Derek & The Dominos - In Concert

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Derek & The Dominos - In Concert (1973)
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 Eric ClaptonのキャリアでDerek & The Dominosは実に短命に終わったプロジェクトでもあったため、レコードはスタジオ盤2枚組ながら1タイトルだけ。後の1973年にライブアルバム「In Concert」がリリースされたが、内容は1970年10月のフィルモア・イーストのライブ演奏から収録されている。つまりその1年程度しかDerek & The Dominosで活動していないので、どこか歴史的に軽視されている面もあるが、そこで「Layla」のヒットがあったからあながち捨てられないプロジェクトとして有名になっている。この時期のクラプトンは実は結構セッション的プロジェクトも多く、ジョン・メイオールもパワーハウスもブラインド・フェイスも一枚だけのアルバムセッションで流浪の旅に出ている。結局このあとはすぐにソロ活動でアルバムをリリースするので、仕事三昧ではあったようだが、その理由もご存知のような話で、ある意味実に熱量の多い時期だった。

 クラプトンと言えばクリームで魂のぶつけ合いをしていた時期が最もギターを弾いていたと知られているが、聴けば聴くほどに実はそれ以上にDerek & The Dominosの方がギターを弾いていると判明してくる。レコード時代は「Layla & Other Assorted Love Songs」でしかその勇姿を楽しめなかったが、1994年に発掘音源を含めて「Live at the Fillmore」がリリースされてその超絶ギタープレイを知らしめた。Derek & The Dominosのライブは、クリームと異なり、クラプトン主体のバンドで、バック陣営がそのサポートと脇を固めるスタンスが出来上がっているのでクリームのぶつかり合いよりギターを弾いている姿は納得する。それでいながら鍵盤奏者のボビー・ウィットロックのピアノやオルガンプレイとの絡みや白熱ぶりがプロのミュージシャンのせめぎ合いでカッコ良く決まっている。ジム・ゴードンやカール・レイドルのリズム隊の鉄壁演奏ぶりもさすが職人芸と唸らされる中、心地良く歌い上げ、さらにギターを存分に弾きまくるクラプトンの姿は今では考えられない程の熱意を感じる。

 スタジオアルバムだとややダレ気味にも聴こえるプレイが多く、さほど好まないが、このライブアルバムはブルース色が振りかけられた曲と演奏主体だからやたらとカッコ良い。レイラアルバムに入っていた「Layla」や「Bell Bottom Blues」は入っていないが、もっとドロドロしたスタイルのブルース曲を持ち込んでのプレイでここにクラプトンありと言わんばかりの強烈なギターを味わえる。これこそ70年代のロック、もっと言えばロック黎明期にクラプトンが頭一つふたつ飛び出ていた理由も分かるギターの神様ぶりを堪能出来るライブアルバム。1994年の「Live at the Fillmore」と共に大音量で楽しみたい。





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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

2年後の「E. C. Was Here」でも
George Terryはいるけど弾いてますね。

2021/08/23 (Mon) 05:30 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おっさん

この頃はカッコ良いギター弾いてますよねぇ。

2021/08/28 (Sat) 18:36 | EDIT | REPLY |   

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