Nico - Marble Index

Nico - Marble Index (1968)
The Marble Index

 ロックと呼ばれる音楽の幅の広さはひとつの言葉で語るには広すぎるだろう。ひとことで言えばポップ音楽の中でちょっとだけ尖ってる姿勢があるかどうか、ってことか。音楽としての定義はそこには存在できないだろうとも思う。とは言えどもひとつの音楽ジャンルとしてのロックもあるしもう少し絞った意味合いでのロック、もある。何でもありなんだけど一般的とはちょっとズレてる、ってなトコがわかりやすいか。さて、その中でも最も端っこに位置するロックってのもあって、そのウチのひとつが多分この人、Nico。

 Nicoの1968年リリースのセカンドソロアルバム「Marble Index」。ヴェルヴェッツでのセッションからソロアルバムへと進み、前作「Chelsea Girl」が相当の名盤で一般的なロックとしても大抵挙げられる作品に仕上がっているし、もちろん素晴らしきアルバムなのだが、Nicoの本質はこの「Marble Index」にで発揮されているだろう。ひとつの商品として売れるということは前作で果たしたってことで、今作は徹底的に芸術性に徳化してみたという感じか。もっともジョン・ケイルとの共作でもあるからそっちの色が強く出ている分もあるけど、それにしても地下の水道管と呼ばれたニコの歌声はここで本領発揮している。普通に聴いたら全然面白くもないし聴きたいとも思わないだろうし、5分も聴いていられないだろうからオススメはしないし、これが良いという気もない。

 でもね、コレ、スゲェんだ…。効果音みたいな鍵盤の音とニコの歌声だけで構成されてて、一枚のアルバムになってるんだよ。それで超絶個性が発揮されてて、こういうサウンドと歌はニコ以外には出てこれないだろうし、唯一無二の作風。こうしてアーティストの能力を引っ張り出していくのかなぁ…とも思うけど、あまりにも一般的なトコロからかけ離れている世界観でもある。それでもロックという世界の人間からは好まれ知られている人だから許されているアルバム、たまに聴くとやっぱりスゲェ人だ、っていつも思う。



Lou Reed - Rock N Roll Animal

Lou Reed - Rock N Roll Animal
Rock N Roll Animal

 昔からロックの詩人なんて言われる人ってパティ・スミスとジム・モリソン、そしてルー・リードでディランあたりが親玉みたいな感じなんだけど、そこから時代は50年経過していて、そういう立ち位置での名前を聞かないんだけど誰かいないのかな。いるんだろうけど、なかなか出てきにくいのか、伝説に敵うまでにはならないってのかな、どうなんだろ。もちろん時代が平和になってきたからロック的に詩的に言うべきことが少なくなった、メッセージ色が薄くなった、求められることが少なくなった、なんてのがあるのかもしれないけど…。多分自分が知らないだけなんだろう。

 Lou Reedの1973年のライブツアーを記録した中から抜粋されたハードロックなライブアルバムに仕上げられた「Rock N Roll Animal」。聴いてみると、誰のアルバム聴いてるんだっけ?って思ってしまうくらいには70年代のアメリカのハードロックした作品で、二人のギターが弾きすぎだろ、ってくらいには弾いていて、しかもそれが同時代のハードロックギターとほぼ同じ鳴り方で…、バンドメンバーをみればボブ・エズリン絡みのいつものお二方ってことでなるほど、そういうトコロで使われていくのがショウビジネスかと妙に納得しちゃったり、それで良いのかルー・リード、ってのもあったりなかなか複雑だ。言われているほど偏屈でも繊細でもなくってイメージ戦略が上手く出来すぎちゃってるのかもなぁ…なんて思ったりもする。こんなメンツ押し付けられてハードロックしてるヴェルヴェッツの曲ってどうなんだ?と言う気がするけど、本質的に反骨心と芸術心があるからメタリカとのアルバム作りなんてのもあるくらいで、基本的に暴力的な音はキライじゃないんだろうから、おかしくはない、か。あまりにも詩人的な側面がクローズアップされすぎててリスナー側で勘違いしていたってことかもね。

