Jimmy Rogers - With Ronnie Earl & Broadcasters

Jimmy Rogers With Ronnie Earl - Jimmy Rogers With Ronnie Earl & Broadcasters
Jimmy Rogers With Ronnie Earl & Broadcasters

 ロックなブルースとヘヴィなブルースってのは似て非なるものなのかもなぁ。いや、違うモノなんだけどさ、どこがどう違うんだ、って話になると言葉では語れない気がするってだけ。バディ・ガイのプレイとSRVのプレイと今回紹介するジミー・ロジャースのプレイってさ、違うんだけど一括りに言う場合はほとんど同じ音とフレーズとプレイだろ、って話になるし、それが違うってもなかなか伝えられない。そもそも音楽の良さを細かく言葉で伝えるなんてのは出来ない事なんだから結局聴けよ、ってしか言えないんだけどね。それにしてもそんなに違うか、って思ってるのは自分とかそのヘン好きなマニアさん達だけでの話なんだろうな。他からすればどれも同じ…なんだろう。ん〜。

 Jimmy Rogers & Earl Ronnieによるジョイントライブアルバム「Jimmy Rogers With Ronnie Earl & Broadcasters」。1991年のライブなんだが、冒頭3曲のアグレッシブでハードなギタープレイは前座のアール・ロニーによる単独のギターだ。これがまた凄まじいプレイでエネルギッシュなプレイの好きな自分的には良いモン発掘したな〜ってくらいのライブアルバム。ジミー・ロジャース主役のハズなんだが、アール・ロニーの指さばきにヤられまくってる。ジャジーでもあるけどカントリー的でもあるしそれでいてブルースプレイ、っても多分ケイジャンとかも出来ちゃうんだろうなぁ、この人、ってくらいに指が動く。ギャラギャラした音色で弾きまくる姿はなかなか心地よいぞよ。それでもしっかりとジミー・ロジャースを紹介して登場すると更にテンション上がるんだからジミー・ロジャースの懐は深いものがある。まぁ、B.B.Kingみたいなもんでさ、一音一音の深さが違うから表面上のギャラギャラした音には左右されないっつうか、そんだけどっしりした音を持っているってことだ。

 ジミー・ロジャースが入ってくると当然ながら一気に超シカゴブルースになってくるしね。やっぱり落ち着いて聴けるし味わい深くも聴ける。このヘンがロック系のとは違う所だな。スタンダードすぎるキライはあるんだけど出てくる音に痺れるのは確か。こだわりのトーンなりギターそのものの音の良さもそのまま出てくるし、だから感情がそのまま出て来やすいのもあるね。いやはやハープも含めてやっぱりスタンダードなブルースの世界観を出しまくっての終盤への定番曲のオンパレードは凄い。こんな時代なのに何も変わることなくシカゴブルースそのまんまが聴けるナイスなライブ・アルバム。見事な盛り上がりが素晴らしい。


Buddy Guy - Live! Real Deal

Buddy Guy - Live! Real Deal
Live! Real Deal

 ロックはブルースから生まれたものだ、だからブルースの子供でもあるんだ、というロック神話は今でも生きているのかどうか知らないが、確かにロックの歴史をなぞるとそういう言い方も正しいし、自分自身がロックから入って聴いているとブルースに行き当たるし、確実にブルースの影響をウケているというロックが好きだからっていうのもあるか。ロックの中でもブルースの影響を受けていないのもあるし、ロック全般がブルースの子供ってんでもないだろう。ただ、ひとつの世界としてはそうだよな、って思う。それを逆手に取ってしまった人の一人がBuddy Guyなのかも。60年代からずっと活躍してきた人だからロックの全盛期も同時代に生きていたし、衰退してきた時期、そして今でもシーンに健在に君臨しているからロックの歴史をほぼ目の前で見ているんだよね。それもブルースメンという目線から。だから故、Buddy Guyがロックをやったってのも良く分かる。そもそもその傾向が強い人だったんだからロックのエネルギーに引っ張られたんだろう。それでセールス的にも成功したし、思う存分ギター弾いてるし、結果的には大成功だったろう。

