Buddy Guy - The Blues Is Alive And Well

Buddy Guy - The Blues Is Alive And Well (2018)
BLUES IS ALIVE & WELL

 街にアジア人が増えた。今はアレコレあって減っているようではあるがそれでもやっぱりまだまだ多い。しかもこれがデカいスーツケースガラガラ引きながらウロウロしているんだからどうしようもない。小ぶりのをガラガラ引いている人も多いし、当然ながら迷惑のかかりまくる時間帯にウロウロしているなんて認識はないだろうからやむを得ないとは言えうっとおしいったらない。人口減少と言われるなかのインバウンド施策としては理解はするけど、元々いる人間たちにストレスを与えてまですることなのだろうか?被災したアチコチの地域では観光業として、経済的な損失は大きいというのはあるが単純に地元民からすると地元民しかいないから昔に戻ったみたいに凄く快適な日本です、みたいな安心感はあるらしい。普段如何にストレスを抱えて街で接触しているか、だよね。難しいけどね、そういうモンだろうよ。

 Buddy Guyの2018年リリース作「The Blues Is Alive And Well」。御大82歳でのリリース。82歳…、何だそりゃ?それでこの音か?ってくらいには普通に気合の入ったロックブルースが炸裂している。ロックの世界では最長に近いストーンズよりもちょいと早くシーンに出てきていたブルースメンだからね、それがこんだけ元気でライブまでアルバム出してこんだけうるさい音でギター弾いて、更にジェフ・ベックやキース・リチャーズなんかもゲストに迎えての楽しみ、なんでも出来ちゃうんだろうね、この人。面白いわ。とは言っても作風曲調に大きく変化があるもんでもなく、細かくは色々と楽しみを加えてくれてるけどここのトコロの作品のどれ聴いても大きな違いはない。だからと言って駄作なワケもなく、どれも素晴らしき傑作なので味わい深く楽しめるところが見事。

 今回の目玉はやっぱりベックとキースとバディ・ガイのジョイントだろうね。ベックは全編に渡ってトリッキーなギタースタイルからオーソドックスなプレイまでキメてくれていて、その合間をバディ・ガイの王道ギターが突き抜けてる。キースはと言えばいつも通りに派手なプレイなどはなく、ギターソロ回しだ、ってバディ・ガイが「キース!」と言って紹介するにも関わらず、ほんの少々サワリ的なフレーズを鳴らしてコードワークで流していく。でも面白いのは、あ、このギター、キースかな、ってのが鳴ってくるんで分かるんだもん。この渋さというか安定感、凄いなと。それとね、皆さんギターの音が凄く良い。これは自分のイヤフォン替えたからだろうが(笑)。かと思ったら今度はミック・ジャガー参加曲もあって、これもまた不自然なトコロが全くないセッションでね、バディ・ガイはホント、この辺りのロックファン皆さん好きだろうね。自分も大好きだし。いつまでもやっててほしいです。








Gary Clark Jr. - Live North America 2016

Gary Clark Jr. - Live North America 2016
ライヴ・ノース・アメリカ 2016

 この手のを探したり漁ったりしているとネット上での専門店なんかも見つけちゃうからそこでも情報収集できたりして、やっぱりネットでのオタク的追求ってのはどんだけ時間あっても足りないなと久々に実感。多分皆普通にそういうふうに調べたりとにかくググれ的に使ってるんだろうけど、いざニッチに調べていこうとすると割とうまく見つけられなかったりするからさ、どっぷりと浸かって調べると面白い。そうかぁ、こんな人達がいるのか、とかまだやってるのか、とかアメリカの地方のフェスあたり見てると無名でも全然凄いのがたくさんいたりするし、有名だったけど普通にしれっと出ているとかさ、何かやっぱり色々と違う。それでいてプレイはもう絶品ものばかりだし、広さが違いますな。

