Within Temptation - Resist

Within Temptation - Resist (2019)
レジスト

 ちょいと旅に出てみて日本海側を列車で通ったのだが、これまであまり見ることのない景色だったので軽く感動した。特に海沿いを走っている時にはその合間にある街並みにはうっすらと雪が積もっててその先に日本海が見えててさ、なかなか異空間に迷い込んだ感覚でぼ〜っと眺めてた。いつしかその景色も後ろに流れていってしまうのだけど、ふとした瞬間にそういう情景に迷い込まされたような感じでもっともっと色々なシーンを味わいたいな、なんて思った。かと行って旅に良く出るかってのはなかなか計画性が無い自分の性格からして面倒でやらないだろうなぁとも思う。よほど興味深いトコだったらハマってやるとは思うけど。ただ、旅ってのは良いね。

 Within Temptationの5年ぶりくらいの新作「Resist」がリリースされた。去年の秋ころからずっとジャケットも曲目もインフォで出されて、なんでまたそんな先のリリースにしてるんだ?なんて思ってたんだが、レーベルの売上状況を加味しての話なのかね、バンド側からしたら随分前に録音終えてるし、それでもリリースされてないしツアーでもないし、っていう中途半端な状態だったんじゃないだろうか。もっとも3人の子持ちシャロンさんの家庭の状況を鑑みてとか色々あるのだろうけど。って諸々を思いながらも出てきた作品を耳にして一通り聴いてみると、まぁ、期待以下でも期待以上でもなくいつもど通り、ってのが第一印象。ちょいと歌謡メタルからは進化してってるかな、という感はあるかな。妙にメロディアスでボーカルとバック、みたいな構図からはもうちょっとバンドらしい絵面に戻ってきているかも。ある種ひとつのジャンルになってるバンドでもあるし、スタイルも確立してるから安定感はあるけど、その分刺激は薄い、ってなトコだ。

 それを払拭するために多彩なゲスト陣営を参加させてのアルバムにしているのはあって、グロウルなんかで出てくる歌声がきっとそうなんだろうなぁ、って感じで、昔のゴシックメタルから進化したシンフォニックメタルの中でグロウルが入ってきて、それはそれで進化系として面白いものにはなってる。ただそれをWTがやる必要はあったんかな?ってのはどうにも…、汎用的なバンドのスタイルになっちゃっててね、まぁもちろんそれでも全然レベル高いんでアルバム一枚丸ごとすんなり聴けてしまうんで良作なのは確かだが。このバンドって歌メインになっちゃうからギターリフとかが強い、っての無いのがフックが弱くなるっつうかそれが個性ってのか…。

 なんだかんだと書いてるけど、やっぱり良く出来てるアルバムでじっくりと聴いていくと馴染んでくるし、親しみやすいし、高品質だし初期からずっと聴いているとココに来てかなり落ち着いた雰囲気のサウンドになってきているし、安定感抜群で多分これ以上になにか求められる事も無いのだろうという気がするくらいにはよくできたアルバム。今後このままなのかなぁ…、どうするのかなぁ…ってずっと思ってたけど、行き先ないからこのままなんだろうなぁ…みたいな期待と残念感が入り混じってるのが個人的感想。





Batalion D'Amour - W Teatrze Snow

Batalion D'Amour - W Teatrze Snow (2001)
W Teatrze Snow

 ゴシック・メタル界隈ってのはすでに一度盛り上がって淘汰されてしまって、そこからは消えていくバンドと現存するバンドでも自らの方向性をきちんと決めて生き残っていく事にしているケースが多く、それらの大半はもうゴシック・メタルとすら呼べない世界へ進んでいるものも多い。そりゃあのままやってたら深みも何も出来ないサウンドでもあるから、ある種出てきた時から完成されているサウンドだったのかもしれない。だから新しいゴシック・メタルってのはなかなか出てこないんだけど、ここでまたポーランドからへぇ〜ってのが出ていてね、そらまた面白そうだと。

