Andy Fraser - Andy Fraser Band (1975):

2 Comments
B0000241OU

 フリーを語る時、話題は必ずベーシストのAndy Fraserになる。フリー独特のあのノリを出しているのは紛れもなくAndy Fraserでしかなく、今に至るまでこのようなベースプレイを前面に出した人はいないし、こんなベース弾く人もいない。時代の産物なのか、どうにも他では受け入れられないタイプのベースなのか、とにかく稀有な存在。それでいてフリーは今でも聴かれているから奇跡に近い存在だったとも思う。

 そんな天才ベーシスト兼ソングライターだったAndy Fraserが自身の名を冠したバンドの最初の作品「Andy Fraser Band」が1975年にギンギラギンのアルバムジャケットでリリースされていた。今じゃCDでも手に入るからありがたいけど、こういう中途半端な作品はアナログ時代は見つけるのが大変だった。存在の中途半端さで音じゃないです。こういうソロ作品はレコード屋のエサ箱になくて困る。フリーのコーナー見て「A」のコーナー見て、そしてロックじゃないところも探して、とやらないと出てこない。結局手に入れたけど。

 Paul Rodgersを聴いたから、Andy Fraserの「Andy Fraser Band」は、モロにPaul Rodgersが歌っているような印象でPaulをイメージした作品に感じる作風。似ていると言うよりも自ずとそういう作品が出てきて、以前はアンディの曲を普通にをPaul Rodgersが歌っていたからそういう印象も納得するが、単純に「Andy Fraser Band」はフリーに近い曲が揃っている。Paul RodgersはBad Companyで新しい世界を作り出していた頃で、Paul KossoffはブルースをベースにしたBack Street Crawlerで何とか起死回生を図っている頃、Andy Fraserは一人でこんなにフリーな音を作っていた。

 ただ、録音と楽器の音がかなりチープなので、如何せん作品レベルで語られる事が少ない。音楽に関係ないけど、もっときっちりと録音されてればと良かったと思うが、歌い方はほぼPaul Rodgers。ああいう歌の上手さはないけど歌のメロディや出し方は全く一緒で言えば当たり前でもあるが、本作ではベースプレイをほとんど全面に出さず、あのノリも出さず、実際は結構弾いてるかもしれないが、普通に弾いている印象に聴ける。再度聴き直してこのソロアルバム「Andy Fraser Band」の価値を何となく理解し始めた。Paul RodgersとAndy Fraserでこのアルバムのセルフカバーをロックにやったら面白かったと想像出来る隠れた名盤。





UKbluesrock
関連記事
フレ
Posted byフレ

Comments 2

There are no comments yet.
蟹子  

この記事去年ありませんでしたっけ?

2022/02/13 (Sun) 11:44 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>蟹子さん

去年かもうちょっと前かな。16年分のコンテンツありますからねぇ…。

2022/02/13 (Sun) 14:41 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply