Snowy White - White Flames

Snowy White - White Flames (1983)
White Flames

 職人気質のミュージシャンという人がメジャーシーンを支えている。そもそもスタジオミュージシャンとして名を馳せて行った人達と元々はバンドやそれなりの前線で出てきたけど、気質的に職人芸に入っていった人と分けられると思うが、後者の代表例とも言える人がスノーウィー・ホワイトになるのかな。なんかねぇ、いぶし銀ってかさ、職人気質なんだろうなぁというのがあって、自分的に一番良く見かけるのはロジャー・ウォーターズのライブ映像でね、ほとんどのライブ映像作品には出演してるんじゃないか?ゴールドトップのレスポールが日を追うごとに剥げてってさ、カッコ良いんだよ。コイツガ女房だよ、ってなくらいに弾き込んでてそれしか使ってないだろってくらいに使ってる。そしてまた良いトーンが出て来るんだよ、59年頃のヤツなんだろうか、素晴らしいんです。

 そのスノーウィー・ホワイトがThin Lizzyから離脱した時にリリースした自身の名義のソロアルバムとしては最初の作品となる「White Flames」、1983年の出来事。確かののジャケットじゃなかったと思うけど、昔も聴いたことあるアルバムだなぁと懐かしく思いつつ聴いているトコロで、いやはや、こんなに渋い作品だった、な、確か、と改めて思った。Thin Lizzyのハードなギタープレイやロジャー・ウォーターズやピンク・フロイドでのセッションから想像するにブルースベースでの弾きまくりプレイでもあるのかな〜って想像してたらとんでもなくアダルトな大人のサウンドが飛び出してきて昔のロック少年にはまるで響かなかったという記憶が蘇ってきたが、それから何十年経ってこうして聴いていると、なかなか渋くてよろしい、という感想になっているんだから面白い(笑)。

 ブルースギターベースなのは間違いなくって、ギターソロが鳴るトコロは確実にそのままなんだけど、音楽全般としてはかなり落ち着いた雰囲気の曲が多くて自身で歌っているのもそうだけど、きっちりとフュージョンやサンタナ風、いわゆるテクニカルギターインスト風だったりしてミュージシャンとしてのアルバムになってる。ともすればジェフ・ベック的なアルバムとも言える曲もあるし、なかなかバリエーションに富んだ作品に仕上がっていて玄人向けと言うべき作風か。その中で「Bird of Paradise」という曲で全英6位を獲得したヒット作のある人なんですよ、うん。このアルバムに入ってるしね。




Brinsley Schwarz - Despite It All

Brinsley Schwarz - Despite It All (1971)
ディスパイト・イット・オール

 こんだけ聴いて書いててもまだまだ通っていないジャンルやアルバムなんてのが山のようにある。しかも70年代のロックって限定してもまだあるんだから恐ろしい。英国の、って限定しても同じだし、どんだけ音楽産業ってのは広くて欲深かったのか、そして言い方を変えると実に深い森の中を彷徨う趣味なのか、となる。ココのトコロね、パブロックとかスワンプとかちょこっと聴いてて、あぁ、そういうトコにルーツがあるのかな、とか思うんだけど、当然と言えば当然だし、意外と言えば意外なことにトラッドとの共通項もしっかりあるんだなと。何か奥深いなぁ…ってね。

 Brinsley Schwarzってバンドの1971年のセカンド・アルバム「Despite It All」。ちなみにブリンズレー・シュウォーツってのはこのバンドのギター、ボーカルの人の名前でして、そりゃまぁバンド名にしたくなる珍しい名前ではあるわな。ずっとバンド名だと思ってたもん。んで、昔からこの手のバンドの筆頭格ではあって、聴いたこともあったけど全然ダメでね、ロック的じゃないじゃない?フォーク・ロック系もそもそも好きじゃなかったし。だからこの辺は結構スルーだった。んで、色々あって聴いたりもしたけど、今回聴いてて思ったのは、こんなに英国トラッド系に近い音だったっけ?って。アルバム最初の曲のインパクトがそう思わせたんだろうけど、軽快なジグにフィドルさばき、こいつはご機嫌じゃないか、ってね。アルバム通して聴いていくとだんだん大人しい作品に聞こえてくるし、お?って引っ掛かるのも少ないのは確かなんだけど、この心地良さはさすが。

