Gizmodrome - Gizmodrome

Gizmodrome - Gizmodrome (2017)
ギズモドローム『ギズモドローム』

 来日公演が発表されてから話題になったので自分もそんな情報の中で知ったプロジェクトがこのGizmodromeというものだ。メンツが面白くて、ポリスのドラマー、スチュワート・コープランド、ギターはエイドリアン・ブリュー、ベースは何とLevel 42のマーク・キング、そこに一時期PFMで活躍していた鍵盤奏者のヴィットリ・コスマという人物が参加していると言う。元々ヴィットリ・コスマとスチュワート・コープランドのユニットから始まっているって話なので、単純にスチュワート・コープランドのソロアルバム的な試みの発展系なんだろうなぁ。出来上がってきた音を眺めていたらそういうメンツが周囲に上がってきて誘ってみて良い感触だったとか、そんなお話なんだろう、と勝手に想像。

 Gizmodromeの「Gizmodrome」。メンツの来歴からして、どう見ても軽くてポップでキャッチー、あ流れるようなサウンドが中心だろうなぁ…、でもマーク・キングが気になる…、くらいだったんで音を聴いてみて妙に納得した。エイドリアン・ブリューの天才的な変幻自在なギタープレイはホント、こういう流動体の中では実に合間を縫ってプレイされていくという器用さ。それでいてクリムゾンなんだもんなぁ…、不思議な人だ。そして期待のマーク・キングのベース、素晴らしい。Level42のあのスラップはほとんどないけど、それでもこんだけの存在感は見事。スチュワート・コープランドのドラムの音があんだけ軽いからか、マーク・キングのベースの音が実にマッチしてて抜けて出て来る質感が素晴らしい。そこにブリューの変態的なファンキーなギタープレイ…、どんだけハイレベルなサウンドなんだ、こりゃ。

 多分誰も聴いたことのない快活で軽快でご機嫌でテクニカルで楽しめてスカッとする素晴らしい音楽が詰め込まれているので、メンツに騙された人も興味本位で聴いた人も、好奇心旺盛な方も多分脱帽するサウンドです。凄いわ、驚くばかり。しかもこれイタリアで録られてるらしいからか余計にその明るさの抜けが見事で何度となく繰り返して流したくなるアルバムに仕上がってる。この分だとライブも相当楽しそうだ。




Jethro Tull - Thick A s A Brick Live In Iceland 2012

Jethro Tull - Thick A s A Brick Live In Iceland 2012
『ジェラルドの汚れなき世界』完全再現ツアー~ライヴ・イン・アイスランド 2012 [DVD]

 英国からしか出てこないだろうなぁっていうくらいには典型的に英国的なバンドってのもいくつかあるが、ほとんどは当然ながらそれほど売れているようなモンではない。名前は知られていたり代表曲があったりはするけど、それは一時期だけの話でその時期が過ぎればまた英国の田舎に戻っての生活が待っているというようなロックスターからはちょいと離れたライフスタイル、そんなバンドが一番居心地良いのだろうか。それだけでの生活となると結構しんどい部分は出て来るんだろうけどね。

 Jethro Tullもそんな英国らしいバンドのひとつだが世界では割と成功したバンドのひとつだろう。何でそれなりに受け入れられたのかってのは今のポップスファンレベルではよく理解できないと思うんだけど、70年代あたりのまだ今ほど多くない市場の中では特異なバンドとして、それは演劇的でひとつの物語を演じているかのような芸術作品をリリースしていったことでミュージカルと同じような評判を得たことが大きいのだろうか。コンセプトアルバムってのが市場で受け入れられていったのはそういう元々の文化に依るところが大きいハズなので、すんありと演劇的なのが受けたといるだろう、ってか、エンターティンメントってのが演劇なんだからシェイクスピア的なのやミュージカル的なのが当たり前だろってな発想も根本にあるのかな。日本ではあまりない文化だからなかなか難しいけどね。そんな特異な部分を持ったジェスロ・タル=イアン・アンダーソンが2012年に「ジェラルドの汚れなき世界」の再現ツアーを行って大好評、その模様を納めたライブ映像「Thick A s A Brick Live In Iceland 2012」をリリースしていた。

