Asia - Phoenix

カテゴリー: Progressive Kingdom

 大物バンド再結成アルバムリリース劇に加えて早速の来日公演まで行ってくれてしまったエイジア。その日本公演は往年のファンを涙させたという単純な感動秘話から生きてるのか?みたいな確認のために行ったという輩もチラホラ、更にはあまりにもエイジアというよりも往年のプログレバンドの後光が輝いている曲が多くてお腹いっぱい状態という感想もいくつか…、そしてナマ声で聞こえてきたのはスティーヴ・ハウのギターがヘタレで見ていて辛い、というもの。う〜ん、あの華麗なるテクニックの影もなく本人と共にテクも枯れまくっていっているとのことで、見に行かなくてよかった…とシミジミ思ってしまう。

フェニックス ライヴ・イン・バッファロー 1982.05.03-complete version

 こないだリリースしたオリジナルメンバーのエイジアによる新作「フェニックス」。このバンドも昔は単なるポップチャートに食い込むバンドのひとつでしかなくってプログレの英雄達による金稼ぎバンドという側面は知る由もなく、意識もしなかったんだけど、えらく透明感溢れてキャッチーな曲をプレイするバンドという印象のまま、今回のアルバム「フェニックス」でも全く同じ印象を受けたのだから、オリジナルメンバーによる再結集は音楽性にも的確に表れていることなのだろう。まぁ、ジョン・ウェットンのソングライティングが一番貢献しているとは思うんだけど、それにしてもこういう音で料理されるのは見事。

 初っ端の「Never Again」から最後までず〜っとあのエイジアの音で、プログレ的な展開を垣間見せる曲ももちろんあり、それでもクリスタルなサウンドでポップにリスナーを誘うスタイルは見事。コーラスワークからそれぞれの音ひとつが美しく、正にそのスジの人間達でなければ出てこないであろう「Sleeping Giant / No Way Back / reprise」なんてのは英国プログレ好きな人間には楽しい曲だしね。

 最初期のアルバム「Asia」「アルファ」あたりってのと比較してみても全く遜色ないし、もちろん音が新しくなっているのでエイジアというバンドの持つ音楽性には正に今の時代にピタッとハマったと云えるアルバム。これから何枚もアルバムがリリースされることは望めない様子なので、一枚一枚の作品を充実したものにして楽しませてもらいたいよね。うん。

Moody Blues - On the Threshold of a Dream

カテゴリー: Progressive Kingdom

 プログレッシヴロックバンドとして名の知れるムーディ・ブルース、それもジミー・ペイジをして真のプログレッシヴバンドと言わしめたためというのも大きいんだと思うけど、英国人の感覚でのプログレッシヴロックってどんなんかよくわかんないからあまりアテにしないとして(笑)、やはり荘厳さと混沌さが同居するバンドとして自分的にはイメージの強いバンドです。1965年デビューだけどその頃はビートバンドのひとつで、とてもその後のバンドをイメージするモノではなく別物として認識すべきだけど、1967年にリリースしたアルバム「Days of Future Passed」からの「サテンの夜」が当時、ではなく後にヒットしたことで一気にメジャー化したみたいだね。このバンド、基本的にず〜っとコンセプトアルバム続きで、それたをまとめて聴くとそれもまたひとつのストーリーみたいに聞こえるからなんと壮大なスケールでの活動だったんだろう、と驚くが今回は彼等の三作目「夢幻」です。

On the Threshold of a Dream Every Good Boy Deserves Favour

 1969年リリースの「夢幻」。やっぱムーディー・ブルースのアルバムは日本語タイトルに限る♪ かっこよいんだもん、どれもこれもさ。「童夢」とか「夢幻」とか「失われたコードを求めて」はそのままか(笑)。コンセプトは「夢」なので、何となく幻想的な雰囲気に浸れるんだけど、よくよく聴いているとどこがプログレッシヴロックなんだ?と思うくらいに牧歌的でポップなメロディの曲が並び、確かに英国的な湿っぽさはあるんだけど別に一曲単位で売れても良いんじゃないかと思うくらいの軽やかな曲調が多い。意外なんだけど全然プログレっぽくないから(笑)。

