Trader Horne - Morning Way +2
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Trader Horne - Morning Way +2 (1970)

英国トラッドフォークの世界は元々ロックの世界から入った自分的にはそこに行く必要あったのか、とすら思いながらの旅だったが、レッド・ツェッペリンのアコースティック世界があったからそれは挑戦しなければいけない、触れておかなければ理解は出来ないだろう、との強迫観念もあって取り組み始めた。そもそも音楽は好きなものを感じたものをそのまま素直に聴けば良いだけなのに、わざわざ挑戦するという聴き方もどうかと後では思うが、当時はそういう意気込みと言うか取り組みをしない限り自然に聴く事はないから、敢えてそういう取り組みをしていた。ただ、トラッドフォークの世界も深くて広いし進行中だしとそう簡単に理解出来るものでもなく、肩の力を抜いてあれば取り組む的に進めていったのと、聴いてしまえばものすごく落ち着いた静かな楽曲ばかりでうるさくはないし、牧歌的ですらあるのでリラックス出来る音楽としても聴いていたから良かった。なのでちまちまと聴いたり集めたりするのも楽しかったしさほどのハズレも無かったのか、良い作品ばかりに出会えていたのも大きい。こちらも結局レコードで揃えるにはとんでもなく、ロックよりも更に希少アイテムが多かったのでレコードを見ることすらほとんど無かったアルバムが、CD再発で続々と、それでもロックよりも随分後になってからだがCDでリリースされてきたので、チョコチョコと手に入れて聴いていた。
Trader Horneの「Morning Way」は1970年の作品ながらも1990年頃に早い段階でCDがリリースされたのでそれを聴いていた。その後21世紀になってからリマスタリングされ、ボーナストラックに同時期のシングル2曲を加えて再発されたのが現行バージョンの決定盤だろうか。このバンドも本作が唯一作なのでこれで全て網羅となる一枚ながらとてつもなく素晴らしい世界を聴かせてくれるので驚く。基本、ホントにフォークバンド、フォークデュオ、と言って良いが、ジャッキー・マッコーレーとジュディ・ダイブルの男女ボーカリストで掛け合い的に歌われているのが特徴的で、昔は女性ボーカル至上主義もあったので男性ボーカル邪魔だとしか思わなかったが、久々に聴いている今はこの男女ボーカルの掛け合い、歌い合わせ、相互作用的なものも含めてかなりメリハリの利いた聞き手を飽きさせない見事な作り方だと感じている。素朴なバッキングに素朴な歌のみ、それでも男女ボーカルの掛け合いで物語性を高めているし、聴いている側もひとつのドラマを聴いている感覚になる。しかも楽曲が美しい、と言うのか素朴すぎるのでその珠玉の音色が直接的に自分に響いてくるから嬉しくなるし、ついつい何度も流して聴きたくもなる深みを味わえる。特に自分的にはジュディ・ダイブルさんには割と想い入れも深い部分あるので、改めてこの古い音源による彼女の歌声を染み染みと聴いているところ。背景はクリムゾンの前身グループへの参加から離脱、そしてジャッキー・マッコーレーとの出会いからTrader Horneの結成、それも離脱して別グループの結成もなかなか長続きせずそのままシーンから退いていったようだが、21世紀になり復帰してソロアルバムを何枚もリリースしてくれていたところで自分のブログ見てTwitterにメッセージくれたので想い入れがある、というお話。「日本語読めないでしょ?」と返したら「Googleで翻訳して読んでるわ」と。自分のアルバムをこんなに遠く離れた日本で聴いて、ブログに書いてくれている事が驚きだったし嬉しかったから、と言ってて恥ずかしくなったくらい。そんなジュディ・ダイブルさんの若き日の歌声、歴史を紐解けば様々な英国のロックバンドや人脈と繋がってくるシーンに欠かせない人だったし、21世紀に入ってからのアルバムでもロバート・フリップ卿を呼んで来て参加してもらっているような人脈。そして驚く事に2016年にTrader Horneの再現ライブを行っているのが凄い。
思い出話はこのくらいにして、本作「Morning Way」の素朴な美しさはアチコチで語られつつあり、正直多くを語れる程のバリエーションではない。ただただひたすらその世界が流れてくる美しさと牧歌調な感覚を味わい尽くすものとして聴いているが、アルバムリリース後か同時期にリリースされたシングル「Here Comes The Rain / Goodbye Mercy Kelly」はアルバムに収録された楽曲群とはやや趣が異なり、もうちょいとバンド形式の味わいが深く、トラッドトラッドした雰囲気よりは新しいエレクトリックトラッド的世界に踏み入れているような感触、アルバムから切り離してのアレンジや曲調、取り組みをシングルとしてリリースしたのはどちらの方が受け入れられるかの試験的要素も大きかったのだろうかとも邪推するが、自分的には圧倒的にアルバムのトレイダー・ホーンの世界が好み。13曲もありながらあっと言う間にアルバムが終わってしまうほどの統一感も素晴らしいし、アルバムの出来映えも天下一品の素晴らしさ。

