McAuley Schenker Group - PErfect Timing

McAuley Schenker Group - PErfect Timing (1987)
パーフェクト・タイミング

 季節が変わるタイミング、様々な変化を実感できる時期なので好きな季節でもある。着るものも食べるものも変わり、自分的にも色々変化していかなきゃってのも思うしね、今年は他の要因もあったから環境を割と変えている。勝手に変えられる環境変化じゃなくって自分で意識して変えていってるからその変化を楽しんでるし、新たな時流に乗った環境ってのはここまで変わったんだ、とか随分と進歩しているんだな、なんてのが多くて驚く。このまま年重ねてったら何だこれは?みたいな時代になるんだろうか。なるべく時流に着いていってるつもりなんだけど、全然追いつかないってことが分かった。もっともっと敏感に触れ続けていかないとやっぱり取り残される。

 1987年にリリースされたM.S.Gの「Perfect Timing」。M.S.Gったらマイケル・シェンカー・グループかマジソンスクエアガーデンだろ、ってな話だが、当時からマイケル・シェンカーがインタビューなんかで言ってたのがこれはマッコリー・シェンカー・グループだ、ってな事。コイツ、何言ってるんだ?って思ったんだが、それくらいにフロントボーカルのロビン・マッコリーを重宝してたんだろう、アルバムジャケットだって二人しかいないしさ。元々好きだったんで新作リリースなんて時に気にしてたんだが、MTVで見たシングルはどうにもパッとしない、と言うかあの神懸かったマイケル・シェンカーのギタープレイはなく、どうにもキャッチーで普通にそこらへんにあるハードロックなバンドの音にしか聴こえなくて、中途半端にAORなサウンドに近かったし、陰のない、抜けた明るさを持つような音で引っ掛かりがなかったもんだ。なのでアルバムも全然聴かなくってM/S/Gは終わった感あった。

 ロビン・マッコリーってアイルランド出身なんだ…、マイケルがドイツでしょ、他のメンバーは仕事で参加している感じだから英国、アメリカなどLionheart組もあるけど、そこまでアルバムの音に反映されていないのでは?と思ったら初っ端の曲はロッキー・ニュートンとロビンの作品ですか…、正に多国籍軍なバンドがアメリカ進出のサウンドを皆で狙ったというような作品。おかげで個々人のテクニックや技量は十分ながらも肝心の音楽が面白くないという結果に終わっている気がする。もっともこのヘンでマイケルを知った人も多いだろうからあながち失敗とも言えないのだろう。そんな経緯もあったけどアルバム自身は何回か聞いたことあったくらい。今回また久々に聴いてみたけど、やっぱりこの音作りが一番のネックか。曲もどうにも面白味なく、マイケル・シェンカーのギターも冴えてない、ってかそこまで聴かせるプレイが多くない。でてきた時はさすがのメロディアスギターを聴かせてくれるし、いくつかはインパクトあるリフなんかもあるから思ってるよりも悪くないんだろう。ただ、ここまでキャッチーな歌メロと曲構成が好ましくないんだろう。

 マッコリー・シェンカー・グループを思い出したのはこないだのマイケル・シェンカー・フェストでのライブで歌ってたのを見てからさ、ロビン無茶苦茶歌上手い、ってのを実感して…、周りが如何に下手くそな歌い手で味わい深い歌手だったかってのを思ってしまってさ、それでロビンの歌ってこんだけ歌えたんだったら全盛期も凄かったんだろうな、ってのがあったから。んでアルバム聴くんだけど、そこまで突出した歌には聴こえないんだから不思議。色々とプロデュースミスだったんじゃないか、このユニット、とか思うワケです。まぁ、次作「セイヴ・ユアセルフ」ではその辺払拭してのアルバムに仕上がっていてファンも増えたらしいから初めてのトライでの反省点は大いにあった、ってことか。どうにもうだつの上がらないアルバムという印象。マイケルのプレイも何か鬼気迫ったフレーズが見当たらないんだよね。

Black Earth - 20 Years of Dark Insanity JapanTour 2016

Black Earth - 20 Years of Dark Insanity JapanTour 2016
20イヤーズ・オブ・ダーク・インサニティ・ジャパン・ツアー・2016 [DVD]

