Anna Maria Jopek & Pat Metheny - Upojenie

Anna Maria Jopek & Pat Metheny - Upojenie (2002)
Upojenie

 車でアチコチ出かける時ってのは当然何かしら音楽を流しているのだが、これが結構季節ごとに気分ごとに選ばれる代物になってて、間違っても車の中で流すべき音楽ではないってのがある。この辺を意識するまでは車の中で結構妙なのも聴いてたりしたんだけど、アルバム一枚聴くのと走る距離や気分を考えてみると、やっぱりヘンなのはダメだ、となる。んで今の夏の時期なんからは明らかにNGなのが多数あったりして、それこそブログで書かれているようなのを爽やかに聴きながら、なんて思うんだけどこれがまた案外似合わなくて(笑)。軽やかながいのないフュージョンみたいなのは別に良いんだけど、ちょっとヒネったりしたのが好きだからそういうのを聴くとやっぱり合わない。そもそもジャズ系ってのは合わないんで、はて困った…みたいになる。ファンキーなのも結構しんどくて、じゃ、何が一体?みたいにはなるのだな…。

 ブログ仲間のphotofloydさんからご紹介頂いていたAnna Maria Jopek & Pat Methenyの2002年のアルバム「Upojenie」だ。photofloydさんは女性歌モノが大好きでして、そりゃもうアルバムジャケットから歌までひとつの芸術作品として探求なさっているので、そりゃオススメされれば当然気になるワケですよ。そうでなくても日夜チェックして気になるものは山のようにあるのに…。で、このアルバム、元々はヨペックの方がパット・メセニーの楽曲にポーランド語で歌を乗せてアルバムにするんで、というコンセプトだったようで、二言返事で快諾のパット・メセニーも大したモンだが、ヨペックの心意気も立派なものだ。自国ポーランドではそれなりに絶大な人気を築いていたヨペックではあるらしいが、それがパット・メセニーにも通じたのかどうか‥、それよりも名刺代わりのアルバムなり歌声なり写真なりに興味を覚えたんだろうとは思う。

 掛け値なしにヨペックのアルバム。パット・メセニーは脇役、と言うか話題性のために存在している、とは言い過ぎだが、それくらい地味になってる。いや、地味じゃなくてそれこそパット・メセニーと言わんばかりのプレイはアチコチで聴けるんだけど、それよりも圧倒的にヨペックの雰囲気がアルバムを彩っていて、ジャケットの切なさそのままに可憐な歌声が響いてくる。ジャズボーカル作品、と言うには無国籍すぎるか、かと言ってポーランドってんでもない雰囲気は何故だろう?そこまでポーランドに詳しくないけど、自分的な意識ではもっと硬質で切羽詰まり感あるテンションがポーランド、って思ってるからかな。ある種そういう側面はあるんだけど…、いや、美しい。夜のドライブには最適なサウンドだったりします。ひとりで悶ながら聴いているととっても素敵です。

 女性ジャズボーカルの世界も深いからなぁ…、違いをきちんと文章で書ける自信がないからいつもつまみ食いして次に移っていくという聴き方ばかりしている。それでもヨペックの場合は唯一無二な透明感と無国籍感が特徴的で、これからもいくつかつまみ食いしていく人になりそうですね。




Miles Davis - On The Corner

Miles Davis - On The Corner (1972)
ON THE CORNER

 夏の夜にとんでもないブツを聴いてると絶対自分、アタマおかしいわ、って思う瞬間がある。それでもまともに白熱して文章にできるレベルのものなら、そしてここで紹介しきれるものならまだ良いのだが、今までブログ書いててここまで何をどう書いたら良いんだろ?って思ったのは初めてかもしれない。書ける言葉が見当たらなくってさ、何か困ったな…思いながらず〜っとこのアルバム聴いている次第。何かね、圧倒されっぱなしなんです。

