Whitesnake - Slide It In (1984):
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「スーパーロック’84」は主要都市の野球場で開催されたけど、トリはMSGとホワイトスネイクで交互に入れ替えていて、確かにどっちもヘッドライナーの貫禄を持ち合わせたバンドだったが、子供心にMSGがトリと思ってたけど今考えればホワイトスネイクがトリだったか。ネット時代の今、このスーパーロック'84も一大イベント&青春の思い出な人が多く、ビデオが出ていたのも愛着沸く貴重なイベントだった。
自分が当時住んでいた開催地のトリはホワイトスネイクだったが、そのちょっと後の出たばかりのロッキンf誌の表紙でジョン・サイクスがミラーピックガードのレスポールカスタム黒を抱えてデビカバと一緒に写ってたので、自分の中ではレスポールカスタム黒のミラーピックガードはジョン・サイクスの構図が出来上がっている。他の面々はベーシストにニール・マーレイ、ドラムにコージー・パウエルの超豪華な布陣で来ていたから悪いはずがないし、しかも本当に絶頂期のデビカバだから、見に行った人達の話ではMSGに期待をかけて行ったが、デビカバ率いるホワイトスネイクが凄すぎてMSGが霞んでしまったと。
このアルバム「Slide It In」もMSGの「限りなき戦い」と同じくオリジナルミックスとアメリカンミックスの違いが同じ理由で存在していて、「Slide It In」の方がもっと悲惨な結果で、アメリカンミックス盤は脱退したメンバーの音に大した重要性はなく、音のバランスを整える意味と、新メンバーに早速カネが落ちるようにするため、ジョン・サイクスのギターがアルバム全編に被せられて世に出た。両方とも市場に出回って大変な状況だったらしいが、ほとんどの人間が聴いたのはUSミックス盤だったようだからオリジナルのUKミックスはちょっと前に初めて聴いた。MSGと同様にUKオリジナルミックスは音が塊になって、もっさりしているミックスだがUSミックス&ジョン・サイクス盤は世界レベルに通用する音の歯切れの良さと洗練されたサウンドが特徴的で、この辺はアメリカの商売勝ち。そうしてデビカバもその波に呑まれていくが、この後に成功するからマイケル・シェンカーほど悪くはない。
「Slide It In」は有名で売れたが、今ではUSミックスとUKミックスがほぼ両方収録されたデラックスエディションがリリースされているのでお得で、ジャケットもフォトセッションのアウトテイクを使っているので異なっていて分かりやすい。ここまで歯切れの良いハードロックアルバムもそうそう見つからないし、文句を言える箇所もないが、自分的には当時熱狂していればバイブルだったけど、当時ハマらなかった作品で、今聴けばメンツによる個性も出ているし楽曲もよく出来ているので凄いと思うがしょうがない。

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