Enforcer - From Beyond

Enforcer - From Beyond (2015)
From Beyond

 昔ロックってのは若者の初期衝動の表現手段としてひとつの有効な手段で、だからロックに救われた、みたいな話があるワケで、要するにロックに気づかなかったらその初期衝動ってのをどこに向けたら良いか分からなかったからってなモンだけど、そりゃそうかもな…などと自分も含めて思う。スポーツで快活に!なんて到底考えられないし、かと言ってバイクや何やらって方向も違うしさ、その辺に行ききれない中途半端さに気づくと悲しいかな、ロックの標語でもある「Sex, Drug & R&R」に魅力を感じてしまうワケよ。だって、ひとりで触れていくにはとってもイージーでしょ?だからそういうのがあったワケ。ま、今の時代がどうかは知らん。

 スウェーデンのEnforcerが2015年にリリースした「From Beyond」。NWOTHMの世界では一番の人気者、と言われているんで多分そうなんだろう。そしてこのアルバムが4枚目になるみたいだけど、かなりの傑作として語られているし、確かに自分で聴いていても物凄くバランスの取れた、そしてジャンルを代表するサウンドを持ったアルバムかも、って思う。あまり気にしたことないけど、どのジャンルでも多分そのジャンルのすべてを網羅したアルバムやバンドってのが代表的なバンドだったりアルバムになったりするんだろうね。難しいのはそんなのリアルタイムでそのシーンに居たら何が中心の音なのかは分からないから、バンドとしてはそういうの分かりつつも自分たちを信じて音作りを進めていく以外はないだろう、というあたり。常に孤高の道を歩むものなんだからある種起業家だよね。

 さて、このアルバム何が良いって、ホント、硬軟強弱静動みたいなのが見事に詰め込まれてて、スピードチューンや破壊力のある曲ってのもオープニングからカマしてくれて、おぉ〜って思うし、その後の繋がっていく曲もちょいと異なったトーンだから同じの聴いてる感なく、気分がちょいと落ち着く。そしてまた雰囲気変わってって、ボチボチって時にちゃんとハイトーンバリバリのキラーチューン持ってきてさ、さらにバラードなんかもきちんと入ってて聴いている側を飽きさせずにきっちりと取り込んでる。その完成度の高さは見事なもので、もちろん曲やメロディも勢い溢れる縦ノリ感あるのも多いし、いやはや素晴らしい。勢いだけの作品だと飽きるけどこういう作りになってるってのは見事。ボーカルがやたらとクラウス・マイネ的ってのは個人的にはちょいと耳につくんだけど、血管ブチ切らして歌ってるのも分かるから黙る。やっぱり格好良いバンドでこの界隈で一番人気なのも納得のバンド、アルバム。







Powerwolf - The Sacrament of Sin

Powerwolf - The Sacrament of Sin (2018)
パワーウルフ『ザ・サクラメント・オブ・シン』【初回限定盤CD+ボーナスCD(日本語解説書封入/歌詞対訳付)】

 バンド主催のフェスってオジーのが有名で、Slipknotもやってたりするけど、後はそんなにメジャーなの知らなくて、それこそスウェーデンではSabatonが自らのフェスを開催している。それこそヨーロッパじゃ結構デカいフェスになってきてて、そこでのトリがサバトンなんで、そんなバンドを日本に呼んで一緒にやったのか、と改めてbabymetalの凄さを感じるのだが、それそれとして一方のサバトンが自国で開催した2018年のフェスのメンツが凄くてさ、最終日のトリが自分たちとしても、その前がBattle Beastで、その前がPowerwolfなんだよ。何とも漢らしいバンドが続いて聞けて、それは楽しいだろうなぁと。そのフェスだったら行きたいと思うわ。