 ルー・リードって割とバックの音とか無頓着だしメロディにしても出来る範囲の中でしか出さないから、芸術肌なんだろう。だからバック陣営の実験から自身も刺激を受けるというトコかな、そのプロセスはともかくながらも出来上がったアルバムはジャケットのインパクトもあるしタイトルだって何だこりゃ?みたいなのあるし、聴いてみれば思い切りハードロックなライブアルバムに仕上がってるし、しかも曲はヴェルヴェッツ時代のが多いから知ってるの多いし、ルー・リードの歌がどうの、とかあんまり関係ない作品とも言えるのか、曲の骨格のセンスの良さはこういうアレンジでも生きるってとこからさすがだよなぁと思う。



Leon Russell - Leon Russell

Leon Russell - Leon Russell (1970)
レオン・ラッセル

 自分にとってHummingbirdって単語から思い出すのはなぜか曲名。ジミー・ペイジのソロアルバム「アウトライダー」でクリス・ファーロウが歌っているバージョンが一番印象に残ってて、それは多感な時期にじっくりと何度も聴いたアルバムのウチのひとつだったからだろう、他にも今調べてるとB.B.Kingのバージョンも有名みたいでいくつか出て来る…、これもそういえばこんなのB.B.Kingがやってるんだ、って思ったけど、それはジミー・ペイジのを聴いた後の話かな。当時それ聴いて良い曲だな、って思ったけどそれ以上でもなくて、レオン・ラッセルが原曲だってのも知らなくてさ、後で知ったんだよね。

 そのレオン・ラッセルの「Hummingbird」が入ってるオリジナルアルバム「Leon Russell」は1970年のリリースで、数々のメジャーアーティストのセッションミュージシャンからようやくのソロデビューみたいな感じで後押しされてのリリースだったようだ。それに伴い自分も好きなシェルターレコードの設立も同時に行われてて、手作りで良い音楽を市場に届けるんだ、っていうコンセプトでのシェルターレコードの設立は様々な想いが込められていたらしく、レオン・ラッセルも副社長に就任して精力使っての活動をしていたらしい。一方音楽的には大物ミュージシャンの後押しってのもあって、ストーンズ、ビートルズ、クラプトン、デラニー&ボニーあたりがこのソロアルバム「」に全面協力している。…ってもストーンズの面々は1曲バックで参加、ジョージ・ハリソンはバングラデッシュ繋がりから懇意にしていたみたいで数曲であの独特のスライド・ギターを聴かせてくれるので、あぁ、これジョージ、だってのがすぐ分かる。同じくギター聴いてすぐ分かるのはクラプトン参加の「Prince of Peace」だろうな。冒頭のギターからしてこの頃のクラプトンそのままのフレーズが出てくるもん。

 冒頭の「A Song For You」とうう名曲からしてアルバムをじっくり聴こうか、って気になるのだが、ウワサに違わずの名盤。参加メンバーの力量は単なるおまけでしかなく、本質的な曲やプレイや歌やスワンプ的なスタイル含めて素晴らしいアルバムと舌を巻く。自分の好きな英国的な雰囲気ではないけど、スワンプの名盤ってのは分かる。こういう路線で行ったら見事なもので、何がそんなに良い作品なんだ?って問われても困るところではあるんだが、やっぱりメロディと雰囲気が良質なものなんだろうね。それとどの曲も土臭いロックしてるからってのはある。だからジョージ、やストーンズ、クラプトンなんてのが好んだミュージシャンだし、影響も受けたんだろう。彼らがこの頃やってたロックからすると見事にクロスオーヴァーするしその互いの刺激って必要だったんだなと思わせる。大物参加のウリ文句は無いよりあった方が良いけど、それに惑わされずにレオン・ラッセルの作品として聴いてて明らかに大物連中がゲストの味しか出していないってことでそもそものアルバムの良さを実感できる。

 「Hummingbird」の原曲ってこれなんだよな…、何度か聴いてるとやっぱりこういうアレンジの方が良いのかも、なんて思えてくる。これをああいうアレンジにしていったというジミー・ペイジの才覚もあるけど、まぁ、時代の成せる業か、このレオン・ラッセルバージョンでジミー・ペイジ弾いてたら面白かったのにな。







