Hawkwind - Space Ritual

カテゴリー: Progressive Rock

 モーターヘッドのレミーとして今では有名なのだが、元々はホークウィンドの、という肩書きもこれまた割と有名で、もちろんモーターヘッドのレミーを期待してホークウィンドを聴いても全く徒労に終わるくらいに別のサウンドをやっているのでどっちのファンも被らないのだが、それくらいレミーは振り幅の広い二つの大物バンドを動かしていたってことだ。まぁ、メジャーという感じではないからそれなりなんだろうけど。そんなレミーがバンドの気運と共に一大絵巻を作り上げたのがホークウィンドの名作「Space Ritual」。

Space Ritual Doremi Fasol Latido

 1973年リリースの名盤「Space Ritual」、と呼ばれているんだけど、なんつうのか、プログレ畑のマニアからは割と絶賛されることが多くて、サイケデリック、アシッド、プログレッシヴというような要素がたっぷりと詰め込まれたいわゆる最強メンバーによる二枚組のライブ盤。昔からジャケットだけは知っていたけど、なかなか二枚組で値段も高かったので手を出せなかったんだよね。随分後になってから聴いたんだけど、今回また久々に手を伸ばしてみました。

 やっぱり、トリップしてないと聴けないかも(笑)。いや、ホントにさ、ひたすら同じビートで延々と効果音もたっぷりとグイグイと迫ってくるドラッグミュージックです。名盤っつうのか、凄いライブで、いわゆる音楽とうのよりはもっと心地良いノイズサウンドに近いヘヴィメタルというかコンテンポラリーというか、サイケです。その中に凄く芯が通っているのがレミーのベースやニック・ターナーのサックスでして、なんでもレコードクレジットにはストリップダンサー「ステイシア」とまで書かれているワケでして、ステージでトップレスで踊っていたらしい。う〜ん、他にも詩人担当がいたりして実にトリップしたステージだったんだろうと想像できるだけに映像があれば面白いだろうなぁ、と。

 しかし、このアルバム、聴いているとクセになるかもしれない(笑)。非常〜に心地良く溺れられる快楽を持っていて、音楽的に云々とか関係なしにヘヴィでサイケデリックに迫ってくる、それがしかもフロイドとか60年代のサイケバンドとは異なっていて、もっと洗練されてるというのかな、やっぱレミーのグルーブが肝。もの凄いテンションの高いライブで、特に「Brainstorm」なんてもうひたすら1コードに近い音の洪水で、もの凄いテンション。いやぁ〜、これ、凄い!

 以降バンドはまだ現役ではあるけど、音楽的には無茶苦茶になっていって、どんな音にも手を付けてみるみたいな感じになっているので実態を掴むのが難しいらしいけど、初期の作品はやはり革新的にで面白いです。「Doremi Fasol Latido」とかね。

Curved Air - Air Conditioning

カテゴリー: Progressive Rock

 英国の不思議なサウンドの象徴は実に多数に及ぶB級ともC級とも呼ばれるサウンドを配したゴッタ煮な音を出すバンドが山のようにいたことで証明さrているのかもしれない。まぁ、商業的に成功するかしないかは別としてアイディアの豊富さは聴く者をとても楽しませてくれるので今でも人気のある時代の音。そしてカーヴド・エアーと呼ばれるバンドもそんな中のひとつとして数えられているのだが、その実デビュー前から話題になっており、複数のレーベルからオファーが入っていたという実力派のはず、だったんだが…。

エア・コンディショニング(紙ジャケット仕様) Terry Riley: A Rainbow In Curved Air

 1970年リリースのファーストアルバム「エア・コンディショニング」。世界で初のピクチャーディスクとしてリリースされたものが初盤らしいのだが、アナログでそいつを見かけた時は結構な値段がしていたのを思い出した。ピクチャーディスクなんて音悪いし、そんなに価値ないだろ、と思っていたけどオリジナルがピクチャー盤じゃしょうがないわな。ま、それはともかく、この辺の作品は結構中古でも見つからないから探すのに手間取った。でもソーニャという妖しげな女性の歌を聴きたくてなんとか入手したのがこのファーストアルバムだったのだ。