 アルバムジャケットの印象が強いよなぁ。何なんだ、この爽やかなイメージは、って言いたくなるくらいに中身の音は湿ってるという当然の帰結。ブリンズレー・シュウォーツってジャケット結構意味深でカッコ良いよね。このアルバムはまだ初期のカントリー・ロックの影響下にある作品と言われているようで、聴いてみても確かに突出した出来というものでもないように思う。ただ、英国でこの時期にここまで上手くアメリカ寄りながらも英国らしくブレンドされたフォークロックって多くはなかっただろうから注目されたんだろう。当然それは若者が求めてたロック感とは違う部分での刺激だったとは想像するけど、そもそもポップな部分も多いし、割と普通に受け入れられたのか。自分的にはなるほど、面白い音かも…でも飽きなぁ…、ですが。



Help Yourself - Help Yourself

Help Yourself - Help Yourself (1971)
ヘルプ・ユアセルフ(紙ジャケット仕様)

 今の時代に至るまでも英国のロックシーンはホントに多種多様なものを吸収して、そもそも新しい音楽を開発していこうなんて意識なしで勝手に新しいものが創造されていってる。何かを聴いてこういうのやりたいな、ってトコから始まって独自解釈と自分達で出来る範囲での取り組みから始まると、いつしかそれはちょいと何かとミクスチュアされていって英国独自のものとなっていく、なんてことが多い。逆にアメリカが英国ロックを真似した場合はほとんどそのままでアメリカの快活さが必ず入ってくるのでもっとシンプルになる事が分かってるからどうしてもすっきりしてしまうんだな。

 パブロックの創始者的な立ち位置にあるHelp Yourselfの1971年のデビュー作品「Help Yourself」。実際パブロックというジャンルが出てきたのはもうちょっと後だから、どっちかっつうとスワンプ=カントリーホンク的なサウンド、ニール・ヤングとかフォーク・ロックのウェストコーストサウンド系なんだけど、単純にそういう風には聴こえないのが面白い。やっぱり快活さとか本来のアメリカのカントリー的な乾き具合が事実無いからこういうしっとりな音でのカントリータッチになっちゃうんだろう、だから故に英国での独自ジャンルになっちゃうんだよね。面白い。このアルバムでももちろん狙いはCSN&Yあたりの音なのだろうけど、自分達なりの解釈が入ってるから曲によってはカントリーなのにプログレ的な展開を感じる「Old Man」なんて曲もあったりして、一言でスワンプの筆頭格、というのもどうかという部分はある。

 最初は衝撃的だっただろうと思う。クラプトンやストーンズ、キンクスなんかがこぞってこういう世界観のアルバムをリリースしていった時期だから流行していたんだろうけど、やっぱりこれだけだとしんどいよね。バリエーション豊かな曲を、ってもなかなかそうはならないし、あまりやりすぎると冗長にもなるし、そのバランス感覚を持っているバンドだけが生き残っていくことになるのは当然の流れとなった。70年代ってのはそういうのシビアだったもんね。自分的にはやっぱり好んで聴くタイプのバンドではないけど、何かとバンド名は出てくることが多いから聴いたことあった次第。リラックス出来て良いのはあるね。





Ernie Graham - Ernie Graham

Ernie Graham - Ernie Graham (1971)
アーニー・グレアム(紙ジャケット仕様)

 パブロック…、スワンプ系…、英国で起き続けていたシーンの変化とその呼称、カテゴライズとも言われるけど、それが自分の中で消化しきれないのがこのヘン。フォーク・ロックからスワンプへ、そこからパブロック、さらにはパンクへの発展とどうにも結び付きにくい発展形ではあるが、そういう系譜になるはずだ。その前になると今回のアーニー・グレアムが在籍していたEire Apparentの「Sunrise」はジミヘンのプロデュースによるアルバム作りだし、話題には事欠かないのだが、それこそがロックの系譜のひとつでもある。

