Atoll - L'Araignee-Mal

カテゴリー: European Rock

 ユーロロックへの道標として挙げられる作品群の中には必ず入ってくる定番作品というものがいくつかある。自分的にもほとんどそこから素直に入っていて、なかなかわかりにくかったユーロロックの世界への扉を開けてくれたのは概ねそういう作品だ。普通のロックならばどこかで聴いてかっこよかったから、とかいうので探して聴けただろうがユーロロックともなるとやはりそうは行かないものだ(笑)。英国のプログレを漁っているとだんだんとそういうものに出逢うようになってくる。レコードの餌箱漁っているとプログレの次に必ずユーロロックというコーナーがあるのでついそのまま見てしまうのでジャケットだけは結構覚えていたりする。いまだにジャケットだけが鮮明で中味を聴いていないのもいっぱいあるもん。

組曲・夢魔 ミュージシャンズ・マジシャン

 スカッとハズしてフランスのプログレッシブバンド、アトールの超代表作で1975年リリースのセカンドアルバム「組曲・夢魔」。まぁ、日本で売り出すときに使われた宣伝文句が「フランスのイエス」だったので、どうしてもそういう先入観があるんだけど、聴いてみるとあまりそんな風には感じなくって、もちろんイエスらしい緻密さはあったりするので全体感としてはあるけど、もっと柔らかいっつうか、ほわぁ〜っとしてる部分がある。音色の問題かもしれないしバイオリンのせいかもしれないけどね。あ、多分フランス語のせいだ(笑)。

 何というんだろうね、こういう音世界は。メルヘンチックな空気に包まれた透明感溢れた音で、どの楽器も自分を主張し過ぎていないためにバンド全体の音として非常に聴きやすいソフトチックな空気が流れている。そしてテクニックは恐ろしく正確なのでその辺は安心なんだけど、だからこそ面白味という部分では難しいのかな。いやぁ、よく出来てる。冷淡なまでの音の洪水はシンプルなロックファンを寄せ付けない、知的なリスナーの琴線に触れるべく音作りが成されていて、サウンドコラージュも散りばめられた決して冒頭に書いたようなユーロロックの名盤として誰もが気軽に聴いて楽しい音、ではない(笑)。この世界にハマり込む人達には相当に絶賛されるアルバムというのは多分確かで、構築美が素晴らしい。アルバム全体を通して似たような曲調が並ぶという難点はあるものの、やっぱり安らぐ音世界だしね。

 やっぱ難しいなぁ、こういうの書くのって。音のひとつひとつまで知り尽くしていないと書けないかも。趣味で言ってしまえば、あんまり聴く作品じゃないのも事実。途中で飽きちゃうんだよね。名盤に対して失礼ではあるんだけど、ちょっと小難しいというか、ね。ただ、やっぱり聴いておくべき作品ではあるよな、と。

 あかん〜、思考分裂してる〜(笑)。

Formula 3 - Songnando E Risognando

カテゴリー: European Rock

 何だかんだと言って自分ちにイタリアもののレコードやCDって結構あったりするんだなぁと我ながらびっくりした。っつってもそんなにマイナーなものがあるワケじゃないのでメジャーものだけの話なんだけど、あぁ、これもイタリアじゃないか、ってな感じで頭の中で整理されていないだけなのかもしれない(笑)。うん、それならば思い切りイタリアンのバンドで書こうじゃないかって思って名盤登場。

夢のまた夢(紙ジャケット仕様) 神秘なる館(紙ジャケット仕様)

 1972年発表のサードアルバム「夢のまた夢」。まぁ、言わなくてもわかるわな(笑)。大作志向のプログレッシブロックらしい作品で、しかもギターが歪んだ音で結構迫ってくるのがロック好きには聴きやすい。ま、それだけでなくって多様なストーリー展開もあるからドラマティックにも楽しめるんだけどね。