 昔からの一本足フルート奏法などは健在なんだけど、歌にしてもアクションにしてもフルートにしてもギターにしても見事にこなしていて、そりゃ勢いはアレだけどこんなに再現できるのか?ってくらいに再現していた。若手の歌手を演劇チックに登場させてサポートボーカルとしてたりもあるけど、この人の世界観で作られたステージはやっぱり素晴らしい。昔どういうライブしてたのかもさほど知らないけど、ココで見れるライブではジェスロ・タルというバンド、世界を見事に体現したユニークなショウだ。音の繊細さも含めて楽曲の精度の高さ、ライブパフォーマンスの素晴らしさ、美しい映像でそれらがきちんと見れるのはありがたいね。これで「ジェラルドの汚れなき世界」ってアルバムがグンと身近に感じられる作品になったのが一番大きな収穫だ。




Wishbone Ash - 40th Anniversary Concert - Live In London

Wishbone Ash - 40th Anniversary Concert - Live In London
40th Anniversary Concert - Live In London [DVD] by Wishbone Ash

 Wishbone Ashって凄いわ。70年代を風靡したバンドとしては知られているし、名盤も行くt化あって歴史に残る作品になっているけれど、実は継続して今までもずっとやっている、オリジナルメンバーのアンディ・パウエルがすたすら頑張って活動しているってのは知られていない。ニッチな世界ではこないだ来日公演やったじゃないか、とかあるけど、そんなのもさほど知られてはいなかっただろうし、知ってもライブ行くか?ってぇとそうでもないって話。んなこともあってさ、近年のライブの映像ってのはライブに行ってみようかな、っていう動機づけになると思うんだな。何せ昔よりうまくなってるってのも多いし、やっぱり70年代を知ってると違う、と思うし。

 Wishbone Ashの40周年記念ライブを丸ごと記録してリリースされている「40th Anniversary Concert - Live In London」。アンディ・パウエルが過去の名曲を惜しむことなくプレイして歌っているし、しかもさ、あのフライングVのギターの音色そのままなんだよ、あの線の細い繊細な音色そのままで変わらない。他のメンツはすべて変わっているんで、これがWishbone Ashか?ってな姿ではあるけど、アンディ・パウエルが楽しんでやってるからなぁ…、元々ライブやってる時にどこかに華があるようなバンドでもなかったし、ただ単にプレイするバンドって感じだったから、もしオリジナルメンバーで再結成されていたとしてもこんな感じに地味な演奏者の集団って感じだったんじゃないだろうか。それを思うとこういうメンツでの楽曲再演って姿は悪くないのだな。むしろ昔は弱かったプレイ面を今の若さとテクニックで補強して演奏できるという良さもあるしね。

 そんなことを思いつつも見ているんだけど、やっぱり味わい深い。Wishbone Ashってツインギターの云々なんかで広まっているけど、その実もっと深くてトラッドやプログレッシブな志向性も強いし、その繊細さを紡ぎ出す中心にギターの音色を持ってきているという特性のあるバンド、だからうるさくはなくて音楽的に美しく聴いていられる。ギターでメロディを奏でる所になればホント、瞬時に空気が澄み渡ってのツインギターが飛び出してくるし、この美しさは普遍なんだ…ってつくづく思い知らされる。やっぱり「アーガス」の楽曲群の美しさはここでも圧倒的に郡を抜いて素晴らしい。


Uriah Heep - Live at Koko 2014

Uriah Heep - Live at Koko
Live at Koko [Blu-ray] [Import]

 結構今でも活動しているバンドはいくつもあるのは知ってるけど、あんまり積極的に見たり聴いたりってのはやっぱりしなくてね、ジジイのノスタルジック的なのってイメージあるからだけど、実際はそうでもなくって中規模以下のレベルでのライブハウスなんかでやってるバンドは今でも熱いライブを繰り広げていて、一生現役でやるぜ、ってなくらいの勢いのもある。ユーライア・ヒープなんて一世を風靡したバンドなんかもその類で、デカい所でのライブはもうないんだろうなぁ、という感じだけどコアなファンと共にずっとやるぜ、ってくらいのライブを繰り広げている。その中の一つとしてリリースされているのが「Live at Koko」というライブ映像。