 Ernie Grahamの1971年リリースの唯一のソロアルバム「Ernie Graham」はバックにHelp YourselfやBrinsley Schwarzを従えてのアルバムで、フォーク・ロックという中での傑作アルバム、この後にThe Kinksの「Muswell Hillbilies」が出てきたのを聴くと、こっちのが全然先に辿り着いていた世界だったか、と改めてこのアルバムの先取り感が判ってくる。しかもそれがまた名盤なんだな。フォーク・ロックと言ってもそれだけじゃなくって、しっかりジミヘンばり、とは言わないけどちょいとナヨいギターでのオブリがガンガン入ってくるのもあって「Blues To Snowy」なんてのは相当にカッコよかったりするし、「Belfast(!)」なんてのはもうフィドルがキレッキレで美しくも悲しく素晴らしい。他は大体あんな感じのフォーク・ロックでレイドバックしたヤツね。だからロック的な熱さみたいなのは総スカン。ところがその歌心で人を惹き付けていくという作品。

 歌が上手いというんでもないしバンドが凄いってんでもない、やってる曲が複雑なわけでもなく
普通にシンプルに歌ってギター弾いてゆったりしているだけ。それが気取っていないトコロで、その気取らなさが売りになるってのに気づかせたという意味では大きい影響を与えたんだろうと思う。そのバックをしっかりと支えている連中もそれぞれ後に大したバンドになっていくワケだし、年を経てようやくにしてこの味わいを堪能出来るようになった自分です。そんだけ名盤なんだよなぁ…。






Bronco - Country Home

Bronco - Country Home (1970)
Country Home/Ace Of Sunlight

 ロバート・パーマーとフランキー・ミラー、それに本日登場のジェス・ローデンってのが英国三大ブルーアイドソウルシンガーです、なんて初めて知ったわ(笑)。どれもこれも無名な方々で構成されている括りじゃないのか?って感じだけど、自分が接した頃はそういうの無かったのは確かだけど、後になってそういう括りも出来たのかもしれない。いや、多分そうだ。30年前とは色々と変わってきているだろうし、追記されている歴史部分もあるのだろう…、そっか…。そんな事を思いつつもちょいとアクのある歌声を持つシンガーが気になってアレコレ聴いている日々、なかなか色々と面白いものもあって楽しめる。

 Broncoってバンドの1970年リリースの「Country Home」。セカンドの「Ace Of Sunlight」の方が知られているので自分もそっちを随分前に聴いていたけど、まだまだこの手の音楽をロックだぜ、として聴いていられるほどの許容もなかったしね、ほとんどまともに聴いてない。まぁ、ところどころで聴くとそれなりの興味は湧いてきたりするんで、徐々に受け入れられるようにはなっていったんだけど、やっぱり基本的にギターが好きなロック小僧としてはさほど影響を及ぼすものでもなかった。そんな事ではあるけどリスナーとしてこの渋さと言うか、確かにパブで簡単にうるさくなく演奏できそうな曲ってのはThe Kinksの「マスウェル・ヒルビリーズ」を彷彿とさせる雰囲気でなかなか聴きやすい。ジェス・ローデンの歌声も熱唱系なブルーアイドソウルってんでもないからそこまで言われる程の人なのか?って思ってしまうが、きっと他のアルバムやソロアルバムなんかじゃ凄いんだろう。いずれ聴かないとね。

 さて、この「Country Home」という作品、全くパブロック、と言うかフォーク・ロックなんだろうな、基本。アメリカのと違うのはどこかフワフワっとしたトコロとヒネリのセンスなのだろうか、流しのライブ的な曲調が多くて大変聴きやすい。ちょいとイメージ変わった。このジェス・ローデンって人、フリーのコソフのBack Street CrawlerやMott The HoopleやKeef Hartleyあたりの作品にも参加してるし、そもそもがBand of Joyのメンツとのバンド結成がこのBroncoだし、かなりど真ん中の渋いトコロを突いた活動だったんだけどね、結局は実力のある渋めの人、で終わってしまっている感があってもったいなかったのかも。かと言って漁るか、って気にもならないしな…。作品もメンツも良作なアルバムです、はい。





