Hatfield & The North - The Rotter's Club

5 Comments
The Rotters' Club Hatfield and the North Egg

 先にEggというバンドを書いておかなければいけなかったのかな。でも、まあ気分的に盛り上がったのでやっぱりカンタベリーロック随一の名盤と呼ばれるHatfield & The Northの「The Rotters' Club」を聴きたくなってしまったのでいいでしょ(笑)。いや、何故かっつうとですね、このバンドの構成がこないだ書いたマッチング・モールから抜擢されたギターのフィル・ミラーと昨日書いたゴングのドラマー、ピップ・パイル、ちょっと前に書いたキャラバンのリチャード・シンクレアがベースと歌、Eggから参加したデイヴィ・ステュワートが鍵盤なワケですよ。ま、その辺はスティーブ・ミラーだったりデイヴ・シンクレアだったりしたみたいだけどね。要するにカンタベリーロックシーンってこういう人達が自然と交流していていつの間にかバンドが出来上がってるみたいな感じなんだよね。で、やってる音楽が凄い。絶対的に完成度の高い全てを含んだ音楽と云えるのかな。あ、ブルースだけはないけどね。こないだまで散々ブルースを書いていてこんなにブルースの全くないサウンドにハマってるってのも面白い自分の趣味なんだけど(笑)。

 ファーストアルバムは1974年にリリースされていて、同じようにカンタベリーそのものって感じなんだけど、ちょっと混沌としてる印象。でも、事故で半身不随となってしまったロバート・ワイアットの復帰曲も収録しているので、こういうところがカンタベリー人脈でしょ。やっぱ、いいんですよね、これも。そして翌年にこの「The Rotters' Club」をリリースするんだけど、もうねぇ、ジャジー、サイケ、変拍子、プログレ、ポップ、アバンギャルド、ユーモア、浮遊感、切なさ、ドラマティックっていう音楽の要素を全て揃えていて、もちろん演奏も上手いし、歌も上手い。だから聴きやすい。そういえば、バックコーラスにはあのバーバラ・ガスキン嬢も参加しているんだよね。まぁ、デイヴ・ステュワートがいるんだからおかしくないけど(スチュワート&ガスキンっていうユニットも透明感あってイギリス的でなかなかオススメなんです)。

 それにしてもこういう音楽ってのはどうやって作って演奏するんだろ?やっぱ楽譜書くんだろうか?ロック畑にいると楽譜を見て、なんてのはあんまり多くないと思うんだけど、これくらい完成度の高いサウンドになるとやっぱ音楽家の演奏だから楽譜なんだろうなぁ。でも途中のどう考えてもアドリブっつうパートなんてのは楽譜表現じゃないだろうし、って思うワケですよ。もちろんバンドという単位の話なのでできてておかしくないし、実際聴けるんだからさ。感性が近い人達がこんなにいっぱいいるってのがカンタベリーの地方性なんだろうか。まあ、いずれにしても言葉では絶対に表現できない落ち着いた大人の、そしてイギリスでしかあり得ないまろやかでエッジの立ったサウンドはプログレというジャンルを大きくはみ出ている素晴らしいアルバム。ちなみにアメリカ盤ではボーナストラック付きで出てるのでお得♪

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フレ
Posted byフレ

Comments 5

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千里  
こんばんは

コメント&TB、ありがとうございました。今勉強中のアルバムが満載でとても嬉しいです。
(先月The Rotter's Clubを聞きましたし、今日は車の中でFreeのTons of Sobsを聞いていましたし、次はCARAVANのIn the Land on Grey and Pinkを聞く予定です!)
どの記事もとても深く濃く書かれていてとても勉強になりそうです、また寄らせていただきますね。
これからもよろしくお願いします。

2006/01/14 (Sat) 23:19 | EDIT | REPLY |   
V.J.  

度々失礼します。
カンタベリー街道驀進中ですね。
こうなったら、キャロル・グライム&デリバリーのフールズ・ミーティングを取り上げて下さい(笑)

お願いするなら、自分でUPしろ!ですね…(苦笑)
こいつらをメンバーだけで、カンタベリー系にくくるのは抵抗が無いわけではないのですが、ハットフィールドが出るなら、避けて通れないのでは?ナショナル・ヘルスとかもいましたねぇ。そういえば…
脈略の無いコメ失礼致しました。

2006/01/15 (Sun) 01:52 | EDIT | REPLY |   
evergreen  
じっくり聞きたい音楽です。

カンタベリーも奥が深いですよね。シンクレア氏は若い頃ハンサムで、途中から帽子かぶりだしたと思ったら、ちょっと薄くていらっしゃるかな?なんて、余計な事でした・・・失礼!
カンタベリーは私自身還暦すぎてから、じっくり研究します!

2006/01/15 (Sun) 01:53 | EDIT | REPLY |   
いたち野郎  

カンタベリーの人脈…これがまたさっぱりでして(汗
そんないい加減なワタクシですが、Hatfield&the north、勿論大好きです。特にセカンドですね。去年の来日ライヴは行き損ねましたが…下記事のGongのcamembert electrique
は、個人的には初期Gongの中では愛聴盤であります。うーん、やはり自分はサイケテイストが好みなんでしょうか?

2006/01/15 (Sun) 04:30 | EDIT | REPLY |   
フレ@ロック好きの行き着く先は?  
数々のコメント面白いです。ありがとう~。

>千里さん
おわ~、凄いアルバムの聴き方ですね。ブログの方でも方向性無関係的に聴いていらっしゃるのを読ませてもらったので凄いなぁと思ってましたが(笑)。オジーもいいしね♪んなことで、あまり深くは書けてないのですがたまに遊びに来て見て下さい。ガラリとよく方向性が変わりますのでネタにどうぞ~。キャラバン、いいっすよ~~。

>V.Jさん
いやぁ、読まれてました(笑)。で、その通りにNational Health書こうと思ったんですけど…、聴いてたらイマイチな感じがしてきて止めちゃいました。何ででしょ?ハットフィールドが良すぎたから?でも昔は聴いてすげぇ~って思ってたんですけど…、ちょっと陰湿だからかな。で、キャロル・グライム&デリバーリーは…、やっぱブルースでしょっ!マギー・ベル書いた時に思い付けばよかったなぁ、と後悔。アンクル・ドッグとかもいいですし、ポール・コゾフも参加してるし…。ってことはフリーとハットフィールドが繋がるってこと!?ブリティッシュは奥が深い…。

>evergreenね~さん
シンクレアって名前がかっこいいんだよなぁ。シンクラビアみたいだからかな(意味不明)。カンタベリー深みにはハマらない方がいいでしょうねぇ。

>いたち野郎さん
これからこれから♪ サイケ好きなのは酒好きとかドラッグ好きとか(笑)?ヘンなのが心地良くなる時期ってありますからいいじゃないんですかね。自分もこんなの聴くとは思わなかったもん。ゴング、ライブ盤もいいんだよなぁ…。

2006/01/16 (Mon) 22:51 | EDIT | REPLY |   

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  •  わかってるの・・・わかってるのよ(笑
  • 手首を返すだけで、反応することはわかってるの。いちいち、振り回さなくっていいのも知ってるの。テニスなんて、そんなホントに振らなくても反応してくれるのよ。うん、わかってるの。頭では、キチンと(笑でもね、でもね、白熱すると、ホントに振りかぶってしまうのよ(笑
  • 2006.12.04 (Mon) 00:13 | Trapo de la eternidad