Quiet World - The Road

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Quiet World - The Road (1970)
THE ROAD [LP] (180 GRAM AUDIOPHILE VINYL) [Analog]

 CD創世記に早々と絶盤になったアナログレコード音源を再発する動きを見せたレーベルにDawnレーベルがあった。実際Dawnがそういう動きをしたのでもないだろうが、Dawnレーベルの作品はその意味では早々と矢面に立ったとも言える。ヴァージンあたりは戦略的に早かった気もするし、その他ではImmediateもその対象だったか。あの頃は色々と海賊盤紛いのリリースもあって面白かったが、それも商売になったからこそだろう。どこでも売ってたし、買ってたから自分が楽しかっただけなのもあるが。

 Quiet Worldの1970年リリース作品「The Road」はこの後ジェネシスに参加するスティーブ・ハケットがギターで参加していた唯一作品として知られている。音楽性だけで言えば、単純にムーディー・ブルース的なクラシカルとオーケストラとポップスとロックを組み合わせており、牧歌的サウンドもあれば仰々しい作品もあり、器用且つ壮大な音を出せるバンドだった。スティーブ・ハケットのギターもメインで鳴るパートは後にジェネシスで聴ける音色やフレージングに準じているので、既に個性を確立した時期だ。バンドの音は本気でこのまま進めようとしていたのか、はたまたアルバム的にたまたま人の一生、人生をテーマとしたコンセプトアルバムをリリースするだけのために集まったのか。以降の作品がリリースされていない理由は、そのようにも受け止められるし、肝心のスティーブ・ハケットが不在になったから、とも思える。

 アルバムのサウンドだけで聴けば、もうちょっと深くこのバンドを続けてほしかったと思う深みのあるプログレッシブな音を出していて、どこかボウイのような、そして60年代の香りも残しつつ70年代の機器を用いてのコンセプト志向。これは面白い作りと頷いてしまうレベルの高さを誇るアルバムで、他の何処の国からも出て来る事のない大英帝国のこの時期のアルバムそのまま。仰々しいプログレを好む人ならばなるほどこの辺の小粒なプログレッシブロックもありか、と頷ける作品だろう。






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フレ
Posted byフレ

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アーリーバード  
こんばんは

Quiete Worldは未聴なのですがCD創生期の
Dawnレーベル復刻盤はテイチクから発売された
日本マスターを使用した一連の再発CDでしょうか?
確か世界初リリースでComusやJonesyと一緒に
1987年か88年の発売だったと記憶しております。
小生はリアルタイムでTrader Horneを購入しました。
現在も所有しています。手放せない1枚です。

2020/03/18 (Wed) 23:01 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>アーリーバードさん

そのシリーズですね。帯が黄色のヤツ。
ComusやJonesy、Niceもあったかな。
Trader Hornは重宝しましたね。

2020/03/21 (Sat) 20:55 | EDIT | REPLY |   

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