Fruup - Seven Seconds

Fruup - Seven Seconds (1974)
七不思議

 しかし音楽って売れない。CDが売れない、は騒がれて久しいが、右肩下がりの状況は変わらず、どころか廃止に向かってるのは間違いない。レコードと同じくアイテムとしての価値が存在意義のひとつだ、というくらいにしかCDという媒体は価値がなくなった。高音質感も当然デジタル高ビットレートがあるからどうしようもないしね。昔から言われているようにCDってそのものがあるから安心するというのは相変わらずかもしれないけど、もうこんだけクラウドとかデジタルDLの時代になるとそれもどこでもあるんじゃね?って感じにはなってきてるしね。ただそれでも自分のライブラリはそのヘンには無い、ってのは思うけど。…と言ってる自分だってほぼデジタルライブラリになってるんだからそりゃCDは売れない。更にiTunesとかの単品販売ももう時代遅れ、今どきはやはり月いくらのパッケージもの。う〜ん、そうなんだけどさぁ…、って感じだよな。

 アイルランドのプログレバンドとして70年代に出てきて今でも希少価値の高いバンド、Fruupの1974年セカンド・アルバム「Seven Seconds」。冒頭からしてケルト好きならニヤリとしてしまう音色と旋律でしっかりとその手のリスナーを抑えてしまうしたたかさ。これは良いわ。今自分が聴きたいなぁって思ってる雰囲気をすべて持っててくれた。ケルトだけでなくってやっぱりロック的エッセンスが必要でそれでも繊細感はあって躍動感ももちろん、そして前向き感があって必殺フレーズを決めてくれるっていう…。いや、そのまんまです。このセカンドアルバムまでは当時から全然知名度もなく売れなかったらしいんで、いろいろと変わってきている頃のようだが、この後からようやくシーンに認められたという苦労したバンド、普通とも言えば普通なんだろうけど、それでも今聴くとこんだけ面白い音だったのになかなか認められないものなんだなと。そりゃさ、何でも出てきて人々が好みで選んでいくんだからどんだけ良い作品でも売れないのはあっただろう。そのヘンが70年代の面白いところ。

 フループはいわゆる普通のロックバンドで、そういうスタイルだ。ただ旋律がケルティックラインありで、しかも柔らかめに入ってくるのでどうしても尖った入り方になるケルト旋律に違う光を与えている。そしてプログレと言われるところはもちろんあるけど、それよりもどこか牧歌的なフュージョンとも言える感じかな、インストばかりだし演奏を聞かせる方が主旨として高いアルバムだし、その分しっかり聴いちゃう、聴いちゃうってことはそんだけ聴かせる楽しさ引き込むポイントを持ってるってことで、それが何なのか…、やっぱり聞き慣れない旋律の面白さと土着的なギターの安定感だろうか。このままフォーク行ってもできたんだろうなと思うくらいに安定しているプレイはやっぱり落ち着いて聴ける。そしてやっぱりどこか幻想的な雰囲気も聞かせてくれるので馴染める世界だな。フループの作品はどれも聴き応えある楽しめる作品です。



U2 - Zooropa

U2 - Zooropa (1993)
Zooropa

 1993年問題作と大いに世間を騒がせたU2のアルバム「Zooropa」。もっと世間を騒がせたのはこの後の「POP」なのだろうが、こっちでも大いに話題になってた。時代はバブリー時代末期、なんでも騒がれまくって何でもできて売れまくってまさに豊穣な世界だったと今でも再認識できるレベルのお祭り時代。そこにこのアルバムの到来で、デジタルへの接近があちこちで取り沙汰されてたし、それはU2に限らずどのバンドも、そして新しく出てくるバンドもチャンスが物凄くあったとも言える。一方そんなお祭りな世間に馴染みきれない陰鬱な世界からのグランジも出てきていたという両極端な世界観。思い出してみてもこの頃に自分が思ってた、そして想像していた世界や価値観みたいなのは概ねその方向を辿っているように思う。素人でもそれくらいに想像出来ちゃうくらいにデジタルやPCの波による生活周囲への革新性は高かった。自分が想像していたよりは時間がかかってるという気はするけどさ。

