Donny Hathaway - Live

Donny Hathaway - Live (1972)
Live

 久々に家電量販店散策しながら買い物をしたのだが、やっぱり店舗での買い物って好き嫌いが出ちゃうな。プロらしい対応してくれると、さすがだな、ネット店とは違うサービスをきちんと認識して対処してるわ、って思うけど、そうでもない対応されるとやっぱりネットで買っときゃ良かったな、って思う。価格だけの話すればどうしたって店舗の方が高いワケだから、それでも店舗に買いに来たのは現物触るとか見れるとか細かいトコロを確認するみたいな意味合いがあって、その御礼に多少なら高くても別に良いか、って思ってその場で買うんだけどその対応が結局は決めることになる。向こうからしたら単なる一人のお客さんでしかないからそこまで気にしてないだろうが。まぁ、あんまり心地良い買い物にはならなかったって話。

 Donny Hathawayの1972年の名盤「Live」。ギターにはA面のトルバドールではPhil Upchurch、B面のニューヨークではコーネル・ヂュプリーが入っているが、他はそのままの布陣によるライブ。まぁ、そういうメンツの面白さがあるのは事実だけど、圧倒的に全編を支配しているのは明らかにドニー・ハサウェイその人そのもの。どっからどう聴いてもそうしか聞こえない。オーディエンスの扱いにしても手拍子の鳴り方から男女別コーラスまでやらせてしまうというのも見事な支配者、カリスマ。マーヴィン・ゲイにしてもドニー・ハサウェイにしてもこういうのを聴いているとリスナーからするとこの時点だけは少なくとも限りなく彼らの髪に近い存在になっているように心地良く一体となっている様が目に浮かぶ。こういうのはロックでは聴かれないことなので、ある種ソウル・ファンクならではの世界観なのかもなぁと。

 さて、この銘板ライブアルバムではいきなりマーヴィン・ゲイの「What's Going On」のカバーからスタートだけど、その時点で既に圧巻。本家に負けず劣らずの歌いっぷりとムード、それに加えて12分超えのインストに近い「The Ghetto」でのムーディなプレイと一体感。これが凄い。エレピメインな人だからそうなるんだけど当然メンバーの演奏力もともかくながら完全に宗教チックなまでの融合感がね、素晴らしくて、最後のコーラスがホント、何で?ってくらいに凄い。そのままの勢いで圧巻のライブパフォーマンスが続いているように聞こえるし、多分そうだったんだろう。もちろん素晴らしい演奏の編集なんだろうけど凄さはましている。ジョン・レノンの「Jealous Guy」にしても完全に本家を超えている、っても過言じゃないでしょ。

 凄い密度の濃いライブアルバム…、時代もあるだろうけど、ドニー・ハサウェイの魂がたっぷり詰め込まれて発散されているそのままをパックしているからか素晴らしい作品に仕上がってる。ロックファンだろうがソウルだろうがこの熱さ、一体感ってのは感動できるんじゃないかなぁ。ただ、濃すぎるからなぁってのはあるだろうが。んでも、こういう白熱のライブってのが70年代の特権でもあったしね、やっぱり凄いです。






The Mar-Keys & Booker T & MG's - Back To Back

The Mar-Keys & Booker T & MG's - Back To Back (1967)
バック・トゥ・バック

 黒人音楽の世界ってやっぱり奥深いんだなぁ…。これまで何となく知ってた黒人系のR&Bやソウル系なんてのはホントに表面だけので、ロックに迫る白熱のサウンドなんてさほど多くないように思ってたけど、裏側から入ってくるとそんなのたくさんあるじゃないか、って事でね、入り方間違えてたんだってことに気づきました。ってことはまだまだ深い闇がず〜っと待っているということになるんだけど、そこまで行きたくないというのもあるんで、どっかでこういうのまとめて紹介しててくれないだろうか。暑く激しくソウルフルにファンキーに白熱したアルバムなんてのが良い。

