The Gods - Genesis

The Gods - Genesis (1968)
ジェネシス

 こういうバンド名を付けるあたりからして相当の自信があったんだろうと思ってしまうが、若気の至りなんだろうな、きっと(笑)。昔、The Godsというバンドにユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーがいたらしいから探してみるかと思ってて、アチコチのレコード屋を漁ってたんだけど、これとは全然異なるジャケットのヤツが見つかって、もちろんその時はアルバムジャケットがどういうのか知らなかったからそのアルバムを買ってったワケだが、家に変えてレコード聴いてるとどうも全然違う感じがする…、クレジット見ても全然見当たらないし…なんて思って聴いてて全然面白くなくって、そりゃそうかとも思ったけど不思議にも思っててね。そしたらとある日、このジャケットを見かけて、あれ?これ?みたいになってまた買ってったワケよ。そしたら今度はなるほどなぁ、こういうのか…と思った次第で、じゃ前買ったのはなんだったんだ?とアレコレ調べてみればアメリカのThe Godsというバンドだったというオチ。

 The Godsの1968年リリース作品「Genesis」。ユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーとリー・カースレイクが参加していた正に前進バンドとも言えるトコロだが、あの躍動感はここには見当たらない。もっと素直にオルガンハードロックが演奏されているというトコロで、ギターなんぞ全然目立たずにひたすらオルガンによるハードロック…ってほどハードでもないなぁ…。オルガンロックってトコロか。随分と牧歌的でキャッチーだし、歌メロも口づさめるレベルのものだし、時代もあってかちょいとサイケ風味なトコロもある。実は売れたんじゃないだろうか?ってくらいにはポップに近い作品で、楽しめると言えば楽しめるから面白いけど、よくよく聴いてるとビートルズの影響もかなりあるんだろうな、ってのも思った。

 60年代ってこういうのだろうな。まだロック的なのが全面に出てこないで音楽を演奏する、色々なアプローチで演奏する、みたいなのが中心でさ。60年代終盤になってくるとガツンとしての出てくるけどさ、多くはその変化に気づかないでこういった作風のバンドだったワケだ。やっぱりそれを思うとジミヘンやクリームってのは強烈だったんだなぁとシミジミ。そして途中、ケン・ヘンズレー独特のあのヒープで見せたサウンドがモロに出てくるので、コイツは面白い。あのコーラスに独島のドライブ感、そしてハイトーンと抑揚感に包まれたメロディ、素晴らしい。



July - July

July - July (1968)
スーパー・サイケデリック!

 早いもので暦は7月に突入、今年も既に半分終わってしまってうっとおしい梅雨時期から夏に突入する頃合いだが、聴いている音楽は相変わらずに古臭いままで時間の流れを無視しまくっているブログ。今でもこんなの聴いて、そうかぁ、と感想書いてるってのも既に天然記念物化しているとは思うが、単なる趣味と忘備録兼ねての事なので気にせずに好きに進めよう。アマゾンはそれでも相変わらず色々置いてあるので助かるトコロ。

 7月に入って、ってのでJulyってあったけどどうしたっけな、って思ってココ見てみるとまだ何も書かれていなくて、「え?」って思ったのでここで登場させておきましょう。1968年リリースの最初のアルバム「July」。そもそもJulyってバンドなんて誰も知らないだろってくらいのモノだが、この後Jade WarriorやVirginのプロデューサーへと進む面々の集合体、そもそもがこういう時代のサイケ調な音をやってた人ってのは音楽性とか云々の前に好奇心旺盛で実験精神も多分に持っている人達なのでこの後の活動もどうしたってプログレッシブな方向性になるのは至極当然、とは言え時代的にポップの綺羅びやかな世界も知っているのでそのへんが取り込まれていくのも特徴的か。Julyに関して言えばそこまでの発展系はなくって時代の産物的サイケデリックサウンド、シタール、逆回転、効果音、フワフワメロディなどの要素が存分に組み込まれた作品で、良質上質なサイケ・ポップアルバム。巷ではビートルズの「サージェント」の裏盤みたいな扱いのようだが、確かに似ている雰囲気ではあるか。

 確かに凄くキャッチーなんだけどキラキラしているし、曲もポップ。ただ、この時代のサイケ感って時代特有だから今聴いて痺れるって程の話じゃないからどうしたって歴史的遺物として聴いてしまう部分は大きい。それを知ってて楽しむのはあるけど、多分自分の音楽の聴き方が変わってきたからかな、楽しめる部分と飽きてしまう部分が交雑してて、じっくりと作品に向き合えないときもある、即ちそこまでハマり切れない作品だった、ってことか。昔は楽しく聴いてたけどな。ジャケットも超サイケだし、それしかないってくらいにドロドロでしょ?