 いやぁ、最初から総評になるけど、アヴァンギャルドな音です。意外と。もっとプログレッシヴなサウンドにソーニャの歌が乗ったのもので、バイオリンが象徴的なサウンドという印象だったんだけど、冷静に聴いてみると楽曲によっては相当に実験的な音でして、「Vivaldi」なんて完全にバイオリンによるアヴァンギャルドサウンド…、だけどこれ、人気あるんだよね。確かテレビ放送されていたのもこの曲だったような…、あとでYouTube探してみよう(笑)。いや、そんなDVD作品もリリースされているし…。ま、それはともかく、最初の「It Happened Today」からして貧弱な音の洪水の中でソーニャがはつらつと色気を振りまいて歌っているのだが、もの凄い違和感とギャップを感じるので面白い。正に時代だなぁ…。ロックでこれほどにバイオリンをフューチャーしたバンドってカーヴド・エアーが最初なんじゃないかな。しかもダリル・ウェイだけじゃなくて、エディ・ジョプソンという天才少年をも生み出したバンドなので、彼等が歴史に存在しなければ多数のロックバンドもなかったかもしれん(笑)。

 まぁ、ヘンな側面から書いてしまったけど、プレイヤーによる迫力を持った作品が半分、半分はソーニャの歌モノという感じで聴ける。中には「Hide And Seek」のようにどう聴いてもB級ロックにしか聞こえないのもあるんだけど、これもカーヴド・エアー的な魅力。この後はもうちょっとプログレ色が出てきたセカンド・アルバムや傑作の誉れ高い「ファンタスマゴリア?ある幻想的な風景?」なんかがあって、フォーク色も出てくるんだけど、やっぱり最初の作品っつうのは面白くて、色々と実験的。好きだね、これ。

 ちなみにバンド名はテリー・ライリーという人の「Terry Riley: A Rainbow In Curved Air」から流用したとのことで、ちょっと面白そうなので紹介しときます。電子音楽の世界では割と有名な人ですな。

Renaissance - The Other Woman

カテゴリー: Progressive Rock

 バンドの名義ってのは一体誰のモノになるんだろう?そう思わせることの多いルネッサンスというバンド。そもそもキース・レルフがヤードバーズを抜けて作ったバンドがオリジナル・ルネッサンスという呼ばれ型をしているけれど、ご存じのようにいつの間にか全く違うバンドメンバーによって構成されて、その筋では大成功したものだ。一般的にはこれこそがルネッサンスというバンドで、アニー・ハスラムの歌声こそがルネッサンスの素晴らしさという認識。しかし、それも80年代終盤には終焉を迎えていたのだが、1995年頃になって突如ルネッサンスというバンドが復活。

The Other Woman Illusion

 オリジナルメンバーはマイケル・ダンフォードしか在籍していない、というかマイケル・ダンフォードのソロアルバムと呼んでも差し支えないこのアルバム「The Other Woman」はどういうわけだかルネッサンス名義でリリースされ、元メンバーからも怒りを買った作品らしい。ま、そりゃそうだろうな。普通はバンド名ってのはいわゆる会社名みたいなもんになってしまっているワケで、勝手に会社を名乗ってアルバム出したら怒るだろ。しかしそれでも2001年にはそのオリジナルバンドメンバーと再編してルネッサンスの活動をしてしまうのだから面白い。それもそのはず、というか知る人ぞ知るマイケル・ダンフォードのキャリア。そもそもオリジナル・ルネッサンスでキース・レルフと一緒に裏方で仕事をしていた人で、確かセカンドアルバム「Illusion」あたりでクレジットされていたと思うんだけど、そこから彼がルネッサンスを乗っ取る形になってしまってあの快進撃。凄く才能あるみたいで、アコギでクレジットされていることが多いんだけど、実は作曲者っつうかコンポーザーで、あのサウンドを作り上げていたのもこの人、らしい。なので別にルネッサンスと名乗っても不思議はないワケなのだな。真、この辺は一般的なイメージとは違う作ったモノの考え方だけど。

