Soft Machine - Six (1973):
2 Comments

英国音楽は実に奥深いとつくづく感じさせられるバンドばかり。中でもあまり一般的ではないけどとんでもなく凄いバンドの位置付けで聴いているソフトマシーン。アルバム毎にメンバーは違うし内容も異なるので実態が掴みにくいバンドで、自分でも最初は不思議感多かった。簡単明瞭に言えば初期はサイケ、中期がジャズロック、それからフュージョンバンド。今回はその狭間、中期から末期の間にリリースされて究極の美しさを保っているアルバム。
ソフト・マシーン「Six」
全ソフツのアルバムの中で「Six」が一番好き。ちょっと前までは全く聴けずにレコード探すのも精一杯のソフツのアルバムで、CDにはなってなかったしアナログも全然見つからなかった。あるのはいつも「Bundles」や「Softs」で数字アルバムは全然見当たらなかった。だから順番に見つけられなくて何か見たら買いだった。売れた初期三枚はまだそれなりだったが、4枚目から7枚目までは見つけるの大変だった。あってもメチャ高いし。そんな苦労があって、最後の最後まで手に入らなかったのが6枚目。二枚組だったからレアで見つけると相当高くて。配給はCBSだから決して珍しくもないのに絶対数の問題か。ようやく見つけて買ってターンテーブルに載せて速攻で聴いた。
一枚目はライブが収録されていたが、当時は知らなかったのでちょっと驚いた。何が一番驚いたかと言えば、最後に入っている歓声が凄く大きな会場の大歓声みたいに収録されていたから。この音楽でこんなに絶賛されてしまう事に驚いた。好きなのは二枚目のスタジオ録音の方で「Soft Weed Factor」から始まるミニマル的な反復サウンド。こんなの聴いたことない衝撃で、静かに一人でハマって聴く音楽だが、電子ピアノの音色と管楽器の融合に重いベースが絡んだ浮遊感が凄いバランスで成り立っている作品と感動。次のアルバム「7」も同じ路線だけど「6」の美しさに圧倒的軍配が上がる。多分「6」でヒュー・ホッパーが脱退したからちょっと変わったようで、新加入のカール・ジェンキンスが最初から主導権を握って新たな展開を進めたのも微妙なバランスだったか。ニュークリアス組とソフツ組のバランスが良かったらしい。
しかしこの作品は本当に気持ち良い。後にカール・ジェンキンスはアディエマスでヒーリングミュージックの大御所になっているが、その源流はニュークリアスにあるとしても確実に「6」にも流れていて、そう聴くとなるほどヒーリング世界と思える。気持ち悪くならないプログレサウンド。

- 関連記事
-
- Robert Wyatt - The End Of An Ear (1970):
- Soft Machine - Six (1973):
- Elton Dean - Just Us (1971):