The Pretty Things - Silk Torpedo

The Pretty Things - Silk Torpedo (1974)
Silk Torpedo

 バンドが自身の姿をどんどんと変えていってリスナーを驚かせるというのはやってる側からしたらある種当然の事なんだが、聴いてる側としてはそういう音だから好きだったのに、異なるのが出てくるってことは音楽じゃなくてアンタの音楽性とかを好むようになれってことか?みたいなのがあって素直に認められない事が多い。そりゃそうだろ。赤色が好きだって言ってるのに青色出されて好きになれってもさ、他に赤色に近いのあるからそっちにするわ、ってのが普通でしょ。ところがまぁ、そこまで極端になることはあまりなくって、メンバー変わったからちょいとづつ変化していく、とか時代に合わせて変化します、みたいなのはありなんだろう。解散再結成でも同じメンツならさほど変わらないが熱意が異なるのはある。そのヘンバンドって素直に音に出てくるからね。

 The Pretty Thingsの1974年リリースのアルバム「Silk Torpedo」。ご存知Led ZeppelinのSwan Songレーベルからリリースされているアルバムってのが話題で、中身の音はもちろんあんなハードロックじゃないし、どっちかっつうと元々のThe Pretty Thingsみたいな音に毛が生えた感じのロックなのでツェッペリンの威光はレーベルだけの話なのだが、それでもやっぱりジミー・ペイジが認めてる、っていうイメージは大きい。The Pretty Thingだって相当の知名度だったんだからそこまで、とは思うけど、後追いからしてもそりゃそうだろう、ってのあるしな。実際音聴いてても悪くないけど掴みどころのないアルバムなのかなぁという気がする。ギターが凄いとか曲がカッコよいとかもないし、演奏に緊張感があるとかじゃないし、じゃ、何?的な感じでね。アルバムジャケットがヒプノシスで見開き全面使ったデザインは相変わらず秀逸というのだけはある。

 もうちょっとキンクスに近いサウンドもあった気がしたけど60年代までだったか。この時期はメンツも相当入れ替わってるし、時代も過ぎ去っているからってのが大きかった。60年代末期のプリティ・シングスは神秘的な感じもあって興味深かったんだけどな。ところが時代を経てみると結構な人気があったようで、その煽りを受けての再結成劇が何度となく繰り返されている。このアルバムの頃は二回目の再結成だったけどね。いくつか不思議な曲も入ってるからやっぱりプリティーズだな、っていうのはあるものの、どうにもパッとしないってのが本音。ん〜〜。


Small Faces - The Autumn Stone

Small Faces - The Autumn Stone (1968)
Autumn Stone

 アナログ時代のベスト盤って何かと目玉が入っていたり、一筋縄でいかない未発表ライブや未発表曲、ミックス違いやバージョン違いなんてのも入っていたりして侮れないコンテンツになっている事も多く、それはそれで楽しみがあった。知らなきゃ買えないし、曲目だけ見てても普通に持ってる曲ばかりだからベスト盤要らないな〜って思ったりしてると、実はさ、みたいなお話がよくある。今の時代なら情報過多だから調べたり、何かのボーナストラックで入ってたりするから分かるんだろうけど、アナログの時代だからね、細かい情報はないんだよ。だから常にギャンブル(笑)。

 Small Facesが第一次解散した時にリリースされたベスト盤が「The Autumn Stone」。曲目だけ眺めていると初期からず〜っと網羅してて、ちょいと見たこと無いのも入ってるな…って感じなので、当時のリスナーは多分手にしてたんじゃないだろうか。聴いてみて大当たり、ってアルバムなんだよね、これ。ライブバージョンは入ってるし、未発表曲は入ってるし、ジャケットもちゃんとデザインされてて適当なベスト盤じゃないし、半分オリジナルアルバム的な位置づけで存在していると言っても良いんだろうね。ベスト盤ってよりも編集盤って位置づけになるのか。インストものも入ってたりするんだけど、これってスティーブ・マリオットが抜けちゃったが故にインストになってるだけで、元々はマリオットが歌を入れるはずの曲だよな?「Wild Eyed Girls On The Wall」ってタイトルまで決まってるってことは歌詞は準備されているんだろうか。

