音の完成度が高いからミュージシャン側も文句なしでプレイするのはあるのだろう。どの曲も見事なまでにジャーニーと言えばジャーニー的な快活なAORだけど、ヨーロッパ的なエッセンスは入っているので、単純にアメリカンなAORにはなってない所が割とキモで、ありそうで無い雰囲気ではあるか。

 それにしてもこの辺の人達が歌っててこんだけ湿っぽいってのもそうそうないのはあるなぁ…、そういう意味ではチャレンジだったのかもしれん。楽曲レベルの高さはその辺の似たようなバンドからしてもかなりのシロモノだし、自力で出てきてたら結構なバンドだったろうに、そういうのが無かったが故のプロジェクトだったのか…、なんかその辺がやっぱり気になって素直に聴けてない自分がちょいと小うるさくて悲しい(笑)。




Attick Demons - Let's Raise Hell

Attick Demons - Let's Raise Hell (2017)
Let's Raise Hell

 ガツンとしたのが好きだ、これはもう昔から変わらないなぁ…、今に至るまでそんなのばっかり好きだとか言っててどうすんだ?大人になったらジャズ聴いて髭生やしてコーヒー飲んでるもんだろ、なんて思ってたんだが、未だにそんな傾向は微塵もなく、コーヒーは飲むけどさ、相変わらずのガツンを楽しんでいるという人生、ロックする連中は減った気がするがロックな連中は多数いるし、仲間もたくさんいる。んでもって教えてくれる人達もいれば、本人にその気なくてもつぶやいているのを気にしてチェックするという覗き見的な情報収集もあってそれなりには聞き耳立てているのだが、そんな中、こんなバンドあるんだ〜、って驚いたのがこれ。

 ポルトガル出身のAttick Demonsの二枚目のアルバム「Let's Raise Hell」。いやはや、ボーカルが完璧にブルース・ディッキンソンだからバックの音の出来映え云々に辿り着く前にどうしてもボーカルに耳が向いてしまってまっとうな聴き方が出来ないという珍しいパターン。それでも数回聴いていると、なるほど、ボーカルの迫力だけにとどまらず割と多彩なサウンドにチャレンジはしているのかな、という気はするけど地力がどこまであるかはまだまだ分からないな。バンドそのもののコンセプトがしっかりしてこないと寿命短く終わっちゃいそうだけど、ここから彼らなりの作風を作っていけるかどうかがキモだ。少なくともこのアルバムではそういうのを無視して単純にメタルを楽しむという面で成功しているし、迫力の歌声も生き生きしてて素晴らしい。

 ポルトガルだからひたすら熱いプレイとパッションはそのまま信条だろうし、表現するのにこういうメイデン風サウンドはぴったりだろう。メイデンだって南米じゃとんでもないライブを多数繰り広げているんだから、その信者たちからこういうのが出てきたって何ら不思議はない。そしてメイデンよりも全然若いからこそのパワーとエネルギーを炸裂させてくれてて、メイデンを彷彿とさせてくれるのも良い。更に近年のパワーメタル的なスタイルを中心としたバンドの音、メロディアスに進むかゴリゴリ行くのか…、どっちにしてもこの勢いをそのまま維持してガンガンやってほしい期待のバンドです。


Night Ranger - 35 Years & A Night in Chicago

Night Ranger - 35 Years & A Night in Chicago
35 Years & A Night in Chicago [Blu-ray] [Import]

 この時期に台風ですか…、秋雨前線による天候不具合に加えてのトドメの一撃、スカッとした秋晴れの空の下でお散歩したいですねぇ…。お散歩ってお散歩じゃないけどさ、雨や曇り空ばかりの日々ってどうしてもどことなく陰鬱になっちゃうじゃない?キライじゃないんだけど長すぎる。ロンドンなんてのはそんな天候ばかりだからああいう湿った音が出来上がるってのあると思うんだが、日本もやっぱりあるんだろうね。そこへ行くとアメリカってのは逆にああいう土地と天候だからそりゃ州ごとに違うだろうけど、アメリカらしいサウンドってのが出来上がる土壌もあるワケだ。

 Night Rangerって来日してたの?って友人からの問いかけに「いや、知らない」って話になって、ホントに来日してたっていう…。大体が来日情報発表してから実際ライブやるまでの期間が長いとすっかり忘れてるんだよね。その時にチケット取ってれば良いけどさ、そんなのがあったんでちょいとNight Ranger見たいな、ってことで35周年記念ツアーからのライブ映像「35 Years & A Night in Chicago」を見てみた。何とも素晴らしきアメリカンハードロック、AORに近いバンドなんだが、快活で心地良い、そして正にアメリカンなスタイルとそれ以外の何者でもないサウンド、メンバーの気性もきっとそんなアメリカンなんだろうなぁと思ってるけど、オリジナルメンバーはジャック・ブレイズにブラッド・ギルズ、ケリー・ケイギーの3人、ジェフ・ワトソンがいないのはやっぱり残念だけど、それでも全盛期を支えてたメンバーが一緒にやってるんだから迫力は昔のNight Rangerそのものと言って良いんだろう。

 途中活動が途切れていたバンドだけど復帰してきてからはコンスタントに活動していて、それこそ来日公演もそれなりに成功させているんだから息の長いバンドになるし、80年代の黄金組からしたら今でもそんなに劣化しないで活動しているバンドなんてのはないんだから貴重な存在ですね。その辺はAORの強みか。そんな事を思いながら見ていたんだけど、やっぱりメロディはしっかしているしボーカル専門員を置かないでも二人の秀逸なボーカリストを抱えていて、演奏力もしっかりしているという、確かにバンドとして見ると売れない要素は無いし、今でも活躍できるのも当たり前。懐かしい曲が並ぶこのライブ映像はそんなバンドの現在進行形を証明しているし、ノスタルジック感で売っているワケでもないというライブが見られる。それにしても知った曲が多いこと多いこと。