英国トラッドフォークの世界は元々ロックの世界から入った自分的にはそこに行く必要あったのか、とすら思いながらの旅だったが、レッド・ツェッペリンのアコースティック世界があったからそれは挑戦しなければいけない、触れておかなければ理解は出来ないだろう、との強迫観念もあって取り組み始めた。そもそも音楽は好きなものを感じたものをそのまま素直に聴けば良いだけなのに、わざわざ挑戦するという聴き方もどうかと後では思うが、当時はそういう意気込みと言うか取り組みをしない限り自然に聴く事はないから、敢えてそういう取り組みをしていた。ただ、トラッドフォークの世界も深くて広いし進行中だしとそう簡単に理解出来るものでもなく、肩の力を抜いてあれば取り組む的に進めていったのと、聴いてしまえばものすごく落ち着いた静かな楽曲ばかりでうるさくはないし、牧歌的ですらあるのでリラックス出来る音楽としても聴いていたから良かった。なのでちまちまと聴いたり集めたりするのも楽しかったしさほどのハズレも無かったのか、良い作品ばかりに出会えていたのも大きい。こちらも結局レコードで揃えるにはとんでもなく、ロックよりも更に希少アイテムが多かったのでレコードを見ることすらほとんど無かったアルバムが、CD再発で続々と、それでもロックよりも随分後になってからだがCDでリリースされてきたので、チョコチョコと手に入れて聴いていた。
Trader Horneの「Morning Way」は1970年の作品ながらも1990年頃に早い段階でCDがリリースされたのでそれを聴いていた。その後21世紀になってからリマスタリングされ、ボーナストラックに同時期のシングル2曲を加えて再発されたのが現行バージョンの決定盤だろうか。このバンドも本作が唯一作なのでこれで全て網羅となる一枚ながらとてつもなく素晴らしい世界を聴かせてくれるので驚く。基本、ホントにフォークバンド、フォークデュオ、と言って良いが、ジャッキー・マッコーレーとジュディ・ダイブルの男女ボーカリストで掛け合い的に歌われているのが特徴的で、昔は女性ボーカル至上主義もあったので男性ボーカル邪魔だとしか思わなかったが、久々に聴いている今はこの男女ボーカルの掛け合い、歌い合わせ、相互作用的なものも含めてかなりメリハリの利いた聞き手を飽きさせない見事な作り方だと感じている。素朴なバッキングに素朴な歌のみ、それでも男女ボーカルの掛け合いで物語性を高めているし、聴いている側もひとつのドラマを聴いている感覚になる。しかも楽曲が美しい、と言うのか素朴すぎるのでその珠玉の音色が直接的に自分に響いてくるから嬉しくなるし、ついつい何度も流して聴きたくもなる深みを味わえる。特に自分的にはジュディ・ダイブルさんには割と想い入れも深い部分あるので、改めてこの古い音源による彼女の歌声を染み染みと聴いているところ。背景はクリムゾンの前身グループへの参加から離脱、そしてジャッキー・マッコーレーとの出会いからTrader Horneの結成、それも離脱して別グループの結成もなかなか長続きせずそのままシーンから退いていったようだが、21世紀になり復帰してソロアルバムを何枚もリリースしてくれていたところで自分のブログ見てTwitterにメッセージくれたので想い入れがある、というお話。「日本語読めないでしょ?」と返したら「Googleで翻訳して読んでるわ」と。自分のアルバムをこんなに遠く離れた日本で聴いて、ブログに書いてくれている事が驚きだったし嬉しかったから、と言ってて恥ずかしくなったくらい。そんなジュディ・ダイブルさんの若き日の歌声、歴史を紐解けば様々な英国のロックバンドや人脈と繋がってくるシーンに欠かせない人だったし、21世紀に入ってからのアルバムでもロバート・フリップ卿を呼んで来て参加してもらっているような人脈。そして驚く事に2016年にTrader Horneの再現ライブを行っているのが凄い。
思い出話はこのくらいにして、本作「Morning Way」の素朴な美しさはアチコチで語られつつあり、正直多くを語れる程のバリエーションではない。ただただひたすらその世界が流れてくる美しさと牧歌調な感覚を味わい尽くすものとして聴いているが、アルバムリリース後か同時期にリリースされたシングル「Here Comes The Rain / Goodbye Mercy Kelly」はアルバムに収録された楽曲群とはやや趣が異なり、もうちょいとバンド形式の味わいが深く、トラッドトラッドした雰囲気よりは新しいエレクトリックトラッド的世界に踏み入れているような感触、アルバムから切り離してのアレンジや曲調、取り組みをシングルとしてリリースしたのはどちらの方が受け入れられるかの試験的要素も大きかったのだろうかとも邪推するが、自分的には圧倒的にアルバムのトレイダー・ホーンの世界が好み。13曲もありながらあっと言う間にアルバムが終わってしまうほどの統一感も素晴らしいし、アルバムの出来映えも天下一品の素晴らしさ。
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