Iron Maiden - Fear of the Dark
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Iron Maiden - Fear of the Dark (1992)

90年代のHR/HM界隈は随分肩身が狭くなっていったようで、それもこれもグランジの波もあるけど、時代的に退廃的なムードもあって明るく突き抜けた80年代からすればそのトーンは歴然とした差があった。当時それを感じていたかと言えばそうでもなく、時代の変化を楽しんでいたし、シーンが変わっていく姿もまざまざと見てた。往年のバンド郡はまるで姿を消し、特にあれだけ花形だった速弾きギタリストたちの瞬殺劇には驚いたものだ。そして出てきたのはパンク時代のギタリストと同様レベル、それこそロックな世界でもあった。そんな時代を往年のバンドが生き抜くためにってのが90年代、今から思えばなかなか不思議で苦痛の時代。
Iron Maidenの1992年リリース作「Fear of the Dark」は今でこそ時代の変化に敏感に反応した作品、これまでの作風=80年代とは異なるアプローチを施した時代に迎合性を持たせた作品として語られるのかもしれない。ただ、当時はこの前作あたり、すなわちエイドリアン・スミスの脱退劇あたりから暗雲が立ち込めていて、ダメじゃね?ってムードがあった。そこにこの「Fear of the Dark」がリリースされて、その作風の変化に結構なリスナーが離れていったものだ。今じゃラストの「Fear of the Dark」が聖歌のようになっているけど、アルバムそのものの持つムードは随分と陰鬱な、と言うかメイデンらしいメタルな発散作には仕上がっていなくて新たな境地とも云える世界観、これが受け入れられるかってトコだ。時代を経て改めてこのアルバムを聴いてみればそれは明らかにブリティッシュの香りのするハードロックからメタルへの流れのもう一方の路線でもあり、なんら不思議なサウンドにはなっていないのだが、これまでが勢い有りすぎたがためにそういう批評にもなったのか。
冒頭からスピードチューンで掴みはOKだけど、確かにそれ以降、妙にしっとりとした作風が多いか。かと言ってギターが派手というのでもなく、歌がメロディー有りすぎるのか、みたいな中途半端な印象すら持ってしまう。ある種こういうメタルってのは多くあるからメイデンじゃなくても、ってのもあったようだ。リスナーは多分、疾走感と変態感を求めていたんだと思うけど、ここではしっとり感と変態感だったからちょいと戸惑った。その融合での成功曲が「Fear of the Dark」なんだろうが、バラつきのあるアルバムかね。プログレッシブ感もどうも纏めきれていないトコある風だし。そんな中途半端な印象すら持ちうる作品ではあるものの、90年代のメイデンとしては傑作の部類。この時代を抜けたからこそ自らを見直すことも出来た、アルバム的には意味深な作品。

90年代のHR/HM界隈は随分肩身が狭くなっていったようで、それもこれもグランジの波もあるけど、時代的に退廃的なムードもあって明るく突き抜けた80年代からすればそのトーンは歴然とした差があった。当時それを感じていたかと言えばそうでもなく、時代の変化を楽しんでいたし、シーンが変わっていく姿もまざまざと見てた。往年のバンド郡はまるで姿を消し、特にあれだけ花形だった速弾きギタリストたちの瞬殺劇には驚いたものだ。そして出てきたのはパンク時代のギタリストと同様レベル、それこそロックな世界でもあった。そんな時代を往年のバンドが生き抜くためにってのが90年代、今から思えばなかなか不思議で苦痛の時代。
Iron Maidenの1992年リリース作「Fear of the Dark」は今でこそ時代の変化に敏感に反応した作品、これまでの作風=80年代とは異なるアプローチを施した時代に迎合性を持たせた作品として語られるのかもしれない。ただ、当時はこの前作あたり、すなわちエイドリアン・スミスの脱退劇あたりから暗雲が立ち込めていて、ダメじゃね?ってムードがあった。そこにこの「Fear of the Dark」がリリースされて、その作風の変化に結構なリスナーが離れていったものだ。今じゃラストの「Fear of the Dark」が聖歌のようになっているけど、アルバムそのものの持つムードは随分と陰鬱な、と言うかメイデンらしいメタルな発散作には仕上がっていなくて新たな境地とも云える世界観、これが受け入れられるかってトコだ。時代を経て改めてこのアルバムを聴いてみればそれは明らかにブリティッシュの香りのするハードロックからメタルへの流れのもう一方の路線でもあり、なんら不思議なサウンドにはなっていないのだが、これまでが勢い有りすぎたがためにそういう批評にもなったのか。
冒頭からスピードチューンで掴みはOKだけど、確かにそれ以降、妙にしっとりとした作風が多いか。かと言ってギターが派手というのでもなく、歌がメロディー有りすぎるのか、みたいな中途半端な印象すら持ってしまう。ある種こういうメタルってのは多くあるからメイデンじゃなくても、ってのもあったようだ。リスナーは多分、疾走感と変態感を求めていたんだと思うけど、ここではしっとり感と変態感だったからちょいと戸惑った。その融合での成功曲が「Fear of the Dark」なんだろうが、バラつきのあるアルバムかね。プログレッシブ感もどうも纏めきれていないトコある風だし。そんな中途半端な印象すら持ちうる作品ではあるものの、90年代のメイデンとしては傑作の部類。この時代を抜けたからこそ自らを見直すことも出来た、アルバム的には意味深な作品。
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