 Gary Clark Jr.の2016年のライブツアーからのアルバム「Live North America 2016」。これがはっきり言って名盤。素晴らしいライブアルバム。こんだけ生々しくギタープレイとか魂出てくるとか歌に出てくるとか凄すぎる。とりわけこのギタープレイが刺さるんだ。他のアルバムやライブでもいつもそうだから取り立てて気合入っててってんでもないんだろうけど、この人のライブはホント素晴らしくてどんどん成熟していく。だから今じゃ多分血も肉もブルースに成り切っててそのままギターを通して出てきているんじゃないだろうか。ジャケットからは想像できない熱い魂の叫びが聴けるライブアルバムです。別に白熱プレイだけでもないし、アグレッシブな曲ばかりじゃないのに、スローでもしっかりとその味わいが出てるしさ、何かもう、神。

 まだ30代前半でコレかよ…、どこ行っちゃうんだろ?音楽的な幅を広げていくのか、ひたすらに探求してこの道を極めていくのか、このままの路線で売っていくことに走るか…、これは無いだろうけど。いろいろな人とのセッションから何かを見つけていくか、既に唯一無二の世界観は作り上げてるから更にある飛翔って難しいだろうけど、まだまだ期待したい人です。こういうブルースをゆっくりとひたすら聴いていたら気持ち良いだろうな。




Eric Gales - Middle of the Road

Eric Gales - Middle of the Road (2017)
Middle of the Road

 脈々と続いているブルース・ロック。英国の白人小僧達が寄ってたかって作り上げたブルース・ロックの流れからアメリカへ逆輸入され、そこからは世界中へと発展し、今ではルーツそのものである黒人達も英国白人達が築き上げたブルース・ロックの影響を更に逆に受けてのルーツ回帰、即ちそのままブルースをやるというよりはブルース・ロックの影響力を受けてのブルースプレイ。結果的にはそれはブルース・ロックになってるんだけど、黒人がそれをやってるってのはなかなかおもしろいなぁと思う。そういう輩が増えてきていて、若い世代からすればロバジョンもB.B.Kingもジミヘンもプリンスも同じように耳に入ってくるんだからそうなるのは自然な流れ。クラプトンなんかもそうなんだろうが。

 Eric Galesの2017年作品「Middle of the Road」。随分とこなれてきてブルース・ロックとかブルースって枠組みにこだわらない作風になってるな、という印象。もちろんしっかりと要所要所では特異のストラトギターのトーンが差し込まれてくるから相変わらずのギター少年ぶりで、その辺りは安心して聴いていられる。それよりもアルバム全体の作風が伸びやかになって自由な曲調が多い。これはこれで面白い作風で、その実あまり聴くことのない空気の乾き方かも。そこを色付けていくのが、先日も絶賛していたChristone "Kingfish" Ingramのど真ん中直球のブルースプレイだったり、Gary Clark Jrだったりローリン・ヒルだったりするようで、なかなか多彩なゲストと自身の自由さを楽しんだアルバムとも言えるか。

 Christone "Kingfish" Ingramのプレイがアルバムという枠組みで聴くとどうなるのかと思ったけど、案外普通に、と言うかフレーズ自体にはまだそこまでの個性はないからなのか独特のトーンは感じるけど、こりゃ一発で分かるってんでもないのが少々残念。まだまだその意味での磨き方は必要なんだろうな。それでもやっぱ、アルバムの中じゃGary Clark Jrと共にしっかりと際立ったギタープレイを聴かせてくれてるのは事実。そして負けじとエリック・ゲイルズ自身はロック寄りなアグレッシブなプレイスタイルが特徴的。完全にブルース・ロックそのもの、ですな。








Christone "Kingfish" Ingram

Christone "Kingfish" Ingram



 稀代の天才を聴ける、リアルタイムでそういった天才に出会えるってのはそうそう多くはないだろう。ミュージシャンを色々と聴いたりしていると、そりゃスゲェとか天才だ!なんて思う瞬間はたくさんあって、それが楽しいし刺激的だからこの趣味やってるんだけど、才能のあるミュージシャンと天才とでは明らかに違いが歴然としていて、こりゃ天才だわ…ってなるのはそんなに多くない。知れば知るほど天才だよなぁってのもあれば最初っから天才だろこれ、って思っててやっぱりその天才ぶりに感銘しているままってのもある。今の時代はそういう天才ってのは早くから出てきちゃうモンで、それはもうネットの世代だからね、そういう天才には周囲の敏感な人がどんどんと反応しちゃうから発見されるのが早い。良い事、なのかな。