 アルバムも幾つも出してるしライブも出してるし、何だかなぁと思う部分はあるものの、出されているライブのクォリティは高いもので、このジジイ達、なんか凄いな、ってのはすぐ実感できると思う。ユーライア・ヒープなんてさ、オリジナルメンバーはもうミック・ボックスしかいないんだけど、そのミック・ボックスが出てきた途端に銀色の長い髪を振り回してのヘヴィなリフを奏でてくれる。いやはや、こんなトコにもハードロックジジイがいるし、ってね。んで、今歌っているのはバーニー・ショウって、Praying Mantis最初期にいたボーカルで、その後はクライブ・バーのバンドでも歌っていたという強者、これがまたやっぱり歌が上手くて迫力あって、タイミング合わなかったけど、実力のあるシンガーなので、ユーライア・ヒープと合流してからのそのハマり具合は見事なモノ、このライブでも聴けるけど、デヴィッド・バイロンのあのトーンで歌えちゃうんだもんね。違和感あんまりないしさ。後はヒープと言えばケン・ヘンズレーの鍵盤になるんだけど、これはまぁ、あそこまでではないにしてもオルガン中心というスタンスは守りつつやっているし、ちゃんとユーライア・ヒープってバンドのイメージ自体は守りつつ延命措置しているのか。

 やっぱり古い曲になるとコーラスワークもノリもリズムも歌も良いねぇ…、これぞれユーライア・ヒープってのが漂うので観客も大盛り上がりで、うまい具合にセットリストに入り込んでいる。バーニー・ショウの歌はデヴィッド・バイロンよりも人間味に溢れてるのでその分無機質感から人間的にはなっているかな。んでもしっかりとノスタルジックなだけでなくて現役感を持ったバンドのライブとして見れるし、古いユーライア・ヒープだけしか興味ないひとにとってもちょいと面白さが味わえるライブです。


Black Country Communion - BCCIV

Black Country Communion - BCCIV (2017)
Bcciv

 フラリとPC関連ショップを覗くと随分と洗練されてしまった感があって、それでも妙なモノが幾つかは置いてあったから楽しんだけど、昔はもうもっと怪しいモノばかりで店構えだってジャンク屋に近い様相だったのになぁ…と思いつつフラフラ。こんなスピーカーあるんだ?今時だとBluetooth対応の無線スピーカーってのもあるのは当たり前にしても、JBLからこんなん出てるとは…、ハーマンになってからJBLブランドも路線変わってて、こういう手軽なブランドにも進出したんだな、などと今更ながらその汎用品路線に驚くが、それが故に見かけて面白そうだったから買っちゃうという始末。しかも小さいからどうなってるんだ?って思って不思議に見てたら驚きのフルレンジ1発しかないモノラルでのパワフルスピーカー。モノラル一発?今更かよ?そこをJBLがやる??オーマイガーッ!な感じですがね、その意外性に負けて聴いてみると、これがまたパワフル。さすがだ…。ちなみにコレ↓


 アマゾン見てて、あれ?って思って初めてリリースを知ったBlack Country Communionの「BCCIV」。見たことないジャケットだしさ、「BCCIV」って新作って今度のギタリスト誰にしたんだ?って思ったらジョー・ボナマッサが戻ってきてるからびっくり。結局そういう事か?ジェイソンとグレンはCalifornia Bleedまで作って同じことやってて、速攻解散しちゃったのはその布石?まぁいいや、ボナマッサのギターで聴けるならそりゃ良いもん。ってことでBlack Country Communionの新作、とにかく70年代のロック好きな連中なら皆歓喜する期待の音そのままが出てきます。古臭い音の作り方もあるけど、ジェイソン・ボーナムのドラムがもうジョン・ボーナムの域にあって、本人も親父の大ファンだからフレーズもパクりまくっててついついイヤリとしちゃうドラミングもアチコチで聴ける。そこへボナマッサもトーンやフレーズなんかをモロにZeppelin風にして入ってくるもんだからもうね、ニタニタもんです。歌も曲もグレン・ヒューズだから質は高品位でキープ出来ているでしょ、この年でこんだけ歌えてしかも覇気があるってのはやっぱり若いメンツに囲まれてるからかね、年齢を感じさせない歌。