 なことでPowerwolfの2018年の新作「The Sacrament of Sin」。ドイツのメタルバンドだけど、イメージのキワモノさ加減に比べて出てくる音はかなりキャッチーで80年代風なメタル部分があるのと鍵盤もキラキラしてたりして見た目とのギャップがあるのが売りなバンド。音楽性だけで言えばもう先の3バンドとも似たような方向性ではある。それぞれ国が違うんで、同時代的に出てきただけとも言えるけど、お互いにカバーしたりしてるから刺激しあってるんだろうな。このPowerwolfが一番キャリア的にも存在感的にも大物になるのかな、サバトンもかなり肉薄しているらしいが、そのヘンの感覚が日本からでは分からん。ま、それにしてもPowerwolfのアルバムもいつも似たようなパワフルサウンドで、今回も相変わらずキャッチーでバリエーションに富んでて名盤の域に入るレベルの作品だ。

 自分的には好きなんだけどやっぱりどこか飽きが来るのはバンドのサウンドの特性上しょうがないのか日本人の性なのか、じっくりと向き合って聴いているつもりなんだけど、どうしても似たような方向性の曲に聞こえるので集中力に欠けるのだ。バリエーション豊かでもあるんだけど、なんだろうね、その感覚。音の質感が同じだからか?でもそれはアルバムってそういうモンだし…、要は自分の取り組み方次第か。数曲単位をバラバラと聴いてるとどれも感動的なんだけどさ。多分ここのところこの手のパワフルなのを聴いてばかりいたからってのもあるから、また機を見て聴いていくアルバムにしておこう。





Battle Beast - Unholy Savior

Battle Beast - Unholy Savior (2015)
Unholy Savior

 旅ってのを気軽に出来るようになると良いな、と。自分の性格の要素の方が大きいんだろうけど、突然どっか行きたい、って思う事の方が多くて、予定を立ててしっかり準備してっていうのは割と苦手だし、かと言って突然の行き当たりばったりでは不安がよぎるし、っていうどっちつかずなルーズなとこあってね。そういうのに慣れてたり大金持ちだったりすれば、そういうの気にすること無くフラリと旅に出れるのだろうが、そういうんでもないからさ。特に飛行機使う場合はそういうの出来ないから、多少は計画的にならないといけない。先日も、とある旅ブログで海外のを見てたんだけど、見事にその場で色々決めてって、飛行機にしようと思ったけど車に乗せてもらって、とかあって、それって飛行機キャンセルか?それともその場で取らなかっただけ?とか色々疑問符はあるのだが、その場での適当な判断と成り行きが羨ましい。そんな気楽な旅、してみたいね。

 女性ボーカルだけどサウンド的に漢なバンド、Battle Beastの3枚目のアルバム「Unholy Savior」。ボーカルがノーラ姫に替わってまだ2枚目のアルバムで、全体的な評判としては前作ほどのパワフルさが鳴りを潜めてしまって云々と語られているのが多いか。そうかなぁ…って聴いてみるんだけど、多少そういう感じもするけどバンドの音の範疇内での変化な気がするけどな。80年代風な雰囲気の中でのアクセプト的なスタイル、実はそこに加えて要素としてダンサンブルってのもこのバンドは内包しているし、クリーンに歌い上げるみたいなのもできちゃうし、そんな技あるなら使わなきゃ勿体無いじゃない、って考えたんだろうか、聴きやすく出来上がっているし、全然素晴らしいアルバムだ。オープニングからもうスピードチューンで何か文句あるか?って感じだし、続く曲もそりゃ軽やかと言えば軽やかだけど鍵盤の活躍でキラキラしているだけで本質はそのままだろうし、新しい血を入れている部分もあるからこういう融合としてのメタルチックなのは見事だと思う。

