James Brown - Hell

James Brown - Hell (1974)
Hell

 著名なミュージシャンであればあるほどに自分が築き上げてきたこれまでの音楽的軌跡とスタンスってのを変化させていくってのが難しくなる、というかその勇気ってかなりなモノになるんじゃないだろうか、ってのは素人考えでもあるか。何しても売れる、自分の音楽には自信がある、みたいなトコロまで行けばどんな実験でもガンガンやっていけちゃうのだろうが、そこは商業主義との絡みも出てくるのでどんだけそういう戦いが出来るかにもかかってくる部分は大きいだろう。もっとも売る側もマンネリなモノ出してても売れないから変化や実験、チャレンジみたいなものは必要になるのだろうが、その振れ幅の妥協ラインがどこに出てくるかってな話になるのだろう。世の中で問題作と言われる作品はその振れ幅が想定よりも大きすぎた場合に言われるものなのかもな。

 ファンクの帝王James Brownにも問題作と呼ばれるアルバムがあったんだな。1974年全盛期にリリースされた「Hell」というアルバム。これまでのジェームズ・ブラウンを聴いた事あればなんじゃこりゃ?になるんだろうなぁという問題作の意味で、決して宇宙に飛び出していってしまったアルバムというワケではない。ただ、JB自身が作り上げてきた世界観を拡張させた、と言うのか思い切り別の方向性に舵を切ったと言うのか、ものすごい発展感を感じる作品なので確かに問題作と言われるレベルだろう。先のマイルスのアレほどの衝撃ではないが…。それでもJBがラテンをこれだけプッシュして取り入れてファンクやジャズなんかもまぜこぜにして一時間以上の二枚組のアルバムとしてリリースしているってのは驚異だ。

 凄いなぁってのはどこまで行ってもJBはJBでしかないってことか。バックの演奏や音楽スタイルはとんでもなくぶっ飛んでるんだけど、JBが歌って掛け声入れればそれはもうJBの世界にとどまってしまうレベルの存在感。更にメイシオ・パーカーなんかも含めてジャズ畑のミュージシャンも交えての一大セッションにもなってて気合の作品とも言えるアルバムに仕上げていて、曲間が全て銅鑼で繋がれているのが何かショウっぽくて面白い。全編聴いてて思うのは、やっぱり凄い人だ、ってのとプリンスはこのへんのJBをモチーフにしていたのか、っていう新たな気付きだった。いやはや、暑苦しいアルバムだが気合の一枚。






Grant Green - Live At The Lighthouse

Grant Green - Live At The Lighthouse (1972)
グラント・グリーン・ライヴ・アット・ザ・ライトハウス

 ロックにしてもジャズにしてもファンクにしてもやっぱり新しい試みだったり何かとの融合だったりしてどんどんと進化させていくのがミュージシャンだろうし時代はそういうのを求め続けている。今でもそういうセンスを持った人たちってのがやはり評価されているし、売れていくのだろう。古いことの繰り返しなんてのはあまり求められていなくて、それを踏まえての新しい感性ってのを求められている。だから珍しいもの、ってのが売れていくし時代の寵児になったりもする。自分もそういうの聴いたりするとハッとすることあるし、虜になっちゃうパターンも10年に一つくらいはあったりする。だから面白い。

 Grant Greenの1972年のライブアルバム「Live At The Lighthouse」。何せこのジャケットだからとてもライブアルバムには見えないし、どんだけ格好良いライブが収められていたにしてもこれではなかなか出が出せない。だからこそこんなジャケットなんだろうか、罪な作品である。何よりも中身のライブが最高、とは言わないけどブルーノートのギタリストがまさかこんなスタイルでライブをやっててアルバム出しちゃうのか、ってくらいにはジャズギタリストではない作品。ジャズファンクの走りってんだろうかね、ジャズソウルとでも言うべきか、しっかりとリードはギターとサックスの2枚看板で走ってて、リズムはもちろんジャズ上がりなんだけど、きっちりとしたビートを刻んでいるからその意味ではファンク寄り。オルガンなんかもこの音色だし、ファンク系に近づいてるんだろうな。それでいてグラント・グリーンのギターがパキパキと鳴ってたりするんだから不思議なものだ。