 今作はそんな感触だけど、アコギとリール楽器によるバラードというか静かめな曲もあったりして正にZeppelinの世界に近づいているのか?単なるリスナーの愚痴ではあるけど、Zeppelinみたいな音って表面は出来るし、ここまでやってりゃそりゃ凄いんだけど、アコースティックやワールドミュージック的な部分を吸収して取り入れてロック的に発展させるみたいな創造性のあるアプローチがあっても良いんじゃないかな、とも思う。ま、別の方向でのチャレンジやアプローチがあるからまた大いに発展していく可能性はたっぷり残されているのも頼もしい。多分今作は彼らのアルバムとしては最高傑作だと思う。アルバムタイトルからしても最高傑作じゃないとマズイだろうし(笑)。んで、長尺な曲がいくつかあって、それはもうね、かなり圧巻というか圧倒的な曲に仕上がっててロックってこういうモンだよな、ってのを納得しちゃうくらいの迫力。グレン・ヒューズの気合と根性で出来上がっているのかね、この迫力は。凄いモノがある。今の時代にこういうのがどういう風に受け取られるのか分かんないけど、王道ロック好きな人はまず聴いて欲しい。「The Cove」とか凄いよ。最後の最後までニヤリとさせてくれます…Zeppelin好きなら分かるか?

 そんな感じで全曲聴きどころあるし、グレン・ヒューズが自身の作品としてリリースしたのも頷くアルバム。全編に渡ってのジェイソン・ボーナムのドラムの存在感のデカさが自分的には凄く響いててね、今度はボナマッサにも印象的なギターリフを練ってもらって、それ一発での曲とか作って欲しいくらい。後は民族系との融合を果たした圧巻の楽曲とか…、あぁ、キリがないけど、このバンドにはどうしてもZeppelinの直系の幻想を抱いてしまう。うん、素晴らしい、バンザイ!ってなトコだ。


Janis Joplin - with Tom Jones 1969

Janis Joplin - Live: Amsterdam 1969/USA Radio
Live: Amsterdam 1969/USA Radio

 先日「リップシンクバトル」なるアメリカのテレビ番組を見る事があって、もちろん出演している人達もやってる曲もほとんど知らないんで、それ自体はコメディ番組でしかないんだけど、イギリスの若い女優さんが何をやるのかと思ったらジャニスの「Peace of My Heart」なんてのをやり始めたからとっても驚いた。お茶の間の番組でポップスや売れてたもの中心でしかやらないような番組でジャニスが出て来るんかい?って。そんなにジャニスって普及しているアイコンなのか?ってのがあってさ、そこに驚いた。さすがにテレビで受けないようなのをやらないだろうから、そんだけ浸透してるってことだろうし、皆それで楽しむワケだからさ。んで、そんなに見たからホンモノも久々に聴きたいなぁ…ってことで漁ると色々あるんだなぁ…と。YouTubeによる発掘は凄いモノがある。音だけでのブートレッグ的なのでもジョニー・ウィンターとのセッションとか、ライブでのバターフィールドとのジョイントとかテレビ番組では何とトム・ジョーンズとのセッションなんてのがあって、色々やってたんだなぁ…と昔の文字情報レベルでは分からなかったのがこうして色々出て来る。音源の方も幾つかのライブがまとまって出てきているし、楽しめる時代だ。

