Procol Harum - Procol's Ninth

Procol Harum - Procol's Ninth (1975)
Procol's Ninth

 バンドを続けているとどうしてもマンネリ感が漂ってくる時期があり、どこかで転換を図る必要性に迫られることになる。多くのロックバンドはそこで上手く転換できずに迷走して沈没していくことが当たり前だった。10年一日的なバンドもあるにはあるが、それを押し通すのはこれまたミュージシャン的なスタンスからは結構ツライようにも思う。クリエイティブな側面に蓋をしての商売と割り切ればできるのだろうが。そんなワケでクリエイティブ度合いの高いバンドであればあるほどこの難関をどうするかってのが難しくなるのだな。

 Procol Harumの1975年リリース作品「Procol's Ninth」。タイトル通りに9枚目となるプロコル・ハルムの作品だが、その前の作品「Exotic Birds & Fruit」で新境地を開拓して突き詰めていった結果の反動がまさかこういう形の音だとは意外なところ。紛れもなくゲイリー・ブルッカーの得意とする作風が曲としては並んでいるにも拘らず、聴いているとロックバンドを聴いているようには思えない軽さ、全ての楽器の軽さや音の軽さが耳につく。自分はプロコル・ハルムを聴いているんだよな?ってことを確認しないといけないくらいの軽さ…、何でまた?ってなところを気にするともちろんレーベルとの絡みやプロデューサーの方向性などあってのことらしいけど、バンド側も瞑想するならばまだこの先にありそうなAOR的な作風もありか、との判断か。時代的には随分と早い段階でのこの転換、他のバンドが80年前後に迷走したのに比べれば随分と早い身の振り方の検討だ。

 結果的にはどうなんだろ?プロコル・ハルムの重厚さってのがなくて、中途半端な作品になっているのは否めないけど、だからと言って悪いアルバムじゃないとは思う。そこはさすがにプロコル・ハルムなんだろうけど、ちょいと読み誤った作品の作り方だったのかな、ということだ。当時からしても一気にここで失速というのはあっただろうし、ジャケットも地味だし、こういう時期を如何に乗り切っていくかもバンドの命題ですな。そういう作品を背景を知りつつ聴いて楽しむのもありだ。



Gentle Giant - In'terview

Gentle Giant - In'terview (1976)
In'terview: CD/DVD Edition

 ポップなものの感じ方は色々ありそうだ。一言ポップと言っても本当に万人受けするものもあれば凝りまくった挙句のポップもあったり、ロックなつもりだけどポップだったりするとか色々あって、多分音楽的に分析するとコード進行だったり使われるコードそのものや展開、黄金パターンなどとそれはそれでプロの繋ぎ方があって、だから故にポップにキャッチーに聞こえる風ってのもあるワケで、そういうのを全て駆使して知ってて使って壊してるとか作る側の楽しみ方はいくつもあるようだ。一般リスナーはそれを意識すること無く、聴いてみて良いか悪いか好きかキライかだけしかないんだが…。

 Gentle Giantの1976年作の「In'terview」。1976年にして既にポップ路線をバンドとして打ち出していたというのは早い段階での70年代からの離脱となるんだけど、1981年にバンドが解散してしまうので早い展開だな、このバンドも。過去からずっと難解で正に英国然としたバンド、プログレってもそういうプログレじゃなくて超絶テクニカルな技量に加えての奇妙な音楽センスが絡まったプログレッシブな人達のサウンドで、最初期からヒネたポップ感はあったものの、ここに来て更に一層磨きがかかったヘンなポップ感がでてきている作品。ジェネシスの末期と近い感覚論での進み方なのかな、パッと聴いただけだと、何だこのジェネシスみたいなのは?ってな具合になるが、じっと聴いてると当然それ以上にヘンで、ヘンなのは変拍子が普通に出てきて流れていくから。キャッチーなんだけど凝り具合がハンパないというバックの演奏陣営ってなところだ。