 さて、このU2の問題作「Zooropa」。何が問題ってボノが歌ってないだろ、ってのがあったりボノが裏声で歌ってどうすんだ?ってのとか、デジタルビートに傾倒した曲が多くあって、昔からのU2サウンドはどこへ行ったんだ?ってな怒りのぶつけ方、が問題作なんだろう。当時を思い起こしてみるとロック少年バリバリの自分からしたらそもそもU2ってまだまだ青い新人バンドで、大して聴くこともないな、やっぱ70年代だよ、なんて粋がってた頃だからそもそも音楽性の変化ってのを認めてなかった部分あるもん。懐古主義ってのか、そっちの方が自分的に新鮮だった、というか探究心ってかね。だからこういうデジタルなのって全部排除。ロックじゃねぇ、って感じ(笑)。だからそんだけ世間を裏切るようなスタイルを出してってること自体はロックだな、って思ってたけど音は特に興味なしってね。だからこの時期のU2聴いたのはその後しばらくしてから。それでもまともに聴かなかったか。

 とは言ってもそれなりにU2は好きだからやっぱ聴くんだよね。ライブとか見てて知らないのあると何だろ?ってなるから、それがそのヘンにあるとアルバム単位で聴くし。んで思ったのは無茶苦茶U2なアルバムだな、って感想。アレンジや音作りはそりゃ違うけど、本質は当然U2そのまま。だからライブでも出来ちゃうんだな、ってのは納得。こういう音作りによる挑戦ってアリだな、と。ただ音楽的なインパクトでリスナーを感動させるというものではないので、そこはちょいと残念なアルバムではある。昔のU2は古く感じないけど、この時期のU2は時代遅れ感を感じるのでやっぱり普遍的なロックとポップスは違うんだな、という自分なりの勝手な解釈。だから聴いててそのヘンはあれども本質的にそのままU2だしあまり構えなくても良いのかも。これからU2漁る人…ってそんなに多くないと思うけど、あんまり偏見なく聴いても受け入れられると思う。好き嫌いは出るだろうけどさ。あぁ、そういえばなんでU2になったんだっけ?って思ったもともとのケルト風味はゼロ。




The Corrs - Talk on Corners

The Corrs - Talk on Corners (1998)
Talk on Corners

 同じニュースを知ってても人によって解釈が異なるからいろいろな人と会話してモメない程度には刺激を受けるのは良いことなんだろうと。ある程度他の人の意見を尊重するという前提がないと成り立たないのだろうが。これはもう音楽でも宗教でも同じ話だろうし、政治でもニュースでもそうだ。自分的にはほとんどそのヘンって会話することなくて、というか何が起きてるのか、ってのも情報として耳に入ってこないことの方が多いから世間知らずなのかも。間違いなく情報足らずではある。ニュースってのは音楽で言えばポップスと同じで残ることなくさっさと時間とともに古くなっていくものだっていう捉え方。まぁ、自分を正論とした場合だけで、実際はその流れるニュースが世間との関わりに重要な要素を占めるということなのだろうけど。

 アイルランドの妖精達によるThe Corrsの1998年リリースセカンド・アルバム「Talk on Corners」。このヘンでThe Corrsを知って聞き始めたのを覚えてる。もともとアイルランドの旋律は好きだったし、民族音楽の方もすでに着手していたからそれでいて割と名が出てきたこのバンドってどんなんだろ、って期待して聴いたら予想以上に自分的に大好きでいつしかハマってた。ウリ文句の美人三姉妹ってのももちろんあるけど、やっぱりケルトタッチのメロディにポップスの軽やかなメロディの融合というあまり言われることないけど、結構な革命者だったはず。本人達の努力も凄かったのだろうけど、世界を制するアイルランドを代表するバンドにまで成り上がっているし、それはもうU2の次くらいに位置するレベル…、だけど再結成してからはちょいとおとなしいかね。