The Beatles - Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band Deluxe 50th Anniversary Edition

The Beatles - Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band Deluxe 50th Anniversary Edition
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)

 50年前ってのは半世紀前ってことで、1967年のことなのだが、ロック的には創成期ではあるものの既に多種多様な実験やチャレンジが始まっていて、もちろんThe Beatlesを筆頭にPink FloydやThe Who、The Rolling Stones、The Kinksなどからジミヘンの登場とCreamの台頭、アメリカではジャニスやジェファーソンなんかも出てきた頃で正に新しく何かが始まる時代だったのだが、それが50年前。The Doorsの歴史的名盤もその歳にリリースされているが、50周年ってこともあり、今回は大御所The Beatlesの「」がとんでもないボリュームになって再発されている。正直The Beatlesに関してはそこまで入れ込んではいないし、入れ込むととんでもないことになるし、既にワケの分からない状況でのリリースが山のように出てきているしってことでウチのバンドメンバーは全員マニアの領域だが、自分は一歩引いてる…とは言え、それなりに知識は増えてしまうのだが(笑)。

 The Beatlesのオリジナルは1967年リリース作「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」。中身はともかくながら、今回の2017年リマスターっつうか新たなミックスが施されて音そのものも再構築されているとんでもないブツで、あの「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」をイメージして聴くと無茶苦茶ぶっ飛ぶ。これ、60年代のバンドの音じゃないです。今のバンドの音ってもおかしくないくらいに全ての音が新たに鳴っていて、一体どうやったらこんな風になるんだ?ってくらい現代的。音圧にしても音の綺麗さにしてもそもそもデジタルなんじゃね?ってくらいで、ギターやベースの音も艷やかになっているし歌だって生々しくってドラムもまったく古臭くなくって今風な感じじゃないですか、ってくらい。こんな風に蘇るものなのか、ってくらいに驚いた。50年前のシロモノの復活作品なんてレベルじゃなくて最高の機知と技術を結集して作り上げた素晴らしき傑作。この音だったら今時のリスナーでもThe Beatlesのなにが凄いのかって一発でわかるでしょ。古き良きバンドの音もみんなこんくらいに再構築して綺麗にしてみてもらいたいものだ。マニアからは賛否両論になるのだろうけど、これはもう凄いですよ。軽く聞き直すかな〜ってつもりで聴いたら、こりゃ凄い、ってことで聴きいってしまって…、それどころか改めてこのアルバムの完成度の高さと音の多様さを実感したね。ホント、良く出来てる。The Beatlesってやっぱり凄いわ、ってのをマジマジと実感した。

 あ、もちろんここまでのお話は普通にオリジナルアルバムに収録されているステレオミックスを聞いてのお話で、ボーナストラックだの何だのってのは評価や考慮に入れていないでのお話。色々なバージョンがあってモノラル盤入ってたり新たに発掘されたテープからミックスされてたりとかそもそも良く言われているテイク○○みたいなレコーディングの途中経過の音とか入ってるけど、このヘンって一度聞いてふ〜ん、そうなんだ、ってなものだから細かくこだわってないし、これまでも似たようなのあっただろうからそんなに意識はしてないです。が、聴いてるとへぇ〜っていう楽しみがあるのは事実。普通のリスナーは普通に新しいステレオミックスでぶっ飛び、新たなリスナーもそのステレオミックスで驚き、ニッチなリスナーはフルスペックの作品を買えば良いのだろう。そういうニーズに合わせてのリリースもThe Beatlesならではのワザか、普通の1CDで多分十分です。



John’s Children - Legendary Orgasm Album

John’s Children - Legendary Orgasm Album (1970)
Legendary Orgasm Album

 マーク・ボランが在籍していたことのあるバンド、John’s Childrenって、そういえばそうだったな、ってくらいにしか覚えてなかったけど、それもたった4ヶ月程度の在籍だったらしく、誰かと友人だったんだろうかね、としか思ってないんだが、それでもロックの歴史的にはそういう重要なバンドなんだ、という位置付けにはなる。かと言ってすぐに探してきて聴かなきゃならないバンドでもないし、マーク・ボランがいたってことはそういうバンドなんだろうし、って想像もしちゃうからそんなに切羽詰まって探したことはなかったな。でも、今の時代では簡単にそれは聴けるし手に入るし情報ももっと細かく入るからなるほどねぇ〜ってな感じで聴いてみた。