 The Mar-Keys & Booker T & MG'sの1967年のライブアルバム「Back To Back」。もちろんギターはスティーブ・クロッパーでして、って言いつつもそこまでスティーブ・クロッパーのプレイをマジマジと聴いていた事はなくて、何かのセッションとかでくらいしかまともに聴いてないんじゃないだろうか。それがここででスタックスのど真ん中時代のプレイが炸裂していて、ようやくにしてスティーブ・クロッパーのカッコよさと言うか、このバランスの中でのギターの位置づけを決めた役割とか音色、もちろんカッティングやフレーズの豊富さなんてのも味わっていたんだが、こうして聴くと当然ギターだけのバンドじゃないからバンドアンサンブルの中での目立ち方というのもさすがだなぁと感嘆する次第。んでもってこの強烈なグルーブ感。こういうの求めてたんです、昔から。ただ、そういうのが何かってのがわからずに探せてなかったってのもある。やっぱり長々と音楽聴いていたり、こうして探していたりすると面白い事あります。まさかここでこういうのに出会えるってね。ロックだけじゃ聴けなかったし、良かった。

 コイツを流すと冒頭から有名な「Green Onions」でしょ、それにしては妙に分厚い音で、これがブッカー・Tのサウンドと言われるヤツですかと改めてその音に感心しましたね。んで出てくる出てくるスティーブ・クロッパーの驚異のカッティング。そしてあのトーンの前に出るスタイル、実にユニークで60年代後期のライブ盤とは到底思えない白熱の録音ぶり。ライブが繋げられてるのは歓声の入り方聴いてりゃ分かるが、それでもやっぱり凄いライブアルバムを作り上げているし、全くぶっ飛ぶ音の厚さと演奏の白熱ぶりが堪らん。途中ホーンセクションが入ってくると更にゴージャスに楽しめるんだから更にかっ飛ぶ。いいねぇ、この暑苦しさ。






Aretha Franklin & King Curtis - Don't Fight The Feeling

Aretha Franklin & King Curtis - Don't Fight The Feeling: The Complete Live At Fillmore West
Don't Fight The Feeling: The Complete Aretha Franklin & King Curtis Live At Fillmore West

 そこまで熱くさせられてしまったら当然の如く同じライブでのアレサ・フランクリンのライブも聴きたくなるわな…、ってことで有名な「アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト」に手を伸ばして聴いてみるのだが、どうも違う…、何かこれじゃないんか?って思いながら聴いててクレジットとか調べてたらこのライブは2月のだったんで、やっぱり違ってたんだ、ってことに気づいてまた探す。なるほど、こっちか…ってことで見つけたんだが…、さすがSpotify、簡単に見つかるし聴けるし、いいのかそれで?って思いながらもこの手軽さにすっかり馴染んでしまったという有様…。

 Aretha Franklinメインではあるけど、実はKing Curtisのライブも三日間丸ごと入っているという何とも凄まじいライブアルバム全61曲のとんでもないブツ「Don't Fight The Feeling: The Complete Live At Fillmore West」。もちろん全部聴き倒してて…なんてハズはなく、最終日のだけじっくりと今の所は聴いているところ・キング・カーティスのあの「Memphis Stew」が実は彼らの演奏の最後の曲だったんだが、それであの凄さ…、その余韻を引きずったままのアレサのライブが始まる。冒頭は勢いをそのまま削がないかのような「Respect」で、いやはやあのプレイそのままでバックの演奏陣営がプレイしまくる。これだコレ、このすごいグルーブだよ、って思って聴いてたんだけど、だんだんアレサの歌の凄さが出てきてさ、バンドがアレサのバックバンドになっていくのは凄い。アレサの方もこの頃にはすっかりメジャーだった曲をいくつかカバーして曲を喜ばせながらその歌声を披露していて、ってことはキング・カーティスのバンド、キングピンズもそのまま演奏できちゃうってことで、ってことは多分キング・カーティスもサックス吹けちゃうだろうし、何でも出来る人たちなんだな、と。この頃のフィルモアに出てた人たちってホント、凄いのばかりで、名ライブが繰り広げられていたのはもう今からじゃ伝説。その断片がこうして聴けるのはホント頼もしいよ。

 そしてアレサ・フランクリン、いまさら何を語るなかれと言わんばかりの絶頂期、もう艶やかさも清涼も歌いこなしもこの時点で既に女王様。このライブアルバム凄いわ…。やっぱり初日から順番に聴きまくらないとイカン作品ですね。適度に曲目が変えられているからその日ごとの楽しみもあるし、いやはやこの暑苦しさ、まさに魂の白熱ぶり。こういうのあるから音楽は面白い。




King Curtis - Live At Fillmore West

King Curtis - Live At Fillmore West (1971)
ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト

