Curved Air - Lovechild

Curved Air - Lovechild
ラヴチャイルド

 昔は万人が知ってるバンドとかアーティストってのがいて、今でもそんなのから話題は繋がっていくのだが、これだけ様々な音楽が氾濫してくるともう万人が知ってるなんてのはほとんど無くなってて、アイドルですら皆が知らなくても良い地下アイドルの世界になるワケだからバンドやアーティストの世界なんてもうあり得ない。だからそういう会話もなかなか繋がりにくいのだが、一方でSNSを筆頭にそういうつながりを求める人達のツールや溜まり場ってのも見つけやすくなっていて、コミュニケーションはそこで発達させられるという時代。故にリアルで顔見ながらとか偶然に同じような趣味からっていう非効率な出会いはどんどんと削られていき、高確率で会話が成立する世界が尊重される時代。眼の前に友達だと思ってるヤツが居て、一緒にメシ食っててもスマホでSNSやってたら多分自分よりもそっちの画面の先にある方が信頼度友人度が高いから信じちゃいけない(笑)。

 Curved Airのソーニャ・クリスティーナもロック史に於いては実に際立った女性ボーカルの一人で、それはもうルックスも含めての妖しさが一番なのだが、シーンから遠ざかって21世紀になってまた登場した時のギャップの大きさから自分はもう姿を見ないようにしているのだが、歌声の方もさすがにあの妖しさをキープできておらず、なかなか残念感が倍になっている…。それはともかく90年代に突如としてリリースされた「Lovechild」というCD、当時から持っていて聴いてたのだが、果たしてこれが何なのかってのはその頃は情報無くて全然分からなかったんだよ。今の時代は便利だ。このCDに収められている音源は1973年5月頃にほぼバンドが解体している時に誰かが…、ソーニャなのかエディ・ジョブソンなのか、が中心となって録音したCurved Airの次なるアルバムに向けてのデモテープ、だそうだ。一部「Air Cut」のアウトテイクなんかも入っているみたいなので、良く分からない事に変わりはないけど、それでもすっきりした。バンドの躍動感とか一体感とかグルーブ感ってのが皆無で、ホントにこういう曲だからね、っていうくらいにしか聴こえないから全然面白みが無いんだよ。デモだって分かれば納得だもん。

 それにしてもこんだけのデモを録音しているんだから真面目に取り組むつもりだったんだろうけど、結局は未発表のまま、ドラマーもスチュワート・コープランドじゃないのはソーニャと既に別れてたって事か?などと邪推までしてしまう始末だが、それはともかく、収められている楽曲はデモだからという事を差っ引いても全く面白くないと思うのは自分だけか?CD買った当時もつまらん…って全然聴かなかったけど、そりゃそうか。こういう歴史的記録物ってのはきちんと来歴や貴重度を表してくれてないとダメですな。





Renaissance - A Symphonic. Journey

Renaissance - A Symphonic. Journey
A Symphonic.. -CD+DVD-

 レトロでノスタルジックなライブって…なんて言ってた矢先にアマゾン漁ってて見つけちゃったんで、やっぱりそれはそれで気になって聴いちゃうんだが(笑)、やっぱりそれでも新しい時代のものを見たり聴いたり出来るのはありがたいなぁ…と。幻滅しても新しいアイテムがあるということに満足するのだろうか、どうにもこの辺の心境というのは理詰めでは成り立たない所なのだ。他にも色々と出てるし、ホントにさ、このブログ設立する頃は過去作品全部書き切ってライブラリ出来たらいいな、ってくらいだったのにその間に新作とか発掘モノとか新たなる世界とかどんどん出てきちゃうんだから最初の思惑なんて何処へやら、現在進行系について行くので精一杯になっている現状、面白いよね、全く。

 Renaissanceの2017年のオーケストラを従えて行われたライブを丸ごと記録した一枚が「A Symphonic. Journey-」としてリリースされている。へぇ〜って思って曲目見ればそりゃ昔から知ってる曲ばかりなワケで、その中でもいくつかはあまり見ない曲…、「Island」ってジェーン時代の「Renaissance」に入ってる曲じゃないか?ってのもあって聴いてみちゃうんですな。冒頭の「プロローグ」からしてもうあのままだけど、機材が進歩してもっと迫力あって凄い音になってるかと思ったら案外そんなこともなく、割とライブそのままの音でちょいと軽い感じに仕上がっている、ってかミックスに手間かけてないんだろう。それでも楽曲の勝利だろうな、全部良く知ってるワケだからメロディにしてもバックにしても旋律が頭の中で鳴ってるから、そこをどうなぞってくれるかみたいな感じだしさ。その分劣化のイメージは避けられない…、そこまでアニー・ハスラムの歌声は劣化してないのが恐ろしいのだが、それでももちろん艶やパワーは無くなってるから、そのヘン補正して…、やっぱ凄い歌手だ。70歳過ぎてこの歌声と音程をキープしているのか。このヘンはもう人間国宝級だね。

