Hatfield & The North - The Rotter's Club



先にEgg
ファーストアルバムは1974年にリリースされていて、同じようにカンタベリーそのものって感じなんだけど、ちょっと混沌としてる印象。でも、事故で半身不随となってしまったロバート・ワイアットの復帰曲も収録しているので、こういうところがカンタベリー人脈でしょ。やっぱ、いいんですよね、これも。そして翌年にこの「The Rotters' Club」をリリースするんだけど、もうねぇ、ジャジー、サイケ、変拍子、プログレ、ポップ、アバンギャルド、ユーモア、浮遊感、切なさ、ドラマティックっていう音楽の要素を全て揃えていて、もちろん演奏も上手いし、歌も上手い。だから聴きやすい。そういえば、バックコーラスにはあのバーバラ・ガスキン嬢も参加しているんだよね。まぁ、デイヴ・ステュワートがいるんだからおかしくないけど(スチュワート&ガスキンっていうユニットも透明感あってイギリス的でなかなかオススメなんです)。
それにしてもこういう音楽ってのはどうやって作って演奏するんだろ?やっぱ楽譜書くんだろうか?ロック畑にいると楽譜を見て、なんてのはあんまり多くないと思うんだけど、これくらい完成度の高いサウンドになるとやっぱ音楽家の演奏だから楽譜なんだろうなぁ。でも途中のどう考えてもアドリブっつうパートなんてのは楽譜表現じゃないだろうし、って思うワケですよ。もちろんバンドという単位の話なのでできてておかしくないし、実際聴けるんだからさ。感性が近い人達がこんなにいっぱいいるってのがカンタベリーの地方性なんだろうか。まあ、いずれにしても言葉では絶対に表現できない落ち着いた大人の、そしてイギリスでしかあり得ないまろやかでエッジの立ったサウンドはプログレというジャンルを大きくはみ出ている素晴らしいアルバム。ちなみにアメリカ盤ではボーナストラック付きで出てるのでお得♪
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