 本日のお題となるChristone "Kingfish" Ingramって若者はまだ10代でまさにジミヘンと並ぶ天才とも言われている。まだ学生だからアルバム制作していなくて専らライブ活動だけっていうアマチュアギタリストの領域のハズなのに、既に14歳くらいからその天才ぶりが発見されててプロのブルースメン達とステージでセッションしてたりするんだから末恐ろしい。そのヘンはプロのミュージシャン達も感度高いからさっさと試したくなるんだろうな。同じく子供の頃から天才としてシーンに出てきていた連中からしてもやっぱり可愛がりたい存在にもなっててエリック・ゲイルズなんて人は自分のアルバムに一曲ゲストで参加させて弾かせてたりもするし、サマンサ・フィッシュともやってるようだ。後は高齢のバディ・ガイ、そして最近はデレクとテデスキ・トラックス・バンドでのゲスト参加など引く手あまたのギタリスト。

 はて、どんなプレイか、そして何が天才なのか、ってのは見れば分かるんだろうけど、ブルースとソウルとロックの融合を見事に果たして、そのギタープレイがもうね、練習してたら出来ました的なのじゃないワケ。心のままにフレーズが出てきてそのまま音になってるというか、ジミヘンもそうだったけど、ギター弾いてるってよりは魂そのままを放出しているというプレイなんだよ。冷静に見てると基本ブルースでクリーントーン中心なオーソドックスなブルーススタイル、でもギターソロになるとブルース・ロックの歪んだ音で気持ち良く弾きまくるというスタイル。なるほどこのスタイルはなかなかありそうで無かったパターン。まだまだ荒削りだけど基本はそんなスタイルでのプレイでアメリカのアチコチのフェスにも引っ張りだこどころかトリまで飾っている始末…まだアルバム一枚出してないのに、だよ。

 ホワイトハウスでのイベントにも出演しててオバマ夫人から絶賛されてたってのもユニークな話だけどそんな評判なくてもこのプレイ見たらその天才ぶり、分かるんじゃないかな。あのガタイのカッコ悪さも天才には関係なかったってのもこれまたギャップがあって面白いでしょ。これからが無茶苦茶楽しみな若者ブルースメン。



Mud Morganfield - Son of the Seventh Son

Mud Morganfield - Son of the Seventh Son (2012)
サン・オブ・ザ・セヴンス・サン

 どこの世界でも有名な父親と比較される子供たちって図式はどうしたって出てくるモンだが、往々にしてその対比からか子供たちに歩があるというパターンは多くはないように思える。政治家だろうとスポーツマンであろうと俳優であろうとミュージシャンであろうとそれは同じなんじゃないかな。結局親がどうのってよりも個々人の資質や努力が名を挙げるのだからスタートラインは優位であるが、それ以上に努力しないと超えられないというハードルの高さが次世代には大変な壁として出てくるものだ。そりゃさ、比較対象が悪いよな…。

 そんなお話を地で行くかのような人の一人でもあるMud Morganfieldの2012年リリースの初メジャーソロアルバム「Son of the Seventh Son」。誰この人?ってのはさ、ちょこっと聴いてみてからチェックしてほしいんだが、Muddy Watersの長男さんです。んで、2012年の作品なんだから想像できるようにかなりの歳になってからのソロアルバムです。それまでは音楽業界にすらいなかったワケで、父親の偉大さから距離を置いて普通に仕事してまっとうな人生を歩んでいたらしい。それが幾つかのきっかけによってブルースやってみるかね、って事で悟りを開いて歌ってみたのがこのアルバム。まんまマディ・ウォーターズが歌っているだろ、ってくらに瓜二つの声が聴ける事に驚く。そしてじっくり父親のブルースを聴いてたんだろうなぁ、ってかもう子供の頃から染み付いてたんだろうな、って思うけど、見事なまでにシカゴのモダンなブルースをやらせたらピカイチ。マディ・ウォーターズが現代に戻ってきてアルバム出してるかのような錯覚を起こすほどの再現性は分かってても驚く。