 白熱のライブ、っていうのとはちょっと違うかな、って自分的には思ったり。もちろん演奏自体は凄く熱いし、見事なインタープレイをしているんだけど、ぶつけ合ってるっていう感じではなくってもっとクールにプレイされているってのか、その意味ではジャズ的にきちんと分けられているというのかな、クールに激しいプレイって感じ。その割に掛け声や叫び声がそこかしこで入っているんだからしっかりと燃え上がっているのはよく分かるのだが(笑)。ジャケットに騙されなければ無茶苦茶良いライブアルバム、ま、この際だから名作ライブアルバムとしてきちんと聴いていこう。




Jimmy Smith - Root Down

Jimmy Smith - Root Down (1972)
Root Down

 ジャズからソウル・ファンク、クロスオーヴァー、フュージョンってのはどうもそれなりに繋がっているようで、ミュージシャンが進化していく間にそういう音楽カテゴリというか新たな融合サウンドに飛びつくヤツもたくさんいたとか、それはロックでも同じ事が言えるし、当然黒人系の音楽家でも同じように70年代ってのは発展したり融合したり実験したりしていったのだろう。有名なのマイルス・デイヴィスのエレキ化ってトコロだけど、その実同じようなスタイルの変化・実験は様々なミュージシャンが試していたのだった。やっぱり幅を広げていくと色々知ることが増えてくるね。

 Jimmy Smithって自分の中ではジャズピアニストでブルーノートからリリースしていたジャズメンっていうふうにしか捉えていなかった。ところがアレコレ漁ってみると何とも意外なトコロから、即ち今回までの流れの中から辿り着いてしまったワケだ。Jimmy Smithって人はハモンドB3を操るオルガン奏者で名を馳せていて、70年代にはソウルジャズの第一人者として知られている、みたいにね。この人50年代の人じゃなかったっけ?ってのがあったから同一人物に思ってなかったんだが…、いや驚くばかりだ。そのJimmy Smithのライブアルバムもかなり熱いらしいってことで、「Root Down」。1972年のアルバムになるんだけど、オイオイオイ、いきなりブルースそのままじゃないかコレ、ってくらいに普通のジャズでもないしソウル・ファンクでもなくブルース。ハモンドの入ったブルースでベースとドラムとギターによるプレイ、何か凄いセッションだなぁって聴いてた。

 その後もインストがひたすら続くんだけど、やっぱりジミー・スミスのオルガンの目立ち方が凄くて、それも音だけじゃなくてアグレッシブなプレイのユニークさなんだろうね。全然黒人の云々ってんじゃなくて面白いスタイルでついつい聞き入ってしまうプレイ。アンサンブルももちろん意識しているからそれぞれの楽器陣営との辛味は抜群だし、クールだけど熱いライブアルバムっていう感じかな、白熱ってよりは青白い炎の激突ってかさ、面白い世界があったもんだ。




Donny Hathaway - Live

Donny Hathaway - Live (1972)
Live

 久々に家電量販店散策しながら買い物をしたのだが、やっぱり店舗での買い物って好き嫌いが出ちゃうな。プロらしい対応してくれると、さすがだな、ネット店とは違うサービスをきちんと認識して対処してるわ、って思うけど、そうでもない対応されるとやっぱりネットで買っときゃ良かったな、って思う。価格だけの話すればどうしたって店舗の方が高いワケだから、それでも店舗に買いに来たのは現物触るとか見れるとか細かいトコロを確認するみたいな意味合いがあって、その御礼に多少なら高くても別に良いか、って思ってその場で買うんだけどその対応が結局は決めることになる。向こうからしたら単なる一人のお客さんでしかないからそこまで気にしてないだろうが。まぁ、あんまり心地良い買い物にはならなかったって話。

 Donny Hathawayの1972年の名盤「Live」。ギターにはA面のトルバドールではPhil Upchurch、B面のニューヨークではコーネル・ヂュプリーが入っているが、他はそのままの布陣によるライブ。まぁ、そういうメンツの面白さがあるのは事実だけど、圧倒的に全編を支配しているのは明らかにドニー・ハサウェイその人そのもの。どっからどう聴いてもそうしか聞こえない。オーディエンスの扱いにしても手拍子の鳴り方から男女別コーラスまでやらせてしまうというのも見事な支配者、カリスマ。マーヴィン・ゲイにしてもドニー・ハサウェイにしてもこういうのを聴いているとリスナーからするとこの時点だけは少なくとも限りなく彼らの髪に近い存在になっているように心地良く一体となっている様が目に浮かぶ。こういうのはロックでは聴かれないことなので、ある種ソウル・ファンクならではの世界観なのかもなぁと。