 …ってなことで、トム・ジョーンズとのデュエットは1969年11月11日のトム・ジョーンズ・ショウというテレビ番組で実現した企画で、この時のジャニスはコズミック・ブルースバンドと共に後の映画のタイトルともなった「Little Girl Blue」をソロで歌い上げて、トム・ジョーンズとは「Raise Your Hand」を楽しそうに歌っている。それがまたキレイな映像で残されているんだから恐れ入るのだが、今と比べてみればそりゃもうとんでもなくチープな器材で謳われているにもかかわらず、どんだけの歌なんだよ、二人とも。まずはジャニスがあの声で熱唱するんだけど、もうね、この人ホントにちょこっと歌っただけで空気変わっちゃうんだよな、普通にさ。それでいて楽しそうに熱唱しているんだからもうとんでもない。それで2番になると当然トム・ジョーンズの出番なんだけど、これがまたホントにとんでもない歌声だから全くジャニスに引けを取ることもなく、しかも歌のトーンとか声の高さとか近いものあるのかな、違和感なくそのまま出てくる。終盤の熱唱ぶりのシャウトなんてふたりとも、ってかジャニスは心のままにシャウトしてるけど、トム・ジョーンズは間合いを図ってのシャウト、それでもオーティスかよってなくらいのガッタガッタな叫び声で、やっぱりいつの時代になってもこういう迫力はなかなか出せない魅力。

 ジャニスってやっぱりロックだな、って実感したもん。昔ジャニスは自分の事をブサイクで誰にも見向きされない人間で、それがコンプレックスなんだ、そしてそのまま生きているってなことを言ってたんだけど、そういう悲壮さ加減ってのが出ているんだろうか、歌ってる時の楽しさの裏側にある人生の侘しさみたいなのが見えてきて、あぁ、ロックだ…って。ヒッピーみたいな格好でテレビに出てきて、それでも精一杯おしゃれなの選んできたけど、それでもセレブなトム・ジョーンズと比べりゃもう全然貧相な娘でさ、それが熱唱してるんだよね。この時代のロックを代表する歌い手だし、もうね、やっぱりロックはカッコよかったんだよ。ってことでこの後ジャニスばかり聴いてたという始末。どんだけ今時の歌姫が歌がうまいとか迫力あるとか言ってもこの次元を超えることはないんだろう。


Keef Hartley Band - The Battle Of North West Six

Keef Hartley Band - The Battle Of North West Six (1969)
The Battle Of North We

 ホントにBluesbreakersってのは様々なブルースロックプレイヤーを輩出しまった。たもんだとあれこれとクレジットを調べていると判ってくる。昔はレコードのクレジットで名前覚えてて、それが出てくると「あれ?」ってな感じで見直したりしないとよく分からなかったんだけど、今はネットで全部関連性も含めて見れるから、そうだったんだ、とかこの人もなのか、なんてのは今でもアチコチで発見されてて楽しめる。もう、この人誰だっけ?とか忘れてるのもあるけどさ、それも紐解いて行けばわかってくるし、意外な所で意外なつながりもあるし、今こそそういうのを体系化してツリーしていくべきだよ。

 Keef Hartley Bandの1969年のカッチョ良いセカンド・アルバム「The Battle Of North West Six」。初っ端からミラー・アンダーソンのヘヴィブルース風ギターが直撃してくるので一気に引き込まれていく。やっぱりブルースブレイカーズ絡みは凄いなぁ…と。あれ?それはキーフ・ハートレーだし、この人は?ってなるが、実は後々にSavoy Brownに入ってKim SimmondsとStan Webbとのトリプルギター編成を組むことになる人。納得でしょ。んでね、このアルバム聴いてると分かる、ってか最初からそうなんだけど、スゲェベースが鳴ってるんです。ゴリゴリでガキガキで自己主張の嵐のようなベース。どこのどいつがこんな音鳴らすんだ?って名前見て驚くのがゲイリー・セイン。まさかこんな所で武者修行してたのかって思うくらいだけど、こういう基礎があるからユーライア・ヒープだったんだな…とか妙に納得。元々その辺で出てきている人だから実は色々と参加してるんだよね。話が逸れるんでその辺はまたいずれ、になるけどさ。キャリア的に見るとユーライア・ヒープの活動が一番ヘンなのかもしれない。