 決して売れることもないだろうし、父親を超えたと言われることもないだろうけど、しっかりと悟った中でこういった音をアルバムでリリースしてくれるのはやっぱりありがたい。故人の新作なんて聴けるハズもないんだけど、こうやって故人の新作みたいなのが聴けるってのは不思議な感覚として楽しめる。しかも音楽性もそういうのを踏襲しているしさ。あまりにも伝説的な存在であるマディ・ウォーターズの倅なんて大変だろうけど、ようやくこの歳でそれを楽しめるようになったってのもね。良いじゃないですか、うん。







Bernard Alison - Let It Go

Bernard Alison - Let It Go (2018)
レット・イット・ゴー

 外食が中心の生活してるからそういった場所での様々な家族形態を見る事が多くなるのだが、そりゃ当然ながら色々ある。一人でフラフラっと来る人も入ればカップルなんかで来るのももちろんあるが、家族単位で来るのも当然多くて、それが親の躾と言うか子供たちへの教育方針みたいなのが見えちゃうっつうかね、無頓着だったりしっかりしてたり自由奔放だったり色々。どういうふうに躾けてきたかってのすぐ分かっちゃうもんな。全部分かるワケじゃないが、そこ注意しなかったんだ、とか良く躾けてるな、とかね。他所様の話だからどうでも良いんだが、子供のそういうの見てると親のそういうのもよく分かる。なるほどこの親にしてこの子あり、みたいなね。

 Bernard Alisonの2018年作「Let It Go」。バーナード・アリソンってのはもちろんルーサー・アリソンの9番目の息子さん、ってことで存命中から一緒に活動していたりしたのでしっかりと父親の遺伝子を受け継いだサウンド、ギタープレイに仕上がっているのは面白いトコロ。っつうことはあのロックともファンクとも言えるミクスチュアなブルーススタイルがそのまま引き継がれているってことで、聴いてみれば分かるけど、ギタープレイも父親そっくりのフレーズと音色がバンバン出てくる。だから若手ブルースメンが云々っても、このバーナード・アリソンの場合は既にオールドタイマーなリスナーを満足させるレベルが、素地が出来上がっているって事で安心して聴ける。その上で今時のサウンドとの融合やミクスチュアなども意識してシーンにアルバムをリリースしている。そりゃま、1965年生まれってんだから決して若手なワケじゃないしな…。

 このアルバムでは割とスタンダードなシカゴブルーススタイルを辿ってはいるものの、やっぱりモダンなスタイルとの融合なんかはしているし、時代遅れにならないサウンドにも仕上げているから妙に新しいんだけど、出てくるギタースタイルは超オールドタイム。今時のブルースメン達と同じフィールドでのサウンドではあるけど、でもバーナード・アリソンの場合は80年代後期からシーンにいるワケだから既にベテランの域にあり、それでいてこの新たなチャレンジって見事なモンだよ。今一度見直して聴き直して味わいを楽しむべきブルースメン。




Luther Alison - Luther's Blues

Luther Alison - Luther's Blues (1974)
LUTHER'S BLUES

 時代よりも早いセンスで音楽を作り出していくミュージシャンやアーティストの作品ってのはともすればその次代の先駆けになることもあれば、早すぎて無視されて後の時代に再評価されるみたいなこともある。どうしたって売れるか売れないかって指標はあるから作品の革新性がどこまでマッチするかしないかってのは難しいんだろうけど、そこに取り組む人ももちろん多くいるからこそ面白いサウンドが出てくる。マンネリ化した音だけじゃシーンは活性化しないし、っていうような図式はこんだけ色々聞いてきて歴史的なものも知ったからこそ言えるもので、普通にアルバム聴いて、っていう感じでリアルで聴いている場合だとどうしたって好む好まない、みたいなのが優先するからそんな冷静には聴いてないよね。そのヘンが難しいんだよな。

