Van Der Graaf Generator - Present

Van Der Graaf Generator - Present (2005)
Present

 アルバムの音が変わった、とか今回の作品良いな、とかってのは一体何だろうね。同じ曲を入れてるアルバムじゃないんだから良いとかダメとかってのは曲そのものではないし、やっぱり曲の骨格と言うのか姿勢とかスタイルとかポリシーとかそういう言葉に出来きれないところでの感覚が響くかどうか、なんだろうか。それってアーティスト側ってかなり難しい表現力を求められるよな。譜面で出せるものならわかるけど、そうじゃない所なワケじゃない?自分達でそれが理解出来てなきゃ再現できないもんな。そんな事をふと思ったアルバムがコレ。

 Van der Graaf Generatorの2005年の再結成後の最初のアルバム「Present」。メタルクリムゾンを聴いた時よりも衝撃的なインパクトを味わえてぶっ飛んだものだ。まだ聴いたことない人いたらぜひ聴いてみることをオススメしたい。あ、プログレ好きで、とか昔のVdGG好きな人ね。クリムゾン好きな人でもいいですが。VdGGの方々って60代くらいでしょ、この頃?それでこの攻撃的なサウンドと演奏なのか?と。本人たちがそういう意思を持ってやってるのかどうかわからないけど、自然にこれが出来上がってくるならそれはそれで超ロックな人達だし、意識してるからってこういうのが出せるってのは自分達をしっかりと認識しているってことだし、とにかく凄い。アグレッシブで攻撃的でロック。こういうのがVdGGのロック。昔の流れから全然変わらない、どころかもっと強烈になった作品が出てきてて、こないだのアルバムの続きの作品だよ、ってくらいにその空白の年月の長さを感じることのない強烈なアジテーション。誰がこんなのできるんだ?って。

 アルバム1枚目は各人持ち寄りのテーマから出来上がった作品っぽくて、二枚目の方は正にジャムセッションで出来上がっていった過程なんだろうと。このセッションがあったからこそバンドの再結成ってのもリアリティを持ったんじゃないかな。だってさ、普通出来ないだろ、こんなの。昔のVdGGだって出来たかどうか…。それが2005年にコレだ。いやはや全くぶっ飛んだアルバムだったし、疲れる作品でもある。凄い。それでアルバムタイトルが「Present」だ。



Barclay James Harvest - Time Honoured Ghosts

Barclay James Harvest - Time Honoured Ghosts (1975)
Time Honoured Ghosts

 このヘンの聴いてると懐かしいよなぁ…、ってもそんなに古い話とも思ってないんだが、よく聴いてたんだよ、ひたすらにさ。レコードとギターだらけの部屋であちこちにレコード置いてあって、片っ端から聴いててね、あぁ、いいな〜、これはこういう音なんだ、とか何か本で調べながらとかそんな感じ。ネットとかなかったしさ。んで、また中古レコ屋行って仕入れてきては繰り返し。面白いのもあればまた今度ね、ってのもあって色々と仕入れていた。その分知識も増えて楽しみも増えた。今よりも確実に大切に音楽聴いてたし、楽しんでた。そういうのを思い出すから古いロックを聴いてる連中は古いのばかりを好んで聞くのだが(笑)。

 Barclay James Harvestの1975年作「Time Honoured Ghosts」。もちろんまだまだ全盛期の作品でして、いや、このバンドもキャリア長くてプログレ畑的な所にいたからどうだっけな、と思ったんだけど実は意外な事に転換期を迎えてどうの、とかバンドが下火になった、みたいなのがない。ないと言うと語弊があるが、バンドでやり尽くして燃え尽きてしまった、っていうのが早すぎたのかもしれない。それでもバンドは違う音とスタンスを求めて早い時期に実践していて転換に成功していたワケで、それも含めてBarclay James Harvestってバンドだもん、っていう風に刷り込まれているワケよ。だから敢えて転換期をまた迎えることもなくバンドはひたすらにそういう姿勢を継続していった、と言える。そういう姿勢こそがプログレッシブだったのかもね。音的には初期はメロトロンの洪水と泣きのメロディーのオンパレードで自分的にも凄く好きなんだけど、いつしかフォーク的なポップラインも入ってきてて、泣きの云々ってのを違う形で実践していって、初期の仰々しさはさっさと鳴りを潜めていったのだな。それでもきちんと違うメロディでそれを奏でていたからBJHらしさは継続しているという。