 「叙情的」って言葉が似合うアルバム。ユーロロックに手を出してすぐくらいの時に聴いたんだけど、これは凄いなぁと思ったし、ロックだ〜ってのももちろん感じたしね。もっと白々しいかと思ってたけどそこまでじゃなくてもの凄くツボにハマる範囲内での白々しさなのでよろしい。ま、何よりもテクニックの確かさがこの手のバンドの一連の凄さであって、イタリアから出てきてる著名なバンドはどれもこれもテクは凄いんでその辺はどうしてもテクニカルになってしまうね。その上で面白い音かどうか、だからちょっと他のロックと聴き方が違うんだというのもわかってきたし。

 このアルバムはねぇ、やっぱりみんなで楽しく聴くアルバムではない(笑)。皆が皆一人で感動して聴いて話し合う、みたいなアルバムなんだよ。ホラ、名盤ってみんな聴いてるから一緒に聴いてもいいんだけど、そういう類じゃないっつうかさ。ま、いいや。

 えっと、大作志向4曲入りだけど、組曲形式なので実質は12曲くらい入っているってとこだね。メドレーで繋がっていく形式の組曲もあるけどスパッて切れて次の展開ってのもあるから、そんな感じなんだけどその分歌部分が少なくなってる。イタリア語の歌って凄く熱い感じがするから面白いんだけどね。ま、逆にイタリア語が多いと世界でブレイクできないってのもあったのかな。しかしドラマティックっつうか盛り上げ方盛り下げ方とか叙情性とか巧いよなぁ。

 ジャケットについてはアート的と言えばアートなんだろうけど、中味との意味合いまではよくわからん。腹が引き裂かれている裸の女性っていうだけなのか…、邦題の「夢のまた夢」っつうのからしても相反しているような気がするんだけど(笑)。

P.F.M - Chocolate Kings

カテゴリー: European Rock

 何となくイタリアな気分なので立て続けにイタリアもんを聴いてみようじゃないか、ということで適当にゴソゴソ…。相変わらず自分ちの棚が楽しく見える。なんだっけ、これ?みたいなのもまだまだあるんだなぁ…といつものことだが本筋を忘れて横道へ横道へ逸れていくのだが、途中で引き返す。ま、そうやって漁って音楽を聴くのが一番楽しいんだけどさ。んで、ひっぱり出してきたのが何ともメジャーなアルバムです。

チョコレート・キングス(紙ジャケット仕様) L' Isola Di Niente

 1975年リリースのスタジオアルバムとしては5作目となる「チョコレート・キングス」。P.F.Mって1971年のデビューとのことなのでここで5枚目ってのはかなりのペースでアルバムリリースしてるし、多分もの凄くバンドの中が熟していたんだと思う。まぁ「」で世界的に有名になり続く「L' Isola Di Niente」ではP.F.Mというバンドのひとつの方向性を出したワケなので全盛期であることに疑いはないけどね。そしてその野心を強化するべく「チョコレート・キングス」ではもう一人英語力の強い元Acqua Fragileのボーカリストを一人追加。これがなぁ、なんかピーター・ガブリエルとかフィル・コリンズみたいなのであまり好きじゃないタイプの歌声なんだけど、その分作品の質の高さが上回っているから、まぁ、まだ救われてる。

 アルバム自体はもうねぇ、もの凄く安定しているのでありきたりの言葉でしか書けないけどシャープでソリッドでテクニカルで完成度の高いものなので普通にロック好きな人なら気に入るだろうと思う。ただ、何故かどっぷりと何回も聴いてハマり込める深さは自分的にはあまりない。何でかは知らないけど、もの凄く熱くなれるかと言われるとそれも割となかったりするサウンドでね、やっぱどこかアンテナに引っ掛かりきらないってのがある。不思議だ。でも好きなのは好きなので…。