 それにしてもマリオットの時代のライブはやっぱり強烈で、聴き応えある。この時代のバンドでこんだけ暑苦しくやってたのってそうそう多くないし、中でもかなりハードなバンドのライブだったんじゃないかな。そんな片鱗がきちんと聴けるんで、かなりいろいろな意味で楽しめる編集盤だ。未発表曲だって、かなり良い感じだしさ、勿体無いなぁって思うくらいの出来栄えでね、うん、やっぱり半分オリジナルアルバム的に聴いてしまう傑作編集盤。


The Pretty Things - Emotions

The Pretty Things - Emotions (1967)
Emotions

 レーベル毎の色合いの違いっていのは最近でもあるのだろうか?70年代には大手レコード会社もレーベルを幾つか持ち、特色を使い分けてのアルバムリリースをしていて、場合によってはバンドにそのレーベルを貸与するなんてこともあり、またバンドも独自のレーベルを持ってのリリースってのもあったりと実に多様な展開をしていた。いつしかその手の話は消え去っていき、もっと統合されていったのだろうとは思っているが、自主制作盤なんてのはまだその色があるのだろうとは思う。でも、自主制作レーベルなんて今の時代あるのか?もっと個人的に出来てしまうからなぁ…。

 The Pretty Thingsの1967年リリースの3枚目のアルバム「Emotions」。Pretty Thingsと言えば初期はガレージサウンド、そこからサイケへと進み、どんどんポップ化していったバンドというイメージがあり、裏ではストーンズ関連や当然ながら60年代のジャンキーなバンドメイト達との関係なんてのもあるけど、全然売れてなくていつの時代もどこの国でもイマイチな人気加減という感じ。アルバムを聴いているとそんな事もなくってどのアルバムも個性的でユニークなんだけど、確かにバンドとしてはメンバーも変わっていってるし、バンドの出す音もどんどんと変化していくのもあってなかなか掴みどころの無いバンドという姿もある。だから故にシーンには出にくかったのはあるだろう。その中でもこの「Emotions」というアルバムは随分な扱いで世に出されたという代物で、逸話がたくさんあるアルバムだ。

 そもそもPretty Things側はこのアルバムの基本的な姿の裸のアコースティックな状態でリリースしたかったようだが、レーベル側が勝手にストリングスなりブラスなりをアフレコしてしまったんで、何とも中途半端な出来栄えになってしまったらしい。が、リスナーとして聴いているとこのバランスは絶妙だよな、と思うのでバンド側の意向には反してレーベルの判断したアレンジの方が好ましい。元々の楽曲の出来が良いのだからアレンジが多少弄られても本質的には変わらないんで、もうちょっと自信持ってくれても良いとは思うのだが、どうだろうね。いわゆる60年代の歌心溢れるサウンド、サイケやガレージっぽい部分はほぼ消え去ってて裸のバンドの姿が映し出されている作品。やっぱりロックだよ。


The Zombies - Odessey & Oracle

The Zombies - Odessey & Oracle (1968)
Odessey & Oracle

 雪景色をカラフルに彩るなんていうサイケデリックなアート感覚、やってみたいなぁと思ったりする人はそう多くはないのかな。雪国だったら思ったのかもしれないけど、そうじゃないとそんな発想すら浮かばないか。水に絵の具入れたレベルの色付きのモノをそれらしく雪の上にバラまいて楽しむんだよ。いや、やったことないけど、面白そうだなと思ってさ。昔のPV見てるとモノクロだけどそういうのあったりするし、サイケ全盛期で楽しそうだし、それもこれももう50年以上昔の話なんだから恐れ入る。ただ、面白いのはその自由な発想とセンスって今でも斬新に写ったりするからさ、時代を超越しているんだよね、それがレコードに残されてて今でも聴けるって、素晴らしいと思わないか?