 このセカンド・アルバム「Talk on Corners」は物凄く充実した作品で、捨て曲は当然無いし、どれもこれもがライブでも皆に愛される曲になってて恐らく最高傑作にになると思う。セールス面考慮するとそうでもないけど、アルバムの充実ぶりは一番じゃないかな。堅苦しくもなく惰性もなく、意欲満々で世界に打って出る、みたいなのも含めて素晴らしいアルバム。何だろね、肌に合ったんだろうな。何か困るとコレ聞いてたもん。今改めて聞き直すとアイリッシュぶりはそこまで強くもなかったんだなぁ…とか思うんで単にキャッチーなの聴きたかった時期だったのかもしれない。でも、良いバンドに出会えて楽しませてもらったし、こういう音楽って年取っても聴けるし、良いアルバムだ。ジミヘンの「Little Wing」なんてのもあったりさ、必殺のケルト旋律インストも健在だし、挙げ句夢の実現を描いた歌詞も応援したくなるし、とにかくアグレッシブな作品のくせに繊細で、キャッチー。必殺のフィドルによるケルティック旋律で一線を画したバンドの個性を出していく、見事なアルバム。






Thin Lizzy - Live at the National Stadium Dublin 1975

Thin Lizzy - Live at the National Stadium Dublin 1975
Live at the National Stadium Dublin 1975 [DVD] [Import]

 録音が古いのってやっぱり迫力なかったり音がショボかったりして今時の音に慣れてしまっていると聞きにくいと思う。だからこそジミヘンやビートルズの作品みたいに最新の機材でリマスタリングしたりしてそのギャップを埋めて聞かせやすくしているってのもあるだろうし、実際それは聴きやすいなと思う。バンドやアーティストの意向がどうのって言われても、今の時代に合った聞かせ方ってなるとそうなるんだからそれはありだろってのもある。そういう意味ではもうほとんどの70年代の録音音源なんてそういう近代的な音に仕上げるってのやってほしいかも。迫力ある音にしてくれれば良いだけだけど。だってさ、勿体無いんだもん。スゲェのに聴かれないってのがさ、んで、それが音が古くて聞きづらいんで…ってのが理由だとしたらね。もっとも本人が損しているだけだからアレだけど…。

 Thin Lizzyの発掘作品「Live at the National Stadium Dublin 1975」なんてのがリリースされていたのは知らなかった。見どころは当然ながら1975年地元アイルランドはダブリンの小さな会場でのライブが見事なまでに完璧な映像と音で録られているライブ丸ごと。これがまたYouTubeで簡単に見れてしまうってんだからいいのかよ、って話だけど昔は凄い画質で出回っているのを知ってたけど見れる状況じゃなかったのが、こんだけ綺麗に素晴らしい作品としてリリースされてて、いや〜、Thin Lizzy聴くならコイツは絶対見るべき聴くべきライブでしょ。これが1975年で、あの「Live & Dangerous」が1978年で、正に脂の乗りまくってる時期ってのが見たり聴いたり出来るんだが、そのちょいと前。だから丁度二人のギタリストが参加して方向性が出てき始めた頃のツインギター体制なんだよ。それがきっちりと聴けるのが興味深いのと、更に言えば二人共レスポールなのに何ともマイルドな線の音でツインギターを華麗に奏でているという繊細な美しさ。これこそThin Lizzyの本質。フィル・リノットの美しき歌詞や情景、ビジョンにぴったりと合った繊細な音色によるツインフレーズが見事。音は結構ハードなのにソロスタイルがそんなんで良いんだ。そこにフィル・リノットの哀愁のメロディ…、天才的な楽曲の数々とも言えるし奇跡の瞬間とも言える。

 ツインギターのフレーズにしてもしっかりとメロディアスな路線を意識しているのは当然ながら、二人の息の合い方も見事だなぁ…、ブライアン・ダウニーのドラムもドタバタしてるけど妙に合ってるし、言うこと無いバンドじゃないか。どこか時代から残されてしまっている感じあるけど、もっともっと見直したり聴き直したりして発掘音源もどんどん出して歴史に残しておきたいバンドです。ちょいと残念なのがデラックス・エディションのCDとかちょいと弱いんだよな…ってことか。