 「Time Honoured Ghosts」は正にそんな代表的な作品で、仰々しさはもちろんほとんど無くて、ただ泣けるメロディラインはたくさん入ってる、どころかこの方が良いんじゃない?ってくらいに作品としての出来映えは見事。初っ端からビートルズの往年の曲のリフレインがそこかしこに使われてて、ビートルズへのオマージュ作品になってて面白い。それでアルバムが始まるからハードル上がるんだけど、しっかりとそのセンスを継続してアルバム一枚出来上がっているんだから見事なものです。フォーク調なポップラインが多く、それでもしっかり英国的なのは当然で、ビートルズを目指しました的アルバムなのかもな。正直、かなり傑作だけど、ガツンとしたプログレ好みには物足りない作品。でも、良いです。



Moody Blues - Octave

Moody Blues - Octave (1978)
Octave

 ロックの歴史は生き急いでいる人達がどんどんと作っていってしまった、とも言えるのではないか。あまりにも生き急いで伝説になっていった人やバンドを超えることは出来ず、それでも求められる需要に対してはある程度時代に合ったバンドが出されていき、シーンを賑わしている。それでも命を削った連中にはとうてい届かず、どれもそれなりに、という部分はあるだろう。まぁ、それが良いとか悪いとかってのはあるけど、ひたすらに輝き続けている70年代ロックってのはそのヘンだ。

 Moody Bluesというバンドは60年代からプログレを体現してきて、7作に渡りコンセプトアルバムをリリースし続け、それがまた全てをトータルで聴いてみるとひとつの壮大なるオーケストレーションにすらなるというとんでもない作品群をリリースしていったバンドだ。だから故に1972年にリリースされた「セヴンス・ソジャーン」を最後にそのコンセプトアルバムによる壮大な物語に終止符を打ち、メンバーのソロアルバムリリースへとバンドの形態をシフトしていったのだが、特は流れてその6年後にMoody Bluesとして再度アルバムを作ろう、という事になって作られた作品が「Octave」だ。タイトルからして「Octave」=8音階目というのもあって8番目のコンセプトアルバムかと思わせるかのような仕掛けからしてちょいと失敗したか?誰もがあの壮大なMoody Bluesのメロトロンの洪水によるオーケストレーションを期待したものだが、そうは出てこなかった。もっとロック・ポップ寄りとでも言うべきか、叙情性は相変わらず幾つかの曲で出来上がっているものの、アルバム全体としては少々散漫な、いや、力作なのだが、これまでの作品ほどではなくなった、という所でマイナス評価が多かったと聞く。

 自分的には結構悪くないなぁ、これ、って思って聴いたけど、そりゃ昔の作品の方が圧倒的重厚度が高かったし、プログレッシブだったとも言えるし、物足りなさ感はあったか。良い曲多いけどね。バンドの内情的にはキーパーソンのマイク・ピンダーが既に心ここにあらず状態で参加していたようで、本作で離脱、やはり命削ってバンドに注いだの反動が大きかったようだ。そういうのがあったからこそリスナーも着いて行ったし、今でも伝説のバンドになっていったのだが、この辞典ではそりゃそうだろう。バンドのサウンドには大きく影響してて、ちょいととっちらかった感じはあるけど、最後の最後はかなり力作で、やっぱりMoody Bluesって良いバンドだな、って思える。



Jethro Tull - A

Jethro Tull - A (1980)
A/Slipstream

 不必要にニュースが取り上げられている時って大抵裏側にもうちょい大きめなニュースが隠されていて出てこないように操作されているってのは常識であろう。ここの所そういう動きが見られるので多分アレが隠したいというか大きく取り上げられてないようにされたいんだろうな、とか勘ぐっていながら、家局はどうせ今だけ情報のひとつでしかないからいいや、と思ってしまうのは多分よろしくない。だが、それで困ることもないのも実情で、何に時間と知識と努力を傾けるのかってのは興味の問題なんだろうという結論。ここ最近よく思うお話。