Jade Warrior - Jade Warrior

Jade Warrior - Jade Warrior (1971)
Jade Warrior

 ロックというフォーマットにこだわりを持っていないという発想、それがまず第一なのだが、そうするとどうなるかと言うと、まずバンドメンバーと担当楽器にこだわりがない、と言うか、メンバーによって担当楽器がある程度決まるので、それで限られた中で何をどうやって音楽するか、みたいな考え方もある。大抵はそっちの方が大きいんだろうな。狙った音楽を作るためにそういうメンツを揃えるってほどの人脈や明確なビジョンを持ってやっていけた人は多くないだろうし。

 Jade Warriorの1971年のデビューアルバム「Jade Warrior」はどういう表現をして良いのかかなり困るサウンドが収められている。ヴァーティゴからのリリースなので、そういう音という形容詞で知ってる人は分かるんだろうけど、一般的な目線での説明は多分ムリだ。メンツからして、ベース・ボーカル担当とギター、それにパーカッションとフルート担当という3人での編成、Julyからの残党が二人在籍していることでその流れで語られることが多いけど、決してサイケではないし、どっちかと言えばハードロック路線ではあるけど、ドラムがドカスカ叩かれることが一切無く、あくまでもパーカッションだけなので何がハードロックなんだ?ってくらいにはスカスカ。ギターだってヘヴィだけどいわゆる歪んだ音でのコード弾きってんじゃないからハードロックとは違う。多分、ヘヴィに鳴るギターの入った土着的サウンド、とでも言うべきか、それでいて英国特有の雰囲気の歌メロなりが入ってくるんだからよく分からない。このバンドを言葉で語るのはとっても難しい…。

 透明感溢れるサウンドも持ちつつ、ヘヴィにギターをかき鳴らすこともあり、まだまだ部分的にサイケ感覚を持ち越している部分もあるが、フルートやバイオリンなどが出てきてパーカッションでリズムを盛り立て、独特の世界観を打ち出している、未だ唯一無二の世界。ジャケットやバンド名にあるような和風なイメージは音にはほぼ無関係で、神秘的な側面というトコロからまだ当時そこまで知られていなかった東洋の日本のイメージを持って謎に輪をかけての売り出し戦略だったのだろう。きっと多くの人達が日本風ってのはこういう変わったものなのか、と勘違いしたままに違いない(笑)。



Hummingbird - We Can't Go On Meeting Like This

Hummingbird - We Can't Go On Meeting Like This (1976)
密会(紙ジャケット仕様)

 ボブ・テンチさんってベックのトコロでやって有名になった人で、そこから名前を知った人も多いと思うし、実際そこからが売れっ子ミュージシャンへの道のりになったようだけど、職人芸的に色々やってて、好みはやっぱり黒い系のギターや歌やノリなんだろうね、やってる仕事が大抵そういうのばかりで、コテコテに暑苦しくてわかりやすい。ただ、それでもやっぱりセッション・ミュージシャンという枠組みからは出られない印象もあるんだけど、それは自分だけかな、ナイスなサイドマンという感覚なんで…。

 Hummingbirdの1976年リリースの2枚目のアルバム「We Can't Go On Meeting Like This」。ベック・グループから派生したバンドがHummingbirdで、メンツはボブ・テンチ、マックス・ミドルトンにバーニー・ホランド、そしてこのアルバムからはドラムにバーナード・パーディーが参加、そしてクライブ・チェアマンと凄いだろ、って言うか、渋いだろ、って感じかな。その筋では有名な方々なんだけど、その筋でしか通じない有名度合いでして…、そんなマニアな連中が集まって超絶なR&Bグルーブバリバリのソウルをやってる。ん〜、でもロックなんだろうな、これ(笑)。やってることは明らかにR&Bベースな音で歌だってあの調子で真っ黒の暑苦しい歌だし、リズムだってベースだって真っ黒系だし、鍵盤がロック的なのか…、出てくる音は限りなく黒に近いロック。しかもドライブ感が凄い。これはもう偏にドラムの素晴らしさがそのままノリに出ているというトコロか、凄いグルーブ感。