 あれこれ言っても皆こういうスタイルのバンド、好きだから余計にうるさいのかもね。メタルファンって言うかリスナーって基本的に変化を好まないから、結局なんか文句は出てくる。でも、大抵それを認めさせるしかないし、もとに戻る必要もない。ミュージシャン側はそれを分かってるし、自身の成長を含めて、またリスナーに飽きられない、新しいリスナーを獲得する、的なのを考えればこういう進化はありだと思う。そんな難しく考えないで、そのままキャッチーなメロディとパワフルなサウンドを楽しめればそれで良いでしょ。ホント、凄いんだ、この時代にこんだけ肉体的に暑苦しく攻め込んでくる音ってさ。このバンドは毎回次作が楽しみ。メインソングライターが抜けてしまった今でもそれは変わらない。どういう進化で来るのか、抜けた穴の埋め方にしても楽しみ。こんだけの逸材が揃ったバンドだから何とかしてくるだろうし、ボチボチそのヘンの噂も聴ける頃だろう。






Sabaton - Heroes

Sabaton - Heroes (2014)
ヒーローズ

 ロックってのはホント、自分に影響を与えてくれるし刺激を与えてくれる。自分が学んだ事、学ぼうとした事、興味を抱くことについてのきっかけとなるのは大抵ロックからだ。ポリシーとかプライド、それから英語や詩というもの、メッセージの発し方から英国という歴史、世界各国の歴史、音楽のルーツからその国々の文化、宗教、信仰と人種、そこに様々国の考え方や傾向や経済まで、古代文学や伝統文学なんかもあるし、政治への追求なんてのも出てくるし、そりゃもう何でもロックがきっかけです。何かを聴いて、これってどういう事なんだろ?って興味から調べて、そういうのを歌ってるのか、とか納得したかったし。音でもどこからこういうフレーズとか思いつくんだろ?って来歴調べてったりしてそっちにハマるとかね。それが今でもあるんだから面白い。

 Sabatonの2014年リリースの「Heroes」。コンセプトはタイトル通りそのままに「英雄たち」の物語ってことで、戦争の歴史に埋もれてしまっていた英雄たちをひとりづつクローズアップして歌詞にしているという奇妙なアルバム。これまでも様々なバンドが時事ネタ的にそういう側面からのアプローチで取り扱った曲なんかはあっだろうけど、Sabatonならではのこのコンセプト、説得力があるってモンだ。そこからこれって誰?とかどういう戦争だったんだ?とか世界史に目を向けるきっかけになるんだよね。自分なんかは世界史ってどこからどうやって着手して良いか分からない人間だから、ピンポイントの出来事をひとつづつ漁っていくというタイプで、なかなか全体がつながらないという不器用なアプローチで、何とかしたいと思ってはいるものの、なかなか纏めきれてないので、こういうピンポイントでの取り組み方ってのはわかりやすい。ただ、時代も場所もあちこちに散らばっているんでまたまた繋がらないという難点は残るが…。Sabatonって歌詞が気になってさ、歌詞が分かればもっと興味持てるじゃない?そんな時Spotifyとかだとダメだよなぁ。今どきって日本語の和訳ってやっぱりCD買わないと手に入らないんだろうな。それだけで価値あるんだろうと思う。全部日本盤CDを買わないと分からないか。どっかの英語歌詞をGoogleで訳しても意味不明になるだろうしなぁ…。

 そういいう面からCDっていうフィジカルなアイテムはニッチな価値を誇っているのかもしれない。それとHDD消失というリスクから見れば切り離されたCDは当然優位、音質もMP3とは違って密度が濃い、なんで衰退したんだ?って気もするが…、自分もあまり手に取らないからそういう事なんだが。話が別の方向ばかりに進んでいるがSabatonのこのアルバム、ベテラン領域に入っているからか安定的なSabatonサウンド、80年代メタルのテイストと分かりやすさ、そこにパフォーマンスの高さと漢らしさと戦争というテーマで見事にリスナーを虜にしているし、歌いやすい聞きやすい、それでもメタルリスナーに限らず昔のロックリスナーにも優しいという素晴らしさ、本作でも見事なまでにそのカッコよさはきちんと、以上に発揮されててメンバーがほぼ一新されたにもかかわらず一層ステップアップしていると言えよう。むしろそのおかげで曲作りもスピードチューンが減り、キャッチーな作風へと流れた気もするんで、良い方向に向かってるんじゃないかな。なんかね、一回聴いたり見たりするとどんどんハマってくんだよ。そこに歌詞の面白さとか深みってのが加わってくるから探求したくなるバンドだし、自分の興味的に物凄く刺激的なバンド。んなことでこのあたりのアルバムは良く聴いてる。