 The Zombies、ひねくれ者の英国人が付けそうなバンド名で、案の定調べてみれば「人に真似されないバンド名にしよう」って事で付けられたらしいが、その分損している面も多いかも。やっぱり「ゾンビ達」だからね、イメージはよろしくないでしょ。ま、それ言うと「ビートルズ=カブトムシ達」も何故売れた、ってくらいなモンだが、一捻りのBeatって単語が良かったんだろうか。戯言はそのヘンとして、1968年の二枚目、位置付け的にはラストアルバムとなった「Odessey & Oracle」。超名作・傑作、時代を超越したポップミュージックの決定盤とも言える作品としてよく讃えられているが、その通りだ。これほど素晴らしいアルバムはそうそう多くないだろ、ってくらいのレベルにあるロック界での名盤に数えられる作品。とてつもなくサイケデリックな風味は漂っているけど、歌のメロディからメロトロンの雰囲気、効果音の使われ方、ドラムの如何にもなオカズ使い、それそのものが曲を印象づけているかのようだ。そして録音状態もそれぞれがステレオの定位に配置されているからカラフル感満載だし、更に楽器の音がキレイに鳴り響くというサウンド的サイケ感も見事。もちろん楽曲に捨て曲なんぞあるハズもないし、見事に統一されたアルバムで何度も何度もリピートして聴くアルバムだしね、ホント心地良いです。一家に一枚的な名盤なのは言うまでも無かろうか。

 …って自分はゾンビーズ聴くのってちょいと遅かったかな。ヒット曲程度は知ってたけど、所詮60年代のヒット曲だからああいうポップ感でさ、それほど突出した感を思わなかったんだよね。その後適当なシングル集みたいなのも持ってたけどピンと来なくて。んで、アレコレロック聴いて一回り二回りするとゾンビーズってよく名前が出てくるワケ。んで、アレだよなぁ…ってのあったから手を出さなかったんだけど、さすがにどれどれ、ってな感じで聴いたのがこの「Odessey & Oracle」。かなりぶっ飛んだね。もうThe KinksやThe Whoからプログレとか聴いてたから余計に響いたのかもしれないけど、スゲェポップス、って印象。んで、よくよく聴いてるとベースにしても歌にしてもドラムにしても曲にしても音の配置にしても凄くよく出来てるから楽しい。なるほど名盤と言われるハズだ、と納得したもん。一時期結構聴いてたのを久々に聴いてまたまたリピートしまくって聴いているというお話。

 バンド名と写真のイメージに惑わされずに黙って聴いてみればこのキラキラしたポップスとサイケ感が心地よくなります。サイケってもそういうサイケじゃないし、ポップスってもポップだからビートルズとかビーチボーイズみたいなモンで、ELOとかそのヘンな感覚。素晴らしいです。


The Gods - Genesis

The Gods - Genesis (1968)
ジェネシス

 こういうバンド名を付けるあたりからして相当の自信があったんだろうと思ってしまうが、若気の至りなんだろうな、きっと(笑)。昔、The Godsというバンドにユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーがいたらしいから探してみるかと思ってて、アチコチのレコード屋を漁ってたんだけど、これとは全然異なるジャケットのヤツが見つかって、もちろんその時はアルバムジャケットがどういうのか知らなかったからそのアルバムを買ってったワケだが、家に変えてレコード聴いてるとどうも全然違う感じがする…、クレジット見ても全然見当たらないし…なんて思って聴いてて全然面白くなくって、そりゃそうかとも思ったけど不思議にも思っててね。そしたらとある日、このジャケットを見かけて、あれ?これ?みたいになってまた買ってったワケよ。そしたら今度はなるほどなぁ、こういうのか…と思った次第で、じゃ前買ったのはなんだったんだ?とアレコレ調べてみればアメリカのThe Godsというバンドだったというオチ。