 そこに歌もギターも鍵盤もベースも見事に真っ黒な連中がブイブイとやってくれてるから女性コーラス陣も入ってきてそのまんまの世界。なんでロック畑にいるんだ?って思うが、聴いてるとロックなんだよ、それでも。何だろうねぇ、その境目。面白いわ。曲だって結構ノリが良いし演奏も良いし斬新なバンドだったし、メンバーの知名度もキャリアも見事なモンなのに当時はなかなか売れなかったのかな。今でもそりゃ玄人向けのバンドになっちゃってるけどさ、もっと知られても良いバンド。





Humble Pie - On To Victory

Humble Pie - On To Victory (1980)
オン・トゥ・ヴィクトリー

 リスナー側にとってのバンドのイメージと演奏側からしてみた時のバンドという器ってのは大きく異なるのだろう。だから故同じバンド名で全然違う音楽だったりメンツが異なっててもその名義でリリースしたりすることが出ているんだろうしね。それが認められるかどうかってのはリスナー側の話だけど、リリース側はそういう名義だから、ということでリリースしているので、どうあってもバンドのカタログのひとつにはなるワケだ。今に至るまでそんなのありかよ、ってアルバムはいくらでも世の中にあるが、だからといって認められないワケじゃないからやっぱりリリース側のこだわりが長い時間経過してみれば正しかった…ってか狙い通りの効果を出しているってことか。

 Humble Pieの1980年の再結成アルバム「On To Victory」。これもまたスティーブ・マリオットがSmall Facesの再結成が解体した後に同じようにHumbel Pieの再編を目論んでメンツ集めしたトコロ、ジェリー・シャーリーは一緒に出来たものの、他は揃わずでボブ・テンチなんかを誘っての再編成、結果的には別バンドのようなモンだけど名義はもちろんHumble Pieだし、このジャケットでもハンブル・パイなのだ。肝心の音楽性はと言えば、もちろんスティーブ・マリオット独裁政権のアルバムだから思い切りスティーブ・マリオット色が出ているワケで、良くも悪くもあのまま。それでも新たな試みはいくつも手がけていて単なる再編成ってんでもないけど、単純にマリオットがやってみたかったことをやってるだけかもしれない。

 この時代になってしまうとこういう音って一体何がしたかったんだ?ってな話になっちゃうくらいには古めかしいいつものR&B色風なロック、そしてスティーブ・マリオットの暑苦しい歌声は相変わらず健在だから想像できるってもんだろう。かといってポップ寄りでもないし、R&B面が強い訳でもない。上手くやればそれなりの作品として位置付けられたんじゃないか、と思うくらいには良い出来映え。でも、多分どこか好かれなかった側面があったからこそのカタログから無視され続けているアルバムになっちゃってる、気がする。フラットに聴くと、ちょっとくたびれてるし、特筆すべき所もないけど良いアルバムに思える。





Chicken Shack - Accept

Chicken Shack - Accept (1970)
Accept

 これだけ色々な音楽が氾濫していて自分で選びながら聴くのが普通だし、せいぜい友人やブログなどで他の人に紹介してもらう程度でしか拡張性はないのだろうけど、それでは勿体無いくらいの素晴らしい音楽が溢れている。自分の好みって皆が皆多方向にあると思ってて、それを他の人が知ることは多分無理だからどうしても自分の感性のアンテナってのは自分で立てておかないと反応しにくいから人任せってわけにもいかない。でもさ、やっぱり聴いておくと面白いよ、もっと若い頃に知ってたらもっともっと突っ込んで聴いてたしギター弾いたりしてたもん、なんていいたくなるアルバムも数多くある。油断できないんだよね。