 Batalion D'Amourってバンドが2016年に新作「Fenix」をリリースしてて、それはもう昔のゴシック・メタル風味も味わえるってことらしいけど、今回はもっと前の2001年の4枚目の作品「W Teatrze Snow」を。まだこの頃ボーカルのアンナ嬢は20代前半だったんじゃないか?ってくらいなんだけど、あの頃のゴシック・メタルなら美女と野獣的に少女レベルをボーカルに据えたバンドってのは多かったし、ポーランドでも例外ではなかったのだろう。ゴシック・メタル的には少々遅めでもあるけど、本作に収録されているサウンドは普通にゴシック・メタル的サウンド。…ってかさ、ポーランドでメタル的なのをちょいとメロウにやってみようよ、ってなったら勝手にこうなるような気がする。だからゴシック・メタルやろう、ってのは後から出てきているような気がしないでもない。もちろん狙ったとは思うけど。

 メロディが面白くてさ…。すごく東欧的、即ち聞き慣れたヨーロッパ的なものと、ちょいと民族チックな東欧的なのが入り混じってて、どこか中東的なのが聴けてしまうという感じ。何だろうな、こういう旋律…、見事に地理的の通りに融合された旋律が西洋的なメタルサウンドをバックに歌われていて超個性的。それが唯一無二感あって面白い。





Artrosis - Live in Trojkais

Artrosis - Live in Trojkais (2001)
Live in Trojkais

 ロックを普段聴いている人でもなかなか意識することの少ないポーランドのロックなんてのに惹かれてドドドッとまとめて聴いている日々なのだが、何となく知っていたつもりだったけど全然知らなかったことにも気づけたし、そこで刺激的なバンドにも出会えてじっくりと向き合ったりもしているが、こういう耽美的陰鬱的な中でのハードな発散みたいなのってやっぱり好きな人も多いんだろうと。自分もそうだけど、そのエネルギーとか開放感とか絶望感ってバンドが生々しくグルーブしていくことで出来上がっていくし、それを感じられるほどにプレイしてくれるというのもバンドの面白いトコロ。そんなのをマジマジと実感しながら味わった一枚。

 世界がゴシック・メタルという新たなシーンで盛り上がっていった頃、ポーランドからもMoonlightと共にArtrosisってバンドが世界に向けて旅立っていった、と言うかポーランドでは人気を二分していた、らしい。いずれも女性ボーカルで美しく憂いのある耽美感を出しながらまさにゴシックな味わいをメタル調のバンドサウンドに乗せての作品で、これがまた美しいんだな。そのArtrosisの方はゴシックメタルというジャンルが衰退すると共にバンドも消えていってしまったというのがある種潔くて印象が良いのだが、短い活動期間の中で二枚のライブアルバムをリリースいていたけど、その最初のゴシックメタル終焉期にリリースしたライブアルバムがこの「Live in Trojkais」で、2001年リリースの作品。

 冒頭から耽美的なムードとまさにゴシックな雰囲気でのライブが淡々と繰り広げられ、何のミサを聴いているんだろうか、って思うくらいの雰囲気。スタジオ盤とかよりも全然ムードが出ているのがライブの面白いトコロで、ただただこの陰鬱さに引き込まれていくような感触。やってる当人たちはそこまでのハズも無かったとは思うけど、何か良い雰囲気のライブだ。ドラムが打ち込みって話だけど、全然許される範囲の使い方だし、そもそもバンド的にそんなにそこがネックになるほどのドライブ感を持つワケでもないだろうからさ、むしろきっちりしてた方がトランス出来るんじゃないか、ってくらいだ。まぁ、ライブらしいアドリブなんかが出来ないというのはあるだろうけど。それでもこんだけのライブを展開していたってのは素晴らしい。久々にゴシック・メタルを味わった。



Moonlight - Downwords

Moonlight - Downwords (2005)
Downwords

 日常から切り離れた世界を味わうと色々と異なる思考に巡り会えて面白いものだ。毎日となるとそもそもどれが自分の基準?みたいになっちゃうけど、たまにそういうのを味わうと新鮮で刺激的。だから人は旅行を好むのだろうか。大した目的は無いけど旅に出たいなんて話もよくあるだろうし、実際そう思う事も多い。行けば何か新しい刺激があるから、って期待感が一番かな。きちんとした目的を持って度に出るのももちろん面白いけど、そんな行き当たりばったりでもなかなか楽しめる。

