Rory Gallagher - Blueprint

Rory Gallagher - Blueprint (1973)
BLUEPRINT

 年の瀬にはR&Rだよ、やっぱ。意味もなく勝手にそう思い込んで聴きまくってる次第だけど、やっぱり古いロックのエネルギーには敵わんよ、ってのも勝手に思ってる。今時のバンドでも当然パワーが有ったり熱意やテクニックがあったりするのも当然なんだけど、どういうわけかオールドロックのエネルギーまでを感じることが多くない、ってか全くない。ライブハウスなんかじゃそんなことないのかもしれないけど、それでもあのガツガツしたハングリーさは今じゃほとんど見当たらないだろうよ。もっともそれを求めている連中もいないだろうからそういうのは自分達みたいにそういうのが好きな連中と共に世の中から消えていくのだろう。う〜ん、寂しい限りだがそれもロックの宿命。

 Rory Gallagherの1973年リリースの3枚目のスタジオ・アルバム「Blueprint」。いや、もうね、昔から好きな人だったんだけど、長い年月掛けつつ聴いている中で、ジワジワとどんどんと好きになっていく人でして、昔は曲が良いの少ないからギターとかエネルギーとかパワーとか熱気とかそういうロック的なところが凄く好きだったんだけど、ここの所は割と曲も好きになってきてて、そりゃもちろん聞き慣れてきたからってのも大きいんだが、ワビサビを感じる歌心とか曲のセンスとか、そういう所で良いなぁ…と思うことが多くてさ。そこに気づかなかったらあまり聴かなかっただろうけど、そのあたりが繊細でよろしくてね、単にギター小僧って話じゃなくて、ようやくにしてRory Gallagherって人の非凡な才能を味わってる所とでも言うのか、ジワジワた楽しんでます。

 そんな中のこの「Blueprint」というアルバム、鍵盤奏者をメンバーに加えてのアルバムで、挨拶とばかりにバンバンと鍵盤が加えられてて躍動感溢れる作品に仕上がっているって言えるかな。それまでのトリオ編成でのギタープレイが好きだった人はちょいと邪魔が入ったか、って感じはするんだろうけど、それくらいの変化は良いじゃないか、どうせまたもとに戻るんだし(笑)。TYAみたいなもんだよ、と。当時はそういうのもイマイチ感だったんだろうなと思うが、今ならそういうのも関係なくフラットに聴けるってなモンだろう。相変わらずのギタープレイ、切ないアコギのプレイも含めてこの熱さはやっぱり痺れるよ。



U2 - Innocence + eXperience Live In Paris

U2 - Innocence + eXperience Live In Paris
U2 イノセンス+エクスペリエンス ライヴ・イン・パリ [Blu-ray]

 大会場で十万人規模の観客を集めたライブってのはやっぱりものすごいエネルギーとかパワーとかが溢れているからかバンド側も当然そういう会場に相応しい貫禄やキャリア、テクニックを持っていないと成り立たないのだろうし、そのパワーをすらバンドのエネルギーに変えてしまうくらいの器量がないと難しいんだろうなとか考える。普通にやってるだけ、って人もいるのかもしれないけど(笑)、そういう会場でのライブって映像で見ているとやはり凄く神秘的なひとつの閉じられた空間という感じで一体感溢れてるし、良いムードが漂ってて憧れる部分あるね。自分自身はそういう大会場でのライブコンサートってほとんど行ったことないし、日本ってタカ知れてるじゃない?フジロックとかくらいなモンだろうけど、行かないしさ。ドームとかじゃちょっと狭いしね。

 U2がパリのテロ後にリスケして行ったライブの映像「Innocence + eXperience Live In Paris」がリリースされている。もともと社会に敏感なメッセージを扱うバンドでもあるし、そういう曲も多いからあのテロ後のこの会場での一体感は見事なものだ。観客のU2に懸ける意気込みが違うしU2側ももちろんパリに対してってのも大きかっただろうしさ。そんな両者の思いがひとつに重なってるようなライブで、最近の曲はそれ自体をあまりしっかりと聴いてないんで知らないんだけど、雰囲気は同じだし昔の曲はそれこそ円熟味を増して昔の攻撃的なスタイルからは変化していて、味わいが出てきている感じだ。そこにパティ・スミスとのジョイント…、このおばあちゃんも凄い。この歳でピョンピョンハネてしまってる。いつまで経っても暑いエネルギーを持った女性なんだなぁ…とボノとは異なるけど気持ちはよく分かる。