 John’s Childrenの1970年にアメリカでのみリリースされた「Legendary Orgasm Album」というアルバム、プロデュースはあのサイモン・ネピア・ベルと話題だけは豊富なアルバムなのだが、なんでまたアメリカのみだったのか…、内容がひどいから?いや、言われるほどひどいとは思わないけど、そんなに聞かなきゃいけないレベルに無いことは確かだ。スタジオ録音の音源に60年代風な感性キャーキャーを上から被せて疑似ライブに仕立てたトータルアルバムだ。それがまた超チープでイージーで重さも制作の凝り具合も何もなくって60年代終盤のサイケバンドそのままでちょいとポップでキャッチーってだけ。これでマーク・ボランが使われたら可哀想ではあるなぁって程度だけど、この軽さとサイケ・ポップさは英国ならではの味でもある。センスは良いんだよね。

 モッズサウンドとも言われてるけど…、よくわかんない。カラフルポップで時代の産物そのものだからあまり考えることなく聴けるのは事実。楽器がどうのとかドラムがどうとか何とかと言えるモンでもないなぁ…、ただ、間に入るMCが如何にもライブみたいで良く出来てる。しかしこのキャーキャーうるさい感性、60年代的だ…、どんだけジョークで作ってるんだろ、ってなモンだ。曲そのものは結構ユニークな出来映えのもあるんで、センスはあるんだよ、うん。



Zoot Money’s Big Roll Band - It Should’ve Been Me

Zoot Money’s Big Roll Band - It Should’ve Been Me (1965)
ズート・マネー登場

 モッズサウンドってのは所詮はJBのカバーを白人がやっている、みたいなトコに集約されるんだろうな。それが何故かオシャレな雰囲気に聴こえてしまうというのか、その頃のJBってそんなに洗練されてなかっただろうから、英国人のフィルターを通したらオシャレになっちゃったという感じか?まぁ、多分違うと思うけど(笑)。自分的にそういう出会いは多分The Whoなんだろうけど、何かカッコ良いな、このクールさ、みたいなのがさ。かと言ってロックに忙しかったからあんまりモッズを深掘りするに至らなくて、それは今でもなんだけど、興味はあるからちょいちょい手を出す。ただ、数曲で飽きちゃうのもあるから深掘りしないでダラダラとカッコ良さを味わってるってのかな。今回もそうだけど。

 Zoot Money & The Big Roll Bandの1965年の最初のアルバム「It Should’ve Been Me 」。う~ん、The Whoと同じ頃じゃないか…、そこにはもちろんアンディ・サマーズが参加してたんだけど、かなり脇役です。主役はこのイタ公なZoot Moneyであることは疑いもなくって、一人パフォーマンスが凄い。鍵盤のウネリ具合が凄くてさ、これぞモッズ、JBの曲から始まるってのはインパクト強くて、うわっ、カッコいい!ってなるもん。聴いてるとだんだんやっぱり飽きてくるんで長持ちはしないんだが、でもこのオルガンサウンドでのグルグル感は好きだね。アンディ・サマーズのギターを取れば、瞬間的な所でのああいうギターは顔を見せてくるからそういう思想はあったのかな、なんて気がする。色々考えてた頃だろうから当然と言えば当然か。

 しかし、音が古い(笑)。だからこそのモッズ感ありありなんだろうけど、今の時代にこれを真面目に聴いていられる若者たちはいるのだろうか?ってくらいには音が悪い。こないだストーンズが「Blue & Lonesome」をリリースして、この頃の音に似せてたけどさ、やっぱりそれとは熱気が違うし、こんだけ音が密集したものってのは聴きにくいしね、その反面パワーとエネルギーは集約できているんで良し悪し…。ロックはエネルギーとパワーだからこれで良かったんだけど、改めて古さを実感している次第。でも、凄いわ。こんだけのモンが詰め込まれているって、この時代だからって誰でも出来たワケじゃないし、今にしてこのZoot Moneyの凄さを味わうという…。