 さて、この銘板ライブアルバムではいきなりマーヴィン・ゲイの「What's Going On」のカバーからスタートだけど、その時点で既に圧巻。本家に負けず劣らずの歌いっぷりとムード、それに加えて12分超えのインストに近い「The Ghetto」でのムーディなプレイと一体感。これが凄い。エレピメインな人だからそうなるんだけど当然メンバーの演奏力もともかくながら完全に宗教チックなまでの融合感がね、素晴らしくて、最後のコーラスがホント、何で?ってくらいに凄い。そのままの勢いで圧巻のライブパフォーマンスが続いているように聞こえるし、多分そうだったんだろう。もちろん素晴らしい演奏の編集なんだろうけど凄さはましている。ジョン・レノンの「Jealous Guy」にしても完全に本家を超えている、っても過言じゃないでしょ。

 凄い密度の濃いライブアルバム…、時代もあるだろうけど、ドニー・ハサウェイの魂がたっぷり詰め込まれて発散されているそのままをパックしているからか素晴らしい作品に仕上がってる。ロックファンだろうがソウルだろうがこの熱さ、一体感ってのは感動できるんじゃないかなぁ。ただ、濃すぎるからなぁってのはあるだろうが。んでも、こういう白熱のライブってのが70年代の特権でもあったしね、やっぱり凄いです。






The Mar-Keys & Booker T & MG's - Back To Back

The Mar-Keys & Booker T & MG's - Back To Back (1967)
バック・トゥ・バック

 黒人音楽の世界ってやっぱり奥深いんだなぁ…。これまで何となく知ってた黒人系のR&Bやソウル系なんてのはホントに表面だけので、ロックに迫る白熱のサウンドなんてさほど多くないように思ってたけど、裏側から入ってくるとそんなのたくさんあるじゃないか、って事でね、入り方間違えてたんだってことに気づきました。ってことはまだまだ深い闇がず〜っと待っているということになるんだけど、そこまで行きたくないというのもあるんで、どっかでこういうのまとめて紹介しててくれないだろうか。暑く激しくソウルフルにファンキーに白熱したアルバムなんてのが良い。

 The Mar-Keys & Booker T & MG'sの1967年のライブアルバム「Back To Back」。もちろんギターはスティーブ・クロッパーでして、って言いつつもそこまでスティーブ・クロッパーのプレイをマジマジと聴いていた事はなくて、何かのセッションとかでくらいしかまともに聴いてないんじゃないだろうか。それがここででスタックスのど真ん中時代のプレイが炸裂していて、ようやくにしてスティーブ・クロッパーのカッコよさと言うか、このバランスの中でのギターの位置づけを決めた役割とか音色、もちろんカッティングやフレーズの豊富さなんてのも味わっていたんだが、こうして聴くと当然ギターだけのバンドじゃないからバンドアンサンブルの中での目立ち方というのもさすがだなぁと感嘆する次第。んでもってこの強烈なグルーブ感。こういうの求めてたんです、昔から。ただ、そういうのが何かってのがわからずに探せてなかったってのもある。やっぱり長々と音楽聴いていたり、こうして探していたりすると面白い事あります。まさかここでこういうのに出会えるってね。ロックだけじゃ聴けなかったし、良かった。

 コイツを流すと冒頭から有名な「Green Onions」でしょ、それにしては妙に分厚い音で、これがブッカー・Tのサウンドと言われるヤツですかと改めてその音に感心しましたね。んで出てくる出てくるスティーブ・クロッパーの驚異のカッティング。そしてあのトーンの前に出るスタイル、実にユニークで60年代後期のライブ盤とは到底思えない白熱の録音ぶり。ライブが繋げられてるのは歓声の入り方聴いてりゃ分かるが、それでもやっぱり凄いライブアルバムを作り上げているし、全くぶっ飛ぶ音の厚さと演奏の白熱ぶりが堪らん。途中ホーンセクションが入ってくると更にゴージャスに楽しめるんだから更にかっ飛ぶ。いいねぇ、この暑苦しさ。






