Santana - Abraxas

Santana - Abraxas (1970)
ABRAXAS

 ギターを歌わせるってのはやっぱり簡単ではないと思う。アグレッシブにギターの持ち味を存分に出していくってのはまだやりやすい部分はあると思うけど、歌わせる、即ちギターが泣き叫んでいるかのようなメロディを弾きまくり呼吸をしているかのように奏でるというのはそういう音楽スタイルでなければ出来ないというのもあるけど、なかなかそっちには行かないしね。フュージョン系のギタリストが割とそこに近い位置にある気がするかな。

 サンタナの1970年出世作二枚目のアルバム「Abraxas」。ご存知「Black Magic Woman」が入っているんで知られているし、それよりもやっぱりウッドストックでのパフォーマンスの後にリリースされているってのもあってリスナー側からはかなり期待のアルバムとなった時代背景も大きいだろう。そして、あのパフォーマンスで見せたようなラテン・ロックの中でギターを歌わせるという全く新しいモノを見せてくれたという期待感、何だあれ?みたいなのがあったんだと思う。それでいてまだ皆が知らなかったラテンな雰囲気と綺麗に奏でるメロディラインをギターで弾くという、そんなところが斬新だった時代。どこか宇宙的神秘的なアルバムジャケットも宗教的で不思議感を味わせてくれたものだ。

 この手の音楽ってやっぱり一般的には鳴り得なかったんだろうけど、それでも時代背景によって結構売れたようだし、それで知名度も上がり、おかげでFleetwood Macも株が上がったってモンだ。今聴いててもやっぱり斬新なスタイルでの音楽だと思うもん。こういうの聴いてると何で70年代の英国のあのヘンのB級ロック路線の連中がやってた何でもありなロックのどれかが当たらなかったんだろうか?とも思う。このサンタナだって十二分にヘンテコなワケだし。本当の音楽のセンスがポイントなのだろうか、B級感なんてまるでなく、ダントツに唯一無二の世界観を早々に出しているアルバムで、いつ聴いても新鮮な作品。



Tower of Power - Live & in Living Color

Tower of Power - Live & in Living Color
Live & in Living Color

 そうそう気分になることもないのでこの機会に黒いの幾つか聞いておこうかな、と思って名盤と呼ばれるライブアルバムを片っ端から聴いてみた。名前は知ってるしアルバムジャケットも知ってるから、あぁ、これか…という感じで聴くんだけど中身は知らないし、そもそも好みではないだろうからなぁというのがあってどんなもんかと。案の定、それらの幾つかはまるで好みに合わず、どこが良いのかさっぱり分からないままでアルバム全てを聴くこともなく、自分の未熟さを認識しながら後回し。結局こういうの良いな、って思うのは強烈なファンクビートが聴いててギターがそこそこ以上に活躍していてノリが強烈なもの、更に言えば白熱しているもの…、まぁ、自分のロック感で言えば「ガツン」ってヤツだな、そんなのばかりが聴けたアルバムだった。結局好みはそういう所に偏るモンなんだなぁと。

 Tower of Powerの1976年のライブアルバム「Live & in Living Color」。ま、ほぼ黒人ではないんだけど一応混成バンド、古くは60年代終盤からの活躍で自分的にはフィルモア全盛期の立役者の一人でもあるというバンドという認識。今回の作品は1976年なのでそこからはかなり成長しているものだけど、そりゃもちろんそのまま時代を進んでいるんだからパワフルになってるのだろうという思いもあって取り組んでみた。うん、やっぱり史上最強のホーンセクションと言われただけのこともあって、強烈なファンクビートを聴かせてくれるのと、もちろんギターの味わいの楽しみがある。ここまで来るとアメリカンだの何だのってのを超越しててここでしか出せないだろうってくらいの音になってくるから面白いね。

 ロックにも多様なスタイルがあることを考えると黒人系でももちろん多彩なスタイルがあるワケで、それを一括りに黒いのはと括っていたのもちょいと乱暴だったかと思うが、こういう変則的なバンドに出会うとやっぱりロック的要素が強くてユニークだなと思う。実際このユニットは色々なミュージシャンとのセッションが盛んに行われていくことにもなって、その知名度を広げていった面も大きいし。それもこれも実力ありきのお話だけど、このアルバムは冒頭から強烈に盛り上げてくれるし最後は23分にも渡る一大ジャムセッションを収録しているという時代ならではのワザ、これがまた心地良く聴けちゃうセッションなんだな。