 久しぶりにルネッサンスの楽曲聴いたんで、十分なライブアルバムとして自分的にはOKだったけど、やっぱり最後まで音の細さによる迫力の無さが気になったかな。歌声のパワーを考えるとそういう風に音を出すしかないのかもしれんなぁ。でも、まぁ、アニー・ハスラムの今の歌声と改めてルネッサンスの楽曲のセンスの良さを味わえたんだから良しとしよう。





Gentle Giant - The Power And The Glory

Gentle Giant - The Power And The Glory (1974)
ザ・パワー・アンド・ザ・グローリー(CD+Blu-Ray)

 CD音質はご存知のように44.1khz/16bitだがストリーミング音源は基本圧縮音源での192kbps程度が標準、単位が違うからわかりにくいけど、CD音源の高域と低域はカットしながら更に音を間引いているからデータ量が1/10程度になるってモノで、昔あったMDってのは1/5程度になってるからまだそこまで音が良くないってモンじゃなかった。それが今じゃ圧縮音源が主流…、こうなる前はFlacが普及するんだろうな、って思ってたからちょっと意外なトコロに落ち着いたのも不思議。案外音にこだわり無かった人が多かったって事だ。そうじゃない人はカネ出せ、って話で過剰サービスが妥当な所に落ち着いたんだろう。

 Gentle Giantの1974年作「The Power And The Glory」。聴いてて思うんだが、現代の歪んだギターが入っていないだけで、その他は今でも圧倒的に難解な展開やアレンジ、リズムを誇るバンド、アルバムなので、こんだけ時代が経過して進化していったと言えども、ジェントル・ジャイアントを真似るぜ、ってバンドはおいそれとはいない。ここに歪んだギター入れたら最先端プログレメタルにでもなろうかと思うが、そこはジェントル・ジャイアント、妙に軽やかなポップさを持っていたりするから簡単ではないだろう。こんだけ純粋に音楽をしながらロックしてて、楽器の音色をたっぷりと使いながら遊んでいるバンドもそうそう無いだろうなぁとかいろいろと思った。昔からもちろん今に至るまで自分的にはジェントル・ジャイアントってバンドはきちんと理解出来ていない。モノの説明なんか読むと凄く音楽的にリズムの複雑さやありえない展開感なんてのが書かれているからきっと音楽家からしても挑戦的なバンドだったんだろう。

 70sプログレという側面からしか聴いてこなかったから、そんなに音楽的な面で斬ってもクラシックばりにとんでもない、なんてのはね、考えなかった。今回もう何度目か、取り組んでいたら、ふとそのクラシック的な手法が散りばめられているんだな、ってのが少しだけ分かった気がする。それでも十分ポップさあるんだからよく分からん。アバンギャルドとポップの癒合…ってHenry Cow一派が挑戦してたな、なんて古い記憶も蘇った。こういう音を真面目に今聴いていったらもっと理解できるのかな。ちょっとね、楽しい…って聴いてて思ったから(笑)。これまでジェントル・ジャイアント聴いて楽しいって感覚はあまり思ったことないからさ。ま、まだまだ自分はそこまで追いつけていない人間ではあろうけど。



Jethro Tull - Benefit

Jethro Tull - Benefit (1970)
Benefit [Deluxe Edition] [2cd/1dvd]

 いつまで経っても不思議な印象の強いバンドのひとつであるJethro Tull。何だかんだと割と多数の作品を聴いてはいるのだが、これもまた掴み所が難しいバンドで多数のアルバムあれどもそれぞれがテーマを持って方向性が異なる喜劇の展開なので一言でその音楽性を言い表せない。それが日本での人気の低さの要因であろうとは思うが、その実玄人には、また英国内では相当に評価の高いバンドであるのも知られている。だからこそ取り組む事も多いのだが、これがどうしてなかなか…ってのが本音。でもね、やっぱり凄いんだよな、ってのは分かる。曲の良さや音楽的なクォリティの高さも聴けばそりゃ分かるでしょ。ただはっきりとこういうバンドと言い切れないから口コミしにくいし、こういう文章でも書き辛いのは事実か。

