Oasis - (What's The Story) Morning Glory? (Remastered)
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Oasis - (What's The Story) Morning Glory? (Remastered) (1995)

ブリットポップ大流行の90年代、アメリカではロックは退廃的な方向に進み、死んでいた時代とも言われるが一方の英国はロックとポップの融合が進んで、早い話がビートルズの現代版的なバンドが続々とシーンに登場して競い合っていた気がする。自分的にはその頃はブリットポップに入れ込むハズもなく、どころかほぼ聴かないでいたくらいだが流石に周囲に好きな連中が多くて耳に入る機会は多かった。いつしか普通に聴けるようになってしまい、なるほど悪くないバンドやアルバムだ、とは認識するようになったが今でもそこまで無茶苦茶好きだ、という気分になった事はないのでどこか自分に馴染まない部分があるのだろう。硬派なハードロックとは異なり、どこか柔和な音のくせにギターがレスポールでここまで歪んでいる違和感がそうさせる気がしているが。
Oasisの1995年の大傑作「(What's The Story) Morning Glory?」は丁度その頃に聞かされていたアルバムで、確かにとんでもない傑作だから最初にこういうのを聴けたのはある意味妙な偏見を持たずにオアシスに入れたのかもしれない。聴けば聴くほどに味が出てくる、その良さが滲み出てくる、その後には英国の往年のロックバンド達へのオマージュすら感じられるサウンドも確かめられるとどこまでも味わえる作りになっているのも凄い。当時はそこまで分からなかったから、先程Wiki見ててそうだったのか、と改めて知った次第だが、そういうのも時間の経過が成せる技、最初のごきげんな「Hello」がまさかゲイリー・グリッターの曲の歌詞から持ってきているから、などは知る由もなかった。それにしてもこの「Hello」は勢いがあって、ロックとは少々違うが、ノリの良いナンバーで嫌いな人もそうそう居ないだろうし、「Roll With It」もテンションの高い始まり方で正にオアシスらしい楽曲。「Wonderwall」はまさかと思ったがやはりジョージ・ハリソンのあのアルバムからの曲名だとは。それがあっても単純にメロディの利いた美しい楽曲で、ノエル・ギャラガーの才能がヒシヒシと伝わってくる素晴らしき作品。そしてA面最後、とは言わないだろうが、その位置を飾っている永遠の名曲に相応しい「Don't Look Back In Anger」ですら、ジョン・レノンの「Imagine」のピアノから持ってきている凝りよう。随分と重箱の隅まで突くと楽しみがある作り方しているが、それを知らなくても十二分に楽しめるアルバムだから文句はない。それにしてもリアム・ギャラガーは今でもどういうギタリストなのかよく分からない。基本ソングライターだからそこまでギタリストしていないだろうが、それでも割と目立つ印象的なフレーズをどんどんと紡ぎ出しているので、その意味での評価はもう少し見かけても良いがそうはならないようだ。最低限弾けて当たり前的なレベルがここにあるとしたらその才能はやはり凄いのだろう。
「Hey Now!」もまたオアシスらしい気怠くも流れていく楽曲でテンションも高く、B面一発目と勝手に位置付けているが、絶妙な始まり方。そして少々おまけ的なインストが入り、続いてはそれこそギターのR&Rフレーズがやたらとカッコ良い「Some Might Say」がまたしてもハートを掴む。確かこの曲が最初にシングルになったのか、アルバムがリリースされる前から見ていたか聴いてたかしていた時代。やや地味な、と言うかビートルズだとこういうのよく入ってるが、どこか逆回転風味でお遊び要素満載のサイケ調でもある「Cast No Shadow」だが、それでもメロディは安定のノエル・ギャラガー風。同じようにメロディが心地良い「She's Electric」もビートルズやキンクス風味たっぷりかと思えばどちらもしっかりパクって使っているし作られているようだ。一見オアシスらしからぬ曲調でもありながら聴けばオアシスらしい風刺のある軽やかな作品で、キラキラしている。そしてテンション高くスタートするこれもお得意パターンのアルバムタイトル曲「Morning Glory」のロックスタイルでのカッコ良さが弾けているアンセム。こんな曲がこの位置にあるのだから本アルバムが止められないワケだ。最後まで聴かなきゃこの楽しみとロックさ、そしてスリリングなギターソロが味わえないのだから。そしてオーラスにはポール・ウェラーがゲスト参加しているという「Champagne Supernova」で味わい深く歌い上げ、正にビートルズとばかりに盛り上がりながらノエル・ギャラガーのギターがガシガシと炸裂してくるこれもまたアンセム的側面の強いオアシスらしい曲で非の打ち所もない。
2014年にはCD3枚組でのデラックス・エディションもリリースされており、リマスターは当然ながらデモやライブなどの珍しいバージョンも収録しつつ、Disc2にはこの頃のシングルB面曲を全て網羅し、更にいくつかのレア曲も入れた拡張盤へと進化している。3枚目のディスクにはデモやライブがこれでもかと入れられているので、オアシス信者には随分豪華なプレゼントだったろう。この辺を聴いているとやはり彼らも色々な作風を試したりしてあのスタイルに仕上がっていったのかと分かる面もあり、進化形を垣間見れる楽しみもある。しかし売れに売れまくったアルバムだったが、今聴いてもやはり良く出来てるアルバムで、アメリカのバンド群とは違って彼ら自身が音を創り上げているのだから素晴らしい。ホントに才能あるミュージシャンだが、ノエル・ギャラガーが気にしていた、ビートルズには少しだけでも近づいたのだろうか。どうにも次元の違う比較にしかならないとは思っているが。