Frank Zappa - Baby Snakes

Frank Zappa - Baby Snakes (1979)
ベイビー・スネイクス [DVD]

 下積み時代があるミュージシャンが大成した後、その下積み時代を辿ってみると案外真面目にやってたとかこんなことまでしてたのか、とか案外変わらないなとか色々ある。もちろん下積みがあったからこその今の地位だったり仕事だったりするんだから職業としては必要な経験だったことは間違いない。それでもやっぱりそういうのを聴いていたり見たりすると、へぇ〜、なんて思ってしまうのも多いのは事実。

 Adrian Belewが最初に出てきたのは多分Frank Zappaと一緒にやり始めた時だろうと思う。んで、映像で見る方が圧倒的に面白さが増すのはZappaのいつものことなので「Baby Snakes」を。これ昔全然見つけられてなくて見れなかったんだよな。見つけても輸入盤だから字幕ないし、ザッパのは字幕ある方が絶対楽しいし、結構探し回ったけど結局見つからなくて輸入盤見てた。今は普通に字幕付き盤あるんだろうし、楽しみ倍増だろうね。ぜひそっちをオススメします。レコードも出てるんだけどこれがまた8曲くらいしか入っていないという見事に映像のサンプラーなので圧倒的に映画を見ることをオススメしかない。音だけだととってもストレスが溜まるし、ブリューの頑張りやボジオのアホさ加減も楽しめない。もちろん主役ザッパの圧巻ギタープレイも存分に楽しみたいしね。

 とは言っても映画の方もクレイアニメや楽屋のアホな会話とか結構入ってるから純粋に音楽的にザッパを楽しむという意味では抜粋版なんてのもあって良いのかなとは思うけど、まぁ、長いのを見ている分にはそれは楽しめるから良いでしょう。そしてブリューの若さが面白い。歌も結構歌ってるし、アホも結構やってるしギターはたまにザッパとユニゾンする程度で後は効果音だったりシンバル持ったりしてるからワケ分からんけど、しっかりした音楽基盤があるのは分かるし一生懸命やってる姿もいいしね、フロントで他のメンバーにもヒケを取らずに堂々とやってるのも凄い。ただ、他のメンツのアホさ加減が凄いから埋もれちゃうけどね。やっぱボジオのキャラが強烈だわ。



The Doors - The Doors 50th Anniversary Deluxe Edition

The Doors - The Doors 50th Anniversary Deluxe Edition
ハートに火をつけて(50thアニヴァーサリー・デラックス・ジャパニーズ・エディション)<SHM-CD>

 しかしまぁ今でも昔からあるアルバムのジャケットを新譜作品のコーナーで見かけることの多いこと多いこと。リマスターからリミックス、デラックスエディションからDVDやBru-Ray盤など含めて抱き合わせ販売も普通にあって、何がなんだか分からないんだけど、知らないアルバムじゃなかろうっていうのは確かだからいきなり飛びつくことはない。でもやっぱり中身を知ると気になるよなぁ…ってのも多いし、なかなか悩ましい。一体今はいつの時代なんだ?ってくらいに古い作品のジャケットがショップを賑わしていることもまた当たり前になってきたか。オールドロックリスナーには嬉しい事ではあるけどね。

 The Doorsの永遠の名盤「The Doors」のデラックスエディションがリリースってことで、何と50周年記念って…、そうか、1967年のアルバムリリースだから50年経ってるってことか…、そりゃ凄い。自分がロックを聴き始めてから割と最初の頃からずっとDoorsなんてのはそばにあって普通に聴いてたからこの50年間もきっとそうだったんだろう。さすがにクラシックと同じ音楽になっているハズだ。とは言ってもここ十年近くはまともにアルバム単位できちんと聴くってことも多くはなかったし、久々に聴くという意識を持たせるにもこういうリリースは良いことなのだろう。自分的には恥ずかしながら今回のリリースで初めてモノラル盤を聴いたので、相当の衝撃を受けて聴けた事が嬉しかったものだ。1枚目のディスクは普通にこういう音だよな、綺麗になったんだろうな、きっと、という程度で聴いてたんだけど、2枚目のディスクにした途端に何かヘンで、演奏はともかくながらジム・モリソンの歌声が入ってきたあたりからモノラルの音の塊がぶつかってくるような音圧に衝撃を受けた。いや〜、Doorsでこの時代にこのモノラルリリースってあったのか、ってのとこの音質で出てたのか、って。アルバム全編モノラルなんだけど、どれもこれも華麗なる、という単語が似つかわしくなくボテッとした音圧での「ハートに火をつけて」とかなワケで、なかなか味わったことのない楽しができた。