 バンド全員が最初期の気持ちに戻っていたのか、パンクなスタイルで相変わらず若々しい。曲調はどんどんと重たくなっていくのにスタイルは若返るってのも面白いけど、相変わらずの仕込み技も加えて満足度の高いショウだったことだろう。大抵ツアーの後には映像を出してくれるから世間的にも満足させているし、常に今のU2が見れるのはしっかりとしたビジョンのビジネスが見えているって事でもあるか。最後にはパリのテロ事件の時のバンドをステージに上げてのジョイントと、あの悲劇に対してのそれぞれの思いを集めた瞬間になっている。どこまで行くのかU2、ストーンズなんかとは全然違うゴールの世界なんだろうなぁ…と、ふとそんな事を考えてしまった。





U2 - Under a Blood Red Sky

U2 - Under a Blood Red Sky
ブラッド・レッド・スカイ=四騎=~デラックス・エディション(DVD付)

 今となってはアイルランド出身だからこそ出てきた音でしかないのだろう、と勝手に思っているが、出てきた当時から異質な存在ではあったU2、パンク的ではあったけど音からすると随分すっきりと静かで重い音だったから何だろうな、という印象。後にこの手の音を「寒い音」と言うようになるのだけど、なるほど、言い得て妙だと思ったものだ。かと言って熱気が無い音ではないし、不思議な魂の熱さを感じる音でね、他にはこういう人たちってあまり聞いたことなかったし、それこそアイルランドの熱血系しかいなくてさ、アイルランドって表現は多々あれど随分と熱血漢なのが多いのかなぁ…と感じてはいたものだ。

 U2最初のライブアルバム「Under a Blood Red Sky」、タイトルとは裏腹にドイツのロックパラストのライブからが大半を占めているが、映像の方はそのまま「Under a Blood Red Sky」が今じゃリリースされていてその大興奮のライブを味わえる。記録する前から一大イベントになることを予想していたもので、自費で全てを録画したようだが、実際には悪天候も重なり後楽園のグランドファンクじゃなけど、異様な熱気が会場内を包んだテンションの高いライブになったようだ。それがそのまま記録されているんだからまれに見るライブ名盤アルバムになるのも納得。それでもそのライブよりも良いライブ音源が幾つもあったからそっちを採用しているってのは如何にこの頃のU2のライブが充実したものばかりだったかを物語っている。

 実際に今では幾つかのライブがリリースされているけd,やっぱりとんでもないテンションの高さを誇っているし、このテンションの高さこそがU2の醍醐味で、他では類を見ないライブの迫力を出しているワケだ。それに加えて初期楽曲の集大成とも言わんばかりのベスト選曲で楽曲のシンプルな良さが引き立っている、そしてロックに一番大事なエネルギーとパワーが加わって凄いライブアルバムになってるんだよな。当時聞いてて異様なこのテンションの高さにびっくりしたもん。それでもまだその頃は単純にこの得体の知れないバンドのファンになるってことはなかったけど、チャートでも名前は出てきてたし、やっぱ凄い勢いあったな。まさかあの学生服バンドがここまでの大物になって残っているとは思いもしなかった。このライブビデオ見てても初々しくってそんなに大成するようには見えないでしょ。

 U2を聞いているといつも思うけど、何がこんなに人を感動させるんだろう、って。音楽そのものに加えてのボノの歌、歌だけじゃなくてそこに込められている想いとかなんだろうけどさ、最近のは愛を放っているってのわかるけど、初期のはそんなにあったワケじゃないから、やっぱり魂そのものなんだろうか。ひとつひとつを大切に歌うというのはあるだろうけど、人に訴えかける歌い方なんだろう。ストーンズやビートルズ並に、と言われるくらいに大物になってるけど、多分、それ以上に多くの人を感動させているんじゃないかな。







Horslips - Dancehall Sweethearts

Horslips - Dancehall Sweethearts (1974)
Dancehall Sweethearts

 自分に課したアイルランド縛りで、結構な数のバンドに取り組んでみたけど、当然ながら自国の民族的旋律をウリにして切れ味のあるフレーズを編み出しているってのは多くはなくって、もっと土着的なアイルランド風味を持ったバンドってのはもちろんたくさんあるけど、それは普通にロックの土俵になっちゃうんであまり面白みに欠けるし、はてなかなか無いものだとつくづくと実感。ましては一番求めていたロリー・ギャラガー風味なギターロックなんてのは全然見当たらない。もっともそれこそアイルランド風味があるわけじゃないのだが…。