Spiders - Killer Machine

Spiders - Killer Machine (2018)
KILLER MACHINE

 時代の流れか、色々と新しくて面白そうなのをロックというカテゴリーから探そうとするとメタル的なのが多く出てくる。そもそも昔で言うハードロック的なのって今は少数派になっているんだろう。普通のロック的なの、って言うとまだポップス領域に近いトコロでいくらかあるんだろうけど、ハードロック的なの、っていうのだと少ないんだよねぇ。ハードロックってかもっとR&R寄りって感じになると更にいない。だからそのヘンってなかなか漁りにくいんだよ。あるんだろうけど探しきれないしさ。だからジャケットを見て何かこのヘン、そうかも、なんて予感だけで聴いていくんだが、それが玉に当たると嬉しいね。今回もそんな探し方で当たった代物、やっぱりロックバンドのジャケットは大事です。

 Spidersというスウェーデンのバンドの2018年3枚目のアルバム「Killer Machine」。どう?このジャケット。古めかしいR&R的な感じがしない?グラマラス的だしさ。しかもど真ん中、女の子だよな?ってやや疑問を抱きながら聴くワケです。そしたらこれがまたど真ん中ストレートのR&Rバンドで、見事にHanoi RocksというかMichael Monroe的というか、スウェーデンだから北欧的メロウな旋律もしっかりと出てきてるし、もうそのヘン好きだったら琴線に触れるの間違いなしのアルバム。新しい取り組みが色々とされているのか、っていうとちょっと何もないんだが(笑)、こういうバンドって無かったから刺激的ってだけで、時代にこういうバンドがいくつかは必要でしょ。今回のSpidersはボーカルが女の子ってだけでその株が更に上がる。いや、こんだけのR&Rを女の子がやるってのはほとんど無かったワケだし、ここで初めてなんじゃないか、ってくらいに思いつかない。Pretendersとかあるけどもっとストイックじゃない?こんだけグラマラスにR&Rしてるのはないもん。グラマラスなのは男の特権だったからな(笑)。

 そんな冗談も含めて実に刺激的。R&Rから妙にダンサンブルなのも含めて若さと勢いと色気がカッコよい。スウェーデンってABBAもだっけ?だからこんなダンサンブルなのあるのか(笑)。R&Rがカッコよいからこういうのもありだし、ワイルドなスタイル感も絶妙。これはね、気に入ったんでもう過去のアルバム3枚ともゲットですね。久しぶりにこういうR&Rで楽しいの聞けた。





Lucifer - Lucifer II

Lucifer - Lucifer II (2018)
ルシファーⅡ

 様々なカテゴリが出ては消え、また淘汰されて後にひとつのカテゴリになったりもするのだが、その中で代表的とされるバンドというのはそうそう多くはないもので、ニッチに分類されればされるほど、ほとんどがそのひとつのバンドがジャンルになっていたりする。近年ではストーナー系というのも実に多種多様のバンドがあるんだけど、多分色々な形容詞が付けられてサブジャンル化していくだろうし、それはおそらく一つづつのバンドを指す事になるのだろう。それでもそのストーナー系という枠組みの中で今の所最も評価も人気も実力も知名度も高そうなのがこのLuciferになるのじゃないだろうか。知名度はさておき、容姿でも妖艶ないかにもサイケデリックorオカルトな雰囲気がバンドの人気にも拍車を掛けているように思うがそれもそのはず、見事な妖艶さ、人気あるのも分かる。