 そんなBddy Guyの1996年のG.E.スミスと一緒にやったライブアルバムが「Live! Real Deal」としてDVDでもリリースされている。ちっぽけなライブハウスみたいなトコでやってるから二人の姿が接近した形で見られるものだけど、音を聴いているともうさ、凄い迫力なワケ。もう90年代だから売れた後だし、すでにハジけているしロックやってる時期だし、G.E.スミスだし、何ら文句のひとつも出ないプレイを堪能できます。ギター聴いてるともうSRVが乗り移ってるんじゃないかっつうくらいにはロック寄りなギターが聴ける。ジミヘンよりもそっちだな。ブルース・ロックをブルースメンがやっちゃってるという、それでいて歌は黒人だからある種白人のブルース・ロック小僧達が皆なりたかった姿の最高峰を実現しちゃっているというワケだ。そりゃさ、ブルース側からしたらちょっとオメェやりすぎだろ、って言われるだろうけどロック側はもう大喝采。そこにベテラン職人G.E.スミスまで加担しちゃってるんだから言うことない。この人のおかげでバディ・ガイからロジャー・ウォーターズまで、そしてホール&オーツまでつながっちゃうワケで、どんだけ振り幅広いんだ、ってな話。

 しかしもうこんだけ熱いギター聞かせてくれるんだからひたすら楽しめ、観客の熱気と一緒に自分も楽しめってくらい。映像見てると演奏側のバックミュージシャン達も凄く楽しんでるし、リラックスしてライブやってるから見てて気持ち良い。そこにもう理屈なしのストラトバリバリの乾いたトーンでのバディ・ガイのエネルギッシュなプレイ、言うことなしの名盤です。正にブルース・ロックの真髄、っつうかブルースギターの真髄。こういうギター弾けたらホント楽しいと思う。いくつになってもこういうパッションが出せるんだから凄いよ。




Otis Rush - All Your Love

Otis Rush - All Your Love
All Your Love

 ブルースメンの世界でもそれなりに発掘音源はたくさんあって、怪しげな所から、またキチンとしたオフィシャルでのリリースも含めて以前に比べたら格段に数多くリリースされているから様々なものを聴くことが出来る。そりゃライブの方が多い、っつうかライブばかりになるんだけど、結構ラジオで放送してたりしてて残ってるのはあるみたいなんだよね。自分たちでは録音するなんてあんまり無かったみたいだけど、誰かが録音したのならあるよ、ってなトコだ。さすがに客席録音盤みたいなのは出てこないからそのヘンまでっていうのはあるが、それでもぶっ飛ぶライブが多いからその手のモノは楽しんで聴くことが出来る。

 Otis Rushの地元シカゴでの1976年のライブがラジオ放送されていたらしく、その時の模様がオフィシャルでリリースされた「All Your Love」なんかはその例で、これがまた強烈なライブのインパクトを放っているので聴いていると惹かれまくる。冒頭の強烈な3連からして引き込まれていくし、それに続く歌声もやっぱりモノホンのブルースメンの歌そのものだから慣れてても引き込まれていく。さらにグイグイと強烈なギタープレイでもっと引き込まれていくし、これを調子悪いとかイマイチなライブとか言うのってよく分からん。これでダメなライブだったら一体どんなライブが凄いんだ?ってくらいには調子良いライブだと思う。それか、これが最低限だとしてもやっぱり強烈なライブを放つ人なんだ、ってことだ。自分がブルースギター好きだからかもしれないけどね。とにかくミックスがギターと歌ばかりをクローズアップしているんでとにかく耳に刺さってくつんだよ、このギターが。んで、その音色がハコギターだからかうるさくない。ナチュラル感たっぷりの音色でグイグイくるから心地よく引っ張られる。

 シカゴブルースの代表な人だけど、ちょいとシカゴブルースにしては激しさが強いかもしれないね。リズムや取り組みは紛れもなくシカゴ系のスタンダードだけどさ、こんだけのライブになるとそういう括り以上に熱くなる。とにかくエネルギッシュでテキサスブルースの引き込み具合とは全く違う聴かせっぷり。今までのオーティス・ラッシュのライブのイメージからはちょいと異なる激しいギタープレイにギャップ感を良い意味で感じるライブアルバム、その意味ではまずはコイツから聴いてオーティス・ラッシュを聴いた方が良いかもね。