 更に3枚目のディスクは恒例の1967年マトリックスライブ音源のファーストアルバムの曲順に準じた抜粋編で、ライブマルごとを楽しませるとかドアーズのライブってこういうもの、っていうのを伝えるんじゃなくて、ファーストアルバムをライブでやるとこんな風になってたんだよ、というようなスタンスでの編集で、これが案外聴きやすくてコンパクトでよろしい。そもそもこの時期のドアーズのライブってダラダラした古いブルースを延々と技術もそれほどで無いプレイヤー達が演奏しているので、ダレるんだよね。んで2時間近くやっててね。ちなみにこのマトリックスライブも一日2公演で40曲以上ある中からの抜粋だからかなり編集されてるし、それはそれで商品としてはありだろう。そんなデラックス盤、何と言ってもモノラル盤の迫力に圧倒されたけど、それ自体は以前もCDでリリースされていたし、ライブにしてもリリーズ済みなので、果たして今回の50周年盤ってのは何が売りの目玉だったんだろうか?とも言われるのかもね。

 それにしても最後の最後の「The End」の全てをぶっ飛ばすパワフルな演奏はいつの時代に聴いても強烈なインパクトを放つものだ。ジム・モリソンのこの筋の通った歌声とポリシーは何も知らないリスナーにも響いてしまうくらいの説得力を持つ。確かにアルバムの音自体は古いけど、ロックの真髄を物語っているジム・モリソンのパフォーマンスを今一度味わってぶつかってみると、ホント、スゲェなって。もちろんドアーズの演奏も神懸かっててやっぱりこうしてリリースされるくらいの白熱したプレイが収められている。ロック、やっぱカッコ良いよ。





Nico - Marble Index

Nico - Marble Index (1968)
The Marble Index

 ロックと呼ばれる音楽の幅の広さはひとつの言葉で語るには広すぎるだろう。ひとことで言えばポップ音楽の中でちょっとだけ尖ってる姿勢があるかどうか、ってことか。音楽としての定義はそこには存在できないだろうとも思う。とは言えどもひとつの音楽ジャンルとしてのロックもあるしもう少し絞った意味合いでのロック、もある。何でもありなんだけど一般的とはちょっとズレてる、ってなトコがわかりやすいか。さて、その中でも最も端っこに位置するロックってのもあって、そのウチのひとつが多分この人、Nico。

 Nicoの1968年リリースのセカンドソロアルバム「Marble Index」。ヴェルヴェッツでのセッションからソロアルバムへと進み、前作「Chelsea Girl」が相当の名盤で一般的なロックとしても大抵挙げられる作品に仕上がっているし、もちろん素晴らしきアルバムなのだが、Nicoの本質はこの「Marble Index」にで発揮されているだろう。ひとつの商品として売れるということは前作で果たしたってことで、今作は徹底的に芸術性に徳化してみたという感じか。もっともジョン・ケイルとの共作でもあるからそっちの色が強く出ている分もあるけど、それにしても地下の水道管と呼ばれたニコの歌声はここで本領発揮している。普通に聴いたら全然面白くもないし聴きたいとも思わないだろうし、5分も聴いていられないだろうからオススメはしないし、これが良いという気もない。

 でもね、コレ、スゲェんだ…。効果音みたいな鍵盤の音とニコの歌声だけで構成されてて、一枚のアルバムになってるんだよ。それで超絶個性が発揮されてて、こういうサウンドと歌はニコ以外には出てこれないだろうし、唯一無二の作風。こうしてアーティストの能力を引っ張り出していくのかなぁ…とも思うけど、あまりにも一般的なトコロからかけ離れている世界観でもある。それでもロックという世界の人間からは好まれ知られている人だから許されているアルバム、たまに聴くとやっぱりスゲェ人だ、っていつも思う。