 アルバム中の傑作は最初の「From Under」っていうのとタイトル曲「チョコレート・キングス」だと思うし、実際にタイトル曲「チョコレート・キングス」はスリリングに楽しめる曲なんだけど、昔で言うB面の最初を飾る後半の曲では大作二つで締められていて、やっぱりこういう風になるとP.F.Mは強い。イタリア的ドラマティックさを露骨に出せるから、聴いている側もその世界に騙されてもいいかな、と思えるくらいで(笑)。まぁ、しかしテクニックは凄いなぁ。楽曲アレンジや才能ももちろんなんだけど、やっぱ全盛期のバンドの音なだけあってどこを切っても素晴らしいの一言。白熱したサウンドに引き締まった演奏、ジャケットに象徴されるユーモアセンスも見事なものだし。

 いや、何回もP.F.Mにきちんと取り組もうと思ったんだけど毎回途中挫折していて聴くアルバムが3〜4枚に限られてしまっているのが自分ながら勿体ない。やっぱりこれもまだまだトライするべくバンドだな(笑)。

Il Baricentro - Sconcerto

カテゴリー: European Rock

 ソフトマシーンのジャズロック、フリージャズへの傾倒はもちろん演奏する側の楽しみ追求なワケで、そういうバンドも多いんだけどやっぱり楽器を演奏するモノにとっては非常によくわかる解釈(笑)。それでももちろん自己満足だけでは終わっていけないっつうのもあるし、演奏する側が納得いくくらいのレベル感じゃないと聞いている側はそれを素晴らしいと感じにくいと思うんだな。まぁ、古い発想ではあるので今時の音楽では全部繋いであ〜だこ〜だと作り上げるってなもんなんだろうけど。そんなことで何気なくラックを探してフラフラ…、あ、こんなのあったなぁ、と。ソフツに影響されて久々に聴いてみたい、と。

Sconcerto Trusciant

 イタリアのバンドIl Baricentroの1978年リリースの作品「Sconcerto」。っつってもこれくらいしか有名な作品はないんじゃないだろうかと思うんだけど、まぁ、その筋の人達はどれもこれもお持ちだったり来歴もあったりするのできっと詳しいトコロはあると思う。セカンドアルバムに「Trusciant」があるかな。自分的にはこの一枚しか持ってないんだけど、正直、どんなんだっけ?ってくらいにしか記憶がなくって、確かフュージョンみたいなジャズみたいな…という程度の印象なので再度発掘して聴いてみました。

 初っ端からエラくかっちょよいじゃないか。変拍子でこれほどシャープでタイトに迫ってくるのもそうそうないし、一説で言われているように確かにソフトマシーンをもっと派手にしている感じだ。ただ、最初に聴いて耳に付いたのは音。時代的に1978年ってのもあるんだろうけど、ドラムの音とかが妙にあの80年代サウンドの音に近くて、70年代のナマい音じゃなくってさ、明るいんだよね、とっても。そういう作りにしているのかな、わざと。どの楽器もなんか煌びやかな音で録音されていて、楽曲とか演奏とかは割と良いんだけど、そういう音質面が非常に聴き慣れない。イタリアだからか?いやいや…、改めてエンジニアさん達の苦労を知ったと言う感じですな(笑)。

 アルバムはですなぁ…、どうやらギターレス、ツインキーボードというのも売りなようで、ベースもかなり自己主張していてドラムもサクサクと走っているのでバランスは相当良いんだが、ジャズっていうほど暗くはないと言うのか、もっとロック寄りの話で、ロックやってる連中が派手にジャズをプレイしました的なバンドの印象なので、曲は確かにジャズ調だしテクニックも申し分ないんだけど、軽い。深みがないのがちと個人的には「?」なんだけどそういう軽さも聴きやすくて、意外とBGM的にはかなり聴ける感じだ。

Magma - Kohntarkosz

カテゴリー: European Rock

 ザッパがアメリカの奇才として知られるならばマグマはフランスの奇才集団として知られている、と思いたい(笑)。いやぁ、変拍子や音楽的コンセプトというかストーリー仕立ての展開と独自の解釈、そして恐るべきテクニカル集団という意味でも両者は甲乙付けがたいと思うのだがさすがに文化の違いと方向性の違いは大きく、ザッパが明快で底抜けに楽しめる音楽であり、マグマはもちろん重く深く沈みこむ世界を構築しているという正反対。しかしどちらもコーラスやサウンドで世界を創り上げているという点では全く同じことなのかもしれない。…などと書くとマグマファンには怒られそうだが…。