Albert Collins - Live in Japan

Albert Collins - Live in Japan
Live in Japan

 今も昔も変わらないのがブルースというジャンルかもしれない。色々な音楽とブルースを交えてとかブルースからファンクやソウルなんかも入れて、なんてのもあるけど結局はどれもこれもブルースギターと歌、シンプルな進行でのアドリブ合戦みたいなところから離れることもなく、基本に戻ってくるから時代を経ても何ら変わらないスタイルが継承されている。昔のブルースメンでも今時の若手でも基本的には同じだ。だからこそそのシンプルな構成の中でどんだけ熱くエネルギッシュに人を引き込むプレイが出来るか、みたいなのがブルースメンの腕の見せ所。当然ながらライブに注目することになるのだが、これまた難しい事にブルースメンのライブアルバムってそんなに多くはないんだよな。なんでだろ?録音する設備を持ってのツアーなんてしてなかったからだろうなぁ…。

 Albert Collinsの1982年日本公演を記録したライブアルバム「Live in Japan」は九段会館でのライブからの抜粋版でオープニングからして思い切りノリノリにスイングしたプレイをビシバシと決めてくれている必殺のライブアルバム。日本でのライブってのもあって聴いている側も思い入れが深くなるし、このライブ行ったわ〜って人ももちろんそれなりにいるだろうし、結構なライブ名盤に仕上がっていると思う。この手の人たちはライブアルバムに後から音をかぶせるなんてこともしていないだろうから当然生々しいライブそのものが記録されているんで、このエネルギッシュなプレイもそのまま伝わってくるし、エモーショナルなブルースプレイも息遣いから伝わってくる。

 それにしても凄いトーンだよなぁ、このテレキャス&指弾きピッキングの味わいの深さ。しかも7カポとかだしFmのオープンチューニングとか訳わからんし、どういう音感してるんだろ?んでテレキャスのカバーも付いてたりするから指弾きする場所も限られてるだろうに、面白いです。それとストラップは右肩に掛けてのスタイル、どこから見てもヘンな弾き方するギタリストですな。それでいて歌も歌っているし身長も高いしデカいから迫力もあるしさ、もう素晴らしいです。んでもってこのギタープレイ。文句なしのテキサスアーバンスタイルの代表的なギタープレイ、大好きですねぇ、ホント。サイドを固めるACリードもギターとサックスで大活躍、とにかくバンドがノリノリでコリンズのギターもいつものように素晴らしい。いつまで経っても聴き続けられる古くならないブルースプレイヤーの姿。




Freddie King - Getting Ready

Freddie King - Getting Ready (1971)
Getting Ready

 周期的にブルースを聴きたくなるんだが、ブルースの新しいものってのはそうそう無かったりするので、結局は古いのを紐解いて聴き直したりする方が圧倒的に多い。それでもまだまだ新しい発見や、あのヒトとこの人が一緒にやってて云々とかワクワクすることってのはたくさんあるし、まだまだだなぁって思う事も多い。音色を楽しむというのとギターを楽しむってのとやっぱり迫力を楽しむってのもあって聴く度に楽しめるから何度も聴いちゃう。それでも口づさめるってほどのアルバムは多くないのだが…。

 Freddie Kingの1971年リリースのアルバム「Getting Ready」はレオン・ラッセルが設立したシェルターレーベルからの作品で、その影響が大きいのだろうけど、この時代が一番ロックに近づいた時期でいわゆるロックファンには一番受け入れられる辺りだろう。ブル^すファンからするとこの時期はちょいと魂売っただろ、って批評も多いようだ。まぁ、そんなのはともかくとしてだ、このアルバムでのフレディ・キングのハジけ具合が違う。冒頭から名曲「Same Old Blues」というバラードで始まるという意外な展開、これがまたギターも歌も素晴らしく、確かに一曲目に持ってきたくなるわなというくらいの傑作。んでもって「Dust My Bloom」ですよ、ってエルモア・ジェームズのあの曲をフレディ・キングが、って話だけどものの見事に自分のものにしちゃってるという出来映えに舌を巻く。以降はもうお得意の世界観がひたすらに出てくるのだが、いつ聴いてもこの人のギターのフレーズも手癖も相変わらずのもので、読めるんだけどイチイチ感動するという大道芸、音のズラし方とか入り方も唐突だったり、トーンも割と平坦なのにグイグイと迫ってくるというもので、スクィーズギターと呼ばれるのはそのヘンだもんね。残念ながらロックサイドにはこういうギタリストはいない。当たり前だけどやっぱり黒人独特のスタイルだし、どんだけ真似ててもそこはこうならないというか‥、不思議なものだがたとえそれがクラプトンでもこういう風にはならなかったってのかね、だから面白いんだよな。