 Moonlightというポーランドのゴシック・メタルバンドとして90年代には名を馳せたバンドの2005年リリースの8枚目くらいのアルバム「Downwords」。それこそまだやってたのか、って気がしたけど、それじゃ聴いてみようって感じで、実はちょっと期待しながら聴いたんだよね。プログレとかそのヘン聴いてたし、陰鬱なのに変わりはないからどういう路線に進んでいるんだろ?って。そしたら何とも驚く事にゴシック的なエッセンスやムードってのはあるけど、メタルっていう要素は全く無くなっていた。じゃ、どうなったんだ?って言うと、エレクトリカってのかアンビエントってのか電子音楽との融合サウンドってのか、そんなアレンジのバンドになってる。それでゴシックなのか?ってえぇと、これがまた不思議な事にそのエレクトリカ的な音をメタルギターに脳内で置き換えてみると明らかにゴシック・メタルな音なワケ。意味分からんのだけど、歌メロとか旋律とか曲そのものを聴いてるとゴシック・メタルに聞こえるってこと。

 それもまた凄い話で、やっぱり何か一世を風靡しただけあって、革新的で実験的なサウンドに挑戦してっても許されるってのか、プロデュース陣営がやりたい放題に楽しんでるってのか、ヴォーカルのマヤ嬢の能力を知ってか、歌い手として上手く機能させての売れ線もきちんと狙ったバンドにしていきたいのか、ってなトコロだ。それでもこの陰鬱でゴシックな世界観は新たなる方向性のひとつであったのかもしれない。ちょいと舌っ足らずな歌い方はちょいと許しちゃう部分あるしさ、案外聴けてしまってそのアルバムの出来映えの良さも味わえるんだから面白い。



Leaves' Eyes - Sign Of The Dragonhead

Leaves' Eyes - Sign Of The Dragonhead (2018)
リーヴズ・アイズ『サイン・オブ・ザ・ドラゴンヘッド』【通常盤CD(日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

 2000年前後のバンドってもう18年前くらいのお話だからそりゃ一時代回った感あるくらいの時の流れではあるから、そうするとこのブログ始めた頃に知ったバンドなんてのももうベテラン以上の存在になってるってことか。道理で…と思ったりもするが、いやアマゾンでアレコレ見てて懐かしい名前だななんて見てたりするけど、それもついこないだじゃなかったっけ?なんて気がしてて、実は15年くらい前、みたいなお話。ゴシック・メタルにハマったのは十数年前の話なんだよなぁ、その頃ワケ分からず、こんな世界あるのか〜ってアレコレ聴いてて割と自分なりのサイクルに入ってきてて結局残ってるのはいくつかのバンドになるけど、それでも周囲のバンドだってしっかりやっててシーンに残ってる。だからちょこちょこ目立つんだね。

 Leave's Eyesの2018年7枚目のアルバム「Sign Of The Dragonhead」。YouTubeとか見てふとボーカル替わってるよな?って思ってね、聴いてみるとこれがまた凄く上手いんだけど、最初はかなり違和感ある歌声だった。聴いているとそういうの無くなるけど、なんつうんだろうな…、濃い歌声ってのかしつこい歌声ってのかアネク嬢とはもう真逆とも言わんばかりの粘っこさがある…、まぁ、ターヤなんかも近いものあるが、っていう感じ。別に悪くもないしそうか、ってお話だから過去のリブ嬢にこだわらなければ普通に聞ける。バンドの音そのものも相変わらずノルウェーに根ざしたバイキング的サウンドなるゴシックメタル的なスタイルのままだし、それこそが個性で、ボーカル替わってもその路線は変わってないからね。だからリブ嬢の描いた世界観そのままが引き継がれている状態。

 本作、いつも通りの展開なので多少飽きてきちゃう感はあるが、ユニークだなぁと思うのはヴァイキングメタル的なサウンドを男女ボーカルで展開出来ているという新しい試み。昔はゴシック風味で美女と野獣やってたけど、ここではヴァイキング世界でやってる。バンドの持つ基本的なメロディはノルウェーの民族旋律でもあるから違和感なくアルバムにも馴染んでてハイライトかも。まだまだそんな小さなトコロでの楽しみをいくつか味わえるのはよろしいね。







Vuur - In This Moment We Are Free - Cities

Vuur - In This Moment We Are Free - Cities (2018)
In This Moment We Are Free - Cities