Eric Burdon & The Animals - Love Is

Eric Burdon & The Animals - Love Is (1969)
Love Is

 ロックはやっぱり熱気と想いが主なんだよな。技術や才能やセンスや売り出すチームワークなど色々重なるのはあるけど、音楽、というのとロックってのは本質にどちらに軸があるかの違いで、音楽に軸があるロックはやっぱり熱気から入るロックを好む人間にはちょっと違うな、という感を持たせてしまう。いや、それは屈折なだけで、ってのもあるだろうけど、どこかそういうのはあるんだよ。だからロックまがいのを聴いていても、ありゃロックじゃねぇだろ、と本能的に一蹴されるものもあるワケで。面白いよな、そういうの。かと言って音楽的なのわかんなきゃその世界で残れないんだし、そのヘンがバランスというか一発屋の本能と言うか…、やってる側はビジネスも絡むからね、もちろん何かに秀でていかなきゃならんだろうし。

 Eric Burdon & The Animalsの「Love Is」、1969年リリースの作品。なぜに?うん、アンディ・サマーズで思い出したから(笑)。ポリスで活躍したアンディ・サマーズってもう60年代からロックの世界にいて、実はジミヘンだろうとピンク・フロイドだろうとほとんど一緒の世界でその頃からシーンにいた人でね、花開いたのがポリスだったってだけな人。それでも凄いのはそんな古くからプロでやってたのに、ポリス結成前には一旦全部辞めてアメリカへ音楽学校へ言って理論から何から全部学んでいたみたい。だから自分のセンスと才能だけじゃなくて、きちんと音楽を知ろうと決断したんだよね。それが花開いてああいう独特のコードワークによるギターの展開が生まれたのだろうし、それはポリス結成前の作品郡ではさほど聴かれないプレイスタイルだから一目瞭然なんだよね。ある程度ああいう分散的なギターだったり単に歪んでるだけってのとは違うから素地はもちろんあったんだろうけど、あそこまで発展させたのはそういう背景からなんじゃないだろうか。

 そういうのもあって引っ張り出してきたのが「Love Is」。ほとんどがカバー曲で、エリック・バードンも心機一転というか、歌に専念していたというかそういうアルバムで、かなりの力作。そこでの鍵盤奏者はあのズート・マネー、そこからアンディ・サマーズなワケで、このサイケモッズ野郎たちがエリック・バードンのサイケ感に合流したというべきか、時代なんだろうな、根底にその空気が流れている…のは多分オルガンの雰囲気とかか。アンディ・サマーズってこのあたりでソフト・マシーンにも参加したりしてるというのも面白くてね、しっかりと英国のアングラシーンに通じてるんだもん。一方ではアニマルズのエリック・バードンという超メジャーなトコでしょ?器用な人だったんだろうね、アルバム聴いてるとどうしてもエリック・バードンの歌声とか楽曲そのものに耳が向いてしまうんだけど、思い出したようにギターに耳を傾けてみるともちろん鳴ってる…けどそこまで個性はないかな。こういうのからそのバンドや歌手に興味を持ってしまう人の方が多いんじゃないだろうか。それくらいに強烈なインパクトのある歌声と鍵盤です。

The Beatles - Live At The Hollywood Bowl

The Beatles - Live At The Hollywood Bowl
LIVE AT THE HOLLYWOOD

 毎年この時期になるとクリスマスのムードが街に溢れて年の瀬を盛り上げていくのが風潮だけど、ついでにこの頃になると毎年思うのはジョン・レノンの命日ってことだったりする。自分がロックを知ってからのミュージシャンの訃報については大体の季節感で覚えていたりするんできちんとした命日なんてのは知らないのが多いんだけど、その前のはロックレジェンド達の命日、みたいなのを記憶してたから今でもよく覚えててね…、それとジョン・レノンの場合は昔入り浸ってたジャズバーが毎年この日だけはビートルズデーになってて、自分達も集まってたからよく覚えてる。いつしか行かなくなってしまったし、今どうしてるのかも知らないんだけど…。

そんな所でジョン・レノンかなぁ…とも思ったけど、そういえば妙に明るい印象のジャケットが最近アマゾンに出てるな、ってのを思い出したのでビートルズの「Live At The Hollywood Bowl」を。昔アナログ時代には「ザ・ビートルズ・スーパー・ライヴ!」としてリリースされていたアルバムの拡張リマスター盤のようだ。1964年と65年8月のハリウッドボウルでのライブから抜粋されて編集されてるライブアルバムで、1965年のこの時期ってぇとアルバム「Help!」のあたり、64年だと多分「A Hard Day’s Night」の頃らしいから、それに準じたセットリストになってるんだろう。いずれにしても初期ビートルズの持つエネルギッシュなライブパフォーマンスの模様がぎっしりと入ってて、邪魔なのは黄色い歓声がひたすら入ってるって所だ。無いとこれまた寂しいのだろうからある方がライブ盤らしくて良いのだが、ここまでうるさいとねぇ…。でも、これ、実際に歓声が凄すぎてステージでの音が聴こえなかったとか言われてるヤツだから、録音してたら普通に入っちゃったレベルなんだろう。つまりこの黄色い声を避けての録音は出来なかったってことらしい。いやはや、そりゃしょうがない。