 ブルースってのは定形パターンがあるから音楽性が云々ってもさほど違いは出てこないし、そりゃホーン合ったりとかあるけど、そんなモンだし、このアルバムもかなりスワンプなサウンドに仕上げているけどパターンはいつもの定形どおりだからやっぱりギターが映える作り。それにしても「Key To The Highway」や「Goin' Down」もあって聴き応えがある作品だ。やっぱりシェルター時代がいいな。






Joey Gilmore - Bluesman

Joey Gilmore - Bluesman (2008)
Bluesman

 仮想通貨ってのはどうなんだろうなぁ…。儲かるとか儲からないって話もあるけど、それ以前にその概念が定着するんだろうか。リアルなカネとは別の概念がそこで産まれているワケで、それはそれでその概念をリアルに持ち込んでいるトコロも増えているから成り立つ可能性は十分あるし、実際成り立っている世界でもあるから今更何を言ってるって話かもしれない。もしそっちに進むのならばかなりの変革になるし、広がる時には一気に広がるかもしれない。でも、やっぱりどこかゲーム的感覚もあるにはある。分からんなぁ…、いずれにしても手にするには既に遅いのでユーザーとして成り行きを見守る程度しか出来ないのだが。

 Joey Gilmoreというこれもまた相当のキャリアの爺さんだけど、ギタープレイも然ることながら、どちらかと言うと歌心でキャリアを築き上げてきた人のようで、確かに「Bluesman 」なんかを聞いててもバンドと歌心が一体化した作風に仕上がってる。歌もブルースメンと言うにはちょいと上手いというかソウルフルに上手すぎるかもしれない。その分迫力もあって重みが増しているので随分とグッと来るアルバムに仕上がっているのは確かだ。ホーンセクションも使っているしピアノもいたりするし、それでもオーソドックスでモダンなブルーススタイルを踏襲しているので往年のブルースリスナーには実にハマりやすい音になってて嬉しい。

 近年色々とライブアルバムなんかもリリースしているので、聴くのはまるで困らないのが嬉しいね。自分も名前知って、へぇ〜ってな感じで聞いててアルバムまで突入って感じなんだけど、まだまだこんなシブイのが転がってるんだなとこの辺の発掘作業に邁進しているトコロ。今では黒人ブルースでも白人系のと変わらないサウンドで出してくるので、聴き易さも増しているし、その意味ではバディ・ガイが広げた路線はやはり強かったな。彼が白人ブルースへ接近したことで門戸が開かれた感あると自分では思ってるんだけですが。




John Primer - You Can Make It If You Try

John Primer - You Can Make It If You Try
You Can Make It If You Try

 心地良い音楽に身を任せてユラユラと聴いているって感覚が好きだ。なかなか出来る事じゃないし、そんな贅沢も許されない世の中ではあるんだけど、一瞬…と言うか束の間でもそういう気分で音楽を聴くとものすごくリラックスする。当たり前だが。でも、それが出来ない。やろうとしないと出来ない、と言うのもどうかと思うが、そんだけ時間に追われている日々を過ごしているんだよなぁ…。もっとゆとりを持って人生進めていきたいです、はい。そんな願いを込めて、ってんじゃないけどさ、ハードなのを聞いてて疲れてくるとちょいとゆったりとしたいな、ってのあって、ブルースです。ブルースが一番落ち着くんです。飽きるけど(笑)。

 John Primerという黒人のブルースメンがおりましてですね…、Magic Slimのバックでやってたことで知られているらしいですが、自分はそこまで調べ上げてなかったんでその印象もなかったんだけど、なるほどそうですか、と。んで、この「You Can Make It If You Try」というライブアルバムを聴いてまして…、いやそりゃもう恐れ入りましたってくらいのモダンなシカゴブルースが飛び出てきて、しかも入ってる曲が全部有名な曲のカバーばかり。レイヴォーンが入ってるのはさすがだとは思うが後はもう知らない人いないだろってくらいに名曲ばかりでね、それをきちんと自分流にカバーしてやってるんです。ってもシカゴのモダンスタイルなんでいわゆる普通のブルーススタイル。これがまた気持ち良い。スライドも巧みに操る人なので職人芸的にギターをキメてくれてて、しかも外す箇所がほとんどない。う〜ん、堅実と言うかホントにストイックなプレイスタイルで、なかなかこうは弾けないかもなぁというブルースプレイ。でもね、とっても味が付いてて美味しい…んじゃなくて味があって深みも感じるプレイ。そりゃキャリア長いからだろうけど、本人の歌とギターだけじゃなくてやっぱりバンドとのアンサンブルも見事だし、聞いててホッとするもん。