Steve Vai - Modern Primitive

Steve Vai - Modern Primitive (2017)
Modern Primitive

 基本的にギタリストのアルバムってのはチャレンジ的なのが多いから自分的にはそんなに面白みのあるアルバムだなぁって思うものは多くはない。バンドでやってる音が好きなんでギタリストだけのアルバムだとどうしてもちょいと方向が変わるしね。だからそれだけで食ってる人達って凄いなぁって思う。インギーにしてもヴァイにしてもさ、ギタリストの名前でアルバム作ってバンド組んでアルバム作ってるけど、もちろんバンド形態ではあったりするものの、あまりにもバンドになっちゃうとギタリスト名義の意味も無くなるし、その辺のやり方ってもちろん出来てるんだろうけど、ギター弾くと言う側面だけじゃないもんな。

 スティーブ・ヴァイの新作「Modern Primitive」、2016年リリース。日本盤だと「モダン・プリミティヴ/パッション・アンド・ウォーフェア25周年記念盤」ってカップリングもあるみたいだが、どうにもその当時から書き溜めていた、ってか残ってた楽曲郡をまとめてのリリースというお話。まぁ、どこがどうで、そういうもんか、みたいなのはよく分からん。ただ、相変わらずいつものように変幻自在にギターが歌っているアルバムと、さほど面白味を感じることのないインストばかりでどうにも自分的にはなじまない人、もっと真摯にギターをプレイしている人には響く作品な気がする。だってどうやってこういう音弾いてるの?とか出してるの?って全然想像できないレベルの音色が多数あるし、プレイだって伸びやかなサウンドから速弾き、シャカシャカなバッキングとかメロディアスなプレイなどなどホントになんでも出てくるからカラフルです。ひとつの曲でも10人くらいが歌っているかのように10通りくらいのギターの音色とプレイが鳴ってくるのもある。一体何なんだこれ?ってくらいには理解不能な作品。この領域まで来てしまうと、ホント、どこ目指してギター弾いていくんだろ?バンドとか恋しくなるのか、それともバンドなんぞやってるよりも思う存分音楽世界を構築する方が楽しいのか…、Zappaの世界に近いとも言えるのかな、さすがはヴァイ。

 ってもね、聴いてると結構BGM的にも馴染みやすいサウンドではある。歌入りもあるしさ。あまりにもテクニカルすぎるBGMだけど、決して暗くない、明るいムードの楽曲が多いから結構当てはまるんじゃないかな。耳の肥えてる人とかが聴いたら気になってしょうがないけど、普通には妙な雰囲気で面白いかも。そういう音楽じゃないけどね。それにしてもベースもドラムも凄いし、どうやったらこういう音楽を作っていけるのか…。ある種ジェフ・ベックと同じ世界に到達している感もあるな。






Pat Travers - Makin' Magic

Pat Travers - Makin' Magic (1977)
Makin' Magic

 昔はよくロック聴いてたよ、みたいな話はよくあるし自分よりも年上の方々と話してると普通にそういうのが出てくるし、そりゃ、中高生の頃に流行ってたのを聴いてたら自然にロックだったりしたって話だろうから時代の成せるワザでもある。後からそれを追求していくってのはやっぱりニッチな世界を探求する人だし、強いて言うなら今追求してっても当時を知ってる人達の方が明らかに時代感を知ってるんだから一刀両断されることも多い。年取ってりゃ偉いってもんじゃないけど、経験値と時代感は年には敵わない(笑)。

 カナダの白熱ギタリスト野郎から英国へ渡っての白熱ギタリスト野郎になってからの方が知られているだろうし、そもそもカナダ人だったの?って世代もいるのだろうPat Travers。もちろんあのライブ盤「ライヴ!」が一番なんだけど、既に登場しているので以外なことにコイツもカッコ良いんだぜ、とばかりに1977年のセカンド・アルバム「Makin' Magic」をお届けしようじゃないか(笑)。まぁ、ジャケット見てコイツ、アホだろうなぁ…ってのは想像できちゃうでしょ?いや、そうかどうかはもちろん知らないけどさ、ナルシストでもなきゃこんなジャケットで自分の二枚目のアルバム出そうなんて思うか?思うんだからやっぱりカナダのセンスなのか?なんて思うけど、多分そうだ。繊細さとか芸術性ってのには割と無頓着だったりするんじゃないかと。そんな事を思ってしまうもんだから当時のリアル世代以外では手に取るのはついつい後回しになるってモンだ。やっぱりジャケットの印象は重要。

 しかしだ、聴いてみるとこれがまた凄い白熱した傑作アルバムだったりするから困る。もっと早く聴いておきゃよかったじゃないか…なんて。ロックってこういうダサさと白熱ぶりと熱血少年的なのがあるしそれをそのままやってくれてるというヒーローでもあったワケよ。ギターもバリバリ弾いてるし歌も熱血だし、ライブ盤だけじゃなくてスタジオ盤でもこんだけ熱いのか、と、ついつい引き込まれていったアルバム。ギターロック好きだったら間違いなくハマる。それにギターのエフェクターにしても結構色々な音色使ってるし、探求し甲斐のある人だね、これもまた。多分自分の中でこういうロックの音ってのが一番しっくりとハマっていて、本能的にカッコ良いって思っちゃうんだろう…、このジャケットでも(笑)。



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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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