 で、その「The Other Woman」っつう作品なんだけど、アメリカ人のボーカリスト、ステファニー・アディントンという女性をクローズアップしての歌モノアルバム。この人も確かに歌巧いし、別に聴いていて害はないけど、聴いているとだんだんと何聴いてるんだっけ?みたいな感覚になってきて、ルネッサンス?ん?いや、別モノだろ、と思ってくる作品。プログレとか壮大な曲とかはもちろん一切なし。単に美しい女性歌モノアルバムとして作られていて、そういう作品として聴けば割とよろしい。ただまぁ、無理して聴かなくても、とは思うけど(笑)。

 多分再発とかもされないだろうからなくなる前に集めておくっていうのは必要かもしれないが(笑)。あ、悪くはないっす。曲調もルネッサンス知ってる人ならわかるようにそれらしい進行の曲は多いので。ただ、後期、末期のルネッサンスの傾向です、はい。

一応昔のルネッサンスしか映像なかったので…。

Illusion - Enchanted Caress

カテゴリー: Progressive Rock

 最近ウチのネット環境が非常に悪くなっていて接続できないなんてこともあってイライラしていることが多く、いかんいかんと冷静になろうとするのだがこれだけネットワークありきの生活に慣れ親しんでしまうと遅いだけでストレス溜まるし、接続できないなんてのがしょっちゅう発生したらそれはもう世間との断絶じゃないかと思うくらいに情報不足に見舞われるので、ま、ここで言う情報ってのは一般的なものではなくってマニア的なもの、という意味なのだが…。そんなイライラを解消すべく、しっとりとしたものでも聴かねば、ってことで…。

Enchanted Caress: Previously Unreleased Material Out of the Mist/Illusion

 1979年録音の幻のバンド、イリュージョンの三枚目「Enchanted Caress」、しかも発掘音源として1990年にリリースされて初めて陽の目を見たCD。ま、バンド自体は幻でもないけどこのアルバムはかなり幻だったらしい。当時どれだけ騒がれたかってのはよくわかんないけど、そもそもイリュージョンの三枚目があるとか、以降発掘されるようになったB級プログレバンドのスタジオ作品なんて別に存在が仄めかされたりしていたこともないので、単に驚きを持って迎え入れられたというだけだとは思うが。まぁ、ファンタジーの二枚目とか、クリアー・ブルー・スカイの二枚目とかさ、あってもねぇ…。ま、嬉しいけど。

 ってなことで発掘されたイリュージョンの三枚目の作品「Enchanted Caress」なんだけど、初っ端から美しい「Nights In Paris」で多分ほとんどの英国ロック好きはノックアウトされると思う。マギー・ライリーやサリー・オールドフィールドの世界とはまた異なる独特のジェーン・レルフの歌声と楽曲のポップさ、というか英国らしい雰囲気の中に響き渡る声が素晴らしいのだ。この雰囲気の良さはアルバム全編に渡って一貫していて、とても1979年の作品とは思えないくらい70年代初期の英国ロックの香りがプンプンする名作。うん、そもそもイリュージョンのアルバム全部がそんな感じなのでどれもこれも凄く好きなんだけど、ファースト「Out of the Mist」の美しさは有名なのでもちろん聴いてもらいたいけど、実はこの「Enchanted Caress」もかな〜り美しい。英国フォークプログレっつうかプログレって言葉はいらないんじゃないかなぁ。

 イリュージョンっていうとジェーン・レルフのイメージなんだけど、結構ジム・マッカーティも歌っているんだよね。どちらもソフトな歌なので作品の質に影響はしないんだけど、いいなぁ、こういうの。さっきのイライラなんてすっかり忘れてしまって、作品にハマってる(笑)。全編一気に聴き通せる素晴らしさ。ちょっとユニークなのは「Slaughter on 10th Avenue」というインスト曲ではギターソロをフューチャーしていてかな〜り浮いている(笑)。でも悪くないね。