Moloch - Moloch

Moloch - Moloch (1969)
Moloch

 アメリカのB級ロックってほとんど通ってなかったし、そもそもアメリカのロックを追求するろいう意思が無かったから知らないに等しかった。んでも、あれこれ聴いたりしてると絡みが出てきて聴いてみたりするともちろん面白いな、ってのもあるし、表面的にしか出てきていなかったアメリカのロックよりももっとディープで英国のロックに影響ウケまくってるのも多いから確かにB級なんだけど面白いなってのもある。世界各国でそういう動きはあっただろうけど、どれもこれもあまり表には出てこないのはオリジナルを超えられないからだろうね。それでも趣味の域での本気度が楽しめる部分は大きい。

 Molochというテネシーから出てきたバンドの1969年の唯一作「Moloch」。時代が時代なだけにジミヘンからの影響が大きいんだろうけど、それでも一方ではアメリカのブルースロックシーンからの影響も感じられるしオルガンが全編鳴ってるあたりからはサイケデリックの波も思い切り被っているだろうし、そんなのがアレコレと分かるけど、ファズギター中心のヘヴィブルースロックとも言えるサウンドは結構な迫力があって楽しめる。絶対こんなもん売れるハズなかっただろうなと言うのも当然分かるけど、しっかりとアレンジして録音しているんだからテクニック面ではしっかりしてたんだろう。この手のは何回も聴いてると結構クセになるもので、アメリカのこの時期のはそういうのもあるよな。自分的にはそこまでハマりたくないけど(笑)。

 ホント、ブルースロックって流行してたんだな、って思う。どいつもこいつもそういうフレーズを普通に奏でててしっかりと曲に馴染んだプレイを聞かせてくれるんだもん。このバンドのギターは思い切りギター弾くと普通にブルースロックになる。ただやっぱりスゲェってほどには響いてこないんで、ここまでなんだろう。曲もギターも面白いんだが…。



Grand Funk Railroad - Live 1971 Tour

Grand Funk Railroad - Live 1971 Tour
Live-1971 Tour

 ブルースってのは3コードが基本だし、それでこそ自由に弾きまくり曲が変化していけるという特徴があるんだけど、だから故、つまらなくなる時はホントにつまらなくなるしダレるし飽きるしどうしようもなくなる。その簡単なコード進行でどれだけ熱く聞き手を引き込むかみたいなのが本質にある…、特にブルースロックのギターソロやアドリブ大会ってのはその部分が顕著だと思う。そしてライブでそれを本能的に理解してバンドごとその域を超えていけるのはそうそう多くはなかったというか、目立って多くはなかったように思う。もちろん作品化されてなければ分からないモノだけど、往々にしてそういうのは作品化されるので、そういうモンだろう。

 Grand Funk Railroadの1971年のライブアルバム「Live 1971 Tour」。有名な「Live Album」は1970年なので、その翌年、もっと言えばあの伝説の雷雨の後楽園球場のライブの1週間前のライブで、これもまた有名なシェイスタジアムでのライブなワケで、最も脂の乗ってたノリにノリまくってた時期のバンドのライブを生々しくそのまま記録している発掘盤。一言で言えば、今聴いてもとんでもなくぶっ飛んだライブバンドだし、ライブアルバム。底抜けにパワフルなアメリカならではの快活さとパフォーマンスが圧倒的で、これはもう英国のロックでは出せない、出てこない文化の違いだし、ここまで出来るのはアメリカンならでは。静と動がメリハリを付けて出て来るんだけど、それでも圧倒的にパワフル。その源はやっぱりこのベースだろう。こんだけ歪んだベースでグイグイとバンドを引っ張ってって暴れまくる、キャッチーな曲でもこの音色だから歌メロ意外は超絶ハードロックのまま、正に圧巻。その勢いのままでライブ全般を引っ張っていくというパワー。ドラムも合わせて強烈なリズム隊を従えてのギターとオルガンを忙しく使い分けているというのも見事。ここでアクセントにはなってるか。