 Horslipsの1974年の三枚目の作品「Dancehall Sweethearts」だが、これまでの作風からするとどうなんだろ、ハードさはちょいと無くなり、土着的と言えば土着的な旋律が前面に出てきているのか…、もっとガツンときたロックだった印象あるけど、本作では聴きやすく仕上げていると言うのか、音楽的には成長している感があるので分かるんだけど失った部分もあるか。ただ、アルバム自体が悪いという印象もなくて、しっかりと作り込まれていて、それこそ普通のロックの世界で勝負できるレベルの作品だけど、やっぱりアイルランドからしか出て来ないんだろうな、というようなフレーズや音色やムードなんてのがしっかりとあるからユニークな存在だったんだろうね。

 どうにも実態のつかみにくいバンドではある…、重きをおく部分ってのがよく見えなくて、そもそもロック的なスタンスなのか、ってのもあるけど音はロックだよな。フォーク部分も強いけどさ、そして何よりも旋律の哀しさってのはさすがだ。ジャケットに見られる如何にもな風情とはちょいと異なるレベルの音のギャップが楽しめる…、どっちかっつうとジェスロ・タルとかみたいな感じでもあるので、一筋縄にアイルランドのロックバンド…みたいには捉えられないのはあるけど、普通にこういうごった煮のロックは面白いので聴いてると楽しくなってしまうのは単なる好みのお話(笑)。





Thin Lizzy - Nightlife

Thin Lizzy - Nightlife (1974)
Nightlife

 アナログ時代に作られたアルバムはA面一曲目、そしてB面一曲目というふたつのオープニングを考える必要があった。B面一曲目だって、それなりにインパクトを持つ曲ってのを配置するのは至極自然だったし、A面最後に終息を感じさせる曲を持ってくるのも普通だった。意図的にそこを無視したトータルアルバムみたいなのもあったりするし、単に曲を並べただけってのもあるけど、大抵はA面B面の始まりと終わりってのはそれなりの曲が配置されていたものだ。CD時代になってからはそういうのはないから立て続けになってるけど、古いアルバムをCDやDLで聞いているとその微妙な展開ってのが抜けてしまって面白味に欠ける…と言うか叙情性に欠ける。アナログの良さはそういう間でもあるしさ。

 Gary Mooreもゲスト参加していたThin Lizzyの1974年の4枚目のアルバム「Nightlife」。黄金期の面々が揃った最初の作品だけど、まだまだ初期のアイリッシュ的フォークな作風の延長線にあるからハードロックだぜ、って言うほとじゃない。だからそんなに人気のあるアルバムじゃないんだけど、自分的にはこの当たりってのは好きでしてね、Thin LIzzyってツインギターの王道的みたいに言われる事が多いけど、それよりもアイリッシュフォークが根本にあってのギター中心なロックバンド、それでもフィル・リノットの歌メロってのは本質的にアイリッシュメロディで泣けるし奥深い。このアルバムでもそれは健在で生々しくアイリッシュなサウンドとメロディがたっぷりと聴ける。

 ゲイリー・ムーア参加の「Still in Love With You」のちょいと控えめながらも正にブルースなギタープレイは名曲に相応しいし、ゲイリー・ムーアじゃない、ってのを聞いて逆に驚いたくらいゲイリー・ムーアのギターと同じような旋律を奏でている「Showdown」なんてのも最高だ。元々ゲイリー・ムーアがデモでソロ弾いてたからみたいだね。もちろんアイリッシュ全開の「Philomena」はちょいと間違えば「Black Rose」だったよな、とかね。トップの「She Knows」だって軽快なアイリッシュロック…、いや、どれも捨て曲なしの傑作。フランキー・ミラーのゲスト参加ってのも幅広い交友関係のあるフィル・リノットの人間性の賜物。ハードロック的な側面とフォーキーな側面、そこにアイリッシュ民謡の旋律とメロディを入れ込んだ独特の世界、Thin Lizzyのアルバムは多いけど、こういう混ざり方してるのはこの作品くらいじゃないかなぁ…。ここから「Black Rose」ってのは繋がってる部分あるけど、素朴なカッコ良さはこっちのがある。




