The Agonist - Once Only Imagined

The Agonist - Once Only Imagined (2007)
ワンス・オンリー・イマジンド

 ロックならともかくメタルサウンドをバックにしての歌唱ってのはやっぱり根本的に音圧が無いと務まらないだろうから、歌が上手いというだけでは出来ない。そう考えていくと音圧ありながら歌詞が書けてできればメロディラインもセンス良く出せて他には劣らないインパクトを放つなんて要件を揃えているヒトってなると結構難しい、と言うかよほどの条件が揃わないと居ないだろうと。ところが雨後の筍のようにいくらでもそういうバンドが世界中から出てきては消え、その肩書がまたどこそこのバンドで生かされていくというようなキャリア構築、才能ある人達ならそういうやり方でもしっかり生き残っていくし、実際それで歴史的な名盤なんかも出しているんだから面白い。

 The Agonistの紅一点のボーカリストと言えばアリッサ嬢、もちろん今のArch Enemyのアリッサ嬢で、バンドを替えた事での大きな違いはクリーンなボーカルの封印。The Agonistの頃はデス声とクリーンの両方が操られていて、そのクリーンボイスでの歌声とかメロディってのが結構良質なセンスだったのでArch Enemyでの封印が悩ましい所。バンドとしてはどうしてもそうなるだろうし、あのクリーンボイスがArch Enemyで聴けるとは思いたくないしね。さりとて、ってことでThe Agonistのデビューアルバム「Once Only Imagined」を聴いている。2007年リリースのアリッサ嬢のアルバムデヴュー作品になると思うが、そこで既にデス声とクリーンボイスのセンスの良さを披露している。今でもしっかりとシーンに残っている理由はある。今にして聴いていても、このクリーンボイスでのメロディや歌い切り感は得を変えればEvanescenceのエイミー嬢並みのキレの良さを持つ。もちろん声量にしてもあるワケだから、こいつを封印しちゃうのはもったいないってね。

 アルバムの方は当時はどういう評判になったのか知らないが、エモスクリーム系ってのか?カナダのバンドだからセンス的にはダサいはずなんだけど、しっかりとヨーロッパのこの手のバンドの影響下にはあるようだ。それだけでなくってアメリカのエモ系なサウンドなんかも入ってるから割とユニークでストレートな音に仕上がってる。そこにデスとクリーンの女性ボーカルで青い髪なんだからインパクトは絶大です。新人にありがちな未熟さややりすぎ感が無く、しっかりと初めからスジを見極めたサウンドを作り出しているような感じ。アリッサ嬢の歌声、絶品です。





The Guess Who - American Woman

The Guess Who - American Woman (1970)
American Woman

 1970年前後、ハードロック旋風が吹き荒れていた…、とはちょいと過剰だが、そういうロックが出てきて若者が皆飛び付いたのはそういう事だろうと。それで英国ハードロックの波はアメリカにもカナダにもヨーロッパにも上陸し、しばらくしたら日本にも上陸していてハードロックという大枠での解釈が一気に発展していった。もっともその解釈は様々あって、ブルースから始まったもののどんどんと色々なものを取り込みながら進化していったので、世界各地でのバンドがお国柄をも持ち込んで売れていったものだ。

 Guess Whoは1965年からシーンに登場している老舗バンドながらハードロックという解釈に進んだのはしばらくしてから、おそらくは英国のハードロックバンドを知ってから一気に自分たちの方向性を確立したのだろう。1970年リリースの「American Woman」が傑作として知られているってことで聴いてみればそこには明らかに英国ロックからの影響を聴くことのできる作品が立ち並ぶ。この後のアメリカン・カナディアンハードロックで顕著になる粗雑なスタイルではなく、まだまだきちんと繊細さをも持ち込んだロックという枠の中での演奏が収められているからだ。しかもメロディアスにソフトに歌を聞かせる的なのもあるからロックというよりも音楽的に優れた作品として作り上げていることは見えてくるし、その挑戦もなるほどと。一般的にゲス・フーはサイケ・ハードロック路線と言われるのはこの辺りを指しての事なんだろう。