 Luther Alisonの1974年のデビューアルバム「Luther's Blues」は何とも驚くことにモータウンレーベルの別レーベルであるGordyって所からリリースされていて、まぁ、言うならばそれはモータウンからのリリースとも言えるのだが、それでいてこんな作品が出せたのか?って驚くばかり。もちろん最初からルーサー・アリソンって人は白熱ブルースギター野郎なんだけど、歌も歌うし、割と新しいスタイルや周囲の音への感度、吸収力なんかもあって何でも取り込んでやるぜくらいのスタンスがあったようで、デビューアルバムでも思い切りホワイトブルース的ロック的アプローチでのスタイルから何とも驚くことに思い切りファンキーなスタンスでホーンセクションありみたいなのも普通に従えている。当時のアルバムだとA面最後からB面にかけてのあたりがちょいと驚くファンクとの融合が果たされている。これでデビューアルバムだ。

 もちろん初っ端からアルバム全編を通してストラトでの歪んだ超絶ブルースギターが鳴りまくっているのと物凄く印象的なスライド・ギターも曲に合わせたスタイルで弾かれているし、何よりも全編当然ながらのボーカルが今度はやけにソウルフルでブルースには軽いけど白熱の熱唱が実によろしい。やっぱりルーサー・アリソンは面白い。ロック好き、ホワイトブルース好きなロック好きにはバディ・ガイよりもマッチするスタイルの人なので超絶オススメ。最初っからこんなんなんだもんな、ライブが白熱しまくるのは当たり前で、そりゃ後に評価されるはずだ。今でもまだまだ知名度低いだろうからどんどん上げていってほしいよね。こんだけのプレイしてくれる人、なかなかいない。ギター好きな方、オススメな一枚…ってかプレイヤーです。






Little Sonny - Black & Blue

Little Sonny - Black & Blue (1971)
Black & Blue

 まだまだ知らないけど面白いアルバムってのは山のように存在する。その氷山の一角を少しでも聴けたらラッキーだな〜って感じでひたすら色々と探して調べて聴いたりしているんだけど、昔ほどカネかからなくて良いわ。ネットである程度まで…と言うか大抵のものは実際に聴けたりするから調べて気になったらちょっと試しに聴いてみて、とかそのままDLしちゃったりとかチェックメモにひたすら入れてったりとかもう昔とは雲泥の差だよね、こういう探し方見つけ方ってさ。そのおかげでユニークな作品を幾つも見つけられたり、自分の好みの方向性がどういう所にあるのかとか分かってくるし、今度はその世界を拡張していくみたいな探し方もあるし、このデータベースの宝庫はホント凄い。

 Little Sonnyの1971年リリースの傑作と名高い「Black & Blue」を聴く。アルバムジャケット、凄く良いよね。昔のブルーノート的なセンスで聴く気になろうってモンじゃないですか。んで、聴いてみればこれがまたここ最近追い求めていたかのようなファンキーでブルージーでソウルフルでハードな熱さを持ったアルバムに仕上がっている。調べてみればやっぱり名盤として名が通っている作品らしく、そりゃそうだろうなぁと納得しながら聴くワケです。リトル・ソニーってのはもちろんSonny Boy Williamson IIのソニーから取られている名前で、リトル・ソニー、ってなワケでのハーピスト。でもここで聴けるのはハーピストとしてのソロ吹きまくりってんじゃなくてきちんとバンド単位でのアンサンブルがあっての作品に仕上がっているんで、そのヘンがうまく作られてる。ホーンセクションもBar-Keysって著名なところを起用しているのもあって、しっかりと要所要所で活躍してくるし、ギターなんかもずっと鳴ってるしね、リズム隊も含めてタイトなバンドがかなり聴きやすく、そしてファンキーにまとめ上げてくれている。