Kohntarkosz Mekanik Destruktiw Kommandoh

 1974年リリースの名盤「Kohntarkosz」。前作「Mekanik Destruktiw Kommandoh」で構築した世界を発展させた、というかもちっと落ち着かせた感じのする作品なんだけど、それでもやっぱりヤニック・トップのベースのうねりはもの凄い。いや、それよりもだなぁ、何なんだ、この圧倒的な音圧と世界の深さは。よくよく聴いているとコーラスはいっぱい入っていて荘厳なんだけど、歌詞らしい歌詞はほとんど見当たらないという変わった作品で、いや、彼等にしては普通なんだけど、一般的には変わっているでしょ。これもなぁ、聴いてない人には想像つかない音かもしれないけど、変則的に構築された音世界にコーラスを加えていって荘厳さを出しながら、そして世界の終わりを感じさせるように畳みかけてくるというもので、プログレという陳腐な言葉の中に入れるべき音楽世界ではないっす。

 ただし、一人で没頭して聴く音楽であることは確かなので、決して他人と一緒に共有しようなどとは考えない方が賢明かと…(笑)。そういう意味ではクリムゾンなんかも一緒なんだけどさ、ま、そういう音。それで曲をある程度覚えてしまうと何て心地の良い世界なんだ〜と更に一人で籠もって聴くようになるワケですな。

 いや、そんなことはさておき、この「Kohntarkosz」というアルバムは彼等の4作目の作品ではありますが、ここら以降からちょっとサウンドが変化していく…というかそもそもサウンドが変化し続けていくバンドだったので指向性そのままなんだけど、でも以降も名盤をリリースし続けていて、この頃のライブ盤なんてのはどれもこれもぶっ飛びもので最高。

 なんつっても大作1曲が二分割されているのと小曲二曲という構成で、特に前半の「Kohntarkosz Part.1」は「ド〜レ〜ミ〜」っつうコーラスがひたすら迫ってくるものだけど、「Kohntarkosz Part.2」はもう静寂から激動へと見事に世界を表した作品で、曲事に優劣を付けるものでもないけど本作の目玉曲でしょ、当然。残りの小曲群にしてもなんつうのかな、すべてが終わった後の興奮を抑えてくれる余韻のようなもので、これがなかったら興奮しっぱなしだったんじゃないかっつう意味で非常に重要。それでもだんだんと盛り上がってしまうので、アルバム全編を通して非常〜にいやらしい世界を音で表現している(笑)。まぁ、こういうので興奮してくる輩ってのも非常に少ないとは思うのだが作る側はそういう意識で狙ってると思うなぁ…。

Slapp Happy - Sort Of

カテゴリー: European Rock

 アヴァンギャルドの定義って何?そう言わせたくなるバンドも中にはあって、これってポップスに近いじゃないか、ってのを実践していたのがスラップ・ハッピーというバンド。英国人のアンソニー・ムーアとアメリカ人のピーター・プレグヴァルっても名前がアメリカ人じゃないからなぁ…(笑)、それにアンソニー・ムーアの恋人だったドイツ人のダグマー・クラウゼの三人で創り上げたバンドで、不思議なんだけどドラムもベースもいないのにどうやって出てきたのか…、よほどアンソニー・ムーアの才能が光ったんだろう。

ソート・オヴ(紙ジャケット仕様) Casablanca Moon/Desperate Straights

 1972年リリースのデビューアルバム「ソート・オヴ」、バックの演奏はどういう交流があったのかわかんないけどファウストの面々がやっている。まぁ、その世界って結構狭かったりするのでアヴァンギャルド志向の人達が一緒にいてもおかしくないんだけど、その時点でなぜスラップ・ハッピーがアヴァンギャルドに属していたのか?まぁ、やっている当人達には単なるヘンなバンド仲間って感じなんだろうけど、不思議なアングラシーンだったんだねぇ。ファウストの面々にしても恐らく鍵盤と歌だけが入れられたテープを元にここまでのバックが付けられているだろうから、さすがにヘンな才能に秀でていたミュージシャン達なことが証明されているんだな、これ。