 まぁ、聴いてみてくれ。自分はメタルだとか英国だとか色々理屈はあるし、自分も基本的にアメリカンハードロックってのは…ってのあったけど、こういうの聴いちゃうと、やっぱりスゲェな、としか思えないんだよ。ロックってこういうモンだろ、ってのが全部詰め込まれてるのかもしれない、それくらいにヘヴィでハードで魂の篭ったライブアルバム、オールドロックファンは確実に燃える作品だし、これから初めて聞くにしてもこんだけの熱気がロックなんだ、って思ってもらえれば良いのかな。わかりやすいしさ。いや、ホント、凄いわ。



Chuck Berry - After School Session

Chuck Berry - After School Session (1957)
アフター・スクール・セッション+14

 R&Rの創始者とも言われるチャック・ベリーが90歳で天命を全うしたとのことだが、チャック・ベリーがR&Rを奏でたのが1955年頃、以降60年経過したけどその間でR&Rは退化しロックも衰退し、そんなシーンの状況なんか気にもしなかっただろうけど、どういう風に映っていたのかな。ビジネスとしては晩年でもライブ活動で稼いでいたし、そもそも出て来る時もライブでひたすら稼いでいた人だし、結構なビジネスマンとして知られているらしく、どこへ行くにもギター一本だけで、バンドは現地調達というスタイル、なかなかまれに見るスタイルでのショーマンだったようだ。結局チャック・ベリーって生で見たことなかったなぁ…。

 そんなチャック・ベリーだけど、曲は知ってたり名前ももちろん、ギタースタイルも知ってるしR&Rの歴史だってのもあるけど、意外なことにファーストアルバムとか聴いたことない。それもよくないだろ、って思って今更ながらチャック・ベリーのファーストアルバム「After School Session 」を聴いている。1957年リリースの全曲チャック・ベリーオリジナル作品のアルバムで、当時としちゃ相当珍しい事だったと思う。それもアルバム単位でのリリースってのもさ、結構まだ珍しかっただろう。そうだよなぁ、ってのも思いながら聴き始めるんだけど、これがまた見事な作品で、完全にR&Rなアルバムなワケ。今じゃ実感できないだろうけど、これ、黒人の人のアルバムなんだよ。ギターにしても歌にしても曲にしても黒人のチャック・ベリーがやってるんだけど、どうしてこういう軽やかさになるんだ?って不思議。こういう音になる黒人ってまずいない。そこからして唯一無二。

 最初期の頃からR&Rなスタイルは変わらないんだけど、案外ムードなブルーススタイルやメロウな曲調なんかもあるし、やぱり多彩なスタイルをこなせる人だったのは言うまでもないけど、それでもこんだけ白人好み的な曲ばかりが並ぶのは策士だからか才能だろうか、エルヴィスを意識していたのか、後世に与えた偉大なる影響からしても天才的だ。ここに黒人の色合いはまるで見られない。じゃ、白人なら出来たのか?ってなるとそれはない。黒人仲間からもかなり異質なスタイルとして映っただろうし、白人のガキどもからは熱狂的に受け入れられたというか…、面白いのはさ、今これ聴いてても古いけど、古いからってカッコ悪いとか古臭い、っていうのはないんだよ。今でもそのままやってるヤツはやってるし。やっぱり凄いなぁと。改めてR&Rの創始者としての凄さを実感したし、全てのロックの中に生き続けているスタイルだ。





Frank Zappa - Sheik Yerbout

Frank Zappa - Sheik Yerbout (1979)
シーク・ヤブーティ(紙ジャケット仕様)

 いつもいつも感じるのだがどうして70年代のロック連中のアルバムはこんなに刺激的で面白いのだろう?初めて聞くワケでもないし久々に聴いただけでもそう感じるのはなぜ?懐かしと言うレベルでのカッコ良さではないし、単純にその場で聴いてカッコ良い、って思う度合いの問題だから知ってる知らないってのでもない。ハートとマインドも問題か?一体何?なんて事を思ってしまうくらいに古き良きロックってのはエネルギーもパワーも勢いも全てが感覚が違う。凄い、カッコ良い、ってのを本能的に感じられるモノ、すなわちロック、なのだな。