 暑苦しい夜に暑苦しい音楽を…、じゃない方が良いってことで爽やかなのを求めて彷徨っていたのだが、どうしてもそうは進み切れない、っつうのかちょこっと気にして聴いてみたら暑苦しくて暑苦しくて格好良い、なんてのもある。まぁ、ボチボチ白熱したのに戻りたいなって欲求もあったんだろうし、熱い夜にも慣れてきたから対して変わりはなかろうというのもあるのかもしれない。もっともお盆休みってのも大きいんだけどね。じっくりと音楽三昧出来るし、この暑苦しい時に外に出ていこうなんて気にもならないし、オタな趣味を持つ自分には良い事ずくめの夏。夏である必要性もないのだが…。

 King Curtisの1971年のライブアルバム超名盤「Live At Fillmore West 」。ご存知このバンドメンバーのままこのイベントで後に出演するアレサ・フランクリンのバックも努めたというライブそのままなんだが、アルバム自体は3月5-7日の演奏から選りすぐっての収録なので実際こういう演奏順のライブでもないし、同一日の流れそのままのライブでもない。きちんと編集されたライブアルバムだ。そして偏見なしに書けば、生々しいライブをそのまま収録したライブ盤よりもきちんと作り込まれたライブアルバムの方が名盤になっている。どっちも聞けるのが一番なんだけど、やっぱりこの時代のライブアルバムは名演奏ばかりを編集して収録しているからその寄せ集めライブアルバムが名盤になるのは当たり前だ。そしてこの作品はその斜め上を行く超名盤、超名ライブアルバムと言って良い作品で、どこをどう見ても悪い評判なんてのはない。ロックファンだろうとジャズファンだろうとファンクファンであろうとこのプレイの凄さは響くはず。響かなかったら聴く音楽世界が全く違う基準な人たちだろう。

 ロックな話題的にはProcol Harumの「青い影」Led Zeppelinの「Whole Lotta Love」ジミヘンもやってる「Changes」なんかのカバーがあって手を伸ばしやすい。ところがアルバムを最初から流すといきなりメンバー紹介からの「Memphis Soul Stew」の凄さ。実際のライブではもちろんアンコール一発目の曲だったらしいけどアルバムでは初っ端に配置されていて見事なインパクトを放っている。このベースライン、すげぇ格好良い。これぞファンク、ってな感じでね。んで、どの曲もどの曲もバンドアンサンブルがすごいんだけど、やっぱりキング・カーティスのサックスの凄さも絶品。こんだけ息続けて吹けるんか?ってくらいにエモーショナルに吹き続け、もちろんスピーディなのからメロウなのまで、ただ、他ではあまり聴くことのないようなプレイなのは確か。自分の聞く範囲が狭いから分からんが、命削って吹いてるって気がするもん。

 この暑い夏にこんなハードなジャズ?ファンク?なんかを聴けて嬉しいですね。ギターのコーネル・ヂュプリーの思いっ切りファンキーなカッティングから乾き切ったギターの音色もメリハリ効いてて印象深いし、とにかくどこからどう斬っても素晴らしき名盤。暑苦しいジャケットそのままの濃い〜サウンドが楽しめます。








Marlena Shaw - Who Is This Bitch, Anyway?

Marlena Shaw - Who Is This Bitch, Anyway? (1974)
フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?

 世の中iPhoneやらケータイやらの普及でほぼそれだけあれば生きていけるってくらいにコンパクトな時代になったと思っていたけど、それに反して皆が皆カバンとかを持つようになっている。昔は男なんてほとんどカバンとか持ち歩かなかったんじゃないか、という気がしているけど、どうだろ?今じゃ皆が皆それなりにデカいカバン持っていて、かなり不思議。スマホ以外になにがいるんだろ?財布やタバコならともかく、他には何なんだろ?絶対日常から持っていなくても問題ないものが入っているんだろうなぁなどと勝手に想像しているが、そんな自分は全く手ぶら状態。ほぼすべてポケットやらに入れておくだけでカバンってキライなんだよな。だから余計に世の中の人が何をそんなにカバンに入れて歩いてるのかが不思議。もっとも中身を知ろうなんて思うこともないんだが。