Pat McManus - Walking Through Shadows

Pat McManus - Walking Through Shadows (2011)
Walking Through Shadows

 今やネットで音楽の発掘作業なんてしてるけど、昔はそうはいかなかったし、もっと違う角度で探してたりカネ掛けてたりしたもんだけどホント、こんな風に探してて良いんだろうか?って思うわ。誰かのレビューを読むのでもなく、ライナーの助けを得るでもなく、何らかの関連情報からそのままライブの音と映像を見れて聴けちゃうし、それもどれかひとつってんじゃなくて幾つかの曲なりソースが試せるんだからあまり自分的に間違った捉え方しないで済むし、何とも良い時代になったものだ。気に入りゃどうせ買うワケで、昔はラジオなりで流れてくるのを受け身だけだったのが今は能動的に探せるのも良いわ。

 もうねぇ、顔からしてもギタープレイからしてもカバーしてる曲とかにしても一目でお前アイルランド野郎だろ?ってのが分かるくらいに熱い、ホントに熱いプレイヤーなPat McManusという方、バイオリンも弾くしギターも弾くし、歌も歌うし顔でロックやるし、何とも愛されるべき人、もうね、Gary Moore、Rory Gallagherそのものに成り切ったギタープレイが大変熱くて見てて聞いてるウチに燃えてくる、ホント。それだけオリジナルが凄かったんだけど、それをきちんと再現以上やってるってのは凄いよ。オリジナルアルバムがどんなとかまだきちんと聞いてないけど、ライブでのカバーが面白くてさ、どれもこれもギター小僧ならやりたいのとかさ、そうそうそうやって顔で弾くもんなんだよ、ギターってのはさ、とか。

 こういうの見てるともうロックに新しい曲はそう多くは要らないのかもしれないって思う。古いのをもう一度生できちんとオリジナル並み以上のレベルで再現してくれる人がいるってのも重要でしょ。もっともこのPat McManusがそうである必要もないけど、とにかくギタリスト的にはとっても気持ち良の良いギタリストをしてくれてるし、イカしたアイルランド野郎だよ、ホント。ライブとか面白そうだもん。ちょっとね、後でまたアルバム探して聴いてみようってね。










U2 - Elevation Tour 2001: Live From Boston

U2 - Elevation Tour 2001: Live From Boston
Elevation Tour 2001: Live From Boston [DVD] [Import]

 CDが売れなくなってきた今の時代に稼ぐのはドサ回りによるツアー収入だと言えども、そのツアー興行収入の歴代トップを飾るのはU2、ストーンズ、ロジャー・ウォーターズ、マドンナ、ブルース・スプリングスティーンなどなどと新進バンドやアイドル的ステータスの連中はほぼ入ってこない。新進として出て来るのはレディ・ガガとワン・デイレクションくらいなもので、やっぱりまだまだ稼ぐ過程にある新進バンドはそこまでの予算をツアーに掛けることもなく、またそれほどの収入をあげられるほどの客層の広さを獲得出来ていないということだろう。そりゃそうだ…、でもメタリカとかそろそろその域にあるんだろうとは思うが、もちろん新進バンドじゃないから…、どうなんだろ。

 U2の最高益ツアーは360°ツアーだったようだし、その次もVertigoツアーだったらしいので、それより前のモノになってしまうが、2001年のElevationツアーからの「Elevation Tour 2001: Live From Boston」なんてのを。今から思えば既に14年前の代物、80年代のU2が復活した作品「All That You Can't Leave Behind」が馬鹿売れした頃のライブツアーで、熱気も円熟度も楽曲も見事なもので、ライブの完成度もやたらと高く、それでいて90年代にやってたような派手なステージ作りは一切なく、シンプルなステージに4人だけのバンドでのライブ演奏という度胸のあるバンドの演奏、ライブとも言える見事なライブ。今見ると若いな〜、皆。そしてカッコ良い。このカッコ良さはどっから出て来るんだ?なんて思うほどだ。

 これまでのU2のライブ映像も色々と見てきたけどこの辺り、2001年〜2006年くらいのはどれも最高峰に位置するくらいのライブだったんじゃないかな。いわゆる全盛期と言うか、余裕もあるし自信もあるし、ステージも充実してるしギミックも最低限なロックだし、多分今は下降線にあるような気もするので、この時期が彼らの最高峰だろう。ようやくこのバンドにも全盛期っていつ頃だったなと言える時期になってきたのか(笑)。ウチの昔の記事でのコメントとか凄く色々書いてあってさ、2006年に来日公演してて、自分も見に行ってたんだよね。正に最全盛期に見れて良かったなって思うし、こうしてビデオ見ててもそれを体感できるのも良いしね。メンバーチェンジもなく、ひたすらにロック、そしてそのままのステージを見せてくれて…、良い曲も多数あるし、久々に愛に溢れた時間を堪能しました。