 ただねぇ、音の作り込みというか楽器の使い方とか効果的な音の入れ方とか…例えばフルートにしてもここぞって時に入ってくるのはともかく、さりげなく後ろで鳴っていたりすると何となく変わった雰囲気になるし、笛なんかもそうだけど牧歌的になるでしょ。それもアコギの鳴ってるところとかさ。そこにコーラスワークだったりエコーがききまくっていたりするのでなんか、どわぁ〜んってするんだよね。ベースとかメロトロンってのはやはり効果的に鳴っているのでこの辺がプログレ的になる所以なんだろうけど、基本的にジェスロ・タルなんかとも同じようなごちゃごちゃになったロックで、メロトロンのフューチャー度が大きいがためにそのジャンルに入ってしまっているだけで、「夢幻」にしても非常〜に聴きやすい曲ばかりなのだ。ただ音数が多くて密集しているのでちと疲れるってのはあるかもしれないね。

 このバンド、面白いのは全員が作曲したりしているのでアルバムにしても個々で作った曲が単に並んでいるんだけど、それでもコンセプトアルバム的に一連の曲にひとつのストーリーが走っているようになっているのが凄い。誰かが作ったからと言っても決してその人の個性が出るのではなくって一旦バンド内で消化してから再構築して出しているというような感じで一貫性がある。まぁ、作った本人達は想いが異なるのだろうけど、それはそれでソロアルバムでやればよいってところなのかな。しかし実にホノボノとした春らしい音でした♪

Procol Harum - Exotic Birds and Fruit

カテゴリー: Progressive Kingdom

 英国のプログレから始まり、70年代英国B級ロックまでをひたすら深い森の中で彷徨うことになるんだけど、それにも一応順序ってものがあってさ、まぁ、何だ、人によって違うのだろうけど最初からメロウキャンドルやルームなんてのに行く人もあまりいないだろう(笑)。大体は何かしらのプログレメジャーバンド、クリムゾンなりジェネシスなりフロイドなり、っていう辺りから入っていって、すぐにソフトマシーンとかキャラバンとかヴァン・ダー・グラフとかその辺が出てきてついでにジェスロ・タルとかプロコル・ハルムとかムーディー・ブルースとか出てくるか、その逆かってとこじゃないだろうか?ムーディー・ブルースとプロコル・ハルムってのは60年代にヒット曲を飛ばしているので、何となく入りやすい部分はあるのでメジャー所と同じ位置付けではあるだろうけど、それはあくまでも60年代サウンドだもんなぁ。

 …ってなことで勝手な解釈ではあるんだけど、プロコル・ハルム。つったら「青い影」が出てくるんだけど、どっちかっつうとあれが彼等としても異色な作品としてもいいんじゃないだろうか?まぁ、クラシカルで荘厳な音という点では代表曲なんだろうけどさ。自分的にこのバンドを聴き直したのは以降の「Grand Hotel」だったり今回紹介する「異国の鳥と果物」だったりする。どっちも名作扱いされていて、プロコル・ハルムの一番良い時期を映し出していると思うんだよね。

異国の鳥と果物 グランド・ホテル

 「異国の鳥と果物」。1974年リリースのファンタジックさが溢れ出る愛らしいジャケットに包まれた、そして中身もジャケットに負けず劣らずのカラフルさを持っているナイスなアルバム。重厚なサウンドに変わりはないけどそれまでのクラシカルな路線ではなくって音が密集しているという感じで、ステレオ感に乏しいんだけどその分重厚な音作り…、これってクリス・トーマスの作品?そうだ、そうだ。この人のって特徴的だもんね。いや、あんまりプロデューサーって意識しないようにしてるんだけど、やっぱ特徴的だと、ね。

