Caravan - Waterloo Lily

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 ソフト・マシーンと同じバンドをルートに持つCaravanも1972年には既に多様の変化をし始めていた頃で、こちらはキーパーソンでもあったデイヴ・シンクレアが脱退してしまうという事態に陥っていた頃だったのだが、カンタベリーバンドの常なのか、それでも大きなサウンド変化にはならないというか相変わらずカンタベリーらしい音を出したままと言うか、全くガラリと変わった面もあるのだが、バンドの歴史としては良い方向に変化していったというユニークな展開。それこそがCaravanの面白いところで、やっぱりこのポップさは侮れない。

Waterloo Lily グレイとピンクの地+5 夜ごと太る女のために+5
 「Waterloo Lily」1972年リリースの4作目、前作「グレイとピンクの地」が初期の傑作として名高く、そしてこの後にリリースされる「夜ごと太る女のために」がかなりの傑作だったためどこか埋もれがちなアルバムではある。まぁ、ジャケットからして少々地味なのは確かだが、サウンド的にはそんなこともないんだよね。もちろんデヴィッド・シンクレアのいなくなった穴をスティーヴ・ミラーが埋められたとは思えないんだけど、しっかりと埋められているところもあって、悪くないしさ。一応Caravanのアルバムの中では最もジャズ寄りのサウンドと言われているんだけど、それはスティーヴ・ミラーの特性のおかげではある。が、さすがにソフト・マシーンを聴いた後では全然そういう雰囲気を感じるものでもなくってもっと音楽的に昇華させるための鍵盤楽器の美しさを引き出しているというような感じで、一方まだパイ・ヘイスティングが全開とまではギターを弾き切っていない面がこの後を知っているともどかしいかな。しかし前作に比べると楽器の演奏レベルがグンと上がっているように感じるのは気のせいかな、二曲目の「Nothing At All」っつう曲ではあのロル・コックスヒルとフィル・ミラーがゲストで参加しているのでそのせいかもしれないけど(笑)。パイ・ヘイスティングの相変わらず美しい「Song By Signs」なんてのはモロにCaravanって感じの小曲で、あぁやっぱりカンタベリーっていいなぁって思う瞬間。

 なんだかんだでやっぱりこのアルバムも名作だと思うよなぁ。ポップなメロディの曲はないけど音的にはしっかりとCaravanの世界だし、デヴィッド・シンクレアが不在というのも相対的には大きな問題になってない、と思う。いたらいたで違うんだけど自分的には許せるなぁ、この世界をきちんと出してくれるんだったらね。そう思えるアルバム。

 ちなみに中ジャケはとんでもなく強烈なお姉ちゃんの絵なのが表ジャケットとギャップがあって面白い。こういうユーモアセンスも喜ばしいな(笑)。

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フレ
Posted byフレ

Comments 3

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千里  

恐れ多くもTBさせていただいちゃいました。
Pink、夜毎~に続いて、アルバム名に惹かれて聞いてみたのですが思いがけず大当たりで嬉しかったなぁ。CARAVAN、いいですよね。

2007/06/25 (Mon) 23:27 | EDIT | REPLY |   
papini  

Golf Girlの動画だぁ♪アタシ、この曲好き♪
自分のPCの中に保存してあるのに、ここでもまた見てるし(笑
キャラバンとか、この辺のバンドの音盤って
みんな中身もさることながら、ジャケも素敵なのよね♪
この中ジャケねぇ・・・何かの間違いかと思ったわ(笑

2007/06/26 (Tue) 00:53 | EDIT | REPLY |   
フレ  
ども♪

>千里さん
いやいや、こないだ千里さんも書いてたので思い出しました(笑)。この辺の作品はどれもよろしいですからねぇ。

>papini嬢
「Golf Girl」って面白いタイトルだし曲も良いし、いいんだよねぇ。自分でビデオとか持っててもやっぱりきっかけないと見ないし、そういう意味でもYouTubeは凄いよなぁ。中ジャケのウェイトレス、ユニークだよな(笑)。

2007/06/28 (Thu) 21:59 | EDIT | REPLY |   

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  •  Waterloo Lily@Caravan
  • やっぱりこうこなくっちゃ。Caravan:Waterloo Lilyリチャードさんのボーカルは1曲だけだったけど、その分ベースが炸裂しちゃってるよ。
  • 2007.06.25 (Mon) 23:24 | 音楽編♪