 Miles Davisの1972年リリースの超問題作「On The Corner」。知っている方は知っているんだろうけど、マイルス・デイヴィス史上最も無視されているアルバム、とでも言うべきか、元々ジャズ界のマイルス・デイヴィスとして知られている人で、そのマイルス・デイヴィスを知っている人達からしたらこのアルバムは一体何なんだ?って頭の中真っ白になって無視するのが一番、って回答になった作品なのだ。いわゆるマイルス・デイヴィスがファンクに出会ったおかげでやってみたらこうなった、ってアルバムなんだけど、当然そんなイージーになるハズもなく、根底から全てがぶっ壊されてる。ファンクというのもソウルってのも、もちろんジャズやマイルス・デイヴィスってのもぶっ壊されてる。このブログを何回か覗きに来ている人でコレ聴いたことなければ、ちょっと聴いてみて。プログレの世界観でもかなり左に寄ってる世界だろうし、それよりも凄いだろうし、ロックの世界での問題作とは次元が違う。なんせシラフで超多数のプロミュージシャン使ってやってるんだから。

 冒頭の曲でのジョン・マクラフリンのギターが凄まじい。もちろんマイルス・デイヴィスのペットもワウ掛かってて何か凄まじい。ビートやベースはミニマルで繰り返し繰り返し…、それだけならロック的に分かるんだけど、ここに収められている何とも言えない研ぎ澄まされた熱気と言うのか、緊張感の高さとか爆発しそうな空気というか、その怖さが全編に漲ってて、これまで世界に無かったものを出しているっていうプレイヤー達の気迫、マイルス・デイヴィスの音楽家、コンポーザーとしての力量発揮、既にペッターとしてではなくシーンに投げ込んだ爆弾を作り出す姿、そういうのが全部出てきてて、ひたすらに聴きまくれる問題作。天才が作る恐るべし音楽、ジャンルを超越した圧倒的な作品はもっと早く出会いたかった。10代でコレ聴いてたら…、理解できなかっただろうし、怖かっただろうけど、凄いトラウマ残って印象深かっただろうな。出会えて良かったぶっ飛びの作品。




Herbie Hancock - Headhunters

Herbie Hancock - Headhunters (1973)
Headhunters

 ジャズの世界からすると電子楽器を取り入れたジャズというのは大きな変革で、認められる認められないという議論が今でもあるようだ。そういう自分だってジャズって言えばそりゃ昔のあの電子楽器なんぞない世界のジャズのことでしょ、って思ってるし、そこに女性ボーカルありってのは認めるけど他のボーカルはあり得ないし、エレキギターでもソリッドギターだったら違うだろ、って思う。まぁ、リスナーの偏見なんてそんなもんだ。こういうのはジャズに限らずロックでもブルースでもソウルでも何でもそういうもんだろうと思う。だからと言って進化を取り入れたサウンドがダメかというとそんなワケなくって、新しい時代を切り開いていくにはどんなジャンルであっても必要な実験精神なワケだ。

 Herbie Hancockの1973年のエレクトリックファンク転向最初の実験アルバム「Headhunters」。それでいて今じゃ名盤と謳われている傑作。で、これがジャズなのか、ってのは冒頭の議論となるのだが、ジャズだろうし、そうじゃないかもしれない。でも、ジャズベースで出来上がっているのは確かで、そこにいわゆるソウルやファンクと言ったビートをきちんと加えて聴きやすくしているという代物、曲によっては完全にジャズでしょ、って思うけどね。ただ、冒頭の曲を聴き始めるとこれはジャズじゃない、となるだろう。ミニマルミュージックに代表されるベース音のループがひたすら続き、効果的な鍵盤系がリズム的に音を鳴らす、そのループも不安定さが情緒を煽る。ん〜、なんかヘン。それでいてだんだん心地良くなってきてトリップした感出てくるんだから面白い。途中からは目一杯ジャズ的エッセンスの演奏のぶつけ合いになるんだからこれはもう…ってな作品。

 アルバム通して、っても4曲しかないけどさ、ほとんどジャズなんだよ。完全に。エレキ化してるけど、アプローチはジャズだし別にありだろ、こういうのってさ、って今なら思う。ただ、ほんとに当時ジャズ好きだったら迫害してたとは思う。今だから冷静に聴いていられるけどね。逆に純粋にこのアルバムに触れた方々はものすごく純粋に影響を受けたんじゃないだろうか。だって驚くほどに斬新だったろうし。こんなん聴いたことない、って音だったろうし。今でも斬新だもんな。いや、凄いアルバムです。