 今年はあんまり誰かのライブに出かけたという記憶がない。自分が好きなど真ん中のバンドなんて70年代のばっかりだから今来ても見たくないくらいに爺さんだし、ロックってのはパワーがないとやっぱりエネルギーにならないし、そういうのがなくって懐メロだけってのも情けなくってヤだからあまりないし、かと言って若手のバンドのどれかライブ行くか?ってのもあるのだが…、いや、行きたいけど分かんないとかチケット取れないとかそういうのばかり。サマソニでのThe Strutsみたいなのがあると良いんだけど、あ、そういう意味ではBabymetalくらいしか見てないかも(笑)。

 2016年になってからかな、初期Arch Enemyのメンバーが再結集してArch Enemyの初期三枚からの曲だけでライブやるって聞いたんだよね。その頃既にその初期のメロディと悲壮感漂う歌には慣れてたからそりゃ面白そうだ、まさかああいうのを生で見れるとも思わなかったし、ってことでひっそりとチケット取って、ってか取れたのも不思議なくらいだけど、普通にチケット発売日に「あ、今日だっけ?」って覚えてたから登録したら取れたってだけで、後で聞いたら相当の競争で全然取れなかった人も多かったらしい。お陰様で無事に当日見に行けたんだけど、もう若いんだよ、周りが。伝説になってたんだよな、ヨハンが歌うのがさ。俺らで言えばいつしかZeppelin再結成だぜ、ってなモンかもしれん。若い連中からしたらまさかそんなのが見れるなんて思いもしなかったって話。そうなんだ…ってことで、当日もちろんのことながら超満員オールスタンディングでの2時間強、後ろの方で見てました。それでもライブハウスだからメチャクチャ近かったしフロアは暴れまわってるし、それでいてマイケル・アモットの繊細なギタープレイはじっくり見つつ、やっぱりものすごく丁寧にじっくりと一音一音弾いているという感じで、それでもオーディエンスとの一体感を楽しむとかバンドとのアイコンタクトでのプレイは慣れたモノ、ヨハンはともかくながらクリスとはホント、見事な呼吸ぶりで、多少離れていてもプレイスタイルでの息の合い方が凄い。まさかノスタルジック的なこの編成でここまで現役感のあるライブが見れるとは思わなかったんでそうとう色々な意味で驚いた。

 そのライブの模様がCD+DVD化されて「20 Years of Dark Insanity JapanTour 2016」としてリリース、多分日本限定盤なんじゃないだろうか、日本だと人気あるバンドだからね。ドイツのWackenのトリであの聴衆を前にプレイしているバンドと二名しか変わらないオリジナル・メンバーなのに目の前だよ。こっちの方が確かにアングラ感漂ってるんだけど、バンドらしい。ライブハウスが似合うバンド。今のArch Enemyはあんな音楽性なのにきちんとWackenでも聴衆が納得できるパフォーマンス性や超A級な楽曲を持っているからさ、その違いを実感してるのは現役メンバーの3人だろうな。一方そういう意味では大成できなかったメンツとしては悲しい現実か。そんなに綺麗に分かれるほどのものじゃないだろうけど、こういうの見てるとそっか、違うんだなってのがよく判ってくるから面白い。それもこれも含めて、ヨハンのダサいスタイルが思い切り泣ける素晴らしいライブ、よくぞリリースしてくれた。

Accept - Restress and Live

Accept - Restress and Live
アクセプト『レストレス・アンド・ライヴ』【初回限定盤Blu-ray『BANG YOUR HEAD!!!』+2枚組CD『BLIND RAGE TOUR』(日本語解説書封入/日本語字幕付き)】

 長年やってるとバンドのメンバーってのはどうしても変わっていくモノなんだろうし、もう既にロックの歴史も長くなってきて老化していってるからどんどん新陳代謝も進んでいるしね。それでもバンドの本質が変わっていないバンドってのはやっぱり凄いなって思う。実はそういうのって結構多くはないんじゃないだろうか、などと思ったり。それもさ普通のバンドならともかくHR/HMのバンドなんてまさか70歳になってもやってるなんて思わなかっただろうしさ、普通のロックだって同じだろうよ。若いバンドは自分達のレジェンドだったバンドと一緒にステージに上がるとかもしかするとバンドに入れちゃうってこともあるんだろうし、よく分からん話だな…。