 Frank Zappaの1979年の多分一般的市場見地からしたら最高傑作に入ると思う「Sheik Yerbout」。まず、ザッパって何?と思うのならこのアルバムから入るのが一番わかり易いんじゃないか、と言われている作品だ。決してポップなワケではない、と言うのも正しくないし、他のアルバムがポップじゃないってワケじゃない。ザッパの世界ってのは、普通の音楽を聴くと言う認識で聴いてしまうとダメなんです。ザッパ聴くのはユーモアを楽しむ、ブラックな事を楽しむ、それでいてテクニカルな側面を味わう、音楽と共にエンターティンメントを味わう、というショウ全てを楽しむものであって、BGMで音楽を、なんてのを期待してるとアウトだ。英語をネイティブで解さない人は必ず絶対に日本語訳を同時進行で読みながらザッパを味わわないとダメだ。そこに意義がある。歌詞なんぞ大して気にしていない自分ですらザッパ聴く時はそうするもんね。だって、楽しみが倍になるし、聴いてて面白さが同じ時間使ってても倍になるし、アホらしさ加減に我を忘れられるからさ。音楽だけでもそれは十分に味わえるんだけど、歌詞あるともっと味わえる。

 しっかしこの「Sheik Yerbout」ってアルバムもホントにおバカ(笑)。ボジオ最高。ブリューもユーモアセンスあるじゃないの。しかし代表的な曲いっぱい入ってるアルバムだなぁとつくづく思うそのどれもこれもが風刺利いてて最高だし、ギタープレイはギタープレイでさすがザッパ、ってな所で超絶ギタリスト的なところもたっぷりと味わえる。それらを全て軽快な音で収録してて聴きやすく仕上げているというのは商売センスの長けた所で、アナログでは2枚組だったけど、それぞれの面は大して長い時間収録されていたのでもなくその分聞きやすかった。CD時代は一枚になったし、今はもうDLだからこの長さが普通なんだけど、曲の配置が改めてそうなっているのは狙ってるよね。

 普通に音的に聴いてると基本ハード路線からインスト系、だけど、やっぱり効果音なりコーラスなり歌詞なりでそのアホさが出てくるからザッパの世界でしかあり得ないし、それが無ごとに完成されているショウなので聴く度にそのパフォーマンスに魅了されてしまうし、ギタープレイの独特のトーンとプレイはいつ聴いても楽しめるし集中して聴いてしまうものだ。これも不思議で、フュージョンでもないしロックじゃないし、どういうギターなんだろうな、他にあまり聞く事のないプレイで、フュージョンに近いのか?といつも思う。そんなプレイが存分に楽しめつつ、聴いてて楽しいし、参加してても楽しいし、もうね、やっぱりザッパ最高です♪







Leslie West - The Great Fatsby

Leslie West - The Great Fatsby (1975)
the great fatsby

 うわぁ~、やっぱり昔のブルースロックは凄いわ、って改めて実感しまくってるココ数日。何でだろうな、テクニックだって録音だって現代の方が明らかに優れてきているハズだし、その雰囲気を収録するのだって今の方が全然技術的に発展しているだろうに、どういうワケか、昔のを聴いている方が圧倒的なパワーとかエネルギーやロックを感じることが多い、と言うか、ほとんどそうだ。魂入ってる度合いが違うのか?そこに懸ける意気込みと人生が違うのか?そうしなきゃ生きていけない時代との違いなのか?なんだろうなぁ…。

 Leslie Westの1975年の作品「The Great Fatsby」なんてのを聴いてたんだけどね、もうさぁ、このパワーっつうか豪快さはレスリー・ウェストそのままなので最早キャラクターの違いでしかないとも言える部分はあるけど、やっぱりロックなんだよ、どう聴いても。ギタープレイにしても歌にしてもスタイルにしてもとにかく全てがロック。この気持ち良さはなかなか他では味わえないし、時代を超えてしまうともう絶対にない。いつもながらこの人のギターの音色の心地良さ、トーンの気持ち良さはホントに素晴らしい。すんなりとハートに入り込んでくるトーンなんだもん。フレーズだって馴染みのあるものばかりだけど、ガツンってくるしね、やっぱり凄いギタリストです。