 Jethro Tullの1970年リリースの三枚目のアルバム「Benefit」。無茶苦茶簡単に例えて書けばこのアルバムはLed Zeppelinの同時期の三枚目あたりと同じ試みで作られていると言えるか。アコースティックとブルースハードロックの中間を走っているアルバムと言う意味だが、そのバランスの良さは多分Led Zeppelinに勝っているだろう。ロックさ加減はもちろんZeppelinに軍配が上がるけど音楽的なクォリティは明らかにこのアルバムの方が高いと思う。Zeppelin大好きな自分がそう思うのはどうかとも思うけど、そこは公平に聴いてそう感じる。どころか、この「Benefit」というアルバム、ジェスロ・タル史においてはさほど重要アルバムとして挙げられることも多くないが、自分的にはこれまで聴いたタルのアルバムの中では一番しっくりくる名盤な気がしている。まぁ、これはまたジェスロ・タルってバンドの作品をある程度聴き直して行かないと分からないが…。

 メロディや雰囲気、ギターとフルートとの対比、楽曲のアレンジなんてのはホント凄く良く出来ているんだが、やっぱり明らかに曲のリフとか骨太さみたいなのが欠けているからロックのダイナミックさからは離れた音になるのもしょうがない。その分繊細な音色については良く練られているのは当然ながらそもそも聴いていて良い曲だなぁと普通に感じるんだからさ。ロックのダイナミズムはそういうんでもないじゃない?だからキンクス的=大英帝国ならではの音と言えるワケだな。こんだけ地味なアルバムで楽しめるんだからまだまだ取り組まなきゃいけないバンドは多々ある。まずはこの辺り、きちんと制覇しよう。




Annie Haslam - Annie Haslam

Annie Haslam - Annie Haslam (1989)
Annie Haslam

 ルネッサンス来日決定、の報を見てはいるんだけどどうにも食指が動かない。もっともルネッサンスに限らず最近はあまりその手のオールドタイムなバンドの来日公演にはほとんど食しが動かなくてね。見に行ってもやっぱりノスタルジックさがあるだけで、白熱した演奏とかロックに求めていたパワーとかエネルギーなんてのはあるはずもないし、単にジジイ連中がファンサービスよろしく演奏しているだけ、っていう酷な見方も出来てしまうワケでね、ルネッサンスレベルのバンドだったらもちろん演奏力とか楽曲の素晴らしさを伝えていくという意味ではロックとは違うんで、美しき安定した歌声を披露してくれる、生で聴けるというのはありなんだろうけど、そこは演奏会という意味合いなのでちょいとロックとは違う…、いや、こだわらなきゃよいんだろうけど、単にそう思ってしまっている自分がいて困る。2001年の来日公演は見ているんでまぁ、いいかってのあるかも。

 Annie Haslamの1989年ソロ名義でのアルバム「Annie Haslam」もホリー・ワーバトンによるアルバムジャケットの産物で、こうして並べてみるとそりゃアートとしては統一感あるのは当然なんだけどアルバムの音からしてみたらそれぞれ全然異なるサウンドだし、それでもアルバムの音とジャケットのバランスはしっかり保たれているとも言えるからそれほど絵を書く側と音とのマッチングというのは気にしなくても良いのかな。それよりもイメージが固定化されない方が幅広くなってって良いのかもしれない。なるほど。ってなことを思いつつこのアルバムを聞くのだが、冒頭からして「Moonlight Shadow」なワケだから、もうキャッチーそのものでいきなりアニー・ハスラム節全開で言うことなし、続いてはジャスティン・ヘイワードとの共作による曲でルネッサンスとムーディー・ブルースですか…、しかもアコギと天井の歌声ですね、いやはや大したセッションです。その跡ももちろんかなりの美しい楽曲と歌声による作品が詰め込まれていて、ちょいとニューエイジ風なデジタル出始めの頃のチープな音が好みではないけど、この楽曲群と歌声の前ではそれも許されてしまうだろう傑作。

 メンツを見ていると後期ルネッサンスの面々も参加しているし、結局アニー・ハスラムのプロジェクトにルネッサンスのメンツが合流して、ゲストにジャスティン・ヘイワードを迎えてプロデュースしたルネッサンスのニューアルバムの位置付けだったのかも。それにしてはクラシカルなルネッサンスサウンドに囚われていないからソロアルバム名義にしてきた、それならマイク・オールドフィールドとの共演でヒットを放った「Moonlight Shadow」をアニー名義でも録音して売りにしていこうぜ、ってな構想だったのだろうか。悪くないんだから当たりだけどね。まだまだアニー・ハスラムの歌声も絶世の歌声を誇っている時期だし、見事なアルバム。