 この「American Woman」というアルバム、タイトル曲が冒頭にあって、コレは…って思うんだけど、冷静に聴いてるとどっかで聴いたような曲調で、何だっけなぁ…と、ふと気づくと何だ、「Whole Lotta Love」じゃないか、ってことに気づいて笑った。そういうモンかね…ってな感じだが、気を取り直して他の曲を聴いていくと結構な名盤らしい作りで、決してハードロックなんてもんじゃなくてもっと繊細でアコースティクなスタイルも存分に入っているし、割と掴みどころの無いバンドと言うか、どこ向いてるんだろ?ってな具合のバンドではある。コーラスワークだって見事だし、実は歪んだギターが多くはないし、何とも形容しがたいけど、ロックという時代の産物としては良作だと思う。





Bachman Turner Overdrive - Four Wheel Drive

Bachman Turner Overdrive - Four Wheel Drive (1975)
Four Wheel Drive - 2nd - EX

 カナダとアメリカの関係ってのも結構不思議と言うかなるべくしてなっている関係と言うか、外から見るとほとんど同じ国のような、カナダ州とでも言わんばかりの関係性に見えるんだけど、実際どうなんだろう。まぁ場所柄敵国になるような事もないのだろうけど、陸地繋がりでの国境ってのは中東辺りへ行くと常に戦争の境目的な場所でもあるワケだし、日本の場合は隣国が海を隔てているからってのはあるが、色々と世界を見ているとさほど平和とも言えない状況なんだろうな、と思わざるを得ない、か。

 カナダのハードロックバンドとして一世を風靡したBachman Turner Overdriveの1975年4枚目のアルバム「Four Wheel Drive」。先日のWalter TroutのアルバムでRandy Bachmanがセッションでの参加で出てきたんで、そうかぁ、ランディ・バックマンか…ってちょいと気になってね、こっちに進んでみた次第。カナダ、というかアメリカもカナダもだけど70年代ロック好きなくせにそのヘンってほとんど通ってないんです。リアルタイムじゃなかったからってのもあるけど、どうしても繊細な英国風なロックからすると粗雑で粗野すぎての大雑把なロックってのに不慣れでね、実際それがアメリカ系の大陸型ロックの醍醐味でもあるんだが、このバックマン・ターナー・オーヴァードライブもカナダだけど大雑把な荒っぽいスタイルのハードロックスタイルで、だからこそ売れたし人気もあったようだけど、好まなかった。グランド・ファンクだって似たようなもんだったけどさ、そこまでラフなのを聴く必要性も無かったんだろうね。

 4枚目、全盛期なバンドのスタンスで前作「Not Fragile」と類似するアルバム作りという事らしいけど、そもそもこういうスタイルのバンドなんだからそうなるだろう。何だろうね、ギターリフが格好良いとかじゃなくて曲のキャッチーさがあってのギターバックが出来てきて、って感じなんだろうか、パワーコード的展開がやたらと多いイメージ。更に曲中でもオブリ的なのはほぼ皆無で一発の強引さで曲を引っ張ると言うのかな、それこそ大味な醍醐味。歌も正に、という感じだからなぁ、苦手だわ、やっぱ(笑)。ただ、このパワーとかロック魂的なのはよく分かる。文化がさ、車で長距離走るってのがあるとこういうのは聞きやすいんだよね。日本だとそこまでの長距離って日常じゃないからさ、大陸だとそういうのが日常だからこういう大雑把なスタイルが受ける。そのヘンの違いは明らかにあるもん。





Galactic Empire - Galactic Empire

Galactic Empire - Galactic Empire (2017)
Galactic Empire

 先日認識されなくなったHDDを諦めきれずにたまにスイッチ点けたり繋げたりしてたら、とある時にたまたま認識した…、これ幸いとばかりに一気にそのままバックアップを丸ごと取って凌いだ。ラッキーだったなぁ…、まぁ、それでバックアップ取れたってことは微妙な劣化だったんだろうとは思うけど良かった。4TBのHDDが1万円程度だったんで買ってたんだけど、1TB程度のバックアップでも一晩で終わらなかったりもするのがさすがの大容量。しかも最後の手前で止まってるし…。結局チマチマとやらないと完全なバックアップは取れなかったりするもんだ。RAIDとかならラクなんだろうか?あんまりそういう気がしないんで、ひたすら定期的に移し替えするしかないかな。