 ミック・ジャガーがギターで参加しているという「朝日のあたる家」だったり、そのミックとキースが作曲に手を貸したと言う「High Roller」なる曲なんかは正にストーンズそのままの曲で、それをレスリー・ウェスト風なスタイルでやってるもんだから面白い。ストーンズの曲をやるとそうなるんだな、みたいなのがわかってね、それをど真ん中でやってるのが「Honkey Tonk Women」になる。半分以上の曲がカバー作品になるようで、レスリー・ウェストのオリジナリティをどうのってのにはちょいと弱いけど、そんなんよりもレスリー・ウェストここにあり、ってのを自信満々に詰め込んでて、どれ聴いてもオリジナルを超えてるかもしれん(笑)。フリーのカバーなんてのもさ、ポール・ロジャースには絶対真似出来ない抜けのよい快活なアメリカンなスタイルでの歌声でスカッと聴かせてくれるんだもん。ホント、この人歌上手いわ…。

 ちょいと気になったのは幾つかの曲でレスリー・ウェストに負けることのないくらいに迫力のある快活な歌声を聴かせてくれているDana Valeryというシンガーだ。これがまたかなり目立つところで要所要所で自分好みなお転婆スタイルの歌声が入ってくるんで良い感じなんです。



Bob Dylan - Hard Rain

Bob Dylan - Hard Rain
Hard Rain

 ボブ・ディランがノーベル文化賞を受賞って…、ロックもそういう風に認められるような時代になってきた、すなわち歴史の遺物になりつつあるという見方も出来るのかも。そんな穿った見方しなくても素直にディランの書いていた歌詞が歌というものに乗って、世間に広く伝えられて文化として成り立ったというキャリアとポリシーの産物ということが評価されての受賞なのだろう。アメリカでの街頭インタビューでは割と万人がディランを知っていて喜ばしいことと言っていたようだけど、日本じゃその知名度は圧倒的に低いと言わざるをえないだろう。それでも普通のノーベル賞受賞の人ってのはそんなに世間に知られているワケでもないから、それに比べりゃ知名度あるんだろうが。

 Bob Dylanの1975年の最も有名高名なツアーとなったローリングサンダーレヴューツアーからのライブアルバム「Hard Rain」。ジャケットからしてさ、この時代でこのメイクってちょっと時代遅れだったんじゃないか?って思ったのだが、実際のライブシーンを見ることもなかったのでよく知らない。確かこんなメイクでライブやってる写真なんかもあったけど、このツアーだったのかな。アルバムってよりも自分的にはテレビ放送のヤツね、今じゃYouTubeに普通に上がってるから見れるけど、なんかなぁ〜って感じで見たことあるくらい。文学賞ってことで、やはり歌詞に重きを置かれての受賞だろうからやっぱり歌詞を追いかけてその芸術性を味わうべきなのだろうけど、なかなかそういう見方が出来なくて。そこにこの字幕付きのテレビ放送ですよ。いつもながら全部を訳さない中途半端な訳が付けられているんだけど、そういうことを歌ってるんだな、ってのがわかりやすくてこういうのはよろしい。

 時代的にジョーン・バエズも知名度あったし、ここで一緒にやってる絵はかなり自然で上手さが光る。この二人気が合うんだろうな。言いたいことも似ていただろうし、ここで惹かれ合うのは当然か。しかしこの手のモノってのはあまりにも一辺倒で聴いて見ているのが割と苦痛になってくるのは多分自分の好みの問題だけだ。この良さが分からないなんてロックを語れねぇだろ、っていう人が多いのも分かる。英語が普通に理解できればもっとすんなり入ってくるのは間違いなんだけど、生憎そういう耳じゃないからダメなんだろう。でもね、なんか、その熱気とかスタンスとか曲げない所とかってのは伝わってくるし、歌詞だってあんだけ歌いたいことをたくさん詰め込んでメッセージにしているのも分かるし、うん、さすがだよね。これで見直されてまたこういうのが風潮的に流行るのも面白いかも。





Chicago Transit Authority - Chicago Transit Authority

Chicago Transit Authority - Chicago Transit Authority (1969)
Chicago Transit Authority

 ブラスロックの本家本元と言えばもちろんシカゴになるのだが、自分的には全然シカゴってバンドを通ってない。有名曲「長い夜」くらいは知ってるけど、アルバム単位で云々なんてまるでなし。ベストヒットUSAとかで出てたのを聞いてた事があるくらいだけど、その時代のシカゴじゃ多分話にならないだろうし。アメリカのロックって全然弱くってさ、リアルタイムで知ってるレベルのものはまだマシだけどちょっとでも後追いしないとわからないのは全然追ってないから知らないんで、この辺の話はまるでダメ。…ってことでシカゴも実は全然なんだけど、良い機会なのでね、聴くんです。