 Accept…、それも再結成してからの今のAcceptの新作ライブ「Restress and Live」ってのが出てて、YouTube漁りしてた時に右側に出てきたから、あ、これ出たんだ、って事で軽い気持ちで見始めたら面白くてついつい全編見入ってしまった(笑)。スタジオ・アルバムなんかでも見事にウドがいなくなった後を新しいボーカルが同じような歌い方と声でバンドをカバーしていて、こりゃ何ら変わらずに全盛期と同じ鋼鉄感を出しながら出来るんだな、ってのはあったけどライブ見ててあまりにもその馴染みぶりに驚いた。全く、何ら違和感なく馴染んでて自分の居場所は正にここしかないと言わんばかりにバンドにハマっててさ、それに引きずられてってのもあるだろうけど、バンド全体が若々しくパワフルになってるとすら思える。メンバー結構歳なハズだけど、しっかりとシェイプアップ?っつうかスリムなメタルバンドの体型を保ってるから見栄え的に年齢を感じさせないってのもある。ファッションもしっかりと拘ってて、上はTシャツだけどそこからは結構凝っててメタルバンドってこういうもんだよな、っていうのを超えたカッコ良さを保ってる。ウルフ・ホフマンのギターの音にしてもしっかりと最新のサウンドしてるし、それでいて滑らかな音色でフライングV使いとしても楽しめる。

 しかしこんなにコーラス上手くて演奏上手いバンドだったっけ?あまりにもウドのインパクトが強すぎたからかこういう雰囲気なバンドでもなかった気がするけど、これが今のAccept。凄くバンドの中が充実しているってのが伝わってくるし、ライブの最中のメンバーの絡みやアクションなんか古臭いけどKissと同じでこういうのはあると楽しめるんだよ。バンドの仲の良さも分かるし。そして新しい曲中心に申請アクセプトをアピールしつつも古い曲の違和感の無さを武器に重金属バンドの真骨頂オンパレードで畳み掛けてくる。2015年地元ドイツでのメタルフェスでのトリだったのかな、その模様をフルで記録したライブってことでCDの方はロシアでのライブが入ってて曲も異なるってことだ。地元での人気のステータスってどういう位置づけなんだろ?キャリアも長いしそれなりに大物感あってほしいが。それはともかく、最後の最後までパワフルで、重金属鋼鉄感満載のまま締めてくれる徹底ぶり、ここまで徹しているバンドも多くはない。楽曲にメジャー感が全くないけどこういうの、凄いな。



Eclipse - Are You Ready To Rock

Eclipse - Are You Ready To Rock (2008)
アー・ユー・レディ・トゥー・ロックMMX

 「今」というシーンを追いかけるのって実は一番難しいんじゃないか、なんて思ってて、好きなバンドがあったら当然追いかけてれば良いんだけど、周囲のシーンも含めて同時代的に追いかけるのはなかなか大変。後追いになる時はカタログ化されたり体系化されてたりするし、情報もまとまってくるし何とか追いかけられるもん。でも、一番旬な時に旬なモノを追いかけて聴くのが一番楽しいんだろうし、なかなか難しい…って思うのもホントに自分がそうやって取り組んでないからだろうね。90年代以降、すべてのものが新しいという感じだからなぁ…。

 Eclipseってスウェーデンのバンドの2008年リリースの作品「Are You Ready To Rock」。北欧のメロハーシーンではかなりの良作のようで、ジャケット見てるとアメリカ南部のサザンロック系かと思うくらいのモノだけど、全然違っててモロに80年代風味のあるメロディのしっかりした、AOR的とも言えるハードロックで、こりゃ聴きやすいわな。当然ハードロック路線であろうともキャッチーな方が受けるだろうし、疾走感溢れる快活な曲が並んでいた方がアルバム的にもバンド的にも好まれるからこういう選択もあるんだろう。歌も上手いしギターも上手いし曲もしっかりフックが利いてるし軽くもないし、見事なバランスで出来上がっている。女性ファンも多いんだろうなぁ、とか想像できちゃうし、そりゃ受けるわ。