Camel - Dust & Dreams

Camel - Dust & Dreams (1991)
Dust & Dreams

 もういい加減聞き飽きてるだろう、ってロックを聴いていながらにして今でも思うのがカッコイイな、これ、っていう作品や演奏。どんだけこの痺れ具合に踊らされてロックにこだわったことか。別に強制されてるんじゃないから自分の好みで勝手にそこに居着いているんだけど、事あるごとにカッコイイな〜、これ、って思う瞬間があったり、ライブ映像見てても涙出そうになって見てるとか聴いてるとかあって、ライブってのは確実にその場その場でエモーションが伝わってくるものだと実感する。生じゃなくてもそうなんだから生だったらホント、痺れるだろうなぁって思うもん。そういうのに巡り会える瞬間ってのはそんなに多くないだろうけど、それでもカッコイイっていう瞬間はよく出会えている。

 70年代からずっと生き続けている叙情派バンドとして確固たる地位を築き上げてるCamelの1991年作品「Dust & Dreams」。90年代の久々の作品のくせに70年代からの本物のバンドの作品はポンプ勢のそれとは確実に異なる重みと本気度が着実にアルバムに脈打っているという作品で、軽い気持ちで聴いてみたんだけどやっぱり全然違うね。叙情的な作風もポンプ勢は得意だったから結構気持ちよく聴いてたんだけどさ、やっぱりこういう本物の聴いちゃうと比べ物にならない。それは練られたアイディアや音作りや生み出す苦労などがそうさせるのか、いつの時代もそういう事は色々な事柄に対して起きている事だし、今に始まったことじゃない。それでもこの重厚感はさすがにCamelの作品だと唸らされる。

 ご存知アメリカの作家スタインベックの「怒りの葡萄」をモチーフに曲のタイトルも付けられているアルバムで、多少なりとも読んだことある人にはなんとなくのイメージが湧くんじゃないだろうか。自分的にはそれもあるけど、アンディ・ラティマーのさすがのギターに痺れてしまうんだが、この人の場合はクリエイターでもあるし、ギタリスト視点だけでは語れないんですけどね、でも、やっぱり見事な叙情性。モチーフがモチーフだから暗くなるのは当然だけど、こんだけ叙情的に作品を作っていける人も多くはないだろう。90年代と言えども何らスタンスが変わっていないバンドの傑作。




Genesis - From Genesis to Revelation

Genesis - From Genesis to Revelation (1969)
創世記(紙ジャケット仕様)

 2000年代と言ってももう18年目なんで新しいというんでもないんだろうけど、それでも自分的音楽史からすると随分と新しい部類に入る時代なのだが、そのヘンでの面白そうなバンド発掘ってのを頑張ってたんだが、なかなか琴線に触れるってのが見つけにくい。あるとは思うし、実際あるんだけど、普通のロックという世界で発展しているバンドに触れてみてくてね。メタルとかじゃなくて普通のロック。そうすると焼き直しばかりになってくるんで、その焼き直しにプラス何か、ってのを上手く見つけているバンドってのがあるはずでさ。モッズ風味だったり何かが加わってるとかそういうの。カッコよさってのはそういうのから出てくるだろうから、刺激が欲しくてね。

 さてさて1969年に同じくプログレの雄と名を馳せるジェネシスもまたデビューアルバム「From Genesis to Revelation」をリリースしていて、これもまたイエスと同じくプログレッシブ・ロックたる断片は聴けるものの、サイケデリックやアート・ロック風味が圧倒的に強くて後のプログレバンドっていう雰囲気とはかなり異なる作品だ。それでもイエスと同じく同時期の英国ごった煮ロックのレベルからしたらかなりハイレベルにある作品になってるし、革新的ですらある取り組みが出てきていると感じる。それはもう音もそうだけど単にピーター・ガブリエルの超絶個性的な歌い方とメランコリックメロディセンスが大きいだろう。もちろんフィル・コリンズ以外のバンドメンバーが後の全盛期を支えるメンツで既に構成されているので、彼らのセンスの厳選が既に発揮されているという意味では実に多様で多彩なアプローチを聴くことも出来るし、さすがだなという面が大きい。スキが無いもん。良く練られている、この時点でも既に。どこか牧歌的でフォーキーな曲もあればピーガブ節バリバリもあるけど、これはこれでひとつの完成されたアルバムの世界観を味わえるのは確かだ。自分的にはこのヘンの方も好みかな。