 面白いのはこういうヘンなのは聴き込みたくなるんだけどジェネシスのポップ化したのは聴きたくならないという違い(笑)。ジェントル・ジャイアントのは何か理解していかないとこのバンドの面白さがわからなくて勿体無いんじゃないか、っていう強迫観念でもある。ある種ザッパと同じようなおちょくり感というかユーモア感覚で音楽やってる部分もあって、この「In'terview」ってアルバムなんてのは正にそのままで、インタビュワーへの返答みたいな歌詞だったりするようだし、英国人が本気でそういうのやったらかなりブラックに進むだろうしさ。路線は違うけどそんなこともあるバンド。昔の音は冷たくて聞き辛かったけど、このあたりになると冷たさはなくて、完璧に近づいていて近寄りがたい、とでも言う感じか。いずれにしても一筋縄ではいかないバンドの音、じっくりと聴いていくべきサウンド、ですね。





Camel - I Can See Your House From Here

Camel - I Can See Your House From Here (1979)
I Can See Your House From Here

 自分の音楽の好みがどんどんと変化しているな、と感じることがある。それでも昔好きだったのをキライになることはないけど、そんなに聴かなくなるってのはある。それが散々聴いてもう自分では消化しちゃってるから同じのをまた聴かなくても、時間を割かなくてもいいか、っていう類の音楽と、それほど聴いてないけど、好みとして変化したので今はあまり聴かなくなってる、ってのがある。前者は好みそのものは変化してないけど後者は好みが変化しているから聴かなくなったって話だね。後者の方が多いかもなぁ(笑)。

 その代表格がプログレ系統のバンド。昔は時間を割いて一生懸命聴いてて、それが楽しかったし漁りまくってたんだけど、それも時代と時間の無さからだろうか、昔に比べたら全然聴けてないし、聴いててもそんなに熱狂的に楽しめるワケでもなくなってる。自分の好みがどんどんとロック的なエッセンスを求めるようになってる気がする。そんな中、Camelのアンディ・ラティマーのギターの音色の話が出てきたので、ちょいと聴いてみるか、と「I Can See Your House From Here」を。1979年の7枚目、かな、もうね、初っ端からふざけんなってくらいに警戒でキャッチーで苦手な音が展開されます(笑)。いや、自分にとってのお話なので好みはそれぞれってことで…(笑)。音楽的にはかなりキャッチーに仕上げてピーター・バーデンスも抜けてるし、Caravan組もいないし、どっちかっつうとHappy The Man要素なんで、そりゃ明るくなってくわな…ってのは分かるし、アンディ・ラティマーのギターがこう来たかってくらいにフュージョンチックになってて納得感はあるプレイだし、楽曲群。幻想的な世界とキャッチーな歌メロが絡み合っての快活なサウンドは多くのリスナーを魅了したんじゃないだろうか。

 今となってはどこかでBGMとして流れていても何ら違和感のないくらいには警戒で美しく、叙情性もきちんと持ち合わせているアルバムに仕上がっているし、あまりにも軽やかに流れていくサウンドが勿体無いくらいのアルバムだと思う。それまでのCamelってバンドもそういうエッセンスはあったけどここまでになると…ってのがオールドファンの感想だろう。時間が経って、振り返って聴いていればこういうのも悪くないし、アンディ・ラティマーがやりたかった音楽はこういう路線だったんだな、とか分かるけどさ。…と何だかんだと聴いてる作品かも(笑)。



Gentle Giant - Gentle Giant

Gentle Giant - Gentle Giant (1970)
Gentle Giant

 今ロックを聴き始めた、聴いているという若者達レベルでプログレってのは身近にあるのだろうか?昔々の70年代はDeep PurpleやLed Zeppelinと同列でPink FloydやGenesis、Yesなんてのがあって、プログレなんて意識もしないで、こういうヘンテコなのもロックとしてはあるんだ、っていう程度に身近だったと聞く。今の時代には当然そんなことないんだろうなぁ、と想いつつも、一方ではふとYouTubeあたりで探していくと2次元的に今のバンドと同列にプログレバンドだって出て来る。それで聴くかってのはあるけど、聴くことに関しては昔よりも全然身近になっているんだろう。やっぱり好奇心か。