 まだまだこういうブルースメンってたくさんいるんだろうし、そのほとんどが日本では紹介されていないというか少ないんだよね。自分で見つけるしかないからアチコチ探してて、やっぱりたくさんいるんです。んで心地良いのが見つかるとにんまりしちゃうという…、発見は面白いです。ただ、アルバム買って負い続けるのかってほどになるまではなんとも…。それでも間口は常に広げて受け入れてかないと人間古くなっちゃうしね。こういうの、スタンダードだけどやっぱり良いよ。昔の黒人ブルースとはちょいと違うモダンさはあるし。




Muddy Waters - The London Muddy Waters Sessions

Muddy Waters - The London Muddy Waters Sessions (1972)
ザ・ロンドン・マディ・ウォーターズ・セッションズ

先日からMacの調子がおかしいなぁってことで面倒だけど真面目にチューンナップしとかないとガタガタでダメだ…って思って意を決してバックアップしてクリーンインストールからアレコレしている。ところが思いの外時間がかかっていて音楽聴くどころじゃなくって、もちろんブログネタも仕入れてなくって時間が無さ過ぎる。それよりもTimeMchineでのバックアップが全部なんでもかんでも取れているんじゃないってことが致命的だった。貴重なコレクションの一部が消失していてそれもショック。この辺の手直しとか修復、ライブラリ探しとか色々あるし、そもそもMacの環境がまだ整ってない。それでもクリーンインストールのおかげで動きが軽くなったのは助かってはいるが。

 そのライブラリ漁りなんかでこんなのあったな…って目に付いたのがこの「The London Muddy Waters Sessions」。1971年のセッションで、例のハウリン・ウルフとクラプトン達との続きモノで二匹目のドジョウ狙いだったようだが、あんまり話題にもならずに地味にリリースされているだけという評価に落ち着いているのはこれまた不思議なものだ。自分的にもそういえば何度も聴いたこともなく、あったな、っていう感じでしかないんだから中身が話題ほど面白くなかったんだろう。メンツだけで言えばマディ・ウォーターズにロリー・ギャラガー、ミッチ・ミッチェルってだけで飛びつくのだが、スローブルースに御大が筆頭となってのスタイルともなればロックフィールドでの暴れっぷりは全く出せないミッチ・ミッチェルのドラミングなんぞは聴けるはずもなく、またロリー・ギャラガーにしても極々一部のシーンで弾きまくりが出てくるものの、基本的にはスローブルースのバッキングに徹していて、御大への気遣いとも言える程度にしか前に出て来ていない。そりゃ面白くないですな。オーソドックスなブルースチューンばかりがマディ・ウォーターズの歌声で繰り広げられているんだけどさ、それ自体はいつもの事だからゲスト陣営のロックエッセンスがどんだけ入るか?ってのがキモだったんだがなぁ…、そこまで気づいていなかったか。

 そんなことで可もなく不可もなく、至ってスタンダードにエレクトリック・ブルースを皆でプレイしていますというだけのライブアルバムに仕上がってしまった…ライブなのか?ライブみたいなもんか。もっと捻って考えて作ればこうはならなかったろうにもったいない。これはハウリン・ウルフとクラプトン達が参加した「ザ・ロンドン・ハウリン・ウルフ・セッションズ」でも同じことは言えるんだけどね、やっぱり御大への遠慮が出ちゃってて面白みに欠けた。その辺はブルームフィールドやバターフィールドが一緒にやった「Fathers & Sons」が一番化学反応を示していて頼もしい。自分的にはこの辺のセッションものでは「Fathers & Sons」が一番好きですな。