 後のアンソニー・フィリップスやピーガブのソロアルバムで開花する彼らのセンスってのは根本的にここから変わってない。特にアンソニー・フィリップスのアコギへの取り組みなんて一貫してこのまんまだしね。それがジェネシスの牧歌的側面でもあるし叙情性のひとつでもある。トニー・バンクス然りなのだろうけど、あのフワフワ感は既に味わえる。ただ、まだまだアート・ロックへのチャレンジ感が大きいんでカラフルな音色が揃いまくっているアルバムというトコロか。ジャケットの黒一色とは裏腹なカラフル感が味わえる事を思うとこのジャケットのセンスは大失敗だね。もっとカラフル感を訴えるアートワークが良かったんじゃないか、などと余計なことまで思ってみたり。


Yes - Yes

Yes - Yes (1969)
ファースト・アルバム アトランティック70周年記念(紙ジャケット仕様)

 自分って未熟者だ〜って自覚する時ってよくあって、こんなことも知らないんだ、とか出来ないんだ、とか考えられないんだ的なことに気づく。それが克服できるものもあれば出来ないのもあって、さてさて人間はそういったものを全部克服したりする方へ向かうものなのだろうが、その必要もあるのか?などと反発的に考えてしまうのも良くない。即ち自己弁護型ってことだが(笑)。やらなきゃいけないんだからやる、ってのはあるのだろうけど、やらなきゃいけないことをやる人は他にもいるんだからそうじゃないことをやる、ってのが自分だ、という理屈ですな。まぁ、世の中通じないです。現実逃避しましょう…。

 あのプログレッシグバンドの雄として名高い、そして魂売りまくっていまじゃ金の亡者とも言われるくらいのバンドになったYesですが、そんなバンドでももがきまくって出てきたファーストアルバムってのがあるんです。1969年リリースの「Yes」。アトランティックからのデビュー作ってことでツェッペリンばりの期待をされてリリースされたけれど、その中身からしてまるでお話しにならなかったという曰く付き、イエスの歴史の中でもほぼ黙殺されているアルバムではあるんだが、結構面白くて、プログレを確立してからのイエスよりもチャレンジしまくっている若気の至りってのがこの頃の英国ロックの中のひとつのバンドでしかないというトコロもあって楽しめる。この時期のB級ロックバンドと比較しても全然やろうとしていること、やってることなんてのは大差なくってごった煮への挑戦でしかない。即ちこの時点での差はほぼ無かったと思える音楽だ。ただ、個々人の力量やセンス、音楽的なバックグラウンドなんかは全然違ったんだろうし、出て来る音の自己主張さも確かに力強くて確かな手応えでのサウンドが出てるからそこはアトランティックレベルがメジャー契約するだけのバンドのレベルだったのだろう。

 その中味はと言うと、これがまたアート・ロックとサイケロックとかの間で、コーラスワークやベースラインのでしゃばり感はイエス特有のものが既に出てきているが、ピーター・バンクスの器用なギタープレイ、ジャジーでもありコースティックでもあり、サイケデリックもやります的なトコロが上手く彩りを与えていて、骨太なリズム隊との融合が繊細に出来上がってきているというのかな、そこにトニー・バンクスの鍵盤の彩りも加わり、高齢のジョン・アンダーソンの高い声がフワフワ感を出して、あのコーラスが被ってくるという不思議さ。後のイエスを彷彿とさせる部分は多いものの、もっと英国特有のメルヘンさ加減が出てたりするトコロもあってかなり楽しめる。イエスというバンドを後のバンドと比較しないで初期英国ロックの一つのバンドとして聴くとそのハイレベルなセンスの素晴らしさを実感できる。

Procol Harum - 1974: BBC Live in Concert

Procol Harum - 1974: BBC Live in Concert
1974: BBC Live in Concert

 60年代のBBCでは大抵20分くらいの枠でバンドが演奏する程度の番組しか無かったようだけど、70年代くらいになってくると特番的に一時間程度の枠でバンドのライブを流す「In Concert」って番組が出てきて、割と長尺なライブをそこで披露することも増えてきた。それが結果的にはアーティストやバンドにとっても自費で録音せずともBBCがライブを録音してくれてラジオで流してくれるおかげでライブ盤がひとつ出来上がったというワケだ。ただ、問題は自分トコロに権利が存在しないからあれこれと手続きやら何やらをしないとかんたんにリリース出来なかったらしい。今でもそうみたいだけど、BBCもそのヘンは商売にしているのか結構開放しているように見える。