 そんな経緯がアリつつもここでのビートルズのライブの模様ときたらそんな黄色い歓声なんぞに負けるはずもない、凄く熱くてハードで熱気ムンムンなステージを聞かせてくれている。これぞライブバンド、ハンブルグで鍛えたライブバンドの勢いを見せてやるよってばかりにバンドが息の合った所をきっちりと見せてくれている。これ聴いて今から50年前のどでかい会場でのライブって思うか?んで、こんだけの熱気溢れるライブって出来るか?ってな話。ビートルズなんてポップバンドだからロックじゃねぇよ、って思ってるフシのある人が今どんだけいるのか知らないけど、これぞロックンロールバンドの本質をやってるバンドで、そのライブだよ。こういう熱気があるからロックは魅力的だったんだよ。だから聴いてみれば良いし、ロックって何?っての、何かちょっとは分かるかも。やっぱ凄い。



Manfred Mann Chapter Three - Chapter Three Vol.1

Manfred Mann Chapter Three - Chapter Three Vol.1 (1969)
Chapter Three Vol.1

 ほっとくとどんどんと70年代英国ロックな音に引っ張られていくのが自分の常なのだが、聴いていてふと思う。こんなの今時聞いて書いてて、読む人も聞いてる人もそんなに多くないだろうし、そもそもジジイ達ばっかだろうし若い世代って聴くことあるんだろうか?なんて気がする。似たようにそのヘンの音に取りつかれている人も多いだろうから最低限の需要はあると思いたいけど今時ブログなんてのも真面目に見る人も減ってきているし、じゃどうなってるんだろ?という不思議な点はあるものの、まぁ、昔に戻りつつあるのだろう。いや、多分、コレクター気質な人が減ってきているんだと思う。何せ探して集める、なんてことしなくてもネットやiPhoneですぐに聴けたりしちゃうんだから集める必要ないもんね。ふとそんな事にも思い当たり、色々とつまらんな…なんて。

 Manfred Mann Chapter Threeの最初のアルバム「Chapter Three Vol.1」は1969年にリリースされている。今でこそこれはプログレッシブなジャジーな作品だ、と言えるけど、当時はビートグループだったマンフレッドマンの組んだバンドの作品だろ?何だこりゃ?ってなモンで、ロックの範疇からしても随分とおかしなジャズロック風味で、英国ジャズロックのそれとはちょいと異なる。Sweet PainやらColloseumやらなどのジャズロックとは違ってもっと大陸的というかビッグバンド的なジャズ志向と言うか、そういう類なのだが、きちんと歌が入っているからロックの世界として残っているのだろう。ボーダーラインが無茶苦茶で良いねぇ、こういう音は。確実に暗い。実験的だから流して聴けるモノでもない。でも音楽的なアプローチが面白いから何かずっと聴いていられるクォリティの高さがあるし、テンションも相当に高い。チャレンジしている熱気なんだろうね、こういうのは。プレイヤーが持てる力をそのまま発揮して取り組んでいる姿勢がアリアリと分かる作品で、それを良いとか悪いとか言う次元で語るもんじゃない。

 この後名盤「Chapter Three Vol.2」をリリースしているんで、バンドの名前や音楽へのアプローチは知られている所だと思うけど、このファーストの「Chapter Three Vol.1」もかなりユニークな音作りしていてかなりの刺激になる。英国ジャズロックに多少興味あればオススメしていく作品ですね。最初は何だこりゃ?ってな事を思うかもしれないけど、こういうモンです。それにしてもあのマンフレッドマンがここでこういう音を出してきたのは音楽的探究心からか?見事なアプローチだと唸るばかり。

Tony Williams Lifetime - Turn It Over

Tony Williams Lifetime - Turn It Over/lifetime (1970)
Turn It Over/lifetime

 革新的な試みを常に実験するために色々なメンバーとセッションを繰り返し、ひたすらに純粋にエネルギッシュでパワフルなサウンドを追い求めていた時代、ロック黎明期はそんな事があった。そしてロックのみならずジャズの世界でも同じような試みを常に繰り返している連中がいて新たな世界に飛び出したがっていた。そんなのが一緒にやってみようって思うのはごく自然な事柄だっただろう。ロックもジャズもなくただ天性のプレイヤーだったからこそ一緒にやってみたら何か起きるに違いないという確信の元に集まってやってみたアルバム、それが悪いはずもなくそれこそロックの魂そのものだったりする。