 面白いもので、同じ楽器編成と人数で同じ様な音でバンドやって音を出しているんだけどその実全然異なるサウンドが出てくるという…、普通に考えてみればどうしてそうなる?みたいな話だよ。それはでも絵画でも何でもそういうモンだからプロとか才能とか技術みたいなのも含めて人間の面白いトコロで、つくづく不思議ながらも当然出し、逆に全く同じのなんてのも出てくるワケじゃないからね。ロックやポップスとかについてはさ売れるか売れないかってのもあるから似てくるはずなんだけど、それだと売れないし、複雑な要素が絡み合った芸術のひとつと捉えれば理解しやすいか。

 90年代に一世を風靡したThe GatheringのAnneke van Giersbergen姐さんの歌声とゴシックメタル、これこそが、と言われて絶賛されてThe Gatheringのひとつの方向性がそのジャンルと時代を決定付けたとも言えるくらいだった。まぁ、リアルタイムでは全然耳にすることもなかったから決してメジャーな部類ではなかったとは思うけど、それでもメタルシーンがひとつの世界を形成してきた、またヨーロッパのシーンが世界に出てきたというひとつのきっかけともなるバンドだった。当然10年以上の間には色々あって、音楽の方向性も大幅に変わったりして今でも一応バンドは継続しているようだけど、Anneke van Giersbergenhaは既に脱退済み、バンド在籍中からソロアルバムをリリースしてたりしてさすがに紅一点のボーカリストさんはアイドル的活動も実施、曲にしても結構ポップにも挑戦したりと一応世間を一通り巡ってきたんじゃないかな。それで今またここでVuurというバンドを組んでの最初のアルバム「In This Moment We Are Free - Cities」をリリース、これがまた見事なまでに20年前に遡るかのようなゴシックメタルそのものを展開してくれている。

 やっぱりAnneke van Giersbergenの歌声は素晴らしい。これこそゴシックメタルの歌声、と言わんばかりの透明感と抜け具合、唯一無二の透き通り具合はバックがどんだけヘヴィになっても思い切り突き抜ける。そして楽曲の方も当然ながらのドラマティックなゴシックメタル感あふれる重々しいテンポで繰り広げられその上を伸びやかにAnneke van Giersbergenの歌が舞い上がる。素晴らしい。ひと時代を経て聴くこの美しさというかゴシック・メタルの持つ美女と野獣的な相反するスタイルが美しい。フック的にはもうちょっと、とは思うけどそれでも何度か聞きたくなる魅力を十二分に備えた作品で、さすがのAnneke van Giersbergenの素晴らしさがホントに光り輝いている作品。2019年4月に初上陸?みたいだね。





Elis - Show Me the Way

Elis - Show Me the Way (2007)
Show Me the Way

 久々に聴いておきたいなってバンドが幾つか思いついてしまったので、何となくそっちを先に聴いてしまうのだった。幾つか早く聴きたいって思ってるのもあったんだけど、思い起こした記憶ってのはこれもまたすぐに消え去ってしまう可能性もあるんで、現在進行系よりも優先順位が高くなる時があるのだ。そういうのがあるからどんどんと聴きたい音楽と書きたい音ってのが異なってくるんで、また面白いと言うか一貫性が無いと言うか…、人の思考ってのはそういうもんだろうよ。

 リヒテンシュタイン公国から世界に出てきたバンドとして知られているElisというゴシックメタルなバンドの2007年の5曲入EP「Show Me the Way」なんてのがあったんだね。このバンド、元々のボーカリストにサビーネ嬢という方がいたんだけど、3枚目のアルバム録音中に急逝してしまって、その後はサンドラ嬢という方が入っているんだけど、このEPはサンドラ嬢が参加してからの紹介シングルという意味合いと、3枚目のアルバムには入れられなかったサビーネ嬢の歌った楽曲群が3曲、未発表では残念すぎるので、こういう形でのリリースとなったものが入っている貴重なシングル。ジャケットが象徴するかのように天に届けというようなメッセージ色もある作品だけど、これがまた素晴らしい作品なのでね。