 しかし良く出来てるアルバムで、ほのぼのとした曲なんだけどBJウィルソンのドラムはドカスカと重い音で鳴っているので軽くならない(笑)。そこにゲイリー・ブルッカーの鍵盤なのでやっぱり軽くはならないんだけどさ、その風格が英国的で良いなぁ〜と。なんだろうね、この不思議な感覚は。彼の歌も妙に明るく脳天気な側面もあったりしてユニークだし、ギターは既にロビン・トロワーから変わっているのでミック・グラハムなんだけど、それでももちろんかなり曲にマッチした、逆に言えば実にハードにギターを弾いているのでロック的によい。しかしどの曲もメランコリックなメロディラインとコミカルな側面が面白いなぁ。特にA面はもの凄くとっつきやすいし楽曲的にもレベルが高くて面白いのでなかなか手の出ない人にもお勧めしたいね。意外な音世界に出会えると思います♪

残念ながらYouTubeにその頃の音も映像もないのですが…。

Van Der Graaf - Vital

カテゴリー: Progressive Kingdom

 これぞ進化し続けるプログレバンド、と声を大にして云えるバンドは実はそう多くない。キング・クリムゾンはそういう意味で明らかに進化する、というよりも進化し過ぎているというプログレッシブ・バンドだとは思うけど、フロイドにしてもEL&Pにしてもイエスにしてもジェネシスにしてもまぁ、それぞれ変化してるけど、革新的な変化じゃないと思うし。ポップ化ってのはちと違うしさ(笑)。そんなことは実際的にはどうでもよくて要はその時々の音が楽しめれば良いのでそもそも瞬間的なシーンを切り取ったアルバム、として聴けば良いんだけどね。しかし、良い意味で今聴いても圧倒的に裏切られて革新的だと思うアルバムがある。バンド自体はそんなに革新的というものでもないのだけど、このアルバムはそういったイメージを破壊するパワーを持っている。クリムゾンで言うならば「Earthbound」ってトコロか。

バイタル(ライヴ)(紙ジャケット仕様) スティル・ライフ(紙ジャケット仕様)


 「バイタル」。1978年リリースの強烈なライブアルバム。同年1月16日ロンドンのマーキークラブでの収録と言うから、如何に狭いハコでこの偉大なるバンドがライブをやって録音したか、そしてとんでもなくヘヴィーで迫力のあるライブをしたか、そして時代はパンク真っ盛りの中、場所もマーキーとあればパンクとのせめぎ合いも当然あっただろうが、全くヒケを取らない、いや、それ以上に破壊的なパフォーマンスを魅せたヴァン・ダー・グラフのライブ。静かなる詩人ピーター・ハミルの属するバンド、だ。

 マジメにこれ、聴くと最初からぶっ飛ぶ。ヴァン・ダー・グラフを知っているかどうかではなく、普通に聴いてぶっ飛ぶと思う。初っ端から何と破壊的な曲なのかと驚くし、その破壊性はもちろんピーター・ハミルのボーカルに負うところが大きいんだけど、ギターのヘヴィーさも、そしてなんと言ってもベースの破壊力、バキバキ、ブイブイの音で全てをぶち壊すように攻め立ててくる素晴らしく破壊的な構築美。そして1975年の名曲として知られている「スティル・ライフ」の全く異なるアレンジによるプレイ。ここではオルガンなどには全く頼らず、ひたすら破壊的に、そして叙情的に、そして繊細に楽曲を再構築してリスナーを撃沈させる、そんなプレイを楽しめる、というか、衝撃を与える、か。ほんとに同じ曲かよと思うくらいのプレイはもうぐうの音も出ない程。以降もヴァイオリンの繊細さを聴かせながら素晴らしい緊張感を打ち出していながら、相変わらず攻撃的なベースによるリードからピーター・ハミルのパンクそこのけの歌声が世界を覆う、これがあの美しいプログレッシヴロックの組曲を編み出してきたバンドのライブの音なのか?ザ・フーのピート・タウンジェンドのスタジオとライブの変貌など可愛いもので、このバンドの化け方は音を聴いてみないとわからないだろう。