 しかしそれよりも凄いのはやはりダグマー・クラウゼの歌声。天使のように聞こえてしまう澄んだ声で妙〜なバックのサウンドとは全く異なる異質なポップメロディを歌い上げてくれる。このファーストアルバム「ソート・オヴ」ではまだもう一人のピーター・プレグヴァルの歌もかなりフューチャーされているのでそれも不可思議な世界を作ってくれているんだけど、これってホントにアヴァンギャルドか?そう思えるくらいこの変なバンドは万人にオススメできるものなのだ。

 でも、ヘン、だけどね。

 何がなんだろうか?リズムもメロディもベースもあるしちょっとカラフルに彩られた音色が入っているだけで、一体何がヘンなんだ?メンツだけで決めていないか?という側面も大きいと思うけど、実際聴くとやっぱりどこかヘン…。このアルバム「ソート・オヴ」は後の「Casablanca Moon」の素晴らしさには劣るが、そんじょそこらのバンドからしたら圧倒的に素晴らしい質の作品なのだ。どれもこれも愛らしい歌声が良くてね。

 でも、ヘン(笑)。


Faust - Faust IV

カテゴリー: European Rock

 クラウトロックそのもののタイトルを冠した曲を一曲目に配した正にクラウトロックの代表格でもあるファウスト。1973年リリースの4枚目のアルバムは見事にタイトルも「Faust IV」だし、ジャケットは五線譜の羅列だし、そもそもファウストってかな〜りゆるくていい加減なバンドだったらしいとは聴くけど、この「Faust IV」っつう作品を聴くとそんなことどうでもよくなってきて、ミニマルミュージックの音の洪水に飲み込まれてしまう。一般的なクラウトロックと違って割と温かみのある音色で迫ってくるので肌触りが良いのかな、などと勘違いしてしまうような音だ。

Faust IV ファースト・アルバム

 1973年リリースのタイトル通りファウストの4枚目「Faust IV」で、衝撃的な「ファースト・アルバム」からはかなり発展した音とも云えるワケで、一般的な感覚では理解しがたい発展系ではあるんだろうけど、紛れもなく発展している。何といっても音楽らしきものをやっているのだから。しかもそれが高度にコラージュされ、その中でもきちんとミニマルしていて反復ビートも心地良く流れている…、最初期のあの攻撃的なサウンドコラージュだけではないのだ。

 な〜んて知ったかぶって書いてもねぇ(笑)。いやぁ、どんなんだろう?って気になって聴いているだけなので歴史的な背景とか音楽的なバックボーンとかアルバム毎の推移なんてよく知らないんだけど、「ファースト・アルバム」は衝撃的だったからそこからどうなったんだろ?っていう興味が今回聴きたくなったきっかけだね。もしかしたらピンク・フロイドの「狂気」も超えてしまう作品を作り出せたかもしれないバンド…とまでは言わないけど、少なくともフロイドよりも先にこういう世界に到達していたバンドだし、ユニークの塊でもある。

 多分これもハマる人はハマるんだろうなぁ…。静かなトコロで一人ひっそりと聴いていたら面白くなってくるし、どことなく愛着が沸いてくるし、しかもサウンドコラージュが絶妙に入ってくるから幻想の世界にも入り込むし、楽しい…。ん?ヤバイか?自分…。ファウスト聴くならこのアルバムからが一番わかりやすいかもしれないなぁとも思うけど、結局全部聴かないとわかんないし、聴いてもわかんない、かも(笑)。ただ、実験的且つ攻撃的なことはどれも一緒なので、それってロック、だよ。

