Richard Thompson - Hand of Kindness

Richard Thompson - Hand of Kindness (1983)
Hand of Kindness

 英国メロディのセンスの面白さは脈々と玄人好みの世界に受け継がれている…と思いたいなぁ。近年でもこの手の良質なメロディーってのがきちんと受け継がれているのかどうかはよく知らないけど、多分こういうことやってる人はたくさんいるんだろうと思う。表現アレンジ変わっても本質的なメロディセンスは流れていて素朴にそういうのを出して受け入れられる土壌もあるだろうし、ちょっと話題になったりするだけで良いんだけどね、そういうの知りたいよね。ただ、このヘンってオリジナルプレイヤーがいたらそれで十分とも言えるからフォロワーが必要かどうかってのは時代が選ぶかも。

 Richard Thompsonの1983年リリースのソロアルバム3枚目となる「Hand of Kindness」。冒頭はノリノリのカントリーソングが出てきて、おいおい、それで良いのか?なんて思ったりもするけど、これもまたリチャード・トンプソンの特技の一つ、カントリーってのはケルトとルーツを共にする土着音楽でもあるし近似的資質は持ち合わせているんだからこういうのが出来上がってもまったくおかしくはないんだが、やっぱりどこか違和感あるのが本音。80年代ってのもあるからか音的には時代が反映されてしまっているけれど、よくよくクレジット眺めてみれば単純にFairport Conventionが揃っていると思ってもらえれば良い…どころか思い切りフェアポートじゃねぇか。プロデュースもジョー・ボイドだし、ボーカルが女性じゃないだけでモロです。だから故、色々と遊べると言うか、多様なスタイルに挑戦していてカントリーからポップ的ロック的、いわゆるエイティーズ的なのもいつものフェアポート的なのもあったりと実に多彩な楽曲が収録された作品になってる。これをどう聴くか、ってのはあるけど、そもそもリチャード・トンプソンのアルバムを聴こうなんて人はそれなりのバックボーンがある人だからこういうのいくら作ったってリスナーは離れないだろうし、ある種自由ではあるよな。その分、何作ってもそんなに売れないってのもあるんだろうが(笑)。

 相変わらずギターが目立ってるのは当たり前だけど、あのリチャード・トンプソン節な妙なギタースタイルがもうちょっと聴きたいかなぁ…、まぁ、聴けているといえば聴けてるからこういうモンなんだが、それにしてもいつ聴いても不思議な音色。ライブ映像見てると普通にストラト弾いてるだけなんだけど、どうしてこういう音色が出てくるんだろう、と毎回思う。こんな風にギター弾く人それこそいないだろうし、やっぱり個性的なプレイだ。何度となく聴いて楽しみそしてどんどんとその深みにハマっていく自分が楽しみです。





Judy Collins - Who Knows Where The Time Goes?

Judy Collins - Who Knows Where The Time Goes? (1968)
時の流れを誰が知る

 シンガーの声とか歌い方ってのはやっぱりロックなものとそうでないものがある。例えフォーク一本で歌うにしてもその違いは出て来るような気がしてて、聴いているとそれが分かる。カントリーとかブルーグラスの歌聞いててもやっぱり明るさや楽しさはあるけど、はまいれないし面白味も飽きてきてしまうな、という自分の好みだけど、そこで出てきたのがJudy Collinsのジャケット。これもまた聴いてなかった人の一人で、アメリカものはどうもブルース以外は後回しになってしまうので、こういうのを全然聴けていない。まだまだ人生長いから聴いていこう、と思う部分もあるのでジャケットの良さに惹かれて聴いてみました。

 Judy Collinsの1968年作「時の流れを誰が知る」。タイトルが「時の流れを誰が知る」だからね、実際Fairport Conventionよりも早くリリースされたとか…、なんでもその筋では有名なジョー・ボイド氏からライブのテープをもらって聴いて、これは素晴らしい、ってことで速攻でカバーした、のか制作側のよこしまな意向なのかは分からないけど、まぁ、普通に良かったから歌ってみた、なんだろうな。他にもカバー曲をいっぱい入れてるし、メジャー前のジョニ・ミッチェルの曲とかもあるようだし、歌手としての才能のある人だから誰の曲であれ自分の歌にしちゃっただろうし。んでさ、聴いてるととてもフォーク一本的なシンガーで、もちろんピアノとか色々入ってるけど、ガンガンなロックじゃないのは当たり前で、フォークシンガーみたいなもんよ、でもさ、ロック的な声質なのか歌い方なのか、深いんだな…、この深みとかが響きやすいというか、単なるシンガー的な位置ではないと言うのか、そう感じちゃう部分あるんですな。