 The Godsの1968年リリース作品「Genesis」。ユーライア・ヒープのケン・ヘンズレーとリー・カースレイクが参加していた正に前進バンドとも言えるトコロだが、あの躍動感はここには見当たらない。もっと素直にオルガンハードロックが演奏されているというトコロで、ギターなんぞ全然目立たずにひたすらオルガンによるハードロック…ってほどハードでもないなぁ…。オルガンロックってトコロか。随分と牧歌的でキャッチーだし、歌メロも口づさめるレベルのものだし、時代もあってかちょいとサイケ風味なトコロもある。実は売れたんじゃないだろうか?ってくらいにはポップに近い作品で、楽しめると言えば楽しめるから面白いけど、よくよく聴いてるとビートルズの影響もかなりあるんだろうな、ってのも思った。

 60年代ってこういうのだろうな。まだロック的なのが全面に出てこないで音楽を演奏する、色々なアプローチで演奏する、みたいなのが中心でさ。60年代終盤になってくるとガツンとしての出てくるけどさ、多くはその変化に気づかないでこういった作風のバンドだったワケだ。やっぱりそれを思うとジミヘンやクリームってのは強烈だったんだなぁとシミジミ。そして途中、ケン・ヘンズレー独特のあのヒープで見せたサウンドがモロに出てくるので、コイツは面白い。あのコーラスに独島のドライブ感、そしてハイトーンと抑揚感に包まれたメロディ、素晴らしい。



July - July

July - July (1968)
スーパー・サイケデリック!

 早いもので暦は7月に突入、今年も既に半分終わってしまってうっとおしい梅雨時期から夏に突入する頃合いだが、聴いている音楽は相変わらずに古臭いままで時間の流れを無視しまくっているブログ。今でもこんなの聴いて、そうかぁ、と感想書いてるってのも既に天然記念物化しているとは思うが、単なる趣味と忘備録兼ねての事なので気にせずに好きに進めよう。アマゾンはそれでも相変わらず色々置いてあるので助かるトコロ。

 7月に入って、ってのでJulyってあったけどどうしたっけな、って思ってココ見てみるとまだ何も書かれていなくて、「え?」って思ったのでここで登場させておきましょう。1968年リリースの最初のアルバム「July」。そもそもJulyってバンドなんて誰も知らないだろってくらいのモノだが、この後Jade WarriorやVirginのプロデューサーへと進む面々の集合体、そもそもがこういう時代のサイケ調な音をやってた人ってのは音楽性とか云々の前に好奇心旺盛で実験精神も多分に持っている人達なのでこの後の活動もどうしたってプログレッシブな方向性になるのは至極当然、とは言え時代的にポップの綺羅びやかな世界も知っているのでそのへんが取り込まれていくのも特徴的か。Julyに関して言えばそこまでの発展系はなくって時代の産物的サイケデリックサウンド、シタール、逆回転、効果音、フワフワメロディなどの要素が存分に組み込まれた作品で、良質上質なサイケ・ポップアルバム。巷ではビートルズの「サージェント」の裏盤みたいな扱いのようだが、確かに似ている雰囲気ではあるか。

 確かに凄くキャッチーなんだけどキラキラしているし、曲もポップ。ただ、この時代のサイケ感って時代特有だから今聴いて痺れるって程の話じゃないからどうしたって歴史的遺物として聴いてしまう部分は大きい。それを知ってて楽しむのはあるけど、多分自分の音楽の聴き方が変わってきたからかな、楽しめる部分と飽きてしまう部分が交雑してて、じっくりと作品に向き合えないときもある、即ちそこまでハマり切れない作品だった、ってことか。昔は楽しく聴いてたけどな。ジャケットも超サイケだし、それしかないってくらいにドロドロでしょ?



