The Grateful Dead - Anthem Of The Sun

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The Grateful Dead - Anthem Of The Sun (1968)
太陽の讃歌(デラックス・エディション)

 ロックってホント終わってるんだろうな、と思う事の一つに「悪ぶるヤツ」がいないって所かな。良い子ちゃんみたいに話したりMCしてたりしてて観衆と同期しちゃってる。ステージの上でのスター感とか別空間みたいな世界観がなかなかない。そういう世界観を持ってる、作ってる人もいるから全部じゃないけど、ロックってのがどうもワルの象徴ってのからはかけ離れすぎた単語になってるんだよね。そりゃ当たり前なんだけど、それにしてもさ、メタルっつったら鋲付きの何かがあったりしてほしいし、ロックっつったらどっか革ジャン的なのあってもらいたいし、そういう古きオヤジやジジイの幻想が見当たらない、だから終わったと言われるのかも。ま、それだけじゃないけど。

 Grateful Deadの1968年のセカンド・アルバム「Anthem Of The Sun」。セカンドアルバムにしてこれかよ、ってくらいにぶっ飛んでる一枚で、ライブ録音音源にスタジオ音源を重ねて作り上げた見事なまでのサイケデリックサウンドの代表。ファーストよりこっちの「Anthem Of The Sun」の方が自分的には聴きやすいしデッドをよく表している音楽だと思う。天才だったんじゃないか?っていうのを感じるもんね、これは。作ろうとして作れるのかね、こういうの…って。ジェファーソン・エアプレインのライブでの雰囲気やちょいと異なるけど初期ザッパの世界観なんかが重なり合ったデッドらしい音、暗くならないし重くもならないデッドならではの心地良さも久々に味わえた。ビートルズのサイケなんかもこの辺同じセンスだもん。どっちがどっちをサンコウにしたかわかんないけど、だからと言って出来るってのでもないから凄い。

 案外ポップ。ビートルズ好きです、って言っててデッド分からん、って人にはオススメか(笑)。ホントセンスに差はないんじゃないかと思うくらいにユニークな作品。他にもデッドの作品は色々と面白いのも多いけど、この「」もかなり興味深い作品、そこまでアーシーさを感じないのは作り込まれている所があるからかなぁ…。


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フレ
Posted byフレ

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デューク中島  
ほとんど聴かない盤だったのですが

今年の始めに 久しぶりに通して聴いてみたら 結構いいなと。
ライブ曲の途中に DONOVAN作 霧のマウンテンのフレーズが出て来るのに気付いて ひょっとして オールマンのマウンテン ジャムは これをヒントにしたのかな? と思ったことでした。

2017/11/04 (Sat) 20:58 | EDIT | REPLY |   

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