 んでもって、期待の「時の流れを誰が知る」ですよ。もちろんFairport Convention含めて散々聴いているし、サンディ・デニーが大事に歌っていた曲だからさ、どんな風になるのかなぁ、と。でもね、聞く前からJudy Collinsの声だったら多分ぴったりハマるだろうし、何ら遜色ないカバーなんだろうというのは予想が付いたし、実際その通りだった。稀代の歌手二人がこの名曲を歌っているバージョンがあるってのは嬉しい贅沢です。サンディ・デニーの方が透明感あるかな。こっちはもうちょっと湿っぽい感じ。いやはや素晴らしい。






The Rails - Fair Warning

The Rails - Fair Warning (2014)
Fair Warning

 そっか、往年のアーティスト達からしたらもう子供、孫のいる世代にまで時代は進んでいるんだから、子供たちのバンドや孫達のバンドなんてのが出ててもおかしくないんだよな。とは言えども、それだけではなかなか世界レベルのミュージシャンになっていくってことも多くないようで、それほど2世や3世が音楽の世界を賑わせるようなことは実際にはないようだ。ロックの世界でも何人かはあるけど、そう多くはないし、当たり前と言えば当たり前なんだろうな。

 リチャード・トンプソンとリンダ・トンプソンの娘であるカミラ・トンプソンが夫と組んだバンドがこのThe Railsで2014年にアルバム「Fair Warning 」をリリースしている。あの親にしてこの娘あり、と言わんばかりの歌声に音楽スタイル、しっかりギターも弾いているし歌も母親ばりの歌声で、旦那のギターも冴えたもの、なかなか面白い方向に人生が進んでいるようだ。カミラはソロアルバムもリリースしていて、さすがにそっちはアコギ一本ってワケにもいかず、ポップス調の作品には仕上がっているけど、本質的にはこういうトラッドフォーク路線のままというのは興味深い。

 こちらのThe Railsはカミラだけが主役でもなく、旦那の方もかなり主役を張っているので、そのヘンはしっかりとしたバンド感を持っているみたい。今時の、と言えば今時のなんだろうけど、若者たちがこういう音楽を奏でているってのは面白いよなぁ…、どこかでリチャード・トンプソンあたりもライブに参加してたりするんだろうか、まったくおかしくないサウンドだからありうるだろう。新世代によるあの時代のサウンドのリバイバル、しかも血統書付きのバンドなんだから許されてしまうであろう所が見事。そしてその期待を裏切らない音が出てきてるからこれもまた素晴らしい。こういうのから入るのが良いかも。





Gay & Terry Woods - Backwoods

Gay & Terry Woods - Backwoods (1975)
バックウッズ (生産限定紙ジャケット仕様)

 英国フォークの深淵は底なし沼とも言われてて、確かにちょっと漁ってみてからはその深さをマジマジと実感することも多く、どこまで行っても底が見えずにどんどんと広がり続けていく。それは時代が新しくなって、新婦がリリースされるからと言う無限地獄ではなく、一定の時代の中だけでもどこまでも深く広く繋がっていってしまう懐の広さがあるからだ。どこからでも良いけど、ちょっと漁ってみて、そのメンバーの誰かのキャリアを木にしてみるとすぐに深い世界の一歩に入り込めるだろう。制覇するなんてことは考えるだけ無駄なので、手当たり次第に存分に楽しんで聴き漁り、気になる楽器のプレイヤーの名を記しておいて次に進む…、ジャズと似てるかもね。

 Gay & Terry Woodsという夫妻のユニットの1975年のファーストアルバム「Backwoods」。あの初期Steeleye Spanに参加していたけど、即離脱してこの夫妻ユニットでまた夜に出てきたという二人。その前は「Woods Band」ってのでもやってたからキャリアも十分な方々、このアルバムもそういう意味では豪華なゲスト陣営も含めて期待されていた一枚。完全にフォークだけでもなくしっかりとバンド形式での楽曲もあり、美しき歌声とアコギで聴かせるだけではなく、フォークバンドアンサンブルな曲も楽しめる。とは言え、今の気分はアコギだけの作品の方が好みだけどね。

 案外聴きやすい。ポップとは言わないけど、割とそれに近いメロディラインで出来上がっていたりするのでさほどの違和感は抱かないんじゃないかな。ギターにしても小難しいことしている訳でもないし、アコーディオンやらで柔らかいサウンドに仕上げてくれてるのもあるからね。ほんわかとした気分になり、日常から離れる意味ではとても良い作品だし、何かほっとする味わいを持っている。そこかしこで名盤扱いされてるので、疑いなく聴いてみて損はしないんじゃないかな。