 Chicken Shackの1970年リリースの4枚目の作品「Accept」。ジャケット地味だし、多分人気的にも地味なんだろうと思う。70年頃からのチキン・シャックってどうも地味でウケない印象しか無くて、初期の作品も太鼓判押されつつもどこかチープで線が細い感じあったからど真ん中で聞く事なかったし、それがこのヘンからは結構ど真ん中のブルースロックを中心に、発展させて英国ブルースロックの幅を広げながらアルバムを創り上げてて、かなりの佳作に仕上がっていると思う。あまり人気もなくてそんな風に評価されてるのを見たこともないけど、結構レベル高くて楽しめるアルバムだよ、この「Accept」。

 この後バンドのメンバーが異動していってチキン・シャックは崩壊の道へと進むけど、この頃はまだクリスティン・パーフェクト離脱後のメンバーで頑張ってて、後釜にUFOのポール・レイモンドが参加してやってくれるじゃないですか、って褒めたくなります。しかも楽曲が一辺倒なブルースロックだけじゃなくてホント多彩なサウンドにアプローチしていてそのあたりはブルースロックバンドと定義されることの方が狭量なものの見方にすらなってしまっているんじゃないかと。The Kinksの中期みたいな感じをイメージして、もちょっとブルースロックテイスト強いというような感覚か。名曲って感じのがもっとあれば変わったんだけどなぁ…、ブルースロックからの発展系にオリジナリティ路線が弱かったのが難点か。んでも良い味出してるアルバムです、これ。



Van Morrison - Astral Weeks

Van Morrison - Astral Weeks (1968)
アストラル・ウィークス~デラックス・エディション

 長々とロックを聴いててもそれは単に好きなモノを聴いているだけで多少の開拓はしつつもまだまだ知らない名盤や凄い作品なんてのはたくさんあるんだろうし、そういうのに出会えるウチに出会いたい。自分の感性・感覚だって歳と共に変化していくものだからそのタイミングで感動できたりすれば良いんだけどね、結局ロック好きってことは熱い魂の篭ったのが好きってことで、表現に違いはあれども発散しているエネルギーを感じ取りたいということに他ならない、と自分では思ってる。それは超暗い静かな音であっても同じだという矛盾も含めて、ですね。

 Van Morrisonの1968年の作品「Astral Weeks」。この突き刺さり方は尋常ではない。この50年間でこういうのってそうそう無い作品なんじゃないだろうか。誰が聴いてもこの熱い魂は分かるだろうし、とにかく溢れ出てくるエネルギーを何とかしたい、っていう激しい思いだけが出すぎていてそのままアルバムになっちゃったとでも言うべき作品。バックの音だって静かなアコースティック楽器ばかりだし、ともすればジャズですらあるし、しかもほぼ全てインプロに近いレベルでの楽器陣営だし、ロックとは程遠い作品なのかもしれないけど、どこからどう聴いてもロックだ。Van Morrisonのこの熱い魂は一人だけでもロックだ。さすがにアイルランドの雄、今でも残っている現役な人だけあって若い頃からとんがりまくってます。ファンからすればこのアルバムが異色な作品で数あるVan Morrisonの作品の中でも異彩を放っていると言われているが、そりゃそうだろう。こんなのそうそう出来ないもん。

 ホントにね、歌を除くと何だろこれ?ってくらいに静かな音ばかり。でも歌が全てを引っ張ってて、歌の流れに合わせてバックがそれぞれのプレイヤーがそのインプロに着いて行ってプレイしているもので、そうじゃなきゃこれ出来ないだろ。譜面じゃ無理だろうしセッションで出来上がると言うものでも無さそうだし、何か凄いプログレッシブなスタイルでのアルバム。やっぱりこの頃ってのはアイディアがアレば何でもやってみてアグレッシブな作品が出来上がったんだなぁと思う。時代の成せる業、いや、でもこれは凄い。初めて聴いた人には衝撃的だろうし、何度聴いてもコレは驚く。そしてVan Morrisonのこぼれ出てくる魂を毎回感じ続けて味わえる凄み。うん、どう聴いてもジャジーだけどロックだ。





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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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