 Chicagoの1969年にリリースした衝撃のファーストアルバム「Chicago Transit Authority」。いや、これは衝撃的だっただろうというのは即座に分かるくらいのよく出来た、出来過ぎたアルバムとも言えるか、完全なブラスロックを最初からやり尽くしてしまっているんだから恐ろしい。そりゃもうここから先は何も出てこないわ…と納得するばかりの出来栄え。パワフルで、メロディアスで、アグレッシブなプレイに計算され尽くしたかのようなブラスセクション、新しい音を作っていったバンドなんだな、ってのは良く分かる。しかも単に融合させただけじゃなくてしっかりとクォリティの高いものに仕上げて出して来てるし、ロックそのものの定義とか意気込みなんてのを忘れてなくて、きっちりとその辺は押さえて出てきてるから見事なもんだ。デビューからしてしばらくはアルバム二枚組で出し続けたってのもなかなか反抗的で良い。

 バンド名がシカゴ、だけでなかったのも有名な話だけど、アルバムジャケットもその影響でファーストの「Chicago Transit Authority」だけはちょいと異質になってしまったのはやむを得ない事だろう。それにしても見事なアルバムだな…、良く出来てるし聴き惚れる人も多いのが分かる。好き嫌いになるとやっぱりブラスが邪魔じゃね?とか思うけど、それはそれできちんとバンドと音楽が成り立っているんだから重要なモノであろう。こういう新しい音世界は確かに刺激的。今聴いても新鮮だもん。



 | HOME |  »

プロフィール

フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


ロック好きの…別館リンク


ブログ検索


最新記事


カテゴリー


最新コメント


最近のトラックバック


カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

過去ログ+

2017年 05月 【27件】
2017年 04月 【30件】
2017年 03月 【31件】
2017年 02月 【28件】
2017年 01月 【32件】
2016年 12月 【32件】
2016年 11月 【30件】
2016年 10月 【31件】
2016年 09月 【30件】
2016年 08月 【31件】
2016年 07月 【31件】
2016年 06月 【30件】
2016年 05月 【31件】
2016年 04月 【30件】
2016年 03月 【31件】
2016年 02月 【29件】
2016年 01月 【32件】
2015年 12月 【32件】
2015年 11月 【30件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【30件】
2015年 08月 【31件】
2015年 07月 【31件】
2015年 06月 【30件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【30件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【28件】
2015年 01月 【32件】
2014年 12月 【31件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【31件】
2014年 09月 【30件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【32件】
2013年 12月 【32件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【32件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【30件】
2013年 03月 【31件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【32件】
2012年 12月 【32件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【31件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【31件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【32件】
2011年 12月 【31件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【30件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【30件】
2011年 05月 【31件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【32件】
2010年 12月 【32件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【30件】
2010年 05月 【31件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【30件】
2009年 10月 【31件】
2009年 09月 【30件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【31件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【31件】
2009年 04月 【30件】
2009年 03月 【31件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【32件】
2008年 11月 【30件】
2008年 10月 【31件】
2008年 09月 【29件】
2008年 08月 【30件】
2008年 07月 【30件】
2008年 06月 【30件】
2008年 05月 【31件】
2008年 04月 【30件】
2008年 03月 【31件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【31件】
2007年 12月 【29件】
2007年 11月 【30件】
2007年 10月 【29件】
2007年 09月 【28件】
2007年 08月 【31件】
2007年 07月 【30件】
2007年 06月 【29件】
2007年 05月 【30件】
2007年 04月 【30件】
2007年 03月 【26件】
2007年 02月 【27件】
2007年 01月 【20件】
2006年 12月 【31件】
2006年 11月 【30件】
2006年 10月 【31件】
2006年 09月 【30件】
2006年 08月 【31件】
2006年 07月 【31件】
2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


リンク


RSSフィード


全記事表示リンク

全ての記事を表示する


QRコード

QR

Click! Click!


楽天市場
HMVジャパン

Amazon