Richard Thompson - Acoustic Classics

Richard Thompson - Acoustic Classics (2014)
Acoustic Classics

 今は昔ほどギタリストっていうのがクローズアップされなくなってて、ギターヒーローなる人がほとんど聞かれないのが今の時代。ここ最近でのギターヒーローって誰かいるか?ってな話で、それがロックとかならまだしも、アコースティックやフォーク含めての人ってなるともう全然聞く事がなくって、誰かいるのなら教えて、ってくらいに知らない。たくさんの人が出てきてるのはもちろんだけど、ヒーローになるまでの人ってのがいるのかどうか…。ウチのブログでもこりゃスゲェっての取り上げたりしてるけど、だからと言ってその方々がヒーローなのかってなるとちょいと違うのかな、って思うし。

 昔はヒーローがいた。リチャード・トンプソンなんかカルトヒーローみたいなモンだ。最近でこそ知名度がやや高まった部分あるけど、それでも玄人向けのヒーローだもんね。そのRichard Thompsonが2014年にリリースした作品が「Acoustic Classics」。この前作が「Electric」で、対になった一枚ってことで、そうだね、自身の過去の名曲郡をアコギ一本で歌っているというシンプルなコンセプトによる作品集、なんて低予算で出来上がった作品なんだろう、と思わざるをえないけど、そういうのを望んでいたリスナーも多かったに違いない。だから、このアルバムはホントに一人でオーバーダブも最低限にしてあって、大部分がギターを爪弾いて歌っているので、生々しいRTが楽しめる。もっとギターに偏った作品でも良かったんだけど、さすがにこの時代にそこまではなかったか。

 それでもしっかりとギターを聴かせる部分ではテクニカルなプレイを聞かせてくれているし、さすがの一言。いつものRT独特のエレキギターでのプレイとは違うけど、やっぱり軽やかなプレイは独特の個性だ。ホントにギター上手いんだよなぁ、こういうところ。ロックのギターヒーロー達には出来ないであろうプレイだし、英国の裏側を知らないと弾けないプレイだし、そういう個性が出てて現役でいられる人って少ないので頑張ってほしい人。じっくりと研究していくとホントに深くて面白いのも特徴的で、そろそろハマってかないとな…。







Bert Jansch - Avocet

Bert Jansch - Avocet (1980)
Avocet

 昔は全くもって謎のギタリスト達で、ジミー・ペイジが好きなギタリスト達なんてのに名前が出てても聴くことすらなく、レコード屋でどこ探したら見つかるかも分からず、結局まるで見かけることの無かったトラッドフォークの偉人たちのアルバム、今でこそCDやら何やらと簡単に手に入るけど、それはもう全然見ることなかったもん。中古レコ屋でもほとんど見なかったし、どういうコーナーに置いてあったのやら…、そもそもそんなに枚数出てなかっただろうから見なかったのかもしれないけどね。

 Bert Janschの1980年リリース作品「Avocet」、全曲インストモノと聞いて、これは期待できると思って聞いたアルバムのひとつ。もっともバート・ヤンシュの場合は歌心もひとつのパフォーマンスだったんで歌がないってのはどうかってのはあるけど、ギターだけで聞かせてくれるのも面白いだろうという期待感はあった。お馴染みの仲間たちのサポートは入っているからギターだけのアルバムじゃなくて、バンド形式でのインストアルバムってトコだけど、1980年にこの音で出すってのはなかなかレトロな作風で時代を超越しているとしか言えない(笑)。それでもこの時代になって聴き直してみれば、それはそれは見事なまでの大英帝国のトラッド、フォーク的な作品で田園風景そのままをイメージできる作品で、美しい情景が目の前に広がることだろう。タイトルは全て野鳥の名前で、イメージもそのまま自然な風景に溶け込むような音楽世界。

 ギターを弾きまくるってのがさほどないので、バンドアンサンブルと音楽世界そのものを追求している作品のためか、取り立ててバート・ヤンシュが際立つようなこともない点がちょいと物足りないけど、インストアルバムとして聴けばそりゃそうだ、こんだけバランス良く出来上がっている音楽をどこかに寄せて崩すこともなかろう、というのは分かる。ジョン・レンボーンのとはまた方向の違うインストアルバムで両雄の個性が現れ出ている作風が面白い。こういうのをじっくりと聴けるような時が来るとはな…、大人になったものです(笑)。



John Renbourn - The Hermit

John Renbourn - The Hermit (1976)
隠者(紙ジャケット仕様)