 ちなみに「バイタル」に収録されている楽曲の大部分は当時未発表曲で、何曲かはピーター・ハミルのソロ作で後にリリースされているが、この時点では当然ヴァン・ダー・グラフの作品として検討されていたものだと言われる。このままパンク時代にリリースしていたら若いファンが付いたのかもしれないが…。そもそもアルバムリリースの資金集めのライブだったとも言われていて、それなのに昔の楽曲のライブ盤という選択ではなくこれほど斬新なライブを届けてくれるのは逆説的にパンク時代に合わせたものかもしれない。

 「バイタル」を聴かないでヴァン・ダー・グラフは語れないだろう、と思う。これぞバンドの真髄で、繊細さ叙情性から破壊性と攻撃性、それらは全てキング・クリムゾンに劣るモノではない。うわぁ〜〜これ凄いわぁ〜!

Jethro Tull - Aqualung

カテゴリー: Progressive Kingdom

 どこかのお姉さんには三大ジェがダメという人もいて、更にヴァン・ダー・ジェ、も加わるとか…、いやいや、決して分からない話ではなくって割と近い感覚としてダメに近かったかなぁと気になることもあるんだけど、どれも巧くて独自性が強いし、個性的だし、自分の感性がまだまだ未熟だった頃に聴いたので苦手意識ができたのかもしれない。いや、今回のはそんなことは最初だけで今や割と愛聴盤に近くなっている作品のジェスロ・タル「Aqualung」。

Aqualung Stand Up

 1971年リリースのジェスロ・タル4枚目の作品で、全部聴いてないから断言できないんだけど世の中的に名盤との誉れ高いアルバム。ジェスロ・タルの場合はそうだなぁ、ファーストから「Songs from the Wood」あたりまでしか聴いてないからアレだけど、これこそゴッタ煮ロックの象徴かもしれない。フルートをロックの世界に持ち込み、あれほどまでに下品な楽器にしてしまったのもこの人、イアン・アンダーソンありきの話だろうしね。老人の乞食の格好で出てくるワケだし、そりゃ英国的なジョークっていうのもあるのだろうが、やっぱりヒネたセンスが凄くて、それはこのアルバムの曲のそこかしこに反映されている。

 冒頭のタイトル曲からしても妙〜なリフと曲展開で一般的なビートの効いたロックとは全然異なるものだってことに気付くだろうし、それじゃプログレか?って言われるとそうでもないよな、これ、と思う。あるがまま、好きに曲作ってヒネて演奏してみたらこうなった、っつうところで、歌詞とかも多分深い意味があったりするのかな、とにかく最初は「?」だけど慣れると音楽的に凄く面白い。あり得ない展開とか平気でしていくので恐ろしい(笑)。2曲目ではフルートソロがやっぱりフルートの音していて、こんなに攻撃的か?ってくらいにノリの良いフルート、そうそうないぞ(笑)。

 アルバム的にはそんなロックと叙情的なアコースティックで牧歌的な曲があれこれと入れられているので、英国〜って感じで良い。そういう小曲がいいんだよなぁ。イアン・アンダーソンの歌の巧さもよくわかるし。で、4曲目、「Mother Goose」のタイトル通りにアコースティックの牧歌的なトコロにフルートが入ってきてしかもパーカッションはなんだろ?タブラ?う〜ん、英国的情景が目に浮かぶような素晴らしい雰囲気と展開。次もアコギで叙情的な風景を映し出してくれる曲で聴いて驚くなかれ、ジェスロ・タルというバンドはこういうのが真髄なのだ(笑)。

 フルートを堪能したかったら実にユニークな「My God」をオススメするね♪ やっぱりヘンなバンドだなぁ、ジェスロ・タルって(笑)。う〜ん、プログレッシヴロックバンドって誰が言ったのか、この人達もツェッペリンも大いなるイメージの誤解をされているバンドかもね。しっかりと英国フォークの土壌や情景があってこそできるロックを奏でているワケで、単なるロックバンドじゃない。故に70年代はZeppにヒケを取らないくらいの人気を誇ったり、国民的バンドの側面を持ったりしていたワケで、そりゃそうだと納得する素晴らしき作品。アルバム後半は割とハードなロックを展開するので、盛り上がって、そしてエンディングという起承転結なアルバム作りもしっかりしてる。