 Luciferの2018年セカンドフルアルバム「Lucifer II」。色々とメンバーチェンジもあって結局3人しかジャケットには写っていないし、それも永久にこのままのバンド編成だろうとは到底思えないのだが、それはどうでもよくて、多分妖艶ボーカリストのヨハナ・サドニスのソロプロジェクト化していくんだろうという感じ。だから音楽性にはある程度の一貫性は保たれているのだけど、今後も含めてパートナーになる人物によってはどんどんと変貌していくんだろう。今の所旬な時期なのでヨハナ・サドニスの怪しい歌声が見事に生かされたカルト風味な雰囲気とレトロチックなスタイルのサウンド、ややコケティッシュなPVのイメージと共に実にヨーロッパ的なスタンスでの楽曲が多数収録されていて、この手のバンドにありがちな飽きが来ない秀逸な作品に仕上がっている。この辺は見事だと思う。それだけ楽曲レベルが高いと言うかバリエーションに富んでいるというのか、ヨハナ嬢の歌声だけだと当然一本調子になってしまうところが楽曲とバック陣営でそうはさせない味わいを出しているようだ。よく練られている。

 PVのYouTubeのトップ画像が見事に白馬に乗る王子様ならぬヨハナ嬢、ということで先日のWytch Hazelのアルバムジャケットと被るのも面白いな、って事でここで登場したんだけど割とチェックしてたんで7月のアルバムリリース時から聴いてた自分的にはやっぱり推しなバンドのひとつ。レトロチックなだけじゃなくてオリジナルなメロディラインとややキャッチーなスタンスもあったりして面白いんだよ。見ていて飽きない美貌が売りなのはもちろん良いし、世の中ナメてる感も好きだね。それでいてこのグルーブ感、やはりよく出来てる。




The Crystal Caravan - Against The Rising Tide

The Crystal Caravan - Against The Rising Tide (2010)
Against The Rising Tide

 昔みたいに王道バンドが世界を制するなんてのはこれからはなかなか出てこれないだろうと思う。既に今の時代は誰も彼もがニッチな世界でのメジャーにしかなっておらず、それだけで食っていくみたいな世界になっている。だから万人に知られているバンドとかってのはあんまりない。それでもきちんと固定のファンにサービスを施して商売を成り立たせているし、長年活動している。まるでインディーズみたいなものだが、それがメジャーでも同じ手法になっているのだな。だからプロとアマチュアの境目が色々と消えかかっているとも言えるし、商売ってのはそうやって成り立つのかというのもある。もちろんプロの世界の人たちは明らかにプロだからニッチな手法でもしっかりとプロらしさが出ているのだが。

 The Crystal Caravanなるスウェーデンのバンドの2010年リリースのアルバム「Against The Rising Tide」。実に正統派なハードロックを現代に蘇らせている希少なバンドの一つで、70年代的な熱い時代のハードロックそのものを音と共にボーカルの暑苦しさで表現しているという稀有な存在。UFO的とでも言うのかな、ストーナー的要素はないのでドロドロ感はしないのが良いな。思い切り昔のハードロックってトコで、ボーカルの暑苦しさはロジャー・ダルトリーを彷彿させるようなスタイルでもあるし、なぜかパーカッションがポコポコと入ってるのが不思議。どういうエッセンスでこれを入れたがったんだろうか?邪魔じゃないけど、何だこれ?って気になるのは確かなので、そういう狙いなのかも。

 ギターソロにしてもベースプレイにしても実に古臭いスタイルで味わえる熱気、好きですね、こういう暑苦しさって。何度も何度も聴く代物になるかどうかはやや難しいけど、何度と無く聴いてたら多分ハマっちゃうんだろうと思う。スウェーデン的な要素ってのがあんまり出てこないから英国B級ハードロックそのまま感あるし、騙されたと思って聴いてみても面白いでしょ。