 時間がゆっくり取れないとじっくり聴けない音楽のひとつにGentle Giantがある。折角なので久々にじっくりとゆっくりと聴いてみた「Gentle Giant」、1970年のファーストアルバム。そう、ファーストアルバムにしてこの完成度の高さと構築美の高さ。ロックという次元を超えているのは確かで、その分ロック的面白味には随分と欠けるし、プログレバンド的な華やかさも見当たらない、故に日本じゃあまり知られていなかったようだし、多分今でもコアなリスナーを選ぶバンドなんじゃないかな。自分で今回聴いてても、ロック的に面白くないもん(笑)。ただ、音楽集団として、実験精神的な部分も含めて本当のプログレッシブさで言えばものすごいバンドで、聴いてると凄いな、ってのが先に来る。好みとしてはそうでもないけど、やってることは唯一無二の世界を既にここで実現してる。難解で受けにくいだろうけど、テクニカルな実験音楽が好みならハマるだろう。

 簡単に言ってしまうとですね、自分的には歌とギターの音が苦手なんだな、と改めて思った。楽曲の作りや展開なんかはプログレ的で好きだし、迫力あるトコやクールに攻め立てて来るトコは面白いし、静と動の世界も好きだし、別に苦手な理由もない。ただ、歌はなぁ…、ギターもCamel的な音で好みではないのが大きい。でもね、多分、聴いてると凄くハマってくのはわかる。どうやって作ってるんだ?ってのが最初の不思議で、この音色ってどっから思いつくんだ?ってくらいに多様な音が散りばめられてる。デビュー作だから予算なんてそんなにないからバンドの楽器の音だけのハズなんだけど、こんだけ綺羅びやかに聴かせる程の音色って一体?みたいな音に対する斬新さとかあって、彼らはロックをやってる意識はなくって音楽を作り上げてるって意識でやってると思う。そこにロックファンが飛びついた、みたいなね。とても牧歌的な楽曲もあるし、正しく英国からしか出てこないバンドだから、きちんと制覇していかないとな…。



Gryphon - Treason

Gryphon - Treason (1977)
Treason

 酉年のジャケットを探している時にふと思い出した作品ってのも幾つもあって、ジャケットは思い出すんだけど、どのバンドのアルバムだっけな…とか、頭の中だけでイメージされてて、バンド名が出てこなかったりとか、タイトル忘れてたりして探し出すのに時間かかったりしてたのもあったし、なかなか普段考えない項目でアルバムを探すのは大変です。鳥の絵が使われてるジャケット、なんて探し方したこと無いでしょ?これが案外たくさんあるんだけど、インパクトとしてはさほど多くなかったかな。

 Gryphonの1977年リリース5枚目にしてラストアルバムとなった「Treason」。元々が古楽とロックの融合ってことでリチャード・ハーヴェイがその才能を余すこと無く活用していたバンドだったんだけど、アルバムごとにポップ…と言うか普通なプログレのバンドへと接近してきて、挙句はかなり良質な聴きやすいサウンドへと進化してしまったが故にコアなリスナーからは嘆かれる始末、時を経て聴いてみればそれは良質な音楽的変化と進化であって、決して悪い方向でもなかったように思えるが、あそこまで綺羅びやかで繊細なサウンドを作り出していた事を思うと、普遍化へのアプローチは残念感が漂うのはしょうがないか。

 …と言えども、そのアンサンブルは他では真似出来ないレベルにあることは間違いなく、本作「Treason」ではそれはイエスと同じような作風に仕上がってしまったことで分かるように、完璧にシンフォニック且つ構築美を追求していく性であるが故に、こうなってしまったと言ったところか。決して悪くない。悪くないが、Gryphonである必要性もこれまた薄い、か。やってることは凄いんだけどなぁ…、ってな作品。