 今は25周年記念盤ってことでボートラ付きのが出ているので入手には良いチャンスだし、イアン・アンダーソンの片足フルート吹きもYouTubeで見れるし、幸せな時代です。ジェスロ・タルの映像なんて全然見れなかったしなぁ。

Genesis - Foxtrot

カテゴリー: Progressive Kingdom

 その本家本元ジェネシスはご存じのように1980年代には完全に別バンドになっていて、フィル・コリンズを配するポップバンドへと成り代わり、今またその形態とサウンドで再結成やら何やらと活動しているようで、一般的にはその方がウケが良かったので求められるのはその時代になっているんだろう。ま、イエスのように金のためと割り切ったつもりがそっちの方が面白かったってことだろうか。よくわからんが…。そんなジェネシスが1972年に放った一般的には名盤と呼ばれる作品「Foxtrot」を引っ張って聴いてみた。いや、マリリオンってなんでダメなんだろう?ってのをもう一度ジェネシスで確認したかったから(笑)。

Foxtrot Nursery Cryme

 「Foxtrot」。もちろん、何度も聴いているしやっぱり何回聴いても凄いアルバム。繊細さもあるし音の作り込みも美しさも正にジェネシスの世界。ピーガブだけじゃなくてスティーヴ・ハケットのギターの音色やここではトニー・バンクスの鍵盤にしてもそれをよく彩っている。逆にフィル・コリンズのドラムがどうってのはあまり感じないけど、多分裏方では相当役立っているんだろう。

 冒頭の「Watchers of the Sky」のイントロからしてユニーク。このリズム面白いなぁ〜と思うし、そこに乗っかる歌メロと何とも言えない躍動感、ただし一辺倒では行かないプログレらしさ、っつうか英国らしさ、かな。次の「Time Table」だってやっぱり繊細な音色が全編を支配していてソフトに軽やかに優しくリスナーを和ませてくれる。こういうのってやっぱりジェネシスらしいよなぁ。メロトロンの支配力が強い「Get'em...」ではその手のファンを釘付けにする魅力を放ちまくってる。あぁ、ピーガブの歌詞の世界はよくわからないので割愛してるけど、それでもサウンドだけで十分に楽しませてくれるアルバムなので問題ないんだろうな。日本にもファンは多いし。そんなピーガブの多様な歌声が披露されていたのがこの「Get'em...」みたいで、へぇ〜ってな感じに聞こえるので演劇性を楽しむには良い作品。当時のライブでは正に狐のメイクとドレスでキメていたらしい。やっぱり変人(笑)。

 ハケットの美しきアコギによる「Horizens」は些か硬質ながらもメロトロン一辺倒な作風のアルバムにアクセントを与えてくれる。いやぁ、これがまたメランコリックでギター一本だけで心地良い世界を奏でてくれているんだよね。それに続いて対極「Supper's Ready」へと。正にプログレらしい曲で23分もの長さ♪ もちろん叙情的に始まり鍵盤の繊細な繋ぎで曲調を変えていき、お得意の世界をガシガシと広げていく、これぞジェネシス、なワケだ。彼等の変拍子ってどういうわけかあまり変拍子に聞こえないので覚えやすい。それがジェネシスを聴きやすくしていると思うんだけど、メロディがあっての変拍子だからだろうね。それでいて軽いっつうのも強みか。そしてこの曲も同じリフレインをひたすら繰り返して盛り上がって最後はピーガブの陶酔の世界を気持ち良く歌い上げて終演を迎えるというモノだ。

 久しぶりに聴いたなぁ…。ホント良くできたアルバムで構築美と言い、陶酔度と言い、名盤とされるワケだ。またファンも多いし、聴いて当たり前だもん。他のジェネシスの作品と比べてもやっぱり良い出来だと思う。うん。で、好みは別ね(笑)。個人的にはやっぱりダメなんだ、これ(笑)。