 Led Zeppelinの1970年頃のライブで「Heartbreaker」を聴いてみるとあのギターソロの途中で、クラシカルなフレーズによる独創が挟み込まれる。随分昔にそれを聴いて、何だろなぁ…と思って調べていくとバッハのリュート組曲って事が判って、それを手に入れて聴いていると正しくあのフレーズ、そしてギターの重奏による旋律ってのも判って、それをああいう形で弾いているのは凄いな、なんて思ったものだ。そこでの旋律は正しく古楽的で美しく、自ずと惹かれていくものだったけど、その由来や他でどういう形で聴けるのかなんてのは全然わからず、何となくの知識だけが蓄積されたものだ。

 John Renbournの1976年の作品「The Hermit」はそんなギターの旋律が大いに詰め込まれた実に美しく気品高く格調高いギターだけの組曲がこれでもかとばかりに繰り広げられている。アコースティックギタークラシックギターでの表現はココまで出来るのか、ってくらいにリラックスしつつも美しき旋律が奏でられ、本気でギターを学ぼうとするならばこのアルバム丸ごとコピーしてみるとものすごい知識量が増えるのは間違いない。基本的にギターだけが鳴っているアルバムで、他の音がないから音は取りやすいし、片方のチャンネルだけ取っていけば、それは一本のギターをそのままコピーするだけに近くなるから、難しくはないんだろうと。ただ、自分の引き出しには全くない音使いとかフレーズとか旋律なので、そこでの指使いなんてのが戸惑うんだろうとは思う。とは言いつつも、自分じゃこんなのは絶対に弾けないって思うけどさ(笑)。

 こういうギター組曲的なアルバムってあまり見当たらないから聴いていると新鮮だし、自分がやっぱりギター好きだからじっくりと聞き入ってしまう。そういえばこのジャケット、「Led Zeppelin IV」の中ジャケと同じコンセプトなんだろうなぁ…、真似とかでもないだろうから、深遠な部分での共通項になるのだろうか、歴史とか文化とかそういうお話ね。いや、それにしてもこの人のギターは実にためになるプレイで、面白い。バート・ヤンシュの方はもっと土臭い部分があるけど、ジョン・レンボーンの方は貴族的な方向というのかね、そういう志向性が相まったPentangleはユニークなバンドだったってことだ。



Amazing Blondel - Evensong

Amazing Blondel - Evensong (1970)
Evensong / Fantasia Lindum

 優しい音楽に出会うとホッとする時もあれば、軟弱だな、って思ってハードなのを聴く時もあるけど、気分がマッチするととても優しく流れていって心地良さが増す。そんなに癒やされたかったのか、自分?みたいに思うくらいにはゆっくりとさせてくれる効果があるのは間違いない。古楽、中世音楽なんてのは普通あんまり耳にしないし、どういうのかもよくわからないけど、英国からヨーロッパ方面ではごく普通にある音楽なのだろう、そういう影響を受けるバンドや自然に取り込めているバンドも多い。

 Amazing Blondelの1970年リリース2枚目の作品「Evensong」。冒頭からモロに古楽的で電気的楽器がほぼ姿を表さない自然で心地良い楽器の生音がそのまま聴けるあたりはかなり特徴的。フルートやリュート、タブラに生ギター、そこにコーラスが絡まって何とも言えない雰囲気、これは英国以外じゃ出てこないだろうなぁと思う。こういうバンドでもロックというカテゴリに該当するのだろうか、大抵はトラッド風味のバンドの中で登場したりする。最もファーストから大いに進化したこのセカンドアルバム「Evensong」で、この後も進化して最高潮が「England」というアルバムになるのだろうけど、深みを増した作品にどんどんと突き進んでいったといいう所か。ここで聴ける音はやりたいことを一旦やりまくってます、みたいな部分があって、のどかな村での広場で演奏しているかのような雰囲気の音楽で、大いに楽しめるってもんだ。

 トラッドじゃないしなぁ…、ロックでもないし、やっぱり古楽バンドになるけど、そういうカテゴリも成立しないからホント、独特の世界観。どういう経路を辿ったらこういう音を出せるのか、出したいと思うのか、伝統音楽に親しんでなきゃ無理だから、やっぱり身近にあるんだろう。面白い世界です。



Blackmore’s Night - All Our Yesterdays

Blackmore’s Night - All Our Yesterdays (2015)
All Our Yesterdays

 リッチーと言えば今はもうBlackmore’s Nightを組んでから20年の月日が流れているワケで、当然一番長いプロジェクト継続期間で、アルバムも10枚くらいリリース、20年って相当なモンだよなぁ…。最初期からしたらかなり多岐に渡るジャンルを展開していて、その中でもエレキを復活させたりしていて割と独自の世界観も入れ込んだりしているところはもっと注目されても良いかと思うのだが、どうしたってレインボウとの比較などになってしまって、20年やってきた事の深化についてはあまり語られることが無いようだ。分かるけど、もうリッチーって言えばBlackmore’s Nightだろ、って人もいい大人になってるんだからそういう風潮やまとめがあっても良い気がするけどね、実際そうはなってないのはなぜだろうか。