 それにしても、ここまでアメリカナイズされた音が出来ちゃうってのはシーンを狙っての事なのだろうが、それも才能だよなぁ、なんて思ってしまう。暗さや憂いや影ってのがあんまり聴かれないしね、上手いわ。歌の快活さとギターのスリリングさにリズム隊の躍動感のそれぞれが見事に相まって気軽に流してても気持ちのよいアルバムだ。80年代風味ってのは自分的には聴きやすいのかな、その分引っかからないで自然に流れてってしまうのが慣れすぎ(笑)。んでも、コレ、ツボを抑えた曲が多いし、良いアルバムだな…。



Treat - Organized Crime

Treat - Organized Crime (1989)
Organized Crime

 ゴリゴリのロック好きからするとメロディアスなハードロックってのはどうも軟弱に聴こえてしまって、きちんと追求する気にならないってのが本音だ。聴けば良いと思うけど、それでも飽きてくるんで、やっぱりゴツゴツしたヤツの方が好きだ。それでもメロディアスというモノは気になるもので、それもギターの旋律が、と付いてくると聴いてみたくなる。そんなことであまり興味を惹かなかったバンドなんかも聴いてみることが多くなっている。おかげで実に色々な音を聴くようになったのでアレルギー耐性も付いてきたというものだ。

 Treatというスウェーデンのバンドの1989年作「Organized Crime」、名盤と言われているアルバムで、当時知らなかったなぁ、これ。いや、ジャケットは見た記憶はあるけど聴いたことはなかったし、Bon Joviの二番煎じの北欧メタルの雄だなんて知ることもなかった。んで、聴いてみるとさ、何か妙にアメリカンなキャッチーな感じのが流れてきて、どうにもダメかもな、なんて思いつつレビュー見たりしてると途中からメロディアスな北欧系の美しいサウンドに変わるってんで、我慢して聴いてるとなるほど、突如としてバラード曲からこれまでのアメリカンな無理な雰囲気はなんだったんだ?ってくらいにお城が見えてくる。いや、アメリカに城はないけどヨーロッパってお城がたくさんあってさ、そういう印象が漂ってくるワケですよ。ホントにこのヘンの方々ってメロディアスなギターとか上手いよな…。

 終盤の美旋律の流れが何か凄くってさ、こういうのだけでアルバム作っておいた方が良かったのになぁと思うくらい。序盤はアメリカ中盤から後半は北欧そのものというアルバムで器用なバンドと言うのか、魂売ってると言うのか、いずれにしても良質な作品を作れて聴かせられるバンドってことですな。しかしこういうのって80年代からあったのか。随分と早い時期でのこの手のバンドだったんじゃないかな。



Brother Firetribe - Heart Full of Fire

Brother Firetribe - Heart Full of Fire (2008)
Heart Full of Fire

 何か面白いのないかな、って適当な間隔で探したり漁ったりするんだけど、いや〜、これは知らなかったなぁ〜ってのは山のようにある。だから面白いとも言えるし、何でもっと早く聴かなかったんだ、っていう後悔の念もあったりと情報過多な時代だからこそ埋もれてしまう情報に眼を配らないといけないという矛盾、そんな時代だ。それにしてもまだまだね、面白いのあるよ。ずっと聞くかどうかわかんないけど、多分良作だったら聴くだろうし、一時的にしか聴かないものもあるだろう。ただ何となく知識的に増えるのは良いことかな、とも思うし。

 Brother Firetribeってプロジェクトバンドの2008年の2枚目の作品「Heart Full of Fire」。これがまた何で、ってぇとですね、Nightwishのギタリストのエンプさんが参加したプロジェクトで、このアルバムではタイトル曲「Heart Full of Fire」で何とアネット・オルゾンが歌っているというプチNightwishだったりするワケだ。もちろんNightwishの核であるツォーマスとマルコがいないからどこにもNightwishらしさはないんだけどね。それでもちょいとそうなのか?って思うじゃないですか。んで聴いてみるとこれがまた見事なまでに80年代風味のメロハーっつうかメロディのしっかりした快活な商業ハードロックやっててね、それでもやっぱヨーロッパ圏の人達だから様式美旋律と哀愁は持ってて、かなりハイレベルなサウンドを出してます。サイドプロジェクトにしては勿体無いレベルの普通にバンドとして活動できるレベルのメロハーだもん。