Mostly Autumn - Go Well Diamond Heart

Mostly Autumn - Go Well Diamond Heart (2010)
Go Well Diamond Heart

 どっか時間作って自分の中で未整理なままになっているカテゴリを年代とバンドで整理していかないと何だかワケ分からない状態になったままだ。耽美系プログレの21世紀版なんてぐちゃぐちゃだもん。英国のみならず各国で分けないと整理できないし、女性ボーカルと耽美系、プログレとポップスのあたり、ネオプログレってのかな、そういう類になるものとかフォークから古楽のあたりもだし、そもそもジャーマンハードってのも年代分けていかないと分からないし…。まぁ、70年代のは数が多くないから何とかなりそうだけど、21世紀になってくるとそれぞれにギッチリとバンドがあって、メンバーの移動もあって派生バンドも多いから整理つかない…、どっかそういうのまとめてくれてないだろうか。Webもショップ系のばかりで情報整理という面では衰退しているからなぁ…。

  Mostly Autumn の2010年の作品「Go Well Diamond Heart」。前ボーカルのヘザー嬢が突如脱退してしまい、後任にはそれまでバックボーカルをしていたオリビア嬢が昇格、何ら問題ないんじゃないか?ってくらいに役割をばっちりとこなしているように聞こえる。このバンドも90年代終盤に出てきて時代を引っ張っていったバンドのひとつだし、まだまだ現役で活躍中、新世代のシンフォニック・ロックの騎手として知られているようだけど、自分にはとにかく新しいバンドのひとつとして映っている。正しく英国のロックで、英国からしか出せない正当な音というのは聴いていると明らかだ。他の国の類似した世界とは深みや気品、音の作り方やメロディラインなど、どれもが自分基準の英国そのまま。自分的にはこういう基準があって、他の国はどこが違うという認識なのでロックを聴く上での基準そのまま。どこもズレてなくて正しい英国ロック。だから故に聴きやすいしわかりやすい。そのレベルを維持しているからこそ分かりやすいのであって、このレベルに無けりゃ聴けないもんね。

 ネオプログレとかそういうのはちょいと違ってるな、今時のロックなんてコロコロ展開していくとかパターンが変わっていくなんてのは当たり前で、雰囲気としてはもちろん明るいハズはないけど暗いわけじゃない。しょうがなくそういう湿っぽさが出てきちゃうんだ、それが英国なんだ、というだけ。ただ、耽美系な女性が歌うことで切なさが倍増されているというのはあるけどね、でも普通にシーンで売れててもおかしくないし、聴き方によっちゃ普通のロック。それでもプログレ好き連中が飛びつくのはどこかそういうところ、あるからね。うん、歌聴けばわかる(笑)。



The Pineapple Thief - Your Wilderness

The Pineapple Thief - Your Wilderness (2016)
Your Wilderness

 気分が乗らない日々…、あぁ、音楽的にじゃなくて人生的に?とは言い過ぎだけどなんかねぇ、乗らない日々なんだよ。んでも、そりゃそのままのワケにもいかないし、何となくそういう気分に見合った音を聴いていたりするんだが、よくも見事にそういう気分にマッチした音ってのがあるもんだなと、このジャンルの存在価値をありがたく思ってしまった。気分的には乗らないんだけど、それだけじゃなくてちゃんとテンション上げていくっつうかね、そういう作りだから自分の気分もそういう風にならなきゃ、とかそうだね、そうなるんだ、とか思えるワケよ。

 The Pineapple Thiefの11枚目のアルバムだとのこと、「Your Wilderness」。英国のバンドでプログレ…ってのかな、ポーランド的なプログレっつうのか、まぁ、簡単に言えば陰鬱なんだけどフロイド的に妙にハマるテンションがあると言うのか、以前からちょこちょこ聴いたりしてて、好きな部類だったんで、今回の「Your Wilderness」は新作出たってことで久々に聴いてみた。今までの作風と比べて云々まではないけど、基本的に変わらず暗いんじゃない?暗さの中にも光明が見えるような…でも全体的には陰鬱な世界、でも美しき音色も散りばめられてて…というように芸術性の高い音楽、とでも言う方が似合いそう。アルバムジャケットからして妙なイメージを想像できるでしょ?