The Beatles - Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band Deluxe 50th Anniversary Edition

The Beatles - Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band Deluxe 50th Anniversary Edition
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(スーパー・デラックス・エディション)(4CD+DVD+BD)

 50年前ってのは半世紀前ってことで、1967年のことなのだが、ロック的には創成期ではあるものの既に多種多様な実験やチャレンジが始まっていて、もちろんThe Beatlesを筆頭にPink FloydやThe Who、The Rolling Stones、The Kinksなどからジミヘンの登場とCreamの台頭、アメリカではジャニスやジェファーソンなんかも出てきた頃で正に新しく何かが始まる時代だったのだが、それが50年前。The Doorsの歴史的名盤もその歳にリリースされているが、50周年ってこともあり、今回は大御所The Beatlesの「」がとんでもないボリュームになって再発されている。正直The Beatlesに関してはそこまで入れ込んではいないし、入れ込むととんでもないことになるし、既にワケの分からない状況でのリリースが山のように出てきているしってことでウチのバンドメンバーは全員マニアの領域だが、自分は一歩引いてる…とは言え、それなりに知識は増えてしまうのだが(笑)。

 The Beatlesのオリジナルは1967年リリース作「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」。中身はともかくながら、今回の2017年リマスターっつうか新たなミックスが施されて音そのものも再構築されているとんでもないブツで、あの「Sgt Pepper's Lonely Hearts Club Band」をイメージして聴くと無茶苦茶ぶっ飛ぶ。これ、60年代のバンドの音じゃないです。今のバンドの音ってもおかしくないくらいに全ての音が新たに鳴っていて、一体どうやったらこんな風になるんだ?ってくらい現代的。音圧にしても音の綺麗さにしてもそもそもデジタルなんじゃね?ってくらいで、ギターやベースの音も艷やかになっているし歌だって生々しくってドラムもまったく古臭くなくって今風な感じじゃないですか、ってくらい。こんな風に蘇るものなのか、ってくらいに驚いた。50年前のシロモノの復活作品なんてレベルじゃなくて最高の機知と技術を結集して作り上げた素晴らしき傑作。この音だったら今時のリスナーでもThe Beatlesのなにが凄いのかって一発でわかるでしょ。古き良きバンドの音もみんなこんくらいに再構築して綺麗にしてみてもらいたいものだ。マニアからは賛否両論になるのだろうけど、これはもう凄いですよ。軽く聞き直すかな〜ってつもりで聴いたら、こりゃ凄い、ってことで聴きいってしまって…、それどころか改めてこのアルバムの完成度の高さと音の多様さを実感したね。ホント、良く出来てる。The Beatlesってやっぱり凄いわ、ってのをマジマジと実感した。

 あ、もちろんここまでのお話は普通にオリジナルアルバムに収録されているステレオミックスを聞いてのお話で、ボーナストラックだの何だのってのは評価や考慮に入れていないでのお話。色々なバージョンがあってモノラル盤入ってたり新たに発掘されたテープからミックスされてたりとかそもそも良く言われているテイク○○みたいなレコーディングの途中経過の音とか入ってるけど、このヘンって一度聞いてふ〜ん、そうなんだ、ってなものだから細かくこだわってないし、これまでも似たようなのあっただろうからそんなに意識はしてないです。が、聴いてるとへぇ〜っていう楽しみがあるのは事実。普通のリスナーは普通に新しいステレオミックスでぶっ飛び、新たなリスナーもそのステレオミックスで驚き、ニッチなリスナーはフルスペックの作品を買えば良いのだろう。そういうニーズに合わせてのリリースもThe Beatlesならではのワザか、普通の1CDで多分十分です。