 Galactic Empireっつうアメリカ…出身のスターウォーズで使われている楽曲をバンド単位でメタルチックに演奏するフュージョンバンド、とでも言うべきか、の2017年最初のアルバム「Galactic Empire」。ネット時代の産物のようで、YouTubeでの演奏テクニックから選ばれたというかメンバーが集められたというのか、そりゃま結構な腕前のミュージシャン達がプレイしているので演奏はものの見事にスターウォーズの楽曲のメタルインストバージョン。聴いてて凄いなぁって思うのは、当然元々がクラシックと言うかオーケストラが雰囲気に合わせて奏でる楽曲だからロックとかみたいに8ビートとか変拍子ってレベルじゃなくて、リズムそのものがない、とか変化しまくってる、とか雰囲気で変わっていく、ってものだから、それをバンド単位でやるってのはそもそも全員のリズム感なりがそれなりに技量がないと成り立たない。故にメンバーのセンスがかなり問われるのだが、それを持ってしても見事に巧くて味わいもある、そしてロック的にノーミス的にプレイヤーとして素晴らしいレベルで聴かせてくれるのがこのバンドの凄いとこ。

 自分自身はスターウォーズの楽曲なんて大して覚えてないし、そうなのか、ってのばかりだけど普通に見てて聴いてて面白い、引き込まれる。ザッパなんかもそうだったんだろうし、もしかしたらスティーブ・ヴァイとかそういう方々も同じように楽しませてくれるのだろうけど、ふと後期ソフト・マシーンを思い出した。そこまでじゃないけど、ギター三人がそれぞれの役割をきちんと決めて鍵盤なしで聴かせてくれるんだから見事。しかもあの衣装着ての演奏でフレットも見にくいだろうし、それでも生で聴かせて飽きさせないんだから大したものだ。名称や衣装なんかの版権問題に発展しないように心がけながら活動しているって事らしいんで、もうちょっとオフィシャルとは言えないけど黙認するよ、ってくらいのお墨付きになれば大々的に出ていけるんだろうけど、まだそのヘン、アマチュアに毛が生えた程度なので難しいようだ。今後どうなってくんだろ?ってのはあるけど、アルバム2枚出してて、飛び抜けたバンドになることはないだろうけど、職人芸バンド的に好かれるんじゃないだろうか。なぜかず〜っと聴いててしまうんだなぁ…。



Red Dragon Cartel - Patina

Red Dragon Cartel - Patina (2018)
パティナ

 先日外付けのHDDに入ってるのを久々に聴こうとしたら全く認識してくれなかった。ランプも付いてるし中のHDDも回っているようなのに認識しないって事はそもそもの物理的欠陥?するとその中に入っているデータは無事なんだろうけど、このハコでは読み出せないという事か…、それも困ったなぁ、まだ思案中。思案してもしょうがないし、多分それなりに対処しないとデータは読めないままなのはわかっているんだけどさ、何かこう、こないだまで普通に繋がって聞けてたワケだから何とかなるんじゃないか、なんて甘い期待を抱いているんだよ。なんかのきっかけで繋がったらその間にバックアップ取っちゃえば良い、ってのあるし。しかしこのままだと困るなぁ…。

 Red Dragon Cartelの2枚目のアルバム「Patina」。二枚目がリリースされる事そのものが意外と言えは意外で、そこまでパーマネントなメンバーでやっているとは思ってなかったし、一発再起だぜ、ってくらいなモンで稼いでまたしばらく姿を消すのかも、なんて勝手に思ってたからさ。それがこのアルバムリリースで、へぇ〜ってなくらいに本格的な音になってきてちょいと楽しめている。ご存知ジェイク・E・リー主導のバンドで往年のギターハードロックスタイルでのバンド、案外古臭さを持ち合わせた土着的なスタイルでのバンドなので、Badlandsとオジーん時の中間というような感じではある。ただ、相当洗練されているからバンドの年齢も合わせて音と見合ったムードが出ているから地に足着いた感じか。派手派手なスタイルじゃないけど、要所要所で聴けるプレイは往年のスタイルから円熟した味のあるプレイで、さすがだなと唸らされる見事なギター。やっぱりセンスある人なんだなと。