Donald Byrd - Blackbyrd

Donald Byrd - Blackbyrd (1973)
Blackbyrd

 夏の暑い中でも無理をしない程度に暑さに慣れる意味もあって外に出ておく…、それなりの時間外で活動していると暑さに慣れるものだ。もちろんずっと炎天下の下にいるというワケじゃなくて、適度に日陰に入って休んでたり暑かったら涼を取って休憩したりってのもありで、別に過酷な体育会系の縛りがあるもんじゃない。そうこうして数時間外にいるとね、うん、慣れるんだよ。その間はエアコンのあるところは入らないし。感嘆に言えば適度な時間お散歩する、って感じか。何でまたそんな暑い中を、って話だが、そうでもしないと夏の暑さをホント、実感しないんだよ。エアコン三昧になっちゃうから(笑)。やっぱね、何だかんだと夏ってのは暑いのが夏であって、それを体に染み込ませるのも必要かな、と。

 そんな暑苦しいサウンドを醸し出してくれているDonald Byrdの1973年の問題際「Blackbyrd」。問題作ながらも当時のブルーノートからのリリースアルバムでは一番の売上を誇ったと言うんだから、その問題作という意味合いも分かろうと言うものだ。大抵そういうのはコアなリスナーからすると問題なだけであって、一般的な、もしくは別のリスナーからしたら超ウェルカムなサウンドだったって事なんだな。だから売れたって事でそれが証明されたのだな。故にこういうサウンドがどんどんと市場に広まっていくワケで、それがクロスオーバーサウンド、その先にはフュージョンへと進化していく源泉ともなったようだ。だからと言ってこのアルバムがフュージョンというワケでは全くなく、かと言ってもメンツを見ると後のフュージョンシーンを彩るメンツが並んでいるのだからその関係性は自ずと測られるって話だろう。ところがここで聴けるのは圧倒的な実験的ジャズ・ファンク・ソウルの融合作で、どれはもうドナルド・バードって人がメインでやっていながらこの音?ってトコロで既に答えは出ている。

 ドナルド・バードって50年代のハードバップなトランペッターな人で、ジャズのペットしか吹かなかった人なんだよ。それが70年代になってこんなソウルやファンクとの融合で、リーダー作ながらもどっちかっつうとバンドの一員みたいな存在感でペットを吹いててアンサンブルありきのアルバムになってる、即ちクロスオーバーサウンドが出来上がっていて、しかもそれがバンドアンサンブル完璧だったりね。そんな不思議を操ったのはこれまた著名らしいミセル兄弟という方々のお力らしいけど、そこはどうも自分的にはまだよく理解していないので、そういう人たちの実験的なスタイルとドナルド・バードが意気投合して出来上がった異色作、ながらも新基軸の作品として君臨している一枚になったってことだ。聴いてるとね、面白い。何でもゴチャゴチャに入っててジャズなのかソウルなのか何なのかよく分からん。ただ、ひたすら熱くて密度が異常に濃いアルバムが出来上がっている。








Jimmy McGriff & Richard Holmed - Giants Of The Organ In Concert

Jimmy McGriff & Richard Holmed - Giants Of The Organ In Concert (1973)
Giants Of The Organ In Concert

 ロック聴いてて好きだなぁ〜ってののひとつに強烈なアドリブプレイによる各メンバー間での音のぶつけ合いっつうか、とある時には同時に戻ってきたりするのもそうだし、激しくバトルする時もあるし、みたいな白熱のライブならではのぶつかり合いが好きで、有り体い言ってしまえばライブでのクリームやツェッペリンやフーなんかがその最たる例になるのだが、もちろんその発想自体はジャズにあって、ロックもブルースから発展しているからどうしたってそういうフリーフォームな部分がクローズアップされていくことも多く、そこを激しくバンド内でやりあって高尚な域にまで持ち上げていったのが上述のバンド達とも言える。クリムゾンなんかもそうか。だからそういう世界観が他のジャンルでも出てくるとついつい聴いてても熱くなってくるんだよね。