 Malrena Shawの名盤と呼ばれる1974年リリースの傑作アルバム「Who Is This Bitch, Anyway?」。Blue Noteなんだよね、これ。んで、バックはジャズメンばかりで、ラリー・カールトンなんかも弾いている。他にもね、聴いてて良いねぇ〜ってのがベースのチャック・レイニーのプレイとかさ、フェンダーローズの音色もなかなか素敵だし、とにかく歌モノって聞こうとしていたらバックのプロフェッショナルぶりに驚きながら二重に楽しめる一枚。いや〜、知らなかったなぁ…、こういうの好きだわ。冒頭からどっかのバーでの男女の会話が続く…、そういうストーリー仕立てのアルバムらしく、なかなか粋なアルバム。んで、やさぐれた感のあるマレーナ・ショウの歌声が素敵に響き渡る。今で言うならばジョス・ストーン的な感覚か、ソウルともジャズとも言える雰囲気での歌モノ。なんかねぇ、ダークな場末のバーでタバコ吸いながらバーボン飲んで聴いていられる雰囲気の作品で実に良い。今更そんなこと言わんでも知られているアルバムなんだろうけど、聴いたことなかったからかなりその良さに痺れてます。こういうのあるってもっと早く誰か教えてよ、ってくらい。気に入っちゃって何回も何回も流してるもんね。

 有名なのは「Feel Like Makin' Love」なんだけど、これはこれでそのムードを楽しむには最高な一曲だけどね、それ以外のもかなり味わえるアルバムで、別に一曲が突出してるモンでもない。アルバムトータルで痺れる。それでバックミュージシャンがこれだからその楽しみもあるという贅沢な一枚。まさにニューヨークの大人のオンナの作品、と言った傑作。「Davy」の終盤のギターソロの一部がジャニスの「Summertime」からのパクリなんじゃないかなぁ…。






The Crusaders - Street Life

The Crusaders - Street Life (1979)
Street Life

 フュージョン的なのってどうも黒人系の昔で言うブラコンってのが入ってるのが多くなるのだろうか。そういう印象もあまりなかったけどいろいろ聴いているとそっちからの方が入り方がイージーだったのかもな、とも感じる。そういうフュージョンなんてのもある、っていうことなんだろうけど、当初ギターインスト的なのから入ってきている自分的感覚からするといつしかコンテンポラリーなものに差し掛かってきてしまっているというトコロか。そうなってくると本来苦手な分野になるはずなんだが、フュージョン的な目線からだとこの黒人系でも爽やかで軽快に聞けるんなら良いのか、とも思えるから不思議。

 そのスジでは名バンドとして知られているであろうThe Crusadersの1979年ヒットアルバム「Street Life」。ご存知若かりしランディ・クロフォードがボーカルでヒット作となったタイトル曲、こいつがこのアルバム全てだ、とまで言われているようだけど、そうなるわな…と聴いてて思う。何だろな、まさにブラコンそのもの、でバンドも歌もテクニック満載で突っ込めるトコロが全くない位の完璧さ。だから売れても当然だろうし、そういう評価も当然。今の気分ではその爽やかさや軽快さを求めているから聴けちゃう自分もいい加減だなとは思うんだが、なるほど11分以上もの大作でこんだけ軽快に聞かせてしまうってのはなかなか出来ない。歌が少ないワケでもなく、楽器陣営が目立たないワケでもなくバランスよく流れてくる、まるでひとつのドラマが描かれているかのような展開で、それも展開が多いわけじゃなくてシーンの情景だけが変わっていくというような感覚での長時間楽曲。個々の楽器の面白さもしっかりとあるんで、なるほど名作と言われる曲でしょうな、と。

 これ、映画の「ジャッキー・ブラウン」でカバーされて流れていたってことなんだが、そうなんだ?あまり記憶にないからまた今度見てみようかなとは思うが、確かにマッチするかも。しかしクルセイダーズってメインはトロンボーンとかサックスで、ラリー・カールトンがいた頃はともかく、この時期は既に脱退してブラコン一直線なスタンスだから取り立てて聞けるトコロが多くないのはちょいと選定ミス。ま、そういうのもあるんだな、ってジャズ的BGMとして聴いていたけど、心地良いのはあって、どこかドラマや映画やテレビなんかで使われやすそうなサウンドという感覚だったね。




Phil Upchurch - Darkness Darkness

Phil Upchurch - Darkness Darkness (1972)
ダークネス・ダークネス

 割と色々と手を出してきたつもりなんだけど、フュージョン周辺ってのはタッチしたことなかったから今回そのヘンを漁ってみて、新たな世界を知った感あるな。イメージしていたフュージョンっていうのからかなり逸脱したものまで含めてそれはやっぱり音楽の幅も広くなっていってロックと同じくなんでも融合して取り込むというスタンスはあるし、そこからユニークなものも多数出てきている。そこまで売れない、というか知名度がロックのそれよりも高くならないのは多分多少インテリ感がないとできない世界がフュージョンだからだろう。音楽的にも、という意味だけどね。