 タイトル曲「Show Me the Way」は2バージョン入ってて新しいサンドラ嬢のものなのでアルバムにも入っているんだけど、その間に挟まれた3曲のサビーネ嬢の楽曲、彼女特有の天使の様な優しく囁くようなマイルドな歌声がしっかりとElisのバンドサウンドに馴染みながらの「Salvation」、ミドルテンポのオーケストレーションから始まり、デス声との対比が美しさを引き立てている高尚な作品「These Days Are Gone」、ソプラノボイスが見事に天使の歌声のように生かされていて、ストリングスとの美しい調べが抒情性を煽る天上の楽曲とも言える「In Einem Verlassenen Zimmer」とバリエーションに富んだ楽曲群で、聴いてしまうとやっぱりサビーネ嬢の歌声こそが…なんて思ってしまう。こういう優しい詩による硬質なサウンドもあるんですね。







Epica - The Divine Conspiracy

Epica - The Divine Conspiracy (2007)
The Divine Conspiracy

 思えば色々と幅広い音楽を聴くようになってきたものだ。このブログ始めた時はここまで無茶苦茶な幅の広さでは聴いてなかったもん。70年代ロックはアレコレ深掘りしてたから結構節操ない聴き方してたけど、それが21世紀に入ってからのサウンドまで広げていくとは自分でも思ってなかった。そんなに刺激的で楽しいのがあるはずも無かろうって思ってたから総決算的なのもあって記録し始めたんだけど、どんどん増えていく一方で自分の好奇心の深さを甘く見ていた。もちろん自分で楽しんで広がっているんだから良いんだけど、どうやって情報をまとめていくか、ってのも結構な課題でさ、もう頭の中で整理しきれていないもん。さらに言えばそういう会話をする相手が多くはないからどんどんと脳内から消えていく(笑)。その分いつでもまた楽しめるってのもあるが…。

 Epicaって…って記憶がよぎったのでちょいとおさらいがてらに2007年の三枚目の名盤「The Divine Conspiracy」を聴いてみるが、やっぱり超シンフォニックに加えてのスピードメタリックでオーケストレーション完備、そこにデス声も加えてのスピードチューンで当然シモーネ嬢の上品で高域の歌声が被ってくる代物、このオーケストレーションとの融合の見事さがこのバンドを今でもシーンに於いている一番の理由だろう。昔はゴシック・メタルのひとつなんていう捉え方もしていたけど、今じゃ立派にオーケストレーションを含めたメタルバンドのひとつ。ジャンル的に何て言うのかは知らない(笑)。それにしてもよくもまぁこんなの弾けるな、ってのと叩けるな、ってのをつくづく思うが、そういう呆れ果て感はともかく、この時点で男女対比のボーカル込みでクラシカルなサウンドを融合させていった作品はそう多くはなかっただろう。

 本作は見事なまでにクラシカルなセンスとスピードメタルを融合させてて、ヨーロッパ特有の品格や旋律も巻き込みながらの高品位なクワイヤも当然嵌め込んで作品へと昇華していることからどこをどう斬ってもとにかくゴージャスな作品として仕上がっている。今聴いてもこのゴージャス感はなかなか出せるもんでもないだろうし、名盤の名を欲しいままにしているのは当然か。バンドのスタンスを変えずにそのままより一層ゴージャス感を増してシーンに君臨するEpicaは今のシーンでもかなり突出した存在だし、そのルーツを漁る意味でも楽しめるし、なるほどなぁ…と。





Lacuna Coil - The 119 Show

Lacuna Coil - The 119 Show
119 Show -.. -CD+DVD-

 様々な国のバンドがアメリカなりの市場を攻めようとする時、以前はアメリカの土俵に乗ってどんだけやれるか、みたいなアプローチが普通だったけど、いつしかそれを意識しなくても自分たち自身のまま、すなわち言葉も作風も曲調もすべて自分たちの国でやっているもののまま、それがどんだけアメリカで受け入れられるか、みたいな方向になっていった。Babymetalもだし、Rammsteinもそんな感じだ。そして今回のLacuna Coilは前者、すなわちLoudnessと同じくアメリカの土俵に挑んで成功を掴んだバンドとも言える。

 Lacuna Coilの2018年1月19日ロンドンでの結成20周年記念一夜限りのライブをそのまま記録したアルバム/DVD「The 119 Show」をリリース。自分的には随分と久しぶりに名前を聴いたバンドだったんで、そういえば結構面白くて好きだったな、と思いだしてYouTubeを見ながら…、ってコレ、誰?ってくらいにバンドイメージを変えていた。何でまた今はそんなメイクと衣装でやってるんだ?ってちょいと驚いたが、今でもシーンに刺激を与えていく意味で進んでいってるってことか。映像を見ているとその異様な雰囲気と、更に暗黒パノラマサーカス団を招き入れてのジョイントショウを組み上げているので、これはこれでまた新たな境地を実現している、正にイタリアならではの劇趣味が開花したショウといえるだろう。サーカスの狂気じみた雰囲気とバンドのイメージでいずれも狂い咲きピエロ的な印象を持つ。

