Led Zeppelin - Houses of The Holy


で、まぁ、夏休み特集ってことで王道バンドをひたすら書き連ねてみるかな、と。改めて名盤を聴き直すことも必要だし、っつうかやっぱこの辺聴いてると落ち着くんだもん。んなわけで、何かと御用達なのはやっぱりツェッペリン♪ 今回は5枚目となる「聖なる館」ですな。
1968年のファーストアルバムリリースから4枚目までアルバムタイトルはなくって数字表記だったのがここにきてようやくタイトルらしいタイトルが付いた作品。もう、バンドメンバー全員の才能が集約された傑作に仕上がっていて、一昔前まではこのアルバムが一番好きな作品だったなぁ。オシャレ感覚もあるし。うん。もうさ、最初の「永遠の詩」のイントロからして痺れた。なんだこのかっこよさは、って。ハードロックとか何とかっていう枠では絶対に捉えられないスケールの大きな曲で音色も独特。未だにこれを超える楽曲ってのは耳にすることがない。これがライブになると更に強力なナンバーになっていて、全く驚かされる一曲だね。ドラムもベースも強烈に自己主張しているし、最高。んですぐに続くのが「Rain Song」。これもメロトロンの響きと変則チューニングギターによる何とも言えない独自の空間を紡ぎ出す音色とアレンジ、そしてコードの奏でられ方にしても妙な和音で構成されているので非常~に面白い。そして不思議な感覚。こんな曲に歌メロを付けるプラントの才能も凄いがやっぱりジョンジーの職人芸が唸らせる。プログレッシヴロックが全盛の中、ツェッペリンは独自の解釈で英国のロックバンドとして全く異なる解釈からプログレッシヴロック勢を相手に瞬時にしてイニシアチブを取ってしまったというのは言い過ぎか…。それくらいに強烈なインパクトのある曲でねぇ。この二曲の流れは実に美しいっ!そこへ「丘の向こうに」が登場するのだ。静と動を組み合わせたこれも美しい曲で、イントロの響きからして素晴らしいし、途中の変則上昇フレーズによる錯覚もお手の物、さすがツェッペリンと唸らせるアレンジが堪らないねぇ。ロックってのはこういう曲の醍醐味が必要よ、ほんと。惜しむことなくフレーズを用意して瞬間瞬間のためだけにそのアイディアが用いられて、最強の曲が出来上がる、正にそんな例。ここからはちょっとお茶目になって(笑)、1972年のライブあたりから登場していた変拍子の妙なリフで構成された「クランジ」半音進行のキメが妙に心地良くって、またボンゾ好みのファンキーなリズムにトライしたツェッペリンの面々によるグルーブファンク。ま、ただ、そういうシンプルな音にはなってないんだが(笑)。
アナログだとここでA面終了。うん、ジャケットは両面開きでないと意味がないのだが、多分ツェッペリンって再発でもなんでもシングルジャケで出直したってことはないだろう。多分。売れないバンドだとダブルジャケットなんて初回だけであとはシングルジャケに変更っての一杯あるけどツェッペリンは多分そんなのなかったんじゃないかな。世界各国盤になるとわからんが…。ヒプノシスによる幻想的なイメージを放つ絵で、もう有名な英国の北部にあるジャイアンツコーズウェイっていうところにある六角形の石柱が立ち並ぶ場所での撮影写真から創られたモノだな。一変このジャイアンツコーズウェイって行ってみたいなぁ…。自然が創り出すモノなのに六角形って一体どんなん?って思うし、見てみたい。うん、いつか行こう…。
さてB面、「Dancing Days」でちょっとルーズなロックへ。このアルバム発表前の日本公演でもライブでやっていたし、割と早い段階での新曲だったみたいでこなれている感が強かったのかな、逆にオーバーダブの部分が気になっちゃってね、それでも独特の雰囲気を持った曲だよね。そしてご存じおちゃらけソング「D'Yer Mak'er」。時代背景から調べないとわからないだろうけど、とにかくレゲエってのが発掘されてブームになって、っていうのがあったのかな。そこでツェッペリンも遊び感覚でどういった曲調でもツェッペリン流にできまっせ~っていう趣味の範疇を試した曲だね。だからレゲエチックなんだけど、ボンゾのドラムであの軽いノリは無理(笑)。しっかり重くてハードロック的解釈を持つレゲエになっちゃってて、ペイジのソロはさすがに流暢なものだけど、ってマジメに書いてみる曲じゃないな(笑)。さぁ、そこへ今度は超幻想的な名曲「No Quater」。メロトロンを駆使した、そしてペイジのギターにしてもリディアンモード、だっけ?全開のツェッペリンを象徴するかのような美しき、そして幻想的、夢想的な空間を与えてくれる傑作。ライブでも出来てしまうのが凄いのだが、もうどんな欠点も見出せない完璧な曲。ポップスばかりを聴いている人には苦痛でしかないかもしれないが、この魅力がわからなきゃロック好きとか言えんだろ。全てに於いて素晴らしすぎる作品。そんな曲の後に更に強烈な「Ocean」があったりして、これがもうねぇ、最高にロックな曲とリフでさぁ、気持ち良いんだよ、この爽快感が。最後の最後まで楽しませてくれる傑作中の傑作。う~ん、やっぱ凄い。
改めて、改めて聴き直してみるともの凄い作品だよ、やっぱこれは。他のどんなロックバンドでもここまでのものは創れない。そんな素晴らしい完成度を誇るアルバムで出会えたことに感謝するよなぁ、と。このアルバムリリース後の映画「永遠の詩 (狂熱のライヴ)」があるがために余計に印象深い曲が多いのも事実だけど、とにかく絶賛。これこそがツェッペリンだ。
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