 そして最後にはボーナストラックとしてキース・レルフが感電死する12日前にレコーディングしたという最後の楽曲「All The Fallin' Angels」が収録されていて、涙をそそる。自分の死とを知っていたワケじゃないだろうに、何故にこんなに悲しい歌を最後に録音していたのか…。素晴らしい。そういえば、この人の音楽的趣味ってのはホントに幅広かったというのか、運の良さでシーンに残っていたのか…、奇特な人です。

IQ - The Wake

カテゴリー: Progressive Rock

 マリリオンを取り上げた時にtommyちゃんから「IQ」ならばジェネシスクローンでもないから良いんじゃない?とコメント頂き、それに習い、ちと挑戦♪ まぁ、ジャケットは見たことあるしバンド名ももちろん聞いたりしたこともあったし、そもそもポンプロックの世界ってそんなに広くないから知ってた、っていう程度だけどね。そんなことで聴いてみたのが…。

The Wake Ever
 1985年リリース「The Wake」彼等の二枚目ながら傑作と誉れ高い、らしい。全体感で言えば今でこそ安っぽく聞こえてしまうシンセサイザーの音こそが80年代とも言えるんだけど、シンフォニックさをしっかり打ち出したアルバムで、その分ギターとかが目立つのが少なくてほとんど鍵盤でシンフォニックに畳みかけている中に歌が叙情的に入り込んでくるというようなところか。曲の作り方とか聴かせ方ってのが結構面白いし、ドラマ性もあるなぁというところで聴きやすい。雰囲気作るのが巧いんだろうね。そういう意味で「へぇ〜」いう感動はあるもん。

 でもやっぱり何故か軽い…軽いのはよしとしても何かが足りないのは何故?時代の音だからだろうか?歌ももちろん軽めではあるのだけど、あぁ、多分あまりギターが派手に入ってこないからか…、それとも言われているように録音がよろしくないために迫力欠けになっているからかな。うん、それはともかく、ポンプロックってこんなにポップだったんだ、とちょっと驚いている。プログレッシブ的という面よりも歌があってバックが雰囲気出してと言うような感触が多く、ま、それだからこそポンプロックなのか。う〜ん、70年代のホンモノはやっぱり偉大だったんだなぁ〜と。余計に思ってしまった。

 ジェネシスフォロワー云々はどっちでも良いけど、音的なところが自分的にはイマイチ入り込めないところかな。曲はもちろん良くできてるし英国然とした雰囲気や音色もしっかりと醸し出しているので、ハマれる人はハマれると思う。あ、あとさ、ベース弾く人結構面白いかも。かなりベースが引っ張ってる部分多いしさ。

Gentle Giant - Acquiring the Taste

カテゴリー: Progressive Rock

 いやぁ〜苦手ついでにどんどん苦手バンド書いていこう(笑)。こうでもしないとなかなか手が伸びないのは必至なのでおさらいするには丁度良い♪ 苦手バンドって言っても音楽的に全く受け付けないバンドと単に好き嫌いのあるバンド、それとどうしてもきっちりと聴いていないがために苦手になってしまっているバンドっていう感じに分かれるんだな。だから時間掛けてじっくり聞き込めば好きになる、というかしっかりと理解できるっていうバンドはもちろんたくさんあるんだろうと思う。ただ、そこまで入り込むのにちょっと時間かかるっていう=難解さに取り組むっていうのがある代表的なのがジェントル・ジャイアント。徐々に聞き込むようにはしているんだけどまだまだ取り組みが甘くて、真剣にしっかりと一枚一枚を聴いていくとハマること間違いないと思うんだけど、それはそれで実に時間が割かれることもあってなかなかできていない。

Acquiring the Taste Gentle Giant

 1971年リリースの二作目「Acquiring the Taste」。相変わらずジャケットのインパクトが強烈なアルバムでデビュー当時からバンドの音はもちろん売り方としても変なおじさんを出すことでインパクトを与えるなどと多々考えられていた様子だが、もちろんヴァーティゴからのリリースなのでメジャーにはなかなかならなかった…、ただし演奏能力はハンパじゃなく巧くて、楽曲の構成などもとんでもなくユニークなものだった。ただしその分当時何となくいい加減でもあったロックという世界にはあまりにもきっちりと作られすぎた感があって、それが難解という印象を思わせたんじゃないだろうか、と自分的には思う。