Witchwood - Litanies from the Woods

Witchwood - Litanies from the Woods (2015)
Litanies from the Woods

 Garagebandでも出来るのかもしれないけど、過去のデータの蓄積からある程度の音楽のパターンを解析して何々風みたいなのができればそこにコードを多少載せていく事でそれ風な曲が出来上がってしまうみたいなこと、あるんだろうな。AIが発展していくとそれももっとイージーに出来るだろうから、そうするとノスタルジックな何々風の曲とかバンドってのは割と簡単に出来上がってしまう、即ち商売にはならなくなる、なんてこともあり得るだろうか。人間の発想力がAIの分析力に負けるとは思いたくないけど、ある程度は追いついちゃうんだろう。誰でもできちゃったら商品価値ないもんなぁ。でも、やっぱりこういうグルーブや雰囲気ってのはナマじゃなきゃ無理だろう。

 イタリアから出てきたWitchwoodというバンドの2015年リリース作「Litanies from the Woods」。これもまたレトロ回顧主義なハードロックスタイルのバンドというモノだが、イタリアってのが気になってね。やっぱり巻き舌の情熱カンツォーネ熱唱スタイル、なんてのがイメージとしてあるからさ、アメリカのそれとは大きく異なるだろうと。そんな期待を込めて聴いてみると案の定、巻き舌直前まで行っている歌いまわし、そして案の定隠し切れなかった情熱的なボーカルスタイル、イタリア人の血はやはりこういう情熱感にあるもんだ。熱唱しちゃうんだよ、そしてギターソロにしても曲にしても懐古主義なくせにメチャクチャ叙情的で盛り上げてくれる、単なるレトロにはなりきれないイタリアの血、それが見事に70年代ハードロックと融合して、あの時代のイタリアンロックにあってほしかったストレートなハードロックへのアプローチ、それが実現できている。ユーライア・ヒープ的なオルガンが入っていたり、ジェスロ・タル的なフルートがあったりすることでそういう書かれ方をしているようだが、自分的に感じるのはそれよりもイタリア人的気質の表れが見事に反映されているという楽しさ、だね。

 とは言うものの本人達も70年代ハードロックからの影響は否めないどころか好きだと公言していることからすると当然オルガンやフルートの使い方はそのヘンを意識しているのだろうし、9曲で70分という長尺主義はイタリアンロックの系譜からすれば当然の成り行きか。これを長いと感じるか頼もしいと捉えるかは過去どんなモノを聴いてきたかによる感覚の違いか。自分的にはずいぶんと楽しめる尺だから必要だったんだろうなとも思うし、それだけ楽しめたのもある。そしてアルバムジャケット、これも良いでしょ。Springを思い起こすような赤のマントの流れ方、バンド名とタイトルに相応しい情景、芸術的によく出来たアルバムで、そこらのレトロなバンドに比べたらずっとオールドリスナーを楽しませてくれる作品。




Abramis Brama - Dansa Tokjvelens Vals

Abramis Brama - Dansa Tokjvelens Vals (1999)
Dansa Tokjvelens Vals

 ヨーロッパのバンドも普通に洋楽として、と言うかハードロックやメタルの世界からでしかないのだろうけど、普通に着目される、新譜が取り上げられたり国内盤がリリースされたりするようになったのって90年代初頭くらいからかな、その頃は自分的にはさほど興味も持たずに専ら70年代を漁っていた時期だったけど、仕事柄こんなのあるのかぁとかヘンなのたくさん出てるなぁ、誰が買うんだろ?ってムサ苦しい兄ちゃん達が買ってくのを見てた感じだ。それがまさか最先端のシーンを追いかけていてヨーロッパの世界観を日本に入れている情景だったなんて思いもしなかった。後で振り返ってみればそういう事だったんだなと分かるけど、当時はもう全然。それが今自分で多少聴く事もあるものになっているんだからね。