 話を戻してこの超ヘヴィなブルースロックバンド、ホーンセクションもあったりするし、ベースはそんなんだし、ギターは思い切りブルースロックだし、歌もそのまま。更にハリー・ベケットのフルートもあるしさ、そりゃもう当時誰でもやってた音楽だから受けるのも当たり前だけど、生き残るのも難しかっただろうな、というくらいに個性派なかなか見つけにくい。今となってはネームバリューで知られることもあるのかな、うん、でも、こういうブルースロック、いいよ、気持ち良いよ。自分の進歩がないだけかもしれんが(笑)。


Snowy White - White Flames

Snowy White - White Flames (1983)
White Flames

 職人気質のミュージシャンという人がメジャーシーンを支えている。そもそもスタジオミュージシャンとして名を馳せて行った人達と元々はバンドやそれなりの前線で出てきたけど、気質的に職人芸に入っていった人と分けられると思うが、後者の代表例とも言える人がスノーウィー・ホワイトになるのかな。なんかねぇ、いぶし銀ってかさ、職人気質なんだろうなぁというのがあって、自分的に一番良く見かけるのはロジャー・ウォーターズのライブ映像でね、ほとんどのライブ映像作品には出演してるんじゃないか?ゴールドトップのレスポールが日を追うごとに剥げてってさ、カッコ良いんだよ。コイツガ女房だよ、ってなくらいに弾き込んでてそれしか使ってないだろってくらいに使ってる。そしてまた良いトーンが出て来るんだよ、59年頃のヤツなんだろうか、素晴らしいんです。

 そのスノーウィー・ホワイトがThin Lizzyから離脱した時にリリースした自身の名義のソロアルバムとしては最初の作品となる「White Flames」、1983年の出来事。確かののジャケットじゃなかったと思うけど、昔も聴いたことあるアルバムだなぁと懐かしく思いつつ聴いているトコロで、いやはや、こんなに渋い作品だった、な、確か、と改めて思った。Thin Lizzyのハードなギタープレイやロジャー・ウォーターズやピンク・フロイドでのセッションから想像するにブルースベースでの弾きまくりプレイでもあるのかな〜って想像してたらとんでもなくアダルトな大人のサウンドが飛び出してきて昔のロック少年にはまるで響かなかったという記憶が蘇ってきたが、それから何十年経ってこうして聴いていると、なかなか渋くてよろしい、という感想になっているんだから面白い(笑)。

 ブルースギターベースなのは間違いなくって、ギターソロが鳴るトコロは確実にそのままなんだけど、音楽全般としてはかなり落ち着いた雰囲気の曲が多くて自身で歌っているのもそうだけど、きっちりとフュージョンやサンタナ風、いわゆるテクニカルギターインスト風だったりしてミュージシャンとしてのアルバムになってる。ともすればジェフ・ベック的なアルバムとも言える曲もあるし、なかなかバリエーションに富んだ作品に仕上がっていて玄人向けと言うべき作風か。その中で「Bird of Paradise」という曲で全英6位を獲得したヒット作のある人なんですよ、うん。このアルバムに入ってるしね。




Brinsley Schwarz - Despite It All

Brinsley Schwarz - Despite It All (1971)
ディスパイト・イット・オール

 こんだけ聴いて書いててもまだまだ通っていないジャンルやアルバムなんてのが山のようにある。しかも70年代のロックって限定してもまだあるんだから恐ろしい。英国の、って限定しても同じだし、どんだけ音楽産業ってのは広くて欲深かったのか、そして言い方を変えると実に深い森の中を彷徨う趣味なのか、となる。ココのトコロね、パブロックとかスワンプとかちょこっと聴いてて、あぁ、そういうトコにルーツがあるのかな、とか思うんだけど、当然と言えば当然だし、意外と言えば意外なことにトラッドとの共通項もしっかりあるんだなと。何か奥深いなぁ…ってね。

