Load Sutch - Hands of Jack the Ripper

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Load Sutch - Hands of Jack the Ripper (1971)
Hands of Jack the Ripper

 Zeppelin人脈で言えばLoad Sutchのセッションアルバムもよく出て来る代物だが、既に紹介した事があるので、ここではその続編ともなった「Hands of Jack the Ripper」を挙げておこう。こちらは1971年リリースながらも録音は1970年4月頃の一日だけらしい。それで作っちゃうのだから大したものだ。気になる参加メンバーはドラムにキース・ムーン、この頃はツアーを終えての隙間だったか。それでもThe Who全盛期のキース・ムーンが参加するとは…。ベースは前回も参加していたノエル・レディングで、こちらはジミヘン所から既に離脱していたからどちらかと言えばフリーでセッションするには時間があった人だろう。ユニークなのはギタリスト。なんとリッチー・ブラックモアその人。既にディープ・パープルでそれなりのステータスを築き上げ始めていた頃だが、まだ売れてはいなかったからこういうセッションにも出て来たのだろうか。その他オルガンにはマシュー・フィッシャーが知られているが、そんなメンツで奏でられた作品。

 名前は豪華で気になる代物に見えるがその実、一晩限りのセッションだけあって、やってる内容は当然ながら3コードのR&Rばかり。それでもアホみたいに騒いでいるから聴いてて面白いのは前作よりも勝っているかも。ユニークでもあり流石だなとも思うのはリッチー・ブラックモアのギタープレイで、やはりクラシックとジミヘンに影響を受けた人でも3コードのR&Rは通っていたに違いない。そうとしか思えないほどに見事なR&Rギターをプレイしている、どころか炸裂させてくれている。キース・ムーンはいつも通りにドンチャンと叩きまくっているが、多少周りと合わせている部分があるのかもしれない。ノエル・レディングもいつも通り、と言っても3コードしかないからそこまでハジけ切れてはいないか。

 リッチー・ブラックモアのハジけ方が凄いが、それ以上にアルバムの主、ロード・サッチその人のハジけ具合がハンパない。もはや喜劇の演出としか言いようのないパフォーマンスをレコード上で実践しているので、些か演劇的。どうしてこういう事がこのメンツで出来ちゃうのだろうか?弱みでも握られてるのか、カネの力か、友情の成せる業か、不思議なセッションアルバム。音楽的にどうのと聴くものでもなく、メンツのキャリア検証用として聴いている方が強いが、それにしてはなかなか楽しめるアルバムなのは嬉しい誤算。



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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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Tommy  

このアルバム、前回のも含めて結構好きですねー。特にリッチーブラックモアのロックンロールバッキングは特徴があります。
後のリッチーのステージパフォーマンスはロードサッチから教えてもらったと聞いた事があります。

2019/12/29 (Sun) 21:32 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>Tommyさん

こんな人でも人の手本になる事もあるんですねぇ…。

2019/12/31 (Tue) 22:44 | EDIT | REPLY |   

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