 そしてじっくりと聴いてみた「Acquiring the Taste」。やはり恐ろしくレベルの高い音で、プログレっつうか、正にプログレッシブなサウンドを奏でているとしか云えない。一般的なロックの領域ではなかなか出てこないであろう楽器がこれでもかとばかりにカラフルに飛び出してくるので、その音色の豊富さに戸惑う。一曲目からして7分弱の曲なんだけど、ムーグから始まってなんじゃこりゃ?っつうくらい多彩な展開、管楽器は出てくるはソロは唐突にヴィブラフォン?か何かだし、その後には突然ディストーションの効いたギターソロだったりしてなんのこっちゃ?と不思議な音がたくさん出てくる。それでいて聴きやすいメロディや楽曲の構成で、しっかりとロックっつうかポップな側面も持っているし、もちろん変拍子ってのもそんなにヘンに聞こえないくらい普通に変拍子してる(笑)からさ、面白いね。

 たまたまロックのフィールドにカテゴライズされているけど、もともと凄く色々な音楽を知っている人達なので、クラシックにジャズや他の黒人音楽、もちろんロックやポップスというものを消化して自分達のサウンドを出しまくってるという感じかなぁ。コーラスワークも当たり前のようにボーカルですら何人かで分け合っているし、その辺の常識から逸脱しているあたりがこのバンドの魅力か。

 後で評価されているけど、当時はバンドが売れなくて解散を考えていたと言うからミュージシャンは難しいものだ。その意思の表れはこのアルバム「Acquiring the Taste」のプロデューサーにあのトニー・ヴィスコンティを迎えて制作したにも拘わらず、ということもあるだろう。

Marillion - Misplaced Childhood

カテゴリー: Progressive Rock

 1980年代頃に出てきたプログレッシヴバンド=ポンプロックと呼ばれるバンドについてはまるで詳しくない。当時から最近に至るまでほとんど耳にしていないし、しても軽く適度で、それもどこか軽い感じにしか聞こえなくてまともに接したことはない。なのであちこちで一応レビューらしきモノを目にするけど実際どんな音なのかあまり気にしたことなかったんだよね。ま、機会あれば、と思っていたんだけど、ここのところゴシック系やなんやと聴いているとポンプロックの流れも引き合いに出されることがあって、ならばどんなものかと正面から向き合って見ますか、ということで手を出したのが名盤の誉れ高いマリリオンの「Misplaced Childhood」という作品。

Misplaced Childhood The Thieving Magpie (La Gazza Ladra)
 1985年リリースの全41分に渡るほぼノンストップのアルバムで彼等の、というかポンプロックの世界では圧倒的な名盤として君臨している、らしい。確かにジャケットもよく見かけたしフィッシュの名前もよく聞いたなぁと聴いてみることにしましたが…。

 ん〜、あまり得意じゃない音でした。それは多分簡単なことでボーカルのフィッシュの声質が軽くてマイルドで全然ロック的じゃなくて、しかも音そのものも非常に軽くてよろしくないからだな。構成美や展開やもちろん英国的な繊細な気遣いとか楽器の音色などはさすがに良くできているなぁと感動的な部分もあるし、特に二曲目の「ケイラー」のポップさはかなり面白いなと思えるんで、作品的にはさすがだなぁと思えるアルバム。ドラマティックな展開もコンセプトアルバムとして出来上がっているのでよく練られているし、素晴らしいものだ。この軽さも英国らしいといえばらしいところなので全否定ではないけど、好みの問題だな(笑)。