 Abramis Bramaってスウェーデンのバンドの1999年のファーストアルバム「Dansa Tokjvelens Vals」。この頃から既にストーナー系というのか、そんな単語は出てこなかったとは思うけど、70年代のレトロロック回帰バンドのひとつだ。ただ、どうしても時代の背景から疾走感や歪み具合からするとメタルチックな感触が強いから、こいつを聴いてBlack Sabbathだなぁ、って言うのもそこまで思わなかったかも。今の時代のストーナーバンドと同じことやってるんである種最先端の先をやってたってことになるが(笑)、人間椅子的って方がわかりやすいのかな。好きだけどね、このギターのディストーション具合とワイルドな感じのドラムにチープな歌声と取ってつけたようなメロディ、ロックはリフで持っていくんだぜ、って意思を明確に感じ取ることの出来る見事なこだわり、素晴らしきサバス愛。

 1999年にこんなんあったんだなぁ…。スウェーデンって進んでたんだ…じゃなくて遅れてたのか?どっちでも良いがArch Enemyとか出てきてた頃だからやっぱ捉え方がちょいと変わってたんだろうな、と勝手な推測。んでもこれ、カッコよいわ。サバス的と言う割には案外バリエーション豊かな曲調が並んでいるのも魅力的で飽きさせないし、雰囲気もあるし、それだけではなかなか世界のシーンには訴えきれなかったのかもしれないけどさ、今でも活躍してアルバムリリースしているんだからようやく時代が追いついてきたのかもね。







Honeymoon Disease - The Transcendence

Honeymoon Disease - The Transcendence (2015)
The Transcendence

 古い音源をどんだけリマスタリングしてハイレゾ化したトコロでどんだけ違うんだ?って思う部分もある一方、やっぱり音分離がしっかりして伸びやかに聞こえるかも、なんて思う部分もある。70年代くらいまでのだとそこそこのハイレゾ化音源までしか無さそうなので、無茶苦茶な期待は出来ないけど、やっぱり迫力は凄いよなとかチョコチョコと納得。ただ、もうあんだけ聴いてたレコードとかのハイレゾ化っても、そんなには聴こうって気にはならないな。聴くと燃えるけど(笑)。ただ、好きなものってずっとそのまま好きだからこういう形でいつでも聴ける、良音で聴ける環境が整ってるってのは良い事だなと素直に思う。

 Honeymoon Diseaseってスウェーデンのバンドの2015年リリース作「The Transcendence」。2015年にリリースなんたけどさ、いや、ホントにそうなんだろうけどさ、聴いてみると音は70年代終盤にあっておかしくないサウンドそのもの。音の古さもきちんと再現されているし…、今時ってこういう古いレトロチックな音がデジタルの駆使で出来上がるんだから面白い。カネ掛けて古さを再現してるんだからねぇ…。んで、レトロチックなのは何も音だけじゃなくて楽曲とかリフとか、何よりも歌声(笑)。いや、歌声が古臭いってそんなの無いだろ、って思うんだけど、実際に聴いてると歌声とメロディが古臭い、やっぱり歌声が古臭いんだ。ヒステリックに叫びまくる歌唱で、70年代のお転婆娘達が散々歌っていたスタイル、Babe RuthとかCatapillaとかそういう類の感触でさ、見事なまでにヒステリックスタイルで素晴らしい。楽曲のリフやらアレンジやらも古臭いしドラミングなんてもうどうしようもなく古臭い。そんな研究してからやってるのかな、いや、凄く研究してからのこういうスタイルなんだろうと思うが、そのレトロ感が実にハマる。

 こういうの最近の若者が聴くと斬新なんだろうな。もうちょっとブルース色があったりしても面白いだろうと思うけど、これで北欧から出てくるバンドなんだから不思議。どういう文化圏だったらこういう影響下に自分たちを置けるんだ?そして何とも驚くのはこんだけのギター弾いてるのがAcidという名の女性って事だ。スゲェ良いセンスのギターだしさ、音は少々荒っぽいけど、ツボを得たスタイル。んでリズム隊は男たちだからかきちんと太いボトム支えているし、ありそうで無かったスタイルのバンド、キャッチーさもあるしハードさもあるし、なんかカッコいい。






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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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