 バンドメンバーがかなり変わっているのもあって、ギターが一本ってのだけがちょいとアレだなぁ…と。ギターソロ入るとバックの音が寂しくてね、それ以外はもう重低音とアルペジオが入り混じって、男女ツインボーカルの効果も発揮できている素晴らしいライブ。往年の楽曲にしても新し目のにしてもそのそもレベル高いから文句ないし、バンドも上手いし、それよりもフロント二人のボーカルのクォリティの高さが凄い。バンドの重い音に負けない太い歌声が強みだし、そのまま突き抜けてくる歌声はやはり素晴らしい。随分印象変わったけど、バンドの神話はそのまま生きているのでたっぷり二時間のライブを存分に楽しんだ。







Evanescence - Synthesis Live

Evanescence - Synthesis Live
シンセシス・ライヴ [DVD]

 新しいバンドだな、って思っててもそれはもう90年代のバンドだから20年以上前だぞ、ってなくらいには年月の経つのが早いなと思うようになった。00年代なんてもう超最近の話だろ、ってさ。特に音楽、ロックの事になるとそう思ってしまう。でも、そりゃもう十年単位で時間が経過していたら色々と変わってるよな、と頭では理解しているんだが、まだまだその感覚は抜けない。多分オールドリスナーは皆そうなんだろうと思うが…。その昔ゴシック・メタルをメジャーにしたバンドの筆頭格にEvanescenceがあった。アルバム「FALLEN」での衝撃的な出会いはシーンそのものを変えたと言っても過言じゃない。それくらいにインパクトがある音楽性、アルバムだったが、あっという間にメインソングライターが離脱、どうにもバンドが前に進まなくなってしまって…、ってなトコて停滞した感があったけど、その後も何枚かアルバムをリリースしてって、実はEvanescenceってバンドはエイミー・リーのプロジェクトバンドになっていた、って…、

 そのEvanescenceの2017年のライブツアーを映像化したものが「シンセシス・ライヴ」としてリリースされたが、オーケストラとの共演という事で実に気合が入っている。どころか冒頭からしてエイミー・リーがど真ん中でオーケストラを率いてピアノを弾いてて、それだけでも実にミュージシャンとしての一流さを感じられるんだけど、そこに歌が入った瞬間からもう圧倒的にエイミー・リーのEvanescenceの世界が創られていく。こんな凄い歌唱力だったんか?と疑うくらいの歌唱力の披露が彼女の最大の自信だし、Evanescenceってバンドの看板を引き受けるプライドだったのだろう。ホント、凄い歌。昔よりも太い歌声になり、声量が更に増しているんじゃないか、って思うくらいのもので、ゴシックバンドの云々がどうとかってのをすべて振り払って余りある説得力を持つ歌声。その意味ではまるでゴシック・メタルなんて無いし、そもそもメタル的な要素すらない、エイミー・リーのソロパフォーマンスだけ、ピアノとオーケストラと多少のリズムセクションだけど歌い上げられるライブ、バンド、とも言える作品だ。

 小細工なしの歌唱方法はそのままストレートにリスナーに刺さってくるし、この歌声で圧倒されない人もいないんじゃないだろうか。曲を知ってる知らないという次元は既に通り抜け、この歌声で奏でられるハートのどうやって受け止めてよいのか、みたいなところに戸惑ってしまうくらい。ホントに本気で歌ってる真摯なエイミー・リーの姿が心に刻まれる、そんな素晴らしいライブ。今どきこんだけ歌だけで感動させられるライブなんで出来るヤツいるのか?アデルが出来るくらいかな、それでもこのパワフルさはないから、圧倒的な存在感だ。それでもマイナーな世界な人なんだろう、勿体無い。この作品で世間にもっともっと知られていくと良いな。昔の名前で、じゃなくて今の凄さを知らしめてほしい。そんな素晴らしい作品。







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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2006年 12月 【31件】
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