Lou Reed - Rock N Roll Animal

Lou Reed - Rock N Roll Animal
Rock N Roll Animal

 昔からロックの詩人なんて言われる人ってパティ・スミスとジム・モリソン、そしてルー・リードでディランあたりが親玉みたいな感じなんだけど、そこから時代は50年経過していて、そういう立ち位置での名前を聞かないんだけど誰かいないのかな。いるんだろうけど、なかなか出てきにくいのか、伝説に敵うまでにはならないってのかな、どうなんだろ。もちろん時代が平和になってきたからロック的に詩的に言うべきことが少なくなった、メッセージ色が薄くなった、求められることが少なくなった、なんてのがあるのかもしれないけど…。多分自分が知らないだけなんだろう。

 Lou Reedの1973年のライブツアーを記録した中から抜粋されたハードロックなライブアルバムに仕上げられた「Rock N Roll Animal」。聴いてみると、誰のアルバム聴いてるんだっけ?って思ってしまうくらいには70年代のアメリカのハードロックした作品で、二人のギターが弾きすぎだろ、ってくらいには弾いていて、しかもそれが同時代のハードロックギターとほぼ同じ鳴り方で…、バンドメンバーをみればボブ・エズリン絡みのいつものお二方ってことでなるほど、そういうトコロで使われていくのがショウビジネスかと妙に納得しちゃったり、それで良いのかルー・リード、ってのもあったりなかなか複雑だ。言われているほど偏屈でも繊細でもなくってイメージ戦略が上手く出来すぎちゃってるのかもなぁ…なんて思ったりもする。こんなメンツ押し付けられてハードロックしてるヴェルヴェッツの曲ってどうなんだ?と言う気がするけど、本質的に反骨心と芸術心があるからメタリカとのアルバム作りなんてのもあるくらいで、基本的に暴力的な音はキライじゃないんだろうから、おかしくはない、か。あまりにも詩人的な側面がクローズアップされすぎててリスナー側で勘違いしていたってことかもね。

 ルー・リードって割とバックの音とか無頓着だしメロディにしても出来る範囲の中でしか出さないから、芸術肌なんだろう。だからバック陣営の実験から自身も刺激を受けるというトコかな、そのプロセスはともかくながらも出来上がったアルバムはジャケットのインパクトもあるしタイトルだって何だこりゃ?みたいなのあるし、聴いてみれば思い切りハードロックなライブアルバムに仕上がってるし、しかも曲はヴェルヴェッツ時代のが多いから知ってるの多いし、ルー・リードの歌がどうの、とかあんまり関係ない作品とも言えるのか、曲の骨格のセンスの良さはこういうアレンジでも生きるってとこからさすがだよなぁと思う。



Leon Russell - Leon Russell

Leon Russell - Leon Russell (1970)
レオン・ラッセル

 自分にとってHummingbirdって単語から思い出すのはなぜか曲名。ジミー・ペイジのソロアルバム「アウトライダー」でクリス・ファーロウが歌っているバージョンが一番印象に残ってて、それは多感な時期にじっくりと何度も聴いたアルバムのウチのひとつだったからだろう、他にも今調べてるとB.B.Kingのバージョンも有名みたいでいくつか出て来る…、これもそういえばこんなのB.B.Kingがやってるんだ、って思ったけど、それはジミー・ペイジのを聴いた後の話かな。当時それ聴いて良い曲だな、って思ったけどそれ以上でもなくて、レオン・ラッセルが原曲だってのも知らなくてさ、後で知ったんだよね。

 そのレオン・ラッセルの「Hummingbird」が入ってるオリジナルアルバム「Leon Russell」は1970年のリリースで、数々のメジャーアーティストのセッションミュージシャンからようやくのソロデビューみたいな感じで後押しされてのリリースだったようだ。それに伴い自分も好きなシェルターレコードの設立も同時に行われてて、手作りで良い音楽を市場に届けるんだ、っていうコンセプトでのシェルターレコードの設立は様々な想いが込められていたらしく、レオン・ラッセルも副社長に就任して精力使っての活動をしていたらしい。一方音楽的には大物ミュージシャンの後押しってのもあって、ストーンズ、ビートルズ、クラプトン、デラニー&ボニーあたりがこのソロアルバム「」に全面協力している。…ってもストーンズの面々は1曲バックで参加、ジョージ・ハリソンはバングラデッシュ繋がりから懇意にしていたみたいで数曲であの独特のスライド・ギターを聴かせてくれるので、あぁ、これジョージ、だってのがすぐ分かる。同じくギター聴いてすぐ分かるのはクラプトン参加の「Prince of Peace」だろうな。冒頭のギターからしてこの頃のクラプトンそのままのフレーズが出てくるもん。