 しかしYouTubeでライブ映像なんてのがあって見てみると結構普通のロックバンドなんだけどなぁ…。

Can - Tago Mago

カテゴリー: European Rock

 クラウトロックと言っても幅広い…、アヴァンギャルドと言っても幅広い…、う〜ん、あまり極めたくないと言うか極められる世界ではないなぁと今の自分は思う。ただ、その主旨はロックとかパンクとかと大して変わらないと思っていて、所詮表現の違いなんだろうというのがあるから違和感はないんだよね。何かをぶつけたいだけ、みたいなのは伝わってくるからロックの世界でも受け入れられる人が多いんだと。しかしアヴァンギャルドの方向性ってある意味難しいだろうなぁと立て続けに聴いていると思う。

Tago Mago Future Days


 1971年リリースのサードアルバム「Tago Mago」。「Future Days」という最高傑作が知られるカンだけど、初期の実験的精神旺盛な頃の名盤としてはこの「Tago Mago」もよく挙げられるらしい。自分もカンを知ったのは多分この「Tago Mago」だったもん。ダモ鈴木という日本人が参加しているというのも日本ではウケが良いんだろうけど、この時代にこんなアヴァンギャルドなことをやる日本人がよくもまぁ、ドイツに行ってて、しかもこんなバンドのメンバーと知り合うものだと不思議な感じ。実際はカン側がダモ鈴木氏の街頭パフォーマンスを見て勧誘したとか…、まぁ、それでも奇遇な出会いだよね。運命なんだろうな。

 それで、音の方はだな…、サウンドコラージュとか何かよくわかんない音が鳴っているのではなくってしっかりと音楽してます。バンド形態のドラム、ベース、歌がちゃんと機能しているので、しっかりとロックバンドとして聴ける…ハズ。しかしまぁ、ビートが効いてるとかじゃないし、英国のプログレというような世界でもなくてもっと破壊的で攻撃的な音…、精神的に、っていう意味で。硬質で乾いた音の中に冷たい歌が情熱的に歌い上げているという不思議な構図で…、アナログ時代には二枚組でリリースされていた大作なんだけど、これさ、一気に聴けてしまう力強さがある…。なんでだろ?引き込まれるんだろうな、この世界に。単調さはもちろんあるんだけど意外さも展開もそこに含まれていて雰囲気に流されるというようなものじゃなくてしっかりと音が追っていけるからこそ時間を感じないっつうか…。

 3曲目の「Oh Yeah」という曲ではダモ鈴木さんが日本語で歌っているんだけど、全然わからん(笑)。完全に楽器のひとつとして歌が機能してしまっているからだろう。んで、何と言っても圧巻だ〜ってのは「Peking O」っつう曲で…、最初から異常な緊張感の中に叫び声が反響しながら迫ってくる恐怖…、うわぁ〜攻撃的だ〜と感じるんだけど、これってパンクより凄いぞ…。人間の精神世界の怖さと言うのか、もの凄く冷徹に硬質な音が迫ってくる…。凄い…。叫び声とピアノのジャムセッション、そこにリズムマシンが絡む…。

 ただ、こんなの毎日聴いてたら病み付きになるからヤだな(笑)。しかしアマゾンみるとホント何回も再発されているし、売れてるんだろうな…。凄い世の中だ。

Kraftwerk - Kraftwerk

カテゴリー: European Rock

 クラウス・ディンガーが過去に在籍していたバンドとして有名なクラフトワーク。う〜ん、書いてしまうと非常に簡単な言い方なんだけど、自分的にはそれを知った時って結構驚いた。何がって、クラフトワークって70年代後期のバンドだと思ってて、それこそYMOとかと同じ頃にヨーロッパで活躍していたっつう感じで認識していたので、それがクラウス・ディンガーが過去に在籍していたってどういうこと?みたいな(笑)。ノイ!の方が早いと思ってたもんなぁ。結局クラウス・ディンガーはクラフトワークになってすぐに離脱したみたいで、すぐに「ノイ!」を組んでリリースしているんだよね。だから不思議なもので、まるでEL&Pのグレッグ・レイクがクリムゾンにいた、みたいな感じで、どっちもビッグネームなワケだ。