 Brinsley Schwarzってバンドの1971年のセカンド・アルバム「Despite It All」。ちなみにブリンズレー・シュウォーツってのはこのバンドのギター、ボーカルの人の名前でして、そりゃまぁバンド名にしたくなる珍しい名前ではあるわな。ずっとバンド名だと思ってたもん。んで、昔からこの手のバンドの筆頭格ではあって、聴いたこともあったけど全然ダメでね、ロック的じゃないじゃない?フォーク・ロック系もそもそも好きじゃなかったし。だからこの辺は結構スルーだった。んで、色々あって聴いたりもしたけど、今回聴いてて思ったのは、こんなに英国トラッド系に近い音だったっけ?って。アルバム最初の曲のインパクトがそう思わせたんだろうけど、軽快なジグにフィドルさばき、こいつはご機嫌じゃないか、ってね。アルバム通して聴いていくとだんだん大人しい作品に聞こえてくるし、お?って引っ掛かるのも少ないのは確かなんだけど、この心地良さはさすが。

 アルバムジャケットの印象が強いよなぁ。何なんだ、この爽やかなイメージは、って言いたくなるくらいに中身の音は湿ってるという当然の帰結。ブリンズレー・シュウォーツってジャケット結構意味深でカッコ良いよね。このアルバムはまだ初期のカントリー・ロックの影響下にある作品と言われているようで、聴いてみても確かに突出した出来というものでもないように思う。ただ、英国でこの時期にここまで上手くアメリカ寄りながらも英国らしくブレンドされたフォークロックって多くはなかっただろうから注目されたんだろう。当然それは若者が求めてたロック感とは違う部分での刺激だったとは想像するけど、そもそもポップな部分も多いし、割と普通に受け入れられたのか。自分的にはなるほど、面白い音かも…でも飽きなぁ…、ですが。



Help Yourself - Help Yourself

Help Yourself - Help Yourself (1971)
ヘルプ・ユアセルフ(紙ジャケット仕様)

 今の時代に至るまでも英国のロックシーンはホントに多種多様なものを吸収して、そもそも新しい音楽を開発していこうなんて意識なしで勝手に新しいものが創造されていってる。何かを聴いてこういうのやりたいな、ってトコから始まって独自解釈と自分達で出来る範囲での取り組みから始まると、いつしかそれはちょいと何かとミクスチュアされていって英国独自のものとなっていく、なんてことが多い。逆にアメリカが英国ロックを真似した場合はほとんどそのままでアメリカの快活さが必ず入ってくるのでもっとシンプルになる事が分かってるからどうしてもすっきりしてしまうんだな。

 パブロックの創始者的な立ち位置にあるHelp Yourselfの1971年のデビュー作品「Help Yourself」。実際パブロックというジャンルが出てきたのはもうちょっと後だから、どっちかっつうとスワンプ=カントリーホンク的なサウンド、ニール・ヤングとかフォーク・ロックのウェストコーストサウンド系なんだけど、単純にそういう風には聴こえないのが面白い。やっぱり快活さとか本来のアメリカのカントリー的な乾き具合が事実無いからこういうしっとりな音でのカントリータッチになっちゃうんだろう、だから故に英国での独自ジャンルになっちゃうんだよね。面白い。このアルバムでももちろん狙いはCSN&Yあたりの音なのだろうけど、自分達なりの解釈が入ってるから曲によってはカントリーなのにプログレ的な展開を感じる「Old Man」なんて曲もあったりして、一言でスワンプの筆頭格、というのもどうかという部分はある。

 最初は衝撃的だっただろうと思う。クラプトンやストーンズ、キンクスなんかがこぞってこういう世界観のアルバムをリリースしていった時期だから流行していたんだろうけど、やっぱりこれだけだとしんどいよね。バリエーション豊かな曲を、ってもなかなかそうはならないし、あまりやりすぎると冗長にもなるし、そのバランス感覚を持っているバンドだけが生き残っていくことになるのは当然の流れとなった。70年代ってのはそういうのシビアだったもんね。自分的にはやっぱり好んで聴くタイプのバンドではないけど、何かとバンド名は出てくることが多いから聴いたことあった次第。リラックス出来て良いのはあるね。





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Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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