 Phil Upchurchというギタリストの1972年リリース作品「Darkness Darkness」。まだフュージョンなんて言葉が出る前の一人のギタリストの作品なので趣は多少異なるが、この頃から既にギターインストで聞かせるアルバムを出している人もいたってことで。しかもファンク、ソウルの世界から出てきていて、このアルバムでもJBやカーティス・メイフィールド、マービン・ゲイなどのカバー作がかなりカッコよくギターインストで入ってる。ジェームス・テイラーやキャロル・キングなんてのも入ってて、売れ線狙ったんだろうなぁとは思うが、それでもユニークなアルバムがあったものだ。自分的にはやっぱりギターの音色がちょいと物足りないというか線が細いというか、そんな感じはあるんだけど、演奏含めたググルーブ感なんかは凄いなと。

 スローブルースあたりもあって、こういう風になるんだ、的にあまり耳にすることのないようなフレーズや流れみたいなのがあって、いわゆるブルースとはちょいと違う。出処が違うとこうも異なるのかってのが面白くって聴いてたね。それにしてもこの頃こんなアルバムよくリリースしてたな。この時代だからかもしれないが、ファンクのインストアルバムなんてね…。

Prince - Controversy

Prince - Controversy (1981)
CONTROVERSY

 70年代からのソウルミュージシャンが80年に入る頃になっても70年代のムードそのままでライブを演じながらシーンで活躍していこうとしていたけど、結局は時代の取り残されていって沈んでいってしまった。もしくはシーンで見ることはなくなっていった人も多かった。今でこそそれでも復活劇と言って持て囃される事もあるけど、時代の波は一つ前のものはすべて古いと容赦なく切り捨てていくので、リバイバルなんてのは一回りしないと通じないものだ。70年代のソウルシンガー達が必死になって生き延びるためにやっていたものをいとも簡単にあっさりと切り離ししてしまった天才がこの人、プリンス。

 1981年リリースの4枚目の作品「Controversy」。そう言えばプリンス自身もアルバムデビューは1978年なんだから70年代のミュージシャンでもあるが、そのヘンはあまり気にせずに進めていこう(笑)。いやこないだまで古くからのソウル・ミュージックを聞いてたからか、ここで聴けるサウンドの斬新さ、新時代の幕開け的な音作り、これぞ最先端のソウルミュージック的なスタイルに大きく驚いたワケ。ミネアポリスサウンドって言えばそれまでかもしれないけど、ジャストに鳴らされるビート、ファルセット多様とコーラスワークで見事にキャッチーに組み立てられたメロディ、そしてグイグイと単調に引っ張っていくリズムによる覚醒、確かにルーツに忠実でありながらも明らかに革命的なサウンドを組み立てている。それも4枚目のアルバム時点ではたまたまそうだったというだけなのだから恐ろしい。もっとも同じ路線で語る事自体がおかしいんではあるが…。

 昔はこのヘンのプリンス聴いててもどうにもイマイチと思ってたけど、だんだん判ってくるようになるのか、面白いな、って感じる程度には自分のレベルが変わってきた。気分に左右されるんだけど、こういうノリも良いんじゃない?ってな感じに聴いている。一応以前からちょこちょこと気になってる人だし、いつか全制覇したいと思っている人なのでアルバムは結構買ったり落としたりして持ってるんだよね。ただ、体系化出来てないから確かこの辺が…みたいな感覚で聴いている。普通こんだけのミュージシャンだと初期とか中期、後期なんてのは割と作風変わっていくんだろうけど、ある意味この人の場合最初から最後まで全部同じでもあるし全部違うのかもしれない。この「Controversy」はそんな中でもかなり洗練された飛躍へのステップ前の重要な一枚な気がする。




Marvin Gay - Live In Montreux 1980

Marvin Gay - Live In Montreux 1980
Live In Montreux 1980  (2cd)