 エンプのギターがどうの、ってのは全然なくってこのボーカル、Levarageっつうバンドの人らしいけど知らん…フィンランドは面白いの出て来るよねぇ、ホント。産業ロックというと実に魂売った感があって好きになれないトコあるけど、メロハーってなると聴きやすくて良いじゃない?ってなるトコあるから面白い。キライじゃないんだろうね、こういうの。多分80年代風味ってのもちょいと心くすぐるしさ。ただ、どれも似たり寄ったりなので覚えきれないという弱点は多々ある(笑)。





Arch Enemy - Wages of Sin

Arch Enemy - Wages of Sin (2002)
ウェイジズ・オブ・シン

 自分がデスボイスサウンドを聴けるようになるとは思わなかったけど、割と普通に聴いていいられるようになるんだから面白い。昔からガスタンクあたりは好きだったからああいうダミ声ってのには聞けたけど、近年モロに作り上げたようなデス声が出てきて、さすがにそりゃないだろ、なんて思ったし、邪魔でしかなかったけどさ、慣れるモンだ、ってか、それでもきちんと聴かせるような曲だったりメロディだったりしてそれもありきのスタイル、音楽、パフォーマンスというように質の高さをキープして聴かせるってのは相当の才能がないと無理なんじゃないか、と。音楽なんて単なる好みだから邪魔な部分を差し引いても好きだったら聴くワケだしね。自分の場合はそこはメロディだったりギターだったりなワケだ。

 Arch Enemyの2002年のボーカルにアンジェラ・ゴソウ参加初のアルバムでバンドとしては4枚目の「Wages of Sin」。これがまたデス声とかどっちでもよくって、アルバム的にカッコ良い。もちろん泣きのギターが超健在ってのもあるし、迫力で攻めてくるのとかとてつもなくブルータルな世界とか引っくるめてこういうパワフルなサウンドがとってもロック的、っつうか本来ロックの持つ攻撃的な姿勢をそのまま出してる、しかも野性的に出してる部分がこのバンドの面白いところ。それに輪を掛けてのアンジェラ・ゴソウという美人なボーカルの怖い顔したデス声による歌。ここまで来ると冗談としか思えなかったけど、なんじゃこりゃ?感は凄くあって、それでもそれぞれの曲のテーマとか出てくるモチーフや美しくも悲しいメロディのオンパレード、それに加えての正確無比でタイトでシャープな楽器陣営のプレイスタイル、とにかく上手くないとこんなの成り立たないワケで、それをはっきりとしっかりと聴かせてくれているからこそのデス声が生きる…、のだろう。

 泣きメロのギターソロとかやっぱり天下一品のプレイだし、ギターのリフにしてもいちいち引っ掛かるスタイルと音で、そこに妥協性は一切なくって、とことん突き詰めてのアレンジやリフやフレーズをたっぷりと練り上げて使っている所も見事なもので、バンドのスタンスを物語っている。話題性は満載という前提で、そこに来てバンドが充実している所を上手く活用しての美女ボーカルによるデス声というアンバランスの美しさを出した成熟したアルバム、だからこそ出来上がったアルバムとしてスキのない作品に仕上がっている一枚。



Ammunition - Shanghaied

Ammunition - Shanghaied (2015)
Shanghaied

 哀愁のあるメロディなロック、って言ってもなかなか簡単にはないジャンルなんだな。今時でそういうの探してみると大抵メタルやメロハーになっちゃってて、そうでもないんだよなぁ…とその中途半端な感性の少なさを実感中。そもそもロックという音を出してるバンドが少ないからしょうがないんだろうけど、もうちょっとテクニックとか楽器とかじゃなくってストレートにロックしてるだけ、ってのがいないもんかね。