U2 - Rattle and Hum

U2 - Rattle and Hum (1989)
魂の叫び (RATTLE AND HUM)

 突如として思い出した…B.B.Kingと言えばセッションプレイがたくさんあるが、どれもこれも大抵はB.B.King主体のセッションなのであまり苦労しているような感じを受けたことがなかったのだが、U2とのセッションだけは結構商売してるな、なんて思ったのだ。まぁ、元々が無理あるだろ、って思うようなセッションだったから余計にそういう目で見てしまったんだが、これでB.B.Kingを新たなステージに引っ張りだしたという部分はあったかもしれないな。結果的にはこの瞬間くらいしかそういう風には進まなかったが…。B.B.Kingは多分楽しかったと言ってたかもしれないけど、その実どうだったんだろう?やっぱちょっと自分感ではなかったことも思う所あったんじゃなかろうか。

 U2の1989年リリースの何処行っちゃうのU2?シリーズの最初かもしれない作品「Rattle and Hum」。B.B.Kingとのジャム曲「Love Comes To Down」はシングルカットされてB.B.Kingとのセッションの模様なんかがPVになって流れてて、よくやるな~なんて思ってたが、ルーツに根差した音楽を見つめ直すみたいなコンセプトってことでブルースやゴスペルなんかを…ってなことで、そのヘンは映画を見た方がわかりやすいんだろう。昔見たけどイマイチ記憶が曖昧で、結局相変わらずのU2のライブにアメリカのツアーでの模様が挟み込まれてるドキュメンタリーという印象しかなくてね、多分もっと深い意味合いの映画だったと思うが(笑)。

 このアルバムはカバー曲が多いのも特徴的で、80年代を走り抜けようとしていたU2の立ち返りって意味があったんだろう。そこから混沌とした90年代の3枚を思うと、この時点での方向性ってのを模索していたから整理してみた、みたいなとこあるんだろう。結局元に戻って来たんだけど、そういう意味では実験的に野心的に進み、且つルーツに敬意を評して…ってしかし、U2がブルースなんてまるで思うことなかったからこの組み合わせは新鮮だった。ゴスペルはまだなんとなくわからんでもなかったがブルースなんてねぇ…。今となればブルースってのはそれぞれが思うものだからどういう形態であっても良いとは思うけどU2のブルースって?みたいなの思ったもん。んで、枠からしたら全然当てはまらないスタイルだったからダメじゃねぇか、って思ってたけど(笑)。まぁ、そんな記憶はともかく、それなりだけどあんまり聴くことのないU2のアルバム、という作品。久々に聴いたけど、やっぱりどうもパッとしない…かな。





U2 - Songs of Innocence

U2 - Songs of Innocence (2014)
Songs of Innocence

 音楽の売り方が劇的に変わってきている。レコードからCD、そして今やダウンロード販売の時代になっているが細分化が進んでいることもあって売れない、売りにくいという要素が絡んできている。さて、その筋の業界はどういう販路を打ち出していくのか、また今打ち出している販売手法は定着していくのか、それとも逆にどこかに集約されていくのか、取り巻く環境は厳しい…なんてどっかの評論みたいに書いてるけどね、こないだU2がアップルと提携したリリースってのもひとつのモデルパターンなんだな〜とか思ってさ。U2クラスじゃないと成り立たないビジネスになるけど、この裏側はとてつもなく色々な思惑が絡んでる感じで、その他はどう出るか、それも楽しみ。

 そのU2の新作「Songs of Innocence」についてはリリース形態ばかりがクローズアップされてて中味はどうなん?みたいなのは割と置いてけぼり…そりゃそうだよな、皆が皆タダで自分のスマホに落とせるんだから聴いて好むか否かだけの話で、そもそも論評する必要性がない。もう一度書くけど、皆が皆聴いて自分で好き嫌いや追求が出来る状態なんだから誰もそれについて論評する必要もないししてもしょうがない。それはタダのひとつの分析結果や感想文でしかなくて、それに同調する必要性もないし分析を鵜呑みにする必要もない。そういう分化が長い間続けられてきたけどネットの登場で自分みたいな素人でも勝手に書きたいこと書いて発信できてるワケで、それを鵜呑みにする必要もないし、解釈の一つだと捉えれば良いだけだ。ただ聴いたことない人には聴くきっかけになるってのはあるから続けてる部分もあるしね。でも今回のU2とアップルのアルバムリリース手法は何もいう必要がない、なんだよね。いや、批判じゃなくてそうか、そういうことか、なんて思ってしまってさ。凄いや、って。だからネットでも作品そのものについてあーだこーだって書いてるのが見当たらない。雑誌はいずれ書くだろうけど、本人たちへのインタビューじゃない限り記事の価値は恐ろしく低いワケだし、なかなか凄い事だ…と勝手な解釈。

