Bakerloo - Bakerloo (1969):
2 Comments

アッチのバンドとコッチのバンドのメンバーのアイツが昔どこそこにいて、そこであいつと出会って一緒にやってて、その後で前の仲間が登場して意気投合したから一緒にバンドやって、みたいなのが見えてくるのもこの時代に凝縮された英国のロックシーンならではの楽しみ。王道バンドなら誰かがどこかに必ず書いているから分かりやすいけど、アングラになってくると全く取り上げられなくて、突如としてシーンに登場してくるし、実際そういう希有な人もいるので全部が全部じゃないけど、それでも皆何かしら繋がりがあるので英国ロックのファミリートゥリーは多分全部繋がると思う。
メイ・ブリッツ結成秘話については以前に書いたけど、実はベイカールーがその元凶って事まではなかなか知られていなかった。しかし、そのBakerlooとはなんぞや?って事になると割と説明しやく、なぜならば、Humble Pieのギタリストとして名高いクレム・クリムソンが在籍していたバンド、と云うか彼が最初に大掛かりに自分の才能を示してみせたバンドだから。ちなみにドラマーの名がキース・ベイカーだったのがバンド名の由来で、地下鉄の駅名説もあるけどどうだろ?ベースの名前がテリー・プールと言うから英語的にBakerとPooleの合体でBakerlooって云うのかなとふと思った。クレム・クリムソンは多分最後にバンドに加わったと思うが、元々のバンドの名はBakerloo Blues Lineと言う名前だったようで、クレム・クリムソンはこの時18歳くらいと云われているのでその辺は先輩に逆らわずにとりあえずバンドの主導権を握ってライブをこなしているうちに曲作りのセンスが見い出されて見事レコードデビュー、と言う感じだろうかと。それが唯一の作品となったアルバム「Bakerloo」だ。
名盤です。アルバムとしてはゴッタ煮状態でブルースからジャズ、クラシックからハードロック、リフものなどバラエティに富んだもので、クレム・クリムソンの才能が弾けまくりだが、実は彼のギターの腕前としては後のcolosseumやHumble Pieを知っているだけにまだまだだと思える。ただ、この頃のこういうギターは好きだし、不器用と言うか辿々しい部分もあるけど音が前に出て一生懸命弾いている姿が出てて、ブルースも全然ホンモノに聞こえないけどそれらしくやってるのが良いし、よく云われるのが「Drivin' Backwards」がバッハの旋律をジャジーに弾いてて画期的らしい。確かに聴くと凄いなと思うし、しかも前の曲があの「Bring It On Home」で、Zepのアレと同じ曲のくせに全然違うアレンジになってる。A面最後にはドラムソロが挟まれて、初期Zepと構想自体は同じなんだなと。バンドの実力は別としてアイディアレベルではクレム・クリムソンの才能は凄いし、そしてB面の大曲が後のコロシアムの「Valentyne Suite」に繋がるのかな、と。
1969年英国のハーヴェストからリリースされた作品で、ハーヴェストもかなりワケの分からないバンドをリリースしているけど、このバンドはハーヴェストレーベルのロゴが似合うバンドだった。ジャケットももちろんダブルジャケットで楽しみたい所。

- 関連記事
-
- Iron Maiden - The Number of The Beast (1982):
- Bakerloo - Bakerloo (1969):
- Eyes of Blue - In Fields of Ardath (1969):