Aretha Franklin & King Curtis - Don't Fight The Feeling

Aretha Franklin & King Curtis - Don't Fight The Feeling: The Complete Live At Fillmore West
Don't Fight The Feeling: The Complete Aretha Franklin & King Curtis Live At Fillmore West

 そこまで熱くさせられてしまったら当然の如く同じライブでのアレサ・フランクリンのライブも聴きたくなるわな…、ってことで有名な「アレサ・ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト」に手を伸ばして聴いてみるのだが、どうも違う…、何かこれじゃないんか?って思いながら聴いててクレジットとか調べてたらこのライブは2月のだったんで、やっぱり違ってたんだ、ってことに気づいてまた探す。なるほど、こっちか…ってことで見つけたんだが…、さすがSpotify、簡単に見つかるし聴けるし、いいのかそれで?って思いながらもこの手軽さにすっかり馴染んでしまったという有様…。

 Aretha Franklinメインではあるけど、実はKing Curtisのライブも三日間丸ごと入っているという何とも凄まじいライブアルバム全61曲のとんでもないブツ「Don't Fight The Feeling: The Complete Live At Fillmore West」。もちろん全部聴き倒してて…なんてハズはなく、最終日のだけじっくりと今の所は聴いているところ・キング・カーティスのあの「Memphis Stew」が実は彼らの演奏の最後の曲だったんだが、それであの凄さ…、その余韻を引きずったままのアレサのライブが始まる。冒頭は勢いをそのまま削がないかのような「Respect」で、いやはやあのプレイそのままでバックの演奏陣営がプレイしまくる。これだコレ、このすごいグルーブだよ、って思って聴いてたんだけど、だんだんアレサの歌の凄さが出てきてさ、バンドがアレサのバックバンドになっていくのは凄い。アレサの方もこの頃にはすっかりメジャーだった曲をいくつかカバーして曲を喜ばせながらその歌声を披露していて、ってことはキング・カーティスのバンド、キングピンズもそのまま演奏できちゃうってことで、ってことは多分キング・カーティスもサックス吹けちゃうだろうし、何でも出来る人たちなんだな、と。この頃のフィルモアに出てた人たちってホント、凄いのばかりで、名ライブが繰り広げられていたのはもう今からじゃ伝説。その断片がこうして聴けるのはホント頼もしいよ。

 そしてアレサ・フランクリン、いまさら何を語るなかれと言わんばかりの絶頂期、もう艶やかさも清涼も歌いこなしもこの時点で既に女王様。このライブアルバム凄いわ…。やっぱり初日から順番に聴きまくらないとイカン作品ですね。適度に曲目が変えられているからその日ごとの楽しみもあるし、いやはやこの暑苦しさ、まさに魂の白熱ぶり。こういうのあるから音楽は面白い。




King Curtis - Live At Fillmore West

King Curtis - Live At Fillmore West (1971)
ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト

 暑苦しい夜に暑苦しい音楽を…、じゃない方が良いってことで爽やかなのを求めて彷徨っていたのだが、どうしてもそうは進み切れない、っつうのかちょこっと気にして聴いてみたら暑苦しくて暑苦しくて格好良い、なんてのもある。まぁ、ボチボチ白熱したのに戻りたいなって欲求もあったんだろうし、熱い夜にも慣れてきたから対して変わりはなかろうというのもあるのかもしれない。もっともお盆休みってのも大きいんだけどね。じっくりと音楽三昧出来るし、この暑苦しい時に外に出ていこうなんて気にもならないし、オタな趣味を持つ自分には良い事ずくめの夏。夏である必要性もないのだが…。