 実際コレ聴いてるとブルースアルバムなのか?って思う部分も大きくて、一言でハープブルースの傑作なんて言う人はいないだろう。どっちかっつうとハープの入ったファンクな作品で、かなりカッコよいよ、って程度になるんじゃないかと。だから紹介しにくいのかもしれないし、自分もなかなか出会うきっかけが無かったというのもブルースギター的な側面からは全然出てくる事無いからだろうと思う。ハープだけってんでもないし、なかなか難しいカテゴライズだね。でもね、これ、かなり面白い所突いている作品です。何かに突出しているんじゃないから、ってのもあるが、だったら聴く必要性もどこまである?って微妙なバランスではあるんだけど…、この世界でも70年代ってやっぱり面白かったんだなぁ…、

James Cotton - 100% Cotton

James Cotton - 100% Cotton (1974)
100 Per Cent Cotton

 昔バイト漬けだった頃にそのバイト先で有線を入れててさ、割と自分一人でやってたりした時間も長かったのもあって、途中から有線も好きに流してて…、ホントなら客受けするであろう適当なBGMやポップスとか軽いのを流しておくべきものとして入れていたんだろうけど、自分がそのヘン触れるようになっちゃってからはいつもヘンなのを流してた(笑)。ヘンってもブルース専門チャンネルとかひたすらロック系とか、かと思えばなんかムード曲ばかりとかいわゆる一般的とはちょいと違うのばかりを流しててさ、結構面白い発見もあったりして自分的には楽しんでた。そんな中でのブルースチャンネルって面白くてこんなギター弾く人いるんだ、とかハープでこんだけやっちゃうんだ、とか聴いてて…、ただ、有線って曲名もアーティスト名もなくてひたすら垂れ流しだから何だか分からなくて探すのはほぼ無理なのが残念だったが…。

 James Cottonの1974年リリースの「100% Cotton」というアルバムはそんな有線で流れたのが元で探し当てた作品だった。曲名とか曲調とか単語とかそういうので探してってね、そもそもハープってのが珍しかったから割と探しやすかったのはあるけど。んで、後で色々と調べているとやっぱり名盤扱いされている作品で、ここでもファンキーさが取り上げられていたりして登場したんだが、いわゆるハープなブルースアルバムでブギ中心のアルバムだから如何にもハープブルースってこういうの、っていうのが詰め込まれている感あって代表作になっているんだろうと思う。脳天気にブルースって感じだもん。冷静に聴いていると確かにブルースなんだけど、こんだけブギばっかりでハープばっかり吹いてるのってブルースなのか?って気もするのだが、他に似合うジャンルも見当たらないし、確かにブルースのカテゴライズになるのだろう。

 ギターブルースじゃないから余計に物足りなさ感はあるんだけど、ハープでこんだけやってくれる人もそうそういない。そして見事にR&Bやファンキーな世界とも融合を果たしていて、ご機嫌なブルースが繰り広げられるのも見事。誰がどう聴いても「へぇ〜」ってなブルースになってるもん。吹きまくりもあるしバックの演奏だってしっかりファンキーになってるし…。ただなぁ、このジャケットのセンスの無さもさすがだ、って気がするわ。




Howlin' Wolf - Message To The Young

Howlin' Wolf - Message To The Young (1971)
MESSAGE TO THE YOUNG

 暑い夏を暑くならないように過ごすために爽やかなものを聴いていこうと意識した夏になったのだが、そこからの発見は実に多くのものが得られた気がする。こういう無謀な取り組みをしてみると自分が知らない世界を改めて知ることも出来るし、これまでの知識から更に発見できることもあるし、とどのつまりがロックに戻ってくる時により一層の深みを持って聴けるってことかもしれない。まだそこまで辿り着いてないけど。結局は楽器を演奏して何人かでバンド形態で音楽を奏でるという事になればジャズでもフュージョンでもブルースでもロックでも同じ構図なワケで、似たような楽器編成だし、それぞれが影響を受け合いながら切磋琢磨して更に新しい領域へチャレンジしていくってのは同じなんだし、って考えるとね、どれもこれもクロスオーヴァーしてくるんですね。