 こういう世界って日本でも割とウケる気がするけど、まぁ、今の世の中でのロックだからそれほど好きだって人も多くないか。昔ロック好きだった、って人は好きかも。プログレ世代の方々ね(笑)。普通にプログレには聞こえないし、普通にロックにも聞こえない、独特の陰鬱世界。でも真っ暗じゃないから聴きやすい。すごくアコースティックな音が根底にあるみたいで、その辺が人間臭くて惹かれるのかも。メロディがキレイなのもあるだろうけど。うん、ちょっとづつ元気を取り戻すというアルバム…バンドかな。





Gordon Giltrap - The Peacock Party

Gordon Giltrap - The Peacock Party (1979)
THE PEACOCK PARTY: REMASTERED AND EXPANDED EDITION

 まだまだ聴いたことのないアルバムだったりアーティストだったりってのはもちろんたくさんある。何かをきっかけにして聴いてみれば面白い発見もあるんだろうし、自分に似合う音ってのも見つかるだろう。それにしてもあまりにも過剰に溢れているからそれを見つけ出すのが大変だし、自分でも思ってない所で好みの音があったりすることもあるからね、なかなか大変です。無理して探し出すほどでもないけど、見つけると嬉しいし、止められない趣味のひとつだ。

 1979年にリリースされたGordon Giltrapの作品「The Peacock Party」。そういえば昔何かの本でジャケット見たことあったけどとても探し出せないままで、ほったらかされていたアルバムだ。こういうのもその時聴いてみたいって思っても手に入らなくて、でも、その時に聞きたいって思ったんだからそれなりに自分に似合う音だったんじゃないか、って確率が高い、はず。まぁ、全部が全部好みじゃないにしてもどんなんだろ?ってのと何となく想像している音ってのもあるし、期待して聴くワケです。うん、何ともフュージョン的と言えばそうだし、プログレ的アプローチと言えばそうだし、やっぱりアコギ系と言えばそうだ。メンツにはそれなりの猛者が何人も揃っていて一大イベント的なアルバムに仕上がっているけどGordon Giltrap自身はフォーク上がりの人だし、それでいてこんだけのファンタジックなインスト作品が綺羅びやかに書けるってのは凄いよね。キラキラしたサウンドがまんべんなく散りばめられた作品で、どこからどう斬っても英国的な気品に満ち溢れている。

 Gryphonのリチャード・ハーベイがリコーダーなんかで参加しているのもあるのか、実にGryphon的な音でもあるし、牧歌的な古楽的な雰囲気をも持った作品で、バイオリンにはリック・サンダース、ベースにジョン・ガスタフソン…、何か凄いな、この個性派の集団って。それでいてこの音とは英国は深い。ジェネシス的と言われていたので見つけて来たんだけど、そんなにジェネシス的とは思わないけど、まぁ、ギター中心に聴けばそうかも。ハケットってあんまり好みじゃないからこっちの方がいいか。それにしてもインストでこんだけ聴かせられるのもなかなかないんじゃ?





If - If 4

If - If 4 (1972)
If 4

 一人でハマりまくって聴くのも良いけど、やっぱりロックってのは発散していくモンだしなぁ、とジャズロックと言えどもそういうのってあんだろ、ってアレコレ漁っててそういえば…って想い出したのがIfってバンド。イフ、ね。ブラスロック代表共言われるけど、ギターが結構頑張ってて、見事に歪んだギターとブラスが融合しているジャズ的アプローチを取り入れたロックバンド、でもあって、世間的(?)に名盤と言われている「If 4」はライブアルバムなのでその熱気が存分に収録されているのだ。