Steve Howe - Not Necessarily Acoustic

カテゴリー: Progressive Kingdom

 ギタリストってのは元来目立ちたがり屋なもので、それは多分どんなバンドのギター弾きにでも云えることだと思う。その表現は色々あるので一概に云えないんだけど、多分そうだと思う。殊にロック系は絶対そうだと思うね。本当にギターの巧い人っていうのももちろんたくさんいて、個性豊かで音色も豊かなので面白いんだけどさ、プログレ界を代表して皆に巧いと言われたのはこの人、スティーヴ・ハウくらいなんじゃないだろうか?もちろん他にもいるんだけど、キース・エマーソンですら彼とはバンドを組みたかったと言わせるくらいなのだから。

Not Necessarily Acoustic Turbulence
 そんなスティーヴ・ハウが無謀にもたった一人でツアーに出たときのライブ音源を収録したライブ盤、だけど全然完璧なソロ作品として成り立っている、そして自分が普段余り聞かないイエスとは全く切り離された世界で一ギタリストとして非常に好きな作品がこの「Not Necessarily Acoustic」だ。ジャケットはもちろんロジャー・ディーンで幻想的な世界が描かれていて1994年のリリースなのでCD時代になっているんだけど、惜しげもなく見事なアートワークを見せてくれているのは嬉しいね。

 そして中身は1993年12月のライブを収録したものでホントに一人だけでやっているので基本アコースティック。曲によってはバックに自分で録音したオケを流して、これもギター一本なんだけど、それをバックに多重演奏を聴かせてくれます。アコギメインで、エレキも使ってるけどフルアコなので歪んでいるワケじゃないから当然静かなる演奏。そして驚くことにイエスの「海洋地形学の物語」なんてのを9分間も独演しているのだ。故にボーカルもやってます。可もなく不可もなく、楽曲のラインは当然なぞっているのでハウ中心の曲だったんだなぁとつくづく思い知らされて、観客の盛り上がり方と言ったら凄いモノがある。それはもちろん「Roundabout」なんかもそうなんだけどさ。

 でもこのアルバムの真髄はやはりハウのフラメンコ、スパニッシュ、クラシック、フォーク、ジャズなど多様な弾き方で楽しませてくれる飽きの来ないギター演奏であって、もちろんイエス好きの人は聴くのかもしれないけど、個人的にはイエスよりこのアルバムの方が全然良い(笑)。凄いんだもん、やっぱり。ギター一本に近くてしかもアコースティック中心で一時間飽きないって凄いよ。そして聴いていれば聴いているほど音色とか指使いとかフレーズとかが気になる。

 モントルーのライブビデオってのがあって、それを見たことがあるんだけどさ、もうとんでもないワケよ。うわぁ〜、こんな風に弾いてるんだ…、でも指は5本だよな?みたいな(笑)。いや、楽しめる作品で、ギタリスト向けのマニアックな作品で、何でイエスなんてやってるんだろうと不思議に思う作品でした。ん?廃盤?勿体ないねぇ…。

EL& P - Pictures At An Exhibition

カテゴリー: Progressive Kingdom

 EL&P、エマーソン、レイク&パーマーもアトランティック関連のバンドだったんだなぁとしみじみと思ってしまったが、やっぱりワーナーの配下になってアトコを運営したり色々と手広くしていったためか所属アーティストも膨大になっていて調べてたら凄いことになってしまったので、まぁ、適当に薦めるかと諦めたところです(笑)。

展覧会の絵(K2HD紙ジャケット仕様) ムソルグスキー:展覧会の絵(ピアノ&オーケストラ版)