 Howlin' Wolfの1971年の問題作「Message To The Young」。前作「The Howlin' Wolf Album」の方が問題作なのだが、このアルバムもその延長で、ブルースメンという枠組みのハウリン・ウルフからしたらホント異色作だし、何でこんなの作ってるんだ?ってくらいな代物だけど、ロックへの接近、ファンキーなアルバム作り、新たな領域へのチャレンジという面からすればこんなのも出来ちゃうんだ、っていう凄さもある。大体があの図太い割れたような声質で普通の音楽が出来るワケないのだが、そこがロックとかブルースの深いところで、難なく受け入れられてしまう懐があるワケだ。だからハウリン・ウルフがあの声で少々違うことをやったって作品として面白いものとして仕上がるってのはある意味当然だったのかもしれない。だからここで聴けるハウリン・ウルフの作品ってのはブルースに根ざしたってのをあまり意識する必要はないかも。もちろんギタープレイやら何やらってのはあのまんまだからブルースなんだけど、そういうリズムの曲が少なく、ロック寄りの作風ばかりだからちょいと違って聞こえてくるって話。

 それにしてもカッコよいアルバムだ。重いロックなんだよ、これもまた。決して軽くなることのないブルースメン達の歌とギターなんだけど、バンドにしてもやっぱり重い音出すし、迫力のある、パワフルなサウンドが出てくるってのはやっぱりライブで鍛えられているからなんだろうか、これぞロック、と言わんばかりの音。かと言って白人が奏でるブルース・ロックとは全く毛色が異なるので、黒人が奏でるロックブルースという代物になるのだろうか、ユニークな作品が出来上がったものだ。やはりもっともっとこういう奥深い作品をじっくりと聴いていくべきですね。







 | HOME |  »