 Jimmy McGriffとRichard Holmedの2つのバンドが一緒にライブやろうぜってことで実現した「Giants Of The Organ In Concert」。強烈なまでのインタープレイだけのライブ。もちろんジャズ上がりな方々だからそういうのが当たり前なのだが、ここで面白いのはふたつのバンドが一緒にやってるからかオルガンは二台、ギターは3台あってパーカッションとドラムってのもいたりすて、それぞれが全員でしゃばってくるというとんでもないライブの瞬間を切り取っているアルバム。大体メインがオルガン2台だからそれだけで70年代のアシッド風味を増しているし、そこに入るギターカッティングもあのファンク的なスタイルでチャカポコくるし、間を縫ってのパーカッションがこれまた自己主張強くて…、と思えばオルガンが…とかキリが無い。多分全曲単なるセッションで出来上がっているアドリブプレイの塊だと思う。テーマやらフレーズなどはその場で出来上がってるんじゃないだろうか?モチーフはあったのかもしれないけど、基本的にはもうやりっ放しの演奏し放題というとんでもないライブアルバム。

 そのくせに元々がジャズ上がりだからか、きちんとパートを回すようなところもあって、しっかりしている。もっともその間でも自己主張する人はしてくるんだけどさ、いや〜、オルガンがこんだけ出てくるとジャズ聴いてる感はほぼなくなるわ。サイケロック聴いてるような気がしてくるもんな。ベースがいなくてアレ?って思ったけど、オルガンで代用してるから良いのか、って気づいた。ここにベーシストまでいたらさらいうるさくなってただろうし…、いやぁ、面白い。こういうのが出来上がっちゃうんだ、って。んで、ある程度のリスナーからは当然評価されているという仕上がりなんだからさ、見事なライブアルバムです。




Jeff Lorber Fusion - Wizard Island

Jeff Lorber Fusion - Wizard Island (1980)
ウィザード・アイランド

 既に一ヶ月くらいフュージョン的なのをひたすら聴いてるが、もちろんその合間合間にはもっといろいろ聴いているからそれだけではないんだけど、一つの方向性だけでないフュージョンと呼ばれる世界の広さを多少分かった気がする。まだまだ聴けてないアルバムやバンドも多いし、それを混んでこれからも聴くか、と言われると何とも言えないんだが、ただこの暑さの中にこういうのを聞くってのはなかなか快感ではあるんで、夏ごとに聴く音になるのかも、とは言えるか。レゲエやダブだけでもなく、こういうのもありだね、って。もちろん暑苦しいハードロックってのもありだろうし、そりゃもう気分次第。知ってるなら知ってる方が聴くものの幅が広がるって話だ。

 Jeff Lorber Fusionの1980年リリース作「Wizard Island」、ケニー・G参加の名盤と謳われている作品らしいが、ベースのダニー・ウィルソンの時代を感じるチョッパーバリバリのフュージョンベースもかなり素晴らしい。もちろんリーダーのジェフ・ローバーの割と変態的ですらある鍵盤プレイも目立ちまくっててユニークな作品なのが分かる。聴いてて思ったのは、これこそフュージョンって感じの曲がズラリと並ぶことだ。ギターがほとんど目立たないのが残念だけど、曲とか雰囲気とかベースやドラム、編曲や鍵盤の音色なんかも含めてまさに自分が認識していたフュージョンそのまま。もしかして彼らを聴いてフュージョンを知ったんじゃないか、ってくらいにそのままなのが面白い。

 最後の最後にチック・コリアが参加しているのが多少話題になるくらいなんだろうが、それ抜きでもアルバム的にはかなり存在感あるものだろうし、各プレイヤーのフュージョンチックぶりが聴き応えある。細かいトコロがものすごく凝ってるんで、それこそケニー・Gのプレイにしても目立つんだが、そのバックでの演奏陣のプレイがこれまたなかなかに凄いとか、そんなんばっか。それでもさほどメジャーなバンドじゃなかったんだから面白い。元来もっと知られて良いバンドなんだろうけど、スタープレイヤーがいなかったからかちょいと地味に映るバンドではある。それでもこんだけの作品なんだからジャズ界ってのは深いです。

Stuff - Stuff

Stuff - Stuff (1976)
スタッフ!!<FUSION 1000>

 譜面が読めて音楽理論を熟知して、しかも音感やリズム感もしっかりしていて当然楽器も上手く演奏できるテクニックを持っていて初めてミュージシャンと言える、そういう当然の要素を持っているのがジャズやソウル、R&Bの世界、もちろんフュージョンもそうだろうけど、そういうのを無視したもの、即ち初期衝動だけでなんとな成り立ってしまうのがロック。メタルなんかは上述のミュージシャン的な要素が無いと出来ないのでもうちょっと上位に位置するのだろうけど、パンクなんてのはもちろん一番下の方のラインに位置しているのだろうと思う。もちろんその中でも天才的なミュージシャンもいるんだろうけど、多くはそうでもなくって、ってのが多いのがロック。だからロックってのは子供騙しなんだ、と言われるもので歴史に残るような音楽には値しない、というのもある。今はそうでもなくって単に好きな人が多いから歴史に残っていくのもあるんだろうけど。あ、もちろん全部がそういう話じゃないですが。