Albert Collins - Cold Snap

Albert Collins - Cold Snap (1986)
Cold Snap

 やっぱり弾きまくりブルースメンのアルバムなんてそうそう見つからないなぁ…なんて色々と探しながら思う次第。もっともっと聴きたいのだが、大抵聴いているようで、何かあれば知りたいのだが、まぁ、これまでのだって音聴いて一発で分かるほどには聴いてないんだからそれらをまた聴き直せば良いのだろう。古いスタンダードなブルースを好む人からしたら邪道なエレクトリックブルースばかりを好みロック好きな自分ですが、確かにほとんどロック的なものが並んだもんな。

 Albert Collinsの1986年リリースのこれでもアリゲーターからのリリースという驚きの「Cold Snap 」。何せドラムの音とか完全に80年代のあの音だったりして、一体どうしたんだアルバート、と思うくらいにバックの音が似つかわしくないアルバム。それでもアリゲーターだ。楽曲の方もかなりファンク色強いと言うのかいわゆるブラコンの系統に属するんじゃねぇの?ってくらいに思える程のバッキングだけど、かなりあちこちで鳴ってくれるアルバート・コリンズのテレキャスのあの音、そして刺さりまくるくらいにエグいギターの音色でのオブリプレイが強烈に響くお陰でブルースアルバムとしての体を保っている、どころかブルースアルバムになっている。凄いなぁ、このギターの存在感。何弾いてもブルースメンはブルースメンなんだよ、って証明。

 ホーンセクションのチープな音も許せる。こういうのお得意だしね。自分の中では決して聴くことのないサウンドなんだけど、ホント、このギターのお陰で聴いていられるわ。バキバキのこの音はホント、独特だよなぁ…、指弾きってのもあるだろうけど、このペチペチな弾き方、やっぱり相当独特なトーンが出て来るし、7カポ中心ってのもその辺あるんだろうな、フレーズはマンネリだからどう聴いてもアルバート・コリンズってのばかりだが、こんだけのインパクト。だからこういう新しいサウンドにも挑戦して飽きさせないスタイルを作っていったんだろう。斬新と言えば斬新なアルバム。



Albert King - Blues at Sunrise

Albert King - Blues at Sunrise
Blues at Sunrise

 古くからのブルースメンの中で一番ロックのフィーリングに近いギターの音を出していたんではないか、というのがアルバート・キングでして、それはさ、フライングVでのトーンってのが一番大きいんだろうと。他の人って大抵ハコギターだからああいうトーンが中心になってて、そういうフレーズとか指の力での音色が特徴的になってるから黒人しか出来ない音がでてた部分大きい気がするんだよ。その中にあって、アルバート・キングってのはフレーズや指の力ってのはもちろんその黒人系統なんだけど、ギターの音だけは馴染みのあるトーンだから随分と不思議。だからこそSRVもゲイリー・ムーアも取っ付いていったんだろうと。

 そんなアルバート・キングの1973年のスイスノモントルーでのフェスティバルのライブを収録している「Blues at Sunrise」というライブアルバムがだ、これまた良い時期のライブで、ジャケットの写真見てイメージ膨らませて欲しいけど、こんくらい気合入ったライブな感じで、冒頭からアルバート・キングのフレーズだわ、こりゃ、ってのがバンバン出てきててライブとしてはそんなに熱い、ってんじゃないけどやっぱり気合入った感触のライブ。ギター聴いちゃうんだよ、こういうの。一音一音のトーンの引っ張り方ってのが超個性的で速いフレーズなんて全然ないけど、味わいのあるフレーズばかり出てくる。だからこそ生きてくるスローブルースでのフレーズなんかもお手の物、こんだけの味が出てくるのはやっぱりキャリアだよな…。

 この人結構たくさんライブ盤が出てるからフレーズを楽しむのはいくらでもできそうだけど、それだけ人気があるってことなんだろう。フォロワーも多いんだろう。自分的には実はそこまで入れ込む事はなかった人なんだけど、一度ライブを目の前で見たことがある。デカい黒人のジジイだなぁ…って感じで、ぶっきらぼうにギターを抱えてお得意フレーズ乱発してって引っ込んでった無愛想な人。スゲェな…って思った記憶があるわ。その後B.B.King見てた時なんて愛想良くて、サービス精神たっぷりだったから対照的でさ、色々あるな、なんて思いつつ、どっちもブルースギターを楽しむには良い経験した。こうしてアルバート・キングのライブ聴いてるとそんな風景を思い起こしつつもやっぱり良いフレーズ出してくれてるのも納得。白熱ってライブじゃなくて味わい深いライブ盤、そんな作品だね。



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物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


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