David Garret - Garrett Vs Paganini

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David Garret - Garrett Vs Paganini (2013)
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 ふとした事からクラシック楽曲の旋律に興味を覚え、そこまでハマる事もないが何となく流している事がある。まだ何がどう、どの楽器がどう、と区分けして聴いている程でもなく単に流れているだけ。以前はそれでも眠くなってしまってまともに聴けなかったが、それが面白くなり始めている部分もあって、なるほど、こうしてまた音楽の幅が広がる、と言うかようやく音楽らしいものが分かるようになってきたのかと自分でも不思議感がある。ロックの世界でもいろいろ聴いているが、そこで突然バイオリンが登場するとそのエキセントリックな音色が自分は凄く好きだったので、多分バイオリンが好きなのだろうとは思っていた。クラシック作品を聴いていてもバイオリン楽曲が美しく自分的に聴きやすく刺さってくるので、そういう角度から耳にし始めるクラシックも良かろうと素人ながら手当たり次第に聴いている日々。そこでもやはりロック好きでギター好きならばどうしても引っ掛かってくるのがパガニーニのバイオリン。当然何がどう、どの曲が云々などまではまるで分からないが、さすがの「24の奇想曲 Op.1 最終曲 主題と変奏 イ短調」あたりは耳にした事もあり、その旋律の凄まじさや美しさはワケの分からない中でも実感していたので改めてマジマジと聴いている。

 David Garretはドイツのバイオリニストで、ロックやメタルの楽曲をバイオリンでプレイし、アレンジもロックよりばかりなので、クラシック界からは完全異端児扱いだろうが、自分のようにロック筋ばかりの人間からすると貴重な架け橋を担ってくれるアーティストで、今回も突然のクラシック楽曲に入るではなく邪道かもしれないがDavid Garretのアルバム「Garrett Vs Paganini」でパガニーニの何たるかを少しかじりかけてみた。アレンジがロック的なので聴きやすく、またリズムや躍動感もロック調に仕上げられているので、実はこの人2013年にパガニーニを描いた映画にもパガニーニ役で出演しているが、その時に一気に録音したサントラ的アルバムともサントラとも言える作品。だから故、一般人にも聴きやすい、聴けるレベルでのアレンジが施されたパガニーニ楽曲ばかりを集めており、歌ものまで入っているあたりがやや違和感あるものの、そこは映画の関係上もあるだろうから、アクセントにもなりどこか高尚な音楽を聴いている感覚を味わえる。普段ガンガンのロックばかりを聴いている耳からするとロック的アレンジが施されているにしても、乗っかっている音楽が本格的なクラシックとなると品格が違うのでどうにも姿勢を正してしまう所。ただ、面白いのはメタルの世界に入るとこの手のクラシック的要素は随分昔から融合しており、パーツパーツで見ればどこも目新しいものではなく、馴染みがあると言えばある。そんな時代錯誤的な感覚を持ちつつも単純にパガニーニの奇想天外奇抜なバイオリン奏法をデヴィッド・ギャレットを通じて聴いている。

 YouTubeにデヴィッド・ギャレット以外にも当然演奏しているバイオリニストのプレイも転がっているのでアレコレ見ていると、皆さんそれぞれが様々なチャレンジとアレンジを施してリズムも旋律のアレンジも変えて演奏しているので、クラシックの楽しみ方はこういう所にもあるのかと納得しつつ、更に楽譜があるならば、という事でピアノやギターでも同じ譜面を演奏しているあたりの解釈はなかなか斬新で、どこかバイオリンでなければ弾けないフレーズ、ギターでなければ弾けないフレーズ、ピアノなら弾けるフレーズがあるので、固定概念を持っていたが、案外そういうのも上手くアレンジしながら演奏出来るものなのかと、その幅と解釈の広さ懐の深さも納得。その意味ではポーランドのMarcin Patrzalekという若者のギタープレイが圧巻だったが、これはある種邪道、だがデヴィッド・ギャレットもアレンジは邪道なのでロックは深い。しかしこのバイオリンの演奏と音色は実に美しくまたエキセントリックで、これほど様々な音色と弾き方があるのかと驚くくらいには知らないプレイが続出してきて、ギターの奏法のユニークささながらバイオリンの深さも実感している。バイオリンで和音、三声和音が弾かれるなど思いもしなかったし、それがパガニーニその人自身がそう弾いていたのも驚く。また、自分の浅はかさをも恥じ入りながら新たな世界の入り口を躊躇しながら触っている感じ。デヴィッド・ギャレット程度ならまだ許されるかなという甘さはあるが、この人の名前を偶然ながらもRammsteinのボーカリストのティル・リンデマンのソロ名義のクリスマスソング「Alle Tage ist kein Sonntag」でも見かけたので、なるほどドイツ人の中ではそういうレベル感にもあるミュージシャンなのかと妙な馴染み感をも覚えた。

 取り留めのないデヴィッド・ギャレットとパガニーニに対するアプローチ話になってしまったが、クラシックへのアプローチをどのように進めたら良いかが自分自身でも分かっていない中、時間をかけてゆっくりと歩ませていくか、もしくはどこかでやはりダメだな、などと捨て去るかもしれないが、やはり古くから存在し続けている音楽なので聴き応えもあるし当然基礎でもあるし難解でもあるのでどこかできちんと知るべきことは知っておきたい世界。









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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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photofloyd(風呂井戸)  

新年早々クラシック・・・いいですね。
先ずはクラシックとロックは、ムソルグスキーの「展覧会の絵」ですね。E.L.&Pで堪能して、続くはピアノ組曲で聴いてそしてラヴェルによって編曲されたオーケストラ版で聴いてと今年の新年の暇つぶしでした。E.L.&P.のライブ映像も1977年のカナダのオりンピック・スタジアムものが迫力満点。
と・・・
そしてフレさんにはショスタコーヴィチはどうかと・・・聞きたくなります。第七交響曲が私は好きですが・・そして最終的にはマーラーに。
こんな調子で、ロックの裏バージョンとしてクラシックは良いですね。期待しています。

2021/01/04 (Mon) 22:42 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>photofloyd(風呂井戸) さん

メモメモ…してたらレビューアップされてましたのでじっくりと読ませてもらいした。
感謝です。

ショスタコーヴィチもちょっとYouTubeで聴いてましたがまだまだ自分にはこれからですね。
ただ、何と言うか、硬質なロジャー的な、と言うか、その感覚あるのかも、と感じましたが…。

クラシックはボリューム調整難しいのが難点(笑)。

2021/01/08 (Fri) 22:59 | EDIT | REPLY |   

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