 Tony Williamsのソロアルバム「Turn It Over/lifetime」は名義こそTony Williamsだが、メンツはジョン・マクラフリンにジャック・ブルースにラリー・ヤングという猛者の集まりで、残念なのはトニー・ウィリアムスの歌だけで、その他は白熱のプレイのぶつかり合いによる熱気そのものが聴ける作品だ。ジャック・ブルースだってCream辞めてすぐくらいの時期だからあのままの熱気のプレイをどこかで披露したくて、そしてあのぶつかり合いをまたやってみたくて、というような方向性、すなわちCreamの延長線を求めていたワケで、今度のパートナーは申し分の無い面々となったというところか。確かにスタジオ・アルバムなんだろうけど、やりたい放題…全員ね、そして有機的にそれが機能したこの時期この時代このメンツでしか成り立たないであろう迫力とプレイがしっかりと聴ける。この類の音では曲の良し悪しが問われることはない、単なるテーマでしかないからプレイをひたすらにぶつけあっている、そういう意味では明らかにジャズな作品だ。そしてジャズから見たら本作はかなり邪道な作品になるのだろう。

 しかしロック側から見れば明らかにロックだし、ぶっ飛ぶほどのアルバムだと評価されているようだし、自分が聴いててても何か凄いな…ってのはもちろんある。これで上手いボーカリストでも入ってたら時代も時代だしそれなりのバンドになっただろうに、そこはジャズ的な発想でのアルバムリリースだった事が残念。ともあれ、後年に至る今までこうしてアルバムの存在が忘れ去られる事無くしっかりと伝えられているのだからアルバムの価値は高かったのだ。ドラマーのソロアルバムでこの音って…あり得ないよな(笑)。ジミヘンからの影響が大きかったとか…、そしてこの後の英国でのジャズロックバンドへの影響も大きく与えていたグループ、そりゃそうだろ、こんだけやってりゃ。そんなアルバムです。






Paul McCartney - Band on the Run

Paul McCartney - Band on the Run (1974)
バンド・オン・ザ・ラン

 飲んだくれてそのままカラオケに雪崩れ込んで…ってのは良くある話なのだが、大抵はその時のメンバーによって曲が決まってくる…、曲というよりもカテゴリとか年代だな。もちろんバンド連中で行くとなるとそれぞれの好みが微妙にズレてるのもあって、それでもキライなものでもないし新たな発見ってのもあったりするし、他の連中を染めてやるなんてことも出来たりして何かと刺激的ではあるが、今回はちょいと自分的に軽い驚きを覚えたものをひとつ。

 ポール・マッカトニー率いるWingsのアルバムになるのか?ポール・マッカトニーのアルバムになるのか?「Band on the Run」ってヤツ、1974年リリースの作品。このタイトル曲が出てきて、そもそもポール・マッカトニーについては自分的にはもう全然ダメだので聴いてないってのも、好きじゃないってのもメンバー皆さんご存知なのだがそんなんはお構いなしにバシバシとこのヘンが出てきてさ、んで、へぇ〜なんて思いながら聴いてるんだけど、そもそも何だこれ?って展開が繰り広げられるモンだから、割とびっくりして…、ビートルズの展開を考えればこうなっててもおかしくないんだけど、何かそういう風に展開していってるって思ってなかったからか、ここまで展開させてる作品だってことを初めて知った。んで、メンバーにコレってポール・マッカトニーが自分で作ったアレンジなのか?と訊いたら多分バンド単位でやってるんじゃないか?ってな話。まぁ、そもそもはポール・マッカトニーだろうけど、う〜ん、なるほど凄い。

 んなこともあってちょっとアルバム丸ごと聴いてるところ。初めての試みだけど、なるほどビートルズの進化系と言うか、そのままって言うか…、ジョンのテイストが抜けるとこうなるだろうなっていうそのままな音が出てきてて、もちろんバリエーションに富んでいるのは当然ながら、やっぱりメロディメイカーだし凄いわ。ジョンの毒気がないってのは明らかだから、ビートルズのエッジってのはそういう融合性でもあったってことで、比べるもんでもないけど、かなりマイルドなのは当たり前か。しかし良いアルバムだな。好きじゃないけど、素直にそう思う。




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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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