 King Curtisの1971年のライブアルバム超名盤「Live At Fillmore West 」。ご存知このバンドメンバーのままこのイベントで後に出演するアレサ・フランクリンのバックも努めたというライブそのままなんだが、アルバム自体は3月5-7日の演奏から選りすぐっての収録なので実際こういう演奏順のライブでもないし、同一日の流れそのままのライブでもない。きちんと編集されたライブアルバムだ。そして偏見なしに書けば、生々しいライブをそのまま収録したライブ盤よりもきちんと作り込まれたライブアルバムの方が名盤になっている。どっちも聞けるのが一番なんだけど、やっぱりこの時代のライブアルバムは名演奏ばかりを編集して収録しているからその寄せ集めライブアルバムが名盤になるのは当たり前だ。そしてこの作品はその斜め上を行く超名盤、超名ライブアルバムと言って良い作品で、どこをどう見ても悪い評判なんてのはない。ロックファンだろうとジャズファンだろうとファンクファンであろうとこのプレイの凄さは響くはず。響かなかったら聴く音楽世界が全く違う基準な人たちだろう。

 ロックな話題的にはProcol Harumの「青い影」Led Zeppelinの「Whole Lotta Love」ジミヘンもやってる「Changes」なんかのカバーがあって手を伸ばしやすい。ところがアルバムを最初から流すといきなりメンバー紹介からの「Memphis Soul Stew」の凄さ。実際のライブではもちろんアンコール一発目の曲だったらしいけどアルバムでは初っ端に配置されていて見事なインパクトを放っている。このベースライン、すげぇ格好良い。これぞファンク、ってな感じでね。んで、どの曲もどの曲もバンドアンサンブルがすごいんだけど、やっぱりキング・カーティスのサックスの凄さも絶品。こんだけ息続けて吹けるんか?ってくらいにエモーショナルに吹き続け、もちろんスピーディなのからメロウなのまで、ただ、他ではあまり聴くことのないようなプレイなのは確か。自分の聞く範囲が狭いから分からんが、命削って吹いてるって気がするもん。

 この暑い夏にこんなハードなジャズ?ファンク?なんかを聴けて嬉しいですね。ギターのコーネル・ヂュプリーの思いっ切りファンキーなカッティングから乾き切ったギターの音色もメリハリ効いてて印象深いし、とにかくどこからどう斬っても素晴らしき名盤。暑苦しいジャケットそのままの濃い〜サウンドが楽しめます。








Marlena Shaw - Who Is This Bitch, Anyway?

Marlena Shaw - Who Is This Bitch, Anyway? (1974)
フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ?

 世の中iPhoneやらケータイやらの普及でほぼそれだけあれば生きていけるってくらいにコンパクトな時代になったと思っていたけど、それに反して皆が皆カバンとかを持つようになっている。昔は男なんてほとんどカバンとか持ち歩かなかったんじゃないか、という気がしているけど、どうだろ?今じゃ皆が皆それなりにデカいカバン持っていて、かなり不思議。スマホ以外になにがいるんだろ?財布やタバコならともかく、他には何なんだろ?絶対日常から持っていなくても問題ないものが入っているんだろうなぁなどと勝手に想像しているが、そんな自分は全く手ぶら状態。ほぼすべてポケットやらに入れておくだけでカバンってキライなんだよな。だから余計に世の中の人が何をそんなにカバンに入れて歩いてるのかが不思議。もっとも中身を知ろうなんて思うこともないんだが。

 Malrena Shawの名盤と呼ばれる1974年リリースの傑作アルバム「Who Is This Bitch, Anyway?」。Blue Noteなんだよね、これ。んで、バックはジャズメンばかりで、ラリー・カールトンなんかも弾いている。他にもね、聴いてて良いねぇ〜ってのがベースのチャック・レイニーのプレイとかさ、フェンダーローズの音色もなかなか素敵だし、とにかく歌モノって聞こうとしていたらバックのプロフェッショナルぶりに驚きながら二重に楽しめる一枚。いや〜、知らなかったなぁ…、こういうの好きだわ。冒頭からどっかのバーでの男女の会話が続く…、そういうストーリー仕立てのアルバムらしく、なかなか粋なアルバム。んで、やさぐれた感のあるマレーナ・ショウの歌声が素敵に響き渡る。今で言うならばジョス・ストーン的な感覚か、ソウルともジャズとも言える雰囲気での歌モノ。なんかねぇ、ダークな場末のバーでタバコ吸いながらバーボン飲んで聴いていられる雰囲気の作品で実に良い。今更そんなこと言わんでも知られているアルバムなんだろうけど、聴いたことなかったからかなりその良さに痺れてます。こういうのあるってもっと早く誰か教えてよ、ってくらい。気に入っちゃって何回も何回も流してるもんね。