 Jethro Tullの1980年作「A」は当初はイアン・アンダーソン名義でのリリースが予定されていたため真っ先に挙げられるのがエディ・ジョブソンの参加だ。ジェスロ・タルだったらこういう参加劇は出来にくかったと思うけど、ソロ名義だから自由にやろうと思っての起用だったワケで、だからこそ出来た奇跡の組み合わせ、それがまた結構な面白い方向に動いたもんだから期待してしまうリスナーも多くいたことだろう。基本路線はイアン・アンダーソンのいつもの作風だけど、随分と綺羅びやかで明るい雰囲気のする作風に仕上がっている。これは多分にエディ・ジョブソンのセンスの賜物だろうか、ベースのデイブ・ペグ参加も個人的には面白いと思ってて、これまでのトラッド路線があったからってのも要素だろうけど、フェアポート・コンヴェンションのベーシストがこういうロックバンドに参加するってのは結構稀な話だし、こういう交流ってのもなかなかないので、湯イークな人選だなぁと。

 結果的にマーティン・ベレにもギター弾いてもらおうってことで参加して全曲弾いてしまったことでジェスロ・タル名義になってしまったけど、どっちにしてもイアン・アンダーソンの音作りがバンドそのものなんだからどっちでも良かった話なのだろう。クビになったメンバーは色々とあるのだろうけど…。昔のジェスロ・タルからしたらホント、この作品はプログレッシブな香りと明るい、垢抜けた音が出てきていて、やっぱりエディ・ジョブソンの仕業だろうよ。この手のが好きな人は多分皆ハマれるようなプログレ的展開のロックもあったりするし、それでいて結構ロック的テンションも高いから良い作品に思える。これまでのアコースティック路線が一切ないのでちょいとその辺は舵を切ったんだろう。ベレのギターとジョプソンのギターの絡みとか美しいしね。







EL&P - Love Beach

EL&P - Love Beach (1978)
LOVE BEACH

 70年代ロックってのはものすごいスピードで進化し続けていったこともあってか、バンド側の疲弊や環境の変化なども含めて今よりも早い変革を求められていたのかもしれない。だからバンド側もどんどんと突き詰めていく姿勢をエネルギッシュに打ち出し、アルバムをリリースしてライブをこなし、人生を使い果たしながら生きていったという見方もできる。それが故にどんどんと音楽性も変化させていかないと、という面もあったり実験したくてグチャグチャになっていってしまった、みたいなのもある。そういうのが80年代になるとガラリと変わっていくのは音楽ビジネスがきちんと整備されてきたからだろうか。

 1978年リリースのプログレ界一番の世紀の駄作と称されることの多いEL&Pの「Love Beach」。どのバンドよりも早く80年代へ向けての脱皮脱却70年代からの離脱を試みたアルバムという意味では流石プログレッシブな指向性とも言えるのだが、出てきた音がコレではさすがに時代はついてこれなかっただろうと。EL&Pってどんなバンドだっけ?ってなことを思い出させることがないくらいにキャッチーでポップ側に振ってしまったアルバムはジャケットからして不評の一途を辿る事となった。そりゃそうだろ、何だこれ?ロックとは無縁な世界な風景にファッションに笑顔、3人が3人ともそういう方向性に疑問を抱かずに走ったという所が不思議。ただ、この後の商業ロック路線が市場に溢れていくことを思えば、人よりも早くそっちに進んだってトコか。

 さて、音楽作品として聴いてみればどうかとなるが、そりゃもちろん悪くないです。普通にチャートに登ってラジオとかでバンド名など知らずに聴いたり、普通のリスナーが聴いてみればこの時代だったら面白い、とかカッコ良いって思えるのもあるし、ロックファンだとしてもバンド名知らなかったら、まぁ、ありかもな、くらいには思えると思う。ただEL&Pがコレやるってのは何でだ?ってのが大きいんだろうなぁ、と聴いてて思う。ここからEL&Pに入った人はプログレ時代はダメだろうし、単なるポップ作品の一枚になるのかな。そういう人もあまりいない気もするが…。