John’s Children - Legendary Orgasm Album

John’s Children - Legendary Orgasm Album (1970)
Legendary Orgasm Album

 マーク・ボランが在籍していたことのあるバンド、John’s Childrenって、そういえばそうだったな、ってくらいにしか覚えてなかったけど、それもたった4ヶ月程度の在籍だったらしく、誰かと友人だったんだろうかね、としか思ってないんだが、それでもロックの歴史的にはそういう重要なバンドなんだ、という位置付けにはなる。かと言ってすぐに探してきて聴かなきゃならないバンドでもないし、マーク・ボランがいたってことはそういうバンドなんだろうし、って想像もしちゃうからそんなに切羽詰まって探したことはなかったな。でも、今の時代では簡単にそれは聴けるし手に入るし情報ももっと細かく入るからなるほどねぇ〜ってな感じで聴いてみた。

 John’s Childrenの1970年にアメリカでのみリリースされた「Legendary Orgasm Album」というアルバム、プロデュースはあのサイモン・ネピア・ベルと話題だけは豊富なアルバムなのだが、なんでまたアメリカのみだったのか…、内容がひどいから?いや、言われるほどひどいとは思わないけど、そんなに聞かなきゃいけないレベルに無いことは確かだ。スタジオ録音の音源に60年代風な感性キャーキャーを上から被せて疑似ライブに仕立てたトータルアルバムだ。それがまた超チープでイージーで重さも制作の凝り具合も何もなくって60年代終盤のサイケバンドそのままでちょいとポップでキャッチーってだけ。これでマーク・ボランが使われたら可哀想ではあるなぁって程度だけど、この軽さとサイケ・ポップさは英国ならではの味でもある。センスは良いんだよね。

 モッズサウンドとも言われてるけど…、よくわかんない。カラフルポップで時代の産物そのものだからあまり考えることなく聴けるのは事実。楽器がどうのとかドラムがどうとか何とかと言えるモンでもないなぁ…、ただ、間に入るMCが如何にもライブみたいで良く出来てる。しかしこのキャーキャーうるさい感性、60年代的だ…、どんだけジョークで作ってるんだろ、ってなモンだ。曲そのものは結構ユニークな出来映えのもあるんで、センスはあるんだよ、うん。



Zoot Money’s Big Roll Band - It Should’ve Been Me

Zoot Money’s Big Roll Band - It Should’ve Been Me (1965)
ズート・マネー登場

 モッズサウンドってのは所詮はJBのカバーを白人がやっている、みたいなトコに集約されるんだろうな。それが何故かオシャレな雰囲気に聴こえてしまうというのか、その頃のJBってそんなに洗練されてなかっただろうから、英国人のフィルターを通したらオシャレになっちゃったという感じか?まぁ、多分違うと思うけど(笑)。自分的にそういう出会いは多分The Whoなんだろうけど、何かカッコ良いな、このクールさ、みたいなのがさ。かと言ってロックに忙しかったからあんまりモッズを深掘りするに至らなくて、それは今でもなんだけど、興味はあるからちょいちょい手を出す。ただ、数曲で飽きちゃうのもあるから深掘りしないでダラダラとカッコ良さを味わってるってのかな。今回もそうだけど。

 Zoot Money & The Big Roll Bandの1965年の最初のアルバム「It Should’ve Been Me 」。う~ん、The Whoと同じ頃じゃないか…、そこにはもちろんアンディ・サマーズが参加してたんだけど、かなり脇役です。主役はこのイタ公なZoot Moneyであることは疑いもなくって、一人パフォーマンスが凄い。鍵盤のウネリ具合が凄くてさ、これぞモッズ、JBの曲から始まるってのはインパクト強くて、うわっ、カッコいい!ってなるもん。聴いてるとだんだんやっぱり飽きてくるんで長持ちはしないんだが、でもこのオルガンサウンドでのグルグル感は好きだね。アンディ・サマーズのギターを取れば、瞬間的な所でのああいうギターは顔を見せてくるからそういう思想はあったのかな、なんて気がする。色々考えてた頃だろうから当然と言えば当然か。