 んで、そのアルバム「Songs of Innocence」は自分的にはどうだっただろうか?初期U2的なアプローチを感じるんだけどどうにも音が軽い。初期U2はもっと寒くて重い、そしてその裏にある愛に溢れたバンドの音だったかさ、高音質版を聴く必要性が出てくるね。それはともかく曲は間違いなく初期アプローチへ…ってか90年代だけが異常な方向性だっただけで2000年からはずっと普段のバンドの曲で進めているからこれが自然体なんじゃないか。ただ、どうしても悲壮さや切羽詰まり感ってのは欠けてくる…それを大きな愛で包み返している、そんな作品。じっくりと聴きこんでいくと結構スルメ的に響いてくる曲が多いから無料で聴いたけど…と捨てないでじっくりと何回も大きな音で聴き込むと良いかも。自分もそうだったし…。やっぱりボノの表現力は凄い、これがタダだったら他の音楽の大半はタダ以下じゃないか?なんてね。

The Cranberries - Bury the Hatchet

The Cranberries - Bury the Hatchet (1999)
ベリー・ザ・ハチェット

 新しい音楽世界への挑戦や深追いって割と機を見てはやるんだけど、なかなか進みきれる程の音に出会える事は多くないかもなぁ。先日来ケルト・トラッド・伝承音楽的なのをちょこっと試聴してたんだけど勘が悪かったのかあれこれ聴くも想像していたような音に出会えなくて、その放浪の試聴癖を終えたトコロ。アイルランドの伝承音楽と言いつつも本当の意味での伝承音楽そのものを聞きたかったワケでもなく、もっとポップに近くてロックに近いものを探しててさ、それは刺激を欲しかったから。Ionaとかもあんまり好みじゃないしかと言って…って話でね。結局古くからよく知ってるバンドに戻って来ました。やっぱりポップの世界で売れるってのは人に知られるという意味では大変重要な事なんだな、と認識した次第。

 1999年リリースのThe Cranberriesの4枚目の作品「Bury the Hatchet」だが、このアルバム自体は当時聴いていなかった。アルバムジャケットはヒプノシスなのでそりゃ速攻で目に付くし、言われなくてもヒプノシスだろってのは見りゃ分かるからバンド名と共にすぐに記憶されたんだが、以前はそれほどこのThe Cranberriesの音に特殊性を感じなかったんで、単なるポップバンドだなくらいしか意識しなかったし。ただ、聴いた感じでは割と嫌いじゃないな、と言うのはあって、CD安けりゃ考えるかくらいだった。それが時が経つとどんどんCDが安くなるバンドでさ、大半のが200円とかで買えたから気になってたのは何となくそのヘンで買ったような気がする。何枚もあるもんな(笑)。

 さて、その「Bury the Hatchet」はジャケットのインパクトと音のチグハグ感がどうにも、というイメージがあってどっちも必要としてなかったんじゃないかとか勘ぐってしまうのだが、仕事とすればそれはおかしくない。ただ、芸術作品として捉えるとこれほど似つかわしくない組み合わせもあまりない(笑)。売るためのインパクト?いやぁ~、ヒプノシスの名前は英国ロックファンには訴えるけどポップスファンには意味ないし、ポップスファンからしてこのジャケットの意義って解らないだろうしさ、いや、ロックから見ても解らないんだけど、それはなんかひとつの作品として見れるだけです。ってのはさ、中の音が以前にも増して鋭くなってて如何にもって言うか、The Cranberriesってこういうのが武器だったよな、と言う裏切られ無さ感たっぷりでね、悲壮感もあるしテンション高いんだよ。バンド内紛やドロレス姫の出産後とか色々あった結果の再結成アルバムみたいなもんだからバンドとしても心機一転ファーストアルバムみたいな取り組みで臨んだアルバムだったようで…、結果としては彼らの全作品中でもかなり良質な部類になってるでしょう。それにはジャケットも意味合ったんだろうけどさ。自分もこういうテンションとかロック感や聞きやすさってのは良いなと思うし、好きですね。もしかしたら年と共にこういうのが好きになってるかも。

ベリー・ザ・ハチェット+5
クランベリーズ
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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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