U2 - Songs of Experience

U2 - Songs of Experience (2017)
【早期購入特典あり】ソングス・オブ・エクスペリエンス(初回限定ソフトパック仕様)【特典:ポストカードカレンダー付】

 デジタル時代に於けるライブラリ管理ってのをちゃんと決めてかないと、なんてことを思っている日々、失われたライブラリの再構築はなかなかに難儀だから…、ってのは何があったかが思い出せないからというのが主な原因で、じゃ、そもそも無くても良かったんじゃないか?って話になるのだが、それでもいくつかはあれ?って気づくのでその度に悲しくなるワケで…。まぁ、コレクションなんてのはそういう愛着のほうが強いのだろう。外付けHDDにまとめてコレクションしておく方が害が少ないんだろうなぁ…って思ってて、そっちで構築中。Macの中身が空っぽに近くなってて、今後のあり方ってのも変わっていくだろうなぁ…なんて思う。既にPCはHDDなしでクラウド管理ってのも普通だし、自分もクラウド管理にしてった方が良いのかなぁ…と思いつつもやっぱりテラバイト単位だとイメージ沸かない。

 U2の2017年新作「Songs of Experience」。もう大御所だし、ここ最近の作風からすると大きな音楽的変化が起きているってことも無さそうだから安心して安定のU2サウンドが聴けるんだろうって思ってたけど、案の定いつものU2スタイル。初期の尖りまくったスタイルからは変化しているけど、21世紀に入ってからのU2はこの路線をひたすらに歩み続けている。無理のないロックサウンド、研ぎ澄まされた感は以前ほどではなく、スリリングな側面はそこかしこで聴かれるものの安定したスタイル。ギターやベースやドラムという楽器にフォーカスが当たることもなく、それぞれがきちんと音楽の中に必要だからこそ存在している音で、それは歌にしても同じなのだろう、ボノの相変わらずの説得力のあるボーカルスタイルがアルバムを大きく占めていて、アレンジは新しすぎないけど古くはない正にU2らしい音、この辺はスティーブ・リリーホワイトの手腕にかかっているのだろうか。

 アルバムジャケットはボノとエッジのそれぞれのお子様らしいが、以前にもジャケットに登場していた子と同じなのかな?違うのかな?シンプルな写真なんだけど、ものすごく気になるジャケットで良いよね。誰だろ?とかどんなメッセージが込められてるんだろ?とかこの子達って以前の?とかさ。やっぱり反骨精神の象徴?とかなんかね、色々と。シンプルに訴えてくるところを狙ったかどうかは分からんが勝手にそう思った。もう良い年したおっさん達のバンドなのに今でもこんな素敵な新作をリリースして話題をかっさらっていけるってすごいわ。んでアルバムの音も深みがあってかなりの快作だし、やっぱりU2と唸らされるアルバム。一気に何度も聴くってよりも事あるごとにいつしかライブラリで聞く回数が増えているアルバムってことになりそうだ。




The Corrs - Jupiter Calling

The Corrs - Jupiter Calling (2017)
ジュピター・コーリング

 ヨーロッパの寒さも久しく経験してないけど、温度ほどの寒さでもなくって案外生きていけるモンだななんて思った記憶があるが、今そう思えるかどうかは分からんな。日本もかなり寒くなってきて、その寒さの比はヨーロッパのそれとはちょいと質が異なるが、それだからこそ似合う音楽もまたあったりする。同じようにヨーロッパならヨーロッパの寒さに似合う音楽もあるワケで、特にアイルランドって所はそういうのが一番似合うと言う国だ。寒さと心の熱さ、それを音楽として表現してお国柄なサウンドにしているあたり。うん、アイルランドはいつも魅惑的です。