 そこでEL&Pなのだが、代表作と言われることの多い1971年リリースの「展覧会の絵」です。いや、あまりに有名なアルバムで自分的には書くことなど特にないのだけど、いいかな、そろそろ?って感じです(笑)。アルバムリリースの経緯ってのもなかなか面白くて、セカンドアルバム「タルカス」を録音後の3月からのツアーでプレイするための曲としてこのムソルグスキーの「展覧会の絵」のロックバージョンを実行に移していた。「タルカス」リリースは5月だったため、ライブに行ったファンは皆この「展覧会の絵」が入っているものだと想像したが全く入っていないアルバムとなっていて、幻のライブ曲だ、みたいになったのか話題沸騰となったようだ。まぁ、ここまで言うと大げさだろうけど、案の定これらの楽曲を押さえた海賊盤が世に出回った関係上、そもそもライブ録音していた3月26日のニューキャッスル公演から抜粋されてアルバムリリースとなったのが「展覧会の絵」なのだ。故に普通のライブ盤とは大きく異なり、既発曲は当然入っていないし、普通に聴いたらライブ盤とも意識しないかもしれない。それくらい完成度の高いライブで印象深い「展覧会の絵」のプレイってとこか。

 …で、まぁ、そんなことで昔から何回も挑戦して聴いたんだけどさ。そりゃ一家に一枚って言われるくらい有名なワケだし、しかもムソルグスキーの展覧会の絵でしょ?なので頑張ったさ。さっきも超久々に聴いたのさ。

 …が、やっぱりダメ(笑)。面白くないんだよねぇ、これ。っつうか自分的にはこういうのわかんないらしい。多少口ずさめるのもあるし、ああ、これこれ、ってのもあるんだけど何かねぇ、聴いてると眠ってしまうんだよ(笑)。このブログを見ている人ってこれ嫌いな人少ないと思うんだけどさ、ま、しょうがないじゃん。トライしてもダメなんだから。EL&Pそのものがキライかと言われるとそうでもないんだけど、このアルバムはホントに評判とは全く相容れない。オルガン一辺倒だからかなぁ。

 なことで、アトランティック関連のバンドってことで持ってきたけど、こんな書き方になってしまった(笑)。ま、あまり気にせずに次に進もうっ♪


Chris Squire - Fish Out of Water

カテゴリー: Progressive Kingdom

 アトランティックが産んだ世界的なロックバンドってのはいくつもあるが、その中には多分イエスってのも入ってくるだろう。個人的にはあまり好きではないバンドではあるけど、楽曲のレベルの高さとか個人の技術なんてのはかなり凄くてやっぱり聴かざるを得ないバンドでもあるね。いや、もちろんプログレ好きだから大体のアルバムは聴いたし、今でも持ってるんだけど好き嫌いでいくとあまり得意ではない…。多分ジョン・アンダーソンの声質が苦手ってのが大きい。なので、かなりウケの良い、それ自体で名作と言われているクリス・スクワイアのソロアルバムなんてのはどうだろう?ってことで入手した経緯がある「Fish out of Water」というアルバム。

Chris Squires Swiss Choir

 1975年リリース、メンツは見事にプログレッシブスペシャルプレイヤーの集合体で、ドラムにはブラッフォード、これで既に鉄壁のリズム隊完成。鍵盤にパトリック・モラーツがいるのでここまでは「Relayer」時のイエスだな。で、どこにでも顔を出すロック界では数少ない、そして素晴らしいサックスプレイヤーにメル・コリンズ、フルート系にはジミー・ヘイスティングという豪勢なメンバーでレコーディングされたアルバム。ギターはクリス・スクワイアが適度に弾いているってトコだけど、正直言ってほとんど不要とも言えるな。歌もクリス・スクワイアが自分で歌っているんだけどさ、これがまた不思議なことに、どう聴いてもジョン・アンダーソンに酷似した歌い方、声質で、好きでああいうイコライジングして似せているんだろうかと思うくらい。

 そして楽曲群は素晴らしく英国的サウンドで、プログレッシブというか田園牧歌的なのどかさをしっかりと出しているけどベースが前に出まくっていて、それだけはソロアルバムだなぁ〜って感じ(笑)。全体感で言えば、もうハウのいないイエスと言っても成り立つぜ、これ。なんなんだろうな、この聴きやすさっつうかポップ感覚ってのは。どう聴いてもイエス的プログレなんだけど辛さとか暗さとか重さとかがないから取っ付きやすいんだろうか?イエスもそうだけど軽いんだよね。でもクリス・スクワイアのベースなんてベキベキ鳴ってるからそれで軽いってのもヘンだが…。