 楽曲そのものの良さなんかはあまりこだわらなくても良いのかもね。スタイル的に十分に楽しめるバンドの音になっているし、キャッチーな事する必要もないし、バンドらしいバンドの音そのままだし、コレ、結構じっくりと向き合えるアルバムなんじゃないだろうか。フラッシーなプレイもリフとしてはいくつも入ってるし、キャリアと自信に裏付けられた本格的ロック作としての快作だと思う。ところどころのギターのエッジもジェイクらしいし、案外何度も聴いてしまいそうだ。





Metallica - St. Anger

Metallica - St. Anger (2003)
St. Anger

 新しいものを生み出す時に過去からの進化によって徐々に変わっていくからバンドがさほど嫌われることなく、自然にそっちに向いたか、みたいな感じで受け止められる事もあるし、逆に思い立ってアルバム単位でガラリと変化してしまうと問題作として語られたりする。そのヘンの境目が難しくて、やはり売り物だから売れなきゃしょうがない、それもリアルでその時期に、っていう条件が付くのだな。歴史的に売れ続けていくなんてのは後の祭りなので、発売してどんだけ売れるんだ、ってこと。だからリスナーから反論が出るアルバムってのは難しい。それでも売れたからこそ言われる話だからそれなりの分母は稼げているのだろう。

 Metallicaは問題作が多い。ガラリと作品の質を変えてくるからリスナーが受け入れられてないのだ。それも大局的に聴いてしまえばさほどの変化ではないのだが、ヘヴィメタルというジャンルの特性上細部で変化があるとバンドごと疑われるというニッチなジャンル分けが成立しているからこそのリスナーのわがまま、とも言えるか。それでもメタリカの場合は明らかにやる側もそれを意識しての変化だから面白い。2003年のアルバム「St. Anger」はリリース前こそそれまでの「Load」「Reload」での軟弱メタリカからの脱出って事で好意的に期待されていたものの、アルバムがリリースされて全編聴けると、これがまた物凄い論評を受けた。ラウドロックだ、ギターソロがない、ドラムの音が悪い…、どれも事実なんだけどさ、聴いてて分かるように、メタリカの、と言うかラーズの受けた影響ってNWOBHMそのままのパンチ力だったり攻撃性だったりするし、そこにはパンクとの融合ってのもあってヘヴィパンクとも言えるサウンド、主張ってのもあったし、この「St. Anger」はそのハードコアパンクとメタルの融合体を目指していたんじゃないかな。それも時代に即した形でのサウンドを織り交ぜてメタリカという最強のフィルターを通して売るというかさ。

 自分的にはその手の攻撃的なのは好きだから「St. Anger」は良いよね。初期のメタリカの作品群の面白さとは異なった攻撃性が詰め込まれてて、正に新しい、というか古き良きものにこだわらないで自分たちが出来ることをどんどんやっていくという姿勢も良いし、それでこその革新的なバンドの姿。昔の音だったら簡単に出来るだろうけど、そうはしないってのが前を見ていくバンドの姿勢だね。このスネアドラムの音もガレージ的で好きだし、何よりも着飾ったところが無いアルバムってのが良い。ラウドロック系ではそういうの多いけど、メタリカだからね、これ。やっぱりああいうパワーを欲しかったんだと思う。格好良いわ。





Natur - Head of Death

Natur - Head of Death (2012)
Head of Death

 Black Sabbathが現在のシーンに与えた影響ってのはホント、とんでもなくデカいんだろうと思う。もちろんLed Zeppelinなんかも凄い影響力があるんだろうけど、ああいうバンドってのはもう出来ないからかそうそうクローン的なのが出てくる事もないし、発展させてそれらしいってのもなかなか見当たらない。それくらい唯一無二の孤高のバンドなのだが、もうちょっと汎用的になっているのがサバスだったりユーライア・ヒープだったりするんだろうか。多分あの半音下りの悪魔進行的なコードチェンジとあそこまで遅いリズムをヘヴィに仕上げてしまう技ってのは表現しやすいのかもしれん。もともとが悪魔主義的なものってのが暗黒ロックに結びつくのは何ら不思議ではないからそういうバンドも多く出てくるのだろうけど。