 Stuffの1976年のデビューアルバム「Stuff」。アメリカのセッション・ミュージシャンで名を馳せることになる面々が参加しており、と言うかそういうメンツで結成したバンドなのでテクニックは申し分ないしやってる音楽も高尚な世界感でのアドリブやぶつかり合いでもあるが、激しいぶつかり合いではなくアンサンブルが整った中での応酬、だからアルバムの密度が濃いものに仕上がっていて、音色も含めて独特の音世界が出来上がっている。いやいや、凄いグルーブ感にメロウでフワフワな鍵盤、ギターも甘い香りでのメロディを鳴らしてくれるし、ドラムは要所要所のキメが凄い。やっぱりスティーブ・ガッドの凄さがヒシヒシと滲み出てくる。リチャード・ティーの鍵盤の躍動感も見事で、こういう世界があるってのを初めて知った。

 ジャズやフュージョンという世界での括りではないような気がするんだよな。R&Bやソウル、ファンクの流れの中でのインストバンドという感じで、これをフュージョンと呼ぶには少々熱すぎるのでは?なんて気がする。爽やかに流れていかないんだよ。暑い夏に聞くとより一層熱くなる感じもするし、暑苦しい、とも言うか、そんな音。だから割と好みな感触感はある。実にエモーショナルなんだよね。






Richard Tee - Strokin'

Richard Tee - Strokin' (1979)
ストローキン

 ジャズから派生したフュージョンという世界観かという認識だったけど、AORが入ってきたり黒人音楽の要素もかなり入って来てて、そういえば白人がそこに入る余地っていう方が実際は少ないハズなんだから、どうしたって黒人系のリズムが強烈になってメロディが楽器で奏でられるみたいな図式になるのだろう。白人ギタリストがその世界で活躍出来ていた方が稀有な存在なワケで、それこそギター好きって観点からみたら珍しいんだろうけど、フュージョンという認識だったから、こうしていろいろとちょこっと聴き始めるとその現実の違いを実感しているトコロ。まだまだですね。

 Richard Teeの1979年ソロ名義のアルバム「Strokin'」だけど実際はStuffのメンツが相当に参加していて、特にスティーブ・ガッドとのコンビネーションの高さを誇るこのアルバムは実に躍動感溢れるリズムと秀逸なメロディを鍵盤で奏でるという傑作で、フュージョンという失礼ながら軽やかな世界とは異なり、ドライブ感溢れ、更に縦ノリ感すら漂う特異な世界観を聞かせてくれる作品になっている。どっちかっつうと高等テクニックを持った黒人同士が競い合って白熱したプレイを繰り広げているに近い世界で、決してフュージョンという類の音でもなさそう。元々がモータウンの出身でStuffからの流れだから当然ポップス界への影響もあるし、ジャズ畑との絡みの方がないんだからそりゃそうだろう。

 特に短いながらもものすごく研ぎ澄まされたビートと鍵盤を聞かせてくれるのが「Take The A Train」で鍵盤の躍動感はともかくながらもスティーブ・ガッドの入りからドラミングから凄いセンスがビシビシと聞ける見事さ。今ではロックの世界でも名前を普通に聞くスティーブ・ガッド、やっぱり凄いドラミングです。キレが良いんだよねぇ。



Spyro Gyra - Morning Dance

Spyro Gyra - Morning Dance (1979)
モーニング・ダンス(期間生産限定盤)

 ここ最近聴きまくっているフュージョン系の作品って名盤って呼ばれるものがホント幾つも幾つも転がっていて、これまで人生で触れることが無かったから余計に刺激的ではあって、まだまだ面白いのはいくらでもあるもんだ、と楽しんでいる。そのウチもしかしたら黒人系の音楽にもハマっていくのかもしれないな、同じ理由で。そういう意味では実はアメリカのロックバンドってのもさほど真面目に聴けてはいないからまだまだ知らない世界への探求はいくらでもありそうだ。好む好まないっていうのは持ち音あるけど、それなりに名を成しているものってのはそんなにひどいモンでもないだろうから、聴いてみれば味わえる部分は多いんじゃないかと。だからと言ってすぐにそっちまで行けるかってんでもないから、まぁじっくりとアレコレしながらか。