Kraftwerk The Man-Machine
 1971年リリースのクラフトワーク最初のアルバム「Kraftwerk」。この時点で既にクラウス・ディンガーは不在なのだが、後に「The Man-Machine」などで聴かれるテクノポップなどというようなサウンドを最初からやっていたワケではないことがよくわかる、実験的サウンドの塊。ただ、一連のクラウトロック系のアンビエントな音からしてみたらかなりポップなのでそういう意味では十分にメジャー作品として聴けるのだが、本人達からは完全否定抹消されている作品らしく、未だにきちんとした形でCD化されていない模様。アマゾンとかで買えるのはイタリアのレーベルがリリースしたブツで、まぁ、オフィシャルっちゃぁオフィシャルだけどね。

 音的には、別に聴いても聴かなくても害のないものなんだけど(笑)、かなり固定された楽器の中で実験的にテーマを奏でているようなもので、不思議と暗さとか重さというものは感じない。淡々と垂れ流される無機質な音、うん、きちんと音楽しているのでその辺聴きやすい。後のテクノポップ路線へのシフトもよくわかる音。だけど本人達否定するように決して作品的にという意味ではないなぁ(笑)。好きな人は好きになるだろうけど、それにしては稚拙かもしれん。そこで以降の路線と傑作を発表していくワケだな。それにしてもコンセプトがしっかりしているバンドだったものだ。そして今でも現役で活動しているってことは既に40年近くやってるってこと?うわぁ〜、知らなかった。そんなに長いんだ。

Neu! - Neu!

カテゴリー: European Rock

 何とはなしにジャーマンロック…クラウトロックというものに接したくなった。接する、というのは音楽を聴くという感じではなくってやっぱり接する、なのだ。ロックって深いなぁ〜と思う世界を久々に体感♪ ドイツ産ロックだからジャーマンロックってのでもなく、ドイツのプログレだからジャーマンロックってのでもなく、ジャーマンロックって不思議な響きと意味合いがあって、更にクラウトロックとなると正にプログレではない、はずだ。プログレッシヴを超えてるんだもん(笑)。アヴァンギャルド、ってのともちょっと違って…、何というのかミニマルミュージックが相応しいのか果たして云々…。

ノイ! ノイ!2

 「ノイ!」と読むハズだ。英語の意味は「New」なのだろう。先日このバンドの中心人物のクラウス・ディンガーが亡くなったとのことで、あちこちでこのアルバムジャケットを目にした。う〜ん、これが1971年リリースのファーストアルバムなんだけど、誰が好んでこんなのをメジャー配給でリリースしたんだろうか?まぁ、聴きようによってはリラクゼーションの部類に入るサウンドなのかもしれないけれど、ロックの世界で聴くと、そして間違った入り方すると「へ?」ってな音にしか聞こえなくて絶対一般化されるはずのないサウンド、でしょ。

 ところが音楽の不思議な世界、そして嗜好性の不思議な世界が化学反応を起こした時、またはそんなタイミングの時に聴くとだな、これが非常〜に心地良かったりして恐ろしい。自然のリズムというか感性に響くというか、天然の奏でる音なのかあまり深く解明できるものじゃないけど、快感にすらなってくるから恐ろしい。勘違いされると困るので一応書いておくが、サウンドコラージュが散りばめられた音なので普通の音楽ではありません。そこには歌も歌詞もギターとかそういう音もなくて、メロディであるのはベースくらいか?まぁ、鍵盤もあるっちゃぁあるが、期待するようなものではない。

 これさ、最初の「ハロガロ」っつうのからして10分強なんだが、心地良いんだ〜。おかしいんだけどさ、集中して聴いてしまうんだよ。これを愛聴盤とする人って多いんだろうと思う。ただ非常〜にインドアな世界なので何とも言えないが…。ハンマービートと呼ばれる類のものらしいんだけど、やっぱりハマる人にはハマるね、こういうのは。

 う〜ん、クラウトロックの世界、やっぱ深いわぁ〜。