 昔から黒人系でまともに聴けるのはブルースくらいしかなくって、ラップはダメだし、ソウルやR&Bもルーツ的な意味では多少かじる程度だったけど、じっくりと好きって言えるほどまでのバンドやアーティストなんてJBとかファンカデリックとかそんくらいで、正直全然分からん。知らないってのもあるけど、聴いても面白いと感じることが出来なくて、その筋の友人なんかと話すとなぜ分からん?と言われるくらいには黒人音楽音痴。それでも白熱したライブやアルバム、名盤あたりは手を出していてそれなりには理解してそのアルバムの良さを認識はしているつもりなのだが、その世界ってのは深いなぁと。なんとなくは分かるんだけどまだまだその深みに手を付けるには未熟なんだろうと自分的には思ってる。

 Marvin Gayの1980年のモントルーのライブが「Live In Montreux 1980」としてCDとDVDでリリースされているが、これがまた名ライブとして語られているようだったので、ちょいと手を付けてみる。最初はやっぱり黒人のライブ、というか音楽ってこういうある意味ジャストで完璧なバックの演奏陣営にファルセットが乗るもので完璧すぎて面白味ないんだよなぁ、なんて思いながら聴いてるんだがそのウチそのグルーブのドライブ感が心地良くなってきてさ、何かスゲェぞ、楽しいぞ、なんて感じちゃうんだから不思議だ。もっともそれがすべてじゃないんで、途中飽きたり、かったるいなぁと思うのもあったりして聴いてるからまだまだなんだが、多分黒いのってそういう所がリスナーの心を掴むんだろう。甘ったるいのが良いとかグルーブが良いとか暑苦しいのがいいとか色々あるだろうが…、

 こんだけの一級エンターティナーになると曲を知ってるとか知らないとかじゃなくてグルーブでグイグイと乗せていくとか盛り上げていくみたいなのも普通に出来るのが当たり前だろうし、実際こんなの生で聴いてたら踊りたくなるんだろうね。




Sam Cooke - Live at the Harlem Square Club 1963

Sam Cooke - Live at the Harlem Square Club 1963
Live at the Harlem Square Club 1963

 時代の産物ってのはその時代じゃなきゃ生まれなかったであろうものだが、それが功を奏して今じゃとても真似できるものではない唯一無二の代物になってしまうものだ。特に音楽なんてのは時代の流れと共に出来上がってくるものだからどうしたって時代を背負う部分はあるし、それはやってる側も聴いてる側も同じで、だからこそ文化の一端でもあるし流行りものにもなっていくものだ。それを後からの世代が聴いて、時代背景を鑑みてじっくりと聴くことで、より一層そのアルバムなりの深みを実感するのだ。その手前にはそもそも名盤があったり良い作品があったりして、聴きたくなる準備がなきゃいけないのかもしれないが、名盤ってのはそうじゃなくても聴いてりゃその凄さが判ってしまうのだから多分大丈夫。

 Sam Cookeの発掘ライブアルバム「Live at the Harlem Square Club 1963」はそんな一枚で、1963年のライブが収録されているのだが、当時のマネジメントからはあまりにもサム・クックのイメージとかけ離れたライブアルバムが出来上がってしまったため、お蔵入りにしてしまったというもの。それが1985年にリリースされたというのだが、その頃は当然マニアに向けての作品になってしまっていて、当時のリスナー達に届いたのかどうかは分からない。その方が良かったのかどうかも分からんけど、後の世代からするとありがたい一枚、でもあるし混乱する一枚でもある。確かにマネジメントが危惧したように、このライブアルバムはこれまでのサム・クックという上品なソウルシンガー、ともすればポップシンガーな一面を思い切り否定するかのような肉体的で唾を吐き捨ててシャウトしている姿が記録されているからだ。そんなに詳しくない自分でも、こういうライブが出てくるのは想像出来なかったもんね。そもそもJBでも聴くかなって思ってた所にコイツが目に入ったから聞いてみたらこのぶっ飛び具合だったんだから。しかもライブ会場はもちろんハーレムの一角のクラブなワケで、モロにそのまんまなライブなんだな。

 オーティスやJBやああいったフィジカルなソウルシンガーのライブと何ら変わらない、シャウトしまくりのライブで、バックが質素なだけに余計にサム・クックのパワフルさが浮き彫りになり、会場の熱気ぶりもそのまま味わえるという貴重なアルバム。見事なまでに時代の雰囲気を捉えているライブで40分弱ながら一気に聴いてアドレナリンを放出しまくってしまうものだ。いやはやこんな商が繰り広げられているとは驚き。やっぱり生身のライブってのは面白いな。


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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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