 自分でも聴くことがあるとは思っていなかったSpyro Gyraっつうフュージョン代表格のバンドの1979年リリースのセカンドアルバム「Morning Dance」。スパイロジャイラと言えばコレってくらいに定着しているアルバム、ジャケットの印象という作品だけど、中身は聴いたことがなかった。プログレの方でSpirogyraってのがあって、そっちを探している時に何度となく出会ってしまっていたことで覚えているんだけど、ものの見事にその2つのバンドの方向性は異なっているからさ、間違って買うととっても損しただろうし、そうならないように気をつけてたからさ。それが意図的にこっちを聴くんだから面白い。

 聴いてみれば、なんとも南国チックな軽快な作品で、フュージョンっていうのかな、もっと南国寄りサウンドで、ギターが目立つもんでもないから自分的にはちょっとフュージョン感少ないけど、そのスジの名盤の一枚になるようだ。それはむちゃくちゃ売れたからというのが理由らしいがその意味ではシャカタクなんかと同じようなものか。パッと聴いて軽快な南国色なんだけど、アルバムを通して聴いてみるとそこまで脳天気なサウンドばかりが入ってるワケでもなく、しっとりしたのもあるしジャケットの印象も脳天気な南国感はあるものの、よく見れば結構節語で不気味だったりというダブルミーニング的なのもあって、ちょっとヒネてるか。ちょっとロック色強めたらロック的に面白いバンドにもなったかも、という感触はする。



George Benson - Breezin'

George Benson - Breezin' (1976)
Breezin'

 相変わらず暑い日々が全国的に続いているが、自分がその暑さに慣れてしまうってことは無いほどの暑さ、人間の住む世界を超えている灼熱の暑さになりつつある気がしてて、もうじき地球は滅亡するのでは?みたいな気もする(笑)。異常気象に天候異変など世の終わりを予感させる出来事が続いて起きている、なんていい方をすれば時代が異なれば新興宗教的に世紀末を訴えてきてもおかしくない近況。そんなことを一切無視してエアコンの中に居続けることで外界との接触を絶っていればそれなりに快適な生活、ではあるがちょいと物足りない…、なんてことは出来るはずもなく、世間並みにこの灼熱の中を生きている日々。暑苦しい音楽からは離れて軽快なのを聴いている事も多くなったが、案外面白いなって思っていて、昔のロック小僧からしたら信じられないものばかりを聴けているのはなかなか不思議。それでも発見はいくつもあるし、へぇ〜ってな事も多い。

 George Bensonの1976年の出世作「Breezin'」。何が出世作ってレオン・ラッセルの「The Masquerade」のカバーで見事なボーカルを披露してからというもの、フュージョン系ギタリストのジョージ・ベンソンからR&Bシンガーのジョージ・ベンソンってギターも上手いよね、になるワケだ。この「The Masquerade」ではギターとボーカルをユニゾンさせた展開が印象に残るスタイルで、確かにソウルフルなボーカルを聞かせてくれていることで殊更に評判が高まったようだ。それ以前のボビー・ウォーマックのカバータイトル曲「Breazin'」だって爽やかなAORムードのフュージョンで、これぞBGMって言わんばかりの快活で軽快な作品が聞けるんだから面白い。ギターの音が凄く聞こえてくるんでついついこのギター何だろう?って気になってくる。ハコギターなんだろうなぁとは思うけど、ハコ系って全然音がわからないから何、って特定できないけど、ムーディな音色だなって聴いてた。

 他の曲にしてもギターだけでなく、ボーカルも他の楽器類もきちんとフューチャーしてあくまでも軽快で軽やかな雰囲気で作られている作品。時代的にはフュージョンからAOR、そしてポップス領域への進出を目論んだ意欲作として知られているらしいが、それならジャケットもうちょっと何とかしろよ、とか思うのはともかく、中身の音はなるほど、見事な一枚。こんな暑い日々に聴いていても爽やかに聞ける。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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