David Lee Roth - Eat 'Em And Smile
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アメリカンエンターティンメントの象徴、時代の寵児でもあったダイアモンド・デイヴことデヴィッド・リー・ロスと言えばヴァン・ヘイレンの看板ボーカリストだったワケだがその仲の悪さは有名な話でヴァン・ヘイレンの大ヒットアルバム「1984」が大ヒットしてワールドツアーを終えた後、既に稼ぐモノは稼いだのか、バンドは看板ボーカリストをクビにしてこれまた電撃合体劇とも言われたアメリカンロックの星、サミー・ヘイガーを迎え入れることとなったのだ。一方、ソロアーティストとなったダイアモンド・デイヴの方はミニアルバム「Crazy from the Heat」を早々にリリースしてシーンに相変わらずの元気さを見せつけるコトに成功していた。しかも「カリフォルニアガール」というアメリカ人に馴染みのある曲を思い切り軽快に演出してヒットを飛ばしたところだ。
そしてもうちょっとインパクトを放つために正式にバンドメンバーを募集したデイヴが集めたメンバーが何とスティーヴ・ヴァイとビリー・シーンという超絶テクニシャン二人というとんでもない快挙。それで制作された名刺代わりとしては十分すぎる機能を果たした作品が「Eat 'Em and Smile」だね。どこかの酋長みたいなペイントを施したデイヴの顔面アップの作品。1986年のリリースで、もちろん強烈な二人の名前も知ってはいたけれど、ココまで凄いのか、っつうのはこのアルバムを聴いたことで心に根付いた。
最初のデイヴのシャウトにあわせたヴァイのしゃべるギターでの追随なんてホントに驚いたもん。こんなのギターでできるもんなのか?って。当時まだザッパとか聴いたことなかったからそういう意味ではコレが一番最初に喋るギターを聴いた。それでもって曲も滅茶苦茶快適でノリノリのロックでヴァン・ヘイレンより全然分かりやすくてかっこ良かった。このままやってればデイヴもまだまだイケたのになぁ、なかなかそうはならなかったのが残念だね。他の曲も楽曲レベルはそれぞれあって、「I'm Easy」っつうオールディーズ風の作品でのヴァイのギタープレイもさすがなものだし、「Goin' Crazy」でのビリー・シーンのベース…うわぁ~、なんだこりゃ、ってなもんだ。ノリだったら「Shy Boy」だって強烈なブギだしさ…。「Tabacco Road」でのアメリカ伝統的なシャッフルでも最初のヴァイのギタープレイなんてのは当然のようにブルーステイストがあるフレージングでさ、正に天才的なギタープレイとしか云えない…、速いのも味のあるのもサラリとこなしちゃって、しかも古いスタイルもしっかり出来てて、それでいて自分のスタイルをきっちりと持っているから恐ろしい。そこにデイヴの強烈な個性が被さってくるワケだから悪いはずがない。今聴くと結構陳腐な部分も見受けられるけど作品的にはもの凄いレベルの高いアルバムだと思う。「Elephant Gun」みたいな速いブギでのテクニカルの応酬もとんでもなくて、ここでのサイドメン二人のバトルが曲を更に面白くしている。
しかしこのアルバムどれもこれも3分以内に曲が終わるという古くからのポップソングの王道を意識しているっつうのも面白いし、多様なジャンルの曲が入っているのも飽きなくて良い。それよりも何よりもギターが飽きないから良いんだけどさ。しかし残念なことにこの面子でのアルバムは次の「Skyscraper」まででオシマイ。「Just Like A Paradise」というヒット曲が出たけど、そこまでだったなぁ。惜しい。もうちょっと謙虚さがデイヴにあれば…、あ、そしたらまだヴァン・ヘイレンにいるか(笑)。
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