ブリットポップ大流行の90年代、アメリカではロックは退廃的な方向に進み、死んでいた時代とも言われるが一方の英国はロックとポップの融合が進んで、早い話がビートルズの現代版的なバンドが続々とシーンに登場して競い合っていた気がする。自分的にはその頃はブリットポップに入れ込むハズもなく、どころかほぼ聴かないでいたくらいだが流石に周囲に好きな連中が多くて耳に入る機会は多かった。いつしか普通に聴けるようになってしまい、なるほど悪くないバンドやアルバムだ、とは認識するようになったが今でもそこまで無茶苦茶好きだ、という気分になった事はないのでどこか自分に馴染まない部分があるのだろう。硬派なハードロックとは異なり、どこか柔和な音のくせにギターがレスポールでここまで歪んでいる違和感がそうさせる気がしているが。
Oasisの1995年の大傑作「(What's The Story) Morning Glory?」は丁度その頃に聞かされていたアルバムで、確かにとんでもない傑作だから最初にこういうのを聴けたのはある意味妙な偏見を持たずにオアシスに入れたのかもしれない。聴けば聴くほどに味が出てくる、その良さが滲み出てくる、その後には英国の往年のロックバンド達へのオマージュすら感じられるサウンドも確かめられるとどこまでも味わえる作りになっているのも凄い。当時はそこまで分からなかったから、先程Wiki見ててそうだったのか、と改めて知った次第だが、そういうのも時間の経過が成せる技、最初のごきげんな「Hello」がまさかゲイリー・グリッターの曲の歌詞から持ってきているから、などは知る由もなかった。それにしてもこの「Hello」は勢いがあって、ロックとは少々違うが、ノリの良いナンバーで嫌いな人もそうそう居ないだろうし、「Roll With It」もテンションの高い始まり方で正にオアシスらしい楽曲。「Wonderwall」はまさかと思ったがやはりジョージ・ハリソンのあのアルバムからの曲名だとは。それがあっても単純にメロディの利いた美しい楽曲で、ノエル・ギャラガーの才能がヒシヒシと伝わってくる素晴らしき作品。そしてA面最後、とは言わないだろうが、その位置を飾っている永遠の名曲に相応しい「Don't Look Back In Anger」ですら、ジョン・レノンの「Imagine」のピアノから持ってきている凝りよう。随分と重箱の隅まで突くと楽しみがある作り方しているが、それを知らなくても十二分に楽しめるアルバムだから文句はない。それにしてもリアム・ギャラガーは今でもどういうギタリストなのかよく分からない。基本ソングライターだからそこまでギタリストしていないだろうが、それでも割と目立つ印象的なフレーズをどんどんと紡ぎ出しているので、その意味での評価はもう少し見かけても良いがそうはならないようだ。最低限弾けて当たり前的なレベルがここにあるとしたらその才能はやはり凄いのだろう。
「Hey Now!」もまたオアシスらしい気怠くも流れていく楽曲でテンションも高く、B面一発目と勝手に位置付けているが、絶妙な始まり方。そして少々おまけ的なインストが入り、続いてはそれこそギターのR&Rフレーズがやたらとカッコ良い「Some Might Say」がまたしてもハートを掴む。確かこの曲が最初にシングルになったのか、アルバムがリリースされる前から見ていたか聴いてたかしていた時代。やや地味な、と言うかビートルズだとこういうのよく入ってるが、どこか逆回転風味でお遊び要素満載のサイケ調でもある「Cast No Shadow」だが、それでもメロディは安定のノエル・ギャラガー風。同じようにメロディが心地良い「She's Electric」もビートルズやキンクス風味たっぷりかと思えばどちらもしっかりパクって使っているし作られているようだ。一見オアシスらしからぬ曲調でもありながら聴けばオアシスらしい風刺のある軽やかな作品で、キラキラしている。そしてテンション高くスタートするこれもお得意パターンのアルバムタイトル曲「Morning Glory」のロックスタイルでのカッコ良さが弾けているアンセム。こんな曲がこの位置にあるのだから本アルバムが止められないワケだ。最後まで聴かなきゃこの楽しみとロックさ、そしてスリリングなギターソロが味わえないのだから。そしてオーラスにはポール・ウェラーがゲスト参加しているという「Champagne Supernova」で味わい深く歌い上げ、正にビートルズとばかりに盛り上がりながらノエル・ギャラガーのギターがガシガシと炸裂してくるこれもまたアンセム的側面の強いオアシスらしい曲で非の打ち所もない。
2014年にはCD3枚組でのデラックス・エディションもリリースされており、リマスターは当然ながらデモやライブなどの珍しいバージョンも収録しつつ、Disc2にはこの頃のシングルB面曲を全て網羅し、更にいくつかのレア曲も入れた拡張盤へと進化している。3枚目のディスクにはデモやライブがこれでもかと入れられているので、オアシス信者には随分豪華なプレゼントだったろう。この辺を聴いているとやはり彼らも色々な作風を試したりしてあのスタイルに仕上がっていったのかと分かる面もあり、進化形を垣間見れる楽しみもある。しかし売れに売れまくったアルバムだったが、今聴いてもやはり良く出来てるアルバムで、アメリカのバンド群とは違って彼ら自身が音を創り上げているのだから素晴らしい。ホントに才能あるミュージシャンだが、ノエル・ギャラガーが気にしていた、ビートルズには少しだけでも近づいたのだろうか。どうにも次元の違う比較にしかならないとは思っているが。
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