 冒頭の「A Song For You」とうう名曲からしてアルバムをじっくり聴こうか、って気になるのだが、ウワサに違わずの名盤。参加メンバーの力量は単なるおまけでしかなく、本質的な曲やプレイや歌やスワンプ的なスタイル含めて素晴らしいアルバムと舌を巻く。自分の好きな英国的な雰囲気ではないけど、スワンプの名盤ってのは分かる。こういう路線で行ったら見事なもので、何がそんなに良い作品なんだ?って問われても困るところではあるんだが、やっぱりメロディと雰囲気が良質なものなんだろうね。それとどの曲も土臭いロックしてるからってのはある。だからジョージ、やストーンズ、クラプトンなんてのが好んだミュージシャンだし、影響も受けたんだろう。彼らがこの頃やってたロックからすると見事にクロスオーヴァーするしその互いの刺激って必要だったんだなと思わせる。大物参加のウリ文句は無いよりあった方が良いけど、それに惑わされずにレオン・ラッセルの作品として聴いてて明らかに大物連中がゲストの味しか出していないってことでそもそものアルバムの良さを実感できる。

 「Hummingbird」の原曲ってこれなんだよな…、何度か聴いてるとやっぱりこういうアレンジの方が良いのかも、なんて思えてくる。これをああいうアレンジにしていったというジミー・ペイジの才覚もあるけど、まぁ、時代の成せる業か、このレオン・ラッセルバージョンでジミー・ペイジ弾いてたら面白かったのにな。







Moloch - Moloch

Moloch - Moloch (1969)
Moloch

 アメリカのB級ロックってほとんど通ってなかったし、そもそもアメリカのロックを追求するろいう意思が無かったから知らないに等しかった。んでも、あれこれ聴いたりしてると絡みが出てきて聴いてみたりするともちろん面白いな、ってのもあるし、表面的にしか出てきていなかったアメリカのロックよりももっとディープで英国のロックに影響ウケまくってるのも多いから確かにB級なんだけど面白いなってのもある。世界各国でそういう動きはあっただろうけど、どれもこれもあまり表には出てこないのはオリジナルを超えられないからだろうね。それでも趣味の域での本気度が楽しめる部分は大きい。

 Molochというテネシーから出てきたバンドの1969年の唯一作「Moloch」。時代が時代なだけにジミヘンからの影響が大きいんだろうけど、それでも一方ではアメリカのブルースロックシーンからの影響も感じられるしオルガンが全編鳴ってるあたりからはサイケデリックの波も思い切り被っているだろうし、そんなのがアレコレと分かるけど、ファズギター中心のヘヴィブルースロックとも言えるサウンドは結構な迫力があって楽しめる。絶対こんなもん売れるハズなかっただろうなと言うのも当然分かるけど、しっかりとアレンジして録音しているんだからテクニック面ではしっかりしてたんだろう。この手のは何回も聴いてると結構クセになるもので、アメリカのこの時期のはそういうのもあるよな。自分的にはそこまでハマりたくないけど(笑)。

 ホント、ブルースロックって流行してたんだな、って思う。どいつもこいつもそういうフレーズを普通に奏でててしっかりと曲に馴染んだプレイを聞かせてくれるんだもん。このバンドのギターは思い切りギター弾くと普通にブルースロックになる。ただやっぱりスゲェってほどには響いてこないんで、ここまでなんだろう。曲もギターも面白いんだが…。



Grand Funk Railroad - Live 1971 Tour

Grand Funk Railroad - Live 1971 Tour
Live-1971 Tour

 ブルースってのは3コードが基本だし、それでこそ自由に弾きまくり曲が変化していけるという特徴があるんだけど、だから故、つまらなくなる時はホントにつまらなくなるしダレるし飽きるしどうしようもなくなる。その簡単なコード進行でどれだけ熱く聞き手を引き込むかみたいなのが本質にある…、特にブルースロックのギターソロやアドリブ大会ってのはその部分が顕著だと思う。そしてライブでそれを本能的に理解してバンドごとその域を超えていけるのはそうそう多くはなかったというか、目立って多くはなかったように思う。もちろん作品化されてなければ分からないモノだけど、往々にしてそういうのは作品化されるので、そういうモンだろう。