 いやぁ、ソロアルバムでも5曲しか入っていなくて、10分超えの強烈なインタープレイを展開しているのが2曲もあって素晴らしいんだけど別にソロアルバムでこれやんなくてもいいんじゃねえか?とも思ってしまうが、こうして聴くとやっぱりこの人がイエスの心臓なんだなと思うワケだ。しかしこれだけ構築されてる世界にすんなりとギターを入れられるスティーブ・ハウって人の才能は素晴らしいな、と全く別の側面が見えたけど(笑)。

Procol Harum - Grand Hotel

カテゴリー: Progressive Kingdom

 クラシックとロックの融合…、古くから使われてきた言葉だし手法でもある。そしていくつものアルバムでそれが上手く融合した例もあるし、全く面白味のないものもある。しかし今でもロックの世界ではオーケストラが使われることは多いし、やはりクラシックとの融合という手法は当たり前に行われるようになってきたと考える方が自然かな。だからあまりそれを仰々しく書くようなこともないのかもしれん。こないだまでハマりまくっていたフィメールゴシックメタルだってやっぱり美しい音世界の構築=クラシックからの手法論がモチーフになっているワケだし。

Grand Hotel 異国の鳥と果物

 時代は1973年、というか1967年からなのだが正にロックとクラシックを融合した、と言うかその頃は未だロックですらきちんと確立されていなかったから、クラシック要素を最小単位のバンドが演奏するとこうなります、というお手本を提示し、更にそれがスタンダードになってしまったというプロコル・ハルムの「青い影」はあまりにも有名でしょ。荘厳さ漂うオルガンの音の中で美しメロディを聴かせてくれるアレです。

 でも一般的にはこの「青い影」の他にプロコル・ハルムってバンドの曲やアルバムなんて知ってる人少ないんだろうなぁ、と。ロックファンでもそう多くないんじゃないだろうか?このバンドも結構話題に上らないバンドのひとつで、実は色々な人が出入りしているしアルバムは多彩だし、実験精神も旺盛でサウンドは実に英国的だしという面白いバンドなのだ。かく言う自分もこれだけブログで英国ロック〜って書きながらついぞ思い出すことなく書くのは今回初めてだったりする…、はい、それくらい地味、というか目立たないバンドなんです。そういえば昔ほとんどのアルバム買い揃えて聴いていたなぁ〜と思い出した次第なんだが(笑)。

 で、その中で一番荘厳で雄大で感動的ですらあったアルバムはと言うと「Grand Hotel」っつう作品だったのだ。アナログで聴いていた時からそういう印象だったのできっと今のリマスターCDで聴いたら凄く広がりのある音になっているのかなと好奇心が疼くモノの、まだまだCDを買い直すっつうとこには行かないのもこのバンドだからだろうか?いや、そういうワケではないが(笑)。何というのかな、バンドがあってオーケストラがある、っていうんじゃなくてオーケストラがバンドと同じレベルで存在していて、一緒に楽曲を演奏しているという一体感が融合の成功の事例だと思うんだけど、正にそんな感じで多分メロトロンとかで誤魔化して作っていなくて全部ホンモノのオーケストラ使ってるからその荘厳さは圧倒的だし、気品あるっていう言葉になるのか、様式美の美しさを物語っている作品。だから当然ながらロックだぜ〜って言ってる音楽からは全然かけ離れたロック…、というか英国音楽、だな。ムーディー・ブルースやBJHもそうだけどプログレっつうよりはシンフォニックロック、それよりも英国音楽という特殊ジャンルを形成しているバンド群だと思うモン。

 この後の「異国の鳥と果物」とこの「Grand Hotel」は彼等の音楽的最高傑作を極めた作品で、前者はジャケットも素晴らしくて是非アナログで欲しくなるもの。「Grand Hotel」もジャケットからして貴族的な印象だし、素晴らしいよね。