 Naturというこれもまたアメリカのバンドの2012年ファーストアルバム「Head of Death」なんてのを。これがまた良く出来てるデビューアルバムでね、タイトル曲が8分半あるんだけど、序盤にバンド登場のインスト的なテーマが流れてって、そのあと強烈なNWOBHMなリフ、それもまた80年代風なダサかっこよい入り方でガツンと来る。アルバムジャケットでお墓を使っているからかどうしてもドゥーミーなスタイルに思われがちだけど、コミカルなジャケットだったら明るく元気一杯のハードロックバンド、として紹介されたことだろう。真逆のジャケットを使ったことでNWOBHMの流れを組んだドゥーミーなバンドとして暗黒的に言われているようにも思う。音だけ聴いてると普通にNWOBHMサウンドでしかないしね。

 その意味では何ら新しい試みが行われているようには聴こえないというのはニッチなリスナーしか獲得出来ないんだろうとは思うものの、その完成度の高さがオールドファンも虜にする魅力がある。こんな世界を今の時代に再現してくれるバンドがあるってこと自体、シーンとしては面白いし、やっぱりこのパワフルなスタイルってのはいつの時代も若者を魅了するもんなんだろう。軟弱なの聴くくらいならこういうのでガツンと味わってほしいもんだ。正直、カッコよいです。






Brimstone Coven - Brimstone Coven

Brimstone Coven - Brimstone Coven (2014)
Brimstone Coven

 アルバムを聴いていてどんなギター使ってるのか何となくは分かる気がする。ただ、近年はもうギターに囚われない音が作れてしまうものもあるから分かりにくくはなってる。一方でギターそのものの音をきちんと出す人たちもいるから捉え方なんだろうね。わざわざ思いレスポールを使わなくてもレスポールらしい音は出せるだろうし、もっとマルチに音を出したいならフットワークの軽いギターを使う方が応用が効くっていう事だ。スタジオでは使うけどライブでは使わないギターってのも出てくるだろうし、必ずしもライブで見たギターがアルバムで使われているとも限らない。色々な聴き方があって面白いもんだと。

 Brimstone Covenというアメリカのバンドの2014年リリース3枚目の作品「Brimstone Coven」。どこでこんなの拾ってくるのか知ってる人は知ってるワケで、そんなトコロからのスジで知ったんだけど、偏見なしでアルバムを流してみるとこれまたヘヴィーそうあ印象があるものの、ギターがとっても粒の粗いディストーションサウンドで、スカスカ感すらあるのでもしかしてSGか?って思って映像見たらやっぱりSGだった。SGでアンプ直で歪ませるとこういう音になるから、そうか、そのまま弾いてるんだな、なんて納得。バンドはもちろんBlack Sabbath系なストーナーというか暗黒系なサウンドなんだけど、メタルっていうにはちょいと程遠い。正にサバス系でもちろんZeppelin的なヒネた感覚は入っていたり、暗黒系バンドのスタイルは継承しているものの結構音自体は軽めですらある。歌い方やメロディなんてのはモロに暗黒系なんだが、やっぱりギターの粒の粗さとSGの軽さがバンドを重々しくしなくて済んでいるようだ。

 ただ、ライブなんかで見てたらその雰囲気でかなり重くておどろおどろしい感触になるだろうし、そういう曲が並んでいるから余計にそうなるだろう。そのヘン上手く作られてる感じ。曲そのものはもちろんキャッチーさがあるワケでもなく、延々と暗黒スタイルが続くんだが、割と楽曲のバリエーションは幅広くなっていて、だからこそ何枚もアルバムをリリースするバンドになっているのだろう。ニッチなリスナーはかなりハマっていくバンドなんだろうね。






From Autumn To Ashes - Holding A Wolf By The Ears

From Autumn To Ashes - Holding A Wolf By The Ears (2007)
ホールディング・ア・ウルフ・バイ・ジ・イヤーズ

 好きなバンドの音源をとにかくひたすら聴きまくってとことん楽しむ、いつしかマニアになっていくみたいなのとそこまででもないけど気に入ってるからアルバムはそれなりに大抵聴いている、もちろん何度も何度も聴いててそれなりには知ってるし、やっぱ好きだ、ってのもある。ところがいつからか幅広く聴き始めてってそういう観点とは異なる聴き方、これどんなんだろ?こういうのあるんだ、スゲェな、好きかも、って気づく、みたいなね。そこから何度も何度も聴くのもあるけど、そうなっていくのは多くはない。やっぱり思い入れの度合いなんだろうからあまりよろしい聴き方ではないのは確か。どうせならアルバム一枚をじっくり聴いて、他のアルバムも聴いてそのバンドを知るってのが良いよね。いつしか何度も聴いてるってのもアリだ。