 元Wig Wamってのを知らず、いつしか解散していたWig Wamのボーカリスト、グラムさんが新たに組んだバンド、っつうのかソロプロジェクトっつうのか、がAmmunitionってバンドで、2015年にアルバム「Shanghaied」をリリースしている、のをつい先日知って聴いてた所。Wig Wam止めてたとはなぁ…、当然と言えば当然だがやや残念。それでもバンドの花形なグラムがこうしてすぐにシーンに出てきているのはありがたいね。この人、とんでもなく歌が上手くて根っからの芸人なので、聴いてて気持ち良いし、惚れ惚れするボーカリストなんだよね。抜けが良いし、はっきりしてるし安定しまくってるしパフォーマンスも良いし。んで、このAmmunitionってバンド、Eclipseってバンドの人とのユニットらしい…けど、そっちを知らないので何とも言えない。

 このアルバム聴く限りは相変わらず迫力のある上手いボーカルを活かしたハードにドライブさせたハードロックが並び、もちろんお決まりのバラードもありつつ、Wig Wamでは80’sパロディ的な側面が強かったけど、ここではもうちょっと今の時代のバンドに沿った傾向にしていこう、という感は感じる。と思いきや冒頭から途中のギターカッティングで「Beat It」のフレーズが一瞬出てきたり、その他もあれ?って感じで散りばめられているので、本人の意識はあまり変わっていないのかもしれん、それよりもそういうのを入れるのが彼らしい曲作りのセンスなのだろう。いいじゃないか、聴いてて気持ち良いもんね、ホント。





H.I.M - Love Metal

H.I.M - Love Metal (2003)
Love Metal

 「最近良いロックある?」なんて訊かれることもあるんだけど、そもそも最近シーンに普通に「ロック」と言える音やバンドが存在しているのだろうか?などと自問してしまう。ヘンなのやポップなのはたくさんありそうだし、メタルやそれ以上の音、ってのも結構ありそうだけど、普通にど真ん中の「ロック」ってのをやってるバンドってあまり思い付かない。それってどういうの?ってもアレだけど、メッセージとして言いたいことってのがないんだろうな、世界的に。だからそういう筋論的なのを言うのもほとんどなくて言葉としてのメッセージになってるのかもしれない。何言ってんだ?って話だけど…。

 話変わって、フィンランドのメロディアスなバンドと言えばラブメタルを提唱している唯一のバンド、H.I.Mですね。そのH.I.Mの2003年リリースの4枚目のアルバム「Love Metal」そのものです。当時からそのラブメタルってのを掲げていて、何だそりゃ、アホか、って思ってたんで全然聴かなかったんだけど、それでもフィンランドだし、メロディ的には多分、アレ系の塊なんだろうな、ってのもあったからやっぱりどっかで手を出すんだよ。んで、ちょいと軟弱的にも聞こえるのは事実だけど、レベルはやっぱり高くて哀愁のメロディというよりかは、普通に良いメロディが散りばめられている作品、バンドで、かなりこのアルバムはメタル寄りになるのかな、エッジ立ってて暗くて愛が伝わってくる作品とも言えるね。音楽的な所ではロマンチスト系な作風とでも言えば良いか、やたらとキャッチーで重さは皆無。不思議なことにそういう作風、即ちお茶の間にも受け入れられるであろう軽やかさとメロディのある作品、ってことだ。

 こういうバンドってあんまりないんだろうな。日本のビジュアル系みたいな位置づけになるんだろうか、フィンランドや英国あたりではかなり認知されているバンドのようなので、多分そういう感じなんだろうけど、まぁ、分かる。ギターソロがスゲェってんでもなくバンドにパワーが有るってんでもなく、多分ルックス的な側面と聴きやすさ。それでもこのメロディセンスの秀逸さは他では真似出来ないものがある。そのセンスと人気を見越してか、次作からアメリカでのアルバムリリースへとバンドはステップアップしていくのだ。





Sentenced - The Funeral Album

Sentenced - The Funeral Album (2005)
フューネラル・アルバム

 ふとした時にハマるフィンランドのメランコリックメロディー熱。多分このメロディが好きじゃないってロックファンってあんまりいないんじゃないだろうか。知らないから聴かないってのはあると思うけど、嬉しいことに何故かそのメロディはハノイ・ロックスが80年代から日本で売れていたことで知られているあのメロディー感だ。最近ではもうフィンランドがメタル王国として知られているので、そっちから入る人も多いとは思うけど、別にメタルじゃなくても根本的にあの哀愁漂うメロディってのはフィンランド産のメロディセンスとして出て来るものなので、どんなの聴いても実感するんじゃないかな。