 Grand Funk Railroadの1971年のライブアルバム「Live 1971 Tour」。有名な「Live Album」は1970年なので、その翌年、もっと言えばあの伝説の雷雨の後楽園球場のライブの1週間前のライブで、これもまた有名なシェイスタジアムでのライブなワケで、最も脂の乗ってたノリにノリまくってた時期のバンドのライブを生々しくそのまま記録している発掘盤。一言で言えば、今聴いてもとんでもなくぶっ飛んだライブバンドだし、ライブアルバム。底抜けにパワフルなアメリカならではの快活さとパフォーマンスが圧倒的で、これはもう英国のロックでは出せない、出てこない文化の違いだし、ここまで出来るのはアメリカンならでは。静と動がメリハリを付けて出て来るんだけど、それでも圧倒的にパワフル。その源はやっぱりこのベースだろう。こんだけ歪んだベースでグイグイとバンドを引っ張ってって暴れまくる、キャッチーな曲でもこの音色だから歌メロ意外は超絶ハードロックのまま、正に圧巻。その勢いのままでライブ全般を引っ張っていくというパワー。ドラムも合わせて強烈なリズム隊を従えてのギターとオルガンを忙しく使い分けているというのも見事。ここでアクセントにはなってるか。

 まぁ、聴いてみてくれ。自分はメタルだとか英国だとか色々理屈はあるし、自分も基本的にアメリカンハードロックってのは…ってのあったけど、こういうの聴いちゃうと、やっぱりスゲェな、としか思えないんだよ。ロックってこういうモンだろ、ってのが全部詰め込まれてるのかもしれない、それくらいにヘヴィでハードで魂の篭ったライブアルバム、オールドロックファンは確実に燃える作品だし、これから初めて聞くにしてもこんだけの熱気がロックなんだ、って思ってもらえれば良いのかな。わかりやすいしさ。いや、ホント、凄いわ。



Chuck Berry - After School Session

Chuck Berry - After School Session (1957)
アフター・スクール・セッション+14

 R&Rの創始者とも言われるチャック・ベリーが90歳で天命を全うしたとのことだが、チャック・ベリーがR&Rを奏でたのが1955年頃、以降60年経過したけどその間でR&Rは退化しロックも衰退し、そんなシーンの状況なんか気にもしなかっただろうけど、どういう風に映っていたのかな。ビジネスとしては晩年でもライブ活動で稼いでいたし、そもそも出て来る時もライブでひたすら稼いでいた人だし、結構なビジネスマンとして知られているらしく、どこへ行くにもギター一本だけで、バンドは現地調達というスタイル、なかなかまれに見るスタイルでのショーマンだったようだ。結局チャック・ベリーって生で見たことなかったなぁ…。

 そんなチャック・ベリーだけど、曲は知ってたり名前ももちろん、ギタースタイルも知ってるしR&Rの歴史だってのもあるけど、意外なことにファーストアルバムとか聴いたことない。それもよくないだろ、って思って今更ながらチャック・ベリーのファーストアルバム「After School Session 」を聴いている。1957年リリースの全曲チャック・ベリーオリジナル作品のアルバムで、当時としちゃ相当珍しい事だったと思う。それもアルバム単位でのリリースってのもさ、結構まだ珍しかっただろう。そうだよなぁ、ってのも思いながら聴き始めるんだけど、これがまた見事な作品で、完全にR&Rなアルバムなワケ。今じゃ実感できないだろうけど、これ、黒人の人のアルバムなんだよ。ギターにしても歌にしても曲にしても黒人のチャック・ベリーがやってるんだけど、どうしてこういう軽やかさになるんだ?って不思議。こういう音になる黒人ってまずいない。そこからして唯一無二。

 最初期の頃からR&Rなスタイルは変わらないんだけど、案外ムードなブルーススタイルやメロウな曲調なんかもあるし、やぱり多彩なスタイルをこなせる人だったのは言うまでもないけど、それでもこんだけ白人好み的な曲ばかりが並ぶのは策士だからか才能だろうか、エルヴィスを意識していたのか、後世に与えた偉大なる影響からしても天才的だ。ここに黒人の色合いはまるで見られない。じゃ、白人なら出来たのか?ってなるとそれはない。黒人仲間からもかなり異質なスタイルとして映っただろうし、白人のガキどもからは熱狂的に受け入れられたというか…、面白いのはさ、今これ聴いてても古いけど、古いからってカッコ悪いとか古臭い、っていうのはないんだよ。今でもそのままやってるヤツはやってるし。やっぱり凄いなぁと。改めてR&Rの創始者としての凄さを実感したし、全てのロックの中に生き続けているスタイルだ。





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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


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