 From Autumn To Ashesというロングアイランドのバンドの2007年リリース4枚目の作品「Holding A Wolf By The Ears」。メタルコアって言われているジャンルになるのか?Bring Me The Horizonみたいなバンドだなぁって感じなんだけど、その元々で言えばそっか、ガスタンクでもあるのかってことに気づく。楽曲はもっと洗練されてるから違うんだけど、歌の使い分けなんかはやっぱガスタンクが元祖なんだろうなぁと。それでさ、面白いのはそんなメタルコアで歪み系なボーカルがあったりするんだけど、自分的には好きなんだよね。何でだろ?メロディはしっかりしているってのはあるが、それでも吐き捨てるかのような歌い方だし、音は思い切りメタリックで疾走感溢れる…、その疾走感とメロディってのが好きなのかもしれない。ちょっと前だったらそういうのも全然聞けなかったんだけど今はある程度なら全然平気、どころか好きなんだから困る(笑)。新しい時代の音に付いていきましょう、ってな事だ。

 このアルバムからボーカルやドラムが変わったりといろいろとあったみたいだけど、その分気合の一枚になったようで、名盤として評価されているみたい。実際聴いてみてそのレベルにある作品だろうな、って思う。どこまで必要か、ってなるとアレだけど、聴いているとそのスタンスはカッコよいな、って。この手のバンドって生き残るの大変だからいつまでもってワケにはいかないだろうけど、こういうメタルコア的なのはもうちょっと自分でも掘り下げても良いのかもなぁと柄にも無いことを思ったりする。まだまだ深いです。




The Autumn Offering - Requiem

The Autumn Offering - Requiem (2007)
Requiem

 バンド名決めるのってやっぱり気合入るモンでしょ。プロが集まってやるようなプロジェクト的なのは冗談みたいなのとか付けられるけど、アマチュアのそれなりのバンドで活躍してってプロ目指すぜ、的な段階とか特にコミック的なバンドを狙うんじゃない限り、それなりにこだわりはあるバンド名にはしたいと思ってるだろうし。そこに季節感あるネーミングを入れるってのは季節が持つイメージを音で表すバンドという偏見がまず入る。「秋」と言うキーワードだとやっぱりそれは切なさとか哀愁とか微妙な雰囲気を体現するという意味合いが強くなるんじゃないだろうか。実際そういうバンド名やアーティスト名だとそういう要素多い気がするもん。

 The Autumn Offeringってフロリダのバンド、2007年リリースの4枚目のアルバム「Requiem」がもちろんジャケットが目に付いたのでちょいと…ってことです。聴いて最初に「やっぱりな」って思ったのはアルバムジャケットの女性が歌っているワケではない、ってこととスゲェメタルバンドだ、っていう事だ。こういうジャケットなんだからそれは予想して然るべきだったんだけどね、その前がEmilie Autumn聴いてたからそういう印象もあったワケですな。だからと言って何か残念だったかってワケではなく、ジャケットとバンド名で選んだ割にはメロディアスで美しさも持ち合わせたガナリ声のメタル…メタルコアってのか、そういうんでブルータルさもかなり強烈で、実は結構好みの音だったりする(笑)。いや、早い話がArch Enemy的な音でしてね、メロディもあるし暴虐さもあるし、ギターは際立ったプレイするしさ。ちょいと粘っこさが足りないのはフロリダだからしょうがないだろうけど、畳み掛けてくるようなスタイルも面白いし、結構なバンドだったんじゃないだろうか。

 2012年くらいに解散しちゃってるみたいで、それも最初期から最後まで結構音楽スタイルが微妙に変化していったらしく、更にコレっていう個性が生かされなかったのもあってこの競争の多いジャンルの中では難しかったようだ。こういうのばかり聴いてる人にしてみれば当然そうなんだろうけど、稀にたまたまこういうバンドを聴いた人間からすると結構味わえるバンド、アルバムで楽しんでいる。集めて聴くかって程じゃないんだけどね、やっぱり凄いパワーとエネルギーがあるし、それはもう実感してて気持ち良いもん。






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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
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