 有名なのは「Feel Like Makin' Love」なんだけど、これはこれでそのムードを楽しむには最高な一曲だけどね、それ以外のもかなり味わえるアルバムで、別に一曲が突出してるモンでもない。アルバムトータルで痺れる。それでバックミュージシャンがこれだからその楽しみもあるという贅沢な一枚。まさにニューヨークの大人のオンナの作品、と言った傑作。「Davy」の終盤のギターソロの一部がジャニスの「Summertime」からのパクリなんじゃないかなぁ…。






The Crusaders - Street Life

The Crusaders - Street Life (1979)
Street Life

 フュージョン的なのってどうも黒人系の昔で言うブラコンってのが入ってるのが多くなるのだろうか。そういう印象もあまりなかったけどいろいろ聴いているとそっちからの方が入り方がイージーだったのかもな、とも感じる。そういうフュージョンなんてのもある、っていうことなんだろうけど、当初ギターインスト的なのから入ってきている自分的感覚からするといつしかコンテンポラリーなものに差し掛かってきてしまっているというトコロか。そうなってくると本来苦手な分野になるはずなんだが、フュージョン的な目線からだとこの黒人系でも爽やかで軽快に聞けるんなら良いのか、とも思えるから不思議。

 そのスジでは名バンドとして知られているであろうThe Crusadersの1979年ヒットアルバム「Street Life」。ご存知若かりしランディ・クロフォードがボーカルでヒット作となったタイトル曲、こいつがこのアルバム全てだ、とまで言われているようだけど、そうなるわな…と聴いてて思う。何だろな、まさにブラコンそのもの、でバンドも歌もテクニック満載で突っ込めるトコロが全くない位の完璧さ。だから売れても当然だろうし、そういう評価も当然。今の気分ではその爽やかさや軽快さを求めているから聴けちゃう自分もいい加減だなとは思うんだが、なるほど11分以上もの大作でこんだけ軽快に聞かせてしまうってのはなかなか出来ない。歌が少ないワケでもなく、楽器陣営が目立たないワケでもなくバランスよく流れてくる、まるでひとつのドラマが描かれているかのような展開で、それも展開が多いわけじゃなくてシーンの情景だけが変わっていくというような感覚での長時間楽曲。個々の楽器の面白さもしっかりとあるんで、なるほど名作と言われる曲でしょうな、と。

 これ、映画の「ジャッキー・ブラウン」でカバーされて流れていたってことなんだが、そうなんだ?あまり記憶にないからまた今度見てみようかなとは思うが、確かにマッチするかも。しかしクルセイダーズってメインはトロンボーンとかサックスで、ラリー・カールトンがいた頃はともかく、この時期は既に脱退してブラコン一直線なスタンスだから取り立てて聞けるトコロが多くないのはちょいと選定ミス。ま、そういうのもあるんだな、ってジャズ的BGMとして聴いていたけど、心地良いのはあって、どこかドラマや映画やテレビなんかで使われやすそうなサウンドという感覚だったね。




Phil Upchurch - Darkness Darkness

Phil Upchurch - Darkness Darkness (1972)
ダークネス・ダークネス

 割と色々と手を出してきたつもりなんだけど、フュージョン周辺ってのはタッチしたことなかったから今回そのヘンを漁ってみて、新たな世界を知った感あるな。イメージしていたフュージョンっていうのからかなり逸脱したものまで含めてそれはやっぱり音楽の幅も広くなっていってロックと同じくなんでも融合して取り込むというスタンスはあるし、そこからユニークなものも多数出てきている。そこまで売れない、というか知名度がロックのそれよりも高くならないのは多分多少インテリ感がないとできない世界がフュージョンだからだろう。音楽的にも、という意味だけどね。

 Phil Upchurchというギタリストの1972年リリース作品「Darkness Darkness」。まだフュージョンなんて言葉が出る前の一人のギタリストの作品なので趣は多少異なるが、この頃から既にギターインストで聞かせるアルバムを出している人もいたってことで。しかもファンク、ソウルの世界から出てきていて、このアルバムでもJBやカーティス・メイフィールド、マービン・ゲイなどのカバー作がかなりカッコよくギターインストで入ってる。ジェームス・テイラーやキャロル・キングなんてのも入ってて、売れ線狙ったんだろうなぁとは思うが、それでもユニークなアルバムがあったものだ。自分的にはやっぱりギターの音色がちょいと物足りないというか線が細いというか、そんな感じはあるんだけど、演奏含めたググルーブ感なんかは凄いなと。