Genesis - Duke

Genesis - Duke (1980)
Duke

 70年代のロックが終わりを告げる鐘を鳴らす作品ってのがそれぞれのバンドにあったりする。それは70年代からの生き残りを賭けていたバンドなら皆そういうのがあったんだろうと。実際そういう作品って不当に評価が低かったり問題作と言われたり無視されたりと色々と不遇な扱いを受けているケースが多いのかも。転機に制作された名盤と言われるのもあるのかな。自分的にはほとんど聴いてこなかったアルバム郡になるので、後々になって聴いて、面白さを感じるものもあれば、やっぱりダメだこりゃ、ってのもあるので、難しい時期の作品なんだろうというのは分かる。単なるリスナー的にはそれが好むかどうか、刺激があるか否か、だけだからさ。

 Genesisが1980年にリリースした作品「Duke」。プログレ時代の終焉を遂げた作品と言われているようだ。んで、これさ、昔も聴いたことあって、と言うかこの頃のジェネシスの作品ってポップバンドのそれだから全然興味も沸かないし、そもそもジェネシスに興味があんまり無いってのも大きいんだが、ちょこっとこのヘン聴いてうんざりしたという経緯がある。ただ、冒頭に書いたように変化を求められた時代での敏感なバンドのスタンス、音楽の変更って意味では大成功したジェネシスの凄さは万人が認めるものだろうし、フィル・コリンズのキャリアのサクセスストーリーなんて見事なものだもん。そういう大人な目線を持った今、また「Duke」を聴いてみたりしてね、思うのは、やっぱりキライだってことだった(笑)。いや、キライってんじゃなくて、どうあれ、音楽としてのこういう音は自分は受け付けない、ってことです。フィル・コリンズのこの歌い方もどうにも合わないし、ドラムマシーンだからか、ってのもあるが、そもそもアルバムのトーンがロックじゃないし、苦手な部類にしか入らない。

 ただ、ウケと言う面では素晴らしいと思う。これまでのジェネシスリスナーはほぼ離れたとは思うけど、新たに獲得したリスナーの数の多さは半端じゃないでしょ。それは耳に触れやすい音楽と聴きやすい音楽、キャッチーなリフレインとメロディなんだよ、と。そんなのも含めて大成功を導き出した作品。



Yes - Drama

Yes - Drama (1980)
ドラマ

 昔はカッコ良いロックバンドってのが好きで、それが故にギターも弾くようになったし、アレコレと聴くようにもなっていった。だからロックってのはカッコ良いモンなんだ、それ以外はポップスだ、くらいに思ってたけど、歳を重ねて色々と聴いたり見たりするようになるとそういう幻想だけでは出来上がっていない世の中にも気づくし、実際ロックなんてのは幻想でしかないってのもわかってくるし、だからと言って音楽という枠で聴くか、って事でもなく、日々を過ごすことになるのだ(笑)。まぁ、単に音楽のひとつなんだからさ、ルックスのお話はあくまでも商業主義的見地からのお話、ロックのカッコ良さってのはポリシーなのだろう。それがどんだけ出ているか、とかね。

 1980年にリリースされたイエスの「Drama」というアルバム。昔から批判の嵐しかなかったアルバムで、その理由がイエスの声でもあったジョン・アンダーソンが歌っていないから、ついでにリック・ウェイクマンもいないからそもそもイエスなのか、これは?ってな事から始まっていたようだ。残ったメンツはクリス・スクワイアにスティーブ・ハウ、アラン・ホワイト。まぁ、クリス・スクワイアがいるし、スティーブ・ハウのギターだってイエスらしいワケだからそりゃ成り立つだろ、と。ただ、ボーカルと鍵盤にはバグルスから参加させたトレバー・ホーンとジェフ・ダウンズ。その時点で聴く価値なし、的なところも言われていたのだが…。

 実際聴いてみると、どんだけイエスなんだこいつら?ってくらいにイエスそのものの音を80年代風味に出してきてた。世の中の評価とかアテにしちゃいかんよな。基準が違う場合が多いんだからさ。もっとも時代を経た後だからそういう冷静な評価をされているのかもしれないし、自分もそうなのかもしれないけど、コレ、案外良かった。案外どころかかなり良かった。昔のイエスよりもキャッチーで聴きやすいし、かと言ってプログレ的じゃないってんでもないし、エイジアの手前の音とも言えるのか、絶妙なバランスでの作品だね。ロックバンドイエスとしての最後のあがきだった作品かも。