 Procol Harumもその「In Concert」って番組に1974年に出演してまとまったライブを記録したのが「1974: BBC Live in Concert」。バンドとしては丁度アルバム「異国の鳥と果物」をリリースしたあたりの頃でアルバムの宣伝も兼ねての出演だったのだろう、この新作「異国の鳥と果物」から結構な数の曲をライブで取り上げていて随分と他にはない演目でのライブが出来上がっている。その前の作品「Grand Hotel」もかなりの傑作だったこともあって、そこからも割と聴けるというのもなるほど感あるけど、初期のヒット曲なんてのは存在していないという潔さ、英国でのプロコル・ハルムの立ち位置がこの頃どんな感じだったのか分からないけど、それなりのベテランバンドだっただろうし、ヒットも放っているから知名度もあっただろう。落ち目ではなかっただろうからこの試みは結構成功したんじゃないだろうか。なんて余計なことを考えながら聴いていたけど…。

 当然だけどアルバムでは繊細な音を聞かせてくれているバンドでもあるけど、ライブになるともちろん結構なR&Rバンドだったんだ…って驚くのはいつものこと、特にこのヘンのバンドはそういう驚きの傾向が強い。それだけアルバムの完成度が高いという事になるのだが、ライブでやるってことはやっぱりバンドでやる、オーバーダビングなしでやる、ってことだから別物になるんだよなぁ…、プロコル・ハルムだってロックバンドらしい演奏になるんだもんなぁ…なんて妙なトコロで感心してしまったのだった。




The Moody Blues - Live at the BBC: 1967-1970

The Moody Blues - Live at the BBC: 1967-1970
Live at the BBC: 1967-1970

 ここに来て色々と昔聴いていたようなバンドも聴き直したりしているのだが、いつものことながら印象が自分の記憶とは結構異なっているというバンドも割りと多い。アルバム単位でもそう思うのが多いけど、バンド単位でもそんなんあってさ、イメージってのは怖いもんだなと思う。Moody Bluesってのは自分的には初期はマージービートだけど「サテンの夜」でああなって、以降はひたすらにメロトロンとアコースティック中心のプログレッシブロック、しかも割と重厚な音でコンセプトアルバムにこだわった世界観がアルバムを印象づけているバンド、というイメージだった。ところがこうしてBBCセッション集「Live at the BBC: 1967-1970」を聴いていると初期にしても正しく大英帝国ロック、キンクスやフーなんかと同じような英国ロック的な音とメロディを繰り広げていて、実に個性的なメロディラインを作り上げていたバンドだったんじゃないか、ってことに気づいたワケだ。後のムーディ・ブルースの印象とは大きく異なるのは事実だけど、ここまで英国風味のある楽曲ばかりだったとはなぁ…。

 ってなことで「Live at the BBC: 1967-1970」なのだが、初期の出演が集中していたのもあって同じ曲が何度か登場するのはやむを得ないトコロだろう、それぞれの違いを聞き分けていくというのもありだし、そもそも歌しか入れ替えてないんじゃないか、なんてのもあるのかもしれない。67年から70年ってことは、ジャスティン・ヘイワードとジョン・ロッジが参加してからのライブ、即ち最初期のアルバムは無視しててコンセプトアルバムばかりの時代、それも「Question of Balance」までの頃のライブでこの軽やかさ、実に意外だ。もっと重苦しくなるのかと思ってたしなぁ…、BBCライブだとこんなにも歌とメロディが目立つとはね、英国で人気が高かったというのも頷けるバンドだ。自分が甘かった。ちょっと聴き直そうと思ってる。

 最近は自分チで発掘したiPod shuffleにひとつのバンドを年代順にアルバム入れてって、シャッフルじゃなくて順番に聴き続けるってのをやってるから割とそのまま立て続けに聴いてることが多くて、新たな発見をすることも多くてね、結構重宝している。ただ、昔のiPod shuffleだからかバッテリーの持ちが悪くなってて結局手持ちのiPhoneで他のを聴いちゃうということも多いのだが…、それでも使い分けててなかなか便利。そんな中にMoody Bluesのコンセプトアルバム達も入れて聴いてこうかね。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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