 The Corrsが新作「Jupiter Calling」をリリースした。女性三人が主役だから結婚出産子育てという過程を経る10年くらいの間は活動が思い切り出来ないまま、一方では生活感の変化による新たな作風みたいなクリエイティブ面も促進されるのだが、ゆったりとした活動で動き始めている。2015年に久々の作品「White Light」をリリースしているが、ちょいと定まらない感の漂うままにリリースされていて、自分もあんまり聴く機会が多くはない作品だ。悪くないんだけどね。んで、今回の「Jupiter Calling」はどうかな、と。ジャケットからするにもう思い切りリラックスしたほのぼの感漂う写真で、それぞれのスタイルも表現されているし、背景の家ばもしかしたら自分たちの家の壁なんじゃないのか?ってくらいに故郷感が漂っててね、活動停止前にリリースしていた「」の作風に近いのかなと思ったらドンピシャでした。正にあのままのアイルランド風景を思い起こすような作風とアレンジに仕上がっていて以前のようなポップシーンを賑わすようなアレンジは施されていない。うん、これで良いんだよね。実にリラックスしたコアーズのメロディラインでのトラッド感溢れる作品に仕上がってる。ロック感なんかはまるでないのでその意味では別の世界にあるバンドかもしれない。

 アイリッシュトラッドという世界の入ってきたのかな、もともとそれを武器にはしていたけど、それは今回の作品でも同じで、ここぞと言う時にはシャロンの必殺のアイリッシュ旋律のバイオリンが炸裂する。そもそものメロディ感がアイリッシュ的というワケでもないんだけど、馴染むんだろうなぁ…、実にコアーズらしいメロディが続くんだよ。多分アイルラインドではかなりの大御所になっているんじゃないだろうか。いつどこで聴いてもしっとりと聴ける作品で、大人の味わいと普段とは異なる世界をちょいと味わえる聴きやすい作品、バカ売れするってんじゃないけど多分愛される作品。こういう路線になっていくんだろうなぁ…、どこかで思い切りケルトに振った作品なんかも作ってほしいな。




Rory Gallagher - Blueprint

Rory Gallagher - Blueprint (1973)
BLUEPRINT

 年の瀬にはR&Rだよ、やっぱ。意味もなく勝手にそう思い込んで聴きまくってる次第だけど、やっぱり古いロックのエネルギーには敵わんよ、ってのも勝手に思ってる。今時のバンドでも当然パワーが有ったり熱意やテクニックがあったりするのも当然なんだけど、どういうわけかオールドロックのエネルギーまでを感じることが多くない、ってか全くない。ライブハウスなんかじゃそんなことないのかもしれないけど、それでもあのガツガツしたハングリーさは今じゃほとんど見当たらないだろうよ。もっともそれを求めている連中もいないだろうからそういうのは自分達みたいにそういうのが好きな連中と共に世の中から消えていくのだろう。う〜ん、寂しい限りだがそれもロックの宿命。

 Rory Gallagherの1973年リリースの3枚目のスタジオ・アルバム「Blueprint」。いや、もうね、昔から好きな人だったんだけど、長い年月掛けつつ聴いている中で、ジワジワとどんどんと好きになっていく人でして、昔は曲が良いの少ないからギターとかエネルギーとかパワーとか熱気とかそういうロック的なところが凄く好きだったんだけど、ここの所は割と曲も好きになってきてて、そりゃもちろん聞き慣れてきたからってのも大きいんだが、ワビサビを感じる歌心とか曲のセンスとか、そういう所で良いなぁ…と思うことが多くてさ。そこに気づかなかったらあまり聴かなかっただろうけど、そのあたりが繊細でよろしくてね、単にギター小僧って話じゃなくて、ようやくにしてRory Gallagherって人の非凡な才能を味わってる所とでも言うのか、ジワジワた楽しんでます。

 そんな中のこの「Blueprint」というアルバム、鍵盤奏者をメンバーに加えてのアルバムで、挨拶とばかりにバンバンと鍵盤が加えられてて躍動感溢れる作品に仕上がっているって言えるかな。それまでのトリオ編成でのギタープレイが好きだった人はちょいと邪魔が入ったか、って感じはするんだろうけど、それくらいの変化は良いじゃないか、どうせまたもとに戻るんだし(笑)。TYAみたいなもんだよ、と。当時はそういうのもイマイチ感だったんだろうなと思うが、今ならそういうのも関係なくフラットに聴けるってなモンだろう。相変わらずのギタープレイ、切ないアコギのプレイも含めてこの熱さはやっぱり痺れるよ。