 ジェネシスのコピーバンド、とはよく言ったものだ。ジェネシスも個人的には得意じゃないけど、同じ流れのポンプ系のバンドは多分これで全部ダメなんだろうと言うことに気付いた。う、、単純に聴いていて面白くない、それだけ。ジェネシスも同じ感覚があって、「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ」あたりとマリリオンの「Misplaced Childhood」はかなり被る。演劇性や音的なものも含めて。p−ガブの世界は自分的になかなかわからないのだけど、同じ理由でマリリオンの世界も多分まだわからない。

 他のバンドIQやペンドラゴン、パラスなんてのはどうなのか知らないんだけど、多分挑戦することなく別のバンドを聴くんだろうな、と。ジェネシスフォロワーかぁ…、やっぱりダメだぁ(笑)。

Happy The Man - Happy The Man

カテゴリー: Progressive Rock

 偏見なんだけどプログレってのはやっぱヨーロッパでしかない音楽だと思うし、しかも英国のそれは真にプログレッシヴな音楽だったと思うんだよな。その他ヨーロッパ諸国でのユーロロックも当然同じ流れを持っているんだけどなんとなくそれはユーロロック。まだ、分かる気がするので別に良いんだけど、アメリカのプログレってのは結構信じられない世界があって…、いやぁ、アメリカ人の気質と風土でプログレってのはなかなか出てこないだろうし、あってもそれはプログレではなくってもっと洗練された別の何かになるのではないかと思っている。

Happy the Man Crafty Hands

 1977年にデビューを果たした一応アメリカのプログレバンドとして有名なハッピー・ザ・マンというバンドのアルバム。最高傑作はセカンドの「Crafty Hands」という呼び声も高いんだけど、まずは一枚目「Happy the Man」から。正直言って苦手な音です。何がって、別にアメリカ的だからとかじゃなくて、音的に鍵盤主体で綺麗なサウンドだからだと思う。あと何かが足りない…多分湿っぽさ。これはしょうがないとしてもどこかフュージョン的でそれにしては音が多いっつうか…、微妙にロックのフィールドにいるので苦手なのかも。何というのかな、細かいっつうか凝ってるっつうか、それでも全体のノリ自体は大きく流れている…全然違うけどジェントル・ジャイアントもこういう側面持ってるから苦手なのかな。ハッピー・ザ・マンは更に明るいという面は大きいけど。

 収録曲の大半がインストナンバーで、数曲歌が入っているけどおまけ程度にしか聞こえない。しっかりメロディもあるけどやっぱおまけ。その代わり曲ごとに雰囲気がしっかりと楽器の音色で確立されているので、カラフル、煌びやか、そしてガチャガチャとした楽しさや唐突の変拍子ってのも出てくる。演奏する側は大変楽しいかもしれないけど、聴いているとちょっとね、いや、集中してハマれるなら良いけど、ハマれなかったのでキウイかなぁ、というか軽いかなぁというところか。爽やかすぎるのもあるが。

 テクニックは抜群でどの楽器もしっかりと歌っているし、ハッピー・ザ・マンというバンドのカラーは凄く出ている。悪く言えばロックとフュージョンの境目にいるバンドで中途半端。よく言えばクロスオーヴァーを始めた初期のバンドかもしれない。一聴するとどこの国のバンドか全然わからないのも面白いっちゃぁ面白いね。オーストラリアとかかなぁって思うもん。

Gentle Giant - Free hand

カテゴリー: Progressive Rock

 プログレッシヴロックってどんな音をイメージする?そんな質問に答える場合結構困る。プログレ名盤の音ってもなかなか言い表せないし、そういうアルバムはやはり個性際立っているし、それひとつずつがジャンルになるんじゃないかっつうくらいのもんだからさ。でも、音のイメージはあるよね。人それぞれでフロイドの「おせっかい」かもしれないしクリムゾンの「クリムゾン・キングの宮殿」かもしれないし、イエスかもしれない。うん。でもね、自分が一番いわゆるプログレバンドのプログレらしい音っていうのを出しているのはジェントル・ジャイアントだと思うのさ。