 Blackmore’s Nightの2015年作品「All Our Yesterdays」。もはやルネッサンスや古楽の再現という次元を超越した唯我独尊の音世界、入りはそれまで通りの感触でシングルPVにもなっているので随分と取っ付きやすく、相変わらずだなぁ〜なんてほのぼのと見ていられる美しき世界だけど、以降なかなか変貌していく様が聴けて深みを味わえる。ストラトの歪んだ音との融合作品だったり、何ともプログレッシブな音世界と古楽の融合からこれもまたストラトでクラシカルなフレーズを弾きまくり、昔やってた風味のリッチー節のギターソロがメロディアスに聴けたりね、こういうの聴かないのは勿体無いんじゃないかな、凄くリッチーらしいソロでギターだけじゃなくて音楽をきちんと聴かせてくれるもんね。

 随分とロックに戻ってきている、と言うかロックをきちんと消化しているからこその音作りが古楽やケルティック、ルネッサンス音楽と上手く融合しててバリエーション豊かに楽しませてくれる。個人的な聞き所はあの「Moonlight Shadow」のカバーで、どういう風に料理してくるのかと思いきや、まさかまさかこんなアレンジで取り組むとは一体どういう了見?と疑ってしまった(笑)。これこそ古楽ルネッサンスでトラッド的にやるかと思ったんだけどなぁ…、こんなに現代的なビートサウンドとポップなアレンジとは…、面食らった、っつうのが正しいか。

 そんな風に既に古楽器だけで創り上げるような世界は目指していないし、エレキでの歪んだギターも普通に入っていて、ドラムやらも普通にある。だから以前のような印象のある方はちょいと認識を改めた方が良いかもしれない。ただし、それはキャンディス・ナイトの歌声をクローズアップするために作られているかのような作風が多いので、決してリッチーのプレイがハードになっているワケではないのはしょうがないことだろう。もちろん編み出されるプレイはさすがだ…ってのは当然だが。







Amarok - Quentadharken

Amarok - Quentadharken (2004)
Quentadharken

 ケルト音楽への傾倒は割と早い時期に来ていて、それはもちろんGary MooreのBlack Roseの影響だったりするのだろうけど、別の角度からもケルトへの影響はもちろんあって、英国フォークからもあっただろうし、プログレなんかからもあっただろう。何かにつけて、そういうのを聴いているとケルト的旋律が普通に入っていて、自分が聞いていていつもそこでハッとすることが多くてね、そういうのが好きなんだ、って気づいてちょこっとその手のを聴いていたくらい。でもフォーク畑から進むと普通に出てきてね、それでいつしかアイルランド系のはそこそこ聴いているようにはなった。The Corrsが出てきてからはもう簡単だったけど(笑)。

 今度はスペインのカタルーニャ地方からのAmarokの2004年作「Quentadharken」。同じスペインで民族的な音楽を意識しつつもこうまで異なるというのはやはり音楽の枝葉の根はかなり深そうだと言えるんじゃないかと。もっとも根っこが違うのかもしれないけど。Amarokって言うとどうしたってオールドリスナーはMike Oldfieldを思い出すワケで、そういえばこないだのLuar Na LubreはMike Oldfieldの前座を務めたことでメジャーになっていったらしいが、こっちのAmarokはモロにアルバムのタイトルと被っている。意識してるかどうかは知らないけど、偶然にもそういうのが繋がっていた。

 んで、このAmarokってバンドの音ですが…、表現しにくいねぇ、ホント。プログレ的な曲の展開は当然ながら出て来る楽器は一般的なバンドの音に加えて民族楽器古楽器が入ってきて、旋律なんかは民族的ケルト的だけど、妙に現代的で暗さはやはり薄いと言えるだろう。環境音楽に近いけど、女性の歌声が入ってくるからふと現実に引き戻される…、それでいてシンフォニックな流れや展開もあって、正にミクスチュアな音楽世界が繰り広げられている。聴きやすいってのが面白いなぁと思う反面、自分的にはコアな世界にはならないなぁってのもある。やっぱり強烈なインパクトがある方が好むからね。もちろんこういう音世界も聴くし嫌いじゃないけどちょいと大人しいってのとバンドの音があるからポップス的に聞こえてしまうからかな。

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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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