 ただ、自分的に好きかどうかってのはいつも通りながら別のお話で、決して好みにはならないのがイエスの音だ(笑)。こういうの好きじゃないんだよねぇ…、面白い事にさ。ただ、もうイエスってこういうモンってのを散々聞いてるから聴かないワケじゃないし聞けないワケでもない、しっかり結構聴いている、けど好きではないという矛盾(笑)。



Genesis - A Trick of the Tail

Genesis - A Trick of the Tail (1976)
A Trick of the Tail

 ハードなロックが好きでギターサウンドが好きな自分的にはプログレバンドと言えども聞く回数の多いバンドは圧倒的にクリムゾン、フロイドで、その次にEL&P、グンと減ってイエスとジェネシスになるのだけど、それでももちろん結構聴いたりチャレンジしたりはしていて年数を重ねてもいるからそれなりには聴いてるんだろうと。でも、好む、までは至らずにまたちょっと聴いてみようかなという感じで何度か聴いている。そのウチ好きになる日が来るかもしれないっていうのもあるけど、やっぱり知っておかないとなぁってのもあるか。何となく傾向は判ってるけど深く入れないしさ、ちょこちょこ耳にして掌握してこうと。

 1976年リリースのジェネシスのピーガブ脱退後、そしてフィル・コリンズ最初のフロントボーカルバンドとなった時期のアルバム「A Trick of the Tail」だ。昔初めて聴いた時、違和感なく聴けちゃって、こっちのジェネシスの方が良いじゃないか、って思ったくらいだ。ピーガブのジェネシス程のヘンさが無かったから素直にファンタジックなプログレが聴けたってのが良かったんだと。フィル・コリンズってのも意識してなかったから、これがそうだったのか、って後から思ったくらいで、まずアルバム的にいいな〜ってのが最初の印象。ただ、ちょっと線が細くて軽やかにすら聴けてしまったのがロック的じゃなくて気になったのかな、ジェネシスは軽い音だな、っていう。英国のこの手のバンドとして聴くととても良くできてて繊細な音もきちんと大切に鳴らされてて、もちろんアレンジも音使いも素晴らしいし、B級バンドにはない確実な才能が聞こえてくるのは確かなので、その耳で聴くと極上の作品とも言える。こういうのを作りたくて皆苦労してるんだよ、ってくらいのお手本的名盤。

 今聴き直しててもプログレ的プログレとも言えず、もっと英国に密着した音と言うか、やはりそのヘンは12弦ギターの音色なんかも手伝うんだけど、キラキラしてるからかな、変拍子ちっくな訳でもないし、音楽の構成としては物語の展開があるから曲調が変わったりするのは当然のようにあったり、コーラスにしても鍵盤にしてもそういう雰囲気を出していく事でその音が必要みたいになってるし、フィル・コリンズの歌はクセもなくそのまま楽曲の歌を表現しているだけなので害はないしね。ただ、どうしてもあの顔と頭が浮かんでしまうから自分としては常にマイナスイメージが付きまとうのが苦しい…(笑)。そういうの抜きにすると素直に好きな音、です。もっと聴き込んでもいいんじゃない?ってくらいには思うけど、何故かやはりマイナスイメージのせいかあまり積極的には聴かないのだな…。



Peter Gabriel - Peter Gabriel 3

Peter Gabriel - Peter Gabriel 3 (1980)
Peter Gabriel 3 (Remastered)

 ロックのアルバムには芸術性の高い作品やエネルギーをそのまま封じ込めた作品、音楽として作り込んだ結果というものなど様々なベクトルを向いたものがあるが、そういうのをカテゴライズしたものがカテゴリという概念、そういう意味で行くと芸術性の高いものがポスト・パンクやニューウェイブ、前衛的なサウンドとも言えるのだろうが、この手の作品は実に難しい。普通にロックだぜ、って言って聴けるモンじゃないからそれなりに「ヘン」な感性を理解できるセンスが必要だ。本能的にそういうのが好き、キライっていう事でその感性は出て来るから敢えて近寄らないでもいられるんだけど、近寄ってみるとそのセンスに入れるか入れないかってのがマザマザと分かる。