U2 - Innocence + eXperience Live In Paris

U2 - Innocence + eXperience Live In Paris
U2 イノセンス+エクスペリエンス ライヴ・イン・パリ [Blu-ray]

 大会場で十万人規模の観客を集めたライブってのはやっぱりものすごいエネルギーとかパワーとかが溢れているからかバンド側も当然そういう会場に相応しい貫禄やキャリア、テクニックを持っていないと成り立たないのだろうし、そのパワーをすらバンドのエネルギーに変えてしまうくらいの器量がないと難しいんだろうなとか考える。普通にやってるだけ、って人もいるのかもしれないけど(笑)、そういう会場でのライブって映像で見ているとやはり凄く神秘的なひとつの閉じられた空間という感じで一体感溢れてるし、良いムードが漂ってて憧れる部分あるね。自分自身はそういう大会場でのライブコンサートってほとんど行ったことないし、日本ってタカ知れてるじゃない?フジロックとかくらいなモンだろうけど、行かないしさ。ドームとかじゃちょっと狭いしね。

 U2がパリのテロ後にリスケして行ったライブの映像「Innocence + eXperience Live In Paris」がリリースされている。もともと社会に敏感なメッセージを扱うバンドでもあるし、そういう曲も多いからあのテロ後のこの会場での一体感は見事なものだ。観客のU2に懸ける意気込みが違うしU2側ももちろんパリに対してってのも大きかっただろうしさ。そんな両者の思いがひとつに重なってるようなライブで、最近の曲はそれ自体をあまりしっかりと聴いてないんで知らないんだけど、雰囲気は同じだし昔の曲はそれこそ円熟味を増して昔の攻撃的なスタイルからは変化していて、味わいが出てきている感じだ。そこにパティ・スミスとのジョイント…、このおばあちゃんも凄い。この歳でピョンピョンハネてしまってる。いつまで経っても暑いエネルギーを持った女性なんだなぁ…とボノとは異なるけど気持ちはよく分かる。

 バンド全員が最初期の気持ちに戻っていたのか、パンクなスタイルで相変わらず若々しい。曲調はどんどんと重たくなっていくのにスタイルは若返るってのも面白いけど、相変わらずの仕込み技も加えて満足度の高いショウだったことだろう。大抵ツアーの後には映像を出してくれるから世間的にも満足させているし、常に今のU2が見れるのはしっかりとしたビジョンのビジネスが見えているって事でもあるか。最後にはパリのテロ事件の時のバンドをステージに上げてのジョイントと、あの悲劇に対してのそれぞれの思いを集めた瞬間になっている。どこまで行くのかU2、ストーンズなんかとは全然違うゴールの世界なんだろうなぁ…と、ふとそんな事を考えてしまった。





U2 - Under a Blood Red Sky

U2 - Under a Blood Red Sky
ブラッド・レッド・スカイ=四騎=~デラックス・エディション(DVD付)

 今となってはアイルランド出身だからこそ出てきた音でしかないのだろう、と勝手に思っているが、出てきた当時から異質な存在ではあったU2、パンク的ではあったけど音からすると随分すっきりと静かで重い音だったから何だろうな、という印象。後にこの手の音を「寒い音」と言うようになるのだけど、なるほど、言い得て妙だと思ったものだ。かと言って熱気が無い音ではないし、不思議な魂の熱さを感じる音でね、他にはこういう人たちってあまり聞いたことなかったし、それこそアイルランドの熱血系しかいなくてさ、アイルランドって表現は多々あれど随分と熱血漢なのが多いのかなぁ…と感じてはいたものだ。