プロフィール

フレ

Author:フレ
物心付いた時からロックが好きでいつぞや何でも聴き漁るようになり、多趣味な生活を過ごしているロックマニア。


ロック好きの…別館リンク


ブログ検索


最新記事


カテゴリー


最新コメント


最近のトラックバック


カレンダー

11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

過去ログ+

2019年 01月 【1件】
2018年 12月 【18件】
2018年 11月 【30件】
2018年 10月 【31件】
2018年 09月 【30件】
2018年 08月 【31件】
2018年 07月 【31件】
2018年 06月 【30件】
2018年 05月 【31件】
2018年 04月 【30件】
2018年 03月 【31件】
2018年 02月 【28件】
2018年 01月 【31件】
2017年 12月 【31件】
2017年 11月 【30件】
2017年 10月 【31件】
2017年 09月 【30件】
2017年 08月 【31件】
2017年 07月 【31件】
2017年 06月 【30件】
2017年 05月 【31件】
2017年 04月 【30件】
2017年 03月 【31件】
2017年 02月 【28件】
2017年 01月 【32件】
2016年 12月 【32件】
2016年 11月 【30件】
2016年 10月 【31件】
2016年 09月 【30件】
2016年 08月 【31件】
2016年 07月 【31件】
2016年 06月 【30件】
2016年 05月 【31件】
2016年 04月 【30件】
2016年 03月 【31件】
2016年 02月 【29件】
2016年 01月 【32件】
2015年 12月 【32件】
2015年 11月 【30件】
2015年 10月 【31件】
2015年 09月 【30件】
2015年 08月 【31件】
2015年 07月 【31件】
2015年 06月 【30件】
2015年 05月 【31件】
2015年 04月 【30件】
2015年 03月 【31件】
2015年 02月 【28件】
2015年 01月 【32件】
2014年 12月 【31件】
2014年 11月 【30件】
2014年 10月 【31件】
2014年 09月 【30件】
2014年 08月 【31件】
2014年 07月 【31件】
2014年 06月 【30件】
2014年 05月 【31件】
2014年 04月 【30件】
2014年 03月 【31件】
2014年 02月 【28件】
2014年 01月 【32件】
2013年 12月 【32件】
2013年 11月 【30件】
2013年 10月 【32件】
2013年 09月 【30件】
2013年 08月 【31件】
2013年 07月 【31件】
2013年 06月 【30件】
2013年 05月 【31件】
2013年 04月 【30件】
2013年 03月 【31件】
2013年 02月 【28件】
2013年 01月 【32件】
2012年 12月 【32件】
2012年 11月 【30件】
2012年 10月 【31件】
2012年 09月 【30件】
2012年 08月 【31件】
2012年 07月 【31件】
2012年 06月 【30件】
2012年 05月 【31件】
2012年 04月 【30件】
2012年 03月 【31件】
2012年 02月 【29件】
2012年 01月 【32件】
2011年 12月 【31件】
2011年 11月 【30件】
2011年 10月 【31件】
2011年 09月 【30件】
2011年 08月 【31件】
2011年 07月 【31件】
2011年 06月 【30件】
2011年 05月 【31件】
2011年 04月 【30件】
2011年 03月 【31件】
2011年 02月 【28件】
2011年 01月 【32件】
2010年 12月 【32件】
2010年 11月 【30件】
2010年 10月 【31件】
2010年 09月 【30件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【31件】
2010年 06月 【30件】
2010年 05月 【31件】
2010年 04月 【30件】
2010年 03月 【31件】
2010年 02月 【28件】
2010年 01月 【32件】
2009年 12月 【32件】
2009年 11月 【30件】
2009年 10月 【31件】
2009年 09月 【30件】
2009年 08月 【31件】
2009年 07月 【31件】
2009年 06月 【30件】
2009年 05月 【31件】
2009年 04月 【30件】
2009年 03月 【31件】
2009年 02月 【28件】
2009年 01月 【32件】
2008年 12月 【32件】
2008年 11月 【30件】
2008年 10月 【31件】
2008年 09月 【29件】
2008年 08月 【30件】
2008年 07月 【30件】
2008年 06月 【30件】
2008年 05月 【31件】
2008年 04月 【30件】
2008年 03月 【31件】
2008年 02月 【29件】
2008年 01月 【31件】
2007年 12月 【29件】
2007年 11月 【30件】
2007年 10月 【29件】
2007年 09月 【28件】
2007年 08月 【31件】
2007年 07月 【30件】
2007年 06月 【29件】
2007年 05月 【30件】
2007年 04月 【30件】
2007年 03月 【26件】
2007年 02月 【27件】
2007年 01月 【20件】
2006年 12月 【31件】
2006年 11月 【30件】
2006年 10月 【31件】
2006年 09月 【30件】
2006年 08月 【31件】
2006年 07月 【31件】
2006年 06月 【30件】
2006年 05月 【31件】
2006年 04月 【30件】
2006年 03月 【31件】
2006年 02月 【28件】
2006年 01月 【31件】
2005年 12月 【31件】
2005年 11月 【30件】
2005年 10月 【20件】


リンク


RSSフィード


全記事表示リンク

全ての記事を表示する


QRコード

QR

Click! Click!


格安sim mineo!

楽天市場

LED ZEPPELIN by LED ZEPPELIN【日本語版・4000部完全限定】

チープ・スリル(50周年記念エディション)

REMASTERED PART 1 [CD BOX]

REMASTERED PART 2 [CD BOX]

グラストンベリー 2000【2CD+DVD】

ラヴ・ミー・パパ

オーティス・スパン セッション集1953-1960 -シカゴ・ブルースマンの日記-

アートワーク・オブ・ヒプノシス

クラシック・ハード・ロック・ディスクガイド (BURRN!叢書)

バンド・スコア 80年代ブリティッシュ・ハード・ロック[ワイド版]