 自分的にはこのピーガブのセンスってのはともかく、声が苦手だ、アルバムは名作傑作の誉れ高い1980年の代表作「Peter Gabriel 3」。ゲートリバーブを導入したドラムサウンドから始まることで斬新な作品、こういう実験的な取り組みやシンバルを一切使わないという制約の中で作り上げた冒険意欲、こういうのもロックというか芸術性の高い創造作品の成せる業とも言える。聴いている側はその違和感に惹き付けられてその芸術性の奥深さに入り込んでいく、そういう聴き方が出来る人はそうなっていくのだろう。正しくアーティスティックな作品として名高いアルバムで、聴いてみればそりゃもう、なるほどなとなる作品で、普通に聴いていられる作品ではない、少なくとも自分には全てが違和感という作品。そこで声の好き嫌いが思い切り出て来るんだけど、それを無視してもポストパンク的なニューウェイブ的なアルバムサウンド…、PILみたいなモンでね、それはもう音作りとかアプローチが、ってことだけど、どんだけロバート・フリップがギター弾いててもケイト・ブッシュがコーラスしててもこのヘンな違和感は残る。それで何度も聴くってのもあるのだが…。

 深い。とにかく深い。面白いのは、こういう実験的なことをして今の時代にまで通じる音作りを成し遂げているという野望、そういう作品が出来た、っていう事がロックだ。単に前衛的な実験音楽をやっているんじゃなくて、それがきちんとポップスの作品として成り立ち、一般化しているというセンス、先取りのセンスだ。そこにはロックアーティストというよりも芸術肌の職人たちが多数絡んでいるというあたり、実験音楽ってのは単に実験だけじゃしょうがないからね。この時点でスティックを既に操っているトニー・レヴィンなんかもそういうセンスだったのだろう。そううのを総評しながらアルバムを聴いてみてやっぱり、この人の作品は好きじゃないわ、って思う自分なのだが(笑)。







Jethro Tull - Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970

Jethro Tull - Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970
Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970 (CD + DVD)

 一般的にプログレバンドと捉えられているバンドでもライブを見るともちろん普通のバンドじゃないか、って思い直す時があって、それは単にプログレバンドって仰々しい楽器をいっぱい並べて音を出してるんじゃないのか、みたいなのもあるから普通のバンド編成であんな仰々しいのが出来るはずがないとかね、そういう思い込みもあってさ、だからライブ映像とか見ちゃうと、案外普通のバンドでちょっとスカされたりする。まぁ、間違った思い込みしてる自分がおかしいのだが。

 Jethro Tullもワイト島フェスティバルで素晴らしいパフォーマンスを見せたバンドの一つだ。イベントを無茶苦茶にしたのもこの人達かもしれない(笑)。どっからどう見てもただの乞食野郎の集団にしか見えないのが、実はとてつもなく演奏が上手くてライブでもしっかりと存在感を魅せつけるイアン・アンダーソンが主役ってのはどうみても分かりすぎる。そしてバックの面々のロックバンドらしい演奏、マーティン・ベレってやっぱりブルースギタリストだよなぁ、とかさ、英国ではこの頃絶大な人気を誇っていたバンドでもあると言われている。日本じゃなかなかわかりづらいJethro Tullの本質。こういうライブ映像見るとフルートがヘンなだけで普通にロックバンドなのでやっぱりビジュアルで損してる?いやいや…。

 このJethr Tullの「Nothing Is Easy: Live At The Isle Of Wight 1970」もCDとDVDで出てて、バンドの真髄をきっちりと魅せつけてくれるのでかなり楽しめた。スタジオ盤聴いてるだけより、ライブ映像見てるとなんかへにな凄さを感じられる。しかし、なんで歌いながらフルート吹けるんだ?同時に、だよ?この人やっぱかなり変態で凄い人、音楽的才能に溢れすぎている人、そういうのが分かるからもっともっとJethro Tullってバンドをじっくりと見聞きする必要がある。こりゃ人気あったハズだわ…、と改めて思い知った。






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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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