 スローブルースあたりもあって、こういう風になるんだ、的にあまり耳にすることのないようなフレーズや流れみたいなのがあって、いわゆるブルースとはちょいと違う。出処が違うとこうも異なるのかってのが面白くって聴いてたね。それにしてもこの頃こんなアルバムよくリリースしてたな。この時代だからかもしれないが、ファンクのインストアルバムなんてね…。

 | HOME |  »

プロフィール

フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


ロック好きの…別館リンク


ブログ検索


最新記事


カテゴリー


最新コメント


最近のトラックバック


カレンダー

09 | 2018/10 | 11
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

過去ログ+

2018年 11月 【1件】
2018年 10月 【18件】
2018年 09月 【30件】
2018年 08月 【31件】
2018年 07月 【31件】
2018年 06月 【30件】
2018年 05月 【31件】
2018年 04月 【30件】
2018年 03月 【31件】
2018年 02月 【28件】
2018年 01月 【31件】
2017年 12月 【31件】
2017年 11月 【30件】
2017年 10月 【31件】
2017年 09月 【30件】
2017年 08月 【31件】
2017年 07月 【31件】
2017年 06月 【30件】
2017年 05月 【31件】
2017年 04月 【30件】
2017年 03月 【31件】
2017年 02月 【28件】
2017年 01月 【32件】
2016年 12月 【32件】
2016年 11月 【30件】
2016年 10月 【31件】
2016年 09月 【30件】
2016年 08月 【31件】
2016年 07月 【31件】
2016年 06月 【30件】
2016年 05月 【31件】
2016年 04月 【30件】
2016年 03月 【31件】
2016年 02月 【29件】
2016年 01月 【32件】
2015年 12月 【32件】
2015年 11月 【30件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【30件】
2015年 08月 【31件】
2015年 07月 【31件】
2015年 06月 【30件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【30件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【28件】
2015年 01月 【32件】
2014年 12月 【31件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【31件】
2014年 09月 【30件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【32件】
2013年 12月 【32件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【32件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【30件】
2013年 03月 【31件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【32件】
2012年 12月 【32件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【31件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【31件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【32件】
2011年 12月 【31件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【30件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【30件】
2011年 05月 【31件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【32件】
2010年 12月 【32件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【30件】
2010年 05月 【31件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【30件】
2009年 10月 【31件】
2009年 09月 【30件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【31件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【31件】
2009年 04月 【30件】
2009年 03月 【31件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【32件】
2008年 11月 【30件】
2008年 10月 【31件】
2008年 09月 【29件】
2008年 08月 【30件】
2008年 07月 【30件】
2008年 06月 【30件】
2008年 05月 【31件】
2008年 04月 【30件】
2008年 03月 【31件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【31件】
2007年 12月 【29件】
2007年 11月 【30件】
2007年 10月 【29件】
2007年 09月 【28件】
2007年 08月 【31件】
2007年 07月 【30件】
2007年 06月 【29件】
2007年 05月 【30件】
2007年 04月 【30件】
2007年 03月 【26件】
2007年 02月 【27件】
2007年 01月 【20件】
2006年 12月 【31件】
2006年 11月 【30件】
2006年 10月 【31件】
2006年 09月 【30件】
2006年 08月 【31件】
2006年 07月 【31件】
2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


リンク


RSSフィード


全記事表示リンク

全ての記事を表示する


QRコード

QR

Click! Click!


格安sim mineo!
楽天市場

ヤング&デンジャラス

アンセム・オブ・ザ・ピースフル・アーミー

WASTELAND [CD]

シンセシス・ライヴ [Blu-ray]

Live in Boston 1974 King Biscuit Flower Hour

WE SOLD OUR SOUL FOR ROCK’N’ROLL(紙ジャケット仕様)

Live: Towson State College, Maryland '79 King Biscuit Flower Hour

クラシック・ハード・ロック・ディスクガイド (BURRN!叢書)

バンド・スコア 80年代ブリティッシュ・ハード・ロック[ワイド版]