 1972年リリースとなるIfの4枚目の作品でライブアルバム「If 4」。冒頭からジワジワと来るイントロ、そこにギュワンギュワンしたギターが被さってきて瞬時にしてロックの世界に引っ張られる。そこで繰り広げられるアンサンブルはフリーロックとも言える世界だけど、トーンダウンからはブラウが大活躍してのアドリブで曲を自由に転がしまくる…、そこでもバックは、特にベースは明らかにロックのアプローチでしか挑んでこないのが頼もしい。そんな音での大げんかを繰り広げながら実にハードに熱くエネルギーをぶつけあってくれる姿が聴ける。仏にロックのアドリブでのぶつかり合いと何ら変わらないテンションが聴けるのは面白い。それでいて音も分厚いし乱れることもないという上手さ。

 更にそれでいて面白いのはしっかりと歌も聴かせるというポップシーンへのご挨拶も出来ているというか、これで歌入れるんだ…ってくらいに普通に入れてる…当たり前だけど。音だけ聴いてるとそんなのいらないのにな、って思うけど、だからこそ聴きやすくなってるのはある。どこでもヘヴィーなギターがいいなぁ、これが絶対自分の好みなんだよな、だから聴いてて聴きやすいっつうか聴き応えあるってか…曲の面白味ではなくて楽器の面白味…、これもまた一般的には受けないんだろうけど、ロック的な解釈なら名盤です、うん。





John McLaughlin - Extrapolation

John McLaughlin - Extrapolation (1969)
Extrapolation

 歳を重ねたらきっとジャズってのを普通に聴くようになるんだろうな、って漠然と渋いオジサマ的なイメージを持っていたのだが、未だにそんな素振りが自分にはない。そう思うほどにはまだ歳を取っていないのだろう…、ってかきっとジャズ親父になることはないんだろうな、という自我もあるので単なるイメージでしかなかったと言うことなのだろうと。で、ジャズ聴かないか?ってワケではなくってジャズばかりを聴いて満足しきれることはない、ってだけで嫌いじゃないし聴けばそりゃ楽しみはある。ただ、好みはやっぱりロックの側にあるってだけだ。嗜好は変わるもんだからいつまでもそうか、ってのはわからんけどね。

 ジョン・マクラフリンの名が出た所で、ちょっとこの不思議なギタリストの来歴や作品なんてのを追いかけてみて、つくづく不思議な人だと改めて思った次第。そこかしこで名前が出てきてマイルス・デイヴィスに見初められてサクセス・ストーリーへの進むのだが、どこでどうやってこういうギターになっていったのか、んで、ジャズというかフリージャズ的な、縛られないスケールとセンスでのアプローチが特異なセンスでハマっていった、もちろん必要なテクニックはすべて身に付けてというワケだ。その出だしともなったソロ名義でのファーストアルバム「Extrapolation」を聴いてみたのだが、こりゃもう明らかに英国のプログレ畑から飛び出していったフリージャズ的なものとほとんど変わらない。ソフトマシーンの中期以降には同じような楽曲の作りのものがあるし、まったく英国的な硬質なジャズ的なサウンド、なるほど、ソロ名義のリーダーアルバムの最初にはまだスパニッシュやその他無国籍的なギターサウンドへの傾倒はなく、スタンダードに進化していたワケだ。そんなことに感心。

 1969年作品か…、まったくエネルギッシュな時代だったんだな。いつの時代にもどんな時も何かが生まれる前夜、ってのはものすごい熱気に満ち溢れた連中による水面下での動きがあってね、それがメジャーシーンに出てきた時にそのまま爆発ってことにはなかなかならないんだけど、そういう前夜にひたすら繰り広げられているムーブメントってのは自分的には好きだ。きっとこの時代にはロックでそういうのがまだまだたくさんあったんだろう。それが今はなかなか見えないが故にロックが出て来ない、ってのもあるのかな。しかし、ここで聴けるフリージャズな音…、決して好みじゃないしいつも聞く音楽なんてのでもないけど、そううエネルギーを感じるからずっと聴いていられる。それが音楽とロックの違い、だ。




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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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