 しかし、音が古い(笑)。だからこそのモッズ感ありありなんだろうけど、今の時代にこれを真面目に聴いていられる若者たちはいるのだろうか?ってくらいには音が悪い。こないだストーンズが「Blue & Lonesome」をリリースして、この頃の音に似せてたけどさ、やっぱりそれとは熱気が違うし、こんだけ音が密集したものってのは聴きにくいしね、その反面パワーとエネルギーは集約できているんで良し悪し…。ロックはエネルギーとパワーだからこれで良かったんだけど、改めて古さを実感している次第。でも、凄いわ。こんだけのモンが詰め込まれているって、この時代だからって誰でも出来たワケじゃないし、今にしてこのZoot Moneyの凄さを味わうという…。





Eric Burdon & The Animals - Love Is

Eric Burdon & The Animals - Love Is (1969)
Love Is

 ロックはやっぱり熱気と想いが主なんだよな。技術や才能やセンスや売り出すチームワークなど色々重なるのはあるけど、音楽、というのとロックってのは本質にどちらに軸があるかの違いで、音楽に軸があるロックはやっぱり熱気から入るロックを好む人間にはちょっと違うな、という感を持たせてしまう。いや、それは屈折なだけで、ってのもあるだろうけど、どこかそういうのはあるんだよ。だからロックまがいのを聴いていても、ありゃロックじゃねぇだろ、と本能的に一蹴されるものもあるワケで。面白いよな、そういうの。かと言って音楽的なのわかんなきゃその世界で残れないんだし、そのヘンがバランスというか一発屋の本能と言うか…、やってる側はビジネスも絡むからね、もちろん何かに秀でていかなきゃならんだろうし。

 Eric Burdon & The Animalsの「Love Is」、1969年リリースの作品。なぜに?うん、アンディ・サマーズで思い出したから(笑)。ポリスで活躍したアンディ・サマーズってもう60年代からロックの世界にいて、実はジミヘンだろうとピンク・フロイドだろうとほとんど一緒の世界でその頃からシーンにいた人でね、花開いたのがポリスだったってだけな人。それでも凄いのはそんな古くからプロでやってたのに、ポリス結成前には一旦全部辞めてアメリカへ音楽学校へ言って理論から何から全部学んでいたみたい。だから自分のセンスと才能だけじゃなくて、きちんと音楽を知ろうと決断したんだよね。それが花開いてああいう独特のコードワークによるギターの展開が生まれたのだろうし、それはポリス結成前の作品郡ではさほど聴かれないプレイスタイルだから一目瞭然なんだよね。ある程度ああいう分散的なギターだったり単に歪んでるだけってのとは違うから素地はもちろんあったんだろうけど、あそこまで発展させたのはそういう背景からなんじゃないだろうか。

 そういうのもあって引っ張り出してきたのが「Love Is」。ほとんどがカバー曲で、エリック・バードンも心機一転というか、歌に専念していたというかそういうアルバムで、かなりの力作。そこでの鍵盤奏者はあのズート・マネー、そこからアンディ・サマーズなワケで、このサイケモッズ野郎たちがエリック・バードンのサイケ感に合流したというべきか、時代なんだろうな、根底にその空気が流れている…のは多分オルガンの雰囲気とかか。アンディ・サマーズってこのあたりでソフト・マシーンにも参加したりしてるというのも面白くてね、しっかりと英国のアングラシーンに通じてるんだもん。一方ではアニマルズのエリック・バードンという超メジャーなトコでしょ?器用な人だったんだろうね、アルバム聴いてるとどうしてもエリック・バードンの歌声とか楽曲そのものに耳が向いてしまうんだけど、思い出したようにギターに耳を傾けてみるともちろん鳴ってる…けどそこまで個性はないかな。こういうのからそのバンドや歌手に興味を持ってしまう人の方が多いんじゃないだろうか。それくらいに強烈なインパクトのある歌声と鍵盤です。

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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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