 U2最初のライブアルバム「Under a Blood Red Sky」、タイトルとは裏腹にドイツのロックパラストのライブからが大半を占めているが、映像の方はそのまま「Under a Blood Red Sky」が今じゃリリースされていてその大興奮のライブを味わえる。記録する前から一大イベントになることを予想していたもので、自費で全てを録画したようだが、実際には悪天候も重なり後楽園のグランドファンクじゃなけど、異様な熱気が会場内を包んだテンションの高いライブになったようだ。それがそのまま記録されているんだからまれに見るライブ名盤アルバムになるのも納得。それでもそのライブよりも良いライブ音源が幾つもあったからそっちを採用しているってのは如何にこの頃のU2のライブが充実したものばかりだったかを物語っている。

 実際に今では幾つかのライブがリリースされているけd,やっぱりとんでもないテンションの高さを誇っているし、このテンションの高さこそがU2の醍醐味で、他では類を見ないライブの迫力を出しているワケだ。それに加えて初期楽曲の集大成とも言わんばかりのベスト選曲で楽曲のシンプルな良さが引き立っている、そしてロックに一番大事なエネルギーとパワーが加わって凄いライブアルバムになってるんだよな。当時聞いてて異様なこのテンションの高さにびっくりしたもん。それでもまだその頃は単純にこの得体の知れないバンドのファンになるってことはなかったけど、チャートでも名前は出てきてたし、やっぱ凄い勢いあったな。まさかあの学生服バンドがここまでの大物になって残っているとは思いもしなかった。このライブビデオ見てても初々しくってそんなに大成するようには見えないでしょ。

 U2を聞いているといつも思うけど、何がこんなに人を感動させるんだろう、って。音楽そのものに加えてのボノの歌、歌だけじゃなくてそこに込められている想いとかなんだろうけどさ、最近のは愛を放っているってのわかるけど、初期のはそんなにあったワケじゃないから、やっぱり魂そのものなんだろうか。ひとつひとつを大切に歌うというのはあるだろうけど、人に訴えかける歌い方なんだろう。ストーンズやビートルズ並に、と言われるくらいに大物になってるけど、多分、それ以上に多くの人を感動させているんじゃないかな。







Horslips - Dancehall Sweethearts

Horslips - Dancehall Sweethearts (1974)
Dancehall Sweethearts

 自分に課したアイルランド縛りで、結構な数のバンドに取り組んでみたけど、当然ながら自国の民族的旋律をウリにして切れ味のあるフレーズを編み出しているってのは多くはなくって、もっと土着的なアイルランド風味を持ったバンドってのはもちろんたくさんあるけど、それは普通にロックの土俵になっちゃうんであまり面白みに欠けるし、はてなかなか無いものだとつくづくと実感。ましては一番求めていたロリー・ギャラガー風味なギターロックなんてのは全然見当たらない。もっともそれこそアイルランド風味があるわけじゃないのだが…。

 Horslipsの1974年の三枚目の作品「Dancehall Sweethearts」だが、これまでの作風からするとどうなんだろ、ハードさはちょいと無くなり、土着的と言えば土着的な旋律が前面に出てきているのか…、もっとガツンときたロックだった印象あるけど、本作では聴きやすく仕上げていると言うのか、音楽的には成長している感があるので分かるんだけど失った部分もあるか。ただ、アルバム自体が悪いという印象もなくて、しっかりと作り込まれていて、それこそ普通のロックの世界で勝負できるレベルの作品だけど、やっぱりアイルランドからしか出て来ないんだろうな、というようなフレーズや音色やムードなんてのがしっかりとあるからユニークな存在だったんだろうね。

 どうにも実態のつかみにくいバンドではある…、重きをおく部分ってのがよく見えなくて、そもそもロック的なスタンスなのか、ってのもあるけど音はロックだよな。フォーク部分も強いけどさ、そして何よりも旋律の哀しさってのはさすがだ。ジャケットに見られる如何にもな風情とはちょいと異なるレベルの音のギャップが楽しめる…、どっちかっつうとジェスロ・タルとかみたいな感じでもあるので、一筋縄にアイルランドのロックバンド…みたいには捉えられないのはあるけど、普通にこういうごった煮のロックは面白いので聴いてると楽しくなってしまうのは単なる好みのお話(笑)。





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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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