Free Hand Free Hand Endless Life

 1975年リリースの彼等の7枚目のアルバムにして最高傑作と名高い「Free Hand」。7枚目にして最高傑作ってのもまた珍しいバンドではあるんだけど、初期からず〜と聴いてみると分かるんだけど、基本的にあかるいヒネたポップスというかポップなメロディは押さえていて滅茶苦茶演奏能力が高くて完璧な演奏を誇るし、アレンジも変拍子も滅茶苦茶凝っている。更にコーラスも見事でそれだけで別のコーラスグループ作れるだろっていうくらい。そしてよくわかんないけどポリリズムっつうのか前に前にくるリズムっつうのが特徴的で聴いていて凄くひっかかるのでもっともプログレッシブって思うわけさ。

 この「Free Hand」っつうアルバムはそんな要素の全てが開花しまくった、時代が違ったらもしかしたらビートルズを超えるくらいの天才的な曲を持っていたりする。自分的にはこのバンド、すごく難しくて聴くのが苦手だったりしたんだよね。聴いてもなんかハマれないっつうかさ。でも、ちょっと違うセンスの人は相当ハマれるバンドだし、やっぱ面白い。苦手意識があったのであんまり聴こうっていう気にならなかったんだけど、こないだpapini嬢のブログおいみず〜さんとこに出てきて、へぇ〜って思ったのでちょっと何枚かアルバムを聴き直していたんだよね。で、やっぱ「Free Hand」が一番だろうなぁと思って手を出したら驚くことに驚いた(笑)。やっぱ凄いなぁ〜このバンドって。この無邪気でヒネてて練られている歌メロは一体なんなんだ?そしてこの変態的アレンジもやっぱり変態だ、とか。コーラスもやっぱハンパじゃない(笑)。そして変拍子なプログレ度もやっぱ凄いわ。ちょっと声質がダメだけど、う〜ん、聴き直してみるとなかなか面白い。曲的には好みではないけど、面白い。ベースのテクとか凄いしねぇ。

 ジェントル・ジャイアント聴いたことない人はこのアルバムから入ると良いかも。一番聴きやすいような気もするしさ。今ならヘンなおじさんのジャケットにくるまれた35周年記念盤が容易に買えるし♪ それと知らなかったけどこの頃のライブアルバム「Endless Life」ってのが出てるんだね。

Clodagh Simonds - Six Elementary Songs

カテゴリー: Progressive Rock

妖精交響曲

 ついでなので、メロウキャンドル繋がりで書いておこう〜っと。今書いておかないと多分絶対今後出てくる可能性が少ないだろうから(笑)。いや、メロウキャンドルでフロントを務めていたクロダー・シモンンズって人がいたんだけど、Evangelレーベルっつうところからリリースされた超マニア向けのクロダー・シモンズさんソロ作品♪なんとプロデュースにはあのトム・ニューマンを配した作品で、それだけでも英国マニアには受けるのだ。

 まぁ、実際そんな夢のようなお話は1997年に行われてリリースされたワケなんだが、多分この人の趣味なんだろうなぁこういうのは。まずジャケットからしてもかなり耽美的というか摩訶不思議な世界で綴られた小冊子的になっているし、しかもそれが青い色に包まれているから結構神秘的で妖艶とは言ったものだ。そして肝心の音世界…、トム・ニューマンの世界ってこういうのもいっぱいあるもんなぁ…。そしてクロダー・シモンズの趣味ってのはこういうもんだったんかな、と思える音。

 ようするに現代シンセサイザー的なドーンと流れるバックの音に歌や簡単な音が乗せられているもので現代音楽に近いかな。英国トラッドとかサイケとかそういう世界じゃないけど、ある意味もの凄くトリップしている音ではある。でもメロウキャンドルのトラッド的側面を削って残ったものってこういう雰囲気かもしれないなぁとか思うとあんまり不思議じゃないから面白い。

 CD屋でたまたま見つけた時があって、ラッキーだった。うん、リリース当時にね。へぇ〜ってな感じで飛びついたもん。聴いてちょっとがっかりしたけど、でもなんか凄く貴重なものを手に入れた気がして嬉しかった(笑)。