 ってことでフィンランド産のバンド、なんかああいうのないかな〜って適当に探してみると色々あるんだよね。自分が知らないだけでその世界じゃ結構評価されてるバンドは多い。その中からSentencedというバンドの2005年リリースの最終作となった「The Funeral Album」ってのを。それまでの作品を聴いてないからここに至った過程を認識せずに聴いているんだけど、これは好みだわ(笑)。音がヘヴィメタル的だからアレだけど、メロディセンスとか疾走感とか鬱感とかやっぱり良く出来てる。こういうの求めてたんだよ、今はさ。メランコリックメロディの宝庫、且つしっかりバンドの音としても美しく叙情性を持っての展開、ダミ声が好みを分ける所だろうけど、味わいあって良いでしょ。

 しかしこんだけの作品でラストアルバムって勿体無い…、十二分に突き抜けてて疾走している作品だし、明らかに頭一つ出たバンドだったろうし、今のシーンでもいたら楽しみなバンドだったろうしね。こういうのがLordiはBattle Beastに引き継がれていってフィンランドのシーンの象徴になっていったってのが分かるサウンド、これはまた最初期の作品から徐々に聴き漁っていかないといけないなぁ…、聴きたくなってきた(笑)。







 | HOME |  »

プロフィール

フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


ロック好きの…別館リンク


ブログ検索


最新記事


カテゴリー


最新コメント


最近のトラックバック


カレンダー

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

過去ログ+

2017年 10月 【24件】
2017年 09月 【30件】
2017年 08月 【31件】
2017年 07月 【31件】
2017年 06月 【30件】
2017年 05月 【31件】
2017年 04月 【30件】
2017年 03月 【31件】
2017年 02月 【28件】
2017年 01月 【32件】
2016年 12月 【32件】
2016年 11月 【30件】
2016年 10月 【31件】
2016年 09月 【30件】
2016年 08月 【31件】
2016年 07月 【31件】
2016年 06月 【30件】
2016年 05月 【31件】
2016年 04月 【30件】
2016年 03月 【31件】
2016年 02月 【29件】
2016年 01月 【32件】
2015年 12月 【32件】
2015年 11月 【30件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【30件】
2015年 08月 【31件】
2015年 07月 【31件】
2015年 06月 【30件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【30件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【28件】
2015年 01月 【32件】
2014年 12月 【31件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【31件】
2014年 09月 【30件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【32件】
2013年 12月 【32件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【32件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【30件】
2013年 03月 【31件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【32件】
2012年 12月 【32件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【31件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【31件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【32件】
2011年 12月 【31件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【30件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【30件】
2011年 05月 【31件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【32件】
2010年 12月 【32件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【30件】
2010年 05月 【31件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【30件】
2009年 10月 【31件】
2009年 09月 【30件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【31件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【31件】
2009年 04月 【30件】
2009年 03月 【31件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【32件】
2008年 11月 【30件】
2008年 10月 【31件】
2008年 09月 【29件】
2008年 08月 【30件】
2008年 07月 【30件】
2008年 06月 【30件】
2008年 05月 【31件】
2008年 04月 【30件】
2008年 03月 【31件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【31件】
2007年 12月 【29件】
2007年 11月 【30件】
2007年 10月 【29件】
2007年 09月 【28件】
2007年 08月 【31件】
2007年 07月 【30件】
2007年 06月 【29件】
2007年 05月 【30件】
2007年 04月 【30件】
2007年 03月 【26件】
2007年 02月 【27件】
2007年 01月 【20件】
2006年 12月 【31件】
2006年 11月 【30件】
2006年 10月 【31件】
2006年 09月 【30件】
2006年 08月 【31件】
2006年 07月 【31件】
2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


リンク


RSSフィード


全記事表示リンク

全ての記事を表示する


QRコード

QR

Click! Click!


楽天市場
HMVジャパン

Amazon